JP5027856B2 - 放射音低減結合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、機械等の騒音低減を目的として振動の伝達を低減する放射音低減結合構造に関する。
機械騒音の発生メカニズムとして、振動源の振動が部材間を伝達し、最終的に例えば機械のカバー等に振動が伝達して、カバー等から音が放射される場合がある。そこで、加振源と部材との振動の伝達、または、部材間での振動の伝達を低減することを図った構造が提案されている。例えば、部材間の結合部に板バネを使用した構造(例えば特許文献1)や、結合部に弾性体を挟んだ構造など、バネ及び減衰要素によって振動を低減させる方法が一般的である。
一方、例えばギアやモータなど主に単一周波数で加振力が発生する機械等の振動を低減する場合には、上記の方法よりも動吸振器による振動低減のほうが効果が格段に優れていることが知られている。例えば特許文献2には、動吸振器が結合部に使用された構造が開示されている。
特開平9−293369号公報(図1等) 特開2002−357242
しかしながら、上記のような構造では結合部で伝達される振動を十分に低減できない場合がある。図10(a)に、従来の部材の結合構造301を示す。この結合構造301では、加振源313から第1部材310に伝達された振動は、結合部342を介して第2部材340に伝達される。そして第2部材340から放射音が発生して騒音となる。また、図10(b)に、図10(a)に示した第1部材310及び第2部材340が振動している様子を示す。第1部材310及び第2部材340は、並進方向(振動Vz)および回転方向(振動Vr)に振動する。
ここで、結合構造301に動吸振器330を設けた構造を図10(c)に示す。この動吸振器330は、第1部材310と第2部材340とが対向する方向(以下、並進方向またはZ方向という)の振動を吸振するものである。この動吸振器330により、並進方向の振動Vz(図10(b)参照)は低減される。このように振動方向が並進1方向に限られていれば1つの動吸振器を設けるのみで部材間の振動伝達を低減できる。しかしながら、実際には回転方向の振動Vrも部材間を伝達する。この振動Vrは動吸振器330で低減することができない。
このように、並進方向(Z方向)の振動を吸振するための動吸振器を設けるだけでは回転方向の振動Vrは低減できず、放射音を十分に低減できないという問題があった。
本発明の目的は、部材間を伝達する振動を、並進方向だけでなく回転方向でも低減することで放射音を低減できる放射音低減結合構造を提供することである。
第1の発明に係る放射音低減結合構造は、第1部材に対向して配置されるとともに前記第1部材との結合部を有し、加振力を受ける第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向の振動を吸収するように前記第1部材または前記第2部材に設けられた動吸振器と、を備え、前記第2部材は、前記第1部材と当該第2部材とが対向する方向における当該第2部材の厚みの大きい部分により、前記対向する方向から見た当該第2部材の一部を囲うように形成されてなる囲み部を有し、前記第2部材のうち前記囲み部に囲まれた部分の1次の固有振動数は、前記第2部材が受ける前記加振力の加振周波数とほぼ一致し、前記囲まれた部分の中央に前記結合部が位置する。
本発明では、第2部材のうち囲み部に囲まれた部分の1次の固有振動数は、第2部材が受ける加振力の加振周波数とほぼ一致する。よって、囲み部に囲まれた部分での支配的な振動モードは1次の固有振動である。
また、囲み部は、第1部材と第2部材とが対向する方向における第2部材の厚みの大きい部分(例えば、リブや第2部材が板状である場合の厚板部など)により、同方向から見た第2部材の一部を囲うように形成されてなる。よって、1次の固有振動について、第2部材の厚みの大きい部分である囲み部が振動の節となり、第2部材のうち囲み部に囲まれた部分の中央が振動の腹となる。ここで、この振動の腹は、モーメント加振力に対しては節である。すなわち、囲み部に囲まれた部分の中央では1次の固有振動による回転方向の振動が生じない。そして、この囲み部に囲まれた部分の中央に第2部材の結合部が位置する。よって、結合部での回転方向(結合部を中心とする回転方向)の振動が低減される。
また、第1部材と第2部材とが対向する方向の振動を吸収するように第1部材または第2部材に動吸振器を設けている。よって第1部材と第2部材とが対向する方向(並進方向)の結合部での振動が低減される。
したがって、本発明では結合部での並進方向および回転方向の振動が低減される。よって、第1部材と第2部材との間で結合部を介して伝達される振動を低減でき、放射音低減結合構造から生じる放射音を低減できる。
