JP4677779B2 - 複合酸化物及び排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒担体として有用な複合酸化物と、その複合酸化物粉末を触媒担体とした触媒に関する。
従来より自動車の排ガス浄化用触媒として、排ガス中のCO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性ハニカム基材にγ-Al2O3からなる担体層を形成し、その担体層に白金(Pt)やロジウム(Rh)などの貴金属を担持させたものが広く知られている。
排ガス浄化触媒に用いられる担体の条件としては、比表面積が大きく耐熱性が高いことが挙げられ、一般にはγ-Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2などが用いられることが多い。また酸素吸蔵能をもつCeO2を併用することで、排ガスの雰囲気変動を緩和することも行われている。
ところでガソリンエンジンの高出力化あるいは高速走行の増加などを背景に、近年の自動車排ガスの温度は 600〜1000℃の高温となっている。しかし従来の触媒においては、実際の排ガス中における耐久性に乏しく、熱によって貴金属自体に粒成長が生じて活性が低下するという問題がある。また担体のシンタリングによって貴金属が粒成長する場合もある。したがって、担体のシンタリングを防止するとともに貴金属自体の粒成長を抑制することが求められている。
そこで特開平10−202101号公報には、Ce、Al及びZrの各イオンを含む混合溶液に、アルカリ性溶液と過酸化水素水とを添加して複合酸化物の前駆体が分散した懸濁液を形成し、懸濁液に比表面積の大きなγ-Al2O3を添加し、それを焼成して形成された複合酸化物担持担体が記載されている。この複合酸化物は、CeO2とZrO2の固溶体が Al2O3中に高分散状態で分布し、さらにこの複合酸化物がγ-Al2O3の粒界部に均一分散している。したがってこの複合酸化物担持担体に貴金属を担持した触媒においては、γ-Al2O3の粒界部に介在する複合酸化物が障壁となってγ-Al2O3のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。
また特開2001−232199号公報には、Al−Ce−Zr−Pr複合酸化物からなり、金属組成が原子比でCe/Zr=3/1〜1/3、Al/(Ce+Zr)=2〜10、Ce/Pr=3/1〜20/1の範囲にある担体が記載されている。この担体によれば、固溶体中のCe原子どうしの間にCeと同じランタノイド元素であるPr原子が存在し、これによって高温時のCe原子どうしの凝集が抑制される。したがってこの担体に貴金属を担持した触媒においては、高温時のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。
さらに特開2003−020227号公報には、Zr酸化物と Al2O3との混合物であり、Zr酸化物と Al2O3とがnmスケールで均一に分散した複合酸化物が開示されている。この複合酸化物によれば、互いに固溶しないZr酸化物と Al2O3とが互いの障壁として作用するために、高温時のシンタリングが抑制される。したがってこの複合酸化物に貴金属を担持した触媒においては、高温時のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。
特開平10−202101号 特開2001−232199号 特開2003−020227号
特許文献1〜3に記載の複合酸化物は、いずれも共沈法あるいはアルコキシド法によって製造されている。共沈法あるいはアルコキシド法によって製造される Al2O3は基本的にγ相となるため、特許文献1〜3に記載の複合酸化物では Al2O3はγ-Al2O3となっていると考えられる。
ところがγ-Al2O3は、比表面積は大きいものの高温雰囲気における比表面積低下度合いが大きく、Ptとの親和性も低い。また担持された貴金属、とりわけRhとの反応性が高い。したがってγ-Al2O3にPtを担持した触媒では、γ-Al2O3とPtとの相互作用が不足するためPtが移動しやすく、γ-Al2O3の僅かな比表面積の低下に伴ってPtが大きく粒成長するという短所がある。またγ-Al2O3にRhを担持した触媒では、Rhとγ-Al2O3との間に固相反応が生じるという問題がある。したがって特許文献1〜3に記載の複合酸化物にPtあるいはRhを担持した触媒においても、これらの不具合が出現して十分な触媒機能を発現できないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、実用上十分な触媒機能を発現させるとともに、高温時のシンタリングを抑制することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の複合酸化物の特徴は、θ-Al2O3、δ-Al2O3及びα-Al2O3から選ばれる少なくとも一種のAl酸化物と、
γ-Al2O3を含まずAl酸化物と固溶しないZrO 2 、SiO 2 、Y 2 O 3 、TiO 2 、アルカリ土類酸化物及び希土類酸化物から選ばれる少なくとも一種の機能性酸化物と、からなり、
