JP5023961B2 - エンジンの点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波を利用して点火する点火装置に関する。
従来から、マイクロ波を利用して燃焼室内の混合気に点火するエンジンの点火装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の点火装置は、マイクロ波を導く導波管の内部に一対の電極を設置する。この一対の電極は、導波管の終端部からマイクロ波の1/4波長離れた位置に設けられる。そして、ピストンが所定の位置に達したときに導波管にマイクロ波パルスを伝送し、一対の電極間に電解を生じさせ、非平衡プラズマ放電を形成して混合気に点火する。
特開平3−31579号公報
ところで、特許文献1に記載の点火装置は、マイクロ波のみによって燃焼室内の混合気に点火するものであるため、大きなマイクロ波発振エネルギーが必要とされ、エンジンのエネルギー効率が悪化する。そこで、点火プラグの点火部で生成したプラズマにマイクロ波を発振して、プラズマ体積を拡大させて、混合気に点火することで、マイクロ波のみによって点火する場合よりもマイクロ波発振エネルギーを低減し、エネルギー効率を向上させることが考えられる。
しかしながら、上記のようにプラズマ体積を拡大させて混合気に点火する場合には、拡大したプラズマが点火プラグの電極と干渉してしまい、プラズマの熱によって点火プラグの電極が劣化しやすいという問題がある。
そこで、本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、高エネルギー効率で点火するとともに、点火プラグの電極劣化を抑制することができるエンジンの点火装置を提供することを目的としている。
本発明は、以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、燃焼室(13)内に放電する点火プラグ(51)と、点火プラグ(51)の放電部(51a)にマイクロ波を発振し、放電部周辺の電界強度を高めて、放電部(51a)に生成されたプラズマの体積を拡大するマイクロ波発振手段(52)と、マイクロ波発振手段(52)からのマイクロ波によって拡大したプラズマを、点火プラグ(51)の放電部(51a)から離すように燃焼室(13)内にガス流動を生起するガス流動生起手段(30)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、点火プラグによって生成したプラズマにマイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大するとともに、燃焼室内に生起されたガス流動によってプラズマを点火部から移動させる。そのため、マイクロ波のみによって混合気に点火する場合よりもマイクロ波式点火装置で消費するエネルギーを低減することができるとともに、点火プラグの電極の劣化を抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、マイクロ波式点火装置が適用されるエンジンの概略構成図である。
エンジン100は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上側に配置されるシリンダヘッド20とを備える。
シリンダブロック10には、ピストン11を収装するシリンダ12が形成される。そして、ピストン11の冠面と、シリンダ12の壁面と、シリンダヘッド20の下面とによって燃焼室13を形成する。この燃焼室13で混合気が燃焼すると、ピストン11は燃焼圧力を受けてシリンダ12を往復動する。
また、シリンダヘッド20には、燃焼室13に混合気を流す吸気ポート30と、燃焼室13からの排気を流す排気ポート40とが形成される。
吸気ポート30には、吸気弁31が設けられる。吸気弁31は、吸気側カムシャフト32に一体形成されるカム33によって駆動される。吸気弁31は、ピストン11の上下動に応じて吸気ポート30を開閉する。この吸気ポート30には、燃料噴射弁34が設置される。燃料噴射弁34は、吸気ポート30の燃焼室13への開口部に向けて燃料を噴射する。
また、吸気ポート30は、シリンダ軸心C1と吸気ポート30の中心線C2とのなす鋭角が大きくなるよう(90°に近づくよう)に構成されている。そのため燃焼室内には、吸気ポート30から導入される吸気によって、矢印Aに示すようにガス流動(燃焼室内の縦渦、いわゆるタンブル流)が生起される。以下、このガス流動を、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動という。
一方、排気ポート40には、排気弁41が設けられる。排気弁41は、排気側カムシャフト42に一体形成されるカム43によって駆動される。排気弁41は、ピストン11の上下動に応じて排気ポート40を開閉する。また、排気ポート40には、排気を外部に流す図示しない排気通路が接続する。
上記した吸気ポート30と排気ポート40との間であって、シリンダヘッド20の燃焼室中心部には、マイクロ波を利用して燃焼室内の混合気に点火するマイクロ波式点火装置50が設置される。マイクロ波式点火装置50は、点火プラグ51と、マイクロ波発振用アンテナ52と、マイクロ波発振装置53とを備える。このマイクロ波発振用アンテナ52とマイクロ波発振装置53とがマイクロ波発振手段となる。
点火プラグ51は、点火部51aが燃焼室内に位置するようにシリンダヘッド20に設置される。点火プラグ51の点火部51aは、中心電極の先端と側方電極との間で放電ギャップを形成する構造である。この点火プラグ51は、エンジン運転状態に応じて点火時期が制御される。