第2の発明に係る放射音低減結合構造は、第1の発明に係る放射音低減結合構造であって、前記第2部材の前記厚みの大きい部分はリブである。
本発明では、囲み部を構成する厚みの大きい部分はリブである。よって囲み部を容易に形成できる。
第3の発明に係る放射音低減結合構造は、第1の発明に係る放射音低減結合構造であって、前記第2部材は板状であり、前記第2部材の厚みの大きい部分は厚板部である。
本発明では、囲み部を構成する厚みの大きい部分は、第2部材の厚板部である。よって第2部材に厚板部を形成するのみで囲み部を容易に形成できる。
第4の発明に係る放射音低減結合構造は、第1〜第3のいずれか1つの発明に係る放射音低減結合構造であって、前記動吸振器は前記結合部に設けられる。
本発明では、結合部に動吸振器が設けられる。すなわち、囲み部に囲まれた部分の1次の固有振動の腹の位置に動吸振器が設けられる。よって、同部分の1次の固有振動がより低減される。したがって、放射音低減結合構造から生じる放射音をより低減できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば以下の効果が得られる。特に、第2部材に囲み部を設け、囲み部に囲まれた部分の中央に結合部を設けた構成により、結合部での回転方向の振動が低減される。また、並進方向の振動を吸収する動吸振器を第1部材または第2部材に設けた構成により、結合部での並進方向の振動が低減される。したがって、結合部での並進方向および回転方向の振動が低減され、第1部材と第2部材との間で結合部を介して伝達される振動を低減でき、放射音低減結合構造から生じる放射音を低減できる。
放射音低減結合構造全体を示す斜視図である。 図1に示す第1部材の突起部および動吸振器周辺の拡大図である。 図1に示す第2部材の平面図である。 図1に示す放射音低減結合構造の結合部周辺の断面図である。 変形例の図4相当の図である。 振動解析に用いる放射音低減結合構造の全体を示す模式図である。 リブがある場合とない場合との第2部材の振動分布を示す図である。 リブがある場合とない場合との音響パワを示すグラフである。 せん断加振およびモーメント加振のモード関数(1次)を示す図である。 従来の部材の結合構造を示す図である。
以下、本発明に係る放射音低減結合構造の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は放射音低減結合構造全体を示す斜視図であり、第1部材と第2部材との結合を外した状態を示す。図2は図1に示す第1部材の突起部および動吸振器周辺の拡大図である。図3は図1に示す第2部材の平面図であり、結合部周辺の拡大図である。図4は図1に示す放射音低減結合構造の結合部周辺の断面図であり、図2及び図3に示すF4−F4矢視断面図である。以下、図1〜図4を参照して放射音低減結合構造1の構成について詳細に説明する。
放射音低減結合構造1は、部材間を伝達する振動を低減することで、放射音を低減する構造である。図1に示す放射音低減結合構造1の構成の概要は次の通りである。
第1部材10(機械のフレーム)と、第2部材40(フレームに取り付けるパネル)と、が対向して配置される。第1部材10と第2部材40とは結合部42で結合される。さらに詳しくは、第1部材10の突起部12と、第2部材40の結合部42と、を接触させて結合する。また、第1部材10に図示しない加振源(モータ、ギアなど)が固定される。この加振源の振動は第1部材10に伝達され、第1部材10から結合部42を介して第2部材40に伝達される。そして第2部材40から騒音である放射音が生じる。
ここで、第2部材40には囲み部45が設けられる。この囲み部45は、第2部材40の一部を囲っている。第2部材40のうち囲み部45に囲まれた部分を「囲まれた部分40e」とすると、この囲まれた部分40eの1次の固有振動数と、第2部材40が受ける上記の振動の加振周波数と、がほぼ一致するように囲み部45が設けられる。かつ、囲まれた部分40eの中央40cに結合部42が位置するように囲み部45が設けられる。この囲み部45はリブ46で形成される。
また、結合部42には動吸振器30が設けられている。さらに詳しくは、第1部材10の突起部12を介して第2部材40の結合部42に動吸振器30が設けられている。この動吸振器30は第1部材10に切り欠き31a〜31c、32a〜32c(図3参照)を形成することで設けられる。
以下、各部材等について詳細に説明する。なお、以下では、第1部材10と第2部材40とが対向する方向をZ方向という。また、Z方向において第1部材10から第2部材40に向かう向きをZ1向きなどといい、第2部材40から第1部材10に向かう向きをZ2向きなどという。