Alと機能性酸化物の金属元素との比率が原子比で30/70〜70/30の範囲となるようにAl酸化物の一次粒子と機能性酸化物の一次粒子とがナノスケールで均一混合されていることにある。
Al酸化物及び機能性酸化物の少なくとも一方の一次粒子の粒径は5〜50nmの範囲にあることが好ましく、7〜35nmの範囲にあることがさらに望ましい。
そして本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、本発明の複合酸化物にPt、Rh及びPdから選ばれる少なくとも一種を担持してなることにある。
本発明の複合酸化物によれば、互いに固溶しないAl酸化物と機能性酸化物とがナノスケールで互いの障壁として作用するために、高温時のシンタリングが抑制される。したがってこの複合酸化物に貴金属を担持した触媒においては、高温時のシンタリングが抑制されるため、貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。また機能性酸化物はγ-Al2O3を含まないので、Ptの粒成長やRhとの固相反応が抑制され十分な触媒機能が発現される。
Rhのγ-Al2O3への固溶を抑制するには、γ-Al2O3の反応性を低下させることが有効であり、γ-Al2O3の結晶安定性を向上させること、すなわちθ相、δ相あるいはα相へ相転移させることが考えられる。またPtの粒成長を抑制するには、γ-Al2O3の比表面積低下を抑制することが考えられ、この場合も熱処理を行いθ相、δ相あるいはα相へ相転移させ、予め、ある程度比表面積を下げておくことが有効である。
一般的な相転移には熱処理が必要となり、例えば特許文献3に記載の複合酸化物中のγ-Al2O3をθ相、δ相あるいはα相へ相転移させるには、高温で熱処理することとなる。しかしその場合には、介在するZrO2の比表面積まで低下するため、貴金属を担持するとその分散性が低下し十分な浄化性能が得られない。また予め相転移された Al2O3とZrO2などを物理混合してボールミルなどで機械的に粉砕しても、サブミクロンスケールの二次粒子どうしの混合物となるだけであり、一次粒子どうしの粒成長を抑制することは困難である。
そこで本発明の複合酸化物では、θ相、δ相あるいはα相へ相転移されたAl酸化物の一次粒子と機能性酸化物の一次粒子とがナノ(nm)スケールで均一混合されている。したがって一次粒子の状態で、互いに固溶しないAl酸化物と機能性酸化物とが互いの障壁として作用し、高温時のシンタリングが抑制される。また複合酸化物を熱処理する必要がないので、比表面積の低下がなく貴金属を高分散で担持することができる。
なおAl酸化物の一次粒子と機能性酸化物の一次粒子とがナノスケールで均一に混合されている状態は、FE−STEMにおいて、重なりのない一つの粒子に対して直径 0.5nmの範囲の EDX分析を行った時の各分析点の90%以上で、Al元素と機能性酸化物に起因する金属元素とが仕込み組成の±20%以内の組成比で検出されることで確認することができる。
さらに本発明の排ガス浄化用触媒では、担体としての複合酸化物にγ-Al2O3を含まないので、Ptの粒成長が抑制され、Rhの固相反応も抑制される。したがって耐久性が向上する。
Al酸化物はθ-Al2O3、δ-Al2O3及びα-Al2O3から選ばれる少なくとも一種であり、このうちの一種あるいは複数種からなる。中でも安定性の高いθ相又はα相のものが望ましい。
機能性酸化物は、γ-Al2O3を含まずAl酸化物と固溶しないものであれば用いることができるが、ZrO2、SiO2、Y2O3、TiO2、アルカリ土類酸化物及び希土類酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
Al酸化物と機能性酸化物との組成割合は、原子比でAl/機能性酸化物の金属元素=30/70〜70/30の範囲とするのが好ましい。この比がこの範囲から外れると、高温雰囲気で担持されている貴金属の粒成長が生じ易くなる。
Al酸化物及び機能性酸化物の少なくとも一方の一次粒子の粒径は、5〜50nmの範囲が好ましく、3〜35nmの範囲であることがさらに望ましい。一次粒子の粒径が5nm未満であると結晶子が不安定となり、酸化物の粒成長が進行し易く、これに伴う貴金属の粒成長も生じ易くなる。また一次粒子の粒径が50nmを超えると、複合酸化物の細孔容積が低下して比表面積が低下するので、貴金属の担持密度が上昇し、高温雰囲気での貴金属の粒成長が生じ易くなる。
本発明の複合酸化物を製造するには、例えばθ-Al2O3、δ-Al2O3及びα-Al2O3から選ばれるAl酸化物のナノスケールの粉末を用意し、共沈法あるいはアルコキシド法で機能性酸化物を調製する際にナノスケールのAl酸化物粉末を溶液中に混合しておき、得られた酸化物前駆体を焼成して複合酸化物とする方法がある。