マイクロ波発振用アンテナ52は、点火プラグ51の点火部51aに向けて所定の周波数のマイクロ波を発振する。マイクロ波発振用アンテナ52は、点火プラグ51に対して、ガス流動の流れ方向の下流側に隣接して設けられる。マイクロ波発振用アンテナ52は、先端が燃焼室内に僅か突出するように構成されている。このマイクロ波発振用アンテナ52は、同軸ケーブル54を介して電解強化手段としてのマイクロ波発振装置53に接続される。なお、本実施形態では、マイクロ波発振用アンテナ52と点火プラグ51とが一体形成されているが、それぞれを別体として設けるようにしてもよい。
エンジン100は、マイクロ波の発振時期や発振エネルギーを制御するために、コントローラ60を備える。コントローラ60は、CPU、ROM、RAM及びI/Oインタフェースを有する。コントローラ60には、エアフローメータ、アクセル開度センサ、クランク角センサ、冷却水温センサ等の車両運転状態を検出する各種センサの出力が入力する。コントローラ60は、これら出力に基づいてマイクロ波発振装置53への印加時間や印加電圧を制御し、マイクロ波発振用アンテナ52から発振されるマイクロ波の発振時間や発振出力を調整する。このようにマイクロ波のマイクロ波発振エネルギーを変更することによって、点火プラグ51の点火部近傍に形成される電界強度を調整する。
図2は、マイクロ波のマイクロ波発振エネルギーについて説明する図である。
エンジン100では、図2に示すように、マイクロ波発振時の発振出力は一定に設定される。1回のマイクロ波照射におけるマイクロ波発振エネルギーの大きさは、マイクロ波発振時の発振時間と発振出力とで画成される面積で表される。そのため、発振時間を長くしたり、発振出力を大きくしたりすることでマイクロ波発振エネルギーは増大する。そして、マイクロ波発振用アンテナ52から発振されたマイクロ波による電界強度は、図1の領域(高電界領域)Pに示すように、マイクロ波発振用アンテナ52の先端が最も強くなり、先端から離れるほど低下する。なお、この高電界領域Pは、マイクロ波発振エネルギーが増大すると大きくなる。
上記のように構成されるエンジン100では、点火プラグ51の放電ギャップにプラズマが形成される時期と同時、又はそれよりも進角した時期から、マイクロ波発振用アンテナ52によってマイクロ波を発振する。プラズマにマイクロ波を照射すると、放電ギャップ部周辺の電界強度が高まり、点火プラグ51により生成したプラズマ中の電子衝突が促進されて、図1のQに示すようにプラズマが拡大する。このようにプラズマを拡大することによって、エンジン100は、一般的なアーク放電による点火とは異なり、広い体積を占める点火、つまり体積的に点火(以下「体積点火」という。)することができる。このように点火プラグ51で生成したプラズマを拡大させて点火することで、従来手法のようにマイクロ波のみで点火する方法に比べて、マイクロ波式点火装置50で消費するエネルギーを低減することができる。
しかしながら、上記のようにプラズマ体積を拡大させて混合気に点火する場合には、拡大したプラズマが点火プラグ51の電極と干渉し、プラズマの熱によって点火プラグ51の電極が劣化しやすいという問題がある。そこで、本実施形態では、燃焼室内に生じるガス流動を利用することで、点火プラグ51の電極の劣化を抑制する。
図3は、マイクロ波によって拡大されたプラズマとガス流動との関係について示す図である。
図3(A)に示すように、混合気の点火時に、マイクロ波を発振すると点火プラグ51によって生成されたプラズマが拡大し始める。エンジン100では、図3(B)に示すように、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動が点火プラグ側からマイクロ波発振用アンテナ側に向かって流れるので、このガス流動によってプラズマが図中右側に移動する。このようにプラズマが移動しても、高電界領域Pを通過している間は、図3(C)に示すようにプラズマは拡大し続ける。
このように本実施形態では、燃焼室内に生起されたガス流動によってプラズマを点火部51aから移動させつつ、プラズマ体積を拡大して燃焼室内の混合気に体積点火するので、点火プラグ51の電極の劣化を抑制することができる。
上記したエンジン100は、図4に示す運転マップに基づいて運転される。
図4(A)は、エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。実線Aは、マイクロ波の発振時間の長さが等しくなる運転点を結ぶ線である。破線Bは、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動の強度が等しくなる運転点を結ぶ線である。
図4(A)に示すように、エンジン100は、負荷が所定値T1よりも小さい場合には、マイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大し、混合気に体積点火するように制御される。また、エンジン100は、負荷が所定値T1よりも大きい場合には、点火プラグ51のみによって点火するように制御される。なお、所定値T1は、本実施形態を適用するエンジンの仕様等により異なる。
エンジン100では、破線Bに示すように、エンジン回転速度が大きくなるほど、吸気ポート30からの吸気に起因して生じるガス流動は強くなる。このようにガス流動が変化すると、エンジン運転状態に応じてプラズマが高電界領域Pを通過する時間が変化する。そこで、本実施形態では、エンジン運転状態に応じてマイクロ波を発振する発振時間を変化させてプラズマを拡大し、運転状態に応じたプラズマ体積を設定する。