第1部材10は、例えば機械のフレームである。図1にその一部を示すように、直方体の12本の辺と、これら12本の辺の近傍の面を残して、6面を取り除いたような形状である。言い換えれば、長方形の板を長手方向に沿って直角に折り曲げたものを直方体の1辺とし、これを12本組み合わせて直方体の骨組み形状としたものが第1部材10である。この第1部材10には、例えばギアやモータなど主に単一周波数で加振力が発生する加振源(図10(a)の加振源313を参照)が固定される。
また、この第1部材10は、図2に示すように、上述した直方体の1辺およびその近傍の面を構成する第1板部11と、第1板部の長手方向の端部に形成された突起部12と、を有する。
ここで、Z方向に垂直な平面上において、第1部材10の長手方向に沿う方向をX方向(図1における左右方向)という。X方向における第1部材10の中央から突起部12に向かう向きをX2向き(図1における左向き)などといい、その逆をX1向き(図1における右向き)などという。また、X方向に垂直な方向(図1における手前と奥の方向)をY方向という。第1部材10をZ方向から見たとき、Y方向における第1部材10の中央から第1板部11に向かう向きをY2向き(図1における奥から手前の向き)、その逆(図1における手前から奥の向き)をY1向きなどという。
第1板部11は、第1部材10を構成する長方形の板である。この第1板部11は、図2に示すように、第1部材10のうち次の部分である。すなわち、上述した直方体(第1部材10)のZ1側の4本の辺のうちのY2側の1本の辺に隣接し、かつ、上述した直方体(第1部材10)のZ1側の面を構成する部分である。この第1板部11には、突起部12と、後述する切り欠き31a〜31c及び32a〜32cとが形成される。
突起部12は、第2部材40の結合部42と接触させて固定することで、第1部材10と第2部材40とを結合する部分である。この突起部12は次のように設ける。まず位置について説明すると、第1板部11の長手方向(X方向)における端部(X2側端部)の近傍に設ける。言い換えれば、第1部材10の直方体のZ1側の4つの角のうちX2側かつY2側の1つの角の近傍に設ける。また、第1部材の短手方向(Y方向)における中央に設ける。また、形状について説明すると、図4に示すように、第1板部11からZ1向きに突出するように設ける。さらに詳しくは、XまたはY方向に直交する面での断面が、台形から下底(Z2側の辺)を取り除いたような形状である(図4ではY方向に直交する面での断面形状を示す)。また、この突起部12は、Z方向から見たときの突起部12の中心に、ねじ孔12aを有する。
ねじ孔12aは、第2部材の結合部42の孔に通したボルト20を締結することで、第1部材10と第2部材40とを結合するために設ける。Z方向に突起部12を貫通するように形成する。
動吸振器30は、図2に示すように、第1部材10と第2部材40とが対向する方向(Z方向)の振動を吸収するために設ける。まず位置の概略を説明すると、動吸振器30は第1部材10の突起部12に設ける。すなわち図4に示すように、第1部材10の突起部12を介して第2部材40の結合部42に設ける。
また、この動吸振器30は、動吸振器31と動吸振器32とを合成したものである。すなわち、図2に示すように、第1板部11に切り欠き31a〜31cを形成する(切り抜く)ことで動吸振器31が形成される。切り欠き31a〜31cの内側の部分がバネと質量とを兼ねており、この内側の部分がZ方向に動くことで動吸振器としてはたらく。また切り欠き32a〜32cを形成する(切り抜く)ことで動吸振器32が形成される。これら2つの動吸振器31および32は、突起部12に対して対称に設ける。よって、動吸振器31と動吸振器32とを合成したものは、1つの動吸振器30とみなせる。これらの動吸振器31および32ついてさらに説明する。
動吸振器31は、長方形の4辺のうちの2つの短辺の一方を取り除いた形状(すなわち「コ」の字状)の切り欠き31a〜31cの内側の部分である。この動吸振器31は次のように設ける。位置について説明すると、突起部12のX1側に、突起部12に隣接する位置に設ける。動吸振器31の形状について、すなわち切り欠き31a〜31cについて説明すると、突起部12のY方向両端からX1側に延びる2つの切り欠きが切り欠き31a及び31cである。これら2つの切り欠き31a及び31cのX1側端部をつなぐようにY方向に沿って延びる切り欠きが切り欠き31bである。
動吸振器32は、切り欠き32a〜32cの内側の部分であり、突起部12に対して動吸振器31と対称となる位置に設ける(動吸振器31と対称であるため詳細な説明は省略する)。
