JP3767383B2 - 筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内直噴式火花点火エンジンでは一般に所定運転域で成層燃焼運転を行うが、成層燃焼域においては、筒内(燃焼室内)のガス流動などを利用して燃料噴射弁より圧縮行程で燃焼室内に直接噴射された燃料の噴霧を点火プラグ近傍へと導いて着火するとともに、近接2回点火により放電期間を長くして成層燃焼を安定させようとするものがある(特開平9−112398号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、従来装置では点火コイルを1つしか備えていないので、1回目の点火による放電の後にいったん放電を中止し点火コイルに再び電磁エネルギが充電されるのを待たないと2回目の点火による放電を行わせることができない。すなわち、近接2回点火による放電期間の間に非放電期間が発生して点火エネルギの供給が止まり、この間着火の機会を失う。
【0004】
また、2回目の点火のためにいったん放電を中止して点火コイルに電磁エネルギを充電しなければならない、つまり途中充電期間が生じるので、1回目の点火と2回目の点火の間隔(この点火の間隔を以下単に「点火間隔」という)をこの途中充電期間より短くすることができない。特に途中充電期間が長引いて点火間隔が広くなるときには1回目の点火に失敗して2回目の点火により着火する場合に着火時期が大きく遅れ、着火時期の遅れは熱発生率のピークを遅らせるので、熱発生をエンジントルクとして取り出すことができないこともあり得る。
【0005】
一方、点火エネルギーを大きくすることが成層燃焼の安定性に寄与する。このため、従来装置で点火エネルギを大きくしようとすると、点火コイルの1次側、2次側の各インダクタンスを大きくしなければならないが、インダクタンスを大きくしたのでは、点火間隔を拡大させてしまう。
【0006】
このように、従来装置によれば、非放電期間(途中充電期間)で着火の機会が失われること、点火間隔を詰めることができないこと、点火エネルギを増加させようとすれば点火間隔に影響与えてしまうことなどの問題がある。
【0007】
そこで本発明は、2つの点火コイルを1つの点火プラグに並列に接続し、点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方の点火コイルの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイルの1次側電流を遮断して2回目の点火を行う構成とすることにより、近接2回点火を行う場合に非放電期間を無くして着火の機会を増やすこと、点火間隔を自在に設定可能とすること、あわせて点火エネルギの増大にも寄与させることを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
第1の発明は、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、所定運転域(成層燃焼域)での圧縮行程で燃料噴射弁を開弁させる燃料噴射パルス信号を出力し、成層燃焼を行わせる筒内直噴式火花点火エンジンにおいて、2つの点火コイルを1つの点火プラグに並列に接続し、点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方の点火コイルの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイルの1次側電流を遮断して2回目の点火を行う構成とし、圧縮行程でシリンダ内に噴射された燃料噴霧が作る混合気塊の先端が点火プラグ近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、後からやってくる混合気に対して2回目の点火を行う
【0009】
第2の発明では、第1の発明において燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧が点火プラグ周りに作る混合気塊の状態により点火間隔を変化させる。
【0010】
第3の発明では、第2の発明において燃料噴射パルス信号の燃料噴射パルス幅に応じて点火間隔を設定する(燃料噴射パルス幅が短いときには点火間隔を狭く、逆に長いときには点火間隔を長くする)。
【0011】
第4の発明では、第2または第3の発明において点火間隔に上限値を設定し、この上限値以上に点火間隔を広げない。
【0012】