マイクロ波を発振する運転領域では、実線Aに示すように、マイクロ波の発振時間を低回転速度・低負荷側で最も長くし、低回転速度・高負荷側で最も短くなるように設定する。また、低負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振時間が短くなるように設定され、高負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振時間が長くなるように設定される。つまり、マイクロ波を発振する運転領域のうち、低負荷側ではマイクロ波発振エネルギーを大きくし、高負荷側ではマイクロ波発振エネルギーを小さくする。
マイクロ波を発振する運転領域の低負荷側において、低回転速度・低負荷側では、エンジン回転速度が小さいため、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動は弱い。そのため、点火プラグ51によって生成されたプラズマは、図4(B)に示すように高電界領域Pをゆっくりと移動する。この運転領域では、プラズマが高電界領域Pを通過する時間が長くなるとともに、マイクロ波の発振時間がマイクロ波を発振する他の運転領域と比較して最も長くなるように設定されているので、プラズマ体積が最大となる。そのため、低回転速度・低負荷時においても燃焼性を安定させることができる。
高回転速度・低負荷側では、エンジン回転速度が大きくなるのでガス流動が強くなって、図4(C)に示すようにプラズマが高電界領域Pを移動するときの速度が早くなる。この運転領域では、マイクロ波の発振時間は、低回転速度・低負荷側よりも僅かに短くなるものの、高負荷側と比べて長く設定されるので、プラズマの移動速度が早くなっても、プラズマ体積を大きくすることができる。なお、高回転速度・低負荷側において、マイクロ波の発振時間うぃ低回転速度・低負荷側よりも短く設定することで、マイクロ波式点火装置50に過剰なエネルギーを投入することが抑制されるので、マイクロ波式点火装置50でのエネルギー効率が向上する。
一方、マイクロ波を発振する運転領域の高負荷側において、低回転速度・高負荷側では、エンジン回転速度が小さいため、ガス流動は弱くなる。そうすると、図4(D)に示すようにプラズマが高電界領域Pをゆっくりと移動するので、プラズマが拡大しやすくなる。プラズマ体積が大きくなった状態で体積点火すると、燃焼が急峻となってノッキングが発生しやすくなる。しかしながら、低回転速度・高負荷側では、マイクロ波の発振時間が最も短くなるように設定するので、プラズマの移動速度が遅くても、プラズマ体積を小さくすることができ、ノッキングの発生を抑制することができる。
また、高回転速度・高負荷側では、エンジン回転速度が大きいためにガス流動が強く、図4(E)に示すようにプラズマが高電界領域Pを早く通過してしまう。このように、この運転領域では、プラズマの移動速度が早くなるが、マイクロ波の発振時間を低回転速度・高負荷側よりも長くするので、燃焼促進ができる程度にプラズマ体積を拡大することができる。
以上により、第1実施形態では下記の効果を得ることができる。
本実施形態では、点火プラグ51によって生成したプラズマにマイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大するとともに、燃焼室内に生起されたガス流動によってプラズマを点火部51aから移動させる。そのため、マイクロ波のみによって混合気に点火する場合よりもマイクロ波式点火装置50で消費するエネルギーを低減することができるとともに、点火プラグ51の電極の劣化を抑制することができる。
吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動はエンジン回転速度に応じて変化するが、マイクロ波の発振時間をエンジン運転状態に応じて調整するので、エンジン運転状態に応じたプラズマ体積を設定することができる。これにより、エンジン運転状態に応じた最適な燃焼を行うことができ、高エネルギー効率でエンジン100を運転することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のエンジン100の概略構成図である。
第2実施形態のエンジン100は、第1実施形態とほぼ同様であるが、吸気ポート30に流動生起弁35を設ける点において一部相違する。つまり、流動生起弁35を制御することで燃焼室内に生起されるガス流動の強度を調整するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
エンジン100は、図5に示すように、吸気ポート内を上下通路30a、30bに隔てる隔壁36を吸気ポート30の長さ方向に沿って形成する。また、吸気ポート30の上流側には、エンジン運転状態に応じて下側通路30bを開閉する流動生起弁35が設けられる。流動生起弁35によって下側通路30bを閉塞して、吸気が通過できる吸気ポート内の断面積が減少すると、上側通路30aを通過するときに吸気の流速が高速化される。上側通路30aを通って高速化された吸気は、隔壁36によって指向されて燃焼室13に流入するので、矢印Aで示すように、燃焼室内にタンブル流を生起する。
なお、流動生起弁35によって生起される流動ガスの流れ方向は、第1実施形態で説明した吸気ポート形状に起因して生起される流動ガスの流れ方向と一致する。
上記したエンジン100は、図6に示す運転マップに基づいて運転される。
