JP3962280B2 - 放電プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電プラズマ処理装置に関し、特に、3枚の電極で2つの放電空間を有するプラズマ処理装置における、放電空間の間隔を調整することのできる放電プラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、低圧条件下でグロー放電プラズマを発生させて被処理体の表面改質、又は被処理体上に薄膜形成を行う方法が実用化されている。しかし、これらの低圧条件下における処理装置は、真空チャンバー、真空排気装置等が必要であり、表面処理装置は高価なものとなり、大面積基板等を処理する際にはほとんど用いられていなかった。このため、特開平6−2149号公報、特開平7−85997号公報等に記載されているような大気圧近傍の圧力下で放電プラズマを発生させる常圧プラズマ処理装置が提案されてきている。
【0003】
しかしながら、常圧プラズマ処理方法においても、固体誘電体等で被覆した平行平板型等の電極間に被処理体を設置し、電極間に電圧を印加し、発生したプラズマで被処理体を処理する装置では、被処理体全体を放電空間に置くこととなり、被処理体にダメージを与えることになりやすいという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、被処理体を放電空間中に配置するのではなく、その近傍に配置し、放電空間から被処理体にプラズマを吹き付けるリモート型の装置が提案されている。特開平11−251304号公報及び特開平11−260597号公報には外側電極を備えた筒状の反応管及び反応管の内部に内側電極を具備し、両電極に冷却手段を設け、反応管内部でグロー放電を発生させ、反応管からプラズマジェットを吹き出して被処理体に吹きつけるプラズマ処理装置が記載されている。
【0005】
しかし、プラズマを発生させる放電空間は単純な一室タイプのものであるので、半導体素子等の製造工程における複合酸化物薄膜の形成、積層薄膜の形成、エッチング処理、アッシング処理等の複雑な処理に十分に対応できないという問題があり、複数の放電空間を形成してそれらの問題を解決しようとする試みがおこなわれてきている。
【0006】
複数の放電空間の形成において、対向した表面平滑な電極用いて放電空間を形成し、常圧で均一なプラズマを発生させようとすると、対向する電極の間隔を均一に保持する必要がある。その間隔を均一にするためには、厚みの均一な絶縁体を電極間に挟み込み、電極を固定する方法がとられてきた。しかし、電極をケースの中に収める場合、電極とケースの固定方法によっては、電極の間隔が一定にならない場合がある。
特に、3枚の電極を対向させてできた2つの放電空間に同時に2つのプラズマを立てる場合や、1つの電源(同じ電圧)で2つの放電空間に異種のガスで同時にプラズマを発生させようとしたときには、2つの放電空間をそれぞれ微妙に調整する必要があるが、絶縁体を挟み込んで放電空間間隔を均一にする場合には、その度に微妙に厚みの異なる絶縁体を用意し、トライアンドエラーで調整を行う必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、3枚の電極を用いて2つの放電空間を形成する放電プラズマ処理装置において、簡便に両放電空間の電極間距離を微調整することができ、均一なプラズマを発生させ、継続して安定した処理を行うことのできる放電プラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、3枚の電極の中央電極を固定し、両端の電極を可動にして両側の電極を微調整することによって、2つの電極間間隔を調整することにより、2つの放電空間において均一なプラズマを容易に発生させることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明の第1は、対向面の少なくとも一方を固体誘電体で被覆した3枚の電極によって形成された2つの放電空間を有する対向電極間に電界を印加することによってグロー放電プラズマを発生させて被処理体を処理する装置において、前記3枚の電極の中央の電極を固定し、両端の2枚の電極を可動にして、2つの放電空間の間隔を調整することを特徴とする放電プラズマ処理装置である。
【0010】
また、本発明の第2発明は、可動電極が、中央の固定電極に向かって押す機構及び引く機構を備えていることを特徴とする第1の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0011】
また、本発明の第3の発明は、中央の固定電極に向かって押す機構が、電極周囲のケースに雌ネジを穿ち、該雌ネジに係合する雄ネジを有するボルトをその先端が可動電極に当接するようにして嵌合させ、該ボルトをケースに押し込むことにより、可動電極を固定電極側に押し込み、電極間間隔を狭める機構であることを特徴とする第2の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0012】
また、本発明の第4の発明は、中央の固定電極に向かって引く機構が、電極周囲のケース及び可動電極に雌ネジを穿ち、該両雌ネジに係合する雄ネジを有するボルトを、ケースを貫通しその先端を可動電極にまで嵌合させ、該ボルトをケースに押し込むことにより、可動電極をケース側に引き寄せ、電極間間隔を拡げる機構であることを特徴とする第2の発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0013】
また、本発明の第5の発明は、中央の固定電極に向かって押す機構及び引く機構を各両端電極に、それぞれ少なくとも2箇所設けることを特徴とする第2〜4のいずれかの発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0014】