第5の発明は、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、所定運転域(成層燃焼域)での圧縮行程で燃料噴射弁を開弁させる燃料噴射パルス信号を出力し、成層燃焼を行わせる筒内直噴式火花点火エンジンにおいて、2つの点火コイルを1つの点火プラグに並列に接続し、燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧が点火プラグ近傍に作る混合気塊の状態により1回点火と2回点火とを選択的に切換え、2回点火に切換えたときには点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方の点火コイルの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイルの1次側電流を遮断して2回目の点火を行い、1回点火に切換えたときには1つの点火信号を作り、いずれかの点火コイルの一次側電流を遮断して点火を行う構成とし、前記2回点火に切換えたときに圧縮行程でシリンダ内に噴射された燃料噴霧が作る混合気塊の先端が点火プラグ近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、後からやってくる混合気に対して2回目の点火を行う
【0013】
第6の発明では、第5の発明において燃料噴霧が作る混合気塊が長い状態で点火プラグ近傍に到達する場合に2回点火を、これに対して燃料噴霧が作る混合気塊が丸まった状態で点火プラグ近傍に到達する場合に1回点火を選択する。
【0014】
第7の発明では、第6の発明において混合気塊が長い状態で点火プラグ近傍に到達する場合が、燃料噴射弁より噴射された燃料がその燃料噴霧の貫徹力により点火プラグ近傍に到達する場合である。
【0015】
第8の発明では、第6の発明において混合気塊が丸まった状態で点火プラグ近傍に到達する場合が、吸気ポートからシリンダに流入する吸気によりシリンダ内に生じるガス流動の助けを借りて、燃料噴射弁より噴射された燃料が点火プラグ近傍へと輸送される場合である。
【0016】
【発明の効果】
第1の発明によれば、1つの点火プラグに対して2つの点火コイルを並列に備えるので、点火時期が近接する1回目の点火と2回目の点火の間で非放電期間が発生しないようにすることが可能となり、着火機会が増加する。また、2回目の点火からは2つの点火コイルからの点火エネルギが合わさって供給されるので、2回目の点火時期より点火エネルギが増大される。
【0017】
このように、着火機会の増加により不安定な混合気場での燃焼である成層燃焼の安定性の悪化が防止され、また着火エネルギの増大によりリーン雰囲気での着火性が改善される。
【0018】
さらに2つの点火コイルを独立に制御するので、点火間隔が狭い場合を含めて点火間隔を自在に設定することができる。
【0019】
第2、第3の発明によれば、点火プラグ近傍に作る混合気塊の状態に応じて着火の機会を最適に与えることができる。たとえば、燃料噴射パルス幅は燃料噴射弁の開弁時間であるため燃料噴射パルス幅が長くなるとき、燃料噴射弁より噴射された燃料噴霧が作る混合気塊も長くなる。長くなった混合気塊が点火プラグを通過する状態を考え、この混合気塊の先端が点火プラグ近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、1回目の点火による着火に失敗したあとすぐ続けて2回目の点火を行うと、遅れてやってくる混合気に対して着火の機会を逃す。したがって、長い混合気塊のときには2回目の点火を遅らせたほうが、後からやってくる混合気に対しての着火の可能性が高まる。すなわち、長い混合気塊のときには短い混合気塊のときより点火間隔を広げることで長い混合気塊のときに最適な着火の機会が与えられる。
【0020】
点火間隔が広がるほど1回目の点火による着火に失敗した後の2回目の点火による着火の時期が大幅に遅れ、着火時期の遅れは熱発生率のピークを遅らせるので、熱発生をエンジントルクとして取り出すことができないことがあり得るのであるが、第4の発明によれば、例えば熱発生をエンジントルクとして取り出すことができる最大の点火間隔を上限値として設定しておくことで、燃焼そのものは安定していてもその熱発生よりエンジントルクを取り出せない事態を避けることができる。
【0021】
混合気塊は長いまま点火プラグ近傍へと到達するほか、ガス流動の助けがあれば丸まった状態で点火プラグに到達する。この丸まった状態では2回点火するまでもなく1回点火で十分着火可能となる。第5、第6、第7、第8の発明では、混合気塊が長い状態で点火プラグ近傍へと到達する場合に2回点火を、これに対して混合気塊が丸まった状態で点火プラグに到達する場合に1回点火を選択させることで、燃料噴霧が点火プラグ近傍に作る混合気塊の状態に応じた過不足のない点火が可能となる。点火プラグの耐摩耗性や点火コイルの発熱等の観点から常時2回点火とするのでは耐久性の低下や仕様の向上によるコストアップを伴うのであるが、2回点火を行うまでもないときに1回点火に切換えることで、これらの懸案を解消できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
図1に示すように、シリンダヘッド2と、シリンダブロック3に形成されるシリンダ4と、このシリンダ4を摺動するピストン5との間に燃焼室6が画成される。点火プラグ7が燃焼室中央部に臨み、ペントルーフ型に傾斜する燃焼室天井壁には2本の吸気ポート8a、8bと2本の排気ポート9a、9bが点火プラグ7を挟むようにして互いに対向して設けられる。10a、10bは吸気ポート8a、8bの燃焼室6への開口部を開閉するための吸気バルブ、11a、11bは排気ポート9a、9bの燃焼室6への開口部を開閉するための排気バルブである。