図6(A)は、エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。破線Bは、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動の強度が等しい運転点を結ぶ線である。一点鎖線Cは、流動生起弁35の開度が等しい運転点を結ぶ線である。また、実線Dは、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の強度が等しい運転点を結ぶ線である。
エンジン100は、図6(A)に示すように、負荷が所定値T1よりも小さい場合にマイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大して点火し、負荷が所定値T1よりも大きい場合には、流動生起弁35は全開に設定するとともに点火プラグ51のみによって点火する。
エンジン100では、マイクロ波を発振する運転領域において、マイクロ波の発振時間及び発振出力は一定とされる。つまり、マイクロ波の発振エネルギーは一定となる。そのため、本実施形態では、燃焼室内に生起されるガス流動を制御することによって、プラズマが高電界領域Pを通過する時間を調整し、運転条件に応じたプラズマ体積を設定する。なお、運転条件に応じてマイクロ波の発振エネルギーを調整するようにしてもよい。
ここで、エンジン100では、一点鎖線Cに示すように、高回転速度・低負荷側から低回転速度・高負荷側に向けて流動生起弁35の開度が小さくなるように制御する。つまり、流動生起弁35によって燃焼室内に生起されるガス流動は、低回転速度・高負荷側で強く、高回転速度・低負荷側で弱くなる。これに対して、吸気ポート形状に起因して燃焼室内に生起されるガス流動は、破線Bに示すように、エンジン回転速度が大きくなるほど強くなる。したがって、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の強度は、実線Dに示すように低回転速度・低負荷側において弱くなり、高回転速度・高負荷側において強くなる。
そのため、マイクロ波を発振する運転領域のうち低回転速度・低負荷側では、ガス流動が最も弱くなり、図6(B)に示すようにプラズマが高電界領域Pをゆっくりと通過するので、プラズマ体積が最大となる。
また、高回転速度・低負荷側では、ガス流動が少し強くなるので、図6(C)に示すように低回転速度・低負荷側よりもプラズマが高電界領域Pを早く通過するものの、プラズマ体積を大きくすることができる。
そして、低回転速度・高負荷側及び高回転速度・高負荷側では、ガス流動が強くなり、図6(D)及び図6(E)プラズマが高電界領域Pを早く通過してしまうため、プラズマ体積が小さくなる。
以上により、第2実施形態では下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、点火プラグ51によって生成したプラズマにマイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大するとともに、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動によってプラズマを点火部51aから移動させる。そのため、マイクロ波のみによって混合気に点火する場合よりもマイクロ波式点火装置50で消費するエネルギーを低減することができるとともに、点火プラグ51の電極の劣化を抑制することができる。
また、エンジン100では、マイクロ波の発振エネルギーを一定とし、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の強度を低回転速度・低負荷側から高回転速度・高負荷側に向かって強くなるように制御する。これにより、エンジン運転状態に応じたプラズマ体積を設定することができ、高エネルギー効率でエンジン100を運転することができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態のエンジン100の概略構成図である。
第3実施形態のエンジン100の構成は、第2実施形態とほぼ同様であるが、シリンダヘッド20の下面に圧縮面21を形成する点において一部相違する。つまり、圧縮面21とピストン11との間からスキッシュ流を発生させるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
第3実施形態のエンジン100は、図7(A)に示す通り、排気ポート側のシリンダヘッド20の下面に圧縮面21を形成する。この圧縮面21は、シリンダ12よりも径方向内側に突出し、ピストン11の冠面11aと平行に対向する。したがって、ピストン11が上死点位置にある場合に、シリンダヘッド20の圧縮面21とピストン11との間には、所定の間隙(以下「スキッシュクリアランス」という)を有する。そのため、ピストン11が下死点から上死点に移動した場合には、スキッシュクリアランスで圧縮された混合気が矢印Aに示すように押し出されて、燃焼室内にスキッシュ流が生じる。
スキッシュ流は、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の流れ方向とは反対方向に流れる。つまり、点火プラグ近傍のスキッシュ流は、マイクロ波発振用アンテナ52から点火プラグ51に向かって図中右から左に流れる。このスキッシュ流の強度は、スキッシュクリアランスを調整することで制御できる。スキッシュクリアランスは、ピストン11の上死点位置を変えることによって調整できる。そのため、エンジン100は、ピストン上死点位置を変更して圧縮比を可変とする圧縮比可変機構70を備える。
