JP5055975B2 - ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置 - Google Patents
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Description
前者のEVモードの選択領域を、運転者の加速意図の弱さに応じて拡大可能にしたハイブリッド車両のモード切り替え制御装置に関するものである。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
例えば図7に実線で示すように、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)と、車速VSPとの組み合わせにより、電気走行(EV)モード領域と、ハイブリッド走行(HEV)モード領域とを区切り、
これに対応するマップをもとにアクセル開度APOおよび車速VSPから、どちらの領域での運転状態であるかを判定して両者間でのモード切り替え制御を実行するのが常套である。
この提案技術は、アクセル開速度が速いとき、電気走行(EV)モードおよびハイブリッド走行(HEV)モード間でのモード切り替え判定に用いる設定アクセル開度を小さくして前者の電気走行(EV)モード領域を狭くし、その分、ハイブリッド走行(HEV)モード領域を拡大するというものである。
先ず、前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジンを停止させ、モータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードとを選択可能で、運転者による要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うようにしたものである。
運転者が意図する加速の小ささに応じ前記要求負荷の検出値であるアクセル開度を小さくなるように修正して得られる制御入力アクセル開度を、要求負荷に応じた情報として用い、電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す制御入力アクセル開度が、予め設定したモード切り替え判定値より小さいと判定した場合に、制御入力アクセル開度がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないよう構成した点に特徴づけられる。
要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うに際し、
上記要求負荷の検出値をそのまま上記要求負荷に応じた情報として用いるのではなく、これを運転者が意図する加速の小ささに応じ小さくなるよう修正して得られる制御入力要求負荷を上記要求負荷に応じた情報として用い、電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す値が、予め設定した設定値よりも小さいと判定した場合に、前記制御入力要求負荷がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないようにしたため、
モード切り替えの判定基準となる要求負荷の設定値を固定にしておいても、意図する加速が小さければ運転者が要求負荷を大きくしないと電気走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替えが行われないこととなり、意図する加速が小さいときに当該モード切り替えが早期に行われて電気走行モードが短いと感じる不満を解消することができる。
従来のようにモード切り替えの判定基準となる要求負荷の設定値を加速意図に応じ異ならせる場合に生じていた前記の問題、つまり、データ量が多くなったり、演算に要する時間が長くなって、コスト的に不利になるという問題を生ずることなく、上記の作用効果を達成することができる。
図1は、本発明のモード切り替え制御装置を適用可能なハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間に、より詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
図2に示すように、第2クラッチ7を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
この代わりに第2クラッチ7として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する前進変速段選択用の摩擦要素または後退変速段選択用の摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチ7が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機を動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ11からの信号と、
モータ/ジェネレータ回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ12からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ13からの信号と、
変速機出力回転数Noを検出する出力回転センサ14からの信号と、
エンジン1の要求負荷状態を表すアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ15からの信号と、
