JP5037074B2 - 光カチオン硬化型又は熱カチオン硬化型接着剤 - Google Patents

光カチオン硬化型又は熱カチオン硬化型接着剤 Download PDF

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Description

本発明は、広い分野において使用することが可能な接着力の強い接着剤に関する。詳細には、本発明は、光に暴露されて硬化可能な光カチオン硬化型接着剤及び加熱されて硬化可能な熱カチオン硬化型接着剤に関する。
接着剤は、自動車、航空機、電気・電子機器を含む広い分野において用いられている。特に、近年では、電気・電子機器における接着技術の適用は、ますます多様で高度化している。また、電気・電子機器において使用される材料も新たに開発され、多種・多様になっており、従来の接着剤では、十分な要求を満足させることができなくなっている。
例えば、光学部材や液晶表示装置において用いられる偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子フィルムの両面にトリアセチルセルロース(TAC)系フィルムを水系接着剤で貼り合せるかまたは片面に保護フィルムもしくは光学補償フィルムとしてポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を、もう片面にTAC系フィルムを水系接着剤で貼り合せて製造されるのが一般的である。
TAC系フィルムは、透湿度が高いことから、水系接着剤を使用してPVA系偏光子フィルムに貼り合せても水を乾燥して接着できるので、問題は生じない。
一方、透湿度が低いポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を用いた場合には、透湿度が低い為、水系接着剤を使用すると水が乾燥できずに接着層に水が残ってしまい接着力不足,気泡の発生の原因になる。
また、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂を保護フィルムやシクロオレフィン系樹脂、特にアクリル系樹脂及びシクロオレフィン系樹脂は、接着性が悪い為、容易にポリビニルアルコール偏光子フィルムから剥がれてしまうと言う問題があった。
また、偏光子と保護フィルムまたは光学補償フィルムとを薄膜(数μm厚)で接着する必要があるため、接着剤は粘度が低いことが必要である。接着剤の粘度を低化する方法として、有機溶剤系を用いて希釈する方法があるが、有機溶剤系を用いた場合には、防爆等の設備にしなければならないし、その上、地球環境面、作業環境面でも問題が生じる。
一部の接着剤では非水系,非有機溶剤の無溶剤系の接着剤が提案されているが、接着力が低く実用上問題があった。
そこで、非水、非有機溶剤系であり、粘度が低く、電気・電子機器の部材、例えば偏光子、保護フィルムや光学補償フィルムと接着性の良好な接着剤が要求されている。
本発明の目的は、樹脂の透湿性の高い、低いに関係なく、また、樹脂が光透過性である無しに関係無く、樹脂を高い接着力で貼り合せる接着剤を提供することである。
本発明者等は、上述した課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定のエポキシ、オキセタンに硬化触媒を用いることにより前記課題を達成できることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜11の発明が提供される。
1.脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤。
2.脂肪族エポキシ100質量部当たり、脂環式エポキシ0〜50質量部、オキセタン0〜50質量部、光重合開始剤0.5〜10質量部を含み、但し、脂環式エポキシ及びオキセタンは、同時に0質量部にはならない、上記1記載の光カチオン硬化型接着剤。
3.脂肪族エポキシと、脂環式エポキシと、オキセタンと、光重合開始剤とを含み、脂肪族エポキシ100質量部当たり、脂環式エポキシ5〜35質量部、オキセタン5〜35質量部、光重合開始剤1〜5質量部を含む、上記2記載の光カチオン硬化型接着剤。
4.光重合開始剤がスルホニウム塩及びヨウドニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である、上記1〜3のいずれか一記載の光カチオン硬化型接着剤。
5.粘度が200mPa・s以下である、上記1〜4のいずれか一記載の光カチオン硬化型接着剤。
6.波長が380nm以上の可視光に暴露されて硬化する、上記1〜5のいずれか一記載の光カチオン硬化型接着剤。
7.脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、熱重合開始剤とを含む熱カチオン硬化型接着剤。
8.脂肪族エポキシ100質量部当たり、脂環式エポキシ0〜50質量部、オキセタン0〜50質量部、熱重合開始剤0.5〜10質量部を含み、但し、脂環式エポキシ及びオキセタンは、同時に0質量部にはならない、上記7記載の熱カチオン硬化型接着剤。
9.脂肪族エポキシと、脂環式エポキシと、オキセタンと、熱重合開始剤とを含み、脂肪族エポキシ100質量部当たり、脂環式エポキシ5〜35質量部、オキセタン5〜35質量部、熱重合開始剤0.5〜10質量部を含む、上記8記載の熱カチオン硬化型接着剤。
10.熱重合開始剤がベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル及びアミンイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、上記7〜9のいずれか一記載の熱カチオン硬化型接着剤。
11.硬化温度が50〜200℃である、上記7〜10のいずれか一記載の熱カチオン硬化型接着剤。
