JP5025315B2 - 熱間圧延用複合ロール、熱間圧延用複合ロールの製造方法及び熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延用複合ロール、熱間圧延用複合ロールの製造方法及び熱間圧延方法 Download PDF

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Description

本発明は鉄鋼の圧延において特に鋼板の熱間連続圧延、すなわちホットストリップミルの仕上げ圧延機列に用いられる圧延用ロール、該圧延用ロールの製造方法および前記圧延用ロールを使用した圧延方法に関するものである。
近年、鉄鋼の金属組織を微細化することにより、引張強度、降伏強度、靱性および疲労強度等の機械的性質が向上することが確認され、そのような鋼板の実機圧延機での生産が強く望まれている。鋼板の熱間連続圧延機にて微細粒組織を得るための重要な要素技術として、例えば下記の特許文献1には、後段圧延機群にてスリップを生じにくい作動ロールを用い高圧下圧延を実施することが開示されている。その要点は以下のとおりである。
前記後段圧延機列にて高圧下圧延を実現するにおいては、前段圧延機列に比べ、例えば仕上げ厚みが6.0mm以下の如く、圧延鋼板の板厚が著しく小さく且つ温度も低くて変形しにくいために、圧延用ロールと圧延鋼板との短い接触部において大きな圧延荷重に耐えて安定して鋼板を圧延する、すなわち摩擦により前進させることが可能な圧延用ロールが不可欠である。すなわち、圧延鋼板との間で高く安定した摩擦係数を確保し、さらに圧延ロールの表面が降伏せず偏平が小さく、更に、摩耗の少ないロールが強く望まれていた。
しかしながら、前記のように、変形し難い薄板を、後段圧延機群にて圧延するに際し、高圧下圧延を行おうとすると従来材質、例えば高合金グレン鋳鉄材、鋳掛けハイス材等からなる圧延ロールでは表面粗度の低下やロール表面の扁平によりスリップ現象が現れ、安定的な圧延ができない問題があった。さらに、圧延荷重の増加に伴いロールの損傷が著しくなり、またロールの扁平および降伏によりこの傾向が増徴され、その操業は実用的には不可能であった。
そこで、鋼系材料からなる芯材の周囲に、質量%で、C:1.0%〜3.0%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、V:3.0〜10.0%、Cr:3.0〜10.0%、Mo、Wの1種または2種を含有し残部Feおよび不可避的不純物からなる外層材を形成し、連続鋳掛け法を用いて複合ロールとし、複合ロールの直径を250〜620mm且つ縦弾性係数を200GPa以上としたことを特徴とする熱間圧延用複合ロールを用いて圧下率40%以上で圧延を可能としたものである。
特開2002-346613号公報
しかしながら、後段圧延機群において高強度の鋼板を比較的小径ロールや高い圧下率の圧延条件下において、鋼板噛み込み後の通板途中にスリップが生ずることが10%以上の確率で生ずることが観察され、大量圧延において安定した操業を実現するにはスリップ発生頻度をさらに低減したロールが必要となった。
本発明は、上述したような問題を解決するためのものであって、熱間帯鋼連続圧延において、圧延鋼材との間で高い摩擦係数を有し摩耗が少なく、かつ扁平や降伏損傷しない作動ロールおよびその製造方法を提供するとともに、これを用いて仕上げ後段圧延機群において高圧下圧延を安定して行うことにより、生産性が高く経済的な圧延方法を提供するものである。
前記の課題を達成するために、本発明の要旨とするところは、