モータ/ジェネレータ5用の電力を蓄電しておくバッテリ9の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ16からの信号とを入力する。
なお遅開き特性βは、例えばアクセル開度APO=4/8未満の低開度領域でのみ上記の遅開き特性を持つものとし、それ以外の大開度領域では早開き特性αと同じ(APO=cAPO)特性を持つものとする。
エンジンコントローラ21は、エンジントルクTeが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御し、
モータ/ジェネレータコントローラ22はモータ/ジェネレータ5のトルクTm(または回転数Nm)が目標モータ/ジェネレータトルクtTmとなるよう、バッテリ9およびインバータ10を介してモータ/ジェネレータ5を制御する。
統合コントローラ20は、演算した目標第1クラッチ伝達トルク容量tTc1および目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に対応するソレノイド電流を第1クラッチ6および第2クラッチ7の締結制御ソレノイド(図示せず)に供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1が目標伝達トルク容量tTc1に一致するよう、また、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2が目標第2クラッチ伝達トルク容量tTc2に一致するよう、第1クラッチ6および第2クラッチ7を個々に締結力制御する。
なお、この制御に当たっては前記の通り、実アクセル開度APOに代えて制御入力アクセル開度cAPOを用いるが、便宜上実アクセル開度APOに基づき本発明に係わるモード切り替え制御を概略説明すると、
基本的には図7に実線で示すごとくアクセル開度APOおよび車速VSPの組み合わせにより規定した基本境界線上の設定アクセル開度APOa未満の実アクセル開度域でEV走行モードを選択させ、設定アクセル開度APOa以上の実アクセル開度域に入るときエンジン始動を伴ってHEV走行モードへと切り替えるが、
VSPa未満の低車速においては、運転者による加速意図の弱さに応じ、図7に破線で示すごときEV拡大境界線上における設定アクセル開度APOb以上の実アクセル開度域に入るまでエンジン始動を伴うHEV走行モードへの切り替えを行わないようにして、例えばA点からB点へのアクセル開度APOの増大によってもEV走行モードが保たれるようにすることを主旨とする。
なお図7に示すように、車速VSPがVSPa以上である間、破線で示すEV拡大境界線は実線で示す基本境界線と同じで、VSPa=VSPbとなるようにする。
また、車速VSPがVSPb以上の高車速である間は、いずれにしても無条件にハイブリッド走行(HEV)モードを選択するようになす。
アクセル開速度ΔAPOが、図9に示すように設定した第1設定速度ΔAPOa未満の速度で、弱い加速意図をもったアクセル操作領域Iか、アクセル開速度ΔAPOが、図9に示す第1設定速度ΔAPOa〜第2設定速度ΔAPOb間の速度で、中くらいの標準的な加速意図をもったアクセル操作領域IIか、アクセル開速度ΔAPOが、図9に示す第2設定速度ΔAPOb以上の速度で、強い加速意図をもったアクセル操作領域IIIかを判定する。
なお、第1設定速度ΔAPOaおよび第2設定速度ΔAPObはそれぞれ、車速VSPに応じて低車速ほど速い速度とする。
なおハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の遅開き特性βにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせる。
なおこの場合もハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の遅開き特性βにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせる。
なおハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせることにより、駆動力不足になるのを防止する。
なおこの場合もハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせることにより、駆動力不足になるのを防止する。
なおこの場合もハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせることにより、駆動力不足になるのを防止する。
なおこの場合もハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせることにより、駆動力不足になるのを防止する。
なおこの場合ハイブリッド車両の駆動力制御は、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づいて行わせることにより、駆動力不足になるのを防止する。
図6の制御プログラムは、アクセルペダルの踏み込みがなされた時に開始され、以下のようにモード切り替えを遂行するもので、ステップS11においては、車速VSPが図7に示すEV域拡大車速限界値VSPa未満の低車速か否かにより、EV域拡大車速域か否かをチェックする。
ステップS11で車速VSPが図7に示すEV域拡大車速限界値VSPa以上の高車速であると判定するときは、ステップS12において、車速VSPおよび図5の早開き特性αに基づく制御入力アクセル開度cAPO(実アクセル開度APOと同値)の組み合わせが、図7の実線で示す基本境界線を挟んでEV領域にあるのか、HEV領域にあるのかをチェックする。
