JP5026499B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に内燃機関のアイドル状態において機関回転数を一定に制御するものに関する。
特許文献1には、内燃機関のアイドル状態において、機関回転数が目標回転数と一致するように供給混合気量をフィードバック制御するとともに、点火時期も同様にフィードバック制御する制御方法が示されている。この制御方法では、点火時期のフィードバック制御を行わないときは、点火時期はエンジン回転速度及び吸気量に応じて算出される基本進角値に設定され、フィードバック制御は、機関回転数と目標回転数との偏差に応じて、正または負の値に設定される補正量を基本進角値に加算することにより行われる。
特公平3−16500号公報
点火時期を変化させると機関出力トルクが変化し、最適点火時期(MBT:Minimum Advance for Best Torque)において最大となることは、よく知られている。したがって、点火時期は最適点火時期の近傍にあるときは、点火時期の変化に対する機関出力トルクの変化量は小さくなる。ところが、上記特許文献1は、基本進角値を機関回転速度及び吸気量に応じて算出すると記載するのみであり、この点について考慮されていない。よって、フィードバック制御の中心点火時期の設定が不適切であるときは、点火時期の変化に対する機関出力トルクの変化量が小さいために、機関回転数の制御応答性が低下する可能性がある。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、機関のアイドル状態における点火時期の制御中心値を適切に設定し、機関回転数をより安定化することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備える内燃機関の制御装置において、前記機関の吸気圧(PBA)を検出する吸気圧検出手段と、前記機関の回転数(NE)を検出する回転数検出手段と、前記吸気圧(PBA)に応じて点火時期余裕量(DIGCNT)を算出する余裕量算出手段と、前記回転数(NE)及び吸気圧(PBA)に応じて、前記機関の出力トルクを最大とする最適点火時期(MBT)を算出する最適点火時期算出手段と、前記最適点火時期(MBT)から前記点火時期余裕量(DIGCNT)だけ遅角側の点火時期を最適中心点火時期(IGCMBT)として算出し、制御中心点火時期(IGCNT)を前記最適中心点火時期(IGCMBT)に設定する制御中心点火時期設定手段と、前記回転数(NE)を目標アイドル回転数(NEOBJ)に一致させるように点火時期のフィードバック補正量(IGFB)を算出するフィードバック補正量算出手段と、前記機関においてノッキングが発生する可能性が高くなる点火時期である限界点火時期(IGKNOCK)を、前記回転数(NE)及び吸気圧(PBA)に応じて算出する限界点火時期算出手段とを備え、前記余裕量算出手段は、前記フィードバック補正量(IGFB)の可変範囲を示す制御幅定義量(DIGCTL)を算出する制御幅定義量算出手段を有し、前記制御中心点火時期設定手段は、前記限界点火時期(IGKNOCK)から前記制御幅定義量(DIGCTL)だけ遅角側の点火時期をノック限界依存点火時期(IGCKNK)として算出し、該ノック限界依存点火時期(IGCKNK)が前記最適中心点火時期(IGCMBT)より遅角側にあるときは、前記制御中心点火時期(IGCNT)を前記ノック限界依存点火時期(IGCKNK)に設定し、前記点火時期制御手段は、前記機関のアイドル状態において、前記制御中心点火時期(IGCNT)及びフィードバック補正量(IGFB)を用いて前記点火時期を制御することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関の吸入空気流量を制御する吸入空気流量制御手段と、前記機関の目標吸気圧(PBACMD)を設定する目標吸気圧設定手段とをさらに備え、前記吸入空気流量制御手段は、検出される吸気圧(PBA)が前記目標吸気圧(PBACMD)と一致するように前記吸入空気流量を制御し、前記目標吸気圧設定手段は、前記機関のアイドル状態における目標トルク(TRQIDL)に応じて仮目標吸入空気流量(GACTMP)を算出する仮目標吸入空気流量算出手段を有し、前記仮目標吸入空気流量(GACTMP)に応じて仮目標吸気圧(PBCTMP)を算出する第1ステップ、前記仮目標吸気圧(PBCTMP)に応じて仮点火時期余裕量(DIGTMP)を算出する第2ステップ、前記仮点火時期余裕量(DIGTMP)に応じて前記機関の出力トルクの減少率(KTRQDN)を算出する第3ステップ、及び前記仮目標吸入空気流量(GACTMP)を前記減少率(KTRQDN)で除算することにより前記仮目標吸入空気流量(GACTMP)を更新する第4ステップを繰り返し実行し、前記目標吸気圧(PBACMD)を、前記減少率(KTRQDN)の今回値と前回値との差が所定閾値(DTRTH)以下となった時点の仮目標吸気圧(PBCTMP)に設定することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関は吸気弁のリフト量(LFT)を連続的に変更する弁作動特性可変機構(41)を備え、前記弁作動特性可変機構を介して前記吸気弁のリフト量(LFT)を制御するリフト量制御手段をさらに備え、該リフト量制御手段は、前記機関のアイドル状態では前記リフト量(LFT)を所定低リフト量(LFTIDL)に保持することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、吸気圧に応じて点火時期余裕量が算出され、最適点火時期から点火時期余裕量だけ遅角側の点火時期が最適中心点火時期として算出され、制御中心点火時期が最適中心点火時期に設定される。