本発明の接着剤は、光透過性の樹脂については、光硬化型接着剤として使用することができ、光透過性の低い樹脂についても、熱硬化型接着剤として使用することができる。また、水系接着剤を使用して接着させることができなかった樹脂についても、接着剤として使用して強い接着力を示す。また、有機溶剤を使う必要がないので環境面や安全衛生面で優れる。接着剤は粘度が低いことから、接着剤は、薄膜(数μm厚)にすることができる。UV硬化させる場合には、熱工程も必要なく製造ラインも小スペースにできる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる脂肪族エポキシは、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを用いることができる。脂肪族エポキシの例として、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。粘度が低い点からも、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルが好ましい。脂肪族エポキシの市販品には、例えば、共栄社化学(株)製エポライト100MF(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)、ナガセケムテックス(株)製EX−321L(トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル)がある。
本発明において用いる脂環式エポキシの例として、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3、4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3、’4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどが挙げられる。これらは、ダイセル化学工業(株)より、商品名CEL2000、CEL3000、CEL2021Pで市販されている。
オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテル、すなわちオキセタン環を有する化合物である。本発明において用いるオキセタン化合物の例として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)、3−エチル−〔{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタンなどが挙げられる。ここで、オキセタニルシルセスキオキサンとは、オキセタニル基を有するシラン化合物、例えば、前述の3−エチル−3−〔{(3−トリエトキシシリル)プロポキシ}メチル〕オキセタンを加水分解縮合させることにより得られる、オキセタニル基を複数有するネットワーク状ポリシロキサン化合物である。これらのオキセタン化合物の中でも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンが好ましい。オキセタン化合物の市販品には、例えば、東亞合成(株)から市販されている、商品名OXT−101(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)、OXT−211(3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン)、OXT−221(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)] メチルエーテル)、OXT−212(3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン)がある。
380nm以下の紫外線を透過しないが、可視光を透過するポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂等を他の樹脂、例えばPVA樹脂に貼り合わせるための接着剤として用いる場合には、光重合開始剤により光カチオン硬化させるのが、簡便で有利である。
この場合、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤脂との混合比は、肪族エポキシ100質量部当たり、脂環式エポキシ0〜50質量部、好ましくは5〜35質量部、オキセタン0〜50質量部、好ましくは5〜35質量部、光重合開始剤0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部となるようにし、但し、脂環式エポキシ及びオキセタンは、同時に0質量部にはならないようにする。
脂肪族エポキシと、脂環式エポキシと、オキセタンとの3成分を組み合わせて、光重合開始剤により光カチオン硬化させる又は熱重合開始剤により熱カチオン硬化させる場合には、脂肪族エポキシ単独や脂肪族エポキシと脂環式エポキシ又はオキセタンとの2成分を組み合わせて、光重合開始剤により光カチオン硬化させる又は熱重合開始剤により熱カチオン硬化させる場合に比べて更に強い接着力を発揮する。
例えば、偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムとして近年良く用いられる特殊加工を施したアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂は、従来の接着剤によって偏光板に貼り付けても直ぐに剥がれることが問題となっていた。しかし、本発明の脂肪族エポキシと、脂環式エポキシと、オキセタンとの3成分を組み合わせて、光重合開始剤により光カチオン硬化させる又は熱重合開始剤により熱カチオン硬化させることにより、特殊加工を施したアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂でも偏光板に十分な接着力で貼り付けて剥がれることがない。
光重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線などの活性エネルギー線の照射によって、カチオン種又はルイス酸を発生し、エポキシ基の重合を開始する。
このようなの光重合開始剤の例として、スルホニウム塩やヨウドニウム塩が挙げられる。
スルホニウム系の例として、例えば、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4,4′−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4−フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4′−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
などが挙げられる。
ヨードニウム塩系の例として、例えば、
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート
などが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用しても、又は二種以上を使用してもよい。これらの光重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社(株)から市販されている、商品名PI−2074がある。
更に、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ及びジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。光増感剤の例として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、これらに限定されない。また、これらは、単独で使用しても、又は二種以上を使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えばカヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)などが挙げられる。光増感剤は、肪族エポキシ100質量部当たり、0.01〜5質量部の範囲で配合するのが好ましい。
また、本発明の熱カチオン硬化型接着剤は、上述した光硬化型接着剤において、光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用することにより、加熱によってカチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基等の重合反応を開始する。
このような熱重合開始剤の例として、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドなどが挙げられる。これらの開始剤は、市販品を入手することが可能であり、例えば、商品名アデカプトン CP77、アデカオプトン CP77(以上、旭電化工業(株)製)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達(株)製)、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100L、サンエイド SI−60L(以上、三新化学工業(株)製)などが挙げられる。熱重合開始剤は、脂肪族エポキシ100質量部当たり、0.5〜10質量部の範囲で配合するのが好ましい。
更に、本発明の効果を損なわない限り、上記の混合物にその他の添加剤、例えば酸化防止剤、シランカップリング剤を配合することできる。
酸化防止剤の市販品には、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1035FF、イルガノックス565などが挙げられる。酸化防止剤の使用量は、脂肪族エポキシ100質量部当たり、0〜10質量部,好ましくは0.5〜5質量部である。
シランカップリング剤の市販品には、例えばエポキシ系(例KBM403、KBM303)、ビニル系(KBM1003)、アクリル系シランカップリング剤(KBM503)、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン(TESOX(東亞合成(株)製))などが挙げられる。シランカップリング剤の使用量は、シランカップリング剤100質量部当たり、0〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の接着剤は、粘度が200mPa・s以下(25℃)、好ましくは100mPa・s以下(25℃)である。接着剤は、粘度が低い程、塗布が行ない易く、また接着剤層の塗布厚みが薄くでき、例えば偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムを貼り付けるのに使用した場合に、偏光板の外観も良好なものになる。これより、低粘度の材料を用いるのが好ましい。高粘度のものを使う場合は使用量を少なくする。
上述した成分を容器中で撹拌し、均一な液体になるまで撹拌して接着剤を得る。
基材の樹脂フィルムへの接着剤の塗工方法に特別な限定は無く、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方法方法が利用できる。
光カチオン硬化型接着剤によって、樹脂フィルムを基材上に貼り合わせる場合には、上記のように基材の樹脂上に形成された接着剤層の上には、可視光を透過する樹脂フィルムが貼り合わされる。そのような可視光を透過する樹脂フィルムの例として、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、非結晶性ポリオレフィン系樹脂フィルムやシクロオレフィン系樹脂フィルム等が挙げられる。アクリル系樹脂フィルム及びシクロオレフィン系樹脂フィルムは、特に貼り合せて固定させるのが困難である。
非結晶性ポリオレフィン系樹脂は、通常、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有するものであり、環状オレフィンと鎖状環状オレフィンとの共重合体であってもよい。市販されている非結晶性ポリオレフィン系樹脂として、JSR(株)の商品名アートン、日本ゼオン(株)のZEONEX、ZEONOR、三井化学(株)のAPO、アペルなどがある。非結晶性ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムにするには、溶剤キャスト法、溶融押出法など、公知の方法が適宜用いられる。
本発明の熱カチオン硬化型接着剤を用いて貼り付けることができる樹脂の例として、上述した可視光を透過する樹脂の他に、可視光を透過しない樹脂、例えば着色や遮光のために、着色顔料、着色染料、カーボンブラックを含有しているような樹脂、ポリイミドフィルム等を挙げることができる。
熱カチオン硬化型接着剤によって、樹脂フィルムを基材上に貼り合わせる場合には、上記のように基材の樹脂上に形成された接着剤層の上に、光を透過しない樹脂のフィルムなどを貼り合わせることができる。
基材への貼り合せに先立って、樹脂フィルムの貼り合せ面に、コロナ処理,プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理を行ってもよい。このような処理を行うことによって、接着が一層容易になる。