ステップS12でEV域と判定するときは、ステップS14において、図5の早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づく車両の駆動力制御を行うと共に、同じく早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づき図7の基本境界線を用いたモード切り替え制御によりEV走行を行わせる。
ところで早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOは、実アクセル開度APOと同じ値であるため、また、図7の基本境界線が一般的なものであるため、早開き特性αにより得られた制御入力アクセル開度cAPOに基づく車両の駆動力制御は一般的な駆動力制御であり、また、この制御入力アクセル開度cAPOと、図7の基本境界線とに基づくモード切り替え制御も一般的なものである。
先ずステップS15において、図9に対応するマップを基に車速VSPから、加速意図判定用の第1,2設定アクセル開速度ΔAPOa,ΔAPObを読み込んで求める。
次のステップS16においては、図5の早開き特性αに基づく制御入力アクセル開度cAPO(実アクセル開度APOと同値)が図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOaを超えた時におけるアクセル開速度ΔAPOと、ステップS15で求めた加速意図判定用第1設定アクセル開速度ΔAPOaとを対比し、ΔAPO<ΔAPOaであって弱い加速意図を表す加速意図I(図8,9参照)か、ΔAPO≧ΔAPOaであって標準的または強い加速意図を表す加速意図IIまたはIII(図8,9参照)かをチェックする。
次のステップS18においては、図5の遅開き特性βにより求めた制御入力アクセル開度cAPOが、図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOa未満(APO<APOb)か以上(APO≧APOb)かにより、アクセル操作形態が図8におけるI−2かI−1かをチェックする。
I−1のアクセル操作形態である場合、ステップS19において、図5の遅開き特性βにより求めた制御入力アクセル開度cAPOと、図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOaとに基づくモード切り替え制御によりHEV走行を行わせ、
I−2のアクセル操作形態である場合(例えば図10に同符号I−2で示すアクセル操作である場合)、ステップS20において、図5の遅開き特性βにより求めた制御入力アクセル開度cAPOと、図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOaとに基づくモード切り替え制御によりEV走行を行わせる。
またこの作用効果を達成するのに、図7に破線で示すようなEV拡大境界線を設定するのではなく、要求負荷を表すアクセル開度APOの代わりに、これをアクセル開速度ΔAPO(加速意図)の弱さに応じ小さくなる遅開き特性βで修正して求めた制御入力アクセル開度cAPOを用いることとしたから、
従来のようにモード切り替えの判定基準となるアクセル開度設定値を加速意図に応じ異ならせる場合の問題、つまり、データ量が多くなったり、演算に要する時間が長くなって、コスト的に不利になるという問題を生ずることなく、上記の作用効果を達成することができる。
ステップS21において、図5の早開き特性αにより求めた制御入力アクセル開度cAPO(実アクセル開度APOと同値)に基づく駆動力制御を行うことにより、駆動力不足になるのを防止すると共に、制御をステップS22以降に進めて以下のようなモード切り替え制御を行う。
II−1のアクセル操作形態である場合、ステップS14において、図5の早開き特性αにより求めた制御入力アクセル開度cAPOと、図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOaとに基づくモード切り替え制御によりEV走行を行わせる。
かかるアクセル操作形態II−2においては、アクセル開度APOが図7の設定アクセル開度APOa〜APOb間における値であっても、APO=APOa時におけるアクセル開速度ΔAPOが上昇していて(ΔΔAPO>0)、図10に同符号II-2で示すようにAPO>APObのHEV領域に入る可能性が強く、上記のようにHEVモードでの走行を行わせることとする。
かかるアクセル操作形態II−3においては、アクセル開度APOが図7の設定アクセル開度APOa〜APOb間における値であっても、これが誤操作や運転者の癖に基づくものであることが多く、APO=APOa時におけるアクセル開速度ΔAPOの不変または低下により(ΔΔAPO≦0により)、図10に同符号II-3で示すごとくAPO<APOaのEV領域に戻る可能性が強いことから、EVモードでの走行を継続させることとしてEVモード時間を稼ぐと共に、短時間のうちにEV→HEV→EVモード切り替えがなされるのを防止する。
かかるアクセル操作形態II−4においては、アクセル開度APOが図7の設定アクセル開度APOb以上であって、図10に同符号II-4で示すようにAPO>APObのHEV領域に入っていることから、HEVモードでの走行を行わせる。
なお、このアクセル操作形態III−1においては、図10に同符号III-1で示すようにAPO>APObのHEV領域に入ることが確かであるし、強い加速意図に呼応して早期にHEVモードでの走行に移行させるのがよいことから、早開き特性αにより求めた制御入力アクセル開度cAPO(実アクセル開度APOと同値)が、図7の実線で示す基本境界線上における設定アクセル開度APOaよりも所定値だけ小さな別の設定値になった時にHEVモードでの走行へ移行させるようにしてもよい。
