JP5023950B2 - 排ガス成分浄化用触媒材及び同触媒材付パティキュレートフィルタ - Google Patents

排ガス成分浄化用触媒材及び同触媒材付パティキュレートフィルタ Download PDF

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本発明は、排ガス成分浄化用触媒材及び同触媒材付パティキュレートフィルタに関する。
軽油を主成分とする燃料を用いるディーゼルエンジンや、ガソリンを主成分とする燃料を用いて希薄燃焼させるガソリンエンジンでは、その排ガス中にHC(炭化水素)、CO及びNOx(窒素酸化物)の他にパティキュレート(パティキュレートマターPM;炭素粒子を含む浮遊粒子状物質)が含まれていることが知られている。そこで、このパティキュレートの大気中への排出を抑制するために、このパティキュレートを捕集するフィルタをエンジンの排ガス通路に配置することがなされている。しかし、このフィルタのパティキュレート堆積量が多くなると、エンジン出力や燃費の低下を招くことから、堆積したパティキュレートを適宜燃焼させてフィルタから除去する必要がある。
上記パティキュレートの燃焼を効率的に行なわせる(パティキュレートが比較的低温で着火し、且つその燃焼を短時間で完了させる)ために、フィルタ本体の排ガス通路壁面に、触媒金属を担持したアルミナを含有する触媒層を形成することが行なわれている。このPt担持アルミナはHC、COの浄化に有効であるだけでなく、パティキュレートの燃焼にも有効であるが、近年は更に効率的にパティキュレートを燃焼させるフィルタ用触媒材が開発されている。
例えば特許文献1には、Pr、Nd及びLaから選ばれる希土類金属RとCeとZrとの複合酸化物にPt等の触媒金属を担持させた触媒材をフィルタに用いることが記載されている。この複合酸化物における上記Rの含有率は2mol%以上11mol%以下が好ましいとされている。このような複合酸化物はCeを含有するため酸素吸蔵放出能を有し、該複合酸化物が放出する酸素がパティキュレートの着火・燃焼を促進する。
特許文献2には、Yb、Nd及びScから選ばれる希土類金属RとZrとの複合酸化物ZrRO粒子(R含有率は最大18mol%)と、Sm及びGdから選ばれる希土類金属MとCeとの複合酸化物CeMO粒子とを含有し、それら複合酸化物粒子に触媒金属を担持させた触媒材をフィルタに用いることが記載されている。上記ZrRO粒子は酸素イオン伝導性を有し、活性酸素を放出するが、その酸素放出メカニズムは特許文献1に示されるようなCe系複合酸化物とは異なる。
すなわち、Ce系複合酸化物は、高い酸素吸蔵能力を有し、Ceイオンの価数変化により活性な酸素を放出する。一方、ZrRO粒子は、酸素イオン伝導性、所謂、酸素ポンプ機能を有するものであって、当該粒子表面に酸素濃度の高い部分と低い部分とが存在するときに、酸素濃度の高い部分から低い部分へ酸素イオンを輸送して活性酸素として放出する。
従って、上記ZrRO粒子の場合、その表面にパティキュレートを燃焼させる小さな火種ができ、その火種部位が酸素不足状態になると、別の酸素濃度が高い部分から酸素が輸送されてくるため、燃焼が継続されて当該火種から燃焼領域が周囲に広がり易くなる。
また、特許文献3には、上述の如き酸素イオン伝導性を有するZrROとアルミナとを含み且つそれらに触媒貴金属を担持させてなる触媒材をフィルタに用いることが記載されている。
また、特許文献4には排ガス成分浄化用触媒材の製法が記載されている。それは、硝酸Al水溶液と硝酸La水溶液との混合液にアンモニア水を過剰に添加することにより、AlとLaとを含む第1水酸化物を沈殿させ、次いで硝酸Ce水溶液と硝酸Zr水溶液との混合液を添加することにより、CeとZrとを含む第2水酸化物を上記第1水酸化物の沈殿物上に析出させ、得られた沈殿物の濾過、乾燥及び焼成を行なうというものである。この製法によれば、Laを含有する活性アルミナ粒子がコアとなり、その表面が全面にわたってシェル材としてのCeZr複合酸化物で覆われた触媒材が得られる。
特開2006−326573号公報 特開2007−54713号公報 特開2007−83224号公報 特開2007−98200号公報
上述の酸素吸蔵能を有するCe系複合酸化物粒子や、酸素イオン伝導性を有するZr系複合酸化物粒子は、HCの酸化浄化を促進し、また、フィルタに堆積したパティキュレートの着火・燃焼を促進するものの、次の問題がある。
すなわち、これら複合酸化物粒子は、Ce、Zr等の金属イオンを含む酸性溶液に塩基性溶液を添加混合し、得られた沈殿物を乾燥・焼成するという共沈法で得ることができる。この場合、沈殿物の焼成によって複合酸化物の一次粒子ができ、その一次粒子がさらに凝集・成長して二次粒子となっている。このような複合酸化物二次粒子は、高温の排気ガスに晒されると、さらに凝集・粒成長し、その表面積が小さくなる。そのことによって、粒子内部への排ガスの拡散が円滑に進まなくなり、さらには触媒金属がその粒子内部に埋没し或いは凝集して、HCの浄化性能、並びにパティキュレート燃焼性能が低下する。
