JP5029312B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置(EPS)等に用いられるモータ制御装置の多くには、電力供給線の断線や駆動回路の接点故障等によってモータの何れかの相(U,V,Wの何れか)に通電不良が生じた場合に、該異常の発生を検出可能な異常検出手段が設けられている。そして、当該異常の発生を検出した場合には、速やかにモータ制御を停止してフェールセーフを図る構成が一般的となっている。
ところが、EPSにおいては、こうしたモータ制御の停止に伴い、そのステアリング特性が大きく変化する。即ち、運転者が的確なステアリング操作を行うためには、より大きな操舵力が要求されることになる。この点を踏まえ、従来、上記のように通電不良相の発生を検出した場合であっても、当該通電不良発生相以外の二相を通電相としてモータ制御を継続するモータ制御装置がある(例えば、特許文献1)。そして、これにより、操舵系に対するアシスト力の付与を継続して、フェールセーフに伴う運転者の負担の増大を回避することができる。
特開2003−26020号公報
しかしながら、上記従来例のように、通電不良相の発生時、当該通電不良発生相以外の二相を通電相としてモータ制御を継続する場合に、図20に示すような該各通電相に対して正弦波通電を行う構成(同図に示される例は、U相異常、V,W相通電時)では、トルクリップルの発生に起因する操舵フィーリングの悪化が避けられない。
即ち、図21に示すように、従来の二相駆動時におけるモータ電流の推移をd/q座標系で表した場合、モータトルクの制御目標値であるq軸電流指令値が一定であるにも関わらず、実際のq軸電流値は、正弦波状に変化する。つまり、要求トルクに対応したモータ電流が発生しないために本来の出力性能を引き出せない状態でモータ駆動が継続されることにより、そのアシスト力が大きく変動するという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、通電不良の発生に伴う二相駆動時のモータ回転を円滑化して安定的にアシスト力を付与することのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記モータに対する駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいて前記モータに三相の前記駆動電力を供給する駆動回路と、前記モータの各相に生じた通電不良を検出可能な異常検出手段とを備えてなり、前記モータ制御信号出力手段は、前記モータの回転角に基づく電流制御の実行により前記モータ制御信号を生成するとともに、前記通電不良の発生時には、その通電不良発生相以外の二相を通電相として前記モータ制御信号の出力を実行する電動パワーステアリング装置において、前記モータ制御信号出力手段は、前記通電不良の発生時には、前記各通電相に対し、前記通電不良発生相に応じた所定の回転角を漸近線として正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流を通電すべく前記電流制御を実行するものであって、前記相電流を所定範囲内に制限する電流制限を行うとともに、該電流制限に起因した前記モータの回転停止を抑制すべく、前記ステアリング操作の方向と前記モータの回転方向とが一致しない場合には、前記ステアリング操作の方向とは逆方向に前記モータを回転させるようなアシストトルクを発生させる逆アシスト制御を実行することにより、前記モータの回転を加速させること、を要旨とする。
上記構成によれば、漸近線に対応する所定の回転角(各相に通電される相電流値に制限のある場合には、所定の回転角近傍の電流制限範囲)を除いて、要求トルクに対応したモータ電流を発生させることができる。その結果、通電不良相発生時においても、大きなトルクリップルの発生を招くことなく、高い出力性能を確保した状態で、そのモータ駆動を継続することができる。
また、本来、正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流の通電によりモータ制御をする場合において、一定のモータトルクを発生させるためには、理論上、その相電流値(の絶対値)は、上記所定の回転角近傍において無限大まで増大しなければならない。従って、当該所定の回転角近傍において電流制限を行うことにより、その電流制限範囲においては、発生するモータトルク(アシストトルク)がアシスト力目標値を下回ることになる。その結果、操舵方向のトルク(操舵トルクとアシストトルクとの和)が戻し方向の反力トルク(軸力)を下回ることでその操舵速度が減速する区間が現れることとなり、この減速区間が円滑なモータ回転、即ち安定的なアシスト力付与の妨げとなる可能性がある。そして、特に、モータの回転角速度がその減速区間を通過するために必要な臨界速度以下であるような低速操舵時には、その操舵方向のトルクと戻し方向の反力トルク(軸力)とが釣り合う点でモータが回転停止してしまう現象、即ち所謂引っ掛かり状態となるおそれがある。
しかしながら、上記構成による加速制御を実行することにより、モータの回転角速を上昇させて、その引っ掛かりの発生を抑制することができる。その結果、低速操舵時においても、そのモータ回転を円滑化して安定的にアシスト力を付与することができるようになる。
即ち、減速区間への突入速度が臨界速度以下である場合、モータは、当該減速区間の何れかにおいて戻し方向へと逆回転することになる。しかしながら、このとき、上記構成による逆アシスト付与によりその逆回転を補助、即ち逆方向に加速することで、モータは、減速区間の突入位置よりも大きく戻し方向へと逆回転する。そして、その逆回転により生ずる操舵系の捩れに基づく大きなアシスト力によって再び操舵方向に加速されることにより、前回突入時よりも速い突入速度を獲得して当該減速区間を通過することが可能になる。従って、上記構成によれば、効果的に引っ掛かりの発生を抑制して、より安定的にアシスト力付与を行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記逆アシスト制御は、前記モータの回転角が前記電流制限の行われる範囲内にある場合に実行されること、を要旨とする。
上記構成によれば、縁石衝突等、転舵輪側からの逆入力印加による逆回転時を除外して、精度よく引っ掛かりの発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記逆アシスト制御は、前記モータの回転が停止した場合に実行されること、を要旨とする。
即ち、電流制限範囲内でのアシストトルクの強化は不可能であり(電流制限時はその通電量を増加する余地がないため)、且つ上記減速区間内では、操舵トルクよりも戻し方向の反力トルクの方が大きい。従って、上記構成にように、逆アシスト制御を実行した方が、効果的にモータの回転を加速することができる。
請求項4に記載の発明は、前記逆アシスト制御は、前記電流制御の基礎として用いる前記モータの回転角を補正することにより行われること、を要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記回転角の補正は、該補正後の前記回転角との間に、前記漸近線に相当する所定の回転角を挟むよう、前記回転角の位相をずらすものであること、を要旨とする。
即ち、二相駆動時には、漸近線に相当する所定の回転角を挟んで各相電流の方向が反転する。従って、上記各構成によれば、簡素な構成にて、上記引っ掛かり抑制のための逆アシスト制御を実行することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、前記回転角の補正は、前記回転角と前記漸近線に相当する所定の回転角との差分に基づいて行われること、を要旨とする。
即ち、基本的に、現在の回転角から上記差分(+マージン)だけ位相を進める、又は遅らせることにより電流方向が逆転する位置に補正する。従って、上記構成によれば、より精度よく位相補償制御を実行して、より効果的に逆アシスト制御を実行することができる。
請求項7に記載の発明は、前記モータ制御信号出力手段は、前記通電不良の発生に伴う二相駆動時、ステアリング操作の方向と前記モータの回転方向とが一致し、且つ前記モータの回転角速度が前記回転停止の発生する臨界速度以下である場合には、前記ステアリング操作の方向へのアシストトルクを強化するようなアシスト強化制御を実行することにより、前記モータの回転を加速させること、を要旨とする。
上記構成によれば、アシストトルクの強化によってモータの回転を加速することにより、減速区間への突入速度を上昇させることができ、その結果、効果的に引っ掛かりの発生を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、前記モータ制御信号出力手段は、前記モータの回転角速度が前記臨界速度を大きく下回るほど、より大きく前記アシストトルクを強化するように前記アシスト強化制御を実行すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
