JP5056353B2 - 新規ポリイミド発泡体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、テトラカルボン酸成分として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分を必須成分とするポリイミドからなるポリイミド発泡体が記載されているが、具体的に開示された例としては、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルを用いたものだけである。そして、これらの具体的に開示されたポリイミド発泡体は、優れた耐熱性を有するものであったが、変形しても容易に亀裂が発生しない可撓性や優れたクッション性などの発泡体としての実用的な機械的特性において改良の余地があった。
すなわち、本発明のポリイミド発泡体を形成する芳香族ポリイミドのテトラカルボン酸成分は、その80モル%以上好ましくは90モル%以上より好ましくは95モル%以上特に好ましくは100モル%が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分からなる。また、本発明のポリイミド発泡体を形成する芳香族ポリイミドのジアミン成分は、その80モル%以上好ましくは90モル%以上より好ましくは95モル%以上特に好ましくは100モル%がジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)成分からなる。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とが前記範囲外の芳香族ポリイミドを用いた場合には、変形しても容易に亀裂が発生しない可撓性や優れたクッション性などの発泡体としての実用的な機械的特性を有するポリイミド発泡体を得ることが難しくなる。
本発明においては、テトラカルボン酸成分として、テトラカルボン酸の炭素数が1〜6の低級(アルキル)アルコールのエステル化誘導体、特にテトラカルボン酸の炭素数が1〜6の低級アルコールの芳香族テトラカルボン酸ジエステル(テトラカルボン酸ジエステルジカルボン酸)を好適に用いることができる。前記テトラカルボン酸ジエステルは、炭素数が1〜6の低級アルコールにテトラカルボン酸二無水物を加えて120℃以下の温度で0.1〜24時間好ましくは1〜12時間程度反応させることによって容易に得ることができる。炭素数が1〜6の低級アルコールとしては、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、或いはそれらの混合物が好ましい。
本発明において、ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)成分以外のジアミン成分としては、例えば3,4’−オキシジアニリン、4,4’−オキシジアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンなどの芳香族ジアミン成分を挙げることができる。
なお、本発明においては、少量(ジアミン成分中の5モル%以下特に3モル%以下)の、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシランのようなジアミノシロキサンを用いても構わない。
すなわち、溶媒中でテトラカルボン酸成分とジアミン成分との略等モルを、好ましくは前記(4)の酸性リン酸エステルの存在下に、均一な溶液にしてポリイミド前駆体を得る工程(工程1)、及び、前記ポリイミド前駆体を加熱処理してポリイミド発泡体を形成する工程(工程2)からなる方法によって好適に得ることができる。
ポリイミド前駆体の調製時の溶媒は、芳香族テトラカルボン酸成分、芳香族ジアミン成分、及び好ましくは酸性リン酸エステルを溶解できるものであれば特に限定されない。アルコール、エーテル、ケトン、或いは他の有機溶媒を好適に用いることができるが、ポリイミド前駆体を粉末化して粉末状のポリイミド前駆体を得る場合には、低沸点溶媒が好適に採用される。また、テトラカルボン酸成分がテトラカルボン酸エステルの場合には、テトラカルボン酸二無水物をアルコールと反応してエステル化して得られるテトラカルボン酸エステルのアルコール溶液にジアミン成分を添加して均一な溶液にする方法が好適に採用できる。その際のアルコールとしては、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、或いはそれらの混合物が好ましい。
これらは、エチルアシッドホスフェートJP−502、ブチルアシッドホスフェートJP−504、2−エチルヘキシルアシッドホスフェートJP−508、オレイルアシッドホスフェートJP−518−0(以上、城北化学工業株式会社製)などのモノエステル体とジエステル体の混合物として、また、エチルアシッドホスフェートJUMP−18−0、ステアリルアシッドホスフェートJUMP−18(以上、城北化学工業株式会社製)などのモノエステル体として、また、ジブチルホスフェートDBP、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェートLB−58(以上、城北化学工業株式会社製)などのジエステル体として好適に入手できる。また、エチルジエチルホスホノアセテートJC−224(城北化学工業株式会社製)として好適に入手することができる。