また、本発明の第6の発明は、中央の電極を電圧印加側電極とし、両端の電極を接地側電極とすることを特徴とする第1〜5のいずれかの発明に記載の放電プラズマ処理装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、3枚の対向電極による2つの放電空間を有し、中央の1つが2つの放電空間により共有され、3枚の対向電極間に電界を印加し、2つの放電空間で発生する放電プラズマにより処理ガスを励起して、放電空間外に設置された被処理体を処理する放電プラズマ処理装置(以下、リモートソースということがある。)を用いる大気圧近傍の圧力下の常圧放電プラズマ処理装置であって、前記リモートソースは、対向電極の少なくとも一方の対向面が固体誘電体で被覆された3枚の電極を有し、3枚の電極の中央の電極は固定され、両端の電極を可動にして電極間間隔を微調整することが可能にされた放電プラズマ処理装置である。
ただし、本発明の装置においては、一対の電極により形成される1つの放電空間を、直列又は並列に並べることにより複数の放電空間を形成させている装置は除外される。以下、詳細に説明する。
【0016】
本発明の装置を図で説明する。例えば、図1に、平行平板電極を3枚使用し、放電空間を2つ設けたリモートソースの一例の模式的断面図を示す。図1の装置において、リモートソース1は、ケース2内で固体誘電体で被覆された平行平板電極3、4及び4’の3枚が対向して設置されており、それぞれの電極間に放電空間5及び5’を形成し、放電空間5及び5’に処理ガスを導入する処理ガス導入室7及び7’、放電空間内で発生したプラズマを吹き出すプラズマ吹き出し口8及び8’を有するように構成されている。中央の電極3を電圧印加電極にして固定し、両端の電極4及び4’を接地電極にして可動にし、かつ両端の電極4及び4’は、電極間隔微調整用ボルト21、22、21’及び22’で放電空間5及び5’を調整できるようにしてある。
【0017】
処理ガスは、処理ガス導入口6及び6’から処理ガス導入室7及び7’に導入され、処理ガス導入室7及び7’内で整流化された後、放電空間5及び5’に導入され、電極に印加された電界により放電空間5及び5’内でプラズマ化され、プラズマ吹き出し口8及び8’より吹き出され、被処理体10の表面に吹き付けられ表面処理を行う。
【0018】
上記放電空間5及び5’において、中央電極3を固定し、両端の電極4及び4’を可動にすることにより、容易に両電極間間隔を均一な幅にすることができる。
【0019】
両端の電極4及び4’の可動方法としては、電極間隔微調整用ボルト21、22、21’及び22’で、電極4及び4’を中央の固定電極3に向かって押す機構(電極間間隔を狭める機構)と引く機構(電極間間隔を拡げる機構)を備えるよにして可動させる方法が好ましい。
【0020】
上記固定電極3に向かって押す機構及び引く機構を図で説明する。図2に図1に示したリモートソース1の電極4側の拡大模式的断面図を示す。図2の装置において、中央の固定電極3はケース2に固定され、可動電極4はケース2内で放電空間5の電極間間隔を微調整できるように放電空間5と反対側に隙間23を形成する様に設置されている。ケース2には、雌ネジ24を穿ち、該雌ネジ24に係合する雄ネジを有する微調整ボルト21が嵌合されており、ボルト21の先端部が可動電極4に当接するように設けられている。該微調整ボルト21をケース2内に押し込むと、電極4は中央固定電極3側に押され、放電空間5の間隔を狭めるように動く。また電極4に雌ネジ26を穿ち微調整ボルト22をケース2を貫通させ、その先端を可動電極4にまで嵌合させ、該微調整ボルト22を回すと、電極4はケース2側に引き寄せられ、放電空間5の間隔を拡げるように動く。
【0021】
上記固定電極3に向かって押す機構及び引く機構は、各両端電極4及び4’に、それぞれ少なくとも押す機構を2箇所、引く機構を2箇所、好ましくは、押す機構を3箇所以上、引く機構を3箇所以上設けることにより、各放電空間の電極間間隔を微調整することができる。
【0022】
本発明の装置においては、上記ケース2の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン等の樹脂、セラミックス等を用いることができ、ボルトの材質としては、樹脂、セラミックス、金属等を用いることができる。
【0023】
また、中央電極3を電圧印加電極とし、両側の電極4及び4’を接地電極とすることにより、放電空間5及び5’の両方を1つの電圧印加電極で放電させることができる。さらに、3枚の電極で生じた2つの放電空間5及び5’にプラズマ発生電圧の異なるガスを流してプラズマを同時に発生させる場合にも、その電極間間隔を調整することによって、同電圧でプラズマを発生することができる。すなわち、低い電圧でプラズマが発生するガス側は、放電空間の電極間間隔を広くし、高い電圧でプラズマが発生するガス側は、放電空間の電極間間隔を狭くすることにより、異種ガスを用いたプラズマ処理を同時に行うことができる。
【0024】
上記電極の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向電極間の距離が略一定となる構造であることが好ましい。この条件を満たす電極構造としては、例えば、平行平板型、ロール型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
【0025】
上記電極を被覆する固体誘電体は、電極の対向面の一方又は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される側の電極とが密着し、かつ、接する電極の対向面を完全に覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電が生じやすい。
【0026】