第2部材40は、例えば機械のフレームに取り付けるパネル(長方形の板)である。この第2部材40の概略は次のようなものである。図1および図4に示すように、第1部材10に対向して配置され、第1部材10との結合部42を有する。また第2部材40は加振力を受ける。すなわち、第1部材10に設けた加振源(図10の加振源313を参照)の振動が結合部42を介して伝達される。
第2部材40についてさらに説明する。この第2部材40は全体として長方形の板状であり、次のように設ける。位置について説明すると、第2部材40の長方形を構成する4辺がX方向およびY方向に沿う。この長方形の面がZ方向に垂直な面に沿う。第1部材10のZ1側に配置する。そして第1部材10に取り付ける。また、この第2部材40は、長方形の板状の部分である第2板部41と、この長方形の一つの角付近に設けた結合部42と、結合部42を含む第2部材40の一部を囲む囲み部45と、を有する。
結合部42は、第1部材10と結合する部分である。すなわち第1部材10の突起部12と接触するように配置し、ボルトで締結することで第1部材10と第2部材40とを結合する部分である。この結合部42は次のように設ける。位置について説明すると、図3に示すように、後述する囲み部45に囲まれた部分40eの中央40cに位置する(囲み部45との関係については後述する)。図4に示すように、第1部材10の突起部12と接するよう配置する。また、形状について説明すると、第2板部41をZ2向きに突出させたものである。言い換えれば、Z2向きに見て第2部材40を凹ませたものである(図1参照)。さらに詳しくは、突起部12の形状をZ方向に対して反転させた形状である。すなわちX、Y方向に垂直な面での断面が、台形から下底(Z1側の辺)を取り除いたような形状である(図4には、Y方向に垂直な面での断面形状を示す)。Z方向の高さは例えば第1部材10の突起部12のZ方向の高さと同じ高さとする。また、この結合部42は、Z方向から見たとき中央に孔42aを有する。
孔42aは、第1部材10と第2部材40とを締結するボルト20を通す孔である。この孔42aは、Z方向から見たとき結合部42の中央に位置し、Z方向に結合部42を貫通する。
囲み部45は、図3および図4に示すように、第2部材40の一部を囲う部分であり、リブ46により構成される。さらに詳しくは、図4に示すように、第1部材10と第2部材40とが対向する方向(Z方向)における第2部材40の厚みの大きい部分(リブ46)により形成される。すなわち、第2部材40にリブ46を取り付けることで形成される。また、図3に示すように、Z方向から見た第2部材40の一部を四角形(長方形であり、例えば正方形でも良い)に囲うように形成した部分である。
この囲み部45を構成するリブ46は、X2側にリブ46L、X1側にリブ46R、Y1側にリブ46U、及びY2側にリブ46Bを有する。なお、第2部材40には、囲み部45を構成しないリブ47も設ける。
リブ46及びリブ47(厚みの大きい部分)は、本来は第2部材40の補強などのために設けるものである。このリブ46及び47は長方形の板状部材であり、次の位置に設ける。図4に示すように、短手方向がZ方向に沿うように第2板部41に固定する、すなわち、第2板部41のZ2側の面に垂直に立てるように固定する。図3に示すように、リブ46及びリブ47のうち、リブ46L、47L、46R、47Rおよび47aは、長手方向がY方向に沿い、Y方向の両端は第2部材40の両端に揃う。また、リブ46U及び46Bは、長手方向がX方向に沿うように固定する。リブ46U及び46Bは、X2側端部がリブ46LのY方向における両端に接するように設け、X1側端部がリブ47aに接するように設ける。
次に、リブ46(囲み部45)と結合部42との位置の関係を説明する。
第2部材40のうち囲み部45(リブ46)に囲まれた部分40eは次の条件を満たす(次の条件を満たすようにリブ46を第2板部41に配置する)。
囲み部45に囲まれた部分40eの1次の固有振動数は、第2部材40が受ける加振力の加振周波数とほぼ一致する。ここで、「囲み部45に囲まれた部分40eの1次の固有振動数」とは、囲み部45に囲まれた部分40eのみの1次の固有振動数である。すなわち、第2部材40から部分40eのみを取り出したとしたとき、この取り出した部分の1次の固有振動数である。また「ほぼ一致」とは次のことを言う。すなわち、囲み部45に囲まれた部分40eに加振力を加えたとき、この部分40eには1次、2次、3次・・・と様々な振動モードの固有振動が生じるが、支配的な振動モードは加振力の周波数に応じて変わる。ここで、1次モードの固有振動が支配的となるような周波数の範囲内に、囲み部45に囲まれた部分40eの1次の固有振動数が含まれる場合「ほぼ一致」という。なお当然ながら完全に一致させても良い。