また、酸素吸蔵能を有するCe系複合酸化物粒子の場合は、主としてその粒子表面部分で酸素の吸蔵・放出が行なわれ、粒子内部は酸素の吸蔵・放出に殆ど関与しないところ、その粒径が大きくなると、酸素の吸蔵・放出に利用されない内部容積が大きくなり、それだけ酸素の吸蔵・放出効率が低下する。
また、酸素イオン伝導性を有するZr系複合酸化物粒子の場合も、その粒径が大きくなると、酸素イオンが酸素濃度の高い粒子表面部から酸素濃度の低い粒子表面部まで粒子内部を伝導する距離が長くなり、また、粒子内部の酸素濃度勾配も小さくなるため、酸素イオン伝導性が低下し、粒子内部から供給される酸素が減少する。
一方、特許文献4に記載されている触媒材の場合、シェル材となるCeZr複合酸化物粒子の粒径は比較的小さいものになるが、コア材である活性アルミナ粒子の粒径も小さい(大きくても0.05μm程度である。)。これは、AlとLaとを含む水酸化物の沈殿粒子が活性アルミナ一次粒子の前駆体となるところ、その一次粒子前駆体である沈殿粒子上にCeとZrとを含む水酸化物(CeZr複合酸化物前駆体)が析出して該沈殿粒子を覆うため、活性アルミナの一次粒子同士の凝集がCeZr複合酸化物によって妨げられることによる。
その結果、活性アルミナ粒子は、その表面がCeZr複合酸化物粒子によって全面的に覆われた状態になり、触媒金属はCeZr複合酸化物には担持されても、コアになっている活性アルミナ粒子には殆ど担持されなくなる。そのため、活性アルミナ粒子が触媒金属を高分散に担持させるサポート材として有効に活用されず、高い触媒活性を期待することができない。また、触媒粒子(活性アルミナ粒子の表面がCeZr複合酸化物で覆われてなるもの)同士は、互いに同じ組成のCeZr複合酸化物で接触した状態になるため、高温の排ガスに晒されたとき、凝集して粒成長し易く、その活性の低下を招くという問題もある。
そこで、本発明は、低温でのHC浄化性を向上させながら、高いパティキュレートの燃焼性を得ることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、活性アルミナと、酸素吸蔵能を有する複合酸化物と、酸素イオン伝導性を有する複合酸化物とが互いに一次粒子同士で混ざり合って二次粒子を形成するようにした。
すなわち、本発明は、活性アルミナの一次粒子と、Zr、Nd、及びCe以外の希土類金属を含有するZr系複合酸化物の一次粒子と、Ce、Zr、及びCe以外の希土類金属Rを含有するCe系複合酸化物の一次粒子とが、互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなり、
上記活性アルミナの一次粒子、Zr系複合酸化物の一次粒子及びCe系複合酸化物の一次粒子の質量比が、図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、B(15:75:10)及びC(75:15:10)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあり、
上記Ce系複合酸化物の一次粒子は、上記希土類金属RとしてNd、La及びPrから選ばれる少なくとも一種を含有し、CeO を20mol%以上45mol%以下の割合で含有し、
上記Zr系複合酸化物の一次粒子は、ZrO を55mol%以上75mol%以下の割合で含有することを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材である。
このように活性アルミナの一次粒子と、Zr系複合酸化物の一次粒子と、Ce系複合酸化物の一次粒子とが混ざり合って二次粒子を形成しているから、高温の排ガスに晒されたとき、活性アルミナ粒子同士が凝集して粒成長することがZr系複合酸化物粒子やCe系複合酸化物粒子によって妨げられ、Zr系複合酸化物粒子同士が凝集して粒成長すること、或いはCe系複合酸化物粒子同士が凝集して粒成長することも、それぞれ他の複合酸化物粒子或いは活性アルミナ粒子によって妨げられる。
そうして、Ce系複合酸化物粒子は、一次粒子であってその粒径が小さく、従って、その比表面積が大きいから、酸素の吸蔵・放出効率が高い。この複合酸化物粒子は、酸素過剰状態(リーン状態)と酸素不足状態(リッチ状態)とを繰り返す三元触媒に用いられる場合は、リーン状態では酸素を吸蔵し、リッチ状態では酸素を放出するとされているが、リーン状態でも粒子内部に酸素を取り込む一方で、粒子内部から活性な酸素を放出する働き「酸素交換反応(酸素置換反応)」を有する(本出願人による特開2007−190460号公報参照)。従って、酸素過剰のガス雰囲気においても、当該複合酸化物粒子がCeイオンの価数変化により活性な酸素を放出するため、HCの酸化促進、パティキュレートの燃焼促進に有利になる。
一方、Zr系複合酸化物粒子も、一次粒子であってその粒径が小さいから、酸素濃度が高い表面部から酸素濃度が低い表面部へ供給される酸素イオン量が増加し、HCの酸化促進、パティキュレートの燃焼促進に有利になる。
加えて、上記活性アルミナ粒子及び両複合酸化物粒子各々が互いに混ざり合って当該二次粒子の表面に露出しているから、本発明に係る触媒材に触媒金属を担持させると、その触媒金属は、活性アルミナ粒子及び両複合酸化物粒子各々に担持されることになる。