上記構成によれば、効果的に引っ掛かりの発生を抑制して、より安定的にアシスト力付与を行うことができるようになる。
本発明によれば、通電不良の発生に伴う二相駆動時のモータ回転を円滑化して安定的にアシスト力を付与することのできる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のEPS1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、その駆動源であるモータ12がラック5と同軸に配置された所謂ラック型のEPSアクチュエータであり、モータ12が発生するアシストトルクは、ボールねじ機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ12は、ブラシレスモータであり、ECU11から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。そして、モータ制御装置としてのECU11は、このモータ12が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
本実施形態では、ECU11には、トルクセンサ14及び車速センサ15が接続されている。そして、ECU11は、これらトルクセンサ14及び車速センサ15によりそれぞれ検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ10の作動、即ちパワーアシスト制御を実行する。
次に、本実施形態のEPSの電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPSの制御ブロック図である。同図に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段としてのマイコン17と、モータ制御信号に基づいてモータ12に三相の駆動電力を供給する駆動回路18とを備えている。
尚、本実施形態の駆動回路18は、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる周知のPWMインバータであり、マイコン17の出力するモータ制御信号は、駆動回路18を構成する各スイッチング素子のオンduty比を規定するものとなっている。そして、モータ制御信号が各スイッチング素子のゲート端子に印加され、同モータ制御信号に応答して各スイッチング素子がオン/オフすることにより、車載電源(図示略)の直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ12に供給されるようになっている。
本実施形態では、ECU11には、モータ12に通電される各相電流値Iu,Iv,Iwを検出するための電流センサ21u,21v,21w、及びモータ12の回転角(電気角)θを検出するための回転角センサ22が接続されている。そして、マイコン17は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ12の各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θ、並びに上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて駆動回路18にモータ制御信号を出力する。
詳述すると、本実施形態のマイコン17は、上記操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、操舵系に付与すべきアシスト力(目標アシスト力)を決定し、当該アシスト力をモータ12に発生させるべく、上記検出された各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θに基づく電流制御を実行することにより上記モータ制御信号を生成する。
具体的には、マイコン17は、操舵系に付与するアシスト力、即ちモータトルクの制御目標値として電流指令値を演算する電流指令値演算手段としての電流指令値演算部23と、電流指令値演算部23により算出された電流指令値に基づいてモータ制御信号を生成するモータ制御信号生成手段としてのモータ制御信号生成部24とを備えている。
電流指令値演算部23は、上記トルクセンサ14及び車速センサ15により検出された操舵トルクτ及び車速Vに基づき、モータトルクの制御目標値に対応する電流指令値として、d/q座標系のq軸電流指令値Iq*を演算し、モータ制御信号生成部24に出力する。一方、モータ制御信号生成部24には、電流指令値演算部23の出力するq軸電流指令値Iq*とともに、各電流センサ21u,21v,21wにより検出された各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角センサ22により検出された回転角θが入力される。そして、モータ制御信号生成部24は、これら各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角θ(電気角)に基づいて、d/q座標系における電流フィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を生成する。
さらに詳述すると、本実施形態のモータ制御信号生成部24は、d/q座標系における電流フィードバック制御(d/q軸電流F/B)の実行により三相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する第1電流制御部24aを備えている。そして、通常時には、この第1電流制御部24aにより演算される各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、モータ制御信号を生成する。
図3に示すように、第1電流制御部24aに入力された各相電流値Iu,Iv,Iwは、回転角θとともに3相/2相変換部25に入力され、同3相/2相変換部25によりd/q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換される。そして、q軸電流値Iqは、電流指令値演算部23から入力されたq軸電流指令値Iq*とともに減算器26qに入力され、d軸電流値Idは、d軸電流指令値Id*(Id*=0)とともに減算器26dに入力される。
各減算器26d,26qにおいて演算されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqは、それぞれ対応するF/B制御部27d,27qに入力される。そして、これら各F/B制御部27d,27qにおいて、電流指令値演算部23が出力するd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に実電流値であるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを追従させるべくフィードバック制御が行われる。
即ち、F/B制御部27d,27qは、入力されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqに所定のF/Bゲイン(PIゲイン)を乗ずることにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。演算されたこれらd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、回転角θとともに2相/3相変換部28に入力され、同2相/3相変換部28において三相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換される。そして、第1電流制御部24aは、その各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*をPWM変換部30へと出力する。
PWM変換部30は、入力された各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づきduty指令値αu,αv,αwを生成し、さらに、これら各duty指令値αu,αv,αwに示されるオンduty比を有するモータ制御信号を生成する。そして、図2に示すように、マイコン17は、このモータ制御信号生成部24において生成されたモータ制御信号を、駆動回路18を構成する各スイッチング素子(のゲート端子)に出力することにより、同駆動回路18の作動、即ちモータ12への駆動電力の供給を制御する構成となっている。
[異常発生時の制御態様]
