JP2018111747A - 硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物 - Google Patents

硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】粘度が低く、かつ、基体との密着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物を提供する。【解決手段】エポキシ化合物(A)と、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)と、アルコール化合物(C)と、重合開始剤(D)と、を含む硬化性組成物であり、エポキシ化合物(A)100質量部に対し、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)5〜2000質量部、アルコール化合物(C)0.05〜10質量部、重合開始剤(D)0.5〜10質量部を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物に関し、詳しくは、粘度が低く、かつ、基体との密着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物に関する。
硬化性組成物は接着剤として広く使用されており、接着剤は、自動車、航空機、電気・電子機器を含む広い分野において用いられている。特に、近年では、電気・電子機器における接着技術の適用は、ますます多様で高度化している。また、電気・電子機器において使用される材料も新たに開発され、多種・多様になっており、従来の接着剤では、十分な要求を満足させることができなくなっている。特に従来の接着剤では、液晶表示装置に用いられる偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に求められる十分な要求を満足させることができなくなっている。
従来開示された接着剤としては、例えば特許文献1では、脂肪族エポキシと、脂環式エポキシおよび/またはオキセタンと、光重合開始剤とを含む光カチオン硬化型接着剤並びに脂肪族エポキシと、脂環式エポキシおよび/またはオキセタンと、熱重合開始剤とを含む熱カチオン硬化型接着剤が提案されている。また、特許文献2では、三員環上のオキシラン化合物と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和化合物と、水とを含有する光重合性組成物が提案されている。
特許第5037074号公報 特許第5320614号公報
従来開示された接着剤は、粘度が高いことから接着剤を薄くすることが困難であることや、その硬化物と基体との密着力が不十分であることが大きな問題となっていた。このように、従来においては、接着剤に用いる硬化性組成物の粘度およびその硬化物の基体との接着性を両立させることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、粘度が低く、かつ、基体との密着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物を提供することにある。
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の組成を有する硬化性組成物であれば、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物(A)と、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)と、アルコール化合物(C)と、重合開始剤(D)と、を含む硬化性組成物であって、
前記エポキシ化合物(A)100質量部に対し、前記エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)5〜2000質量部、前記アルコール化合物(C)0.05〜10質量部、前記重合開始剤(D)0.5〜10質量部を含むことを特徴とするものである。
本発明の硬化性組成物においては、前記アルコール化合物(C)は、分子量50〜1000の化合物であることが好ましい。また、本発明の硬化性組成物においては、前記エポキシ化合物(A)は、分子量500以下のエポキシ化合物であることが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を前記基体に塗布する塗布工程と、前記硬化性組成物にエネルギー線を照射する照射工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が本発明の硬化性組成物であることを特徴とするものである。また、本発明の他の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を前記基体に塗布する塗布工程と、前記硬化性組成物を50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が、本発明の硬化性組成物であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物が硬化されてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、粘度が低く、かつ、基体との密着性に優れる硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物を提供することができる。本発明の硬化性組成物は、その奏する効果から、接着剤として好適に使用することができ、より具体的には、光カチオン硬化型接着剤や熱カチオン硬化型接着剤の用途に好適に使用することができる。
また、本発明の硬化性組成物は、粘度が低いことから接着剤を薄くすることができ、さらに密着性が高いことから、偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として好適である。上記偏光板に用いられる接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」とも称す)系偏光子フィルムの両面にトリアセチルセルロース(以下、「TAC」とも称す)系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤や、片面に保護フィルムもしくは光学補償フィルムとしてポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を、もう片面にTAC系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤を好適な用途として挙げることができる。
本発明の硬化性組成物、その硬化物の製造方法およびその硬化物について、詳細に説明する。本発明の硬化性組成物は、エポキシ化合物(A)(以下、「(A)成分」とも称す)と、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)(以下、「(B)成分」とも称す)と、アルコール化合物(C)(以下、「(C)成分」とも称す)と、重合開始剤(D)(以下、「(D)成分」とも称す)と、を含む。本発明の硬化性組成物においては、(A)成分100質量部に対し、(B)成分を5〜2000質量部、(C)成分を0.05〜10質量部、(D)成分を0.5〜10質量部含有する。以下、各成分について順に説明する。
<エポキシ化合物(A)>