(1)帯鋼または鋼板を熱間圧延する連続熱間圧延機群の後方3基の圧延機に組み込まれる熱間圧延用複合ロールにおいて、鋼系材料からなる芯材の周囲に、質量%で、C:1.0%〜3.0%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、V:3.0〜10.0%、Cr:3.0〜10.0%を含有し、Mo、Wの1種または2種を2.0〜10.0%を含有し、およびTiを0.2%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる外層材を連続鋳掛け法を用いて形成することにより複合ロールを構成し、複合ロールの直径を250〜620mm且つ縦弾性係数を200GPa以上としたこと。
(2)質量比でNi:0.2〜5.0%、Co:0.2〜10.0%、Nb:0.2〜2.0%の1種または2種以上を含有したこと。
(3)連続鋳掛け法にて複合ロールを製造するにおいて、溶解炉より外層材を出湯する際に取鍋もしくは注湯炉に出湯1kg当たりTiを0.5〜5.0g添加したこと。
(4)鋼板を熱間連続圧延機にて圧延成形する熱間圧延方法において、前記圧延機群における後方3基の圧延機の少なくとも1基以上の圧延機にて上記の熱間圧延用複合ロールを使用し、圧下率40%以上で圧延することにより引張強さ800MPa以上の鋼板を得ることにある。
以上のように本発明によればホットストリップミルの仕上げ後段圧延機列での高強度鋼板の高圧下圧延が可能となり経済的で生産性の向上ができ、さらに圧延製品の品質向上がなされ、工業的に大きな価値を有するものである。
まず本発明の圧延用ロール材の主要な構成について述べる。耐摩耗性を確保し、圧延鋼材との間で大きな摩擦を確保するためには、炭化物は硬くて粒状のものが望ましく、MC型炭化物を主体に使用する。とくに本発明を適用する熱間帯連続仕上げ後段圧延機群において鋼圧延用ロールとして最も重要な性質である耐摩耗性を確保するため、従来技術で述べた高圧下圧延を実現するためには、MC炭化物の晶出量は面積率で5%以上確保することが必要である。一方、同時に晶出するM7C3、M2C、M3C炭化物は少量では本発明の効果を損なうものではないが、前記特許文献1では10%以下としたが安定な操業をするためには5%以下にすることが望ましい。すなわち、これらの炭化物はMC炭化物に比べ粗大で、かつ集合して晶出するためにその量が多すぎるとかえってロール表面は平坦になり、また、粒状で微細なMC炭化物の効果も損ない、圧延鋼材との間で十分な摩擦を確保できなくなる。
以下、本発明にかかわる化学成分の限定した理由を述べる。
C:1.0〜3.0%
Cは、ロールの性能に直接影響する硬さをえるために最も重要な元素である。しかし、1.0%より少ないと耐摩耗性および耐肌荒れ性を向上するために有効な硬い炭化物の晶出量が少なく、さらに基地に固溶するCが不足し、焼入れによっても十分な基地硬さを得られなくなると同時に、合金添加の効果を十分発揮できず耐摩耗性が著しく劣化し、一方、3.0%を超えると本来は脆い炭化物の晶出量が増加し、とくに粗大な炭化物が凝集して結晶粒界に晶出し、前述のとおり圧延中にこれが表層から剥離し圧延製品を損傷し使用に耐えないためこれを上限とした。
Si:0.2〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%
Si、Mnは、本発明を特徴づけるものではないが、共に脱酸効果および溶湯の流動性を高めることを目的として、各々0.2〜2.0%の一般の高速度鋼に含まれる量を含有させるが、しかし、0.2%未満ではその効果が不十分であり、2.0%を超えると靭性が低下するためその範囲とする。
V:3.0〜10.0%
Vは、優先的にCと結合し、前記既存ロールに認められるセメンタイト(FeC)やクロム炭化物(Cr)に比べて極めて硬く粒状のMC型炭化物、すなわち、VC炭化物を晶出し耐磨耗性を向上するために極めて有効な元素である。また、本発明においては晶出炭化物の平均粒径を15μm以下にすることが望ましく、微小で粒状に晶出させ、かつ極めて硬いVC炭化物を積極的に利用することが不可欠である。また、VC炭化物は溶湯より優先的に初晶として晶出し、凝固組織を決定する理由からもVは重要な元素であり、その含有量はCとの関係で選択される。本発明のC:1.0〜3.0%範囲では、3.0%未満ではVC炭化物が晶出せず、耐摩耗性を向上させ得ないため下限とした。一方、10%を超えると前記のとおり初晶の炭化物が多量に晶出し、材料強度を損なうとともに炭化物が粒界に偏析して、これが圧延使用中に掛け落ち、耐肌荒れ性を損なうためこれを上限とした。
