JP2009210106A - 車両の制御装置 - Google Patents

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弘章 江渕
Hiromichi Kimura
弘道 木村
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正記 光安
Yukihiko Ideshio
幸彦 出塩
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Abstract

【課題】車両の制御装置において、電磁アクチュエータの係合時に生じる衝突音の低減を図りつつ、電磁クラッチの係合を確実に行う。
【解決手段】車両の制御装置は、電磁アクチュエータへの通電電流及び通電期間を制御して電磁クラッチの係合制御を行う通電制御手段を有する。通電制御手段は、電磁クラッチの係合動作時に電磁クラッチに第1動作電流設定期間だけ動作電流を通電し、電磁クラッチの係合状態の保持時に第1保持電流設定期間だけ保持電流を通電する。判定機能部は、電磁クラッチの通電電流の変動に基づいて電磁アクチュエータの戻り動作の有無を判定する。学習機能部は、当該戻り動作が有る場合には第1動作電流設定期間を長くし、当該戻り動作がない場合には第1動作電流設定期間を短くする。これにより、電磁アクチュエータの係合動作完了時に生じる衝突音の低減を図りつつ、電磁クラッチの係合を確実に行うことができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ハイブリット車両に好適に搭載され、電磁アクチュエータを通じてクラッチを制御する車両の制御装置に関する。
従来、車両の電磁クラッチ制御装置として、コンプレッサ等の補器の動力伝達系に設けられ、電磁クラッチの消費電力を節減することが可能な車両の電磁クラッチ制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
この車両の電磁クラッチ制御装置では、かかる目的を達成するため、静止摩擦力に打ち勝ってプランジャ等の可動部材を移動させるべく電磁クラッチの通電開始時にそのコイルに大きな電流を通電し、この後、可動部材を所定位置に保持する為に電磁クラッチのコイルに比較的小さな電流を通電するようにしている。
その他、本発明に関連する先行技術文献として、例えば特許文献2乃至4が挙げられる。
特許文献2には、バルブの着座前におけるバルブの作動速度を算出し、その算出値に基づいたフィードバック制御により着座速度が遅くなるように励磁タイミング等の調整を行うことで、バルブが着座する際に生じる衝突音を低減することが可能な電磁バルブを有する動弁装置が記載されている。
また、特許文献3には、初期化(吸・排気弁を開弁又は閉弁に保持)に過不足のない通電が行われるようにした内燃機関の電磁動弁装置が記載されている。
さらに、特許文献4には、電磁コイルの実電流の一時的なくぼみを検出し、そのくぼみの検出から所定の期間後に、動作電流から保持電流に切り換えることで、弁体の動作環境をも考慮に入れた確実な開閉動作と、消費電力の低減とを達成することが可能な電磁駆動弁の電流制御装置が記載されている。
なお、エンジンの回転数を連続的に変化させる無段変速モードと、変速比が固定される固定段変速モードとを切り換えて運転することが可能なクラッチを備えたハイブリッド車両が既知である。
特開平5−157129号公報 特開2001−12267号公報 特開2001−159333号公報 特許第3629963号公報
上記した特許文献1に記載の車両の電磁クラッチ制御装置では、プランジャ等の可動部材を所定の位置へ移動させるため、電磁クラッチの通電開始時にそのコイルに大きな電流を通電することとしているが、このときにコイルに通電される電流の大きさ如何によっては、可動部材が所定の位置に移動した際に、可動部材と当該所定の位置に存在する部材とが衝突して大きな衝撃音が発生してしまう虞がある。なお、特許文献1では、コイルに通電される電流の大きさと可動部材の作動速度との関係については何らの記載及び示唆がない。
また、この車両の電磁クラッチ制御装置では、可動部材が所定の位置に移動した場合にはそのコイルに比較的小さな電流を通電することとしているが、このときに可動部材が実際に所定の位置に到達しているのか否か、言い換えれば電磁クラッチが確実に係合されているのか否かについては明らかではない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、電磁アクチュエータの係合時に生じる衝突音の低減を図りつつ、電磁クラッチの係合を確実に行うことが可能な車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、車両の制御装置は、電磁アクチュエータへの通電電流及び通電期間を制御してクラッチの係合制御を行う通電制御手段と、前記通電電流を検出する電流検出手段と、を備え、前記通電制御手段は、前記クラッチを係合動作させるときに前記通電電流の目標値を動作電流目標値に設定すると共に、前記クラッチを係合状態に保持するときに前記通電電流の目標値を保持電流目標値に設定する通電電流目標値設定手段と、前記通電電流の目標値が前記動作電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1動作電流設定期間に設定すると共に、前記通電電流の目標値が前記保持電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1保持電流設定期間に設定する通電期間設定手段と、検出された前記通電電流の時間変化に基づいて前記電磁アクチュエータの戻り動作の有無を判定する判定機能部と、判定された前記戻り動作の有無に基づいて前記第1動作電流設定期間の長さを変更する学習機能部と、を備え、前記学習機能部は、前記第1保持電流設定期間において、前記戻り動作が有りと判定された場合には前記第1動作電流設定期間の長さを長くすると共に前記戻り動作が無しと判定された場合には前記第1動作電流設定期間の長さを短くする。
上記の車両の制御装置は、電磁アクチュエータへの通電電流(通電量)及び通電期間を制御してクラッチの係合制御を行う通電制御手段と、前記通電電流を検出する電流検出手段(例えば電流検出センサ)と、を備える。通電制御手段は、通電電流目標値設定手段、通電期間設定手段、判定機能部、及び学習機能部を備え、これらの各要素を制御する。通電電流目標値設定手段は、クラッチを係合動作させるときに前記通電電流の目標値を動作電流目標値に設定すると共に、クラッチを係合状態に保持するときに前記通電電流の目標値を保持電流目標値に設定する。通電期間設定手段は、前記通電電流の目標値が動作電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1動作電流設定期間に設定すると共に、前記通電電流の目標値が前記保持電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1保持電流設定期間に設定する。判定機能部は、検出された通電電流の時間変化(変動)に基づいて電磁アクチュエータの戻り動作の有無を判定する。例えば、判定機能部は、電流検出手段から得られる電流検出信号が変動している場合には、電磁アクチュエータの戻り動作が有りと判定し、そうでなければ電磁アクチュエータの戻り動作が無しと判定する。ここで、電磁アクチュエータの戻り動作(復帰動作)とは、例えば復帰バネの弾性力や電磁力の作用によって電磁アクチュエータが係合する方向と逆方向へ戻される動作を指す。また、通電電流の時間変化が生じる理由は、電磁アクチュエータの戻り動作によって、電磁誘導現象が生じ、電磁アクチュエータに対して通電電流の流れる方向と逆向きに誘導電流が流れるからである。学習機能部は、判定された電磁アクチュエータの戻り動作の有無に基づいて第1動作電流設定期間の長さを変更する。