界面活性剤(整泡剤)としては、ポリウレタンフォームの整泡剤として好適に使用される界面活性剤を好適に使用することができる。中でも、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がポリエチレンオキサイド基、ポリ(エチレン−プロピレン)オキサイド基またはプロピレンオキサイド基等のポリアルキレンオキサイド基で置換されたグラフト共重合体(置換したポリアルキレンオキサイド基の末端は水酸基又はメチルエーテル等のアルキルエーテル基やアセチル基等のアルキルエステル基である)などのポリエーテル変性シリコーンオイルが特に好適である。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの具体的としては、SH−193、SH−192、SH−194、SH−190、SF−2937、SF−2908、SF−2904、SF−2964、SRX−298、SRX−2908、SRX−274C,SRX−295、SRX−294A、SRX−280A(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)、L−5340、SZ−1666、SZ−1668(以上、日本ユニカー社製)、TFA4205(GE東芝シリコーン社製)、X−20−5148(信越化学社製)などが挙げられる。
触媒としては、重合イミド化を促進するために、1,2−ジメチルイミダゾール、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、イソキノリンなどのキノリン類、ピリジンなどのピリジン類などを加えても構わない。
また、本発明のポリイミド発泡体は高い難燃性を有しているが、それを更に難燃化するために、3価の亜リン酸エステルなどのリン化合物を用いてもよい。
また、本発明のポリイミド発泡体は、前記ポリイミド前駆体溶液から溶媒(例えばアルコール)を除去することによって容易に得ることができる粉末状のポリイミド前駆体を用いて、例えば前記粉末状のポリイミド前駆体を圧縮して得られるグリーン体を加熱処理することによって好適に得ることができる。
また、本発明のポリイミド発泡体は、前記粉末状のポリイミド前駆体を再度適当な溶媒と混合した混合体(溶液又はスラリー)を、加熱処理することによって好適に得ることができる。
オーブン加熱或いはマイクロ波照射のいずれの場合も、発泡が終了した段階では、得られたポリイミド発泡体は十分な機械的強度を有していない。従って、得られたポリイミド発泡体を例えばオーブンなどの加熱装置によって、さらに後加熱することが好適である。
そして、本発明のポリイミド発泡体は、好ましくは前記のポリイミド発泡体を環状に変形する可撓性を評価する試験によっても亀裂を生じない程度以上の可撓性を有しており、さらに前記クッション性の試験によっても永久歪みが10%以下である程度以上のクッション性を有している。本発明では、前記の如き実用的な評価法によって本発明のポリイミド発泡体を評価したが、これらの結果から、本発明のポリイミド発泡体は、発泡体として極めて高い機械的特性を有していることがわかる。
また、本発明のポリイミド発泡体の発泡倍率は、好ましくは50倍以上(見掛け密度が0.0272g/cm3以下)、より好ましくは100倍以上(見掛け密度が0.0136g/cm3以下)であり、好ましくは500倍以下(見掛け密度が0.0027g/cm3以上)、より好ましくは400倍以下(見掛け密度が0.0034g/cm3以上)のものである。発泡倍率が50倍未満では、剛直になって可撓性やクッション性を得ることができなくなるのみならず、軽量化などの発泡体として通常期待される特質や特長が得られなくなる。一方、発泡倍率が500倍を越えると、発泡体セルの壁が薄くなり機械的特性が低下して変形によって亀裂が発生し易くなるので、可撓性や優れたクッション性などの発泡体としての実用的な機械的特性を有したポリイミド発泡体を得ることが難しくなる。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
a−BPDA:2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
MPD:m−フェニレンジアミン
3,4’−ODA:3,4’−オキシジアニリン
2,4−DAT:2,4−ジアミノトルエン
MDA:4,4’−メチレンジアニリン
PPD:p−フェニレンジアミン
MeOH:メタノール
(酸性リン酸エステル)
JP−508:2−エチルヘキシルアシッドホスフェートJP−508(城北化学工業株式会社製)、モノ(エチルヘキシル)エステル体とジ(エチルヘキシル)エステル体の混合物
JC−224:エチルジエチルホスホノアセテートJC−224(城北化学工業株式会社製)、エチルジエチルホスホノアセテート