Cr:3.0〜10.0%
Crは、単独ではCr炭化物として結晶粒界に網目状に多量に凝集して晶出するため、これを多量に生成させないため10.0%以下に限定して含有させる。また、Mo,Wとともに硬いMC型の共晶炭化物を形成することがあるが、後述のとおり、その晶出量を限定する必要がある。一方、Crは基地組織にも 固溶し、焼入れにより硬さを向上させ、さらに焼き戻しにおいては析出効果を促進うるために有効な元素であり、その効果を発揮するためには3.0%以上含有することが必要であり、これを下限とした。
Mo、Wの1種または2種を2.0%〜10%
Mo及びWは、主として硬いMC型の共晶炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させるもので、前記特許文献1においては積極的に用いられていた。この炭化物は棒状に結晶粒界に晶出する。この点、前述の凝集して晶出するFeC、Crほど著しく有害ではないが、複数の炭化物が密集して晶出した場合は、結果的に大きな炭化物としてみなされ、これが欠け落ちるため晶出量を少量に抑制することが不可欠であり、実用的には組織に占める面積率で3%以下とすることが望ましい。なお、本発明材においては鋳造時に晶出したMC型炭化物はその後の熱処理工程を経てMC型炭化物になる。一方、MoはCrと同様、一部が基地組織にも固溶して焼入れにより硬さを向上させ、さらに焼戻しにおいて析出効果を促進し、Wも一部が基地組織に固溶し、高温での強度および硬さを向上するため、熱間圧延に供した場合、耐摩耗性を向上させる作用を有しており、その効果が現れるためには1種または2種を2.0%〜10.0%含有することが必要であり、前記晶出炭化物の量を考慮した場合、望ましくは両元素の総量が4%以上15%以下である。
Ni:0.2〜5.0%
Niは、0.2%以上添加すると焼入性を向上させる効果を有する。直径の大きいロールなどが大きい硬度深度が要求される場合には、その要求に応じて添加すると良い。しかし、多量に添加すると残留オーステナイトが過剰となり、かえって高硬度が得られなくなるため、5.0%以下の範囲で用いることが有効である。
Co:0.2〜10.0%
Coは、0.5%以上添加すると高温使用下で基地の硬さと強度を向上させるもので、特に熱間圧延用ロールには10.0%以下の範囲で用いることが有効である。
Nb:0.2〜2.0%
Nbは、Vと同様にMC炭化物を生成するため、V の代替元素として0.2〜2.0%添加することは有効である。上限値はNbの添加により過共晶域となり初晶としてMC炭化物が偏析して晶出しない2.0%とした。
つぎに製造方法について述べる。
先ず、本発明の化学成分からなる溶湯を耐火枠と芯材との間隙に注入して誘導加熱を行い、次いで、該耐火枠の下方に設けた水冷モールドで前記溶湯を凝固して外層部を形成し、しかる後、一体となった外周部と芯材を順次下方へ引き抜出して複合ロールを製造する。こうした連続鋳掛け法により、本発明材の理想的な鋳造組織が可能となり、かつ他法に比べ極めて緻密な組織が得られるものである。