図7(B)に示すように、エンジン100の圧縮比可変機構70は、ピストン11とクランクシャフト80とをアッパリンク71、ロアリンク72で連結して、コントロールリンク73でロアリンク72の姿勢を制御することで圧縮比を変更する。
アッパリンク71は、上端でピストンピン74を介してピストン11に連結する。アッパリンク71は、下端で連結ピン75を介してロアリンク72の一端に連結する。ロアリンク72の他端は、連結ピン76を介してコントロールリンク73に連結する。ロアリンク72は、図中左右の2部材から分割可能に構成され、ほぼ中央に連結孔72aを有する。ロアリンク72は、連結孔72aにクランクシャフト80のクランクピン81を挿入し、クランクピン81を中心軸として揺動する。
クランクシャフト80は、クランクピン81、ジャーナル82及びカウンターウェイト83を備える。クランクピン81の中心はジャーナル82の中心から所定量偏心している。カウンターウェイト83は、クランクアームに一体形成されて、ピストン運動の回転1次振動成分を低減する。
コントロールリンク73は、上端で連結ピン76を介してロアリンク72に対して回動自在に連結する。また、コントロールリンク73は、下端で連結ピン77を介して、クランクシャフト80と平行に配置されるコントロールシャフト78に連結する。連結ピン77は、コントロールシャフト78の軸心から所定量偏心しており、コントロールリンク73がその連結ピン77を軸心として揺動する。コントロールシャフト78は、外周にギア78aを形成する。このギア78aが、シリンダブロック10の側部に取付けられたアクチュエータ79の回転軸79aに設けられたギア79bに噛合する。
上記のように構成されるエンジン100では、ピストン11の往復運動はアッパリンク71に伝達され、ロアリンク72を介してクランクシャフト80の回転運動に変化される。この場合には、ロアリンク72はクランクピン81を中心軸として揺動しながら、クランクシャフト80の中心に対して図中反時計回りに回転する。ロアリンク72に連結するコントロールリンク73は、下端に連結するコントロールシャフト78の連結ピン77を支点として揺動する。コントロールシャフト78と連結ピン77とは偏心しているため、アクチュエータ79によってコントロールシャフト78が回転すると、連結ピン77が移動する。この連結ピン77の移動によってコントロールリンク73の揺動中心が変化するため、これによりアッパリンク71及びロアリンク72の姿勢を変えることができ、ピストン11の上死点位置を所定の範囲内で任意に調整できる。
このエンジン100では、圧縮比を低くしてピストン11の上死点位置を低下させると、スキッシュクリアランスが大きくなるので、スキッシュ流の強度が弱くなる。これに対して、圧縮比を高くしてピストン11の上死点位置を上昇させると、スキッシュクリアランスは小さくなるので、スキッシュ流の強度が強くなる。
上記のように構成されるエンジン100は、図8に示す運転マップに基づいて運転される。
図8(A)は、エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。実線Eは、マイクロ波の発振出力の大きさが等しい運転点を結ぶ線である。また、破線Fは、エンジン100の圧縮比が等しい運転点を結ぶ線である。
エンジン100は、図8(A)に示すように、負荷が所定値T1よりも小さい場合にマイクロ波を発振し、プラズマ体積を拡大して混合気に点火し、負荷が所定値T1よりも大きい場合には、流動生起弁35は全開に設定するとともに、点火プラグ51のみによって混合気に点火する。
マイクロ波を発振する運転領域では、実線Eに示すように、マイクロ波の発振出力を低回転速度・低負荷側で最大とし、低回転速度・高負荷側で最小となるように設定する。また、低負荷側では回転速度が大きくなるほどマイクロ波の発振出力が小さくなるように設定され、高負荷側では回転速度が大きくなるほどマイクロ波の発振出力が大きくなるように設定される。
また、マイクロ波を発振する運転領域は、圧縮比を変更する領域Rと、流動生起弁開度を変更する領域Sと、圧縮比及び流動生起弁開度を一定とする領域Tとに分けられる。
領域Rは、マイクロ波を発振する運転領域のうち低回転速度・低負荷側と高回転速度・低負荷側に設定される。この領域Rでは、流動生起弁開度は制御されず全開となっており、マイクロ波の発振出力と圧縮比とが制御される。圧縮比は、一点鎖線Fに示すように、高回転速度・低負荷側に向かって低下するように、圧縮比可変機構70によって制御される。高回転速度・低負荷側ほどピストン上死点位置が上昇するので、スキッシュ流強度が強くなる。
低回転速度・低負荷側では、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動は非常に弱いため、圧縮比の低下によってスキッシュ流が生起されると、図8(B)に示すように点火プラグ近傍にはマイクロ波発振用アンテナ側から点火プラグ側に向かって流れる弱いガス流動が生じる。プラズマは高電界領域Pをゆっくりと通過し、さらにマイクロ波の発振出力は最も大きく設定されているので、低回転速度・低負荷側においてプラズマ体積が大となる。
また、高回転速度・低負荷側では、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動はエンジン回転速度の上昇ともなって大きくなるが、圧縮比が最も高く設定されるのでスキッシュ流強度も強くなる。そうすると、図8(C)に示すように点火プラグ近傍にはマイクロ波発振用アンテナ側から点火プラグ側に向かって流れるガス流動が生じる。このガス流動は、低回転速度・低負荷時よりは強度が強くなる。このとき、マイクロ波の発振出力は比較的大きく設定されており、プラズマは高電界領域Pを僅かに早く通過する程度なので、低回転速度・低負荷時よりは小さくなるもののプラズマの体積を大きく拡大できる。