また、図3に示すように、囲み部45に囲まれた部分40eの中央40cに結合部42が位置する。
ここで、囲まれた部分40eの中央40cは、加振力による振幅の腹の位置(囲まれた部分40eの中心40d)から、加振力による波長の1/16波長以内の範囲内の位置である。図4を参照してさらに説明すると、次の位置である。まず、囲み部45に囲まれた部分40eの1次の固有振動の節の位置は部分40eのX方向の両端であり、腹の位置は部分40eのX方向の中心40dである。そして中央40cは、中心40dを中心としてX方向に1/16波長以内の範囲内である。言い換えれば、部分40eのX方向の両端間の距離の1/8以内の範囲内である。
また、結合部42の位置は、結合部42のX方向における中心の位置である。すなわち結合部42は上述したように台形のような形状でありX方向に幅を持つが、このX方向の幅の中心の位置を結合部42の位置とする。なお図4では、囲まれた部分40eの中心40dと結合部42の位置とが一致した状態を示す。
また、X方向だけでなくY方向についても同様の条件を満たすように囲み部45を設ける。すなわち、図3に示すリブ46Uと46Bとの中央40cに結合部42が位置するように、リブ46U及び46Bを配置する。
(変形例)
上述した実施形態では、図4に示すように、囲み部45をリブ46により形成した。本変形例では、図5に示すように、囲み部145は、第2部材140の第2板部141の板厚(Z方向における厚み)を大きくした厚板部142により形成される。
厚板部142(厚みの大きい部分)は、第2部材140の一部を囲うように第2板部141の厚みを大きく形成した部分であり、次のように設ける。位置について説明すると、厚板部142と厚板部142に囲まれた部分40eとの境界の壁142Lおよび142Rの位置は、上述したリブ46Lおよび46Rの位置に対応する。リブ46Uおよび46B(図3参照)に対応する位置にも同様の壁を有する(図示なし)。厚板部142の厚み(Z方向の幅)は結合部42の高さとZ方向において揃う厚みに形成される。
(振動解析)
第2部材40に囲み部45(リブ46)を設けた場合と、設けない場合との振動を比較した。なお本解析では図6に模式図として示す放射音低減結合構造201を用いた。上記実施形態との相違点は以下の点である。すなわち、上記実施形態では、図1に示すように、第2部材40のX2側かつY2側(図1における左下)の角近傍に結合部42を設けた。一方で本解析では、図6に示すように、第2部材のX方向における中央付近に結合部42を設けている。
図7に、リブを設けた場合の振動モードM1と、リブを設けない場合の振動モードM2とを示す。図7から分かるように、リブを設置した場合は振動が小さくなった。また、図8に示すように、リブを設けた場合は設けない場合に比べ、音響パワが小さくなる(騒音が低減される)ことが分かった。
(本実施形態の放射音低減結合構造の特徴)
放射音低減結合構造1では、図1、3および4(又は5)に示す第2部材40のうち囲み部45(145)に囲まれた部分40eの1次の固有振動数は、第2部材40が受ける加振力の加振周波数とほぼ一致する。よって、囲み部45(145)に囲まれた部分40eでの支配的な振動モードは1次の固有振動である。
また、囲み部45(145)は、第1部材10と第2部材40とが対向する方向(Z方向)における第2部材40の厚みの大きい部分(リブ46、厚板部142)により、Z方向から見た第2部材40の一部を囲うように形成されてなる。よって、1次の固有振動について、第2部材40の厚みの大きい部分である囲み部45(145)が振動の節となり、第2部材40のうち囲み部45(145)に囲まれた部分40eの中央が振動の腹となる。ここで、図9に示すように、この振動の腹はモーメント加振力に対しては節である(曲げモーメントの微分=せん断力)。すなわち、図1、3および4(又は5)に示す囲み部45(145)に囲まれた部分40eの中央40cでは1次の固有振動による回転方向(囲まれた部分40eの中央40cを中心とする回転方向)の振動が生じない。そして、この囲み部45(145)に囲まれた部分40eの中央40cに第2部材40の結合部42が位置する。よって、結合部42での回転方向(結合部42を中心とする回転方向)の振動が低減される。
また、図1、2および4(又は5)に示すように、第1部材10と第2部材40とが対向する方向(Z方向)の振動を吸収するように第1部材10に動吸振器30を設けている(第2部材40に設けても良い)。よって第1部材10と第2部材40とが対向する方向(Z方向。並進方向)の結合部42での振動が低減される。