図2に示すように、本実施形態のECU11では、マイコン17には、EPS1に何らかの異常が生じた場合に、該異常の態様を特定するための異常判定部31が設けられている。そして、ECU11(マイコン17)は、この異常判定部31により特定(判定)された異常の態様に応じて、モータ12の制御モードを変更する。
詳述すると、異常判定部31には、EPSアクチュエータ10の機械系統の異常を検出するための異常信号S_trが入力されるようになっており、同異常判定部31は、この入力される異常信号S_trに基づいて、EPS1における機械系統の異常を検出する。また、異常判定部31には、検出された各相電流値Iu,Iv,Iw、回転角速度ω、及び上記モータ制御信号生成部24(第1電流制御部24a)において演算されたq軸電流偏差ΔIq、並びに各相のduty指令値αu,αv,αw等が入力される。そして、異常判定部31は、これら各状態量に基づいて、制御系における異常の発生を検出する。
具体的には、本実施形態の異常判定部31は、トルクセンサ14の故障や駆動回路18の故障等、制御系全般に関する異常の発生を検出するために、q軸電流偏差ΔIqを監視する。即ち、q軸電流偏差ΔIqと所定の閾値とを比較し、q軸電流偏差ΔIqが(所定時間以上継続して)当該閾値以上となった場合には、制御系に異常が発生したものと判定する。
また、異常判定部31は、各相電流値Iu,Iv,Iw、回転角速度ω、及び各相のduty指令値αu,αv,αwに基づいて、動力線(モータコイルを含む)の断線や駆動回路18の接点不良等に起因する通電不良相の発生等を検出する。この通電不良相発生の検出は、X相(X=U,V,W)の相電流値Ixが所定値Ith以下(|Ix|≦Ith)、且つ回転角速度ωが断線判定の対象範囲内(|ω|≦ω0)である場合に、該相に対応するduty指令値αxが所定値Ith及び判定対象範囲を規定する閾値ω0に対応する所定範囲(αLo≦αx≦αHi)にない状態が継続するか否かにより行われる。
尚、この場合において、上記相電流値Ixの閾値となる所定値Ithは「0」近傍の値に設定され、回転角速度ωの閾値ω0は、モータの最高回転数に相当する値に設定される。そして、duty指令値αxに関する閾値(αLo,αHi)は、それぞれ通常制御においてduty指令値αxが取り得る下限値よりも小さな値、及び上限値よりも大きな値に設定されている。
即ち、図4のフローチャートに示すように、異常判定部31は、検出される相電流値Ix(の絶対値)が所定値Ith以下であるか否かを判定し(ステップ101)、所定値Ith以下である場合(|Ix|≦Ith、ステップ101:YES)には、続いて回転角速度ω(の絶対値)が所定の閾値ω0以下であるか否かを判定する(ステップ102)。そして、回転角速度ωが所定の閾値ω0以下である場合(|ω|≦ω0、ステップ102:YES)には、duty指令値αxが上記の所定範囲(αLo≦αx≦αHi)内にあるか否かを判定し(ステップ103)、所定範囲内にない場合(ステップ103:NO)には、該X相に通電不良が生じているものと判定する(ステップ104)。
そして、相電流値Ixが所定値Ithよりも大きい場合(|Ix|>Ith、ステップ101:NO)、回転角速度ωが閾値ω0よりも大きい場合(|ω|>ω0、ステップ102:NO)、又はduty指令値αxが上記所定範囲内にある場合(αLo≦αx≦αHi、ステップ103:YES)には、X相に通電不良が生じていないと判定する(X相正常、ステップ105)。
つまり、X相(U,V,W相の何れか)に通電不良(断線)が生じた場合、当該相の相電流値Ixは「0」となる。ここで、X相の相電流値Ixが「0」又は「0に近い値」となる場合には、このような断線発生時以外にも以下の二つのケースがありうる。
− モータの回転角速度が最高回転数に達した場合
− 電流指令自体が略「0」である場合
この点を踏まえ、本実施形態では、先ず、判定対象であるX相の相電流値Ixを所定値Ithと比較することにより、当該相電流値Ixが「0」であるか否かを判定する。そして、断線時以外に相電流値Ixが「0」若しくは「0に近い値」をとる上記二つのケースに該当するか否かを判定し、当該二つのケースに該当しない場合には、X相に断線が発生したものと判定する。
即ち、相電流値Ixが「0」近傍の所定値Ith以下となるほどの回転角速度ωではないにも関わらず、極端なduty指令値αxが出力されている場合には、当該X相に通電不良が生じているものと判定することができる。そして、本実施形態では、U,V,Wの各相について、順次、上記判定を実行することにより、通電不良が発生した相を特定する構成となっている。
尚、説明の便宜のため図4のフローチャートでは省略したが、上記判定は、電源電圧がモータ12を駆動するために必要な規定電圧以上である場合を前提として行われる。そして、最終的な異常検出の判断は、所定ステップ104において通電不良が生じているものと判定される状態が所定時間以上継続したか否かにより行われる。
本実施形態では、ECU11(マイコン17)は、この異常判定部31における異常判定の結果に基づいて、モータ12の制御モードを切り替える。具体的には、異常判定部31は、上記のような通電不良検出を含む異常判定の結果を異常検出信号S_tmとして出力し、電流指令値演算部23及びモータ制御信号生成部24は、その入力される異常検出信号S_tmに応じた電流指令値の演算、及びモータ制御信号の生成を実行する。そして、これにより、マイコン17におけるモータ12の制御モードが切り替えられるようになっている。
さらに詳述すると、本実施形態のECU11は、通常時の制御モードである「通常制御モード」、及びモータ12の駆動を停止すべき異常が発生している場合の制御モードである「アシスト停止モード」、並びにモータ12の各相の何れかに通電不良が生じた場合の制御モードである「二相駆動モード」、以上の大別して3つの制御モードを有している。そして、異常判定部31の出力する異常検出信号S_tmが「通常制御モード」に対応するものである場合には、電流指令値演算部23及びモータ制御信号生成部24は、それぞれ、上記通常時における電流指令値の演算、及びモータ制御信号の生成を実行する。
一方、異常判定部31の出力する異常検出信号S_tmが「アシスト停止モード」である場合には、電流指令値演算部23及びモータ制御信号生成部24は、モータ12の駆動を停止すべく、それぞれ電流指令値の演算、及びモータ制御信号の生成を実行する。尚、「アシスト停止モード」が選択される場合としては、機械系統の異常やトルクセンサ14に異常が発生した場合のほか、電力供給系統における異常発生時については、過電流が生じた場合等が挙げられる。また、「アシスト停止モード」には、直ちにモータ12の駆動を停止する場合のほか、モータ12の出力を徐々に低減する、即ちアシスト力を徐々に低減した後に停止させる場合があり、この場合、モータ制御信号生成部24は、その電流指令値として出力するq軸電流指令値Iq*の値(絶対値)を徐々に低減する。そして、マイコン17は、モータ12の停止後、駆動回路18を構成する各スイッチング素子を開状態とし、図示しない電源リレーを開放する構成となっている。
また、「二相駆動モード」に対応する異常検出信号S_tmには、通電不良発生相を特定する情報が含まれている。そして、異常判定部31の出力する異常検出信号S_tmがこの「二相駆動モード」に対応するものである場合、モータ制御信号生成部24は、当該通電不良発生相以外の二相を通電相としてモータ駆動を継続すべく、そのモータ制御信号の生成を実行する。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態のモータ制御信号生成部24は、上記d/q座標系における電流フィードバック制御の実行により各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する第1電流制御部24aに加え、相電流フィードバック制御の実行により各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する第2電流制御部24bを備えている。そして、異常判定部31から入力される異常検出信号S_tmが上記「二相駆動モード」に対応するものである場合には、この第2電流制御部24bにより演算される各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**に基づいてモータ制御信号の出力を実行する。
さらに詳述すると、図3に示すように、本実施形態の第2電流制御部24bは、検出された通電不良発生相以外の残る二相のうちの一相を制御相として選択する制御相選択部32と、当該制御相として選択される相についての相電流指令値Ix*(X=U,V,Wの何れか)を演算する相電流指令値演算部33とを備えている。そして、当該制御相として選択された相電流値Ixとその相電流指令値Ix*(Ix**)との偏差に基づく相電流フィードバック制御の実行により、通電不良発生相以外の二相を通電相としたモータ駆動を実行すべく各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する。