【0024】
燃焼室天井壁にはその側部から燃焼室6に臨む燃料噴射弁12が設けられる。燃料噴射弁12は各吸気弁10a、10bの側方で、かつ各吸気ポート8a、8bの間に位置して燃焼室6に臨んでいる。
【0025】
燃料噴射弁12から所定のタイミングで燃焼室6に噴射される燃料噴霧は、各吸気バルブ10a、10bが開かれるのに伴って吸気ポート8a、8bからシリンダ4に吸入される空気と混合する。シリンダ4に形成された混合気はピストン5で圧縮された状態で点火プラグ7を介して燃料が着火燃焼する。燃焼したガスはピストン5を下降させてクランクシャフトを介して回転力を取り出した後、ピストン5が上昇する排気行程中に排気バルブ11a、11bが開かれるのに伴って各排気ポート9a、9bから排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0026】
本実施形態において、各吸気ポート8a、8bに均等に分流してシリンダ4内に流入する吸気流は、吸気ポート8a、8bの途中にあるタンブルコントロールバルブ13が閉じられるときには図1(a)において各吸気ポート8a、8bの上側半分からのみ吸気が流入することになって吸気の流速が早まり、高回転速度域や高負荷域でなくとも図2(a)矢印で示すように、ピストン5の冠部上でシリンダ4中心線と直交する軸を中心に旋回するタンブルが十分な強さで生起する。なお、図1において5aはタンブルを助長するためにピストン冠面に形成される浅皿状のキャビティである。図2(b)ではタンブルがキャビティ5a底から広がりながら上昇するように描かれているが、これは縦方向の渦流であるタンブルを見やすくしたにすぎず、実際のタンブルがこのように傾いて発生するものでない。
【0027】
燃料噴射弁12の燃料噴射方向はタンブルの吸気流れ方向と略同一方向に設定される。図2に示すように、燃料噴射弁12から噴射される燃料噴霧は、燃料噴射弁12の中心線を中心とする円錐状に広がる。上記のタンブルによって燃料噴射弁21より噴射された燃料噴霧は、点火プラグ7のある方向に導かれ、その過程で着火可能な混合気塊を形成する。そして、点火プラグ7近傍に達したこの混合気塊に対して点火を行うことで、安定した成層燃焼運転が可能になる。
【0028】
これに対して、高回転速度域や高負荷域になると、タンブルコントロールバルブ13を開いた状態でも燃焼室6内にタンブルが発生するため、タンブルコントロールバルブ25を開いた状態とし、燃焼室6内にタンブルを作りながら吸気行程で燃料を噴射することにより、燃焼室6全体に均質な混合気を生成し、これによって均質燃焼運転を行う。つまり、図3に示すように、低回転速度側かつ低負荷側の所定運転域が成層燃焼域(成層燃焼で運転する領域)であり、これを超える回転速度や負荷の領域が均質燃焼域(均質燃焼で運転する領域)となる。
【0029】
燃料噴射弁12はその開弁時期(燃料噴射時期)と開弁期間(燃料噴射量)が図4に示すように、アクセル開度センサ16からのアクセル開度(エンジン負荷相当)の信号、クランク角センサ17からの基準位置の信号(点火時期や燃料噴射時期を制御するための信号となる)やクランク角1°毎の信号等が入力されるコントロールユニット15により運転状態に応じて制御される。コントロールユニット15は、演算された燃料噴射量に対応する噴射パルス信号を燃料噴射弁12の駆動回路(図示せず)に出力する。これに伴って、駆動回路からパルス信号に対応する駆動電流が燃料噴射弁12のアクチュエータに送られ、燃料噴射弁12のニードルがリフトして噴孔を開弁する。燃料噴射パルス幅が長いほど燃料噴射弁12の開弁期間が長くなり、燃料噴射量が増えるようになっている。
【0030】
コントロールユニット12は、図3に示す所定の均質燃焼域で燃料噴射時期をピストン5が下降する吸気行程に設定するとともに、空燃比を理論空燃比を中心とした狭い範囲に収める。一方、同じく図3に示す所定の成層燃焼域で燃料噴射時期をピストン5が上昇する圧縮行程の後半に設定するとともに、空燃比を理論空燃比より希薄側に制御する。
【0031】
点火プラグ7はその放電ギャップで放電が開始される時期(点火時期)がコントロールユニット15により運転状態に応じて制御される。すなわち、成層燃焼域においてエンジンの回転速度、負荷が変われば最適な点火時期が相違するため、コントロールユニット15では、エンジンの回転速度、負荷に応じた最適な点火時期を演算し、演算された点火時期に対応する点火信号(トランジスタ駆動信号)を点火コイルの1次電流をON、OFFするためのパワートランジスタに出力する。点火時期の前にパワートランジスタをONにすることで点火コイルに1次電流に応じた電磁エネルギーが蓄えられ、点火時期にパワートランジスタがOFFにされると点火コイルの2次側に高電圧が誘起され、2次回路に直列に接続された放電ギャップの放電開始電圧に達したタイミングで放電が始まり、その放電は所定の時間継続する。
【0032】