特に、学習機能部は、第1保持電流設定期間において、電磁アクチュエータの戻り動作が有りと判定された場合には、電磁アクチュエータを係合させる力が不足しているので第1動作電流設定期間の長さを長くする。一方、学習機能部は、第1保持電流設定期間において、電磁アクチュエータの戻り動作が無しと判定された場合には、電磁アクチュエータを係合させる力は十分に足りており、電磁アクチュエータの係合動作完了後に発生する衝撃音をできる限り低減又は抑制するため、第1動作電流設定期間の長さを短くする。このように、学習機能部が電磁アクチュエータの戻り動作の有無に基づいて第1動作電流設定期間の長さを変更することにより、その衝突音の低減又は抑制を図りつつ、クラッチの係合制御を確実に行うことが可能となる。
上記の車両の制御装置の一つの態様では、前記通電期間設定手段は、前記通電電流の目標値として前記動作電流目標値が再度設定された場合には前記第1保持電流設定期間に引き続いて第2動作電流設定期間を設定し、前記通電制御手段は、前記第1保持電流設定期間において前記戻り動作が有りと判定された場合には、前記第1保持電流設定期間を終了して前記第2動作電流設定期間を開始させる。
これにより、電磁アクチュエータが、例えば復帰バネの弾性力や電磁力の作用により非通電時における初期の位置に戻された場合に生じる衝撃音を低減又は抑制することが可能となる。
上記の車両の制御装置の他の態様では、前記通電期間設定手段は、前記通電電流の目標値として前記保持電流目標値が再度設定された場合には前記第2動作電流設定期間に引き続いて第2保持電流設定期間を設定し、前記学習機能部は、前記第2保持電流設定期間において前記戻り動作が無しと判定された場合には前記第2動作電流設定期間を短くする。次回以降のクラッチの係合制御時に、電磁アクチュエータの係合動作完了により発生する衝撃音を低減又は抑制することができる。
上記の車両の制御装置の他の態様では、前記通電電流目標値設定手段は、前記判定機能部が、例えば、検出された前記通電電流の時間変化が微弱であるために前記第1保持電流設定期間に前記戻り動作の有無を判定できない場合には前記通電電流の目標値として前記動作電流目標値を再度設定し、前記通電期間設定手段は、前記動作電流目標値が再度設定された場合に前記第1保持電流設定期間に引き続いて第2動作電流設定期間を設定し、前記学習機能部は、前記第2動作電流設定期間の長さを前記第1動作電流設定期間より長くし、前記通電制御手段は、前記第1保持電流設定期間の経過後に前記第2動作電流設定期間を開始させる。これにより、次回以降のクラッチの係合制御時に、電磁アクチュエータの係合動作完了により発生する衝撃音を低減又は抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[ハイブリット車両の駆動機構の構成]
図1に本発明を適用したハイブリッド車両の駆動機構の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド車両であり、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20を備える。動力源に相当するエンジン1と、回転数制御機構に相当する第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の出力軸3には、駆動トルク又はブレーキ力のアシストを行うための副動力源である第2のモータジェネレータMG2が連結されている。第2のモータジェネレータMG2と出力軸3とはMG2変速部6を介して接続されている。さらに、出力軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリー、インバータ、又は適宜のコントローラ(図示せず)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴う反力トルクが作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1の回転数が連続的に変化する。このような変速モードを無段変速モードという。無段変速モードは、後述する動力分配機構20の差動作用により実現される。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動トルク又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動トルクをアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。
図2は、図1に示す第1及び第2のモータジェネレータMG1及びMG2、電磁クラッチ80、並びに動力分配機構20の構成例を示す。
動力分配機構20は、エンジン1の出力トルクを第1のモータジェネレータMG1と出力軸3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に出力軸3が連結され、第4の回転要素に電磁クラッチ80が接続される。電磁クラッチ80を解放した状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1の回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、電磁クラッチ80を係合して第4の回転要素を固定すると、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン回転数が出力回転数より小さくなる状態)に固定され、固定段変速モードが実現される。
本実施形態では、図2に示すように、動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギヤ21、キャリア22、サンギヤ23を備え、第2の遊星歯車機構はリングギヤ25、キャリア26、サンギヤ27を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリア22に連結され、そのキャリア22は第2の遊星歯車機構のリングギヤ25に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギヤ23に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギヤ21と第2の遊星歯車機構のキャリア26は相互に連結されているとともに出力軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギヤ27は第4の回転要素に対応し、電磁クラッチ80の一対のドグ歯71及び72のうちドグ歯72に連結している。
図3に電磁クラッチ80の構成例を示す。図3は電磁クラッチ80の要部断面図を示す。この例では、電磁クラッチ80は、電磁アクチュエータ60と、互いに噛合わされる一対のドグ歯71、72と、電流検出センサ75(図4(a)を参照)と、ストロークセンサ76と、を備えて構成される。
電磁アクチュエータ60は、後述する第3MGECU34を通じて電磁アクチュエータ駆動回路51から出力される信号に基づいて駆動制御され、ドグ歯71を矢印Y2方向に移動させて、ドグ歯71とドグ歯72とを噛合わせて係合させる役割を果たすと共にドグ歯71とドグ歯72との噛合わせを解放させる役割を果たす。電磁アクチュエータ60は、シャフト61と、滑り軸受け62と、金属素材等にて形成された一対のプランジャ63、64と、ヨーク65と、コイル66と、復帰バネ67と、ケース68と、を有する。