具体的には、相電流指令値演算部33が出力する相電流指令値Ix*は、ガード処理部34に入力される。そして、ガード処理が施された後の相電流指令値Ix**は、制御相選択部32において制御相として選択された相の相電流値Ixとともに、減算器35に入力される。減算器35は、相電流指令値Ix*から相電流値Ixを減算することにより相電流偏差ΔIxを演算し、その演算された相電流偏差ΔIxをF/B制御部36に出力する。そして、F/B制御部36は、入力された相電流偏差ΔIxに所定のF/Bゲイン(PIゲイン)を乗ずることにより、当該制御相についての相電圧指令値Vx*を演算する。
F/B制御部36において演算された相電圧指令値Vx*は、相電圧指令値演算部37に入力される。そして、相電圧指令値演算部37は、その制御相についての相電圧指令値Vx*に基づいて各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する。
即ち、通電不良発生相は通電不能であり、また二相駆動時の各通電相の位相はπ/2(180°)ずれることになる。従って、通電不良発生相の相電圧指令値は「0」、残る他方の通電相の相電圧指令値は、上記制御相に関する相電圧指令値Vx*の符号を反転することにより演算可能である。そして、本実施形態の第2電流制御部24bは、このようにして演算された各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を上記PWM変換部30へと出力する構成となっている。
ここで、本実施形態の相電流指令値演算部33は、二相駆動時、その通電不良発生相に対応する所定の回転角を除いて、要求トルク、即ちモータトルクの制御目標値(q軸電流指令値Iq*)に対応するモータ電流(q軸電流値Iq)が発生するような相電流指令値Ix*を演算する。
具体的には、相電流指令値演算部33は、その通電不良発生相に応じて、以下の(1)〜(3)式に基づいて、残る二相のうちの一相の相電流指令値Ix*を演算する。
Figure 0005029312
即ち、上記(1)〜(3)式により、通電不良発生相に対応する所定の回転角θA,θBを漸近線として、正割曲線(cosθの逆数(セカント:secθ))、又は余割曲線(sinθの逆数(コセカント:cosecθ))状に変化する相電流指令値Ix*が演算される(図5参照)。そして、このような正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流指令値Ix*に基づき相電流フィードバック制御を実行することにより、理論上、その漸近線に相当する所定の回転角θA,θBを除いて、要求トルク(q軸電流指令値Iq*)に対応したモータ電流(q軸電流値Iq)を発生させることができる(図6参照)。
尚、図5及び図6は、U相が通電不良相、V,W相の二相が通電相となった場合の例であり、上記の各漸近線に相当する二つの回転角のうち、電気角0°〜360°の範囲において、その値の小さい方を回転角θA、大きい方を回転角θBとすると、この場合、該各回転角θA,θBは、それぞれ「90°」「270°」となる。そして、V相が通電不良発生相である場合の所定の回転角θA,θBは、それぞれ「30°」「210°」となり、W相が通電不良発生相である場合の所定の回転角θA,θBは、それぞれ「150°」「330°」となる(図示略)。
また、実際には、各相のモータコイル12u,12v,12wに通電可能な電流(の絶対値)には上限があるため、本実施形態では、上記ガード処理部34において、相電流指令値演算部33から出力された相電流指令値Ix*を所定範囲内(−Ix_max≦Ix*≦Ix_max)に制限するガード処理が実行される。尚、「Ix_max」は、X相(U,V,W相)に通電可能な電流値の最大値であり、この最大値は、駆動回路18を構成する各スイッチング素子の定格電流等により規定される。このため、そのガード処理が行われる範囲(電流制限範囲:θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)において、当該ガード処理後の相電流指令値Ix**は、その通電可能な上限値(Ix_max)又は下限値(−Ix_max)で一定となる。
つまり、本実施形態のマイコン17は、二相駆動時、各通電相に対して正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流を通電すべく、相電流フィードバック制御を実行することにより、その漸近線に相当する所定の回転角θA,θB近傍に設定された電流制限範囲(θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)を除き、要求トルクに対応するモータ電流を発生させる。そして、これにより、通電不良相の発生時においても、大きなトルクリップルの発生を招くことなく、良好な操舵フィーリングを維持したまま、アシスト力付与を継続する構成となっている。
次に、マイコンによる上記異常判定及び制御モードの切り替え、並びに二相駆動時におけるモータ制御信号生成の処理手順について説明する。
図7のフローチャートに示すように、マイコン17は、先ず何らかの異常が発生したか否かを判定し(ステップ201)、異常が発生したと判定した場合(ステップ201:YES)には、続いてその異常が制御系の異常であるか否かを判定する(ステップ202)。次に、ステップ202において、制御の異常が発生したと判定した場合(ステップ202:YES)、現在の制御モードが二相駆動モードであるか否かを判定し(ステップ203)、二相駆動モードではない場合(ステップ203:NO)には、当該制御系の異常が、通電不良相の発生であるか否かを判定する(ステップ204)。そして、通電不良相が発生したと判定した場合(ステップ204:YES)には、当該通電不良相以外の残る二相を通電相とするモータ制御信号の出力を実行する(二相駆動モード、ステップ205)。
上述のように、この二相駆動モードにおけるモータ制御信号の出力は、通電不良発生相に応じた所定の回転角θA,θBを漸近線として正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流指令値を演算し、その相電流指令値に基づく相電流フィードバック制御を実行することにより行われる。
即ち、図8のフローチャートに示すように、マイコン17は、先ず、通電不良発生相がU相であるか否かを判定し(ステップ301)、U相であるである場合(ステップ301:YES)には、上記(1)式に基づいて、V相についての相電流指令値Iv*を演算する(ステップ302)。次に、マイコン17は、その相電流指令値Iv*についてガード処理演算を実行し、当該ガード処理後の相電流指令値Iv**を所定範囲内に制限する(ステップ303)。そして、そのガード処理後の相電流指令値Iv**に基づく相電流フィードバック制御の実行によりV相についての相電圧指令値Vv*を演算し(ステップ304)、当該相電圧指令値Vv*に基づいて、各相の相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する(Vu**=0,Vv**=Vv*,Vw**=-Vv*、ステップ305)。
一方、上記ステップ301において、通電不良発生相がU相ではないと判定した場合(ステップ301:NO)、マイコン17は、通電不良発生相がV相であるかを判定し(ステップ306)、通電不良発生相がV相である場合(ステップ306:YES)には、上記(2)式に基づいて、U相についての相電流指令値Iu*を演算する(ステップ307)。次に、マイコン17は、その相電流指令値Iu*についてガード処理演算を実行し、当該ガード処理後の相電流指令値Iu**を所定範囲内に制限する(ステップ308)。そして、そのガード処理後の相電流指令値Iv**に基づく相電流フィードバック制御を実行し(ステップ309)、該相電流フィードバック制御の実行により演算された相電圧指令値Vu*に基づいて、各相の相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する(Vu**=Vu*,Vv**=0,Vw**=-Vu*、ステップ310)。
また、上記ステップ306において、通電不良発生相がV相ではないと判定した場合(ステップ306:NO)、マイコン17は、上記(3)式に基づいて、V相についての相電流指令値Iv*を演算し(ステップ311)、続いてガード処理演算を実行することにより、当該ガード処理後の相電流指令値Iv**を所定範囲内に制限する(ステップ312)。そして、そのガード処理後の相電流指令値Iv**に基づく相電流フィードバック制御を実行し(ステップ313)、該相電流フィードバック制御の実行により演算された相電圧指令値Vv*に基づいて、残る二相(V,W相)の相電圧指令値Vu**,Vw**を演算する(Vu**=-Vv*,Vv**=Vv*,Vw**=0、ステップ314)。