θ-Al2O3、δ-Al2O3及びα-Al2O3から選ばれるAl酸化物のナノスケールの粉末は、市販のものでも、γ-Al2O3を熱処理して調製されたものでもよい。また一次粒子径がナノスケールより大きい場合には、 100μm以下のマイクロビーズを用いての遊星ボールミルなどを用いてナノスケールまで粉砕することが望ましい。さらに、「ウルトラアペックスミル」のような、マイクロビーズを用いることが可能な粉砕装置を使用すれば、より好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒は、上記した本発明の複合酸化物にPt、Rh及びPdから選ばれる少なくとも一種の貴金属を担持してなるものである。貴金属の担持量は、活性とコストの観点から0.05〜5重量%とすることが好ましい。また貴金属を担持するには、吸着担持法、吸水担持法のいずれも用いることができる。卑金属など他の触媒金属を貴金属と共に担持することができることは言うまでもない。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
市販のγ-Al2O3粉末(「TN」日揮ユニバーサル社製)を大気中にて1200℃で5時間熱処理し、α-Al2O3粉末を調製した。このα-Al2O3を「ウルトラアペックスミル」(寿工業社製)で粉砕し、分散水溶液を調製した。分散水溶液中のα-Al2O3の平均一次粒子径は30nmであり、一次粒子レベルで分散している。
次に所定量の硝酸セリウム6水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物とを上記分散水溶液中に溶解し、よく撹拌して混合水溶液を調製した。そこへ中和当量のアンモニア水を加え、得られた前駆体沈殿を洗浄、濾過した後、大気中にて 400℃で3時間仮焼し、 700℃で5時間本焼成して複合酸化物粉末を得た。得られた複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:Ce:Zr=1: 0.5: 0.5であり、α-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶して機能性酸化物としてのCeO2−ZrO2固溶体を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は30nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は8nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
得られた複合酸化物粉末に所定濃度のジニトロジアミン白金溶液の所定量を含浸させ、蒸発乾固後 300℃で3時間焼成してPtを担持した。Ptの担持量は1重量%である。これを定法にて 0.5〜1mmのペレットとし、ペレット触媒を調製した。
(実施例2)
γ-Al2O3粉末の熱処理温度を1100℃としたこと以外は実施例1と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、α相とθ相とが混在している。またAl酸化物の一次粒子径は20〜30nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は9nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例3)
γ-Al2O3粉末に代えて、γ-Al2O3に La2O3が2.5mol%添加された Al2O3− La2O3粉末を用いたこと以外は実施例2と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。得られた複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Ce:Zr= 0.975: 0.025: 0.5: 0.5であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶して機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は8nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例4)
所定量の硝酸セリウム6水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物と、硝酸プラセオジウムを実施例3と同様の分散水溶液中に溶解して混合水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Ce:Zr:Pr= 0.975: 0.025: 0.6: 0.3: 0.1であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶し Pr2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は10nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例5)