従って、比表面積の大きな活性アルミナ粒子が触媒金属(例えばPt)を高分散に担持するサポート材として有効に働き、この活性アルミナ粒子に担持された触媒金属を利用して排ガス中のHCの酸化、並びにNOのNOへの酸化を図ることができる。しかも、かかる排ガス成分の酸化反応によって発生する熱が上記パティキュレートの燃焼を促進するとともに、上記NOはパティキュレートを効率良く燃焼させる酸化剤となる。
また、Zr系複合酸化物粒子における酸素イオン伝導の促進、並びにCe系複合酸化物粒子における酸素の吸蔵・放出の促進に触媒金属が有効に働くとともに、これら複合酸化物粒子から放出される活性酸素が当該触媒金属によるHCの酸化、パティキュレートの燃焼に効率良く利用されることになる。
上記活性アルミナの一次粒子、Zr系複合酸化物の一次粒子及びCe系複合酸化物の一次粒子の質量比は、図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、B(15:75:10)及びC(75:15:10)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にある。これにより、低温でのHC浄化性を向上させながら、高いパティキュレートの燃焼性を得ることができる。
なお、図1の三角図表の中心点(33:33:33)の数値「33」は、厳密には「33+1/3」であるが、便宜上「33」と表記している。この点は、後に説明する図9〜11も同じである。
上記Ce系複合酸化物粒子が含有する希土類金属Rとしては、La、Nd、Pr、Sm、Gd、Y等を採用することができるが、なかでも、Nd、La及びPrから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。また、上記Ce系複合酸化物粒子は、CeOを20mol%以上45mol%以下の割合で含有する。これにより、低温でのHC浄化性を向上させながら、高いパティキュレートの燃焼性を得ることができる。
上記Zr系複合酸化物の一次粒子は、ZrOを55mol%以上75mol%以下の割合で含有する。これにより、低温でのHC浄化性を向上させながら、高いパティキュレートの燃焼性を得ることができる。
また、Zr系複合酸化物粒子が含有する希土類金属としては、Ndの他に、La、Pr、Sm、Gd、Y等を採用することができるが、なかでも、La及びPrから選ばれる少なくとも一種とNdとを採用することがパティキュレートの燃焼性を高める上で好ましい。
上記排ガス成分浄化用触媒材をパティキュレートフィルタに利用する場合、エンジンから排出されるパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排ガス通路壁面に触媒層を形成し、この触媒層に上記排ガス成分浄化用触媒材を含ませるようにすればよい。これにより、排ガス中のHCの浄化を図りながら、フィルタ本体に堆積するパティキュレートを効率良く燃焼除去することができる。
また、上記排ガス成分浄化用触媒材の触媒金属としてはPtを採用することが好ましい。これにより、活性アルミナ粒子にPtを担持させることができるため、排ガス中のNOのNOへの酸化が図れ、このNOを酸化剤としてパティキュレートを効率良く燃焼させることができる。
以上のように本発明によれば、活性アルミナの一次粒子とZr系複合酸化物の一次粒子とCe系複合酸化物の一次粒子とが互いに混ざり合って二次粒子を形成してなり、活性アルミナの一次粒子、Zr系複合酸化物の一次粒子及びCe系複合酸化物の一次粒子の質量比が、図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、B(15:75:10)及びC(75:15:10)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあり、Ce系複合酸化物の一次粒子は、希土類金属RとしてNd、La及びPrから選ばれる少なくとも一種を含有し、CeO を20mol%以上45mol%以下の割合で含有し、Zr系複合酸化物の一次粒子は、ZrO を55mol%以上75mol%以下の割合で含有するから、Zr系複合酸化物粒子の酸素イオン伝導性が高くなるとともに、Ce系複合酸化物粒子の酸素吸蔵放出効率が高くなり、また、活性アルミナ粒子が触媒金属を高分散に担持するサポート材として有効に働き、よって、低温でのHC浄化性を向上させながら、高いパティキュレートの燃焼性を得ることができ、しかも、耐熱性の向上が図れる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図2において、1はエンジンの排ガス通路11に配置されたパティキュレートフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)である。フィルタ1よりも排ガス流の上流側の排ガス通路11には、活性アルミナ等のサポート材にPt、Pd等に代表される触媒金属を担持した酸化触媒(図示省略)を配置することができる。このような酸化触媒をフィルタ1の上流側に配置するときは、該酸化触媒によって排ガス中のHC、COが酸化され、その酸化燃焼熱でフィルタ1に流入する排ガス温度が高められる。また、NOがNOに酸化され、該NOがフィルタ1にパティキュレートを燃焼させる酸化剤として供給されることになる。