本実施形態ではさらに、図4に示すように2つの点火コイル18a、18bを1つの点火プラグ7に並列に接続しており(1気筒だけで代表させている)、コントロールユニット15は点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方のたとえば点火コイル18aの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイル18bの1次側電流を遮断して2回目の点火を行う。点火コイル18a、18bの1次側にスイッチング手段としてのパワートランジスタ(図示しない)が独立に備えられ、各パワートランジスタがONの状態にあるときパワートランジスタががON状態にある点火コイルにバッテリ(図示しない)より1次電流が流れ、パワートランジスタがOFFにされるとき、パワートランジスタがOFFとなる点火コイルの1次電流が遮断される。
【0033】
このように近接2回点火を行い、さらに各点火の後もある程度の大きさの点火エネルギを連続して点火プラグ7の放電ギャップに与えることができるように点火コイル18a、18bの電気的性能を決定する定数(1次エネルギ、2次巻き数、2次インダクタンスなど)を定め、1回目の点火と2回目の点火の間に非放電期間が生じないようにすることにより、着火機会を増やすことと点火エネルギを増大させることとを両立させている。
【0034】
コントロールユニット15はさらに燃料噴射パルス信号の燃料噴射パルス幅Ti[ms]に応じて図5に示したように要求点火間隔ADVINT[°CA]を設定する。
【0035】
図5においてまず燃料噴射パルス幅Tiが小さいT1の範囲で燃料噴射パルス幅Tiが長くなるほど要求点火間隔を広げているのは次の理由からである。燃料噴射パルス幅Tiは燃料噴射弁12の開弁時間であるため燃料噴射パルス幅Tiが長くなると、燃料噴射弁12より噴射された燃料噴霧がつくる混合気塊も長くなる。この長くなった混合気塊が点火プラグ7を通過する状態を考え、この混合気塊の先端が点火プラグ7近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、1回目の点火による着火に失敗した後にすぐ続けて2回目の点火を行うと、遅れてやってくる混合気塊に着火する機会を逃す。したがって、点火プラグ7近傍に長い混合気塊が作られるときには短い混合気塊のときより2回目の点火を遅らせたほうが、後からやってくる混合気塊に対して着火の可能性が高まる。そこで、燃料噴射パルス幅が長くなるほど長い混合気塊がつくられるとみなして要求点火間隔を広げるようにしたものである。
【0036】
一方、要求点火間隔には破線で示す上限を設けている。これは、点火間隔を広げるにしても限度があり、これ以上広げると燃焼はするものの熱発生率のピークが大幅に遅れてエンジントルクとして取り出すことができなくなるからである。
【0037】
これについて説明すると、近接2回点火による着火時期が熱発生率のパターンに及ぼす影響を図6に示す(ただし負荷、回転速度は一定の条件)。同図において左側に示すのは点火波形(曲線)である。点火波形は横軸に時間を、縦軸に仕事率を採っている。仕事率は下方にゆくほど正で大きくなる値である。
【0038】
左側上段に示す2回点火は点火間隔を短くしたもので、1回目の点火波形Aと2回目の点火波形B1とが時間的に少しずれて重なっている。Cは2回目の点火波形B1を1回目の点火波形Aに重ねた総和としての波形である。これに対して、左側中段に示す2回点火は点火間隔を左側上段の2回点火より長くしたもので、1回目の点火波形Aからの2回目の点火波形B2の時間的ずれが大きくなっている。
【0039】
さて、左側上段、中段の各2回点火によれば1回目の点火波形Aにより着火したとき熱発生率dQ/dθのパターンは右側に示すaのようになり熱発生率のピークが圧縮上死点前にきている。これに対して2回点火のうち1回目の点火波形Aでは着火せず点火間隔の狭い2回目の点火波形B1(左側上段)により着火したときには熱発生率のパターンは右側に示すb1となって熱発生率のピークが圧縮上死点まで遅れ、点火間隔の広い2回目の点火波形B2(左側中段)により着火したときには熱発生率のパターンが右側に示すb2となって熱発生率のピークがさらに圧縮上死点後まで遅れる。
【0040】
これより、点火間隔が熱発生率のパターンに影響を及ぼし、1回目の点火による着火に失敗した場合に点火間隔が長くなるほど熱発生率のピークが圧縮上死点より遅角側にずれてゆくことがわかる。
【0041】
ここで、熱発生よりエンジントルク(回転力)として取り出すには熱発生率のピークはピストン5が圧縮上死点より下がり初めて少し経ったときにくる(つまり熱発生率のピークが圧縮上死点後の所定のクランク角範囲に収まる)必要があり、ピストン5がほとんど下死点近くまで低下した状態で熱発生率のピークがきたのでは、エンジントルクとして有効に取り出すことができない。そこで、熱発生率のピークが圧縮上死点後の所定のクランク角範囲に収まる限界に点火間隔を制限するため上限値を設けたものである。
【0042】