本発明の硬化性組成物に用いる(A)成分としては、芳香族エポキシ化合物(A1)、脂環式エポキシ化合物(A2)、脂肪族エポキシ化合物(A3)、エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(A4)等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物(A1)は、芳香環を含むエポキシ化合物を指し、この芳香族エポキシ化合物(A1)の具体例としては、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール等、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル化物やエポキシノボラック樹脂;レゾルシノールやハイドロキノン、カテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物;フェニルジメタノールやフェニルジエタノール、フェニルジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のグリシジルエーテル化物;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のグリシジルエステル、安息香酸のグリシジルエステル、スチレンオキサイドまたはジビニルベンゼンのエポキシ化物等が挙げられる。芳香族エポキシ化合物(A1)としては、多官能のものが、硬化性に優れるため好ましい。
芳香族エポキシ化合物(A1としては、市販品のものを用いることができ、例えば、デナコールEX−201、デナコールEX−203、デナコールEX−711、デナコールEX−721、オンコートEX−1020、オンコートEX−1030、オンコートEX−1040、オンコートEX−1050、オンコートEX−1051、オンコートEX−1010、オンコートEX−1011、オンコート1012(ナガセケムテックス(株)社製);オグソールPG−100、オグソールEG−200、オグソールEG−210、オグソールEG−250(大阪ガスケミカル(株)社製);HP4032、HP4032D、HP4700(DIC(株)社製);ESN−475V(新日鉄住金化学(株)社製);エピコートYX8800(三菱化学(株)社製);マープルーフG−0105SA、マープルーフG−0130SP(日油(株)社製);エピクロンN−665、エピクロンHP−7200(DIC(株)社製);EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、XD−1000、NC−3000、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、NC−7000L(日本化薬(株)社製);アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4005、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4901、アデカグリシロールED−509S((株)ADEKA社製);TECHMORE VG−3101L(プリンテック(株)社製)等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物(A2)とは、飽和環にスペーサーを介さず直接オキシラン環が結合しているものを指し、この脂環式エポキシ化合物(A2)の具体例としては、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化物またはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、α−ピネンオキシド、リモネンジオキシド等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物(A2)としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートまたは3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレートが、密着性向上の観点から好ましい。
脂環式エポキシ化合物(A2)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000((株)ダイセル社製)等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物(A3)とは、芳香族エポキシ化合物(A1)や脂環式エポキシ化合物(A2)に分類されないエポキシ化合物を指し、脂肪族エポキシ化合物(A3)の具体例としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物、アルキルカルボン酸のグリシジルエステル等の単官能エポキシ化合物や、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。代表的な化合物として、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C12〜13混合アルキルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルや高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。脂肪族エポキシ化合物(A3)としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物あるいは脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物が、粘度、塗工性および反応性が向上するので好ましい。
脂肪族エポキシ化合物(A3)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、デナコールEX−121、デナコールEX−171、デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−622、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(ナガセケムテックス(株)社製);エポライトM−1230、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(共栄社化学(株)社製)、アデカグリシロールED−503、アデカグリシロールED−503G、アデカグリシロールED−506、アデカグリシロールED−523T、アデカレジンEP−4088S((株)ADEKA社製)等が挙げられる。
エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(A4)におけるエチレン性不飽和基としては、ビニル基および(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(A4)の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレートおよび3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
<エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(B)>
本発明の硬化性組成物に用いる(B)成分としては、例えば、エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートを挙げることができ、具体的には、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と、アクリル酸またはメタクリル酸とを反応させて得られるアクリレート等である。これらのエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートのうち、特に好ましいものは、アルコール類のグリシジルエーテルのアクリレートまたはメタクリレートである。なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレート並びに双方の混合物を表す。
