JP2002257341A - セラミックグロープラグ - Google Patents

セラミックグロープラグ

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JP2002257341A
JP2002257341A JP2001051006A JP2001051006A JP2002257341A JP 2002257341 A JP2002257341 A JP 2002257341A JP 2001051006 A JP2001051006 A JP 2001051006A JP 2001051006 A JP2001051006 A JP 2001051006A JP 2002257341 A JP2002257341 A JP 2002257341A
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ceramic
glow plug
heating element
fitting
rear end
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JP2001051006A
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Hiroyuki Arima
裕之 有馬
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極側の端部に凹部を形成しその内部にロウ材
を流し込んで電極取出金具を固定する構造とすると、セ
ラミック絶縁体は通常ホットプレス焼成するので、凹部
を形成するために焼成後穴加工をする必要があり、加工
に非常に時間が掛かるとともに低コスト化できないとい
う課題があった。 【解決手段】先端側に発熱抵抗体4を備えた窒化珪素質
セラミックスからなるセラミック発熱体2に、前記発熱
抵抗体4と接続する電極引出部7bを具備したセラミッ
クグロープラグにおいて、前記電極引出部7bが前記セ
ラミック発熱体4の後端面に露出しており、該後端面2
0に陽極金具10をなすネールヘッドピンをロウ付けす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの始動時やアイドリング時に燃料の着火および安定燃
焼を維持するための自己飽和型のセラミックグロープラ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼルエンジンの始動補助用
として使用されるセラミックグロープラグは、セラミッ
ク発熱体と、これを先端部に保持しエンジンのシリンダ
ヘッドに取付けられる管状のハウジングによる取付け金
具と、この取付け金具の先端で前記セラミック発熱体を
保持する金属製外筒とを備えている。このグロープラグ
では、一般にセラミック発熱体と金属製とを銀ロウでロ
ウ付けすることにより接合し、さらにセラミック発熱体
を保持した金属製外筒を取付け金具の先端部にロウ付け
することにより接合している。
【0003】また、この種のグロープラグは、それ自体
がエンジンのシリンダと外気とを遮断する圧力隔壁の一
部を構成することから、上述したセラミックヒータ型グ
ロープラグも気密を保持する機能が必要であり、従来は
上述したように銀ロウ等を全周にわたって付着させてセ
ラミック発熱体と金属製外筒との間に充満させることに
より、気密性を確保できるようにしていた。
【0004】例えば、図4に示すように高強度で耐酸化
性に優れた窒化珪素(Si34)を主成分とするセラミ
ック発熱体32中に発熱抵抗体34としてタングステン
カーバイド(WC)等の導電性セラミックスを埋設し、
セラミック体33と埋設した導電性セラミックスからな
る発熱抵抗体34との熱膨張差を考慮したセラミック発
熱体32が、セラミックグロープラグとして好適である
ことが提案されていた(実開平2−20293号公報参
照)。
【0005】このセラミックグロープラグは、発熱抵抗
体34とタングステンからなるリードピン36が電気絶
縁性セラミック発熱体32中に埋設され、陰極側の電極
引出部37aは陰極金具38と接合され、陽極側の電極
引出部37bはコイル状の陽極金具40に接合され、さ
らに陽極端子41および棒状電極42に接合される構造
となっていた。また、前記棒状電極42は、陰極金具3
8と接合しているハウジング金具39との間で電気的絶
縁性を確保するために、絶縁シール44、46を介して
取り付けネジ45で固定される構造となっている。ま
た、ハウジング金具39の外周にはネジ部43が形成さ
れ、この部分を締め付けることによりエンジンの気筒内
にセラミックグロープラグ31が装着される。