以上のように未硬化の接着剤層を介して基材に、樹脂フィルムを貼り合せ、次いで光を照射するか、又は加熱することにより、接着剤を硬化させ、樹脂フィルムを基材上に固着させる。用いる光源は特に限定されないが、例えばメタルハライドランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀、その他波長450〜300nmに発光分布を有する光を発するものを用いることができる。光照射強度は、目的とする接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が1〜2000mW/cm(365nm)であるのが好ましい。光照射時間は、硬化する接着剤や樹脂フィルムによって異なり、やはり限定されないが、照射強度と照射時間との積として表される積算光量が1500〜3000mJ/cm(365nm)となるようにするのが好ましい。
加熱することにより重合を行なう場合は、一般に知られた方法で加熱することができ、その条件は使用する触媒に応じて変わる。熱重合開始剤がカチオン種やルイス酸を発生する温度以上で加熱が行なわれ、50〜200℃で1〜60分間実施されるのが普通である。
光照射又は加熱終了後、室温で一晩又は40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にするのが好ましい。
以下に、本発明を実施例により示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
光硬化タイプ
実施例1〜15及び比較例1〜3
TACフィルム又はゼオノアフィルムとポリビニルアルコールフィルムとを下記の表1に示す接着剤で貼り合わせ、UV3000mJ/cm(365nmでの光量)で硬化し、25℃で20時間養生した後に、剥離強度測定試験をおこなった。結果を下記の表1〜3に示す。表中の、数値は、質量部による。また、表中に示す粘度は、コーン/プレート型粘度計を用いて25℃で測定した。
剥離強度測定試験は、張り合わせたフィルムを、それぞれ90度反対方向に引っ張るのに要する力を測定した。
配合例と接着強度比較
脂肪族エポキシ:
エポライト100MF(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)
EX−321L(トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル)
オキセタン化合物:
OXT−101、OXT−211、OXT−221
TAC:
富士フィルム(株)製
光重合開始剤:
ヨウドニウム塩系硬化触媒PI2074
光増感剤:
DETX−S
Figure 0005037074
Figure 0005037074
Figure 0005037074
実施例16
熱硬化タイプ
TACフィルム又はゼオノアフィルムとポリビニルアルコールフィルムとを下記の表1に示す接着剤で貼り合わせ、温度80℃で10分間硬化し、25℃で20時間養生した後に、剥離強度測定試験をおこなった。結果を下記の表に示す。
Figure 0005037074
表4から明らかなように、本発明の接着剤は、熱によっても十分な接着剤として機能することを立証する。
比較例
TACフィルム又はゼオノアフィルムとポリビニルアルコールフィルムとを下記の表5に示すエピコートYX8000を接着剤で、実施例1〜15及び比較例1〜3と同様にして貼り合わせた。結果を下記の表5に示す。
Figure 0005037074
表5から明らかなように、本発明の接着剤と異なる接着剤によっては、十分な接着力が得られないことを立証する。
上記の表中、
○:剥離試験で材料破壊
△:剥離試験で材料破壊はしないが強固に接着している
×:剥離試験で容易に剥がれる
を意味する。
本発明の接着剤は、強い接着力を示し、自動車、航空機、電気・電子機器を含む広い産業分野において用いることができる。

Claims (9)

  1. 脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤であって、前記脂肪族エポキシ100質量部当たり、
    前記脂環式エポキシ0〜50質量部、
    前記オキセタン0〜50質量部、
    前記光重合開始剤0.5〜10質量部を含み、但し、
    前記脂環式エポキシ及びオキセタンは、同時に0質量部にはならない光カチオン硬化型接着剤(但し、エポキシ化ジエン系トリブロック共重合体を含む場合を除く)
  2. 脂肪族エポキシと、脂環式エポキシと、オキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤であって、前記脂肪族エポキシ100質量部当たり、
    前記脂環式エポキシ5〜35質量部、
    前記オキセタン5〜35質量部、
    前記光重合開始剤1〜5質量部を含光カチオン硬化型接着剤。
  3. 前記光重合開始剤がスルホニウム塩及びヨウドニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2記載の光カチオン硬化型接着剤。
  4. 粘度が200mPa・s以下である、請求項1〜のいずれか一記載の光カチオン硬化型接着剤。
  5. 波長が380nm以上の可視光に暴露されて硬化する、請求項1〜のいずれか一記載の光カチオン硬化型接着剤。
  6. 脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンと、熱重合開始剤とを含む熱カチオン硬化型接着剤であって、前記脂肪族エポキシ100質量部当たり、
    前記脂環式エポキシ0〜50質量部、
    前記オキセタン0〜50質量部、
    前記熱重合開始剤0.5〜10質量部を含み、但し、
    前記脂環式エポキシ及びオキセタンは、同時に0質量部にはならない熱カチオン硬化型接着剤
  7. 前記脂肪族エポキシ100質量部当たり、
    前記脂環式エポキシ5〜35質量部、
    前記オキセタン5〜35質量部、
    前記熱重合開始剤0.5〜10質量部を含む請求項記載の熱カチオン硬化型接着剤。
  8. 前記熱重合開始剤がベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル及びアミンイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項6又は7記載の熱カチオン硬化型接着剤。
  9. 硬化温度が50〜200℃である、請求項のいずれか一記載の熱カチオン硬化型接着剤。
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