シャフト61の外周面の少なくとも一部には、プランジャ63をプランジャ64に係合させる方向及びその逆方向(矢印Y1方向)に移動させるための滑り軸受け62が設けられている。プランジャ63は、滑り軸受け62に取り付けられている。プランジャ64は、プランジャ63と係合する形状を有し、プランジャ63と対向した状態でケース68の内側に取り付けられている。ヨーク65は、例えば磁性体であり、一対のプランジャ63、64の外側に配置されている。ヨーク65の一部は、一対のプランジャ63の一部と当接している。コイル66は、ヨーク65と、一対のプランジャ63、64との間に配置され、コイル66には電磁アクチュエータ駆動回路51を通じて電力が供給される。復帰バネ67は、プランジャ63の一部とケース68の内側との間に位置するシャフト61に取り付けられ、プランジャ63をプランジャ64から引き離す方向に作用させる押しバネである。ケース68は、車体などに固定されており、シャフト61、滑り軸受け62、一対のプランジャ63、64、ヨーク65、コイル66、復帰バネ67を夫々収容している。
ドグ歯71の一端側の内周面には、複数の内歯71aが設けられている。ドグ歯71は、例えば回転不能に構成される固定部材であり、プランジャ63の移動に伴って、当該プランジャ63と同方向(矢印Y2方向)に且つ同一の距離だけ移動可能な状態で電磁アクチュエータ60の壁面に支持されている。
ドグ歯72の外周面には、ドグ歯71の複数の内歯71aと係合するための複数の外歯が設けられている。ドグ歯72は、回転可能に構成される回転部材であり、第2の遊星歯車機構のサンギヤ27に連結されている。このため、ドグ歯72は、第4の回転要素であるサンギヤ27の回転に従って回転する。
電流検出センサ75は、図4(a)に示すように、電磁アクチュエータ60のコイル66に通電される電流値を検出し、その検出した通電電流値に応じた信号を、後述する第3MGECU34に出力する。なお、電流検出センサ75は、図3では図示を省略しているが、電磁クラッチ80の適当な位置に設けられる。
ストロークセンサ76は、電磁クラッチ80の適当な位置に設けられる。ストロークセンサ76は、ドグ歯72に対するドグ歯71の移動量を検出し、その検出した移動量に応じた信号を第3MGECU34に出力する。
以上の構成を有する電磁クラッチ80では、第3MGECU34からの指令信号の下、電磁アクチュエータ駆動回路51を通じてコイル66に所定の電力を供給することにより、コイル66の周囲に磁界が形成され、ヨーク65内に磁束が生じる。これにより、ヨーク65の一部に当接しているプランジャ63が磁化される。このため、プランジャ63は、所定の間隔を置いて対向配置されたプランジャ64に吸引されて、復帰バネ67の弾性力に抗して滑り軸受け62上をプランジャ64に向かって移動し、プランジャ64と係合する。これに伴って、ドグ歯71がドグ歯72と噛合わされて係合し、電磁クラッチ80がオン状態(係合状態)となる。なお、この場合、ドグ歯71側の軸が固定されることになるので、第4の回転要素であるサンギヤ27が固定、即ちサンギヤ27の回転が阻止される。
一方、第3MGECU34からの指令信号の下、電磁アクチュエータ駆動回路51を通じてコイル66への電力の供給を止めると、プランジャ63は磁化されなくなるので、復帰バネ67の弾性力によりプランジャ63は滑り軸受け62上をプランジャ64と離隔する方向に移動する。これに伴って、ドグ歯71とドグ歯72との係合(噛合わせ)が解放し、電磁クラッチ80がオフ状態(解放状態)となる。
図2に戻り、第1のモータジェネレータMG1には、ロータ11の回転を検出するレゾルバ12が設けられている。第2のモータジェネレータMG2のロータ41はMG2変速部6を介して出力軸と連結されており、ロータ41の回転を検出するレゾルバ42が設けられている。また、図2に示すように、電磁クラッチ80には、一対のドグ歯71、72のうち、ドグ歯72の回転を検出するレゾルバ32が設けられている。
上述のように、電磁クラッチ80を解放(オフ)状態とすると無段変速モードとなる。具体的には、第1の回転要素であるキャリア22にエンジン1の出力トルクが作用し、第2の回転要素であるサンギヤ23に第1のモータジェネレータ23による反力トルクが作用するので、第3の回転要素である出力軸3及び第4の回転要素であるサンギヤ27にはエンジン1と同方向に回転するトルクが作用する。この場合、第1のモータジェネレータMG1の回転数変化に応じてエンジン1の回転数が変化し、無段変速モードでの運転が行われる。
一方、電磁クラッチ80を係合(オン)状態とすると固定段変速モードとなる。具体的には、第4の回転要素であるサンギヤ27の回転を止めると、エンジン1の回転に対して電磁クラッチ80により反力トルクを与えることになるので、第1のモータジェネレータMG1はいわゆる空転状態となる。その結果、動力分配機構20の構成によって定まる変速比に固定され、固定段変速モードでの運転が行われる。
[ハイブリット車両の制御系の構成]
図4(a)に、上記のモータジェネレータ及び電磁クラッチ80を制御する制御系の構成を示す。本実施形態の制御系では、図示のように、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2を独立に駆動制御するように第1MGECU14及び第2MGECU44が設けられる。
第1MGECU14は、インバータ13を通じて第1のモータジェネレータにMG1に駆動電力を供給する。第1のモータジェネレータMG1の回転はレゾルバ12により検出され、第1MGECU14に送られる。第1MGECU14は、レゾルバ12からの回転検出信号に基づいて、第1のモータジェネレータMG1の回転を制御する。
同様に、第2MGECU44は、インバータ43を通じて第2のモータジェネレータにMG2に駆動電力を供給する。第2のモータジェネレータMG2の回転はレゾルバ42により検出され、第2MGECU44に送られる。第2MGECU44は、レゾルバ42からの回転検出信号に基づいて、第2のモータジェネレータMG2の回転を制御する。
また、図2を参照して説明したように、電磁クラッチ80に設けられたレゾルバ32はドグ歯72側の軸の回転を検出し、その検出信号を第3MGECU34に供給する。第3MGECU34は、レゾルバ32からの検出信号を第2MGECU44に供給する。また、第3MGECU34は、第2MGECU44から与えられる制御信号に基づいて電磁アクチュエータ駆動回路51を制御して、電磁クラッチ80のオン/オフを制御する。
さらに、本実施形態では、モータジェネレータ毎に設けられた第1MGECU14及び第2MGECU44を統括制御するHVECU9が設けられる。HVECU9は、第2MGECU44と接続されるとともに、第2MGECU44を通じて第1MGECU14及び第3MGECU34に制御指示や制御指令値などを供給する。
なお、本実施形態では、第3MGECU34(又はHVECU9)は、後述する通電制御手段90として機能する。
[電磁クラッチの係合制御]
次に、本実施形態に係る電磁クラッチの係合制御方法について説明する。
電磁クラッチ80を係合状態とするためには、電磁アクチュエータ60のコイル66に電力を供給して電磁アクチュエータ60を係合状態とする必要がある。即ち、電磁アクチュエータ60のコイル66に所定の大きさの電流を所定の期間だけ通電する。これにより、復帰バネ67の弾性力や静止摩擦力等に抗してプランジャ63をプランジャ64に向けて移動させてその両者を係合状態とすることができ、その結果、電磁クラッチ80を係合状態とすることができる。このような電磁クラッチ80の係合時には、プランジャ63がプランジャ64に衝突するために衝撃音(打音)が生じる。かかる衝撃音はプランジャ63の移動速度(作動速度)に依存して大きくなる。即ち、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流及び通電期間が大きくなると、それだけ、プランジャ64に対するプランジャ63の電磁的な吸引力(電磁力)が大きくなる。これに伴い、プランジャ63がプランジャ64に向かう移動速度が早くなり、プランジャ63とプランジャ64との衝突エネルギーが大きくなる。その結果、電磁アクチュエータ60の係合動作完了後に発生する衝撃音が大きくなる。図6は、電磁アクチュエータ60の係合動作完了後における、衝撃音の音圧ピークと作動速度ピークとの関係を示すグラフの一例を示す。このグラフより、電磁アクチュエータ60の作動速度ピークが大きくなると、その衝撃音の音圧ピークが大きくなることが見て取れる。よって、そのような衝撃音の低減を図るためには、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流及び通電期間を小さくする必要がある。