そして、マイコン17は、上記ステップ305、ステップ310、又はステップ314において演算された各相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**に基づくモータ制御信号を生成し、駆動回路18に出力する(ステップ315)。
尚、上記ステップ201において、特に異常はないと判定した場合(ステップ201:NO)には、マイコン17は、上述のように、d/q座標系での電流フィードバック制御の実行によりモータ制御信号の出力を実行する(通常制御モード、ステップ206)。また、上記ステップ202において、制御系以外の異常が発生したと判定した場合(ステップ202:NO)、ステップ203において、既に二相駆動モードであると判定した場合(ステップ203:YES)、又は上記ステップ203において、通電不良相の発生以外の異常が発生したと判定した場合(ステップ203:NO)には、マイコン17は、アシスト停止モードへと移行する(ステップ207)。そして、モータ12の駆動を停止するためのモータ制御信号の出力、及び電源リレーの開放等を実行する。
[低速操舵時の引っ掛かり抑制制御]
次に、本実施形態における低速操舵時の引っ掛かり抑制制御の態様について説明する。
上記のように、二相駆動時には、正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流指令値Ix*によって、電力供給線や各スイッチング素子等の許容範囲を超えるような相電流値Ixが発生することを防止すべく、相電流指令値Ix*を所定範囲内(−Ix_max≦Ix*≦Ix_max)に制限する電流制限が行われる。従って、その漸近線に相当する所定の回転角θA,θB近傍に設定された電流制限範囲(θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)おいては、相電流指令値Ix*(相電流値Ix)の値が、その通電可能な上限値(Ix_max)又は下限値(−Ix_max)で一定の値となる(図5参照)。
しかしながら、本来、このような正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流の通電によりモータ制御をする場合において、一定のモータトルクを発生させるためには、理論上、その相電流値Ix(の絶対値)は、上記所定の回転角θA,θB近傍において無限大まで増大しなければならない。従って、上記のような電流制限を実行した場合には、その電流制限範囲において、その発生するモータトルクがアシスト力目標値を下回ることになり、ひいては、これが円滑なモータ回転の妨げとなる可能性がある。
詳述すると、図9に示すように、二相駆動時、上記電流制限に伴うモータトルク(アシストトルク)の低下より、当該所定の回転角θA,θB近傍には、操舵方向のトルク(操舵トルクとアシストトルクとの和)が戻し方向の反力トルク(軸力)を下回ることによりその操舵速度が減速する区間が現れる(減速区間:θa<θ<θa´,θb<θ<θb´)。
即ち、減速区間への突入速度を「ωin」、脱出速度を「ωout」、及びモータ慣性を「Jm」とし、当該減速区間における減速エネルギーを「−En」とすると、エネルギー保存法則から、次の(4)式が成立する。
Figure 0005029312
尚、この場合における「突入速度」とは、例えば、図9中、操舵方向が「左から右」である場合における回転角θaにおける回転角速度ωの値あり、「脱出速度」とは、同じく回転角θa´における回転角速度ωの値である。
従って、脱出速度ωoutが「0」を超える、即ちこの減速区間を停止することなく通過するためには、その突入速度ωinが次の(5)式に示される臨界速度ωcrよりも速くなけらばならない。
Figure 0005029312
つまり、図10に示すように、その回転角速度ωが臨界速度ωcr以下であるような低速操舵時(ω≦ωcr)には、上記減速区間を通過することができず、例えば、当該減速区間の脱出位置である回転角θa´よりも手前(突入角となる回転角θa側)の回転角θpで、その回転角速度ωは「0」となる。ここで、この減速区間では、操舵方向のトルク(操舵トルクとアシストトルクとの和)よりも戻し方向のトルク(反力トルク)の方が大きい(「操舵トルク」+「アシストトルク」<「反力トルク(軸力)」)。そのため、モータは、同回転角θpで一度停止した後、戻し方向へと逆回転する。そして、最終的には、操舵方向のトルクと戻し方向のトルクとが釣り合う回転角θaにおいて回転停止することとなる(操舵トルクに特別の変化がない場合)。
図11は、二相駆動時における操舵トルクτとモータの回転角速度ωとの関係、即ちステアリング操作に対するモータの追従性を示すグラフであり、同図において、破線に示す波形Lは操舵トルクτの推移を示し、実線に示す波形Mはモータの回転角速度ωの推移を示している。そして、同図中、区間t1では、試験者(運転者)は、回転角速度ωが臨界速度ωcr以下であるような低速操舵(ω≦ωcr)、即ちゆっくりとステアリング操作を行っている。
同図に示すように、このような低速操舵時には、操舵トルクτの値がその検出限界(|τ0|)まで到達しているにも関わらず、極めて小さな回転角速度ωしか出ていない。つまり、モータがほとんど回転せず、所謂引っ掛かりが発生した状態となっている。そして、このような引っ掛かり発生の主な要因は、上記電流制限の実行による減速区間の存在であると考えられる。
この点を踏まえ、本実施形態のマイコン17は、二相駆動時には、こうした電流制限の実行による低速操舵時の引っ掛かりを抑制すべく、モータ12の回転を加速させる制御を実行する(加速制御)。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態では、電流指令値演算部23には、上記操舵トルクτ及び車速Vに加え、モータ12の回転角θ及び回転角速度ω、並びに現在の制御モードを示すモード信号S_cmが入力されるようになっている。そして、電流指令値演算部23は、これら各状態量に基づいて、上記加速制御を実行する。
図12のフローチャートに示すように、電流指令値演算部23は、先ず、現在の制御モードが二相駆動モードであるか否かを判定し(ステップ401)、二相駆動モードである場合(ステップ401:YES)には、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致するか否かを判定する(ステップ402)。
尚、本実施形態では、このステップ402における回転方向の判定は、操舵トルクτ及びモータ12の回転角速度ωの符号が一致するか否かに基づいて行われる。そして、上記ステップ401において二相駆動モードではないと判定した場合(ステップ401:NO)には、このステップ402、及び以下に示すステップ403〜ステップ407の処理は実行されない。
上記ステップ402において、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致すると判定した場合(ステップ402:YES)、電流指令値演算部23は、次に、モータ12の回転角速度ωが上記臨界速度ωcrよりも速いか否かを判定する(ステップ403)。そして、回転角速度ωが上記臨界速度ωcr以下である場合(ω≦ωcr、ステップ403:NO)には、続いて回転角θが上記電流制限範囲内(θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)にあるか否かを判定し(ステップ404)、当該電流制限範囲内にない場合(ステップ404:NO)には、その操舵方向へのアシストトルクを強化するようなq軸電流指令値Iq*_upを演算する(アシスト強化制御、ステップ405)。
具体的には、図13に示すように、本実施形態の電流指令値演算部23は、回転角速度ωと上記臨界速度ωcrとの差分速度(|ωcr−ω|)に基づいて、補正係数K1を演算する。尚、本実施形態では、この補正係数K1は、回転角速度ωと上記臨界速度ωcrとの差分速(|ωcr−ω|)が大きいほど、より大きな「1.0以上」の値となっている。即ち回転角速度ωが臨界速度ωcrを大きく下回るほど、より大きくq軸電流指令値Iq*_up(の絶対値)を増大させるような補正係数K1を演算する。そして、電流指令値演算部23は、この補正係数K1を、その当初に演算したq軸電流指令値Iq*に乗ずることにより、上記操舵方向へのアシストトルクを強化するようなq軸電流指令値Iq*_upを演算する(Iq*_up=Iq*×K1)。