そして、機関のアイドル状態において、機関回転数を目標アイドル回転数に一致させるフィードバック制御が、制御中心点火時期を中心としてフィードバック補正量を用いて行われる。したがって、最適点火時期から点火時期余裕量だけ遅角側の点火時期を中心として点火時期が変更されるため、機関出力トルクの十分な制御応答性が確保され、機関回転数を目標回転数に安定的に維持することができる。また、フィードバック補正量の可変範囲を示す制御幅定義量が算出され、ノッキングが発生する可能性が高くなる点火時期である限界点火時期から制御幅定義量だけ遅角側の点火時期がノック限界依存点火時期として算出されるとともに、ノック限界依存点火時期が最適中心点火時期より遅角側にあるときは、制御中心点火時期がノック限界依存点火時期に設定される。機関のアイドル状態においても吸気圧が比較的高くなるように制御されることがあり、そのような状態ではノック限界依存点火時期が最適中心点火時期より遅角側となる。したがって、制御中心点火時期をノック限界依存点火時期に設定することにより、機関出力トルクの制御応答性を確保しつつノッキングを確実に防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、検出される吸気圧が目標吸気圧と一致するように吸入空気流量が制御され、機関のアイドル状態における目標トルクに応じて仮目標吸入空気流量が算出される。さらに仮目標吸入空気流量に応じて仮目標吸気圧を算出する第1ステップ、仮目標吸気圧に応じて仮点火時期余裕量を算出する第2ステップ、仮点火時期余裕量に応じて機関の出力トルクの減少率を算出する第3ステップ、及び仮目標吸入空気流量を減少率で除算することにより仮目標吸入空気流量を更新する第4ステップが繰り返し実行され、目標吸気圧が、減少率の今回値と前回値との差が所定閾値以下となった時点の仮目標吸気圧に設定される。目標吸入空気流量に応じて目標吸気圧を算出し、検出される吸気圧が目標吸気圧と一致するように吸入空気流量を制御する場合には、吸入空気流量の変化によって吸気圧が変化し、点火時期余裕量も変化する。その結果、制御中心点火時期を最適点火時期より遅角側の点火時期に設定する場合の出力トルク減少率が変化し、目標吸入空気流量を変更することが必要となるが、その演算を繰り返すと減少率が一定値に収束する。したがって、減少率が収束した時点の仮目標吸気圧を目標吸気圧として採用することにより、吸入空気流量制御と点火時期制御の相互干渉による制御の不安定化を防止し、アイドル状態における機関回転数をより安定化することができる。
請求項に記載の発明によれば、機関のアイドル状態では吸気弁のリフト量が所定低リフト量に維持されるので、吸気弁のリフト量の制御と、吸入空気流量制御手段による吸入空気流量制御との相互干渉がなくなり、アイドル状態における機関回転数を安定化することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機関とその制御装置の構成を示す図であり、図2は弁作動特性可変装置の構成を示す図である。図1において、例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、吸気弁及び排気弁と、これらを駆動するカムを備えるとともに、吸気弁の弁リフト量及び開角(開弁期間)を連続的に変更する第1弁作動特性可変機構41と、吸気弁を駆動するカムの、クランク軸回転角度を基準とした作動位相を連続的に変更するカム位相可変機構としての第2弁作動特性可変機構42とを有する弁作動特性可変装置40を備えている。第2弁作動特性可変機構42により吸気弁を駆動するカムの作動位相が変更され、吸気弁の作動位相が変更される。
エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(TH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下(ECU)という)5に供給する。スロットル弁3には、スロットル弁3を駆動するアクチュエータ7が接続されており、アクチュエータ7は、ECU5によりその作動が制御される。
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
エンジン1の各気筒の点火プラグ15は、ECU5に接続されており、ECU5は点火プラグ15に点火信号を供給し、点火時期制御を行う。