ところが、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流及び通電期間を小さくし過ぎてしまうと、プランジャ64に対するプランジャ63の電磁的な吸引力が小さくなってプランジャ63の作動力(推力)が不足し、電磁クラッチ80が係合しなくなってしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、電磁アクチュエータ60への通電電流及び通電時間を適切に制御することで、上記の課題を解決する。以下、その具体的な方法について説明する。
まず、図4(b)を参照して、本実施形態に係る電磁クラッチの係合制御を行うための構成について説明する。図4(b)は、後述する通電制御手段90の構成を示す。図4(b)に示す矢印は制御信号の流れを示す。
本実施形態では、第3MGECU34(又はHVECU9)は、電磁アクチュエータ60への通電電流及び通電期間を制御して電磁クラッチ80の係合制御を行う通電制御手段90を備える。通電制御手段90は、通電電流目標値設定手段91と、通電期間設定手段92と、判定機能部93と、学習機能部94と、を更に備え、これらの各要素を制御する。
通電電流目標値設定手段91は、電磁クラッチ80の係合動作を行う場合に、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流目標値を動作電流目標値に設定する。ここで、動作電流目標値は、復帰バネ67の弾性力や静止摩擦力等に抗してプランジャ63をプランジャ64に向けて移動させ、その両者を係合状態とするのに必要となる電流目標値である。一方、電磁クラッチ80の係合動作が完了して、その係合状態を保持する場合、通電電流目標値設定手段91は、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流目標値を保持電流目標値に設定する。ここで、保持電流目標値は、電磁クラッチ80の係合状態を保持するために必要とされる電流目標値である。かかる保持電流目標値は、動作電流目標値より小さい電流目標値とされる。これは、プランジャ63とプランジャ64との係合状態(即ち、電磁クラッチ80の係合状態)を保持するのに必要な電磁力が、プランジャ63を作動させるのに必要とされる電磁力より小さくてよいからである。
通電期間設定手段92は、通電電流目標値設定手段91により電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流目標値が動作電流目標値に設定された場合に、そのコイル66への通電期間を第N動作電流設定期間(Nは自然数)に設定する。これにより、電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、第N動作電流設定期間だけ動作電流目標値に応じた動作電流が通電される。一方、通電期間設定手段92は、通電電流目標値設定手段91により電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流目標値が保持電流目標値に設定された場合に、そのコイル66への通電期間を第N保持電流設定期間(Nは自然数)に設定する。これにより、電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、第N保持電流設定期間だけ保持電流目標値に応じた保持電流が通電される。
判定機能部93は、電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流の時間変化(変動)に基づいて、電磁アクチュエータ60の戻り動作の有無を判定する。具体的には、判定機能部93は、第N保持電流設定期間において、電流検出センサ75から得られる電流検出信号が変動している場合に電磁アクチュエータ60の戻り動作が有りと判定し、そうでなければ電磁アクチュエータ60の戻り動作が無しと判定する。ここで、電磁アクチュエータ60の戻り動作(復帰動作)とは、復帰バネ67の弾性力によって、プランジャ63がプランジャ64から離隔する方向に戻ってしまう動作(即ち、プランジャ63がコイル66の非通電時における初期の位置に向かって戻されてしまう動作)を指す。
なお、これに代えて又はこれに加えて、本発明では、判定機能部93は、ストロークセンサ76から得られる電磁アクチュエータ60の移動量(即ち、プランジャ64に対するプランジャ63の移動量)に基づいて、電磁アクチュエータ60の戻り動作の有無を判定することとしてもよい。例えば、プランジャ63がプランジャ64に近づくに連れて、プランジャ64に対するプランジャ63の移動量が増える構成とした場合、判定機能部93は、その移動量が減っている場合には、電磁アクチュエータ60の戻り動作が有りと判定し、そうでなければ電磁アクチュエータ60の戻り動作が無しと判定する。
学習機能部94は、判定機能部93によって判定された電磁アクチュエータ60の戻り動作の有無に基づいて第N動作電流設定期間の長さを変更(学習)する。判定機能部93により第N保持電流設定期間において電磁アクチュエータ60の戻り動作が有りと判定された場合には、プランジャ64に対するプランジャ63の電磁的な吸引力(作動力又は推力)が不足していると考えられるので、学習機能部94は、第N動作電流設定期間を長くする。これにより、プランジャ64に対するプランジャ63の作動力を大きくすることができる。よって、プランジャ63がプランジャ64に向かう際の移動速度(作動速度)を早くすることができる。その結果、プランジャ63とプランジャ64との係合、即ち電磁クラッチ80の係合が成功し易くなる。一方、判定機能部93により第N保持電流設定期間において電磁アクチュエータ60の戻り動作が無しと判定された場合には、プランジャ63の作動力は十分に足りており、できる限り上記の衝撃音を低減するために、第N動作電流設定期間を短くする。これにより、プランジャ64に対するプランジャ63の作動力を小さくすることができる。よって、プランジャ63がプランジャ64に向かう際の移動速度(作動速度)を遅くすることができる。その結果、電磁アクチュエータ60の係合動作完了後に発生する衝撃音を低減又は抑制することができる。
[電磁クラッチの係合制御(第1実施例)]
次に、図5(a)を参照して、上記した構成に基づいて行われる第1実施例に係る電磁クラッチの係合制御について説明する。
図5(a)は、第1実施例に係る電磁クラッチ80の係合制御に係るタイムチャートの例を示す。図5(a)において、縦軸は電流値を示し、横軸は時間を示す。図5(a)において、時刻t0〜t1に至る期間T1は学習機能部94による学習値tとしての第1動作電流設定期間を示し、時刻t1〜t3に至る期間T2は第1保持電流設定期間を示し、時刻t3〜t4に至る期間T3は第2動作電流設定期間を示し、時刻t4以降の期間T4は第2保持電流設定期間を示す。また、t_offset=T1+T2である。なお、T1〜T4の各期間は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電期間設定手段92により設定される。また、図5(a)において、V1は保持電流目標値を示し、V2は動作電流目標値を示す。なお、V1、V2は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電電流目標値設定手段91により設定される。