本発明の硬化性組成物に用いる(B)成分は、特に限定されるものではなく、その構造中にエチレン性不飽和基を有する化合物であればよい。(B)成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;グリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルフェノール、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類等が挙げられる。これらの(B)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
<アルコール化合物(C)>
本発明の硬化性組成物に用いる(C)成分は、特に限定されるものではなく、その構造中にヒドロキシメチレン基を有する化合物が挙げられるが、(B)成分に該当するものは含まれない。本発明の硬化性組成物に好ましく使用できる化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、トリプロピレングリコール等の低分子グリコール類化合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の高分子グリコール類化合物(分子量200〜2000程度);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、および3−メチル−3−メトキシ−3−メトキシブタノール等の低分子グリコールエーテル類化合物;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、およびポリエチレングリコールモノブチルエーテル等の高分子グリコールエーテル化合物(分子量:200〜2000程度)等を挙げることができ、これらの中でも、低分子グリコール類化合物および高分子グリコール類化合物が好ましく、これらの分子量が50〜1000の範囲である場合が特に好ましい。
(C)成分として本発明の硬化性組成物に好ましく使用できる化合物としては、例えば、シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物に用いられる(C)成分は、粘度が低く、密着性に優れた硬化性組成物が得られることから、分子量が50〜1000の範囲であるアルコール化合物を少なくとも1種以上用いることが特に好ましい。
<重合開始剤(D)>
本発明の硬化性組成物に用いられる(D)成分は、特に限定されるものではなく、周知一般の重合開始剤を使用することができるが、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂等を他の樹脂、例えばPVA樹脂に貼り合わせるための接着剤として用いる場合には、光重合開始剤により光カチオン硬化させるのが、簡便で有利である。
例えば、偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムとして近年よく用いられる特殊加工を施したアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂は、従来の接着剤によって偏光板に貼り付けても直ぐに剥がれることが問題となっていた。しかしながら、本発明に係る(A)成分を、光重合開始剤により光カチオン硬化させる、または、熱重合開始剤により熱カチオン硬化させることにより、特殊加工を施したアクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂でも偏光板に十分な接着力で貼り付けて剥がれることがない。
光重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって、カチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合を開始する。
本発明の硬化性組成物に用いることができる光重合開始剤は特に制限されるものではなく、周知一般の光重合開始剤を用いることができる。本発明に好適に用いられる光重合開始剤としては、スルホニウム塩やヨウドニウム塩を挙げることができる。
スルホニウム系の例として、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
ヨードニウム塩系の例として、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用しても、または二種以上を使用してもよい。これらの光重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社から市販されている、商品名PI−2074、BASF社から市販されているIrg−651、Irg−184、Irg−1173、Irg−907、Irg TPO、Irg−819等がある。
さらに、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤の例として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらは、単独で使用しても、または二種以上を使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えばカヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)等が挙げられる。光増感剤は、エポキシ100質量部当たり、0.01〜5質量部の範囲で配合するのが好ましい。
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、の3成分を組み合わせて、(D)成分として光重合開始剤により光カチオン硬化させる場合は、(A)成分単独や、(B)成分と、(C)成分の3成分を組み合わせて、光重合開始剤により光カチオン硬化させる場合に比べて更に強い接着力を発揮する。
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分である光重合開始剤と、の混合比は、(A)成分100質量部に対し、(B)成分を5〜2000質量部、好ましくは10〜100質量部、(C)成分を0.05〜10質量部、好ましくは0.07〜9質量部、(D)成分である光重合開始剤を0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部となるようにする。
本発明の硬化性組成物に用いることができる熱重合開始剤は特に制限されるものではなく、周知一般の熱重合開始剤を用いることができる。本発明に好適に用いられる熱重合開始剤としては、例えば、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等が挙げられる。
これらの開始剤は、市販品を入手することが可能であり、例えば、商品名アデカオプトン CP77(以上、(株)ADEKA製)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達(株)製)、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100L、サンエイド SI−60L(以上、三新化学工業(株)製)等が挙げられる。熱重合開始剤は、エポキシ化合物100質量部当たり、0.5〜10質量部の範囲で配合するのが好ましい。
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、の3成分を組み合わせて、(D)成分として熱重合開始剤により熱カチオン硬化させる場合は、(A)成分単独や、(B)成分と、(C)成分の3成分を組み合わせて、熱重合開始剤により熱カチオン硬化させる場合に比べて更に強い接着力を発揮する。
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分として熱重合開始剤と、の混合比は、エポキシ化合物100質量部に対し、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物5〜2000質量部、好ましくは10〜100質量部、アルコール化合物0.05〜10質量部、好ましくは0.07〜9質量部、熱重合開始剤0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部となるようにする。
