JP5020678B2 - 積層剥離予備容器および積層剥離容器の製造方法 - Google Patents
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この内容物を使用するには、まず、積層剥離容器の口筒部に注出キャップを装着し、その後、外層体をスクイズ変形させて内層をしぼみ変形させることにより、内容物を注出キャップの注出口から注出する。そして、前述の外層体のスクイズ変形を解除すると、外層体は元の形状に復元変形する一方、内層は外層体の復元変形には追従しないため、外層体と内層との間が負圧状態となって、外層体に形成された外気吸入口から外層体と内層との間に外気が吸入され、内層のしぼみ変形が維持されてこの内層が外層体の内面から剥離する。
ここで、前述の切断で形成される切断面にはバリ等が存在して凹凸が生じているため、シール材の接着強度や密封性が低下するおそれがあった。
この発明によれば、薄肉部を切断してこの薄肉部とともに第1口筒部を積層剥離予備容器から除去することにより前記積層剥離容器が形成されるようになっているので、第2口筒部の上端開口縁に生ずる切断面を薄肉部が連結されていた部分に限定してその大きさを最小限に抑えることが可能になり、第2口筒部の上端開口縁にシール材を強固にかつ密封性を持たせて接着することできる。
また、第2口筒部の上端開口縁において薄肉部に径方向で連なる部分に凹部が形成されているので、薄肉部を容易に切断することが可能になるとともに、切断面をシール材の非接着部分である凹部内に形成することが可能になり、前述の作用効果がより一層確実に奏功されることになる。
この場合、第2口筒部の内面に膨出部が設けられているので、第2口筒部に対するシール材の接着面積を増大することが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
この場合、外層体をスクイズ変形させることで内層の内部に充填された内容物を注出することが可能な、いわゆるスクイズ容器を構成することができる。
この場合、第1口筒部が、上下方向の長さが内径よりも小さいカップ状となっているので、積層剥離予備容器における口筒部の上下方向の長さを抑えることが可能になり、ブロー成形により積層剥離予備容器を成形した後に、第1口筒部の上端開口面からこの容器の内部に長軸状の受け部材を進入させて、この受け部材の先端部により、内層の内面において外層体における外気吸入口の形成予定部分と対応する部分を支持させた状態で、外層体における外気吸入口の形成予定部分をその外側からパンチで押圧し穿孔することによって外気吸入口を形成する際に、パンチから受け部材に付与される押圧力によりこの受け部材にその基端部回りに大きなモーメントが作用するのを抑制することができる。すなわち、前記受け部材の積層剥離予備容器内に向けた進入長さを抑えて、この受け部材が破損し易くなるのを抑制することができる。
この発明によれば、シール材を強固にかつ密封性を持たせて接着することが可能になる積層剥離容器を容易かつ確実に形成することができる。しかも、積層剥離予備容器に一度の切断加工を施すだけで積層剥離容器を形成することが可能になり、その製造時間を短縮することもできる。
本実施形態に係る積層剥離予備容器10は、有底筒状の外層体11と、この外層体11の内面に剥離可能に積層された内層12とを備え、口筒部13には、上端開口面15が蓋体14で閉塞された第1口筒部16と、この第1口筒部16の下端部に連結された第2口筒部17とが備えられている。
なお、例えば、外層体11はポリエチレン樹脂により形成されるとともに、内層12はポリエチレン樹脂に対して相溶性のないポリアミド系の合成樹脂により形成されて、外層体11は、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有し、内層12は、内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性を有している。この内層12は、外層体11の内面における全域にわたって剥離可能に積層されている。
さらに、第1口筒部16の上端開口縁には、その全周にわたって、第1フランジ部19がこの積層剥離予備容器10の径方向の外方に向けて突設されている。ここで、図示の例では、蓋体14はシール材とされており、この蓋体14が第1フランジ部19の上面に接着されることにより、第1口筒部16の上端開口面15が閉塞されてこの積層剥離予備容器10の内部が密封されている。このように積層剥離予備容器10の内部が密封されることにより、この積層剥離予備容器10が例えば内容物の充填工場に搬送される等の流通過程で、不意の外力によって外層体11が潰されて内層12が外層体11の内面から剥離する等し、積層剥離容器18の内容積が低減するのを抑えられるようになっている。なお、蓋体14が接着される第1フランジ部19の上面は内層12で構成されている。
そして、本実施形態では、第2口筒部17の上端開口縁17bにおける径方向の外方端と、第1口筒部16の下端部とが、上下方向つまりこの積層剥離予備容器10の中心軸線O方向に延びる薄肉部21を介して連結されている。
なお、第2口筒部17の上端開口縁17bは、前記径方向に沿った平坦面となっている。また、この薄肉部21は、積層剥離予備容器10の中で最も厚さが薄い部分となっている。
なお、第2口筒部17の上端部の外面には、径方向の内方に向けて凹む凹溝20が全周にわたって形成されている。また、膨出部17cおよび第2口筒部17の上端開口縁17bは、積層剥離予備容器10の内面の一部を構成するとともに、内層12で構成されている。