なお、図6左側に示す点火波形では、その点火波形の曲線と横軸とで囲まれる面積が点火エネルギを表す。2回点火においては1回目の点火による放電により点火エネルギが放出されている途中で2回目の点火による放電による点火エネルギが加わることになり、2回目の点火時期より点火エネルギが増大する。これに対して、図6左側下段に参考として示したように1回点火によっても左側中段の2回点火の場合とほぼ同じ放電期間を実現することはできる。しかしながら、左側中段の2回点火の場合には2回目の点火時期より点火エネルギが増大するに対して1回点火の場合には途中で点火エネルギを増加させることは不可能なので、2回点火のほうが1回点火の場合より着火性が向上する。
【0043】
次に、図7のフローチャートは、成層燃焼域で作る2つの独立の点火信号の各点火時期ADV1、ADV2を演算するためのルーチンを示す。このルーチンはコントロールユニット15において一定周期毎に実行される。
【0044】
まずステップ1、2でエンジン回転速度Ne、エンジン負荷等の運転条件を検出するとともに、基本噴射パルス幅Tp、燃料噴射パルス幅Tiを読み込む。ここで、Tp、Tiは燃料噴射量の演算ルーチン(図示しない)において演算される値である。このうちTpは成層燃焼を行わせるのに最適な1シリンダ当たりの燃料量を与える。Tiはこれに各種補正を施した最終値を与え、燃料噴射パルス信号の燃料噴射パルス幅である。
【0045】
ステップ3ではエンジン回転速度Neと基本噴射パルス幅Tp(エンジン負荷相当)から所定のマップを検索して近接2回点火のうちの1回目の点火時期ADV1[°CA BTDC]を演算する。この値ADV1の単位は圧縮上死点から進角側に測ったクランク角である。ADV1として、成層燃焼域で1回点火しか行わない筒内直噴式火花点火エンジンに採用される点火時期をそのまま採用してもよいし、近接2回点火用に改めてこの1回目の点火時期ADV1をマッチングにより定めてもかまわない。
【0046】
ステップ4では燃料噴射パルス幅Tiから前述の図5を内容とするテーブルを検索して要求点火間隔ADVINT[°CA]を演算し、ステップ5では上記1回目の点火時期ADV1からこのADVINTだけ遅角側の値を近接2回点火のうちの2回目の点火時期ADV2[°CA BTDC]として算出する。ステップ6では2つの点火時期ADV1、ADV2をレジスタに移す。
【0047】
図示しない点火時期制御ルーチンでは、点火時期ADV1、ADV2に基づいて、図8に示したように2つのトランジスタ駆動信号(点火信号)を独立に作り、図8上段の信号で一方のたとえば点火コイル18aの1次電流断続用パワートランジスタを、図8下段の信号で他方の点火コイル18bの1次電流断続用パワートランジスタをON、OFFする。
【0048】
ここで本実施形態の作用効果を説明する。
【0049】
本実施形態では1つの点火プラグ7に対して2つの点火コイル18a、18bを並列に接続し、コントロールユニット15により点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号(図8上段のトランジスタ駆動信号)で一方の点火コイル18aの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号(図8下段のトランジスタ駆動信号)でもう一つの点火コイル18bの1次側電流を遮断して2回目の点火を行う構成とした。すなわち、本実施形態によれば、2つの点火コイル18a、18bを並列に備えるので、点火コイル18a、18bの電気的性能を決定する定数(1次エネルギ、2次巻き数、2次インダクタンスなど)を適切に定めることで、点火時期が近接する1回目の点火と2回目の点火の間で非放電期間が発生しないようにすることが可能となる。また、2回目の点火からは2つの点火コイル18a、18bからの点火エネルギが合わさって供給されるので、2回目の点火時期より点火エネルギが増大する。この結果、着火機会の増加により不安定な混合気場での燃焼である成層燃焼の燃焼安定性の悪化が防止され、また、着火エネルギの増大によりリーン雰囲気での着火性が改善される。
【0050】
さらに、2つの点火コイル18a、18bを独立に制御するので、点火間隔が狭い場合を含めて点火間隔を自在に設定することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、燃料噴射弁12により噴射された燃料噴霧が点火プラグ7近傍に作る混合気塊の状態に応じて着火の機会を最適に与えることができる。たとえば、燃料噴射パルス幅Tiは燃料噴射弁12の開弁時間であるため燃料噴射パルス幅Tiが長くなるとき、燃料噴射弁12より噴射された燃料噴霧が生成する混合気塊も長くなる。長くなった混合気塊が点火プラグ7を通過する状態を考え、この混合気塊の先端が点火プラグ7近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、1回目の点火による着火に失敗したあとすぐ続けて2回目の点火を行うと、遅れてやってくる混合気に対して着火の機会を逃す。したがって、長い混合気塊のときには2回目の点火を遅らせたほうが、後からやってくる混合気に対して着火の可能性が高まる。すなわち、長い混合気塊のときには短い混合気塊のときより点火間隔を広くすることで、長い混合気塊のときに最適な着火の機会が与えられる。