図3及び図4にフィルタ1を模式的に示すように、このフィルタ1は、ハニカム構造をなしており、互いに平行に延びる多数の排ガス通路2,3を備えている。すなわち、フィルタ1は、下流端が栓4により閉塞された排ガス流入路2と、上流端が栓4により閉塞された排ガス流出路3とが交互に設けられ、排ガス流入路2と排ガス流出路3とは薄肉の隔壁5を介して隔てられている。なお、図3においてハッチングを付した部分は排ガス流出路3の上流端の栓4を示している。
フィルタ1は、上記隔壁5を含むフィルタ本体がコージェライト、SiC、Si、サイアロンのような無機多孔質材料から形成されており、排ガス流入路2内に流入した排ガスは図4において矢印で示したように周囲の隔壁5を通って隣接する排ガス流出路3内に流出する。すなわち、図5に示すように、隔壁5は排ガス流入路2と排ガス流出路3とを連通する微細な細孔(排ガス通路)6を有し、この細孔6を排ガスが通る。そして、パティキュレートは、主に排ガス流入路2と細孔6の壁面に捕捉され堆積する。
上記フィルタ1のフィルタ本体の上記排ガス通路(排ガス流入路2、排ガス流出路3及び細孔6)の壁面には触媒層7が形成されている。なお、排ガス流出路3の壁面に触媒層を形成することは必ずしも要しない。
本発明の一つ特徴は、上記触媒層7が、図6に模式的に示す触媒粒子(触媒材)を含有することである。すなわち、この触媒粒子は、活性アルミナの一次粒子(白丸の粒子;Al)と、Zr、Nd、及びCe以外の希土類金属を含有するZr系複合酸化物の一次粒子(交差する並行斜線を付した粒子;ZrNdMO)と、Ce、Zr、及びCe以外の希土類金属Rを含有するCe系複合酸化物の一次粒子(並行斜線を付した粒子;CeZrRO)と、が互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなり、活性アルミナの一次粒子(Al)、Zr系複合酸化物の一次粒子(ZrNdMO)及びCe系複合酸化物の一次粒子(CeZrRO)各々に触媒金属としてPt(黒丸で表している。)が担持されている。活性アルミナの一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmであり、Zr系複合酸化物の一次粒子の平均粒径は5nm〜50nmであり、Ce系複合酸化物の一次粒子の平均粒径は5nm〜100nmである。
なお、図中、Zr系複合酸化物粒子を「ZrNdMO」で表しているが、これは、該Zr系複合酸化物粒子の一例として、Zr、Nd、並びにCe及びNd以外の希土類金属Mを含有する複合酸化物粒子を示したものである。
<触媒材の調製法>
本発明に係る排ガス成分浄化用触媒材は、以下の方法によって調製することができる。
−活性アルミナ粒子前駆体の調製−
Alイオン及びLaイオンを含む酸性溶液を調製する。Al源としては硝酸アルミニウム九水和物を、La源としては硝酸ランタン六水和物を、それぞれ採用することができる。Al源及びLa源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。
上記原料溶液に塩基性溶液を添加混合して、活性アルミナ一次粒子の前駆体であるAl及びLaの複合水酸化物の沈殿粒子を生成する。この場合、原料溶液を室温で約1時間攪拌した後、これに塩基性溶液として例えば濃度7%程度のアンモニア水を添加すればよい。苛性ソーダ水溶液など他の塩基性溶液を採用することもできる。
−Zr系複合酸化物粒子前駆体の調製−
Zrイオン、Ndイオン、並びにCe及びNd以外の希土類金属Mのイオンを含む酸性溶液を調製する。Zr源としてはオキシ硝酸ジルコニウム二水和物を、Nd源としては硝酸ネオジムをそれぞれ採用することができる。希土類金属M源としては、La、Pr、Y等の硝酸塩を採用することができる。これらZr源、Nd源及びM源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。
上記原料溶液に塩基性溶液を添加混合して、Zr系複合酸化物一次粒子の前駆体であるZr、Nd及びMの複合水酸化物の沈殿粒子を生成する。この場合、原料溶液を室温で約1時間攪拌した後、これに塩基性溶液として例えば濃度7%程度のアンモニア水を添加すればよい。苛性ソーダ水溶液など他の塩基性溶液を採用することもできる。
−Ce系複合酸化物粒子前駆体の調製−
Ceイオン、Zrイオン、並びにCe以外の希土類金属Rのイオンを含む酸性溶液を調製する。Ce源としては硝酸セリウム(III)六水和物を、Zr源としてはオキシ硝酸ジルコニウム二水和物を、それぞれ採用することができる。Ce以外の希土類金属R源としては、Nd、La、Pr、Y等の硝酸塩を採用することができる。これらCe源、Zr源及びR源各々の所定量と水とを混合して原料溶液(酸性)とする。
上記原料溶液に塩基性溶液を添加混合して、Ce系複合酸化物一次粒子の前駆体であるCe、Zr及びRの複合水酸化物の沈殿粒子を生成する。この場合、原料溶液を室温で約1時間攪拌した後、これに塩基性溶液として例えば濃度7%程度のアンモニア水を添加すればよい。苛性ソーダ水溶液など他の塩基性溶液を採用することもできる。