〔見掛け密度(ポリイミド発泡体の密度)〕
ポリイミド発泡体を50mm×50mm×50mmの立方体に切り出し、その重量を測定することによって、見掛け密度を算出した。
測定はサンプル25℃、50%RHの条件下で24時間保持したものを同条件下で行った。
ポリイミド発泡体を構成しているものと同じテトラカルボン酸成分とジアミン成分とからなるポリイミドフィルムを、最高加熱温度をポリイミド発泡体の加熱温度と同一にして作成した。このポリイミドフィルムの密度(真密度)を密度勾配管及びピクノメーターを用いて測定した。
得られたポリイミドフィルムの真密度を、前記ポリイミド発泡体の見掛け密度で除することで発泡倍率を算出した。
測定はサンプルを25℃、50%RHの条件下で24時間保持したものを同条件下で行った。
ポリイミド発泡体から、ミクロトームで負荷が掛からないようにして寸法:2cm×2cm×2cmのサンプルを切り出した。そのサンプルの各断面について走査型電子顕微鏡(SEM)により、倍率20倍で、断面写真を撮影した。なお、SEM測定は、発泡体サンプルを25℃、50%RHの条件下で24時間保持したものを同条件下で行った。
前記SEMによる断面写真を、画像処理ソフト(Scion Corporation社製「Scion Image」)を用いて解析した。すなわち、SEMによる断面写真の特定の発泡体セルの一端をクリックし、もう一端にドラッグすることで、その発泡体セルの内径を算出した。また、特定の発泡体セルの周囲をドラッグしながら囲むことでその面積を算出した。そして、特定の発泡体セルの面積の和を全断面積で除することで、特定の発泡体セルの全断面積に対する面積比率を算出した。
本発明では、前記方法に従って、サンプルの各断面積について測定し、その平均値を求めた。そして、発泡体セルの均一性は、径が1〜1000μmの範囲内の発泡体セルの断面積の総和が全断面積に対して80%以上を○(特に径が1〜500μmの範囲内の発泡体セルの断面積の総和が全断面積に対して80%以上は◎)、80%未満で50%以上を△、50%未満を×として評価した。
また、前記方法において、独立孔の発泡体セルの面積の和を全断面積で除することによって、独立気泡率(%)を算出した。
断面1cm×1cmで長さ5cmのポリイミド発泡体を切り出してサンプルとした。サンプルの長手方向の両端部をもって、両端部同士が接触して環状になるまで5秒間程度で変形させた。目視観察で亀裂の有無を確認し、亀裂が入ってサンプルが2つに折れたものを×、亀裂が入ったがサンプルは2つに折れなかったものを△、亀裂が生じないものを○で評価した。
測定はサンプルを25℃、50%RHの条件下で24時間保持したものを同条件下で行った。
2cm×2cm×2cmのポリイミド発泡体を切り出してサンプルとした。そのサンプルの上面から荷重を掛けて厚さを0.2cm(圧縮前の厚みの10分の1)になるまで引張り圧縮試験機(オリエンテック社製 ORIENTEC TENSILON RPA−500)によって上面と底面とが平行を保つようにして圧縮し、その状態で30秒間保持した後で荷重を取り除き、30秒後の厚みが回復したときの永久歪み(回復できなかった厚み)を測定した。クッション性は、永久歪みの圧縮前の厚みに対する割合で評価した。
永久歪みが0〜10%を○、11〜20%を△、20%以上を×として評価した。
なお、サンプルに異方性がある場合には3方向の測定値の平均値とした。
測定は25℃、50%RHの条件下で24時間保持したものを同条件下で行った。
ポリイミド前駆体の成形体若しくはポリイミド前駆体粉末を溶液化したものを、上部が開いた20cm×20cm×20cmのフッ素樹脂製直方体型成型治具に入れ、電子レンジ(シャ−プ株式会社製RE−6200)により、マイクロ波加熱処理して発泡させることで、ポリイミド発泡体で成型治具内に充填させた。充填後、成型治具上部かはみ出した部分を切り出し、成型治具内部に充填され、直方体になった発泡体のみを200℃に設定した熱風オ−ブン(光洋サーモシステム(株)製ハイテンプオーブンHTO−9B)に投入し、後加熱処理を行った。得られた直方体状のポリイミド発泡体から、15cm×15cm×2cmの発泡体が何枚得られるかで、成形時充填性を評価した。6〜7枚得られた場合を◎、4〜5枚得られた場合を○、成形時の充填性が劣るために3枚以下しか得られなかった場合を×と定義した。