スロットル弁3の下流には吸気圧PBAを検出する吸気圧センサ8及び吸気温TAを検出する吸気温センサ9が取付けられている。またエンジン1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出するエンジン冷却水温センサ10が取り付けられている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ11及び、エンジン1の吸気弁を駆動するカムが固定されたカム軸の回転角度を検出するカム角度位置センサ12が接続されており、クランク軸の回転角度及びカム軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ11は、一定クランク角周期毎(例えば30度周期)に1パルス(以下「CRKパルス」という)と、クランク軸の所定角度位置を特定するパルスを発生する。また、カム角度位置センサ12は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)と、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)でパルス(以下「TDCパルス」という)を発生する。これらのパルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。なお、カム角度位置センサ12より出力されるTDCパルスと、クランク角度位置センサ11より出力されるCRKパルスとの相対関係からカム軸の実際の作動位相CAINが検出される。
ECU5には、エンジン1によって駆動される車両のアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ31、当該車両の走行速度(車速)VPを検出する車速センサ32、及び大気圧PAを検出する大気圧センサ33が接続されている。これらのセンサの検出信号は、ECU5に供給される。
弁作動特性可変装置40は、図2に示すように、吸気弁のリフト量及び開角(以下単に「リフト量」という)を連続的に変更する第1弁作動特性可変機構41と、吸気弁の作動位相を連続的に変更する第2弁作動特性可変機構42と、吸気弁のリフト量LFTを連続的に変更するためのモータ43と、吸気弁の作動位相を連続的に変更するために、その開度が連続的に変更可能な電磁弁44とを備えている。吸気弁の作動位相を示すパラメータとして、上記カム軸の作動位相CAINが用いられる。電磁弁44には、オイルパン46の潤滑油がオイルポンプ45により、加圧されて供給される。なお、第2弁作動特性可変機構42の具体的な構成は、例えば特開2000−227013号公報に示されている。
第1弁作動特性可変機構41は、図3(a)に示すように、カム52が設けられたカム軸51と、シリンダヘッドに軸55aを中心として揺動可能に支持されるコントロールアーム55と、コントロールアーム55を揺動させるコントロールカム57が設けられたコントロール軸56と、コントロールアーム55に支軸53bを介して揺動可能に支持されるとともに、カム52に従動して揺動するサブカム53と、サブカム53に従動し、吸気弁60を駆動するロッカアーム54とを備えている。ロッカアーム54は、コントロールアーム55内に揺動可能に支持されている。
サブカム53は、カム52に当接するローラ53aを有し、カム軸51の回転により、軸53bを中心として揺動する。ロッカアーム54は、サブカム53に当接するローラ54aを有し、サブカム53の動きが、ローラ54aを介して、ロッカアーム54に伝達される。
コントロールアーム55は、コントロールカム57に当接するローラ55bを有し、コントロール軸56の回動により軸55aを中心として揺動する。図3(a)に示す状態では、サブカム53の動きはロッカアーム54にほとんど伝達されないため、吸気弁60はほぼ全閉の状態を維持する。一方同図(b)に示す状態では、サブカム53の動きがロッカアーム54を介して吸気弁60に伝達され、吸気弁60は最大リフト量LFTMAX(例えば12mm)まで開弁する。
したがって、モータ43によりコントロール軸56を回動させることにより、吸気弁60のリフト量LFTを連続的に変更することがきる。本実施形態では、第1弁作動特性可変機構41に、コントロール軸56の回転角度(以下「CS角度」という)CSAを検出するコントロール軸回転角度センサ(以下「CS角度センサ」という)14が設けられており、検出されるCS角度CSAがリフト量LFTを示すパラメータとして使用される。
なお、第1弁作動特性可変機構41の詳細な構成は、特開2008−25418号公報に示されている。
第1弁作動特性可変機構41により、図4(a)に示すように吸気弁のリフト量LFT(及び開角)が変更される。また第2弁作動特性可変機構42により、吸気弁は、同図(b)に実線L3及びL4で示す特性を中心として、カムの作動位相CAINの変化に伴って破線L1,L2で示す最進角位相から、一点鎖線L5,L6で示す最遅角位相までの間の位相で駆動される。
ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路のほか、アクチュエータ7、燃料噴射弁6、点火プラグ15、モータ43、電磁弁44に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
ECU5のCPUは、上記センサの検出信号に応じて、スロットル弁3の開度制御、エンジン1に供給する燃料量(燃料噴射弁6の開弁時間)の制御、点火時期制御、並びにモータ43及び電磁弁44による弁作動特性(吸入空気流量)の制御を行う。