大きな駆動力を必要とする時とか、素早い加速を必要とする時のように、アクセル開度APOを大きくする場合は、EVモードでの走行時間を長くする制御よりも駆動力の確保を優先させて走行性能の低下を防止することができる。
つまり、発進を含む低車速時はゆっくりとしたアクセル操作を行っても低開度故に意図しないアクセル開度量を与えたり、意図しない速度でアクセル操作することがあり、その結果、意図しないモード間の切り替えを伴う懸念があるが、第1設定速度ΔAPOaおよび第2設定速度ΔAPObを低車速のときほど速い設定速度とすることでこの懸念を払拭することができる。
好ましくは、アクセル開速度ΔAPO≧ΔAPOaに起因して早開き特性αに基づく駆動力制御が行われるようになった後は、ΔAPO<ΔAPOaになっても早開き特性αに基づく駆動力制御を継続させ、この継続を、アクセル開度APOが微少設定開度未満へ低下した時に解除するよう構成することもでき、この場合は以下のような作用効果を期待できる。
ΔAPO<ΔAPOaになっても早開き特性αに基づく駆動力制御を継続させることで上記の違和感を解消することができる。
そして当該継続を、アクセル開度APOが微少設定開度未満へ低下するときに解除して、早開き特性αに基づく駆動力制御から、遅開き特性βに基づく駆動力制御への切り替えを行わせることから、大きな駆動力段差を伴うことなしに当該切り替えを実行することができる。
図示のアクセル操作では、アクセル開度APOが終始APOa未満であるためEV走行を行わせ、この際モータ/ジェネレータトルクTrqは、エンジンを速やかに始動する分の余力を残してEV走行するよう制御される。
ちなみにアクセル開度APOがAPOa以上になるとき、EV走行からHEV走行に切り替わってエンジンの始動が行われる。
なお図11 (b)における破線は、比較のため同図(a)のアクセル操作を移記したものである。
図11 (b)のアクセル操作では、アクセル開度APOがAPOaを超えてAPOb近くに達しているが、実質上EV領域の拡大によりEV走行を継続させ、この際、モータ/ジェネレータトルクTrqはエンジン始動分の余力を残してEV走行するよう制御される。
ちなみにアクセル開度APOがAPOb以上になるとき、EV走行からHEV走行に切り替わってエンジンの始動が行われる。
なお図11 (c)における破線は、比較のため同図(a)のアクセル操作を移記したものである。
図11 (c)のアクセル操作では、アクセル開度APOがAPOaを超えてAPOb近くに達していても、誤操作故にアクセル開度APOがAPOa未満に戻ることを予測して、EV走行を継続させ、この際モータ/ジェネレータトルクTrqの最大値は例えば、通常時の最大値120Nmの2倍である240Nmに制限する。
アクセル操作形態II−3の場合、遅開き特性βにより決定した小さな制御入力アクセル開度cAPOに基づきモード切り替えを行うため、図12に示すようにアクセル開度APOがAPOaに達する瞬時t1においてもEV走行が継続される(エンジン始動フラグ=0)。
かかるEV走行の継続により、アクセル開度APOの増大に呼応してモータ/ジェネレータトルクTrqは図示のごとく通常時の120Nmを経て上昇され、遂には最大値240Nmに達する。
しかし、当該Trq=最大値120Nmを超えた状態が長時間続くと、モータ/ジェネレータ5やバッテリ9への負担が大きくなって問題になる。
これにより、モータ/ジェネレータトルクTrqが120Nmを超えた状態が長時間続いてモータ/ジェネレータ5やバッテリ9への負担が大きくなるという上記の問題を解消することができる。
その後の瞬時t3に運転者がアクセルペダルの踏み込みによりアクセル開度APOをAPOb以上に増大させたことに呼応して、タイマーフラグをリセットすると共に、EVモード走行からHEVモード走行へと切り替えるべくエンジンを始動させ(エンジン始動フラグ参照)、かかるエンジン始動用にモータ/ジェネレータトルクTrqを最大値240Nmに高める。
しかし、このEV走行が長時間に及ぶとバッテリへの負担が重くなって弊害を生ずるから、瞬時t1から設定時間Δt2が経過する瞬時t4に、二点鎖線で示すようにタイマーフラグをリセットすると共に、EVモード走行からHEVモード走行へと切り替えるべくエンジンを始動させ(エンジン始動フラグ参照)、かかるエンジン始動用にモータ/ジェネレータトルクTrqを最大値240Nmに高める。
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
9 バッテリ
10 インバータ
11 エンジン回転センサ
12 モータ/ジェネレータ回転センサ
13 変速機入力回転センサ
14 変速機出力回転センサ
15 アクセル開度センサ
16 バッテリ蓄電状態センサ
20 統合コントローラ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
Claims (9)
- 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジンを停止させ、モータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードとを選択可能で、運転者による要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うようにしたハイブリッド車両において、
運転者が意図する加速の小ささに応じ前記要求負荷の検出値を小さくなるように修正して得られる制御入力負荷を、前記要求負荷に応じた情報として用い、