本発明の硬化性組成物においては、本発明の効果を損なわない限り、その他のカチオン硬化性成分、例えばオキセタン化合物、ビニルエーテル化合物を配合することができる。
オキセタンの市販品には、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学(株)社製);アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、EXOH、POX、OXA、OXT−101、OXT−211、OXT−212(東亞合成(株)社製)、エタナコールOXBP、OXTP(宇部興産(株)社製)等が挙げられる。
ビニルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物においては、本発明の効果を損なわない限り、その他の添加剤、例えば酸化防止剤、シランカップリング剤を配合することができる。
酸化防止剤の市販品には、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1035FF、イルガノックス565等が挙げられる。酸化防止剤の使用量は、(A)成分100質量部当たり、0〜10質量部,好ましくは0.5〜5質量部である。
シランカップリング剤の市販品には、例えばエポキシ系(例KBM403、KBM303)、ビニル系(KBM1003)、アクリル系シランカップリング剤(KBM503)、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン(TESOX(東亞合成(株)製))等が挙げられる。シランカップリング剤の使用量は、(A)成分100質量部当たり、0〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の硬化性組成物は、粘度が200mPa・s以下(25℃)、好ましくは120mPa・s以下(25℃)である場合が好ましい。接着剤は、粘度が低い程、塗布が行ない易く、また接着剤層の塗布厚みが薄くでき、例えば偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムを貼り付けるのに好適に使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、上述した成分を容器中で撹拌し、均一な液体になるまで撹拌することで得ることができる。なお、本発明においては、重合開始剤として、光重合開始剤および熱重合開始剤を混合して使用することもできる。このような硬化性組成物も接着剤として好適に使用することができる。
次に、本発明の硬化物の製造方法について説明する。本発明の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、硬化性組成物にエネルギー線を照射する照射工程と、を含む。ここで、硬化性組成物として、本発明の硬化性組成物を用いる。
基体準備工程に用いる基体の材質としては、例えばシリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、窒化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ソーダガラス、石英ガラス等のガラス;金属ルテニウム等の金属;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;シクロオレフィン系樹脂;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等;が挙げられることができるが、少なくとも基体の片側は可視光を透過する樹脂フィルムである。これらのなかでも、PVA、TAC、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂およびクロオレフィン系樹脂を用いた場合は、硬化物と基体との接着力が良好なことから好ましい。非結晶性ポリオレフィン系樹脂は、通常、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有するものであり、環状オレフィンと鎖状環状オレフィンとの共重合体であってもよい。
市販されている非結晶性ポリオレフィン系樹脂として、JSR(株)の商品名アートン、日本ゼオン(株)のZEONEX、ZEONOR、三井化学(株)のAPO、アペル等がある。非結晶性ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムにするには、溶剤キャスト法、溶融押出法等、公知の方法が適宜用いられる。基材への貼り合せに先立って、樹脂フィルムの貼り合せ面に、コロナ処理,プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理を行ってもよい。このような処理を行うことによって、接着が一層容易になる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられ、基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。本発明の硬化物を形成する方法に用いられる基体の形状は板状が好ましく、その表面は平面であることが好ましい。
塗布工程に用いられる塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段を用いることができる。各塗布方法には、それぞれ最適な粘度範囲があるため、溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このための溶剤には、偏光子の光学性能を低下させることなく、光カチオン硬化型接着剤を良好に溶解するものが用いられるが、その種類に特別な限定はない。例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤が使用できる。
エネルギー線を照射する工程に用いられるエネルギー線は、特に限定されるものではないが、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができる。好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が挙げられる。
さらに、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザーおよびYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。また、ハーフトーンマスクを使用して用いることもできる。上記エネルギー線を照射する工程の後、室温で一晩または40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にすることが好ましい。
本発明の硬化物の他の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、硬化性組成物を50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む。ここで、硬化性組成物として、本発明の硬化性組成物を用いる。
基体準備工程に用いる基体の材質としては、例えばシリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、窒化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ソーダガラス、石英ガラス等のガラス;金属ルテニウム等の金属;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;シクロオレフィン系樹脂;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等;着色顔料、着色染料、カーボンブラックを含有しているような樹脂;ポリイミドフィルムが挙げられる。基材への貼り合せに先立って、樹脂フィルムの貼り合せ面に、コロナ処理,プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理を行ってもよい。このような処理を行うことによって、接着が一層容易になる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられ、基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。本発明の硬化物を形成する方法に用いられる基体の形状は板状が好ましく、その表面は平面であることが好ましい。
