JP5988287B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気筒に充填された混合気中の燃料に低温酸化反応(LTO;Low Temperature Oxidation)を生じさせる内燃機関を制御する制御装置に関する。
圧縮行程の終期から混合気に着火する膨張行程の初期までの期間に、気筒の燃焼室内の雰囲気をある圧力及び温度帯とすることにより、混合気中の燃料を低温酸化反応させて燃焼しやすい状態とする態様の内燃機関が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。低温酸化反応では、混合気の圧力及び温度の上昇によりOHラジカル等の中間生成物が誘起される。
また、近時では、混合気への点火の際にマイクロ波若しくは高周波を燃焼室内に放射する「アクティブ着火」法が試みられている(例えば、下記特許文献2、3を参照)。アクティブ着火法によれば、マイクロ波若しくは高周波電界が形成され、この電界中でOHラジカル等の中間生成物が誘起されるとともに、プラズマが成長して火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きな火炎核が生成される。
ところで、低温酸化反応には条件があり、如何なる運転状況の下でも低温酸化反応を得られるわけではない。特に、エンジン回転数が低い、吸気量が少ない、吸気温が低いようなときに、燃焼室内で低温酸化反応が生じないことがあり、低温酸化反応が生じている場合と比較して機関の出力トルクが落ちる。それ故、加速時や減速時等の過渡領域において、低温酸化反応の有無(による燃焼状態の変化)に起因してトルク段差が発生するきらいがあった。
特開2002−038991号公報 特開2011−159477号公報 特開2011−064162号公報
本発明は、上述の問題に初めて着目してなされたものであって、低温酸化反応の有無に起因する機関の出力トルクの変動を抑制することを所期の目的としている。
本発明では、燃焼室内で混合気中の燃料に低温酸化反応を生じさせる内燃機関を制御するものであって、内燃機関が燃焼室内にマイクロ波の放射又は高周波電界の形成を行うためのマイクロ波発生装置又は電界発生装置を備え、マイクロ波又は高周波を点火プラグの中心電極に印加することで、中心電極から燃焼室へマイクロ波を放射し又は中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界を形成するものであり、気筒で実行されるあるサイクルの圧縮行程から膨張行程への過渡期において低温酸化反応が生じないと推測される所定の条件が成立した場合、同サイクルの膨張行程での着火の直前、直後又は着火と同時に燃焼室内にマイクロ波又は高周波電界を発生させるか、前記所定の条件が成立しない場合と比較して同サイクルの膨張行程での着火の直前、直後又は着火と同時に燃焼室内に発生させるマイクロ波又は高周波電界の強度を高めることを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
つまり、あるサイクルで低温酸化反応が生じなかった場合に、同じサイクルの中で燃焼室内に電磁波を放射することで、低温酸化反応に代わって燃焼を促進するようにしたのである。
本発明によれば、低温酸化反応の有無に起因する機関の出力トルクの変動を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び電界発生装置の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 同実施形態における正常燃焼時及び不安定燃焼時のそれぞれの筒内圧、イオン電流の推移及びマイクロ波発生フラグを示すタイミング。 本発明の変形例としての電界発生装置の概略構成を示す図。 同変形例における電界発生装置の具体的構成を説明する図。 同変形例における電界発生装置の要素であるHブリッジの回路図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。この内燃機関は、筒内直接噴射式のものであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)と、各気筒1内に燃料を噴射するインジェクタ10と、各気筒1に吸気を供給するための吸気通路3と、各気筒1から排気を排出するための排気通路4と、吸気通路3を流通する吸気を過給する排気ターボ過給機5と、排気通路4から吸気通路3に向けてEGRガスを還流させる外部EGR装置2とを具備している。
本実施形態における内燃機関は、サイクルにおける圧縮行程の終期から混合気に着火する膨張行程の初期までの期間に、気筒1に充填された混合気に含まれる燃料成分を低温酸化反応させて燃焼しやすい状態とするものである。低温酸化反応では、混合気をある圧力及び温度帯におくことにより、OHラジカル等の中間生成物の生成を促し、また明確な発熱を伴う熱炎を生じさせる前段階として低温度炎(冷炎または青炎)を発生させて、点火以前に発熱による仕事をさせる。