−三種の粒子前駆体の混合−
上記各工程で得られた活性アルミナ粒子前駆体とZr系複合酸化物粒子前駆体とCe系複合酸化物粒子前駆体とを混合する。すなわち、上記活性アルミナ粒子前駆体の沈殿物を含有する溶液とCe系複合酸化物粒子前駆体の沈殿物を含有する溶液とZr系複合酸化物粒子前駆体の沈殿物を含有する溶液とを混合する。その際、各溶液のpHは互いに同一になるように調整しておく。
−水洗・脱水−
上記三種の粒子前駆体沈殿物を含む混合溶液を遠心分離器にかけて上澄み液を除去する。この上澄み液を除去した沈殿脱水物にさらにイオン交換水を加えて攪拌し再び遠心分離器にかける(脱水する)、という水洗・脱水操作を必要回数繰り返す。当該水洗・脱水操作により、余剰塩基性溶液が除去される。
−乾燥・焼成−
上記沈殿脱水物を乾燥させた後、焼成し、粉砕する。乾燥は、例えば大気雰囲気において100℃〜250℃程度の温度に所定時間保持することによって行なうことができる。また、焼成は、例えば大気雰囲気において400℃〜600℃程度の温度に数時間保持することによって行なうことができる。これにより、活性アルミナの一次粒子と、Zr系複合酸化物の一次粒子と、Ce系複合酸化物の一次粒子とが互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなるサポート材粉末が得られる。
−触媒金属の担持−
得られたサポート材粉末に触媒金属イオンを含有する触媒金属溶液を添加混合し、蒸発乾固させた後、粉砕する。これにより、図6に示す触媒粒子よりなる触媒材が得られる。触媒金属溶液としては、ジニトロジアミン白金硝酸溶液や硝酸パラジウム水溶液等の貴金属溶液を採用することができる。サポート材粉末に触媒金属溶液を含浸させ、乾燥・焼成するようにしてもよい。
[好適な触媒材について]
以下、上記Ce系複合酸化物粒子、Zr系複合酸化物粒子、並びに触媒粒子の好ましい組成等について、パティキュレートとしてカーボンを採用したカーボン燃焼性能試験及び排ガス(HC,CO)浄化性能試験に基いて説明する。
<Ce系複合酸化物粒子について>
−供試材の調製−
Ce系複合酸化物(CeZrRO)における希土類金属Rの種類及び配合比率を変えた種々の複合酸化物粉末を調製した。CeOとZrOのモル比は1:3とした。各複合酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及びイオン交換水を混合して蒸発乾固を行ない、十分に乾燥させた後、500℃×2時間(大気中)で焼成することにより、Ptを担持させた各触媒材を調製した。但し、これら触媒材には活性アルミナは含まれていない。
得られた各触媒材を、バインダー及びイオン交換水と混合してスラリーとし、SiC製フィルタ担体(フィルタ本体,容量;25mL,セル壁厚;12mil(304.8×10−3mm)、300cpsi(1平方インチ(635.16mm)当たりのセル数;300))にコーティングした後、乾燥させ、大気雰囲気において500℃の温度に2時間保持する焼成を行なうことにより、各供試材(触媒付パティキュレートフィルタ)を得た。フィルタ1L当たりのCe系複合酸化物粉末の担持量は50g/Lとし、Pt担持量は0.5g/Lにした。そうして、各供試材に大気雰囲気において800℃の温度に24時間保持する熱エージング処理を行なった。
次いで、フィルタ1L当たり10g相当量のカーボン(カーボンブラック)に10mLのイオン交換水を加え、スターラーを用いて5分間攪拌することにより、カーボンを水中に十分に分散させた。このカーボン分散液に各供試材の一端面を浸すと同時に、他端面よりアスピレータによる吸引を行なった。この吸引によって除去できない水分を、上記一端面からのエアブローにより除去し、次いで供試材を乾燥器に入れ150℃の温度に2時間保持して乾燥させた。これにより、カーボンを供試材フィルタの排ガス通路壁面に堆積させた。
−カーボン燃焼性能試験−
供試材を固定床模擬ガス流通反応装置に取り付け、模擬排ガス(O;10%,NO;300ppm,HO;10%,残N)を空間速度80000/hで供試材に流し、且つ供試材入口ガス温度を15℃/分の速度で上昇させていき、該温度が590℃に達した時点のカーボン燃焼速度を測定した。この場合、カーボン燃焼速度は、カーボンの燃焼によって生成するCO及びCO量に基いて次式により算出した。
カーボン燃焼速度(g/hr)
={ガス流速(L/hr)×[(CO+CO)濃度(ppm)/(1×10)]}×12(g/mol)/22.4(L/mol)
結果を図7に示す。図7の横軸はCe系複合酸化物における希土類金属Rの酸化物R−Oの比率(mol%)を示す。
同図によれば、Prの場合はその酸化物としての比率が0.3mol%以上2mol%以下の少量であるときに比較的大きなカーボン燃焼速度が得られ、他の希土類金属Nd、La及びYの場合は酸化物としての比率が1mol%以上7mol%以下ないしは6mol%以下において比較的大きなカーボン燃焼速度が得られることがわかる。また、当該4種類の希土類金属のなかでは、Ndを採用することがカーボン燃焼性の向上に最も有利であり、Nd比率を4mol%にすることが好ましいということができる。