【0006】それ以前に使用されていたニッケル−クロ
ム合金の高融点金属線からなる発熱抵抗体34を埋設し
たタイプのグロープラグは、室温から800℃まで加熱
するのに必要な始動時間が30秒程度必要であったが、
図4に示すタイプのセラミックグロープラグ31におい
ては、これが4〜5秒に短縮されていた。しかし最近
は、上記立ち上がり時間を3秒以下にするものが要求さ
れるようになってきた。
【0007】現在使用されているセラミックグロープラ
グ31の主流は、セラミック発熱体32として、加工性
の点から外径3.5mmφ程度のものが使用されてい
る。しかし、この程度の外径となると、前記始動時間が
どうしても4〜5秒必要で、これ以上始動時間を短くし
ようとすると、始動時の過昇温により、セラミックグロ
ープラグ31の耐久性が著しく低下することが判ってい
た。
【0008】また、ディーゼルエンジンの小型排気量化
のもうひとつの動きとして、従来は、副燃焼室を設け、
ここで燃料を着火させ、燃料が希薄な空気過多なガスが
充填されている燃焼室に燃焼を伝達するという2段階の
燃焼が採用されていたが、この副燃焼室を廃止し、燃焼
室で燃料を直接着火させる直噴型のエンジンが実用化さ
れてきた。このようなエンジンは、燃焼室内の燃料噴射
に濃度の濃淡を発生させ、濃度の濃い部分で燃料を着火
させ、これを燃料濃度が希薄な全体に拡げていくシステ
ムである。更に、燃焼効率を向上し、出力向上を図るた
めバルブの4弁化が進行してきている。
【0009】しかしながら、このようなシステムのエン
ジンは、燃料噴射ノズルや吸排気バルブ等が密集してお
り、グロープラグを設置するスペースが狭く、従来のセ
ラミックグロープラグは大きさの点で使用できないとい
う課題があった。現在必要とされているセラミックグロ
ープラグでは外径が大きく、エンジンのシリンダに設置
するためにエンジンの能力を下げて設計せざるをえない
という課題があった。現在必要とされているセラミック
グロープラグは、ハウジング金具の径で8mm以下であ
り、陰極金具を含めた全体の保持強度を考慮すると、セ
ラミック発熱体の外径を2〜3mmにする必要がある。
【0010】ところが、従来のセラミックグロープラグ
は、陽極金具40がセラミック絶縁体32の外周部で接
続されていたためハウジング金具39との接触を防止す
るため陰極金具38の外側にさらにハウジング金具39
を設けて陽極金具40を避ける構造とする必要があっ
た。このため、グロープラグの構造を小さくすることが
できなかった。
【0011】そこで、このような問題を解決するため
に、特開2000−356343号公報には「無機導電
材または高融点金属材からなる発熱体をセラミックス中
に埋設したセラミックス発熱体と、このセラミックス発
熱体を保持する金属製外筒と、この金属製外筒を保持す
る取付け金具を有するセラミックスヒータ型グロープラ
グにおいて、前記金属製外筒内に位置付けたセラミック
ヒータ型グロープラグ」が提案されている。このグロー
プラグは、図5に示すように、発熱体34とこれに接続
される2本のリード線36が窒化珪素からなるセラミッ
ク絶縁体35の中に埋設され、その一方のリード線36
の端は、セラミック絶縁体35の側面で露出し陰極金具
38に接続され、別のリード線36の端は、セラミック
絶縁体35の後端面側に形成された凹部47内に露出
し、ロウ材48により陽極金具40と接続された構造が
示されている。また、凹部47の形成方法については、
凹部47を形成する位置にモリブデン線を埋め込んでお
き、焼成後、このモリブデン線を切削等の機械加工もし
くは王水による溶解等の方法により除去することが示さ
れている。
【0012】上記のように図5に示す構造とすると、ハ
ウジング金具39を、陽極金具40を避けて形成する必
要が無くなるので、その分グロープラグの径を細くする
ことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図5に示し
たセラミックグロープラグの構造では、セラミック発熱
体32の後端面に凹部46を形成しその内部にロウ材を
流し込んで陽極金具40を固定する構造としているが、
窒化珪素からなるセラミック絶縁体35は、通常ホット
プレス焼成により一軸方向に圧力を掛けながら加熱する
ため、凹部47を形成するためには一旦凹部47にモリ
ブデンを埋めこんで焼成し、焼成後さらに切削等の機械
加工や王水による溶解等の方法により凹部47を形成す
る必要があり、加工に非常に時間が掛かるとともに低コ
スト化できないという課題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、先端側に発熱抵抗体を備えた窒化珪素質セラ
ミックスからなるセラミック焼結体の、前記発熱抵抗体