次に図5を参照して本実施形態における点火時期制御の概要を説明する。
図5(a)は、エンジンのアイドル状態における点火時期IGとエンジン出力トルクとの関係を示す図であり、点火時期IGは、最適点火時期MBT(Minimum Spark Advance for Best Torque)を「0」とし、進角方向をプラスとして示されている。またエンジン出力トルクは最適点火時期における出力トルクを基準としたトルク比率ηによって示されている。点火時期IGとトルク比率ηとの関係は、吸気弁のリフト量LFT、吸入空気流量GAIR、あるいはエンジン回転数NEが変化してもほとんと変化せず、アイドル状態では図5(a)の特性で示されることが実験的に確認されている。そこで図5(a)に示される特性を考慮し、本実施形態では最適点火時期MBTから余裕量DIGCNTだけ遅角側の点火時期を中心として(換言すれば最適点火時期近傍の非線形領域を避けて)アイドル状態における点火時期制御を行うことにより、点火時期IGを変更することによるエンジン出力トルクの良好な制御性を確保し、アイドル回転数の安定化を図るようにしている。
図5(b)は、吸気圧PBAと、点火時期IGとの関係を示す図であり、実線L11は最適点火時期MBTを示し、破線L12はノッキングが発生する可能性が高くなる最小進角量に対応する点火時期(以下「ノック限界点火時期」という)IGKNOCKを示し、実線L13は点火時期制御の中心となる中心点火時期IGCNTを示す。図5(b)に示す吸気圧PB1〜PB3は、例えばそれぞれ48kPa,61kPa,75kPa程度である。
本実施形態では、アイドル状態において、中心点火時期IGCNTを中心として、破線で示す範囲(IGCNT±DIGCTL)で点火時期を変化させることにより、エンジン回転数NEが目標アイドル回転数NEOBJと一致するようにフィードバック制御が行われる。DIGCTLは、点火時期の制御範囲幅の1/2に相当するパラメータであり、以下「制御幅定義量」という。また図5(b)に示すDIGNLは、最適点火時期の遅角側の非線形領域(点火時期の変化に対する出力トルクの変化が非線形な領域)の幅を示すパラメータであり、以下「非線形領域幅」という)。
中心点火時期IGCNTは、基本的には最適点火時期MBTより余裕量DIGCNT(=DIGCTL+DIGNL)だけ遅角側に設定されるが、ノック限界点火時期IGKNOCKより制御幅定義量DIGCTLだけ遅角側の点火時期(以下「ノック限界依存点火時期」という)IGCKNKが、(MBT−DIGCNT)より遅角側となるときは、中心点火時期IGCNTはノック限界依存点火時期IGCKNKに設定される。これにより、エンジン出力トルクの制御性を確保しつつノッキングの発生を確実に防止することができる。
図6は上述したアイドル状態における点火時期制御を行うモジュールの構成を示すブロック図である。図6に示すモジュールの機能は、ECU5のCPUにおける演算処理により実現される。
図6に示すモジュールは、最適点火時期算出部71と、制御幅定義量算出部72と、ノック限界点火時期算出部73と、加算部74,79と、減算部75,76と、選択部77と、フィードバック制御部78とを備えている。
最適点火時期算出部71は、エンジン回転数NE、吸気圧PBA、吸気温TA、及び冷却水温TWに応じて最適点火時期MBTを算出する。具体的には、エンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じて設定されたMBTマップを検索してマップ値MBTMを算出し、マップ値MBTMを吸気温TA及び冷却水温TWに応じて補正することにより、最適点火時期MBTが算出される。代表的なマップ値MBTM(例えばNE=800rpmに対応する)は、図7の実線L21で示すように、吸気圧PBAが高くなるほど減少するように設定されている。図7には実線L21のみ示すが、MBTマップには、例えば550rpm〜2000rpmの範囲では100〜250rpm間隔で設定された所定回転数値に対応して実線21に対応するマップ値が設定されている。図7の縦軸は上死点からの進角量で示されている。
制御幅定義量算出部72は、吸気圧PBAに応じて図8に示すDIGCTLテーブルを検索し、制御幅定義量DIGCTLを算出する。DIGCTLテーブルは、吸気圧PBAが高くなるほど制御幅定義量DIGCTLが減少するように設定されている。同一のエンジン出力トルク変化量を得るために必要な点火時期変化量は、吸気圧PBAが高くなるほど減少することに対応させたものである。
ノック限界点火時期算出部73は、エンジン回転数NE、吸気圧PBA、吸気温TA、及び冷却水温TWに応じてノック限界点火時期IGKNOCKを算出する。具体的には、エンジン回転数NE及び吸気圧PBAに応じて設定されたIGKNOCKマップを検索してマップ値IGKNOCKMを算出し、マップ値IGKNOCKMを吸気温TA及び冷却水温TWに応じて補正することにより、ノック限界点火時期IGKNOCKが算出される。代表的なマップ値IGKNOCKM(例えばNE=800rpmに対応する)は、図7の破線L22で示すように、吸気圧PBAが高くなるほど減少するように設定されている。図7には破線L22のみ示すが、IGKNOCKマップには、例えば550rpm〜2000rpmの範囲では100〜250rpm間隔で設定された所定回転数値に対応して破線22に対応するマップ値が設定されている。減算部76は、ノック限界点火時期IGKNOCKから制御幅定義量DIGCTLを減算することにより、ノック限界依存点火時期IGCKNKを算出する。