上記固体誘電体は、厚みが0.01〜4mmであることが好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに高電圧を要し、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こりアーク放電が発生しやすい。
【0027】
上記固体誘電体の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウム等の複酸化物、及びこれらの複層化したもの等が挙げられる。
【0028】
また、上記固体誘電体は、比誘電率が2以上(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げることができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発生させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を用いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定されるものではないが、現実の材料では18,500程度のものが知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体としては、例えば、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮膜、または、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮膜からなるものが好ましい。
【0029】
上記電極間の距離は、固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して適宜決定されるが、0.1〜50mmであることが好ましく、より好ましくは5mm以下である。50mmを超えると、均一な放電プラズマを発生させ難い。
【0030】
本発明の装置においては、上記電極間に、高周波、パルス波、マイクロ波等による電界が印加され、プラズマを発生させるが、パルス電界を印加することが好ましく、特に、電界の立ち上がり及び/又は立ち下がり時間が、10μs以下である電界が好ましい。10μsを超えると放電状態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界による高密度プラズマ状態を保持しにくくなる。また、立ち上がり時間及び立ち下がり時間が短いほどプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われるが、40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実現することは、実際には困難である。より好ましくは50ns〜1μsである。なお、ここでいう立ち上がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して増加する時間、立ち下がり時間とは、電圧(絶対値)が連続して減少する時間を指すものとする。
【0031】
また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の10μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パルス電界発生技術によっても異なるが、立ち上がり時間と立ち下がり時間とが同じ時間に設定できるものが好ましい。
【0032】
上記パルス電界の電界強度は、10〜1000kV/cmとなるようにするのが好ましい。電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。
【0033】
上記パルス電界の周波数は、0.5kHz以上であることが好ましい。0.5kHz未満であるとプラズマ密度が低いため処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも構わない。負荷との整合のとり易さや取り扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス電界を印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
【0034】
また、上記パルス電界におけるオフ時間は、0.5〜1000μsであることが好ましく、より好ましくは0.5〜500μsである。0.5μs未満であると放電が不安定なものとなり、1000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
【0035】
また、上記パルス電界における電流密度は、10〜500mA/cm2であることが好ましく、より好ましくは50〜500mA/cm2である。10mA/cm2未満であると放電が不安定なものとなり、500mA/cm2を超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
【0036】
また、上記パルス電界におけるひとつのパルス継続時間は、200μs以下であることが好ましく、より好ましくは3〜200μsである。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、ひとつのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界における、ひとつのパルスの連続するON時間を言う。
【0037】
本発明の装置は、大気圧近傍の圧力で用いるのが好ましい。大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
【0038】
本発明で用いる処理ガスとしては、電界を印加することによってプラズマを発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用できる。
【0039】