さて、前記特許文献1ではAl、Ti、Zrは、MC型炭化物の晶出核を生成し、炭化物の大きさを減少し、かつ、分散晶出させる効果があり、この目的で添加されても効果を損なうものではないとされている。また、特許2886368公報にもTiの添加が開示されている。しかしながら、Tiを本願発明の連続鋳掛け法に利用した際に、Tiは極めて強い酸化物形成元素であり、酸化物系介在物が外層材に残存することが分った。すなわちTiが溶湯内酸素と反応して多量の酸化物系介在物となり、これが連続鋳掛法の特徴の一つをなす溶湯の誘導加熱による撹拌により凝固界面に到達して捉えられ介在物欠陥として凝固後の外層材に残存し材料を著しく損なう結果となった。一方、Tiは前述のとおりMC炭化物の晶出核として分散、特に結晶粒内に晶出しより分散して均一に分布させる極めて有効なものであり、副作用の介在物欠陥として残存させないこととの両立が不可欠であった。そこで、本発明においてはTiを溶解炉からの出湯時の取鍋中もしくは注湯炉に投入し、かつその量は出湯1kg当たりTiを0.5〜5.0gとすることが望ましいことを見出した。なお、Tiの添加はフェロ・チタン(Fe-Ti)により行い、前記添加量はTi分であり、実際のフェロ・チタンの添加量はTiの含有量を考慮して添加する。たとえば含有量が70%である場合のフェロ・チタンの添加量は0.7〜7.1gとなる。他の合金元素と同様に溶解炉中に添加すればTiの多くは酸化物としてスラグの一部となり、溶湯内のTiも凝固までの経過時間が十分あることにより浮上分離してMC炭化物の晶出核となりえない。一方、耐火枠内に直接添加した場合には耐火枠内にて酸化反応を生じ、直接的に前記のとおり誘導撹拌により凝固界面に至り介在物欠陥となる。最終的な本願発明材のTi含有量は、MC炭化物の晶出の接種核としての効果ならびに基地組織における極めて硬く微小なTi炭化物(TiC)の析出による耐摩耗性の向上効果を有する0.02%を下限とし、また介在物欠陥を生じない限界値として0.2%を上限とした。なお、Al、Zr及びMg等の添加も接種効果を有しTiと併用して添加することも本願発明の効果を損なうものではない。
次に、本発明の基地組織を達成するための熱処理について述べる。
前述のとおり、本発明においては、先ず焼入れにより基地を硬いマルテンサイトもしくはベイナイトとする必要がある。そこで、熱処理炉にてロール全体を1000℃以上に加熱し、一定時間保持した後、大気中もしくは衝風にて常温近くまで冷却することにより焼入れ硬化する。もちろん、焼入れ時に割れが発生しない範囲で冷却速度を高めてもよく、本効果を損なうものではない。
しかしながら、焼入れにより生成されたマルテンサイト若しくはベイナイトは非常に硬いが、高温では不安定な組織であるため、特に熱間圧延に供する本発明においては、使用中に高温に加熱され別の組織に不均質に変態し望ましくない。そこで、焼入れ後は引続き500℃以上で焼戻しを実施し、析出硬化作用と適度の靭性を付与するとともに焼入れで生じた大きな残留応力を低減させ、耐事故性を向上させる。
高圧下圧延を行った場合には、圧延荷重は基本的には大きくなる。このときロールの縦弾性係数が小さいとロールが大きく扁平し、鋼材との接触長が大きくなり、このことが、さらに圧延荷重を増大させることになり、経済的でなく圧延作業も不安定になる。本発明がなされた仕上げ圧延機群の後段圧延機においては、特にこの現象が起こらないようにすることが必要である。そこで、ロールの扁平を小さく抑え、本発明の効果を達成するため、発明材の縦弾性係数を200GPa以上とした。なお縦弾性係数の上限値は鉄系ロールにて実用的な260GPaである。
さらに仕上げ後段圧延機において高圧下圧延行うに際し、ロール直径を小さくすれば圧延荷重、すなわち、駆動動力を小さくでき経済的である。しかしながら、前述のとおり小径ではロールと圧延鋼材との接触長さがさらに小さくなり、特に40%以上の圧下率では従来のロールでは圧延に必要な摩擦力を確保できず、小径化が難しかった。一方、本発明ロール材においては十分な摩擦力を確保できるため、ロールを小径とすることができ、実用的にその効果が顕著になる値として、従来は、620〜850mmであったロールの直径を620mm以下とし、その下限値は前記仕上げ圧延機群においては折損事故等の圧延事故の発生を実用的に防止できるロール強度が確保できる250mmとした。