硝酸プラセオジウムに代えて硝酸ランタン6水和物を用いたこと以外は実施例4と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Ce:Zr:La= 0.975: 0.025: 0.6: 0.3: 0.1であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶し La2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は9nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例6)
硝酸プラセオジウムに代えて硝酸イットリウム6水和物を用いたこと以外は実施例4と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Ce:Zr:Y= 0.975: 0.025: 0.6: 0.3: 0.1であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶しY2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は12nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例7)
所定量の硝酸セリウム6水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物と、硝酸プラセオジウムと、硝酸ランタン6水和物を実施例3と同様の分散水溶液中に溶解して混合水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Ce:Zr:Pr:La= 0.975: 0.025: 0.6:0.25: 0.1:0.05であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、CeO2とZrO2は互いに固溶して Pr2O3及び La2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は11nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例8)
硝酸セリウム6水和物に代えて硝酸ランタン6水和物を用いたこと以外は実施例3と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末を調製した。この複合酸化物粉末を用い、ジニトロジアンミン白金溶液に代えて硝酸ロジウム水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを 0.5重量%担持したペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Zr:La= 0.975: 0.025:0.95:0.05であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、ZrO2は La2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は8nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(実施例9)
硝酸セリウム6水和物に代えて硝酸ネオジウムを用いたこと以外は実施例3と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末を調製した。この複合酸化物粉末を用い、実施例8と同様にして、Rhを 0.5重量%担持したペレット触媒を調製した。なお分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、θ相となっている。複合酸化物における各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:La:Zr:Nd= 0.975: 0.025:0.95:0.05であり、 La2O3を含むθ-Al2O3がAl酸化物を構成し、ZrO2は Nd2O3と共に機能性酸化物を構成している。またAl酸化物の平均一次粒子径は17nmであり、機能性酸化物の一次粒子径は8nmであって、FE−STEMにおける EDX分析の結果、ナノスケールで均一に混合されていた。
(比較例1)
γ-Al2O3粉末の熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして分散水溶液を調製し、それを用いたこと以外は実施例1と同様にして複合酸化物粉末及びペレット触媒を調製した。分散水溶液及び複合酸化物中の Al2O3結晶相は、γ相のままである。
(比較例2)
所定量の硝酸セリウム6水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物とを水中に溶解し、混合水溶液を調製した。そこへ中和当量のアンモニア水を加え、得られた前駆体沈殿を洗浄、濾過した後、大気中にて 400℃で3時間仮焼し、 700℃で5時間本焼成してCeO2−ZrO2固溶体粉末を得た。これに、実施例1と同様に調製された粉砕前のα-Al2O3粉末をボールミルにて混合し、酸化物複合体を得た。酸化物複合体中の各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:Ce:Zr=1: 0.5: 0.5である。またα-Al2O3は粒子径が 0.1〜1μmの二次粒子として存在し、CeO2−ZrO2固溶体の一次粒子径は11nmであった。これに実施例1と同様にしてPtを担持し、ペレット触媒を調製した。