電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す値が、予め設定した設定値より小さいと判定した場合に、前記制御入力要求負荷がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないよう構成したものであって、
前記要求負荷としてアクセル開度、加速意図としてアクセル開速度を用い、アクセル開速度が第1設定速度未満の低速度であるときは、アクセル開度の検出値に対して1:1未満の小さな制御入力アクセル開度となるような遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき、また、アクセル開速度が第1設定速度以上であるときは、アクセル開度の検出値に対して前記小さな制御入力アクセル開度よりも大きくなるような早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うよう構成し、前記モード切り替え判定値として、前記制御入力アクセル開度が前記遅開き特性により修正されたときと、前記制御入力アクセル開度が前記早開き特性により決定したときと同じ値を用い、
前記遅開き特性を小さなアクセル開度領域のみに設定し、該領域以外の大きなアクセル開度領域では前記遅開き特性を前記早開き特性と同じにした
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジンを停止させ、モータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードとを選択可能で、運転者による要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うようにしたハイブリッド車両において、
運転者が意図する加速の小ささに応じ前記要求負荷の検出値を小さくなるように修正して得られる制御入力負荷を、前記要求負荷に応じた情報として用い、
電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す値が、予め設定した設定値より小さいと判定した場合に、前記制御入力要求負荷がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないよう構成したものであって、
前記要求負荷としてアクセル開度、加速意図としてアクセル開速度を用い、アクセル開速度が第1設定速度未満の低速度であるときは、アクセル開度の検出値に対して1:1未満の小さな制御入力アクセル開度となるような遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき、また、アクセル開速度が第1設定速度以上であるときは、アクセル開度の検出値に対して前記小さな制御入力アクセル開度よりも大きくなるような早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うよう構成し、前記モード切り替え判定値として、前記制御入力アクセル開度が前記遅開き特性により修正されたときと、前記制御入力アクセル開度が前記早開き特性により決定したときと同じ値を用い、
前記アクセル開速度が前記第1設定速度と、該第1設定速度よりも速い第2設定速度未満との中間速度であるときは、前記早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うが、アクセル開加速度が0未満である場合、前記遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うよう構成した
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 請求項2に記載のモード切り替え制御装置において、
前記アクセル開速度が、前記第2設定速度よりも速い第3設定速度以上の高速度であるときは、前記早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づく電気走行モードからハイブリッド走行モードへの移行判定に先んじて、該電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替えを実行させるよう構成した
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジンを停止させ、モータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードとを選択可能で、運転者による要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うようにしたハイブリッド車両において、
運転者が意図する加速の小ささに応じ前記要求負荷の検出値を小さくなるように修正して得られる制御入力負荷を、前記要求負荷に応じた情報として用い、
電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す値が、予め設定した設定値より小さいと判定した場合に、前記制御入力要求負荷がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないよう構成したものであって、