<Zr系複合酸化物粒子について>
−供試材の調製−
Zr系複合酸化物の好ましい組成を策定するために、希土類金属MとしてLa、Pr及びY各々を採用し、且つNd及びMの酸化物の配合比率が異なる各種の複合酸化物粉末を調製した。各複合酸化物粉末にジニトロジアミン白金硝酸溶液及びイオン交換水を混合して蒸発乾固を行ない、十分に乾燥させた後、500℃×2時間(大気中)で焼成することにより、Ptを担持させた各触媒材を調製した。但し、これら触媒材には活性アルミナは含まれていない。
得られた各触媒材をバインダー及びイオン交換水と混合してスラリーとし、SiC製フィルタ担体(容量;25mL,セル壁厚;16mil、セル数;178cpsi)にコーティングした後、乾燥させ、大気雰囲気において500℃の温度に2時間保持する焼成を行なうことにより、各供試材(触媒付パティキュレートフィルタ)を得た。
当該供試材は、先に説明したCe系複合酸化物のケースと同じく、Zr系複合酸化物粉末の担持量を50g/Lとし、Pt担持量を0.5g/Lにし、また、大気雰囲気において800℃の温度に24時間保持する熱エージング処理を施した。さらに、10g/Lのカーボンを供試材フィルタの排ガス通路壁面に堆積させた。
そうして、上述のカーボン燃焼性能試験により、590℃でのカーボン燃焼速度を測定するとともに、CO発生量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005023950
Ndを含まない供試材3,4よりも、La、Pr又はYとNdとを組み合わせた供試材5,12,21の方がカーボン燃焼速度が大であるから、Ndを必須とすることが好ましいということができる。但し、供試材1,2のように希土類金属としてNdのみを用いたケースでは、Nd量が多くなっても、カーボン燃焼速度は大きくならないから、La、Pr又はYとNdとを組み合わせることが好適であるということができる。
希土類金属Mの比率が少ないケース(供試材7,14,22或いは供試材8,15,23)では、La、Pr又はYを比較すると、希土類金属MとしてLaを用いた方がカーボン燃焼速度を大きくする上で有利であるということができる。一方、希土類金属Mの比率が多いケース(供試材6,13、或いは供試材11,20,25)では、La、Pr又はYを比較すると、希土類金属MとしてPrを用いた方がカーボン燃焼速度を大きくする上で有利であるということができる。
例外はあるが、基本的にはNd及びM両酸化物の合計量の比率を大きくすると、カーボン燃焼速度が大きくなる。しかし、供試材16〜20からわかるように、当該合計量を大きくしてカーボン燃焼速度を大きくすると、カーボンの不完全燃焼によるCO発生量が増大する傾向がある。従って、パティキュレートの燃焼性を高める上では上記合計量の比率を大きくすることが好ましいが、CO発生量の増大を抑制するために、当該合計量の比率は45mol%未満、さらには40mol%未満にすることが好ましい。
一方、上記合計量の比率が20mol%を超えると概ね、大きなカーボン燃焼速度が得られることから、パティキュレートの燃焼性を高める上では上記合計量の比率を20mol%よりも多くすることが好ましいということができる。特に、Nd又はPrの比率を大きくして上記合計量の比率を20mol%よりも多くすることが好ましい。
図8は希土類金属MとしてPr又はLaを用いたZr系複合酸化物(活性アルミナは含まない。)を先のケースとはセル壁厚及びセル数が異なるSiC製フィルタ担体にコーティングしてなる供試材について、590℃でのカーボン燃焼速度を先と同じ条件で測定した結果を示す。但し、Nd比率は、表1から6mol%以上18mol%以下で良好な結果を示すことがわかるから、12mol%に固定した。フィルタ本体は、容量が25mL,セル壁厚が12mil、セル数が300cpsiである。また、先のケースと同じく、フィルタ1L当たりのZr系複合酸化物粉末の担持量は50g/Lとし、Pt担持量は0.5g/Lとし、各供試材には大気雰囲気において800℃の温度に24時間保持する熱エージング処理を行なった。
同図によれば、希土類金属MとしてPrを採用し、Pr比率を6mol%以上にすることがカーボン燃焼速度を大きくする上で好ましいことがわかる。
<Zr系複合酸化物のZrO比率,Ce系複合酸化物のCeO比率>
−供試材の調製−
上述の触媒粒子の調製法により、活性アルミナの一次粒子(Al)、Zr系複合酸化物の一次粒子(ZrNdMO)及びCe系複合酸化物の一次粒子(CeZrRO)が、Al:ZrNdMO:CeZrRO=66:22:12の質量比で混じり合い、且つZr系複合酸化物粒子中のZrO比率(ZrO/ZrNdMOのmol%)、並びにCe系複合酸化物粒子中のCeO比率(CeO/CeZrROのmol%)各々が異なる実施例及び参考例の各触媒材を調製した。Zr系複合酸化物粒子の希土類金属MとしてはPrを採用し、そのPr比率は12mol%に固定した。Ce系複合酸化物粒子の希土類金属RとしてはNdを採用し、そのNd比率は4mol%に固定した。また、触媒金属Ptの担持には蒸発乾固法を採用した。