一方、領域Sは、マイクロ波を発振する運転領域のうち低回転速度・高負荷側に設定される。この領域Sでは、圧縮比が低圧縮比で一定に設定され、マイクロ波の発振出力と流動生起弁開度とが制御される。流動生起弁35の開度は、低回転速度・高負荷側に向かって小さくなるように制御される。
低回転速度・高負荷側では、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動の流れ方向と、流動生起弁35によってもガス流動の流れ方向が一致する。そのため、図8(D)に示すように点火プラグ51の近傍には、点火プラグ側からマイクロ波発振用アンテナ側に向かって流れる強いガス流動が生じる。このとき、マイクロ波の発振出力は最も小さくなるように設定されており、プラズマも上記ガス流動によって高電界領域Pを早く通過するので、プラズマ体積は小さくなる。
領域Tは、マイクロ波を発振する運転領域のうち高回転速度・高負荷側に設定される。この領域Tでは、流動生起弁開度は制御されず全開となっており、圧縮比は低圧縮比で一定に設定され、マイクロ波の発振出力のみが制御される。
高回転速度・高負荷側では、吸気ポート形状に起因して生起されるガス流動は回転速度の上昇ともなって大きくなるので、図8(E)に示すように点火プラグ近傍には点火プラグ側からマイクロ波発振用アンテナ側に向かって流れる強いガス流動が生じる。プラズマは高電界領域Pを早く通過し、さらにマイクロ波の発振出力は比較的小さく設定されているので、プラズマ体積が小となる。
以上により、第3実施形態では、下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、吸気ポート形状や流動生起弁35、スキッシュ流によって、点火プラグ51で生成されたプラズマを点火プラグ近傍から離れさせるので、点火プラグ51の電極の劣化を抑制することができる。
また、圧縮比を変更してスキッシュ流強度と、流動生起弁35の開度と、マイクロ波の発振出力とを制御し、エンジン運転状態に応じてプラズマ体積を調整するので、高エネルギー効率でエンジン100を運転することが可能となる。
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態のエンジン100のマイクロ波式点火装置50を示す図である。
第4実施形態のエンジン100は、第2実施形態とほぼ同様であるが、マイクロ波発振用アンテナ52の設置位置において一部相違する。つまり、マイクロ波発振用アンテナ52を、点火プラグ51に対して、ガス流動の流れ方向の上流側に配置するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
マイクロ波式点火装置50では、点火プラグ51の点火部51aでの電界強度を高くするためにマイクロ波発振用アンテナ52の先端を燃焼室内に突出させて、マイクロ波発振用アンテナ52の先端と点火部51aとを近くづけることがある。この場合に、第1実施形態や第2実施形態のように、マイクロ波発振用アンテナ52を点火プラグ51に対してガス流動のガス流れ方向の上流側に配置すると、ガス流動によって移動したプラズマとマイクロ波発振用アンテナ52とが干渉し、プラズマの熱によってマイクロ波発振用アンテナ52の先端が劣化してしまうという問題がある。
そこで、本実施形態では、図9(A)に示すように、マイクロ波発振用アンテナ52を、点火プラグ51に対して、ガス流動のガス流れ方向の上流側に配置する。マイクロ波を発振しているときに点火プラグ51によってプラズマを生成すると、領域Qで示すようにプラズマが拡大し始める。エンジン100では、図9(B)に示すように、マイクロ波発振用アンテナ52から点火プラグ51に向かってガス流動が生起されるので、点火部51aで生成されたプラズマは図中右側に移動する。プラズマが高電界領域P内を移動している間は、図9(C)に示すようにプラズマ体積は増大し続ける。このように本実施形態では、燃焼室内に生起されたガス流動によってプラズマを点火部51a及びマイクロ波発振用アンテナから離れさせるとともに、プラズマ体積を拡大して燃焼室内の混合気に体積点火するので、点火プラグ51の電極の摩耗を抑制できるだけでなく、マイクロ波発振用アンテナ52の先端の劣化を抑制できる。
上記したエンジン100は、図10に示す運転マップに基づいて運転される。
図10(A)は、エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。破線Dは、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の強度が等しい運転点を結ぶ線である。また、実線Eは、マイクロ波の発振出力の大きさが等しい運転点を結ぶ線である。
エンジン100は、図10(A)に示すように、負荷が所定値T1よりも小さい場合にマイクロ波を発振してプラズマ体積を拡大して混合気に点火し、負荷が所定値T1よりも大きい場合には、流動生起弁35は全開に設定するとともに、点火プラグ51のみによって混合気に点火する。
第4実施形態では、マイクロ波を発振する運転領域において、マイクロ波の発振出力と燃焼室内に生起されるガス流動の強度とを制御することによって、運転条件に応じたプラズマ体積を設定する。