本発明の実施例として表1に示す化学成分にて連続鋳掛法にて鋳造し、前記熱処理を施した後、図1に示す熱間圧延設備の構成図のように、6機の仕上げ連続圧延機を有するホットストリップミルにおいて仕上圧延機群3として仕上げ後段作動ロール1のところに組み込み、引張強さ800MPaの鋼板の圧延作業に供した。なお、符号2は補強ロールであり、4は仕上げ前段圧延機群であり、5は粗圧延機を示す。また、ロールの直径は600mmとしたが、表1に示す従来例および本発明例であるロールでは最終No.6圧延機の上方ロールを直径490mmの小径ロールとし、下方ロールを直径600mmとした。なお、ロールの胴長は1850mm、全長4470mmとした。圧下率は前段から順に、50%、45%、40%、50%、45%、40%とし、後段圧延機3機はいずれも圧下率40%以上にて厚み1.8mmの帯鋼に圧延成形を行った。従来例では、鋼板の噛み込みは可能であったが通板途中でスリップが10%以上の確率で生じた。これに対し本発明の2ロールではスリップの発生は1%以下となり安定した圧延操業が可能となった。なお、図2に一般的な低圧下率での圧延時に使用されている高合金グレン鋳鉄ロール、従来ロール及び本願発明ロールの圧延時の鋼板とロールとの間の摩擦係数を圧下率との関係で示す。従来ロールでは高圧下条件下で比較的低い摩擦係数が発生するのに対し、本願発明ロールでは0.27以上の安定した摩擦係数を確保している。なお、摩擦係数は柳本らにより提案された圧延荷重と摩擦係数の関係式(日本機械学会論文集42(1976)965ページ参照)を用いて実際の圧延荷重より求めた。
Figure 0005025315
このように従来ロールでは高強度鋼板の高圧下圧延を行ったところ、とくに噛み込み後の通板途中にスリップがある確率で生じ、圧延作業に支障をきたしていたのに対し、本発明ロールを供することにより、高圧下条件下においても安定した圧延作業が可能となった。
本発明材になる熱間連続圧延設備の構成図。 本発明に係るロールと従来ロールを使用に供した際の圧延鋼材との摩擦係数を示す図である。
符号の説明
1 仕上後段作動ロール
2 補強ロール
3 仕上後段圧延機群
4 仕上前段圧延機群
5 粗圧延機

Claims (4)

  1. 鋼系材料からなる芯材の周囲に、質量比で、C:1.0〜3.0%、Si:0.2〜2.0%、Mn:0.2〜2.0%、V:3.0〜10.0%、Cr:3.0〜10.0%、Mo、Wの1種または2種を2.0〜10.0%およびTiを0.2%以下含有し残部Feおよび不可避的不純物からなる外層材を形成し、連続鋳掛け法を用いて複合ロールを製造するにおいて、溶解炉より外層材を出湯する際に取鍋もしくは注湯炉に出湯1kg当たりTiを0.5〜5.0g添加することを特徴とする熱間圧延用複合ロールの製造方法
  2. 質量比でNi:0.2〜5.0%、Co:0.2〜10.0%、Nb:0.2〜2.0%の1種または2種以上を含有したことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延用複合ロールの製造方法
  3. 帯鋼または鋼板を熱間圧延する連続熱間圧延機群に組み込まれる熱間圧延用複合ロールであって、請求項1または2に記載の製造方法にて製造されたことを特徴とする熱間圧延用複合ロール。
  4. 鋼板を熱間連続圧延機にて圧延成形する熱間圧延方法において、前記圧延機群における後方3基の圧延機の少なくとも1基以上の圧延機にて複合ロールの直径を250〜620mm且つ縦弾性係数を200GPa以上とした請求項3に記載の熱間圧延用複合ロールを使用し、引張強さ800MPa以上の鋼板を圧下率40%以上で圧延することを特徴とする圧延方法。
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