気筒1の燃焼室の天井部には、点火プラグ13を取り付けてある。図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ13は、点火コイル12にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル12は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ11とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ11が受けると、まずイグナイタ11が点弧して点火コイル12の一次側に電流が流れ、その直後の点火タイミングでイグナイタ11が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ13の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
また、本実施形態では、電界発生装置の一であるマイクロ波発生装置を付設している。マイクロ波発生装置は、バッテリを電源とするマグネトロン14及びこれを制御する制御回路15を備えてなる。マイクロ波発生装置は、導波管や同軸ケーブル等を介して点火プラグ13に電気的に接続しており、マグネトロン14が出力するマイクロ波を点火プラグ13に印加し、その中心電極から気筒1の燃焼室内に放射することが可能である。
マグネトロン14によるマイクロ波は、火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後に印加する。マグネトロン14によるマイクロ波と、点火コイル12による高誘導電圧とを重畳して点火プラグ13の中心電極に印加することもできる。
吸気通路3は、外部から空気を取り入れて気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、過給機5のコンプレッサ51、インタクーラ32、電子スロットルバルブ33、サージタンク34、吸気マニホルド35を、上流からこの順序に配置している。
排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させることで発生した排気を気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42、過給機5の駆動タービン52及び三元触媒41を配置している。加えて、タービン52を迂回する排気バイパス通路43、及びこのバイパス通路43の入口を開閉するバイパスバルブであるウェイストゲートバルブ44を設けてある。ウェイストゲートバルブ44は、アクチュエータに制御信号lを入力することで開閉操作することが可能な電動ウェイストゲートバルブであり、そのアクチュエータとしてDCサーボモータを用いている。
排気ターボ過給機5は、駆動タービン52とコンプレッサ51とを同軸で連結し連動するように構成したものである。そして、駆動タービン52を排気のエネルギを利用して回転駆動し、その回転力を以てコンプレッサ51にポンプ作用を営ませることにより、吸入空気を加圧圧縮(過給)して気筒1に送り込む。
外部EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。外部EGR通路の入口は、排気通路4におけるタービン52の上流の所定箇所に接続している。外部EGR通路の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ33の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク34に接続している。外部EGR通路上にも、EGRクーラ21及びEGRバルブ22を設けてある。
ECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるエンジン回転信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ33の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するアクセル開度センサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク34)内の吸気温を検出する温度センサから出力される吸気温信号d、吸気通路3(特に、サージタンク34)内の吸気圧(または、過給圧)を検出する圧力センサから出力される吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム信号g、燃焼室内でのプラズマの生成及び混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する検出回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。エンジン回転センサは、10°CA(クランク角度)毎にパルス信号bを発する。カム角センサは、720°CAを気筒数で割った角度、三気筒エンジンであれば240°CA毎にパルス信号gを発する。本実施形態におけるイオン電流検出回路は、点火プラグ13に流れるイオン電流を点火コイル12の二次側の回路にて(例えば、点火コイル12の二次側巻線、またはマイクロ波発生装置を点火プラグ13に接続する接続端に発生する二次的な電圧として)測定する。