と接続する電極引出部を具備したセラミックグロープラ
グにおいて、前記電極引出部が前記セラミック発熱体の
後端面に露出しており、該後端面に陽極金具をなすネー
ルヘッドピンをロウ付けして電極を形成することによ
り、前記課題を解決できることを見出した。
【0015】これにより、セラミックグロープラグを小
径化し、セラミックグロープラグの室温から800℃ま
での昇温時間を3秒以下とすることを可能にした。
【0016】
【発明の実施の形態】図1を用いて、本発明の実施の形
態を説明する。
【0017】図1(a)は、本発明のセラミックグロー
プラグ1の断面図を示したものである。セラミック発熱
体2はセラミック体3中に第一の発熱抵抗体4と第二の
発熱抵抗体5とリードピン6と陰極用の電極引出部7
a、陽極用の電極引出部7bが埋設されている。そし
て、電極引出部7aはロウ材により陰極金具8と接続さ
れ、さらにハウジング金具9に接続されている。また、
陽極側は、電極引出部7bがセラミック発熱体2の後端
面20から露出しており、この電極引出部7bの上にロ
ウ材7cを介して陽極金具10をなすネールヘッドピン
を接合し、ネールヘッドピンはさらに棒状電極12に接
続する構造となっている。そして、ハウジング金具9と
棒状電極12は、絶縁シール14、16で電気的に絶縁
され、また、リング状の絶縁シール14、16を介して
取り付けネジ15によりハウジング金具9と電気的絶縁
性を保った状態で締め付け固定されている。
【0018】本発明の特徴は陽極側の構造にあり、前記
電極引出部7bが前記セラミック発熱体2の後端面20
に露出しており、該後端面20に陽極金具10をなすネ
ールヘッドピンをロウ付けすることにより、陰極金具8
およびハウジング金具9の外径を小さくし、セラミック
グロープラグ1を小径化することが可能となると同時
に、工程数を減らしその加工性を向上させることができ
る。
【0019】また、セラミック発熱体2のロウ付けする
後端面20の表面粗さ(Ra)を0.5μm以上とする
ことが好ましい。このようにすることにより、アンカー
効果により接合強度を向上させることができる。
【0020】また、陽極金具10をなすネールヘッドピ
ンのヘッドの外周と電極引出部7bの位置関係について
は、図1(b)に示したように、電極引出部7bをネー
ルヘッドピンのヘッドが覆うとともに、ヘッドの外周と
の間の距離dを0.2mm以上とすることが好ましい。
【0021】もし、電極引出部7bの位置がネールヘッ
ドピンのヘッドの外周からはみ出したり、前記距離dを
0.2mm未満とすると、使用中のこのネールヘッドピ
ン付近の温度は400〜450℃程度の高温になる場合
があるため、ロウ材7cとセラミックスの熱膨張差によ
る応力により電極引出部7bの周囲にクラックが発生し
抵抗値が上昇するという問題が発生する。一旦このよう
な傾向になると、抵抗値上昇により電極引出部7b付近
の温度がさらに上昇し、さらにクラックを成長させると
いう悪循環に入ってしまうので好ましくない。特に、ロ
ウ材7cの端部が電極引出部7bを横断するような形状
になると、ロウ材7cの端部にクラックが発生しやすく
なるので、注意を要する。
【0022】また、図1(c)に示すように、陽極金具
10をなすネールヘッドピンをロウ付けした後端面20
の外周22に0.2mm以上のC面もしくはR面の面取
りを施すことにより、ロウ付け部からはみ出したロウ材
7cを除去し、ハウジング金具9との間で有効な絶縁距
離を確保することができるようになる。
【0023】また、図2に示すように、陽極金具10を
なすネールヘッドピンを覆うようにセラミック発熱体2
の後端面20にキャップ10aを接合することにより、
さらに強度を向上させることができる。このようにする
ことにより、陽極金具10の取付けの作業性を向上させ
るとともに固定強度を向上させることが可能となる。な
お、陽極金具10をなすネールヘッドピンとキャップ1
0aは、同時にロウ付けするようにしても構わない。
【0024】また、本発明の他の実施形態として、図3
に示すように、セラミック発熱体2の後端面20側に細
径部21を形成し、この上にコイル状もしくはキャップ
状の陽極金具10を形成してロウ付けするようにすれ
ば、陰極金具8およびハウジング金具9の外径を小さく
しグロープラグを小径化することが可能となる。この
時、電極引出部7bは、前記後端面20から露出させる
ようにしても構わないし、細径部21の外周で露出する
ようにしても構わない。また、コイル状の陽極金具10
を用いる場合、セラミック発熱体2の後端面20全体に
ロウ付けするようにすることが好ましい。
【0025】また、以上の実施形態において、セラミッ
ク発熱体2の発熱抵抗体4を埋設した部分の外径は2.