まず、通電制御手段90は、第1動作電流設定期間T1に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63には、プランジャ64に向かう動作電流目標値V2に応じた作動力が作用する。そのため、プランジャ63は、復帰バネ67の弾性力に抗して、プランジャ64に向かってその作動力に応じた速度で移動する。なお、図5(a)の例において、第1動作電流設定期間T1に電磁アクチュエータ60のコイル66の通電電流値が動作電流目標値V2に到達していない。これは、コイル66への通電電流値が動作電流目標値V2に到達するまでに第1動作電流設定期間以上の期間が掛かるからである。本例において、このような制御を敢えて実施しているのは、第1動作電流設定期間T1にプランジャ63に対しプランジャ64へ到達させるだけの必要最小限の作動力を付与しつつ、電磁アクチュエータ60の係合時に発生する衝撃音を低減するためである。
次に、通電制御手段90は、第1保持電流設定期間T1に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を通電する。これにより、時刻t1〜t2にかけて、プランジャ63には、保持電流目標値V1に応じた作動力、及び上記の第1動作電流設定期間T1における作動力により生じる慣性力が作用するため、プランジャ63はプランジャ64に向かって進む。そして、時刻t2においてプランジャ63がプランジャ64と係合、つまり電磁アクチュエータ60が係合する。さらに、時刻t2〜t3かけて、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流値が保持電流目標値V1に維持され、電磁アクチュエータ60の係合状態が保持される。
なお、この例では、第1保持電流設定期間T1に、電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流の時間変化(変動)が生じていない。このため、判定機能部93は、第1保持電流設定期間T1に、電流検出センサ75から得られる電流検出信号(電流変動無しに相当する電流検出信号)に基づいて電磁アクチュエータ60の戻り動作が無しと判定する。これに基づき、学習機能部94は、電磁クラッチ80の係合動作が完了したものと判断し、その係合動作完了後に発生する衝撃音を更に低減するために、第1動作電流設定期間を短くする。こうした制御が車両の走行中に繰り返し行われることにより、電磁クラッチ80の係合動作完了後に発生する衝撃音を低減してゆくことができる。もし、こうした制御を繰り返し行うことによって第1動作電流設定期間が短くなり過ぎ、これにより電磁クラッチ80の係合状態が不完全になるのであれば、学習機能部94は、プランジャ64に対するプランジャ63の作動力が不足しているものと判断し、第1動作電流設定期間を長くする。
次に、通電制御手段90は、プランジャ63がプランジャ64に確実に係合されていることを確認するための補完的な制御を実施する。具体的には、かかる目的のため、通電制御手段90は、第2動作電流設定期間T3に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を更に通電する。続いて、通電制御手段90は、第2保持電流設定期間T4に、そのコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を更に通電して、電磁アクチュエータ60の係合状態を保持する。
なお、本制御において、第1保持電流設定期間T1に、判定機能部93が、上記したストロークセンサ76等から得られる検出信号により確実に電磁クラッチ80の係合状態を確認できるのであれば、第2動作電流設定期間T3及び第2保持電流設定期間T4を設けることは必須ではない。この場合、t_offset期間の経過後は、通電期間設定手段92により、引き続き第1保持電流設定期間に設定される。
[電磁クラッチの係合制御(第2実施例)]
次に、図5(b)を参照して、上記した構成に基づいて行われる第2実施例に係る電磁クラッチの係合制御について説明する。
図5(b)は、第2実施例に係る電磁クラッチ80の係合制御に係るタイムチャートの例を示す。図5(b)において、縦軸は電流値を示し、横軸は時間を示す。また、図5(b)において、時刻t0〜t11に至る期間T11は学習機能部94による学習値tとしての第1動作電流設定期間を示し、時刻t11〜t12に至る期間T12は第1保持電流設定期間を示し、時刻t12〜t13に至る期間T13は第2動作電流設定期間を示し、時刻t13以降の期間T14は第2保持電流設定期間を示す。なお、T11〜T14の各期間は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電期間設定手段92により設定される。また、図5(b)において、V1は保持電流目標値を示し、V2は動作電流目標値を示す。なお、V1、V2は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電電流目標値設定手段91により設定される。
まず、通電制御手段90は、第1動作電流設定期間T11に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63には、プランジャ64に向かう動作電流目標値V2に応じた電磁的な吸引力(作動力)が作用する。そのため、プランジャ63は、復帰バネ67の弾性力に抗して、プランジャ64に向かってその作動力に応じた速度で移動する。なお、図5(b)の例において、第1動作電流設定期間T11に電磁アクチュエータ60のコイル66の通電電流値が動作電流目標値V2に到達していない理由は、上記した第1形態に係る電磁クラッチ80の係合制御にて説明した理由と同様である。
次に、通電制御手段90は、第1保持電流設定期間T12に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を通電する。これにより、時刻t11〜t12にかけて、プランジャ63には、保持電流目標値V1に応じた作動力、及び上記の第1動作電流設定期間T11において付与される作動力による慣性力が作用するため、プランジャ63はプランジャ64に向かって進む。続いて、電流検出センサ75は、第1保持電流設定期間T12内における破線領域A1の期間において、電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流が一時的に上昇、即ち電流の時間変化(変動)が生じていることを検出して、その電流検出信号を判定機能部93に出力する。
ここで、このような電流の変動が生じている理由は、プランジャ63がコイル66の周囲に形成された磁界中をプランジャ64側と離隔する方向に戻っているからである。即ち、このようなプランジャ63の戻り動作によって、電磁誘導作用によりコイル66には保持電流の通電方向と逆向きに誘導電流が流れるためである。なぜ、このような現象が生じるのかと言えば、上記において第1動作電流設定期間T11が短かったために、プランジャ63を復帰バネ67の弾性力に抗してプランジャ64に係合させるだけの十分な作動力を付与することができなかったからである。この場合、判定機能部93は、第1保持電流設定期間T12に、検出された電流検出信号(電流変動有りに相当する電流検出信号)に基づいて電磁アクチュエータ60の戻り動作が有りと判定する。