加算部74は、制御幅定義量DIGCTLに非線形領域幅DIGNL(図5(b)参照)を加算し、余裕量DIGCNTを算出する。減算部75は最適点火時期MBTから余裕量DIGCNTを減算することにより、最適中心点火時期IGCMBTを算出する。選択部77は、最適中心点火時期IGCMBTとノック限界依存点火時期IGCKNKと比較し、小さい方(遅角側の方)を選択し、中心点火時期IGCNTとして出力する。
フィードバック制御部78は、エンジン回転数NEが目標アイドル回転数NEOBJと一致するように、例えば比例制御によりフィードバック補正量IGFBを算出する。加算部79は、中心点火時期IGCNTにフィードバック補正量IGFBを加算することにより、点火時期IGLOGを算出する。点火時期IGLOGは、圧縮上死点からの進角量で示される。
図6に示す点火時期制御モジュールによれば、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数NEOBJにフィードバック制御する際に、中心点火時期IGCNTは、必要な出力トルク変化量が確保でき、しかも点火時期の変化に対してほぼ線形な出力トルク変化を得ることができるように設定されるので、エンジン出力トルクの十分な制御応答性が確保され、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数NEOBJに安定的に維持することができる。また、中心点火時期IGCNTは、エンジン出力トルク変化の線形性が確保できる範囲のうち、最適点火時期MBTに近い部分が使用されるように設定されるので、燃費の悪化を抑制することができる。
さらに、アイドル状態においても吸気圧PBAが比較的高くなるように制御される場合があり、そのような状態ではノック限界依存点火時期IGCKNKが最適中心点火時期IGCMBTより遅角側となることがある。そのような場合には、中心点火時期IGCNTをノック限界依存点火時期IGCKNKに設定することにより、エンジン出力トルクの制御性を確保しつつノッキングを確実に防止することができる。
次に本実施形態における吸気弁のリフト量制御及びスロットル弁開度制御を説明する。
図9は、吸気弁のリフト量指令値LFTCMDに対応するCS角度指令値CSACMD、及びスロットル弁開度THの指令値である目標スロットル弁開度THCMDを算出するモジュールの構成を示すブロック図である。図9に示すモジュールの機能は、ECU5のCPUにおける演算処理により実現される。検出されるCS角度CSAがCS角度指令値CSACMDに一致するようにモータ43が制御されるとともに、検出されるスロットル弁開度THが目標スロットル弁開度THCMDと一致するようにアクチュエータ7が制御される。
図9に示すモジュールは、目標トルク算出部81と、目標吸入空気流量算出部82と、目標リフト量算出部83と、角度指令値算出部84と、目標吸気圧算出部85と、目標スロットル弁開度算出部86とを備えている。
目標トルク算出部81は、アクセルペダル操作量AP及びエンジン回転数NEに応じてエンジン1の目標トルクTRQを算出する。目標トルクTRQは、アクセルペダル操作量APが増加するほど増加するように設定される。目標吸入空気流量算出部82は、目標トルクTRQに応じて目標吸入空気流量GAIRCMDを算出する。
目標リフト量算出部83は、目標吸入空気流量GAIRCMD及びエンジン回転数NEに応じて目標リフト量LFTCMDを算出する。角度指令値算出部84は、目標リフト量LFTCMDに応じてCS角度指令値CSACMDを算出する。
目標吸気圧算出部85は、目標トルクTRQに応じて目標吸気圧PBAを算出する。目標スロットル弁開度算出部86は、検出される吸気圧PBAが目標吸気圧PBACMDと一致するように目標スロットル弁開度THCMDを算出する。
図10は、エンジン1のアイドル運転状態における目標トルク算出部81及び目標吸気圧算出部85の機能を実現する処理のフローチャートである。この処理は、所定時間毎にECU5のCPUで実行される。本実施形態では、アイドル状態では目標リフト量LFTCMDが所定アイドルリフト量LFTIDLに設定される。
ステップS11では、アイドル運転における要求トルク(以下「アイドル要求トルク」という)TRQIDLを算出する。具体的には、下記式(1)により算出される。
TRQIDL=TRQLOAD+TRQENGFRQ (1)
式(1)により算出されたアイドル要求トルクTRQIDLが前回値と異なるとき(エンジン始動直後に最初に算出された場合を含む)は、初期化フラグFINIが「0」に設定される。
TRQLOADは、空調装置、発電機、パワーステアリング、及び自動変速機といった補機負荷に対応した補機負荷トルクTRQLOADであり、TRQENGFRQは、エンジン回転による摩擦損失、及び吸排気によるポンピングロストルクの合計としての機械損失トルクである。補機負荷トルクTRQLOADは、対応する補機のオンオフ、エンジン回転数NEなどに応じて算出され、機械損失トルクTRQENGFRQは、エンジン回転数NE、冷却水温TW、吸気圧PBAなどに応じて算出される。