0〜3.0mmとすることが好ましい。セラミック発熱
体2の外径を2.0mm未満にすると、セラミック発熱
体2の片持ち強度を保持するため、第一の発熱抵抗体4
が陰極金具8の直近まで来てしまい、陰極金具8が第一
の発熱抵抗体4により直接加熱されるようになるため好
ましくない。また、3.0mmを越える外径では、小型
化に対応できない。
【0026】セラミック発熱体2と陰極金具8の間の接
合は、Ag、Cuのうち一種以上を主成分とするロウ材
を使用して真空中750〜1000℃で接合することが
好ましい。また、端部20と陽極金具10をなすネール
ヘッドピンの間は、Ag、Au、Cu、Niのうち一種
以上を主成分とするロウ材7cを使用して真空中750
〜1000℃で接合することが好ましい。
【0027】また、前記第一の発熱抵抗体4と第二の発
熱抵抗体5の抵抗比が2:1より第一の発熱抵抗体の抵
抗が小さいと、陰極金具10付近が加熱され好ましくな
い。そして、前記抵抗比が7:1より第一の発熱抵抗体
4の抵抗が大きくなると、第二の発熱抵抗体5の抵抗値
を下げるために、緩衝材であるセラミック体3と同質の
窒化珪素や窒化硼素の添加量を減らすので、昇降温時の
熱衝撃で、第二の発熱抵抗体5にクラックが発生するの
で好ましくない。したがって、上記抵抗比は2:1〜
7:1の範囲が好ましい。
【0028】また、本発明のセラミック体3は、窒化珪
素を主成分とし、焼結助剤として3〜10重量%の稀土
類元素酸化物、0.3〜3重量%の酸化アルミニウム、
0.5〜8.5重量%の二珪化モリブデンおよび1〜5
重量%の酸化珪素を含有するものが好ましい。希土類元
素酸化物は、粒界相の融点を向上させ、セラミックグロ
ープラグの高温耐久性を向上させる。また、酸化アルミ
ニウムは窒化珪素の焼結を大きく促進し、粒界相量の増
減に大きく影響する。さらに好ましくは0.5〜2重量
%とすることが好ましい。酸化珪素は、原料の不純物と
して含有される酸素や焼成中の雰囲気から混入するも
の、さらに添加するもので構成される。酸化珪素も、窒
化珪素の焼結を大きく促進する効果がある。しかし、含
有量が5重量%を越えると、通電時の電界により陽極側
に集まる傾向があり、セラミックグロープラグの耐久性
を劣化させる。
【0029】上記の原料を所定の構造に成形し、成形体
の表面に第一の発熱抵抗体4と第二の発熱抵抗体5およ
び電極引出部7を形成した後、前記第二の発熱抵抗体5
と電極引出部7を繋ぐようにタングステンからなるリー
ドピン6を設置し、別の成形体を重ねてホットプレス焼
成により一体焼成することが好ましい。前記第二の発熱
抵抗体5を設置する理由は、第一の発熱抵抗体4とタン
グステンからなるリードピン6を直接接続すると、前記
接続部の温度が非常に高くなるため、セラミック発熱体
2と陰極金具8のロウ付け部が溶融劣化し、セラミック
発熱体2の保持の信頼性が低下するからである。これを
防止するため、前記接続部に第一の発熱抵抗体4より低
抵抗な第二の発熱抵抗体5を形成し、リードピン6との
接続部の温度を低下させる。また、第一の発熱抵抗体4
および第二の発熱抵抗体5を複数の層設置する場合は、
前記成形体を複数準備した後これらを重ねてホットプレ
スにより一体焼成する。
【0030】このようにして準備した成形体をホットプ
レスにより焼成して、発熱抵抗体4を内蔵した角形のセ
ラミック発熱体2を得る。なお、発熱抵抗体4の厚み方
向の収縮率は、プリント厚みに対しおよそ40〜60%
程度となる。
【0031】さらに、前記角形のセラミック発熱体2を
円柱状に加工し、電極引出部7a、7bを露出させ、陰
極金具8、陽極金具10、棒状電極12、ハウジング金
具9を順次接合した後、ネジにより絶縁シールを介して
棒状電極をハウジング金具9に固定してセラミックグロ
ープラグ1とした。
【0032】ここまで、成形体の表面に発熱抵抗体4を
形成し積層焼成するタイプについて説明してきたが、発
熱抵抗体4を射出成形等の手法で形成し、さらにその周