(比較例3)
所定量の硝酸アルミニウム9水和物と、硝酸セリウム6水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物とを水中に溶解し、混合水溶液を調製した。そこへ中和当量のアンモニア水を加え、得られた前駆体沈殿を洗浄、濾過した後、大気中にて 400℃で3時間仮焼し、 700℃で5時間本焼成して複合酸化物粉末を得た。複合酸化物中の Al2O3の結晶相は、γ相である。また複合酸化物中の各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:Ce:Zr=1: 0.5: 0.5である。これに実施例1と同様にしてPtを担持し、ペレット触媒を調製した。
(比較例4)
所定量の硝酸アルミニウム9水和物と、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物と、硝酸ランタン6水和物とを水中に溶解し、混合水溶液を調製した。そこへ中和当量のアンモニア水を加え、得られた前駆体沈殿を洗浄、濾過した後、大気中にて 400℃で3時間仮焼し、 700℃で5時間本焼成して複合酸化物粉末を得た。複合酸化物中の Al2O3の結晶相は、γ相である。また複合酸化物中の各成分の組成は、金属元素のモル比でAl:Zr:La=1:0.95:0.05である。これに実施例8と同様にしてRhを担持し、ペレット触媒を調製した。
<試験・評価>
得られた各ペレット触媒をそれぞれ固定床流通式反応装置に配置し、表1に示すモデルガスをリーンガス5分とリッチガス5分で交互にSV=10,000 h-1で流しながら、それぞれ入りガス温度1000℃で5時間保持する耐久試験を行った。
Figure 0004677779
Figure 0004677779
そして耐久試験後の各ペレット触媒に、表2に示すストイキ定常モデルガスを流しながら、 100℃から 500℃まで12℃/分で昇温し、その間のC3H6浄化率を測定した。そしてC3H6の50%浄化温度を求め、結果を表3に示す。
Figure 0004677779
実施例1〜7と比較例1〜3との比較より、実施例の触媒は比較例の触媒より浄化活性が高いことがわかり、本発明の複合酸化物を担体とすることでPtの触媒機能が十分に発現されていることが明らかである。また実施例1と比較例2との比較から、同じα-Al2O3を用いても混合レベルによって浄化活性が変化し、ナノスケール混合が好ましいことが明らかである。
そして実施例1〜3と比較例1との比較から、ナノスケールで分散している Al2O3は結晶性の高いα相又はθ相であることが好ましく、実施例1〜2より実施例3の方が活性が高いことから、α相又はθ相の Al2O3も La2O3などを添加することで高耐熱化するのが好ましいことが明らかである。
さらに実施例3と実施例4〜7との比較から、CeO2−ZrO2固溶体に Pr2O3、Y2O3、 La2O3、 Nd2O3などの第3成分を添加することで性能が向上することもわかる。
また、実施例8〜9と比較例4との比較から、Rhを担持した場合も Al2O3は結晶性の高いα相又はθ相であることが好ましいことが明らかである。
本発明の複合酸化物は、メタン浄化用触媒、酸化触媒、三元触媒、NOx 選択還元触媒、NOx 吸蔵還元型触媒、水素生成触媒などの担体に利用できる。

Claims (4)

  1. θ-Al2O3、δ-Al2O3及びα-Al2O3から選ばれる少なくとも一種のAl酸化物と、
    γ-Al2O3を含まず該Al酸化物と固溶しないZrO 2 、SiO 2 、Y 2 O 3 、TiO 2 、アルカリ土類酸化物及び希土類酸化物から選ばれる少なくとも一種の機能性酸化物と、からなり、
    Alと機能性酸化物の金属元素との比率が原子比で30/70〜70/30の範囲となるように、該Al酸化物の一次粒子と該機能性酸化物の一次粒子とがナノスケールで均一混合されていることを特徴とする複合酸化物。
  2. 前記Al酸化物及び前記機能性酸化物の少なくとも一方の一次粒子の粒径は5〜50nmの範囲にある請求項1に記載の複合酸化物。
  3. 前記Al酸化物及び前記機能性酸化物の少なくとも一方の一次粒子の粒径は7〜35nmの範囲にある請求項2に記載の複合酸化物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物にPt、Rh及びPdから選ばれる少なくとも一種を担持してなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
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