エンジン100は、第2実施形態と同様に、低回転速度・高負荷側から高回転速度・低負荷側に向けて流動生起弁35の開度が大きくなるように制御する。そのため、吸気ポート形状に起因するガス流動と流動生起弁開度に起因するガス流動とによって燃焼室内に生起されるガス流動の強度は、破線Dに示すように低回転速度・低負荷側において弱くなり、高回転速度・高負荷側において強くなる。
また、エンジン100では、実線Eに示すように、マイクロ波の発振出力を低回転速度・低負荷側で最大とし、低回転速度・高負荷側で最小となるように設定する。また、低負荷側では回転速度が大きくなるほど、マイクロ波の発振出力が小さくなるように制御され、高負荷側では回転速度が大きくなるほど、マイクロ波の発振出力が大きくなるように設定される。
マイクロ波を発振する運転領域において、低回転速度・低負荷側では、マイクロ波の発振出力は最大となる。また、ガス流動は弱いので、図10(B)に示すようにプラズマが高電界領域Pをゆっくりと移動する。そのため、プラズマ体積が最大となる。
高回転速度・低負荷側では、ガス流動が少し強くなるので、図10(C)に示すように低回転速度・低負荷側よりもプラズマが高電界領域Pを早く通過するものの、マイクロ波の発振エネルギーは比較的大きく設定されているので、プラズマ体積を大きく維持することができる。
低回転速度・高負荷側では、マイクロ波の発振出力は最小となる。また、ガス流動が強いので、図10(D)に示すようにプラズマが高電界領域Pを早く移動する。そのため、プラズマ体積が小さくなる。
高回転速度・高負荷側では、マイクロ波の発振出力が低回転速度・高負荷側よりも大きくなるが、ガス流動が最も強くなって、図10(E)に示すようにプラズマが高電界領域Pを早く移動してしまうので、プラズマ体積は小さくなる。
以上により、第4実施形態では下記の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、燃焼室内に生起されたガス流動によってプラズマを点火部51a及びマイクロ波発振用アンテナから離れさせるとともに、プラズマ体積を拡大して燃焼室内の混合気に体積点火するので、マイクロ波発振用アンテナ52の先端が燃焼室内に突出するように構成される場合であっても、点火プラグ51の電極の摩耗を抑制できるだけでなく、マイクロ波発振用アンテナ52の先端の劣化を抑制できる。
また、エンジン100では、流動生起弁35の開度と、マイクロ波の発振出力とを制御し、エンジン運転状態に応じてプラズマ体積を調整するので、高エネルギー効率でエンジン100を運転することが可能となる。
本発明は上記した実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
例えば、第1実施形態では、マイクロ波を発振する運転領域の低回転速度・高負荷側において、第2実施形態と同様に流動生起弁35によって燃焼室内のガス流動を強化するようにしてもよい。つまり、低回転速度・高負荷側の運転領域において、回転速度が小さく負荷が大きくなるほど流動生起弁開度を小さくし、吸気ポート形状と流動生起弁35とによって燃焼室内に生起される流動ガスの強度が回転速度及び負荷が大きくなるほど強くなるようにする。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、マイクロ波を発振する運転領域の低回転速度・高負荷側においてノッキングの発生をより低減することが可能となる。
また、第1実施形態では、マイクロ波の発振時間を制御したが、発振出力を制御するようにしてもよい。つまり、マイクロ波の発振出力を低回転速度・低負荷側で最も大きくし、低回転速度・高負荷側で最も小さくするように設定する。また、低負荷側では回転速度が大きくなるほど発振出力が小さくなるようにし、高負荷側では回転速度が大きくなるほど発振出力が大きくなるように設定する。
さらに、第3実施形態及び第4実施形態では、マイクロ波の発振出力を制御したが、第1実施形態のように発振時間を制御するようにしても同様の効果を得ることができる。
マイクロ波式点火装置が適用されるエンジンの概略構成図である。 マイクロ波のマイクロ波発振エネルギーについて説明する図である。 マイクロ波によって拡大されたプラズマとガス流動との関係について示す図である。 エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。 第2実施形態のエンジンの概略構成図である。 エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。 第3実施形態のエンジンの概略構成図である。 エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。 第4実施形態のエンジンのマイクロ波式点火装置を示す図である。 エンジン回転速度と負荷とによって表される運転マップを示す。
符号の説明
100 エンジン
11 ピストン
12 シリンダ
13 燃焼室
20 シリンダヘッド
21 圧縮面(逆流動生起手段、対向面)
30 吸気ポート
30a 上側通路
30b 下側通路
35 流動生起弁(流動強度制御手段)
36 隔壁
40 排気ポート
50 マイクロ波式点火装置
51 点火プラグ
51a 点火部(放電部)
52 マイクロ波発振用アンテナ(マイクロ波発振手段)
53 マイクロ波発振装置(マイクロ波発振手段)
60 コントローラ
70 圧縮比可変機構(間隙調整手段)
71 アッパリンク
72 ロアリンク
73 コントロールリンク
78 コントロールシャフト