囲に窒化珪素質セラミックスからなる絶縁層を形成して
焼成したものについても、同様である。
【0033】
【実施例】実施例 1 希土類元素酸化物のひとつである酸化イッテリビウム
(Yb23)5重量%、二珪化モリブデン3重量%、酸
化アルミニウム0.8重量%と適量の酸化珪素を添加混
合した窒化珪素の造粒粉を使用し、プレス成形により平
板状の窒化珪素成形体を準備する。該成形体の片面に第
一の発熱抵抗体4および第二の発熱抵抗体5と電極引出
部7をプリント形成し、さらにリードピン6を設置した
成形体を2組準備する。このとき、第一の発熱抵抗体4
と第二の発熱抵抗体5の抵抗比を5:1としてサンプル
を作製した。
【0034】その後、前記成形体を2段重ねて、さらに
上部の成形体の上に他の窒化珪素質成形体を重ね、さら
に、ホットプレス焼成して断面角状のセラミック発熱体
2を得た。
【0035】その後、前記断面角状のセラミック発熱体
2を外径が2.9mmとなるように丸め加工した。その
後、陰極側の電極引出部7a上に陰極金具8を設置し、
Au−Cuからなるロウ材を溶融させて陰極金具8を固
定した。また、陽極については、陽極側端面10aの電
極引出部7上にAg−Cuを主成分とするロウ材を介し
て陽極金具10をなすネールヘッドピンを一体化した。
【0036】さらに、陰極金具8上にハウジング金具9
を装着した後これを高周波加熱によりロウ付けし、陽極
金具10の末端に設置された取り付けネジ15を絶縁シ
ール14、16を介して固定してセラミックグロープラ
グとした。
【0037】また、図3に示すように、上記のようにし
て作製したセラミック発熱体2の陽極側後端部付近の外
径を2.4mmとなるように切削加工し、この切削加工
した部分にコイル状の陽極金具10をロウ付けし、端面
10aで陽極取出し部と接続したセラミックグロープラ
グ1を作製した。
【0038】そして、比較用に図5に示すように外径
2.9mmのセラミック発熱体2の陽極側端面20に凹
部47を形成し、その凹部47に陽極金具を挿入しAg
−Cuを主成分としたロウ材48を用いてロウ付けした
セラミックグロープラグ1と、図4に示す従来の外径
3.4mmφのセラミック発熱体2の陽極外周にコイル
状の陽極金具10を同様のロウ材48を用いて固定した
セラミックグロープラグを作製した。
【0039】そして、セラミックグロープラグ1の外径
と加工性と昇温時間を比較した。
【0040】結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から判るように、比較例1は、陽極金
具10を取り付けるために凹部47を加工する必要があ
り、かつロウ材48を凹部47に流し込む必要がある
が、切削等の機械加工や王水による溶解等の方法により
小さな凹部47を形成するのは加工が難しく、ロウ材4
8の充填が難しいというように加工性に課題があった。
【0043】また、従来のセラミックグロープラグであ
る比較例2は、セラミックグロープラグの外径が12m
mと大きくなってしまうという課題があった。
【0044】これに対し、図1に示した本発明のセラミ
ックグロープラグは、陽極金具10をなすネールヘッド
ピンをセラミック発熱体2の後端面20でロウ付けによ
り接合するので、セラミックグロープラグの外径を8m
m程度まで細くすることが可能となると同時に、穴加工
の必要が無いので加工性を格段に改善することができ
た。
【0045】また、図2に示す本発明の他の実施形態に
ついても、同様の効果を得ることができた。
【0046】実施例 2 ここでは、陽極金具10をロウ付けするセラミック発熱
体2の後端面10aの表面粗さと陽極金具10をなすヘ
ッド部分の外径が2.4mmで線径が0.7mmのネー
ルヘッドピンを、Ag−Cuを主成分とするロウ材7c
でロウ付けし、そのネールヘッドピンの引張強度を測定
した。ロウ付けは、真空中1000℃で実施した。表面
粗さ(Ra)の水準は、0.1μm未満、0.3、0.