ここで、第2口筒部17の上端開口縁17b、および前述した膨出部17cの上端部は、例えばブロー成形後型開きする前に、この金型に設けられた押圧手段を金型内に向けて前進移動させ、この押圧手段を、第2口筒部17の上端開口縁17b、および膨出部17cの上端部の形成予定部に、前記中心軸線O方向の上方から下方に向けて押し付けて成形することによって形成される。
なお、シール材22は、例えばガスバリア性を備えたアルミ層と接合層とが積層された二層構造となっている。
まず、前記キャップおよびシール材22を第2口筒部17から取り外し、第2口筒部17の雄ねじ部17aに図示されない注出キャップを螺着する。その後、外層体11をスクイズ変形させて内層12をしぼみ変形させることにより、内容物を注出キャップの注出口から注出させる。そして、前述の外層体11のスクイズ変形を解除すると、外層体11は元の形状に復元変形する一方、内層12は外層体11の復元変形には追従しないため、外層体11と内層12との間が負圧状態となって、外層体11に形成された外気吸入口から外層体11と内層12との間に外気が吸入され、内層12のしぼみ変形が維持されてこの内層12が外層体11の内面から剥離する。
本実施形態では、第2口筒部17の上端開口縁17bにおいて薄肉部21に径方向の内方で連なる部分に、凹部23が全周にわたって形成されている。なお、図示の例では、この凹部23の幅は、第2口筒部17の上端開口縁17bの厚さの半分以下となっている。また、この凹部23の表面は内層12により構成されている。
本実施形態に係る積層剥離予備容器10によれば、第2口筒部17の上端開口縁17bにおいて薄肉部21に径方向で連なる部分に凹部23が形成されているので、薄肉部21を容易に切断することが可能になるとともに、切断面がシール材22の非接着部分である凹部23内に形成することが可能になり、前述の作用効果がより一層確実に奏功されることになる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、外層体11において第2口筒部17を構成する部分の外周面に雄ねじ部17aを形成したが、これに限定されることはなく、前記キャップおよび注出キャップを装着するための例えば係合凸部や係合凹部等を形成してもよい。
また、シール材22の構成や、内層12および外層体11の材質は、前記実施形態に限定されることはなく、例えば内容物等に応じて適宜変更してもよい。
また、前記実施形態では、第1口筒部16の上端開口面15を閉塞する蓋体14としてシール材を示したが、これに代えて例えば、第1口筒部16の上端開口部を径方向に挟み込んで互いに溶着することによって閉塞してもよいし、キャップ等を被着してもよい。
また、図3で示した凹部23は、第2口筒部17の上端開口縁17bにおいて薄肉部21に前記径方向で連なる部分であればどこに形成してもよい。
また、前記実施形態では、前記外気吸入口を、外層体11において第2口筒部17を構成する部分に形成したが、積層剥離予備容器10の外層体11において第1口筒部16を構成する部分を除いた部分であれば、どこに形成してもよい。
さらに、本発明は、内層12の全体が外層体11から剥離可能な構成のみならず、内層12および外層体11の各一部同士が接着された構成にも適用可能である。
11 外層体
12 内層
13 口筒部
15 上端開口面
16 第1口筒部
17 第2口筒部
17b 上端開口縁
17c 膨出部
18 積層剥離容器
21 薄肉部
23 凹部
Claims (5)
- 有底筒状の外層体と、この外層体の内面に剥離可能に積層された内層とが備えられ、
この容器の口筒部には、上端開口面が閉塞された第1口筒部と、この第1口筒部の下端部に連結された第2口筒部とが備えられ、
前記内層の内部に内容物を充填する前に前記口筒部から第1口筒部が切除されることによって積層剥離容器が形成される積層剥離予備容器であって、
前記第1口筒部の下端部と前記第2口筒部の上端開口縁とが、上下方向に延びる薄肉部を介して連結され、
前記第2口筒部の上端開口縁において前記薄肉部に径方向で連なる部分に、凹部が形成されていることを特徴とする積層剥離予備容器。 - 請求項1記載の積層剥離予備容器であって、
前記第2口筒部の内面には、上端部が前記上端開口縁における径方向の内方端に連なる膨出部が設けられていることを特徴とする積層剥離予備容器。 - 請求項1または2に記載の積層剥離予備容器であって、
前記外層体は、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有し、前記内層は、内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性を有していることを特徴とする積層剥離予備容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の積層剥離予備容器であって、
前記第1口筒部は、上下方向の長さが内径よりも小さいカップ状とされるとともに、この第1口筒部の上端開口面は、シール材が接着されて閉塞され、
前記外層体において第1口筒部を構成する部分を除いた部分に、前記内層の外面に向けて開口する外気吸入口が穿設されていることを特徴とする積層剥離予備容器。 - 有底筒状の外層体と、この外層体の内面に剥離可能に積層された内層とを備える積層剥離容器の製造方法であって、
請求項1から4のいずれか1項に記載の積層剥離予備容器を用い、前記薄肉部を切断してこの薄肉部とともに前記第1口筒部を除去することにより、前記積層剥離容器を形成することを特徴とする積層剥離容器の製造方法。
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