Claims (14)

  1. 燃焼室内に放電する点火プラグと、
    前記点火プラグの放電部にマイクロ波を発振し、放電部周辺の電界強度を高めて、放電部に生成されたプラズマの体積を拡大するマイクロ波発振手段と、
    前記マイクロ波発振手段からのマイクロ波によって拡大したプラズマを、前記点火プラグの放電部から離すように前記燃焼室内にガス流動を生起するガス流動生起手段と、を備えることを特徴とするエンジンの点火装置。
  2. 前記ガス流動生起手段は、前記燃焼室に接続する吸気ポートであって、
    前記ガス流動は、前記吸気ポート形状に起因して生起される流動であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火装置。
  3. 前記マイクロ波発振手段は、マイクロ波を発振するエンジン運転領域において、負荷が大きくなるほどマイクロ波を発振する発振時間を短く設定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの点火装置。
  4. 前記マイクロ波発振手段は、低負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振時間を短くし、高負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振時間を長くする、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  5. 前記マイクロ波発振手段は、低回転速度・低負荷側でマイクロ波を発振する発振時間を最も長く設定し、低回転速度・高負荷側で発振時間を最も短く設定する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  6. 前記マイクロ波発振手段は、マイクロ波を発振するエンジン運転領域において、負荷が大きくなるほどマイクロ波発振時の発振出力を小さく設定する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの点火装置。
  7. 前記マイクロ波発振手段は、低負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振出力を小さくし、高負荷側ではエンジン回転速度が大きくなるほど発振出力を大きくする、ことを特徴とする請求項1、2、6のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  8. 前記マイクロ波発振手段は、低回転速度・低負荷側で発振出力を最も大きく設定し、低回転速度・高負荷側で発振出力を最も小さく設定する、ことを特徴とする請求項1、2、6、7のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  9. 前記燃焼室内に生起されるガス流動の流れ方向と同方向にガス流動を生起することで、燃焼室内に生起されるガス流動の強度を制御する流動強度制御手段を備え、
    前記流動強度制御手段は、低回転速度・低負荷側から高回転速度・高負荷側に向かうにしたがって燃焼室内のガス流動強度を強くする、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  10. 前記流動強度制御手段は、
    前記吸気ポート内を上側通路と下側通路とに隔てる隔壁と、
    前記隔壁よりも上流側に形成され、前記吸気ポートの下側通路を開閉可能な流動生起弁と、
    エンジン運転状態が高回転速度・低負荷側から低回転速度・高負荷側に向かうにしたがって前記流動生起弁の開度を小さくする制御する開度制御手段と、を備えることを特徴とする請求項9に記載のエンジンの点火装置。
  11. 前記燃焼室内に生起されるガス流動の流れ方向と反対方向のガス流動を生起する逆流動生起手段を備え、
    前記逆流動生起手段は、低回転速度・高負荷側から高回転速度・低負荷側に向かうにしたがって前記反対方向のガス流動の強度を強くする、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
  12. 前記逆流動生起手段は、
    排気ポート側のシリンダの内径周縁に、シリンダヘッドの内側壁と対向する対向面を有するピストンと、
    前記ピストンの上死点位置を変化させることで、前記シリンダヘッドの下面と前記ピストンの対向面との間の間隙を調整して、前記燃焼室に生じるスキッシュ流の強さを調整する間隙調整手段と、を備え、
    低回転速度・高負荷側から高回転速度・低負荷側に向かうにしたがって前記シリンダヘッドの下面と前記ピストンの対向面との間の間隙を小さくして、スキッシュ流強度を強くする、ことを特徴とする請求項11に記載のエンジンの点火装置。
  13. 前記間隙調整手段は、
    前記ピストンとクランクシャフトとを複数のリンクで連結するとともに、リンクの姿勢を変化させることでピストン上死点位置を変化させて圧縮比を可変とする圧縮比可変機構を備え、
    前記間隙は圧縮比を高くすることで小さくなる、ことを特徴とする請求項12に記載のエンジンの点火装置。
  14. 前記マイクロ波発振手段は、マイクロを発振する発振部が前記燃焼室内に突出形成されるとともに、前記点火プラグに対して前記ガス流動の流れ方向上流側に配置され、
    ことを特徴と請求項1〜10のいずれか一つに記載のエンジンの点火装置。
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