出力インタフェースからは、イグナイタ11に対して点火信号i、マグネトロン14の制御回路15に対してマイクロ波発生指令信号j、スロットルバルブ33に対して開度操作信号k、ウェイストゲートバルブ44に対して開度操作信号l、EGRバルブ22に対して開度操作信号m、インジェクタ10に対して燃料噴射信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、点火の際に燃焼室内にマイクロ波電界を発生させるか否か、EGR量(または、EGR率)及びEGRバルブ22の開度といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能であるので説明を割愛する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
しかして、本実施形態では、気筒1の燃焼室内で低温酸化反応が生じないと推測される所定の条件が成立した場合、燃焼室内にマイクロ波電界を発生させ、低温酸化反応に代えて燃焼を促進するものとしている。
低温酸化反応は、圧縮行程の終期、圧縮上死点近傍において、混合気の圧力(筒内圧)及び温度(筒内温)がそれぞれある程度以上高くないと生起しない。よって、エンジン回転数が低い、吸気量が少ない(エンジン負荷が小さい)、吸気温が低い等の場合には、低温酸化反応が起こりにくいと言える。
ECU0は、各気筒1で実行されるサイクル(4ストローク機関における吸気−圧縮−膨張−排気の一周期)毎に、そのときの吸気量(新気量及び/またはEGRガス量)及び吸気温等を参照して、圧縮上死点近傍での着火前即ち点火前の混合気の圧力及び温度の推測値を得る。この混合気の圧力及び温度の推測値は、吸気量及び吸気温等を所定の関数式に代入することで演算してもよいし、吸気量及び吸気温等と混合気の圧力及び温度の推測値との関係を規定したマップデータが予めメモリに格納されている場合には、当該マップデータを検索して知得してもよい。また、混合気の圧力及び温度の推測値に、外気温や機関の冷却水温等に基づく補正を加味してもよい。
その上で、ECU0は、上記の混合気の圧力及び温度の推測値を基に、気筒1の燃焼室内で混合気中の燃料に低温酸化反応が発生するか否かの推断を下す。図3に、混合気の圧力及び温度のそれぞれの推測値と、低温酸化反応の発生の有無の推測との関係を例示する。
これ以外にも、エンジン回転数が閾値を下回り、吸気量(または、エンジン負荷)が閾値を下回り、かつ吸気温が閾値を下回るようなときに、低温酸化反応が発生しないと推断するようにしても構わない。
ECU0は、気筒1で実行されるあるサイクル(の圧縮行程から膨張行程への過渡期)において低温酸化反応が発生しないと推断した場合、同サイクルの膨張行程での着火即ち火花点火の直前、火花点火の直後または火花点火と同時に、マイクロ波発生装置から点火プラグ13にマイクロ波を印加して、中心電極から燃焼室内にマイクロ波を放射する制御を実施する。
あるいは、低温酸化反応の発生の有無にかかわらず膨張行程で燃焼室内にマイクロ波を放射するのであれば、低温酸化反応が生じないと推断した場合に燃焼室内に放射するマイクロ波の強度を、低温酸化反応が生じると推断した場合に放射するマイクロ波の強度よりも高く設定する。
このような制御により、燃焼室内のマイクロ波電界下でプラズマが誘起されて火炎が増強され、及び/または、燃焼室内のマイクロ波電界下で混合気が加熱されるため、混合気を十分に燃焼させることができる。
本実施形態では、気筒1の燃焼室内で混合気中の燃料に低温酸化反応を生じさせる内燃機関を制御するものであって、低温酸化反応が生じないと推測される所定の条件が成立した場合に、燃焼室内にマイクロ波電界を発生させる、あるいは前記所定の条件が成立しない場合と比較して燃焼室内に発生させるマイクロ波電界の強度を高める制御を行う制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、低温酸化反応が発生しない運転状況の下でも、低温酸化反応に代わって燃焼を促進することができる。従って、低温酸化反応の有無に起因する機関の出力トルクの変動を抑制することが可能となる上、機関の運転制御のロバスト性能の向上、機関の出力トルクの上昇及び燃費の向上に奏功する。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
燃焼室内でプラズマを生成する、及び/または、燃焼室内で混合気を加熱する目的で燃焼室内に電界を発生させる電界発生装置は、マイクロ波発生装置には限定されない。換言すれば、燃焼室内にマイクロ波を放射する代わりに、高周波を放射してもよい。
マイクロ波発生装置以外の電界発生装置として、高周波の交流電圧を印加する交流電圧発生回路や、高周波の脈流電圧を印加する脈流電圧発生回路等を採用することができる。脈流電圧発生回路は、周期的に電圧が変化する直流電圧を発生させるものであればよく、その波形も任意であってよい。脈流電圧は、基準電圧(0Vであることがある)から一定周期で一定電圧まで変動するパルス電圧、交流電圧を半波整流した電圧、交流電圧に直流バイアスを加味した電圧等をおしなべて含む。電界発生装置が発振する高周波電圧は、周波数が200kHz〜1000kHz程度、振幅が3kVp−p〜10kVp−p程度であることが好ましい。
図4ないし図6に示すように、高周波を発生させる電界発生装置は、バッテリを電源とし、低圧直流を高圧交流に変換する回路を含む。具体的には、約12Vのバッテリ6電圧を300V〜500Vに昇圧するDC−DCコンバータ61と、DC−DCコンバータ61が出力する直流を交流に変換するHブリッジ回路62と、Hブリッジ回路62が出力する交流をさらに高い電圧に昇圧する昇圧トランス63とを要素とする。