上記処理用ガスとして、CF4、C26、CClF3、SF6等のフッ素含有化合物ガスを用いることによって、撥水性表面を得ることができる。
【0040】
また、処理用ガスとして、O2、O3、水、空気等の酸素元素含有化合物、N2、NH3等の窒素元素含有化合物、SO2、SO3等の硫黄元素含有化合物を用いて、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積することもできる。
【0041】
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理用ガスを用いて、SiO2、TiO2、SnO2等の金属酸化物薄膜を形成させ、基材表面に電気的、光学的機能を与えることができ、ハロゲン系ガスを用いてエッチング処理、ダイシング処理を行ったり、酸素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスによるプラズマで表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。
【0042】
経済性及び安全性等の観点から、処理ガスが不活性ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うこともできる。
【0043】
本発明の装置で処理できる被処理体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等のプラスチック、ガラス、セラミック、シリコンウエハー、金属、繊維、紙等が挙げられる。基材の形状としては、シート状、フィルム状等のものが挙げられ、特に半導体用途においては、銅張積層体、プリント基板、プリプレグ等を挙げることができる。
【0044】
本発明のプラズマ処理装置においては、プラズマの発生直後から放電が安定するまでの間、予備放電を行い、その後被処理体に接触させる機構を備えることもできる。
【0045】
また、被処理体や被処理面が大気中の湿潤空気やその他の不純物に接触することを防いだり、排ガスの外部流出を防ぐために、上記プラズマを被処理体に接触させる装置に加えて、プラズマと被処理体との接触部近傍に排ガス吸収機構、不活性ガス雰囲気に保つ機構等を付加した装置を用いることもできる。
【0046】
さらに、被処理体を搬送する手段としては、搬送コンベア、搬送ロボット等の搬送系を組み合わせた装置を用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0048】
実施例1
図1に示す装置において、ケース2としてポリオキシメチレンを用い、電極3、4、4’として、幅100mm×高さ50mm×厚さ10mmのSUS304製の平行平板電極を使用し、固体誘電体として、厚さ1.0mmのアルミナを電極の表面に溶射した。可動電極側4及び4’側には、電極3に向かって押す機構のボルト21(径2mm)6個及び引く機構としてのボルト22(径2mm)6個を交互に設け、放電空間5及び5’の間隔を約1mmなるように設置した。それぞれの放電空間に空気を15L/minで流し、電源より周波数10kHz、パルス立ち上がり速度5μsのパルス電界を印加した。両放電空間での放電が均一になるように電極間間隔の調整に要した時間は、5分であった。放電空間5及び5’では、均一なプラズマが発生した。
【0049】
比較例1
対向する3枚の電極の間に1mm厚のアルミナをスペーサーとして挟み込み、電極ケースに両端の電極は背面から、真ん中の電極は両端からボルトで固定する以外は、実施例1と同様にして放電空間にプラズマを発生させた。放電空間の一方には、強いプラズマが発生し、もう一方には部分的にアーク状のプラズマが発生した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の放電プラズマ処理装置によれば、3枚の電極を用い、2つの放電空間を有するリモートソースにおいて、放電空間毎の電極間間隔を簡単に調整でき、安定して均一な放電プラズマを発生させることが出来るので、半導体素子等に必要な複雑な薄膜形成、表面処理等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電プラズマ処理装置の一例の模式的断面図である。
【図2】図1の部分的拡大図である。
【符号の説明】
1 リモートソース
2 ケース
3 固定電極
4、4’ 可動電極
5、5’ 放電空間
6、6’ 処理ガス導入口
7、7’ 処理ガス導入室
8、8’ プラズマ吹き出し口
10 被処理体
21、21’22、22’ 微調節ボルト
23 隙間
2326 雌ネジ

Claims (3)

  1. 放電空間で処理ガスをプラズマ化して吹き出し、前記放電空間外に設置された被処理体を処理する装置において、
    ケースと、
    前記ケース内に固定された固定電極と、
    前記ケース内に、前記固定電極に対し接近・離間可能に対向するように設けられ、前記固定電極との間に前記放電空間を形成する可動電極と、
    前記固定電極と可動電極のうち少なくとも一方の対向面を被覆する固体誘電体と、
    前記ケースにねじ嵌合され、その先端が前記可動電極の前記対向面とは反対側に当接された押し用のボルトと、
    前記ケースを貫通し、その先端が前記可動電極の前記反対側にねじ嵌合された引き用のボルトと、
    を備えたことを特徴とする放電プラズマ処理装置。
  2. 前記押し用のボルトと前記引き用のボルトとを、前記可動電極に対しそれぞれ少なくとも2設けることを特徴とする請求項に記載の放電プラズマ処理装置。
  3. 前記固定電極を電圧印加側電極とし、前記可動電極を接地側電極とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電プラズマ処理装置。
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