前記要求負荷としてアクセル開度、加速意図としてアクセル開速度を用い、アクセル開速度が第1設定速度未満の低速度であるときは、アクセル開度の検出値に対して1:1未満の小さな制御入力アクセル開度となるような遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき、また、アクセル開速度が第1設定速度以上であるときは、アクセル開度の検出値に対して前記小さな制御入力アクセル開度よりも大きくなるような早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うよう構成し、前記モード切り替え判定値として、前記制御入力アクセル開度が前記遅開き特性により修正されたときと、前記制御入力アクセル開度が前記早開き特性により決定したときと同じ値を用い、
前記アクセル開速度に関する第1設定速度を車速に応じ、低車速のときほど速い設定速度とした
ことを特徴とする、ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 請求項2〜3のいずれか1項に記載のモード切り替え制御装置において、
前記アクセル開速度が前記中間速度であって、アクセル開加速度が0未満であり、前記遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えが行われることから、アクセル開度が電気走行モード領域からハイブリッド走行モード領域へ入っても電気走行モードが選択されている場合、アクセル開度が電気走行モード領域からハイブリッド走行モード領域へ入ってから設定時間が経過してもアクセル開度が電気走行モード領域に戻されないときは、モータ/ジェネレータの出力トルクを低下させるよう構成した
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 請求項5に記載のモード切り替え制御装置において、
前記設定時間が低車速ほど長くした
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、エンジンを停止させ、モータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードとを選択可能で、運転者による要求負荷に応じた情報に基づき電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うようにしたハイブリッド車両において、
運転者が意図する加速の小ささに応じ前記要求負荷の検出値を小さくなるように修正して得られる制御入力負荷を、前記要求負荷に応じた情報として用い、
電気走行モードでの走行中に、運転者が意図する加速の度合いを表す値が、予め設定した設定値より小さいと判定した場合に、前記制御入力要求負荷がモード切り替え判定値以上となるまで、エンジン始動を伴うハイブリッド走行モードへの切り替えを行わないよう構成したものであって、
前記要求負荷としてアクセル開度、加速意図としてアクセル開速度を用い、アクセル開速度が第1設定速度未満の低速度であるときは、アクセル開度の検出値に対して1:1未満の小さな制御入力アクセル開度となるような遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき、また、アクセル開速度が第1設定速度以上であるときは、アクセル開度の検出値に対して前記小さな制御入力アクセル開度よりも大きくなるような早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき、電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替えを行うよう構成し、前記モード切り替え判定値として、前記制御入力アクセル開度が前記遅開き特性により修正されたときと、前記制御入力アクセル開度が前記早開き特性により決定したときと同じ値を用い、
前記アクセル開速度が前記第1設定速度以上であるため前記早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき前記動力源を駆動力制御するようになった後は、アクセル開速度が第1設定速度未満になっても、アクセル開度が微小設定開度未満へ低下する前まで、前記大きな制御入力アクセル開度に基づく駆動力制御を継続させ、アクセル開度が微少設定開度未満へ低下した時に、前記遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づく駆動力制御へ切り替えるよう構成した
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のモード切り替え制御装置において、
前記アクセル開速度が第1設定速度未満の低速度であるときは、前記遅開き特性により修正した制御入力アクセル開度に基づき前記動力源の駆動力制御を行い、また、アクセル開速度が第1設定速度以上であるときは、前記早開き特性により決定した大きな制御入力アクセル開度に基づき前記動力源の駆動力制御を行うよう構成した
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のモード切り替え制御装置において、
ハイブリッド車両が、前記エンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第1クラッチを介在され、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を連続的に変更可能な第2クラッチを介在され、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能なものである
ことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
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