また、比較例触媒材として、活性アルミナの二次粒子、ZrO比率が相異なる数種類のZr系複合酸化物の二次粒子(Pr比率;12mol%)、並びにCeO比率が相異なる数種類のCe系複合酸化物の二次粒子(Nd比率;4mol%)を、それぞれ共沈法によって調製し、その活性アルミナの二次粒子、Zr系複合酸化物の二次粒子及びCe系複合酸化物の二次粒子を実施例及び参考例と同じく「66:22:12」の質量比で物理的に混合することにより、Zr系複合酸化物粒子中のZrO比率及びCe系複合酸化物粒子中のCeO比率各々が異なる各種のサポート材粉末とし、これらに蒸発乾固法によってPtを担持させた。
先に説明した供試材の調製法により、実施例、参考例及び比較例の各触媒材をSiC製フィルタ担体(容量;25mL,セル壁厚;12mil、セル数;300cpsi)にコーティングすることにより、各供試材(触媒付パティキュレートフィルタ)を得た。フィルタ1L当たりの触媒材の担持量は50g/Lとし、Pt担持量は1.0g/Lにした。次いで、各供試材に大気雰囲気において800℃の温度に24時間保持する熱エージング処理を行なった。
−カーボン燃焼性能の評価−
上記実施例、参考例及び比較例の各供試材について、フィルタ1L当たり10g相当量のカーボン(カーボンブラック)を排ガス通路壁面に堆積させた後、上述のカーボン燃焼性能試験により、温度590℃でのカーボン燃焼速度を測定した。実施例及び参考例の結果を表2に、比較例の結果を表3に示す。
Figure 0005023950
Figure 0005023950
表2及び表3によれば、CeO比率が20mol%以上45mol%以下であり且つZrO比率が55mol%以上75mol%以下である実施例は、例外はあるものの概ね比較例よりもカーボン燃焼速度が大きくなっている。この結果は、実施例の場合、Ce系複合酸化物とZr系複合酸化物とが粒径の小さな一次粒子の状態で混ざり合って二次粒子となっていることから、Ce系複合酸化物の酸素吸蔵放出能及びZr系複合酸化物の酸素イオン伝導性が高くなっていること、並びに触媒材の耐熱性が高くなっていることによると考えられる。特にCeO比率20mol%且つZrO比率55mol%の実施例が良い結果を示している。
−排ガス浄化のライトオフ特性の評価−
上述の実施例、参考例及び比較例の各供試材(表2,3のデータを得たものと同じ供試材)について、上記カーボン燃焼性能試験の場合とは異なり、カーボンブラックを堆積させることなく、排ガス中のHC及びCOの浄化に関するライトオフ特性を調べた。すなわち、各供試材を模擬ガス流通反応装置にセットし、模擬排ガス(O;10%,HO;10%,NO;100ppm,C;200ppmC,CO;400ppm,残N)を空間速度50000/hで供試材に流し、且つ供試材入口ガス温度を15℃/分の速度で上昇させていった。そして、供試材下流で検出されるガスの各成分(HC、CO)濃度が、供試材に流入するガスの各成分(HC、CO)濃度の半分になった時点(すなわち浄化率が50%になった時点)の供試材入口ガス温度T50(℃)を求めた。実施例及び参考例の結果を表4に、比較例の結果を表5に示す。
Figure 0005023950
Figure 0005023950
表4及び表5によれば、CeO比率が20mol%以上45mol%以下であり且つZrO比率が55mol%以上75mol%以下である実施例は全て比較例よりもHCの浄化に関するライトオフ温度が低くなっている。この結果も、実施例触媒材では、比較例触媒材に比べて、酸素吸蔵放出性及び酸素イオン伝導性が高くなり、また、耐熱性が高くなっているためと認められる。
<活性アルミナ、Zr系複合酸化物及びCe系複合酸化物の混合比>
−供試材の調製−
そこで、Zr系複合酸化物のZrO比率を55mol%に固定し、Ce系複合酸化物のCeO比率を20mol%に固定し、活性アルミナとZr系複合酸化物とCe系複合酸化物との混合比(Al:ZrNdMO:CeZrROの質量比)が異なる各実施例(一次粒子混合)及び各比較例(二次粒子混合)の供試材を先に説明した方法によって調製した。
−カーボン燃焼性能の評価−
実施例及び比較例の各供試材に上述の熱エージング処理及びカーボン堆積処理を行なった後、上述のカーボン燃焼性能試験により、温度590℃でのカーボン燃焼速度を測定した。各供試材のフィルタ担体、触媒材の担持量及びPt担持量も表2〜5の場合と同じである。結果を表6及び図9に示す。
Figure 0005023950
表6及び図9によれば、いずれの混合比においても実施例の方が比較例よりもカーボン燃焼速度が大きくなっている。また、実施例のカーボン燃焼速度は、Al:ZrNdMO:CeZrROの比が(66:22:12)であるとき最も大きく、図1に示す三角図表の周辺へいくと、すなわち、Al比率が大きい点C(75:15:10)、ZrNdMO比率が大きい点B(15:75:10)、並びにCeZrRO比率が大きい点A(15:10:75)になると、その燃焼速度が小さくなる傾向が見られる。また、実施例及び比較例のカーボン燃焼速度差も三角図表(図1)の周辺へいくと小さくなる傾向が見られる。