ステップS12では、初期化フラグFINIが「1」であるか否かを判別する。初期化フラグFINIが「0」であるときは、ステップS13に進み、アイドル要求トルクTRQIDLに応じて仮目標吸入空気流量GACTMPを算出する。仮目標吸入空気流量GACTMPは、アイドル要求トルクTRQIDLに比例するようにテーブル検索または下記式(2)により算出される。式(2)の「KTAC」は所定値に設定される変換係数であり、点火時期が最適点火時期に設定されている状態に対応する値に設定される。なお、変換係数KTACは、エンジン回転数NEに応じて変更するようにしてもよい。
GACTMP=KTAC×TRQIDL (2)
ステップS14では、トルク減少率KTRQDNを「1.0」に設定する。ステップS15では、初期化フラグFINIを「1」に設定するとともに、演算カウンタCRPの値を「0」に設定する。初期化フラグFINIが「1」に設定されると、以後はステップS12から直ちにステップS16に進む。
ステップS16では、下記式(3)にトルク減少率KTRQDNを適用し、仮目標吸入空気流量GACTMPを更新する。
GACTMP=GACTMP/KTRQDN (3)
ステップS17では、下記式(4)に仮目標吸入空気流量GACTMPを適用し、仮目標吸気圧PBCTMPを算出する。本実施形態では、アイドル状態では吸気弁のリフト量LFTを所定アイドルリフト量LFTIDL(例えば1mm)に固定するようにしているので、吸気圧PBAは吸入空気流量にほぼ比例する。よって、式(4)により仮目標吸入空気流量GACTMPに対応する吸気圧としての仮目標吸気圧PBCTMPが算出される。式(4)のKGPは、所定値に設定される変換係数である。ただし、式(4)により算出される仮目標吸気圧PBCTMPが上限値PBLH(例えば大気圧PAより13.3kPa程度低い圧力)を超えたときは上限値PBLHに設定される。
PBCTMP=KGP×GACTMP (4)
ステップS18では、仮目標吸気圧PBCTMPに応じて仮余裕量DIGTMPを算出する。具体的には、仮目標吸気圧PBCTMPに応じて図8に示すテーブルを検索して制御幅定義量DIGCTLを算出し、制御幅定義量DIGCTLに非線形領幅DIGNLを加算することにより、仮余裕量DIGTMPが算出される。
ステップS19では、仮余裕量DIGTMPに応じてトルク減少率KTRQDNを算出する。具体的には、トルク減少率KTRQDNは図5(a)の縦軸に示すトルク比率ηに相当するので、この図の特性を用いて、最適点火時期MBTから仮余裕量DIGTMPだけ遅角側の点火時期に対するトルク比率ηがトルク減少率KTRQDNとして算出される。
ステップS20では、演算カウンタCRPの値が所定値CRPH(例えば10)と等しいか否かを判別する。最初はこの答は否定(NO)であるので、トルク減少率の前回値KTRQDN(n-1)と今回値KTRQDN(n)との差が所定閾値DTRTH(「0」に近い所定値)以下であるか否かを判別する(ステップS21)。最初はこの答は否定(NO)となるので、ステップS22に進み、演算カウンタCRPの値を「1」だけインクリメントし、本処理を終了する。
その後はアイドル要求トルクTRQIDLが変更されない限り、ステップS16〜S21が繰り返し実行される。これにより、トルク減少率KTRQDNが徐々に減少してある値に収束し、仮目標吸気圧PBCTMPもある値に収束する。したがって、ステップS21の答が肯定(YES)となり、目標吸気圧PBACMDはその時点の仮目標吸気圧PBCTMPに設定される(ステップS23)。また、ステップS21の答が肯定(YES)となる前にステップS20の答が肯定(YES)となった場合も同様にステップS23が実行される。
図11は、図10の処理を説明するための図であり、破線L31が点火時期を最適点火時期MBTに設定したときの出力トルクと吸気圧PBAとの関係を示す。最初に算出される仮目標吸気圧PBCTMPは点P01に対応し、点P1は点火時期の中心値を最適点火時期MBTから仮余裕量DIGTMPだけ遅角させた状態に対応する。この状態に対応するトルク減少率KTQDNを式(3)に適用することにより、仮目標吸入空気流量GACTMPは点P02に対応する値に更新される。その状態で再度仮目標吸気圧PBCTMP1、及び仮余裕量DIGTMPを算出し、最適点火時期MBTから仮余裕量DIGTMPだけ遅角させることによるトルク減少率KTQDN(点P2に対応する値)を算出し、算出されたトルク減少率KTQDNを式(3)に適用することにより、点P03に対応する仮目標吸入空気流量GACTMPが得られる。以後同じ処理が繰り返される。図11には、演算カウンタCRPの値が「4」にときに、ステップS21の答が肯定(YES)となってそのときの仮目標吸気圧PBCTMP(点P4に対応する吸気圧)が目標吸気圧PBACMDとして採用される。