また、これ基づき、通電制御手段90は、プランジャ63が、復帰バネ67の弾性力によってコイル66の非電流における初期の位置に戻ってしまう前に、そのコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。具体的には、通電制御手段90は、第1保持電流設定期間T12を直ちに終了して第2動作電流設定期間T13を開始し、電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63にはプランジャ64に吸引される電磁力が作用する。よって、万が一、プランジャ63が作動前の初期の位置に戻ってしまった場合に生じる衝撃音を抑制することができる。なお、この例では、かかる制御により、時刻t13の直前付近において、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流値が動作電流目標値V2に到達してプランジャ63がプランジャ64に係合し、これにより電磁アクチュエータ60が係合する。
また、上記のように判定機能部93により電磁アクチュエータ60の戻り動作が有りと判定された場合には、学習機能部94は、電磁クラッチ80の係合が失敗に終わったものと判断し、プランジャ64に対するプランジャ63の作動力を大きくするため、第1動作電流設定期間を長くする。これにより、次回以降の電磁クラッチ80の係合制御において電磁クラッチ80の係合が成功し易くなる。
次に、通電制御手段90は、第2保持電流設定期間T14に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を通電する。これにより、電磁クラッチ80の係合状態が保持される。
[電磁クラッチの係合制御(第3実施例)]
次に、図5(c)を参照して、上記した構成に基づいて行われる第3実施例に係る電磁クラッチの係合制御について説明する。
図5(c)は、第3実施例に係る電磁クラッチ80の係合制御に係るタイムチャートの例を示す。図5(c)において、縦軸は電流値を示し、横軸は時間を示す。また、図5(c)において、時刻t0〜t21に至る期間T21は学習機能部94による学習値tとしての第1動作電流設定期間を示し、時刻t21〜t22に至る期間T22は第1保持電流設定期間を示し、時刻t22〜t23に至る期間T23は第2動作電流設定期間を示し、時刻t23〜t25に至る期間T24は第2保持電流設定期間を示し、時刻t25〜t26に至る期間T25は第3動作電流設定期間を示し、時刻t26以降の期間T26は第3保持電流設定期間を示す。また、図5(c)において、t_offset=T21+T22=T23+T24である。なお、T21〜T26の各期間は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電期間設定手段92により設定される。また、図5(c)において、V1は保持電流目標値を示し、V2は動作電流目標値を示す。なお、V1、V2は電磁クラッチ80の係合制御を行うに際して通電電流目標値設定手段91により設定される。
まず、通電制御手段90は、第1動作電流設定期間T21に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63には、プランジャ64に向かう動作電流目標値V2に応じた電磁的な吸引力(作動力)が作用する。そのため、プランジャ63は、復帰バネ67の弾性力に抗して、プランジャ64に向かってその作動力に応じた速度で移動する。なお、図5(c)の例において、第1動作電流設定期間T21に電磁アクチュエータ60のコイル66の通電電流値が動作電流目標値V2に到達していない理由は、上記した第1形態に係る電磁クラッチ80の係合制御にて説明した理由と同様である。
次に、通電制御手段90は、第1保持電流設定期間T22に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を通電する。これにより、時刻t21〜t22にかけて、プランジャ63には、保持電流目標値V1に応じた作動力、及び上記の第1動作電流設定期間T21における作動力により生じる慣性力が作用するため、プランジャ63はプランジャ64に向かって進む。続いて、電流検出センサ75は、第1保持電流設定期間T22内における破線領域A2の期間において、電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流の時間変化(変動)を検出して、その電流検出信号を判定機能部93に出力する。このような電流の変動が生じている理由は、上記の第2実施例で説明した理由と同様である。
ところで、この例では、その電流の変動が微弱であるために、判定機能部93は、プランジャ63がプランジャ64に係合する方向に進んでいるのか否かについて判断できない場合がある。この場合、電磁クラッチ80を確実に係合状態とするため、通電制御手段90は、その状態から電磁クラッチ80の係合制御を再度実施する。
具体的には、通電電流目標値設定手段91は、判定機能部93が、検出された通電電流の時間変化が微弱であるために第1保持電流設定期間T22に電磁アクチュエータ60の戻り動作の有無を判定できない場合には動作電流目標値を再度設定する。また、通電期間設定手段92は、電磁クラッチ80を確実に係合状態とするため、第1保持電流設定期間T22に引き続いて第2動作電流設定期間T23を設定すると共に、第2動作電流設定期間T23に引き続いて第2保持電流設定期間T24を設定する。また、学習機能部94は、第2動作電流設定期間T23の長さを第1動作電流設定期間T21より長くする。なお、第2保持電流設定期間T24の長さは、図5(c)に示すように、通電期間設定手段92によって(t_offset−第2動作電流設定期間T23)とされる。
これに基づいて、通電制御手段90は、第1保持電流設定期間T22の経過後に第2動作電流設定期間T23を開始させる。即ち、通電制御手段90は、第2動作電流設定期間T23に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63は、プランジャ64に向かう動作電流目標値V2に応じた電磁的な吸引力(作動力)が作用する。そのため、プランジャ63は、復帰バネ67の弾性力に抗して、プランジャ64に向かってその作動力に応じた速度で移動する。
次に、通電制御手段90は、第2保持電流設定期間T24に、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を通電する。これにより、時刻t23〜t25にかけて、プランジャ63には、保持電流目標値V1に応じた作動力、及び上記の第2動作電流設定期間T23における作動力により生じる慣性力が作用するため、プランジャ63はプランジャ64に向かって進む。そして、時刻t24においてプランジャ63がプランジャ64と係合し、これにより電磁クラッチ80が係合する。これにより、電磁アクチュエータ60の係合動作完了により発生する衝撃音を低減又は抑制することができる。さらに、時刻t24〜t25にかけて、電磁アクチュエータ60のコイル66への通電電流値が保持電流目標値V1に維持され、電磁クラッチ80の係合状態が保持される。
次に、通電制御手段90は、プランジャ63がプランジャ64に確実に係合されていることを確認するための補完的な制御を実施する。具体的には、かかる目的のため、通電制御手段90は、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して動作電流目標値V2に相当する動作電流を更に通電する。続いて、通電制御手段90は、第3保持電流設定期間T26に、そのコイル66に対して保持電流目標値V1に相当する保持電流を更に通電して、電磁クラッチ80の係合状態を保持する。
なお、本制御において、第2保持電流設定期間T24に、判定機能部93が上記したストロークセンサ76等から得られる検出信号により確実に電磁クラッチ80の係合状態を確認できるのであれば、第3動作電流設定期間T25及び第3保持電流設定期間T26を設けることは必須ではない。この場合、(t_offset×2)の経過後は、通電期間設定手段92により、引き続き第2保持電流設定期間に設定される。