−排ガス浄化のライトオフ特性の評価−
実施例及び比較例の各供試材に上述の熱エージング処理を行なった後、上述のライトオフ性能評価試験により、HC及びCOの浄化に関するライトオフ温度を測定した。HC浄化のライトオフ温度を表7及び図10に示し、CO浄化のライトオフ温度を表7及び図11に示す。
Figure 0005023950
表7,8及び図10,11によれば、いずれの混合比においても実施例の方が比較例よりもライトオフ温度が低くなっている。また、実施例のライトオフ温度は、CeZrRO比率が大きい点A(15:10:75)は例外になっているが、基本的には三角図表(図1)の周辺へいくと高くなる傾向が見られる。また、実施例及び比較例のライトオフ温度差も三角図表(図1)の周辺へいくと小さくなる傾向が見られる。
−混合比についてのまとめ−
以上のカーボン燃焼性能及びライトオフ性能の評価結果から、本発明においては、活性アルミナ粒子とZr系複合酸化物粒子とCe系複合酸化物粒子との質量比を、図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、B(15:75:10)及びC(75:15:10)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にすると、低温でのHC浄化性及びCO浄化性を高めながら、パティキュレートの燃焼性を高めることができるということができる。
より好ましいのは、上記三種の質量比を図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、C(75:15:10)及びD(22:66:12)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にすることである。
上記実施形態は本発明に係る触媒材をパティキュレートフィルタに採用しているが、当該触媒材は、HC、CO及びNOxの浄化を目的とし、パティキュレートの捕集を目的としない排ガス浄化用触媒にも利用することができる。
活性アルミナ(Al)、Zr系複合酸化物(ZrNdMO)及びCe系複合酸化物(CeZrRO)の質量比を示す三角図表である。 パティキュレートフィルタをエンジンの排ガス通路に配置した状態を示す図である。 パティキュレートフィルタを模式的に示す正面図である。 パティキュレートフィルタを模式的に示す縦断面図である。 パティキュレートフィルタの排気ガス流入路と排気ガス流出路とを隔てる壁を模式的に示す拡大断面図である。 本発明に係る触媒粒子を模式的に示す図である。 Ce系複合酸化物における希土類金属R酸化物の比率とカーボン燃焼速度との関係を示すグラフ図である。 Zr系複合酸化物における希土類金属M酸化物の比率とカーボン燃焼速度との関係を示すグラフ図である。 実施例及び比較例の活性アルミナ、Zr系複合酸化物及びCe系複合酸化物の混合比とカーボン燃焼速度との関係を示すグラフ図である。 実施例及び比較例の活性アルミナ、Zr系複合酸化物及びCe系複合酸化物の混合比とHC浄化のライトオフ温度との関係を示すグラフ図である。 実施例及び比較例の活性アルミナ、Zr系複合酸化物及びCe系複合酸化物の混合比とCO浄化のライトオフ温度との関係を示すグラフ図である。
1 パティキュレートフィルタ
2 排ガス流入路(排ガス通路)
3 排ガス流出路(排ガス通路)
4 栓
5 隔壁
6 細孔通路(排ガス通路)
7 触媒層

Claims (3)

  1. 活性アルミナの一次粒子と、Zr、Nd、及びCe以外の希土類金属を含有するZr系複合酸化物の一次粒子と、Ce、Zr、及びCe以外の希土類金属Rを含有するCe系複合酸化物の一次粒子とが、互いに混ざり合って二次粒子を形成するように凝集してなり、
    上記活性アルミナの一次粒子、Zr系複合酸化物の一次粒子及びCe系複合酸化物の一次粒子の質量比が、図1に示す三角図表の点A(15:10:75)、B(15:75:10)及びC(75:15:10)を結ぶ直線で囲まれる範囲内にあり、
    上記Ce系複合酸化物の一次粒子は、上記希土類金属RとしてNd、La及びPrから選ばれる少なくとも一種を含有し、CeO を20mol%以上45mol%以下の割合で含有し、
    上記Zr系複合酸化物の一次粒子は、ZrO を55mol%以上75mol%以下の割合で含有することを特徴とする排ガス成分浄化用触媒材。
  2. エンジンから排出されるパティキュレートを捕集するフィルタ本体の排ガス通路壁面に触媒層が形成されているパティキュレートフィルタであって、
    上記触媒層に請求項1に記載された排ガス成分浄化用触媒材が含まれていることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  3. 請求項2において、
    上記排ガス成分浄化用触媒材は、上記二次粒子に触媒金属としてPtが担持されているであることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
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