以上詳述したように本実施形態では、検出された吸気圧PBAに応じて点火時期の余裕量DIGCNTが算出され、最適点火時期MBTから余裕量DIGCNTだけ遅角側の点火時期が最適中心点火時期IGCMBTとして算出され、制御中心点火時期IGCNTが最適中心点火時期IGCMBTに設定される。そして、エンジン1のアイドル状態において、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数NEOBJに一致させるようにフィードバック補正量IGFBが算出され、制御中心点火時期IGCNTを中心としてフィードバック補正量IGFBを用いたフィードバックが行われる。したがって、最適点火時期MBTから余裕量DIGCNTだけ遅角側の点火時期を中心として点火時期の変更が行われるため、エンジン出力トルクの十分な制御応答性が確保され、エンジン回転数NEを目標回転数NEOBJに安定的に維持することができる。
またフィードバック補正量IGFBの可変範囲を示す制御幅定義量DIGCTLが算出され、ノッキングが発生する可能性が高くなる点火時期である限界点火時期IGKNOCKから制御幅定義量DIGCTLだけ遅角側の点火時期がノック限界依存点火時期IGCKNKとして算出されるとともに、ノック限界依存点火時期IGCKNKが最適中心点火時期IGCMBTより遅角側にあるときは、制御中心点火時期IGCNTがノック限界依存点火時期IGCKNKに設定される。エンジンのアイドル状態においても吸気圧PBAが比較的高くなるように制御されることがあり、そのような状態ではノック限界依存点火時期IGCKNKが最適中心点火時期IGCMBTより遅角側となる。したがって、制御中心点火時期IGCNTをノック限界依存点火時期IGCKNKに設定することにより、エンジン出力トルクの制御応答性を確保しつつノッキングを確実に防止することができる。
また検出される吸気圧PBAが目標吸気圧PBACMDと一致するようにスロットル弁の目標開度THCMDが算出され、エンジンのアイドル状態における目標トルクTRQIDLに応じて仮目標吸入空気流量GACTMPが算出される。さらに仮目標吸入空気流量GACTMPに応じて仮目標吸気圧PBCTMPを算出するステップS17、仮目標吸気圧PBCTMPに応じて仮余裕量DIGTMPを算出するステップS18、仮余裕量DIGTMPに応じてトルク減少率KTRQDNを算出するステップS19、及び仮目標吸入空気流量GACTMPをトルク減少率KTRQDNで除算することにより仮目標吸入空気流量GACTMPを更新するステップS16が繰り返し実行され、目標吸気圧PBACMDが、減少率KTRQDNの今回値と前回値との差が所定閾値DTRTH以下となった時点の仮目標吸気圧PBCTMPに設定される。目標吸入空気流量に応じて目標吸気圧を算出し、検出される吸気圧が目標吸気圧と一致するように吸入空気流量を制御する場合には、吸入空気流量の変化によって吸気圧が変化し、余裕量DIGCNTも変化する。その結果、制御中心点火時期IGCNTを最適点火時期MBTより遅角側の点火時期に設定する場合のトルク減少率KTRQDNが変化し、目標吸入空気流量を変更することが必要となるが、その演算を繰り返すとトルク減少率KTRQDNが一定値に収束する。したがって、トルク減少率KTRQDNが収束した時点の仮目標吸気圧PBCTMPを目標吸気圧PBACMDとして採用することにより、吸入空気流量制御と点火時期制御の相互干渉による制御の不安定化を防止し、アイドル状態におけるエンジン回転数NEをより安定化することができる。
またエンジンのアイドル状態では吸気弁のリフト量LFTが所定アイドルリフト量LFTIDLに維持されるので、吸気弁のリフト量の制御と、スロットル弁開度制御による吸入空気流量制御との相互干渉がなくなり、アイドル状態におけるエンジン回転数NEを安定化することができる。
本実施形態では、吸気圧センサ8及びクランク角度位置センサ11がそれぞれ吸気圧検出手段及び回転数検出手段に相当し、スロットル弁3、アクチュエータ7及びECU5が吸入空気流量制御手段を構成し、第1弁作動特性可変機構41、モータ43、及びECU5がリフト量制御手段を構成する。またECU5が、点火時期制御手段、余裕量算出手段、最適点火時期算出手段、制御中心点火時期設定手段、フィードバック補正量算出手段、限界点火時期算出手段、制御幅定義量算出手段、及び目標吸気圧設定手段を構成する。具体的には、図6に示すモジュールが点火時期制御手段に相当し、図6の制御幅定義量算出部72が制御幅定義量算出手段に相当し、制御幅定義量算出部72及び加算部74が余裕量算出手段に相当し、最適点火時期算出部71が最適点火時期算出手段に相当し、減算部75,76,及び選択部77が制御中心点火時期設定手段に相当し、フィードバック制御部78がフィードバック補正量算出手段に相当し、ノック限界点火時期算出部73が限界点火時期算出手段に相当する。また図10の処理が目標吸気圧設定手段に相当し、図9の目標吸入空流量算出部82、目標リフト量算出部83、角度指令値算出部84がリフト量制御手段に相当し、目標スロットル弁開度算出部86が吸入空気流量制御手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では吸気弁のリフト量を連続的に変更する第1弁作動特性可変機構を備えるエンジンの制御装置を示したが、本発明は一般的な固定のカムによる吸気弁の開閉駆動を行うエンジンにも適用が可能である。