電界発生装置の出力端には、第一ダイオード64及び第二ダイオード65を介設することが好ましい。第一ダイオード64は、カソードが昇圧トランス63の二次側巻線の信号ラインに接続し、アノードが点火コイル12との結節点であるミキサ66に接続している。第二ダイオード65は、アノードが昇圧トランス63の二次側巻線のグランドラインに接続し、カソードが接地している。これら第一ダイオード64及び第二ダイオード65は、点火タイミングにおいて点火コイル12の二次側から流れ込む負の高圧パルス電流を遮る役割を担う。
電界発生装置が発振する高周波電圧は、通常、火花放電開始と略同時、火花放電開始直前または火花放電開始直後に、点火プラグ13の中心電極に印加する。これにより、点火プラグ13の中心電極と接地電極との間の空間に、高周波電界が形成される。そして、高周波電界中で火花放電を行うことによりプラズマが発生し、このプラズマが火炎伝搬燃焼の始まりとなる大きなラジカルプラズマ火炎核を生成する。
上記は、火花放電による電子の流れ及び火花放電によって生じたイオンやラジカルが、電界の影響を受け振動、蛇行することで行路長が長くなり、周囲の水分子や窒素分子と衝突する回数が飛躍的に増加することによるものである。イオンやラジカルの衝突を受けた水分子や窒素分子は、OHラジカルやNラジカルになるとともに、イオンやラジカルの衝突を受けた周囲の気体も電離した状態、プラズマ状態となることで、飛躍的に混合気への着火領域が大きくなり、火炎核も大きくなるのである。この結果、火花放電のみによる二次元的な着火から三次元的な着火に増幅され、燃焼が燃焼室内に急速に伝播、高い燃焼速度で拡大することとなる。
気筒1の燃焼室内で混合気中の燃料に低温酸化反応が発生するか否かに関して、可変バルブタイミング機構による吸気バルブ及び/または排気バルブの開閉タイミングを加味して判断を行ってもよい。吸排気バルブの開閉タイミングは実効的な圧縮比に影響を及ぼし、他の条件が同等ならば圧縮比が高いほど低温酸化反応が起こりやすく、圧縮比が低いほど低温酸化反応が起こりにくいからである。
内燃機関が可変圧縮比機構を備えるものであるならば、正しくその圧縮比を考慮に入れた上で低温酸化反応の発生の有無を推定することが望ましい。即ち、圧縮比が閾値(この閾値は、エンジン回転数、要求負荷、吸気量、吸気温等によって変動し得る)を上回れば低温酸化反応が発生すると推断し、下回れば低温酸化反応が発生しないと推断するのである。因みに、可変圧縮比機構としては、シリンダブロック及びシリンダヘッドを含む可動部位をクランクケースに対し気筒の軸心方向に沿って相対移動させる態様や、複リンク式ピストン−クランクにより気筒内を往復動するピストンの行程を変化させることで上死点の位置を気筒の軸心方向に沿って変位させる態様のものが既知である。
上記実施形態では、吸気量、吸気温等の指標を参照して低温酸化反応の発生の有無を推定していたが、圧縮行程から膨張行程にかけた期間の気筒1内の混合気の圧力を筒内圧センサを介して実測することができるのであれば、その圧力の実測値の推移を参照して低温酸化反応の発生の有無を判定することができる。低温酸化反応が生じない場合の圧縮上死点近傍での着火(点火)前の混合気の圧力は、低温酸化反応が生じる場合のそれと比較して低くなる。よって、圧縮上死点近傍での着火前の混合気の圧力が閾値(この閾値は、エンジン回転数、要求負荷、吸気量、吸気温等によって変動し得る)を上回れば低温酸化反応が発生したと判断し、下回れば低温酸化反応が発生しなかったと判断することが可能である。
また、サイクルにおける吸気量、吸気温、外気温、機関の冷却水温、エンジン回転数等に基づいて、圧縮行程の終期から膨張行程の初期にかけての気筒1内での混合気の圧力を予測的に推算することができるが、これと実測した混合気の圧力との乖離から、低温酸化反応が発生したか否かを推し量ることもできる。乖離が大きい場合には低温酸化反応があった、乖離が小さい場合には低温酸化反応がなかった、ということになる。
上記実施形態における内燃機関は火花点火内燃機関(ガソリンエンジン)であったが、圧縮点火内燃機関(ディーゼルエンジン)に本発明を適用することも当然に許される。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
13…点火プラグ
14、15…電界発生装置
61、62、63…電界発生装置

Claims (1)

  1. 燃焼室内で混合気中の燃料に低温酸化反応を生じさせる内燃機関を制御するものであって、
    内燃機関が燃焼室内にマイクロ波の放射又は高周波電界の形成を行うためのマイクロ波発生装置又は電界発生装置を備え、マイクロ波又は高周波を点火プラグの中心電極に印加することで、中心電極から燃焼室へマイクロ波を放射し又は中心電極と接地電極との間の空間に高周波電界を形成するものであり、
    気筒で実行されるあるサイクルの圧縮行程から膨張行程への過渡期において低温酸化反応が生じないと推測される所定の条件が成立した場合、同サイクルの膨張行程での着火の直前、直後又は着火と同時に燃焼室内にマイクロ波又は高周波電界を発生させるか、前記所定の条件が成立しない場合と比較して同サイクルの膨張行程での着火の直前、直後又は着火と同時に燃焼室内に発生させるマイクロ波又は高周波電界の強度を高めることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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