また、本係合制御において、第2保持電流設定期間T24に電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流の時間変化(変動)が生じて、プランジャ63がプランジャ64に係合する方向に進んでいるのか否か判断できない場合には、上記同様に、通電制御手段90によって、その状態から電磁クラッチ80の係合制御が再度実施される。
[電磁クラッチの係合制御処理]
次に、図7を参照して、本実施形態に係る電磁クラッチの係合制御処理について説明する。図7は、電磁クラッチの係合制御処理の一例に係るフローチャートを示す。なお、この処理は、図4(a)に示す第3MGECU34等により実行される。
まず、通電制御手段90(第3MGECU34)は、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、上記した動作電流目標値に相当する動作電流を通電する(ステップS1)。次に、第3MGECU34等は、その内部に設けられたタイマを作動させて、ステップS1におけるコイル66への動作電流の通電時からの経過時間を計測し、通電制御手段90は、その計測された経過時間が学習値(動作電流設定期間)tより大きくなったか否か、即ちコイル66に動作電流を流す動作電流設定期間が終了したか否か判定する(ステップS2)。ここで、学習値tの長さは、電磁アクチュエータ60の戻り動作の有無に基づいて学習機能部94により変更される。なお、ステップS2における括弧書きは、初回目の本係合制御処理では実行されないため後述する。
ステップS2での判定結果がNoである場合にはステップS1に戻る。一方、ステップS2での判定結果がYesである場合には、ステップS3に進み、通電制御手段90は、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、上記した保持電流目標値に相当する保持電流を通電する。次に、通電制御手段90は、例えばストロークセンサ76、接点スイッチ(図示略)などから得られる検出信号に基づいて、電磁クラッチ80の係合が確認されたか否かについて判定する(ステップS4)。ここで、接点スイッチは、プランジャ63とプランジャ64とが係合したときに生じる圧力を検出するスイッチである。接点スイッチは、例えば、その検出した圧力値がゼロである場合には電磁クラッチ80の係合が確認されない検出信号(OFF信号)を通電制御手段90に出力し、そうでなければ電磁クラッチ80の係合が確認された検出信号(ON信号)を通電制御手段90に出力する。
この判定処理において電磁クラッチ80の係合が確認された場合には(ステップS4;Yes)、通電制御手段90は、電磁クラッチ80の係合状態を保持するために、引き続き、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値に相当する保持電流を通電し続ける(ステップS11)。次に、学習機能部94は、次回以降の本制御処理において電磁アクチュエータ60の係合動作完了後に生じる衝撃音を低減するために学習値tの長さを短くし(ステップS12)、本制御処理を終了する。ここで、学習値tの長さを短くする理由は、ステップS4にて電磁クラッチ80の係合が問題なく行われており、次回以降の本制御処理において電磁クラッチ80の係合完了時の衝撃音をより低減するためである。
ステップS4に戻り、電磁クラッチ80の係合が確認されないと判定された場合には(ステップS4;No)、通電制御手段90は、電磁アクチュエータ60の動作がOKであるか否かについて判定する(ステップS5)。ここで、電磁アクチュエータ60の動作がOKである場合とは、プランジャ63がプランジャ64に向かって移動しており、上記の保持電流設定期間中に、電磁アクチュエータ60のコイル66に流れる電流の時間変化(変動)が生じていない場合を指す。ここで、電流の時間変化(変動)の意義は上述した通りである。
この判定処理において、電磁アクチュエータ60の動作がOKである場合には(ステップS5;Yes)、ステップS6へ進み、通電制御手段90は、ステップS1におけるコイル66への動作電流の通電時からの経過時間がt_offsetより大きくなったか否か、即ちコイル66に保持電流を流す保持電流設定期間が終了したか否かについて判定する。ここで、t_offsetは、上記の動作電流設定期間と、上記の保持電流設定期間とを加算した期間を指す。なお、本制御処理では、t_offsetは、学習値tと同様に、例えばステップS4での判定結果に応じて、その長さを変更するようにしても構わない。なお、ステップS6における括弧書きは、初回目の本係合制御処理では実行されないため後述する。
ステップS6での判定結果がNoである場合には、ステップS3に戻る。一方、ステップS6での判定結果がYesである場合には、ステップS9へ進み、通電制御手段90は、プランジャ63がプランジャ64に確実に係合されていることを確認するための補完的な制御を実施する。具体的には、かかる目的のため、通電制御手段90は、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、上記した動作電流目標値に相当する動作電流を更に通電する。次に、通電制御手段90は、電磁クラッチ80の係合確認制御を実施し、その係合確認制御の動作が完了したか否かについて判定する(ステップS10)。ここで、電磁クラッチ80の係合確認制御としては、例えば、第1MGECU14が第1のモータジェネレータMG1を通じてドグ歯72を時計回り及び反時計回りに揺動させて、ドグ歯71とドグ歯72とが係合しているか否か、つまり電磁クラッチ80が係合しているか否かを確認するトルク揺さ振り制御が挙げられる。この場合、ドグ歯71に対するドグ歯72の回転方向の動きが小さい場合には、電磁クラッチ80が係合しているものと判断され、そうでなければ電磁クラッチ80が係合していないものと判断される。
この判定処理において、電磁クラッチ80の係合確認制御の動作が完了した場合には(ステップS10;Yes)、ステップS11へ進み、通電制御手段90は、電磁クラッチ80の係合状態を保持するために、引き続き、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して保持電流目標値に相当する保持電流を通電する。次に、学習機能部94は、学習値tの長さを長くし(ステップS12)、本制御処理を終了する。ここで、学習値tの長さを長くする理由は、ステップS4にてプランジャ64に対するプランジャ63の電磁的な吸引力(作動力又は推力)が不足して電磁クラッチ80の係合が失敗に終わった為、次回以降の本制御処理において電磁アクチュエータ60の係合完了時の衝撃音を低減しつつ、電磁クラッチ80の係合を確実なものとするためである。一方、電磁クラッチ80の係合確認制御の動作が完了していない場合には(ステップS10;No)、ステップS9へ戻る。
ステップS5に戻り、電磁アクチュエータ60の動作がOKでない場合には(ステップS5;No)、ステップS7に進む。このステップS7では、判定機能部93は、電磁アクチュエータ60が上記した戻り動作(プランジャ63がコイル66の非通電時の初期の位置へ戻される動作)にあるか否かについて判定すると共に、動作電流への切替が必要であるか否かについて判定する。ここで、電磁アクチュエータ60が上記の戻り動作にあるか否かについては、判定機能部93が、上記した電流検出センサ75から得られる、コイル66に流れる電流の時間変化(変動)に係る検出信号に基づいて行う。コイル66に流れる電流の時間変化がある場合には、判定機能部93は、電磁アクチュエータ60が上記の戻り動作にあるものと判断し、そうでなければ上記の戻り動作にないもの(電磁アクチュエータ60が初期の位置へ戻っているか戻っていないか不明の場合を含む)と判断する。また、電磁アクチュエータ60が上記の戻り動作にあると判断される場合には、通電制御手段90は、コイル66に通電されている保持電流を動作電流に切り替えることが必要であると判断し、そうでなければコイル66に通電されている保持電流を動作電流に切替ることが必要でないものと判断する。