【0052】
また、点火間隔が広がるほど1回目の点火による着火に失敗した後の2回目の点火による着火の時期が大きく遅れ、着火時期の遅れは熱発生率のピークを遅らせるので、熱発生をエンジントルクとして取り出すことができないことがあり得るのであるが、本実施形態によれば、熱発生をエンジントルクとして取り出すことができる最大の点火間隔を上限値として設定しておくことで、燃焼そのものは安定していても熱発生よりエンジントルクを取り出せない事態を避けることができる。
【0053】
次に、図9は第2実施形態の筒内直噴式火花点火エンジンの概略構成図である。このものは、シリンダ4内を上下方向に往復動するピストン5と、このピストン5とこのピストン5上方にあってシリンダヘッド2に穿設される凹所とで画成される燃焼室6と、燃焼室6の天井に位置する点火プラグ7と、燃焼室7の天井に開口して点火プラグ7と直接干渉しないピストン5方向に吸気を導入する2つの独立吸気ポート8a、8bと、これら2つの吸気ポート8a、8bの燃焼室6への開口部の間でかつ開口部の下方に位置して圧縮行程で燃焼室6の中央方向に燃料を噴射する燃料噴射弁21とを備え、低回転速度低負荷域においては燃料噴射弁21より噴射された燃料がその燃料噴霧の貫徹力により点火プラグ7近傍に到達可能となるように燃料噴射弁21と点火プラグ7の相対位置関係を決定する一方で、低回転速度低負荷域より高回転速度側または高負荷側の所定運転域でガス流動生成手段(たとえば吸気ポート途中に設けられるタンブルコントロールバルブ13)を作動させることにより吸気ポート8a、8bの燃焼室6への開口部から燃焼室6に流入する吸気にタンブル(縦方向の渦)を生じさせ、このタンブルに燃料噴射弁21より噴射された燃料が乗って点火プラグ7近傍へと輸送されるように、吸気ポート8a、8bの燃焼室6への吸気流入角とピストン冠面に設けるキャビティ5a形状とを決定するようにしたもので、これにより成層燃焼域のうち低回転速度低負荷域とそれ以外の領域とでともに良好な成層燃焼が可能となり、成層燃焼運転による燃費向上効果を広い運転領域で実現することができる。
【0054】
たとえば、低回転速度低負荷域では、図9(b)に示すように背圧(圧縮行程での高い筒内圧のこと)下で噴射された燃料が点火プラグ7近傍に燃料噴霧31の力だけで到達することから、十分なタンブルが期待できなくなるアイドルを含んだ低回転速度低負荷域においても安定かつ最適な性能を得るための成層燃焼運転が可能となる。
【0055】
この状態から負荷が高くなるにつれて背圧が上昇すると、燃料噴霧形状が縮小気味となり、また回転速度が高くなるにつれて燃料を噴射してから点火するまでの時間が短くなるため、この状態でも燃料噴霧の貫徹力に頼るだけだと燃料の点火プラグ7近傍への最適な点火時期における到達が間に合わなくなる。こうした運転条件、つまり低回転速度低負荷域を超える回転速度や負荷の所定運転域になると、図9(a)に示すようにタンブルコントロールバルブ13が閉作動することにより燃焼室6内に十分なタンブル26が得られる。つまり、この領域ではタンブルに直接燃料噴霧35を干渉させて燃料を点火プラグ7近傍へと輸送することにより成層燃焼運転が行われる。
【0056】
したがって、図9に示したこのようなエンジンに対してはタンブルコントロールバルブ(図ではTCVで略記)13の制御領域図が図10に示したようになる。すなわち、タンブルコントロールバルブ13は成層燃焼域のうちの低回転速度低負荷域で開かれ、低回転速度低負荷域を除く成層燃焼域で閉じられ、それより回転速度または負荷の高い領域になると開かれる。
【0057】
このようなエンジンに対して本発明の点火制御装置を適用する場合にはタンブル(ガス流動)の有無を考慮する必要がある。いま図9の(a)、(b)に示した2つの場合のガス流動と混合気の関わりを改めて図11の(a)、(b)に示すと、図11(a)は図9(b)に対応しタンブルがない場合、図11(b)は図9(a)に対応しタンブル26がある場合である。すなわち、図11(a)では燃料噴霧の作る混合気塊32が長いまま点火プラグ7近傍へと到達するのに対して、図11(b)では燃料噴霧の作る混合気塊36がタンブル26により丸まった状態で点火プラグ7近傍に到達している。
【0058】
第1実施形態は図11(a)と同様に長い混合気塊32が点火プラグ7近傍へと到達することを前提として近接2回点火を行うものであったが、図11(b)に示したようにタンブル26により丸まった状態の混合気塊36が点火プラグ7近傍に到達するときには2回点火するまでもなく1回点火で十分着火可能となる。
【0059】
そこで、第2実施形態ではコントロールユニット15が成層燃焼域でもタンブルにより丸まった状態の混合気塊が点火プラグ7近傍に到達する運転域(図10において低回転速度低負荷域を除いた成層燃焼域)になると、2回点火から1回点火に切換える。