また上述した実施形態では、最適点火時期MBTのマップ値MBTM及びノック限界点火時期IGKNOCKのマップ値IGKNOCKMを吸気温TA及び冷却水温TWに応じて補正して、最適点火時期MBT及びノック限界点火時期IGKNOCKを算出するようにしたが、マップ値MBTM及びIGKNOCKMを補正することなく、そのまま最適点火時期MBT及びノック限界点火時期IGKNOCKとしても用いてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 図1に示す弁作動特性可変装置の構成を示す図である。 図2に示す第1弁作動特性可変機構の概略構成を説明するための図である。 吸気弁の弁作動特性を示す図である。 点火時期制御手法を説明するための図である。 点火時期制御を行うモジュールのブロック図である。 最適点火時期(MBT)及びノック限界点火時期(IGKNOCK)の算出に適用されるマップの設定例を示す図である。 図6に示す制御幅定義量算出部での演算に使用されるテーブルを示す図である。 吸入空気流量の制御を行うモジュールのブロック図である。 アイドル状態における目標吸気圧(PBACMD)を算出する処理のフローチャートである。 図10の処理を説明するための図である。
1 内燃機関
3 スロットル弁(吸入空気流量制御手段)
5 電子制御ユニット(点火時期制御手段、余裕量算出手段、最適点火時期算出手段、制御中心点火時期設定手段、フィードバック補正量算出手段、限界点火時期算出手段、制御幅定義量算出手段、目標吸気圧設定手段、吸入空気流量制御手段、リフト量制御手段)
7 アクチュエータ(吸入空気流量制御手段)
15 点火プラグ
41 第1弁作動特性可変機構(リフト量制御手段)
43 モータ(リフト量制御手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備える内燃機関の制御装置において、
    前記機関の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
    前記機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記吸気圧に応じて点火時期余裕量を算出する余裕量算出手段と、
    前記回転数及び吸気圧に応じて、前記機関の出力トルクを最大とする最適点火時期を算出する最適点火時期算出手段と、
    前記最適点火時期から前記点火時期余裕量だけ遅角側の点火時期を最適中心点火時期として算出し、制御中心点火時期を前記最適中心点火時期に設定する制御中心点火時期設定手段と、
    前記回転数をアイドル目標回転数に一致させるように点火時期のフィードバック補正量を算出するフィードバック補正量算出手段と
    前記機関においてノッキングが発生する可能性が高くなる点火時期である限界点火時期を、前記回転数及び吸気圧に応じて算出する限界点火時期算出手段とを備え、
    前記余裕量算出手段は、前記フィードバック補正量の可変範囲を示す制御幅定義量を算出する制御幅定義量算出手段を有し、
    前記制御中心点火時期設定手段は、前記限界点火時期から前記制御幅定義量だけ遅角側の点火時期をノック限界依存点火時期として算出し、該ノック限界依存点火時期が前記最適中心点火時期より遅角側にあるときは、前記制御中心点火時期を前記ノック限界依存点火時期に設定し、
    前記点火時期制御手段は、前記機関のアイドル状態において、前記制御中心点火時期及びフィードバック補正量を用いて前記点火時期を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記機関の吸入空気流量を制御する吸入空気流量制御手段と、
    前記機関の目標吸気圧を設定する目標吸気圧設定手段とをさらに備え、
    前記吸入空気流量制御手段は、検出される吸気圧が前記目標吸気圧と一致するように前記吸入空気流量を制御し、
    前記目標吸気圧設定手段は、前記機関のアイドル状態における目標トルクに応じて仮目標吸入空気流量を算出する仮目標吸入空気流量算出手段を有し、
    前記仮目標吸入空気流量に応じて仮目標吸気圧を算出する第1ステップ、
    前記仮目標吸気圧に応じて仮点火時期余裕量を算出する第2ステップ、
    前記仮点火時期余裕量に応じて前記機関の出力トルクの減少率を算出する第3ステップ、及び
    前記仮目標吸入空気流量を前記減少率で除算することにより前記仮目標吸入空気流量を更新する第4ステップを繰り返し実行し、前記目標吸気圧を、前記減少率の今回値と前回値との差が所定閾値以下となった時点の仮目標吸気圧に設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記機関は吸気弁のリフト量を連続的に変更する弁作動特性可変機構を備え、
    前記弁作動特性可変機構を介して前記吸気弁のリフト量を制御するリフト量制御手段をさらに備え、該リフト量制御手段は、前記機関のアイドル状態では前記リフト量を所定低リフト量に保持することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
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