ステップS7での判定結果がYesである場合には、ステップS9へ進み、通電制御手段90は、電磁アクチュエータ駆動回路51を介して電磁アクチュエータ60のコイル66に対して、上記した動作電流目標値に相当する動作電流を通電する。これにより、プランジャ63にはプランジャ64に吸引される電磁力が作用する。よって、万が一、プランジャ63が作動前の初期の位置に戻ってしまった場合に生じる衝撃音を抑制することができる。
一方、ステップS7での判定結果がNoである場合には、通電制御手段90はNGフラグをONとし、通電期間設定手段92は学習値t’を設定する(ステップS8)。ここで、学習値t’の長さは、学習機能部94により学習値tより長く設定される。これは、ステップS7にて例えば電磁アクチュエータ60が初期の位置へ戻っているか戻っていないか不明であると判断されており、後の処理において電磁クラッチ80を確実に係合状態とするためである。
次に、ステップS1へ戻り、次回(2回目)の本係合制御処理の実行に移る。具体的には、まず、通電制御手段90はステップS1を実行し、続いて通電制御手段90はステップS2の括弧書きを実行する。このステップS2では、NGフラグがONになっているので、通電制御手段90は、初回目の本係合制御処理において計測された経過時間が、学習値t_offset+t’より大きくなったか否か、即ち2回目の動作電流設定期間が終了したか否か判定する(ステップS2)。
ステップS2での判定結果がNoである場合にはステップS1に戻る。一方、ステップS2での判定結果がYesである場合には通電制御手段90はステップS3を実行し、続いて通電制御手段90はステップS4を実行する。ステップS4での処理がYesである場合には通電制御手段90はステップS11を実行し、続いて学習機能部94はステップS12を実行する。このステップS12では、学習機能部94は、次回以降の本制御処理において電磁クラッチ80の係合動作完了後に生じる衝撃音を低減するために学習値t’の長さを短くし(ステップS12)、本制御処理を終了する。ここで、学習値t’の長さを短くする理由は、ステップS4にて電磁クラッチ80の係合が問題なく行われており、次回以降の本制御処理において電磁クラッチ80の係合完了時の衝撃音をより低減するためである。
ステップS4に戻り、電磁クラッチ80の係合が確認されないと判定された場合には(ステップS4;No)、通電制御手段90はステップS5を実行する。ステップS5での判定結果がYesである場合には、通電制御手段90はステップS6の括弧書きを実行する。このステップS6では、NGフラグがONになっているので、通電制御手段90は、初回目の本係合制御処理において計測された経過時間が、学習値t_offset×2倍より大きくなったか否か、即ち2回目の保持電流設定期間が終了したか否か判定する(ステップS6)。
このステップS6での判定結果がNoである場合には、ステップS3に戻る。一方、ステップS6での判定結果がYesである場合には通電制御手段90はステップS9を実行し、続いて通電制御手段90又は学習機能部94は、ステップS10〜S12を実行する。このステップS12では、学習機能部94は、学習値t’の長さを長くして、本制御処理を終了する。ここで、学習値t’の長さを長くする理由は、ステップS4にてプランジャ64に対するプランジャ63の電磁的な吸引力(推力)が不足して電磁クラッチ80の係合が失敗に終わった為、次回以降の本制御処理におい電磁アクチュエータ60の係合動作完了時の衝撃音を低減しつつ、電磁クラッチ80の係合を確実なものとするためである。
ステップS5に戻り、電磁アクチュエータ60の動作がOKでない場合には(ステップS5;No)、通電制御手段90はステップS7を実行し、続いて通電制御手段90はステップS8を実行する。次に、ステップS1に戻り、次回(3回目)の本係合制御処理の実行に移る。次に、上記同様の電磁クラッチ80の係合制御処理が繰り返し実行され、電磁クラッチ80の係合が成功することにより本係合制御処理が終了する。
本実施形態に係るハイブリッド車両の駆動機構の概略構成を示す。 モータジェネレータ、電磁クラッチ及び動力分配機構の構成を示す。 電磁クラッチの断面構造を示す。 ハイブリッド車両の制御系の構成を示す。 各種形態に係る電磁クラッチの係合制御のタイムチャートを示す。 電磁クラッチの係合時における衝撃音の音圧ピークと作動速度ピークとの関係を示すグラフの一例を示す。 電磁クラッチの係合制御処理に係るフローチャートを示す。
符号の説明
1 エンジン
9 HVECU
20 動力分配機構
34 第3MGECU
51 電磁アクチュエータ駆動回路
60 電磁アクチュエータ
71、72 ドグ歯
75 電流検出センサ
76 ストロークセンサ
80 電磁クラッチ

Claims (4)

  1. 電磁アクチュエータへの通電電流及び通電期間を制御してクラッチの係合制御を行う通電制御手段と、前記通電電流を検出する電流検出手段と、を備える車両の制御装置であって、
    前記通電制御手段は、
    前記クラッチを係合動作させるときに前記通電電流の目標値を動作電流目標値に設定すると共に、前記クラッチを係合状態に保持するときに前記通電電流の目標値を保持電流目標値に設定する通電電流目標値設定手段と、
    前記通電電流の目標値が前記動作電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1動作電流設定期間に設定すると共に、前記通電電流の目標値が前記保持電流目標値に設定された場合に前記通電期間を第1保持電流設定期間に設定する通電期間設定手段と、
    検出された前記通電電流の時間変化に基づいて前記電磁アクチュエータの戻り動作の有無を判定する判定機能部と、
    判定された前記戻り動作の有無に基づいて前記第1動作電流設定期間の長さを変更する学習機能部と、を備え、
    前記学習機能部は、前記第1保持電流設定期間において、前記戻り動作が有りと判定された場合には前記第1動作電流設定期間の長さを長くすると共に前記戻り動作が無しと判定された場合には前記第1動作電流設定期間の長さを短くすることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記通電期間設定手段は、前記通電電流の目標値として前記動作電流目標値が再度設定された場合には前記第1保持電流設定期間に引き続いて第2動作電流設定期間を設定し、
    前記通電制御手段は、前記第1保持電流設定期間において前記戻り動作が有りと判定された場合には、前記第1保持電流設定期間を終了して前記第2動作電流設定期間を開始させる請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記通電期間設定手段は、前記通電電流の目標値として前記保持電流目標値が再度設定された場合には前記第2動作電流設定期間に引き続いて第2保持電流設定期間を設定し、
    前記学習機能部は、前記第2保持電流設定期間において前記戻り動作が無しと判定された場合には前記第2動作電流設定期間を短くする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記通電電流目標値設定手段は、前記判定機能部が前記第1保持電流設定期間に前記戻り動作の有無を判定できない場合には前記通電電流の目標値として前記動作電流目標値を再度設定し、
    前記通電期間設定手段は、前記動作電流目標値が再度設定された場合に前記第1保持電流設定期間に引き続いて第2動作電流設定期間を設定し、
    前記学習機能部は、前記第2動作電流設定期間の長さを前記第1動作電流設定期間より長くし、
    前記通電制御手段は、前記第1保持電流設定期間の経過後に前記第2動作電流設定期間を開始させる請求項1に記載の車両の制御装置。
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