【0060】
コントロールユニット15で行われるこの制御を図12により説明する。図12において第1実施形態の図7と同一部分には同一のステップ番号を付けている。第1実施形態と相違する部分を主に説明すると、ステップ11で運転条件が図10に示す低回転速度低負荷域にあるかどうかみる。低回転速度低負荷域であるときには長い混合気塊32が点火プラグ7近傍へと到達するので、ステップ3〜6に進み、第1実施形態と同様にして近接2回点火における2つの点火時期ADV1、ADV2を演算する。
【0061】
低回転速度低負荷域でない成層燃焼域のときには丸まった状態の混合気塊が点火プラグ7近傍に到達するので、ステップ12〜14、6に進み、1回点火を行う。すなわち、ステップ12でエンジン回転速度Neと基本噴射パルス幅Tp(エンジン負荷相当)から所定のマップを検索して点火時期ADV0[°CA BTDC]を演算する。この値ADV0の単位は圧縮上死点から進角側に測ったクランク角である。ADV0は、成層燃焼域で1回点火しか行わない筒内直噴式火花点火エンジンに採用される点火時期である。
【0062】
ステップ13ではADV0の値をADV1に移し、また2回目の点火を行わせないようにするためステップ14でADV2=0としたあとステップ6の処理を実行する。
【0063】
図示しない点火時期制御ルーチンでは、このときの点火時期ADV1、ADV2(=0)に基づくときには1つのトランジスタ駆動信号(点火信号)しか作られず、この信号でいずれか一方(たとえば点火コイル18a)の1次電流断続用パワートランジスタをON、OFFする。他方の点火コイル18bの1次電流断続用パワートランジスタはOFF状態のままである。
【0064】
このように第2実施形態では、長い状態の混合気塊が点火プラグ7近傍に到達する場合(成層燃焼域のうち低回転速度低負荷域)に2回点火を、これに対して丸まった状態の混合気塊が点火プラグ7近傍に到達する場合(低回転速度低負荷域を除く成層燃焼域)に1回点火を選択するようにしたので、燃料噴霧が点火プラグ7近傍に作る混合気塊の状態に応じた過不足のない点火が可能となる。すなわち、成層燃焼域のうち低回転速度低負荷域においては、2回点火により第1実施形態と同様に着火機会の増加と点火エネルギの増大との相乗効果で成層燃焼を安定させることができる。また、点火プラグの耐摩耗性や点火コイルの発熱等の観点から常時2回点火とするのでは耐久性の低下や仕様の向上によるコストアップを伴うが、2回点火を行うまでもない低回転速度低負荷域を除く成層燃焼域になると、1回点火に切換えることで、これらの懸案を解消できる。
【0065】
なお、点火プラグの耐摩耗性や点火コイルの発熱等の観点を別とすれば、低回転速度低負荷域を除く成層燃焼域においても2回点火とすることで点火エネルギの増大の効果は得られる。
【0066】
実施形態では、燃料噴射弁12より噴射された燃料噴霧の作る混合気を点火プラグ7近傍に誘導する方法としてエアガイド方式を採用している場合で述べたが、これに限らず、ウォールガイド方式のものにも適用がある。
【0067】
なお、エアガイド方式というのは、図1、図2に示したように、シリンダ4と、ピストン5と、燃焼室6と、燃焼室6の天井に位置して火花を飛ばす点火プラグ7と、燃焼室6の天井に開口して点火プラグ7と直接干渉しないピストン5方向に吸気を導入する2つの独立吸気ポート8a、8bと、これら2つの吸気ポート8a、8bの燃焼室6への開口部の間でかつ開口部の下方に位置して圧縮行程で燃焼室6の中央方向に燃料を噴射する燃料噴射弁12とを備え、成層燃焼域(図3参照)で吸気ポート8a、8b途中に設けられるタンブルコントロールバルブ13(ガス流動生成手段)を閉じることによって吸気ポート8a、8bの燃焼室6への開口部から燃焼室6に流入する吸気にタンブル(縦方向の渦)を生じさせ、このタンブルに燃料噴射弁12より噴射された燃料が乗って点火プラグ7へと輸送されるように、吸気ポート8a、8bの燃焼室6への吸気流入角とピストン冠面に設けるキャビティ5aの形状とを決定したものである。これに対して、ウォールガイド方式は、点火プラグ近傍へ混合気の輸送方法が異なり、ガス流動生成手段により生成されるスワール(横方向の渦)を用いて燃料噴霧の作る混合気をピストン冠面に凹設されるキャビティの立壁に沿って誘導しつつ点火プラグ近傍へと導くようにするものである(たとえば特開平10−339138号公報参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の筒内直噴式火花点火エンジンの概略構成図。
【図2】燃料噴射弁より噴射される燃料噴霧とこの燃料噴霧に対して干渉するタンブルとを説明するための図。
【図3】運転領域図。
【図4】筒内直噴式火花点火エンジンの制御システム図。
【図5】燃料噴射パルス幅に応じた要求点火間隔の特性図。
【図6】着火時期と熱発生率のパターンとの関係を示す図。
【図7】点火時期の演算を説明するためのフローチャート。
【図8】2つの独立した点火信号を示す波形図。
【図9】第2実施形態の筒内直噴式火花点火エンジンの概略構成図。