即ち、通電量の増加により操舵方向へのアシストトルクの強化が可能な場合には、当該アシストトルクの強化によってモータ12の回転を加速する。そして、上記減速区間への突入速度ωinを上昇させることにより、上記のような引っ掛かりの発生を抑制する。
一方、上記ステップ402において、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致しないと判定した場合(ω=0を含む、ステップ402:NO)、電流指令値演算部23は、続いて、回転角θが上記電流制限範囲内(θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)にあるか否かを判定する(ステップ406)。そして、当該電流制限範囲内にある場合(ステップ406:YES)には、その操舵方向とは逆方向にアシストトルクを発生させるようなq軸電流指令値Iq*_dwを演算する(逆アシスト制御、ステップ407)。
具体的には、本実施形態の電流指令値演算部23は、上記ステップ407において、「−1.0以下」の値を有する所定の補正係数K2を、その当初に演算したq軸電流指令値Iq*に乗ずることにより、上記操舵方向とは逆方向にアシストトルクを発生させるようなq軸電流指令値Iq*_dwを演算する(Iq*_dw=Iq*×K2)。
即ち、図14に示すように、減速区間への突入速度ωin(例えば、回転角θaにおける回転角速度ω)が臨界速度ωcr以下である場合には、当該減速区間を通過することができない。そして、途中の回転角θp1で停止した後、戻し方向へと逆回転することになる(図10参照)。
しかしながら、図14に示すように、逆アシスト付与によりその逆回転を補助、即ち逆方向に加速することで、当該逆回転時には、その突入速度ωinよりも速い回転角速度ωで減速区間への突入位置(回転角θa(θp0))を通過することになる。そして、当該突入位置よりも大きく戻し方向に位置する回転角θp2まで戻された後、再び操舵方向へと回転する。このとき、その戻し方向への逆回転によって、操舵系は捩れた状態となり、トルクセンサ14により検出される操舵トルクτの絶対値が大となる。そして、その操舵トルクτに基づき演算される大きなアシスト力によって再び操舵方向に加速されることにより、前回突入時よりも速い突入速度ωin、即ち前回突入時の最大到達点である回転角θp1よりも進み方向に位置する回転角θp3まで到達可能な突入速度ωinを獲得する。
そして、その再突入時の突入速度ωinが臨界速度ωcr以下である場合、即ち最大到達点である回転角θp3が減速区間内である場合には、こうした反転動作及び逆アシスト付与による加速を繰り返すことによって、臨界速度ωcrよりも速い突入速度ωinを獲得し、当該減速区間を通過することにより、上記のような引っ掛かりの発生を抑制する。
尚、電流制限範囲においてモータ12が停止した場合(回転角速度ω=0)には「逆アシスト制御(ステップ407)」を行うとしたのは、電流制限範囲内でのアシストトルクの強化は不可能であり(電流制限時はその通電量を増加する余地がないため)、且つ上記減速区間内では、操舵トルクよりも戻し方向の反力トルクの方が大きいためである。
そして、電流指令値演算部23は、次のステップ408において、上記ステップ405におけるアシスト強化制御によりq軸電流指令値Iq*_upを演算した場合には当該q軸電流指令値Iq*_upを、上記ステップ407における逆アシスト制御によりq軸電流指令値Iq*_dwを演算した場合には当該q軸電流指令値Iq*_dwを出力する。
尚、上記ステップ403において、回転角速度ωが上記臨界速度ωcrよりも速いと判定した場合(ω>ωcr、ステップ403:YES)、又は上記ステップ404において、回転角θが電流制限範囲内であると判定した場合(ステップ404:YES)には、上記ステップ405におけるアシスト強化制御処理は実行されない。また、上記ステップ406において、電流制限範囲内にないと判定した場合(ステップ406:NO)には、上記ステップ407における逆アシスト制御処理は実行されない。そして、このように上記ステップ405におけるアシスト強化制御、又は上記ステップ407における逆アシスト制御を実行しない場合には、ステップ408において、通常どおりのq軸電流指令値Iq*を出力する構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)マイコン17は、二相駆動時には、こうした電流制限の実行による低速操舵時の引っ掛かりを抑制すべく、モータの回転を加速させる制御を実行する(加速制御)。
即ち、本来、正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流の通電によりモータ制御をする場合において、一定のモータトルクを発生させるためには、理論上、その相電流値Ix(の絶対値)は、上記所定の回転角θA,θB近傍において無限大まで増大しなければならない。従って、当該所定の回転角θA,θB近傍において電流制限を行うことにより、その電流制限範囲においては、発生するモータトルクがアシスト力目標値を下回ることになる。その結果、操舵方向のトルク(操舵トルクとアシストトルクとの和)が戻し方向の反力トルク(軸力)を下回ることでその操舵速度が減速する区間が現れることとなり、この減速区間が円滑なモータ回転、即ち安定的なアシスト力付与の妨げとなる可能性がある。そして、特に、モータの回転角速度ωがその減速区間を通過するために必要な臨界速度ωcr以下であるような低速操舵時には、その操舵方向のトルクと戻し方向の反力トルク(軸力)とが釣り合う点でモータ12が回転停止してしまう現象、即ち所謂引っ掛かり状態となるおそれがある。
しかしながら、上記のような加速制御を実行することにより、モータ12の回転角速度ωを上昇させて、その引っ掛かりの発生を抑制することができる。その結果、低速操舵時においても、そのモータ回転を円滑化して安定的にアシスト力を付与することができるようになる。
(2)マイコン17の電流指令値演算部23は、二相駆動時、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致する場合において、モータ12の回転角速度ωが臨界速度ωcr以下である場合(ω≦ωcr)には、その操舵方向へのアシストトルクを強化するようなq軸電流指令値Iq*_upを演算する(アシスト強化制御)。
即ち、通電量の増加により操舵方向へのアシストトルクの強化が可能な場合には、当該アシストトルクの強化によってモータ12の回転を加速する。そして、上記減速区間への突入速度ωinを上昇させることにより、引っ掛かりの発生を抑制することができる。
(3)電流指令値演算部23は、回転角速度ωと臨界速度ωcrとの差分速度(|ωcr−ω|)が大きいほど、即ち回転角速度ωが臨界速度ωcrを大きく下回るほど、より大きくq軸電流指令値Iq*_up(の絶対値)を増大させる。これにより、効果的に引っ掛かりの発生を抑制して、より安定的にアシスト力付与を行うことができるようになる。
(4)電流指令値演算部23は、二相駆動時、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致せず、且つモータ12の回転角θが電流制限範囲内にある場合には、その操舵方向とは逆方向にアシストトルクを発生させるようなq軸電流指令値Iq*_dwを演算する(逆アシスト制御)。
即ち、減速区間への突入速度ωinが臨界速度ωcr以下である場合、モータ12は、当該減速区間の何れかにおいて戻し方向へと逆回転することになる。しかしながら、このとき、上記構成による逆アシスト付与によりその逆回転を補助、即ち逆方向に加速することで、モータ12は、減速区間の突入位置よりも大きく戻し方向へと逆回転する。そして、その逆回転により生ずる操舵系の捩れに基づく大きなアシスト力によって再び操舵方向に加速されることにより、前回突入時よりも速い突入速度ωinを獲得して当該減速区間を通過することが可能になる。従って、上記構成によれば、効果的に引っ掛かりの発生を抑制して、より安定的にアシスト力付与を行うことができるようになる。
(5)電流指令値演算部23は、二相駆動時、モータ12の回転角θが電流制限範囲内にある場合において、モータ12が停止した場合(回転角速度ω=0)には、逆アシスト制御を実行する。
即ち、電流制限範囲内でのアシストトルクの強化は不可能であり(電流制限時はその通電量を増加する余地がないため)、且つ上記減速区間内では、操舵トルクよりも戻し方向の反力トルクの方が大きい。従って、上記構成にように、逆アシスト制御を実行した方が、効果的にモータ12の回転を加速することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。