塗布工程に用いられる塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段を用いることができる。各塗布方法には、それぞれ最適な粘度範囲があるため、溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このための溶剤には、偏光子の光学性能を低下させることなく、熱カチオン硬化型接着剤を良好に溶解するものが用いられるが、その種類に特別な限定はない。例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤が使用できる。
加熱工程で用いられる加熱方法としては、周知一般の方法を使用することができ、例えば、ヒーター等を使用することを挙げることができる。加熱条件は使用する触媒に応じて50〜200℃の範囲内で適切に調整すればよい。加熱時間は、1〜60分間実施することが好ましい。上記50〜200℃で加熱する工程の後、室温で一晩または40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にするのが好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物が硬化されてなるものであるが、本発明の硬化物においては、硬化方法については特に制限はなく、上述のとおり、熱硬化であっても光硬化であってもよい。本発明の硬化物は、基体との密着性に優れているため、偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として好適である。
以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜18および比較例1〜5]
表1〜表4に示す配合で実施例1〜18および比較例1〜5の硬化性組成物を調製した。なお、表中の単位は質量部である。得られた各硬化性組成物につき、粘度および硬化物の接着性について、下記手順にて評価した。
<粘度>
各硬化性組成物の粘度を、東機産業社製のE型粘度計TVE−25Lを用いて測定することで評価した。結果を表1〜4に併記する。
<接着性>
各硬化性組成物を、各々1枚のコロナ放電処理をしたTACフィルムに塗布した後、ラミネーターを用いてコロナ放電処理を施したCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルムと貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて1000mJ/cmのエネルギーを照射して接着して試験片を得た。
各試験片の接着力をAIKOH社製FTN−13A/500を用い、90度剥離試験で評価した。接着力が1.5N/mm以上である場合を++、1.0N/mm以上1.5N/mm未満である場合を+、接着力が1.0N/mm未満である場合を−として評価した。結果を表1〜4に併記する。
Figure 2018111747
Figure 2018111747
Figure 2018111747
Figure 2018111747
(A)成分としては下記の化合物A1−1〜A1−2、A2−1〜A2−2およびA3−1を用いた。
化合物A1−1:アデカレジンEP−4100L(ビスフェノールA型多官能エポキシ:(株)ADEKA社製)
化合物A1−2:アデカグリシロールED−509S(単官能芳香族エポキシ:(株)ADEKA社製)
化合物A2−1:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ:ダイセル(株)社製)
化合物A2−2:リモネンジオキシド
化合物A3−1:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
(B)成分としては下記の化合物B−1〜B−4を用いた。
化合物B−1:2−ヒドロキシエチルアクリレート
化合物B−2:4−ヒドロキシブチルアクリレート
化合物B−3:イソボルニルアクリレート
化合物B−4:1,3−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート
(C)成分としては下記の化合物C−1〜C−4を用いた。
化合物C−1:トリプロピレングリコール(重量平均分子量192.25)
化合物C−2:トリメチロールプロパン(重量平均分子量134.17)
化合物C−3:ポリエチレングリコール(重量平均分子量400)
化合物C−4:シクロヘキサンジメタノール(重量平均分子量144.21)
(D)成分としては下記の化合物D−1〜D−2を用いた。
化合物D−1:下記式で表される化合物(A)および化合物(B)の混合物のプロピレンカーボネート50%溶液
Figure 2018111747
Figure 2018111747
化合物D−2:IRGACURE651(BASF社製)
その他の化合物としては、下記の化合物E−1を用いた。
化合物E−1:3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン
表1〜4の結果より、実施例は粘度が120mPa・s未満であることから、液晶表示装置に用いられる偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として十分に機能する粘度であることがわかった。また、実施例の硬化性組成物は全て優れた接着力を示した。一方で、比較例の硬化性組成物は全てで接着力が乏しいことがわかった。

Claims (6)

  1. エポキシ化合物(A)と、エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)と、アルコール化合物(C)と、重合開始剤(D)と、を含む硬化性組成物であって、
    前記エポキシ化合物(A)100質量部に対し、前記エポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物(B)5〜2000質量部、前記アルコール化合物(C)0.05〜10質量部、前記重合開始剤(D)0.5〜10質量部を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記アルコール化合物(C)が、分子量50〜1000の化合物である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記エポキシ化合物(A)が、分子量500以下のエポキシ化合物である請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を前記基体に塗布する塗布工程と、前記硬化性組成物にエネルギー線を照射する照射工程と、を含む硬化物の製造方法において、
    前記硬化性組成物が、請求項1〜3のうちいずれか1項記載の硬化性組成物であることを特徴とする硬化物の製造方法。
  5. 基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を前記基体に塗布する塗布工程と、前記硬化性組成物を50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む硬化物の製造方法において、
    前記硬化性組成物が、請求項1〜3のうちいずれか1項記載の硬化性組成物であることを特徴とする硬化物の製造方法。
  6. 請求項1〜3の硬化性組成物が硬化されてなることを特徴とする硬化物。
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