5、0.7、1.0μmRaと変更し、各10本のサン
プルを準備して、その引張強度の平均値をデータとし
た。なお、セラミック発熱体2の外径は3.0mmのも
のを使用した。
【0047】また、ネールヘッドピンの外側に図2に示
すように、キャップ状の金具10aを被せてさらにAg
−Cuを主成分とするロウ材7cを用いて真空中850
℃でロウ付けしたサンプルを作製し、同様の評価を実施
した。
【0048】結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示したように、後端面20の表面粗
さ(Ra)が0.5μm未満であるNo.1、2は、6
0N未満であったが、表面粗さ(Ra)が0.5μm以
上であるNo.3〜5は、60N以上の値を示した。表
面粗さ(Ra)がアンカー効果を向上させ、さらに引張
強度を向上させているものと推定した。
【0051】また、図2に示すようにネールヘッドピン
の上にキャップを被せてロウ付けしたNo.6は、さら
に強度を向上させることができた。
【0052】実施例 3 ここでは、陽極金具10をなすネールヘッドピンの外径
と、陽極の電極取出部7bのパターンとの間隔と、耐久
性の相関を調べた。ネールヘッドピンのヘッド部分の外
径を2.4mmとして、該ヘッドの外周と陽極の電極取
出部7bのパターンとの間の距離dを0〜0.4mmま
で変更したサンプルを各20本作製し、初期とネールヘ
ッドピン取り付け部を400℃まで2分で加熱し、2分
で50℃以下まで強制空冷するサイクルを5000サイ
クルかけた後の引張強度を各々10本測定した。なお、
セラミック発熱体2は、外径が3.0mmのものを使用
した。
【0053】表3に、それぞれの平均強度を示した。
【0054】
【表3】
【0055】表3から判るように、前記距離dが0.2
mm未満であるNo.1、2は耐久テスト後の引張強度
が30N以下になったが、前記距離dが0.2mm以上
としたNo.3〜5は、耐久テスト後も40N以上の引
張強度を有していた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、先端側に発熱抵抗体を
備え窒化珪素質セラミックスからなるセラミック焼結体
の、前記発熱抵抗体と接続する電極引出部を具備したセ
ラミックグロープラグにおいて、前記電極引出部が前記
セラミック発熱体の後端面に露出しており、該後端面に
陽極金具をなすネールヘッドピンをロウ付けしたことに
より、加工性を改善すると同時に低コスト化できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のセラミックグロープラグの
縦断面図であり、(b)はそのX−X断面図であり、
(c)は陽極金具接合部の部分拡大図である。
【図2】本発明のセラミックグロープラグの他の実施形
態を示す断面図である。
【図3】本発明のセラミックグロープラグの他の実施形
態を示す断面図である。
【図4】従来のセラミックグロープラグを示す断面図で
ある。
【図5】従来のセラミックグロープラグを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1:セラミックグロープラグ 2:セラミック発熱体 3:セラミック体 4:第一の発熱抵抗体 5:第二の発熱抵抗体 6:リードピン 7:電極引出部 8:陰極金具 9:ハウジング金具 10:陽極金具 11:陽極端子 12:棒状電極 13:ネジ部 14、16:絶縁シール 15:取り付けネジ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端側に発熱抵抗体を備えた窒化珪素質セ
    ラミックスからなるセラミック発熱体に、前記発熱抵抗
    体と接続する電極引出部を具備したセラミックグロープ
    ラグにおいて、前記電極引出部が前記セラミック発熱体
    の後端面に露出しており、該後端面に陽極金具をなすネ
    ールヘッドピンをロウ付けしたことを特徴とするセラミ
    ックグロープラグ。
  2. 【請求項2】前記セラミック発熱体の後端面の表面粗さ
    (Ra)が0.5μm以上であることを特徴とする請求
    項1記載のセラミックグロープラグ。
  3. 【請求項3】前記陽極金具をなすネールヘッドピンを覆
    うようにキャップ状の金具を接合したことを特徴とする
    請求項1記載のセラミックグロープラグ。
  4. 【請求項4】前記セラミック発熱体の後端面に露出した
    電極引出部を、陽極金具をなすネールヘッドピンが覆う
    とともに、該ネールヘッドピンの外周と前記電極引出部
    との間の距離を0.2mm以上としたことを特徴とする
    請求項1記載のセラミックグロープラグ。
  5. 【請求項5】前記セラミック発熱体の後端面の外周に
    0.2mm以上のC面もしくはR面の面取り加工を施し
    たことを特徴とする請求項1記載のグロープラグ。
  6. 【請求項6】先端側に発熱抵抗体を備えた窒化珪素質セ
    ラミックスからなるセラミック発熱体の、前記発熱抵抗
    体と接続する電極引出部を具備したセラミックグロープ
    ラグにおいて、前記セラミック発熱体の後端側を細径と
    し、その外周もしくは後端面に電極引出部を露出させ、
    該引出部に陽極金具を取り付けたことを特徴とするセラ
    ミックグロープラグ。
  7. 【請求項7】前記発熱抵抗体を埋設した部分のセラミッ
    ク発熱体の外径が2.0〜3.0mmであることを特徴
    とする請求項1〜6記載のセラミックグロープラグ。
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