尚、本実施形態と上記第1の実施形態との主たる相違点は、電流制限の実行による低速操舵時の引っ掛かりを抑制するための加速制御の態様のみである。このため、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
本実施形態では、電流制限の実行に起因する低速操舵時の引っ掛かりを抑制するための加速制御として、上記操舵方向とモータ12の回転方向とが一致しない場合の逆アシスト制御(図14参照)のみを実行する。そして、本実施形態の特徴は、その逆アシスト制御の態様にある。
詳述すると、図15に示すように、本実施形態では、その二相駆動時に相電流フィードバック制御を実行する第2電流制御部24bには、当該第2電流制御部24bに入力されるモータ12の回転角θを補正する回転角補正制御部40が設けられている。この回転角補正制御部40には、回転角θとともに、操舵トルクτ及び回転角速度ωが入力されるようになっており、当該回転角補正制御部40は、これら各状態量に基づいて回転角θを補正し、その補正後の回転角θ´を相電流指令値演算部33に出力する。
ここで、本実施形態では、上記第1の実施形態のような電流指令値演算部23における加速制御を実行するための特殊な(アシスト強化用、又は逆アシスト用の)q軸電流指令値Iq*_up,Iq*_dwの出力は行われない。つまり、電流指令値演算部23は、常に、通常時と同様のq軸電流指令値Iq*を出力する。そして、本実施形態では、この回転角補正制御部40における回転角θの補正により、上記逆アシスト制御を行う。
即ち、図16(a)(b)に示すように、二相駆動時には、上記漸近線に相当する所定の回転角θvを挟んで各相電流の方向が反転する(θv=θA又はθB)。従って、モータ12の回転方向に向かって、補正後の回転角θ´との間に所定の回転角θvを挟むよう回転角θの位相をずらす、具体的には、その位相を進める(図16(a)参照)、或いはその位相を遅らせる(図16(b)参照)ことにより、本来の回転角θに対応する電流方向とは逆向きの電流を流すことができる。そして、本実施形態では、これを利用して、上記操舵方向とモータ12の回転方向とが一致しない場合において操舵方向とは逆方向のアシストトルクを発生させる逆アシスト制御を実行する構成となっている(図17参照)。
さらに詳述すると、図18のフローチャートに示すように、回転角補正制御部40は、先ず、操舵方向とモータ回転方向とが不一致であるか否かを判定し(ステップ501)、不一致である場合(ステップ501:YES)には、続いて回転角θが上記電流制限範囲内(θ1<θ<θ2,θ3<θ<θ4)にあるか否かを判定する(ステップ502)。そして、回転角θが電流制限範囲内にあると判定した場合(ステップ502:YES)には、その位相補正制御を実行するための基礎補正量εとして、回転角θと上記漸近線に相当する所定の回転角θv(図16(a)(b)参照)との差分(絶対値)を演算する(ε=|θv−θ|、ステップ503)。
尚、上記ステップ501における回転方向の判定は、操舵トルクτ及びモータ12の回転角速度ωの符号が一致するか否かに基づいて行われ、その場合における「不一致」には、上記第1の実施形態と同様に、モータ12が停止している場合(回転角速度ω=0)も含まれる。また、上記ステップ502において、基礎補正量εとして、現在の回転角θと所定の回転角θvとの差分を演算するのは、基本的には、現在の回転角θから上記差分(+マージン)だけ位相を進める、又は遅らせることにより電流方向が逆転する位置に補正することができるためである。そして、上記ステップ501において、操舵方向とモータ回転方向とが一致すると判定した場合(ステップ501:NO)、又は上記ステップ502において、回転角θが上記電流制限範囲にはないと判定した場合(ステップ502:NO)には、回転角補正制御部40は、以下に示すステップ503〜ステップ504の処理を実行しない。
次に、回転角補正制御部40は、現在の回転角θが上記所定の回転角θvよりもモータ回転方向、即ち操舵方向に対して逆回転方向側にあるか否かを判定する(ステップ504)。尚、このステップ504において、「モータ回転側にない(ステップ504:NO)」とは、モータ回転方向に向かって、回転角θが上記所定の回転角θvよりも手前となる場合であり、「モータ回転側にある(ステップ504:YES)」とは、モータ回転方向に向かって、回転角θが上記所定の回転角θvよりも奥側となる場合を指す。そして、モータ回転方向にない場合(ステップ504:NO)には、補正後の回転角θ´の位相をモータ回転方向側に進める進み位相制御を実行し(ステップ505、図16(a)参照)、モータ回転方向にある場合(ステップ504:YES)には、モータ回転方向側に対して遅らせる遅れ位相制御を実行する(ステップ506、図16(b)参照)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)第2電流制御部24bには、当該第2電流制御部24bに入力されるモータ12の回転角θを補正する回転角補正制御部40が設けられる。そして、回転角補正制御部40は、操舵方向とモータ回転方向とが不一致である場合には、モータ12の回転方向に向かって、補正後の回転角θ´との間に所定の回転角θvを挟むよう回転角θの位相をずらす、具体的には、その位相を進める(図16(a)参照)、或いはその位相を遅らせる(図16(b)参照)。
即ち、二相駆動時には、漸近線に相当する所定の回転角θvを挟んで各相電流の方向が反転する(θv=θA又はθB)。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、上記引っ掛かり抑制のための逆アシスト制御を実行することができるようになる。
(2)回転角補正制御部40は、位相補正制御を実行するための基礎補正量εとして、回転角θと上記漸近線に相当する所定の回転角θv(図16(a)(b)参照)との差分(絶対値)を演算する。
即ち、基本的に、現在の回転角θから上記差分(+マージン)だけ位相を進める、又は遅らせることにより電流方向が逆転する位置に補正する。従って、上記構成によれば、より精度よく位相補償制御を実行して、より効果的に逆アシスト制御を実行することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、モータ制御装置としてのECU11は、大別して、「通常制御モード」、「アシスト停止モード」、及び「二相駆動モード」の3つの制御モードを有することとした。しかし、異常発生時におけるモータ制御の形態は、これらのモードに限るものではない。つまり、通電不良相発生時に該通電不良発生相以外の二相を通電相としてモータ制御を実行する構成であれば、どのようなものに適用してもよい。また、異常検出(判定)の方法についても、本実施形態の構成に限るものではない。
・上記各実施形態では、電流指令値演算部23は、二相駆動時、通電不良発生相以外の二相のうちの一相についての相電流指令値を出力し、モータ制御信号生成部24は、当該相についての相電圧指令値を演算した後に、これに基づいて他相の相電圧指令値を演算することとした。しかし、これに限らず、電流指令値演算部23が、通電不良発生相以外の二相の両方についての相電流指令値を出力する構成としてもよい。
・また、上記各実施形態では、上記(1)〜(3)式に基づいて、U相又はW相の異常時には、V相の相電流指令値Iv*を演算し、V相の異常時には、U相の相電流指令値Iu*を演算することとした。しかし、これに限らず、U相又はV相の異常時には、W相の相電流指令値(Iw*)を演算し、W相の異常時には、U相の相電流指令値(Iu*)を演算する等の構成としてもよい。尚、この場合における各相電流指令値は、上記(1)〜(3)式の符号を逆にすることで演算可能である。
・さらに、通電不良発生時における相電流指令値は、必ずしも上記(1)〜(3)式により演算した場合と完全には同一でなくともよい。即ち、所定の回転角を漸近線として略正割曲線又は略余割曲線状に変化する、或いはこれに近似して変化するような相電流指令値を演算しても、上記各実施形態に近い効果を得ることができる。但し、上記(1)〜(3)式に基づき相電流指令値を演算した場合が、最も要求トルクに近いモータ電流を発生させることが可能であり、該各式に基づき演算される相電流指令値に近い値が演算される方法ほど、より顕著な効果が得られることはいうまでもない。
・上記第1の実施形態では、電流制限の実行による低速操舵時の引っ掛かりを抑制するための加速制御として、アシスト強化制御及び逆アシスト制御の両方を行うこととした。しかし、これに限らず、アシスト強化制御又は逆アシスト制御の何れか一方を行う構成としてもよい。
・上記第1の実施形態では、操舵方向とモータ12の回転方向とが一致しない場合には、モータ12が停止している場合(ω=0)も含むものとし、逆回転している場合と同様の補正係数K2を乗ずることによりq軸電流指令値Iq*_dwを演算することとした(図12参照、ステップ407)。しかし、これに限らず、モータ12が停止している場合(ω=0)の補正係数と逆回転している場合の補正係数とは異なる構成としてもよい。