1000mlナス型フラスコにa−BPDA 50g(0.1699mol)、MeOH 94.5823gを仕込み、80℃のオイルバス中で、還流させながら、120分間加熱攪拌を行い、a−BPDAをエステル化し、均一な反応溶液とした。得られた反応溶液を室温まで冷却した後、酸性リン酸エステルの2−エチルへキシルアシッドホスフェートJP−508(城北化学工業株式会社製) 2.8375g、芳香族ジアミン成分のMDA 33.6925g(0.1699mol)、シリコーン系界面活性剤のX−20−5148(信越シリコーン社製) 0.9458gを加えて攪拌して、沈殿物を生じることなく均一な溶液を得た。この溶液をエバポレ−タ−で溶媒のMeOHを除去して濃縮後、室温で減圧乾燥器を用い乾燥し固形物を得た。得られた固形物を、乳鉢を用いて細かく粉砕してポリイミド前駆体粉末とした。次に、ポリイミド前駆体粉末を100mm×100mm×10mmの金枠に敷き詰め、スペ−サ−を使用して、圧縮成型機(株式会社神藤金属工業所製 S−37.5)により、室温で圧縮成型した。得られた成型体を、上部が開いた20cm×20cm×20cmのフッ素樹脂製直方体型成型治具に入れ、電子レンジ(シャ−プ株式会社製RE−6200)を用いて、1120Wで5分間、マイクロ波加熱処理して発泡させて、ポリイミド発泡体を得た。成型治具上部かはみ出した部分を切り出し、成型治具内部に充填され、直方体になった発泡体のみを200℃に設定した熱風オ−ブン(光洋サーモシステム(株)製ハイテンプオーブンHTO−9B)に投入し、最高温度300℃で後加熱処理を行った。得られたポリイミド発泡体は発泡体セルが細かく、均一で、可撓性及びクッション性が優れていた。結果を表1に示す。
酸性リン酸エステルとしてエチルジエチルホスホノアセテートJC−224(城北化学工業株式会社製)を用いたこと以外は実施例1に準じてポリイミド発泡体を得た。得られたポリイミド発泡体は発泡体セルが細かく、均一で、可撓性及びクッション性が優れていた。結果を表1に示す。
実施例1に準じてポリイミド前駆体粉末を得た。得られたポリイミド前駆体粉末100gをMeOH12gに均一に再溶解させた。その溶液を用いて、実施例1のマイクロ波加熱条件、後加熱処理条件に準じて、ポリイミド発泡体を得た。得られたポリイミド発泡体は発泡体セルが細かく、均一で、可撓性及びクッション性が優れていた。結果を表1に示す。
芳香族ジアミン成分に、MDAの代わりに、PPD 18.3730g(0.1699mol)を用い、後加熱処理の最高温度を420℃に変更した以外は実施例1に準じてポリイミド発泡体を得た。得られた発泡体は、本願発明のポリイミド発泡体とは相違して、成形時充填性が劣る(成型治具内部に均一に充填されない)ものであった。また、可撓性及びクッション性も良好ではなかった。結果を表1に示した。
芳香族ジアミン成分に、MDAの代わりに、MPD 18.3730g(0.1699mol)を用い、後加熱処理の最高温度を355℃に変更した以外は実施例1に準じてポリイミド発泡体を得た。発泡は極めて不均一にしか起こらなかった。また、得られたポリイミド発泡体は、本願発明のポリイミド発泡体とは全く相違して、発泡体セルの目が極めて粗く且つ不均一であり、クッション性及び可撓性がない(脆い)ものであった。結果を表1に示した。
芳香族ジアミン成分に、MDAの代わりに、2,4−DAT 20.7567g(0.1699mol)を用いた以外は実施例1に準じてポリイミド発泡体を得た。発泡は極めて不均一にしか起こらなかった。また、得られたポリイミド発泡体は、本願発明のポリイミド発泡体とは全く相違して、発泡体セルの目が極めて粗く且つ不均一であり、クッション性及び可撓性がない(脆い)ものであった。結果を表1に示した。
芳香族ジアミン成分に、MDAの代わりに、3,4’−ODA 34.0208g(0.1699mol)を用い、後加熱処理の最高温度を290℃に変更した以外は実施例1に準じてポリイミド発泡体を得た。発泡は極めて不均一にしか起こらなかった。また、得られたポリイミド発泡体は、本願発明のポリイミド発泡体とは全く相違して、発泡体セルの目が極めて粗く且つ不均一であり、クッション性及び可撓性がない(脆い)ものであった。結果を表1に示した。
比較例1に準じてポリイミド前駆体粉末を得た。得られたポリイミド前駆体粉末100gをMeOH12gに均一に再溶解させた。その溶液を用いて、実施例1のマイクロ波加熱条件、後加熱処理条件、成形条件に準じて、ポリイミド発泡体を得た。得られたポリイミド発泡体は、本願発明のポリイミド発泡体とは相違して、成形時充填性が劣る(成型治具内部に均一に充填されない)ものであった。また、クッション性も良好ではなかった。結果を表1に示した。
Claims (1)
- 少なくとも80モル%以上が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルからなるテトラカルボン酸ジエステルと80モル%以上がメチレンジアニリンとからなる芳香族ジアミンとを均一に分散してポリイミド前駆体を調製し、次いで前記ポリイミド前駆体を加熱処理することを特徴とするポリイミド発泡体の製造方法であって、ポリイミド前駆体が下記一般式(4)の酸性リン酸エステルを含有することを特徴とするポリイミド発泡体の製造方法。
なお、Rは炭素数が1〜25のアルキル基又は炭素数が1〜25のアルケニル基であり、これらの基は更に炭素数が1〜25のアルコキシ基又は炭素数が1〜5のアルキル基からなる置換基を有してもよい。また、Yは水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基である。
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