したがって、本発明では結合部42での並進方向および回転方向の振動が低減される。よって、第1部材10と第2部材40との間で結合部42を介して伝達される振動を低減でき、放射音低減結合構造1から生じる放射音を低減できる。
また、囲み部45は、第2部材40にリブ46を取り付けたものである。よって囲み部45を容易に形成できる。
また、結合部42に動吸振器30が設けられる。すなわち、囲み部45に囲まれた部分40eの1次の固有振動の腹の位置に動吸振器30が設けられる。よって、部分40eの1次の固有振動がより低減される。したがって、放射音低減結合構造1から生じる放射音をより低減できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記実施形態では、第1部材10に加振源(図10(a)の加振源313を参照)を設置した。すなわち第2部材40は、結合部42を介して加振力を受けた。しかしながら、例えば第1部材自体が加振源である構成や、第2部材に直接加振源を設置する構成などでも本発明を適用できる。
また、動吸振器30を切り欠き31a〜31c及び32a〜32cにより形成したが、たとえば、動吸振器30を後付けのバネと錘(図10(c)の動吸振器330を参照)としても本発明を適用できる。
また、図1等に示すように、結合部42は第2部材40と一体として形成したが、これらは別体でも本発明を適用できる(図10を参照)。
また、図2に示すように、切り欠き31a及び31cは、突起部12のY方向両端からX1側に延びるように形成されている。しかしながら切り欠きが他の位置に形成されていても本発明を適用できる。例えば、切り欠き31a及び31cの位置を上記実施形態と同様の位置とし、突起部12のY方向の長さを上記実施形態よりも長くしたもの等でもよい。すなわち、切り欠き31a及び31cは、突起部12のY方向における両端よりも内側からX1側に延びるように形成されるもの等でもよい。
また、図3に示すように、囲み部45はZ方向から見て長方形に形成したが、他の形状でも本発明を適用できる。例えばZ方向から見て円や正多角形としても本発明を適用できる。この場合はこれらの図形の中心(図心)が「囲み部に囲まれた部分の中央」である(なお上記の実施形態では第2部材40は板状であったため、図心と重心とが一致する)。また、部分40eをその他の図形(正多角形でない多角形、閉曲線に囲まれた図形、凹んだ形状の図形など)としても本発明を適用できる。この場合にも図形の中心(図心)を「囲み部に囲まれた部分の中央」とする。
また、図4に示す囲み部45はリブ46で形成し、図5に示す囲み部145は厚板部142で形成したが、囲み部を他の構成としても本発明を適用できる。例えば、リブと厚板部とを組み合わせて囲み部を構成しても良い(具体的には例えば、図4に示すリブ46Lと、図5に示す厚板部142の壁142Rと、で囲み部を構成する)。
また、図4および図5に示すように、結合部42での結合はボルト20を用いたが、例えばビス止めや溶接など他の結合方法を用いても本発明を適用できる。
1 放射音低減結合構造
10 第1部材
30 動吸振器
40 第2部材
40c 中央
40e 囲み部に囲まれた部分
42 結合部
45、145 囲み部
46 リブ(厚みの大きい部分)
142 厚板部(厚みの大きい部分)

Claims (4)

  1. 第1部材に対向して配置されるとともに前記第1部材との結合部を有し、加振力を受ける第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向の振動を吸収するように前記第1部材または前記第2部材に設けられた動吸振器と、
    を備え、
    前記第2部材は、前記第1部材と当該第2部材とが対向する方向における当該第2部材の厚みの大きい部分により、前記対向する方向から見た当該第2部材の一部を囲うように形成されてなる囲み部を有し、
    前記第2部材のうち前記囲み部に囲まれた部分の1次の固有振動数は、前記第2部材が受ける前記加振力の加振周波数とほぼ一致し、
    前記囲まれた部分の中央に前記結合部が位置する、放射音低減結合構造。
  2. 前記第2部材の前記厚みの大きい部分はリブである、請求項1に記載の放射音低減結合構造。
  3. 前記第2部材は板状であり、
    前記第2部材の前記厚みの大きい部分は厚板部である、請求項1に記載の放射音低減結合構造。
  4. 前記動吸振器は前記結合部に設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射音低減結合構造。
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