・上記第2の実施形態では、逆アシスト制御を実行するための位相補償制御として、進み位相補正及び遅れ位相補正の両方を行うこととした(図18参照)。しかし、これに限らず、進み位相補正及び遅れ位相補正の何れか一方のみを行う構成としてもよい。
・上記第2の実施形態では、回転角補正制御部40は、位相補正制御を実行するための基礎補正量εとして、回転角θと上記漸近線に相当する所定の回転角θvとの差分(絶対値)を演算することとした。しかし、これに限らず、位相補正量は固定値であってもよい。
・上記第2の実施形態では、回転角補正制御部40は、第2電流制御部24b内に設けれらることとしたが、当該第2電流制御部24bの外部に設ける構成としてもよい。また、その場合、上記第1の実施形態と同様の判定処理を実行し逆アシスト制御を行うとした場合において(図12参照、ステップ407)、補正係数K2を乗ずる代わりに、位相補正後の回転角θ´を用いてq軸電流指令値を演算することにより、その逆アシスト制御を実現する構成としてもよい。
・上記各実施形態では、逆アシスト制御の実行の際、回転角θが電流制限範囲内にあるか否かの判定を行うこととした(図12参照、ステップ406、及び図18参照、ステップ502)。この判定は、縁石衝突等、転舵輪側からの逆入力印加による逆回転時を除外するための処理であるが、必ずしも行わなくともよい。
・また、上記第1の実施形態においては、回転角速度ωが臨界速度ωcr以下であり(図12参照、ステップ403:NO)、且つ回転角θが電流制限範囲内にない場合(ステップ404:NO)に、アシスト強化制御(ステップ405)を実行することとした。しかしながら、回転角θが電流制限範囲内にある場合には、通電量の増大は不可能であることから、回転角θが電流制限範囲内にあるか否かの判定処理(ステップ404)は、省略してもよい。
・また、電流制御の形態としては、必ずしも、上記各実施形態のような三相交流座標(U,V,W)における相電流フィードバック制御でなくともよい。例えば、以下に示す(6)〜(8)式により、通電不良発生相に応じた所定の回転角θA,θBを漸近線として、正接曲線(タンジェント)状に変化するd軸電流指令値Id*を演算する。そして、該d軸電流指令値Id*に基づくd/q座標系の電流フィードバック制御の実行によりモータ制御信号を生成する構成に適用してもよい(図19参照、同図はU相通電不良時の例)。また、フィードバック制御に限らず、オープン制御の実行によりモータ制御信号の出力を実行するものに適用してもよい。
Figure 0005029312
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの電気的構成を示すブロック図。 第1の実施形態のマイコン(モータ制御信号生成部)の制御ブロック図。 通電不良相検出の処理手順を示すフローチャート。 二相駆動時(U相通電不良時)における各相電流の推移を示す説明図。 二相駆動時(U相通電不良時)におけるq軸電流の推移を示す説明図。 異常判定及び制御モードの切り替えの処理手順を示すフローチャート。 二相駆動時におけるモータ制御信号生成の処理手順を示すフローチャート。 各相電流の方向が切り替わる所定の回転角近傍の減速区間を示す説明図。 低速操舵時における引っ掛かりの発生メカニズムを示す説明図。 二相駆動時の操舵トルクとモータの回転角速度との関係を示すグラフ。 加速制御の処理手順を示すフローチャート。 アシスト強化制御用の補正係数と差分速度との関係を示す説明図。 逆アシスト制御による回転角速度の加速のメカニズムを示す説明図。 第2の実施形態のマイコン(モータ制御信号生成部)の制御ブロック図。 (a)(b)位相補正制御による逆アシストの原理説明図。 位相補正による逆アシスト制御の態様を示す説明図。 位相補正による逆アシスト制御の処理手順を示すフローチャート。 別例の二相駆動時(U相通電不良時)におけるd軸電流及びq軸電流の推移を示す説明図。 従来の通電不良発生相以外の二相を通電相とする二相駆動の態様を示す説明図。 従来の二相駆動時におけるd軸電流及びq軸電流の推移を示す説明図。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、12u,12v,12w…モータコイル、17…マイコン、18…駆動回路、23…電流指令値演算部、24…モータ制御信号生成部、24a…第1電流制御部、24b…第2電流制御部、31…異常判定部、33…相電流指令値演算部、36…F/B制御部、37…相電圧指令値演算部、40…回転角補正制御部、Ix,Iu,Iv,Iw…相電流値、Ix*,Iu*,Iv*,Iw*…相電流指令値、Ix_max…最大値、Vx*,Vu*,Vv*,Vw*,Vu**,Vv**,Vw**…相電圧指令値、Id…d軸電流値、Iq…q軸電流値、Id*…d軸電流指令値、Iq*,Iq*_up,Iq*_dw…q軸電流指令値、θ,θ´,θA,θB,θv,θa,θa´,θb,θb´,θp,θp0,θp1,θp2,θp3…回転角、ω…回転角速度、ωin…突入速度、ωout…脱出速度、ωcr…臨界速度、K1,K2…補正係数、ε…基礎補正量。

Claims (8)

  1. モータを駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、前記モータに対する駆動電力の供給を通じて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいて前記モータに三相の前記駆動電力を供給する駆動回路と、前記モータの各相に生じた通電不良を検出可能な異常検出手段とを備えてなり、前記モータ制御信号出力手段は、前記モータの回転角に基づく電流制御の実行により前記モータ制御信号を生成するとともに、前記通電不良の発生時には、その通電不良発生相以外の二相を通電相として前記モータ制御信号の出力を実行する電動パワーステアリング装置において、
    前記モータ制御信号出力手段は、前記通電不良の発生時には、前記各通電相に対し、前記通電不良発生相に応じた所定の回転角を漸近線として正割曲線又は余割曲線状に変化する相電流を通電すべく前記電流制御を実行するものであって、前記相電流を所定範囲内に制限する電流制限を行うとともに、該電流制限に起因した前記モータの回転停止を抑制すべく、前記ステアリング操作の方向と前記モータの回転方向とが一致しない場合には、前記ステアリング操作の方向とは逆方向に前記モータを回転させるようなアシストトルクを発生させる逆アシスト制御を実行することにより、前記モータの回転を加速させること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記逆アシスト制御は、前記モータの回転角が前記電流制限の行われる範囲内にある場合に実行されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記逆アシスト制御は、前記モータの回転が停止した場合に実行されること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記逆アシスト制御は、前記電流制御の基礎として用いる前記モータの回転角を補正することにより行われること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記回転角の補正は、該補正後の前記回転角との間に、前記漸近線に相当する所定の回転角を挟むよう、前記回転角の位相をずらすものであること、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記回転角の補正は、前記回転角と前記漸近線に相当する所定の回転角との差分に基づいて行われること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータ制御信号出力手段は、前記通電不良の発生に伴う二相駆動時、ステアリング操作の方向と前記モータの回転方向とが一致し、且つ前記モータの回転角速度が前記回転停止の発生する臨界速度以下である場合には、前記ステアリング操作の方向へのアシストトルクを強化するようなアシスト強化制御を実行することにより、前記モータの回転を加速させること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータ制御信号出力手段は、前記モータの回転角速度が前記臨界速度を大きく下回るほど、より大きく前記アシストトルクを強化するように前記アシスト強化制御を実行すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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