【図10】タンブルコントロールバルブの制御領域図。
【図11】タンブルの有無が点火プラグ近傍に到達する混合気塊の状態に及ぼす影響を説明するための図。
【図12】第2実施形態の点火時期の演算を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 シリンダヘッド
4 シリンダ
6 燃焼室
7 点火プラグ
8a、8b 吸気ポート
12 燃料噴射弁
13 タンブルコントロールバルブ(ガス流動生成手段)
15 コントロールユニット
18a、18b 点火コイル
12 燃料噴射弁

Claims (8)

  1. シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    を備え、
    所定運転域での圧縮行程で燃料噴射弁を開弁させる燃料噴射パルス信号を出力し、成層燃焼を行わせる筒内直噴式火花点火エンジンにおいて、
    2つの点火コイルを1つの点火プラグに並列に接続し、
    点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方の点火コイルの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイルの1次側電流を遮断して2回目の点火を行う構成とし、 圧縮行程でシリンダ内に噴射された燃料噴霧が作る混合気塊の先端が点火プラグ近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、後からやってくる混合気に対して2回目の点火を行う
    ことを特徴とする筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  2. 燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧が点火プラグ周りに作る混合気塊の状態により点火間隔を変化させることを特徴とする請求項1に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  3. 燃料噴射パルス信号の燃料噴射パルス幅に応じて点火間隔を設定することを特徴とする請求項2に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  4. 点火間隔に上限値を設定し、この上限値以上に点火間隔を広げないことを特徴とする請求項2または3に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  5. シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    を備え、
    所定運転域での圧縮行程で燃料噴射弁を開弁させる燃料噴射パルス信号を出力し、成層燃焼を行わせる筒内直噴式火花点火エンジンにおいて、
    2つの点火コイルを1つの点火プラグに並列に接続し、
    燃料噴射弁により噴射された燃料噴霧が点火プラグ近傍に作る混合気塊の状態により1回点火と2回点火とを選択的に切換え、
    2回点火に切換えたときには点火時期が近接する2つの点火信号を独立に作り、このうち点火時期の早い側の点火信号で一方の点火コイルの1次側電流を遮断して1回目の点火を行い、点火時期の遅い側の点火信号でもう一つの点火コイルの1次側電流を遮断して2回目の点火を行い、
    1回点火に切換えたときには1つの点火信号を作り、いずれかの点火コイルの一次側電流を遮断して点火を行う構成とし
    前記2回点火に切換えたときに圧縮行程でシリンダ内に噴射された燃料噴霧が作る混合気塊の先端が点火プラグ近傍にやってきたとき1回目の点火を行い、後からやってくる混合気に対して2回目の点火を行う
    ことを特徴とする筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  6. 燃料噴霧が作る混合気塊が長い状態で点火プラグ近傍に到達する場合に2回点火を、これに対して燃料噴霧が作る混合気塊が丸まった状態で点火プラグ近傍に到達する場合に1回点火を選択することを特徴とする請求項5に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  7. 混合気塊が長い状態で点火プラグ近傍に到達する場合は、燃料噴射弁より噴射された燃料がその燃料噴霧の貫徹力により点火プラグ近傍に到達する場合であることを特徴とする請求項6に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
  8. 混合気塊が丸まった状態で点火プラグ近傍に到達する場合は、吸気ポートからシリンダに流入する吸気によりシリンダ内に生じるガス流動の助けを借りて、燃料噴射弁より噴射された燃料が点火プラグ近傍へと輸送される場合であることを特徴とする請求項6に記載の筒内直噴式火花点火エンジンの点火時期制御装置。
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