JP5019764B2 - 鉛フリーハンダ合金、ハンダボール及び電子部材 - Google Patents

鉛フリーハンダ合金、ハンダボール及び電子部材 Download PDF

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Description

本発明は、鉛フリーハンダ合金及び該鉛フリーハンダ合金を用いたハンダボール並びに該鉛フリーハンダ合金を用いたハンダバンプを有する電子部材に関するものである。
最近の電子部品の小型化、高密度実装化に伴い、プリント配線基板等に電子部品を実装する際には、BGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージ)技術が用いられるようになっている。また、これらの技術に採用される電極サイズも微細化の一途をたどっている。
これらの接合においては、半導体基板、電子部品、プリント基板等の上に配置された多数の電極にまずハンダバンプを形成する。電子部材上の電極へのハンダバンプ形成は、各電極にフラックスの粘着力を利用してハンダボールを粘着させ、ついで該電子部材を高温に熱してハンダボールをリフローさせることによって行なう。このハンダバンプを介して半導体基板等とプリント基板等との間を接合する。ここで、ハンダバンプとは、銅あるいはアルミ配線電極上のメッキの上に半球状に盛り上がって形成されたハンダをいう。
廃棄された電子装置を廃棄処理するに際し、環境への影響を最少とするため、電子装置に使用するハンダ合金についても鉛フリーハンダ合金が要求されるようになっている。鉛フリーハンダ合金としては、二元系ではSnにAgを3.5%含有した組成が共晶組成となり、融点は221℃と比較的低く、広く鉛フリーハンダとして使用されている。
近年の電子部品の高密度実装化に伴い、特にノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話等においては表面実装やBGA実装が進み、基板電極パッド面積の縮小が急激に進んでいるため、接合部位のハンダ量を少量化せざるを得ない状況にある。即ち、ハンダ接合部位の接合面積が低下し、接合部にかかる応力が増大している。また、高密度実装により、高機能・小型化が進んだため情報伝達機器の携帯化も急速に進展した。加えて経済活動領域が地球規模に及ぶに至り、従来考えてもいなかった灼熱の砂漠や極地高地の極寒下等での当該機器が使用される様になっている。このような状況下では、ハンダ接合部が一層厳しい環境下に曝されることを考慮したハンダ実装設計が求められており、そのため、ハンダ材料に対する耐疲労性向上の要求がより一層高まっている。特許文献1においては、電子機器用の鉛フリーハンダ合金として、Ag:3.0〜5.0%、Cu:0.5〜3.0%、残部Snからなる耐熱疲労特性に優れた高温ハンダが開示されている。Agの含有量については、Agは耐熱疲労特性改善に著しく効果があるが、その添加量が3.0%以下であると耐熱疲労特性を改善する効果が十分でないとしている。
また、携帯電話等の持ち運び可能なデジタル製品に関しては、その使用上の特質から使用中に誤って床面に落下させたりぶつけたりする事態を想定する必要がある。このような衝撃に対しても使用する電子部品のハンダ接合部位が破壊しないだけの耐衝撃性を有することが要求される。これに対し、従来の耐疲労性ハンダ合金においては、主にハンダの強度を増大することによって耐疲労性の改善を図っており、その結果として耐衝撃性についてはむしろ低下する傾向が見られた。ハンダ接合部位の耐衝撃性の向上を図るためには、接合部位のハンダ合金として延性の優れた合金を用いることが最も効果的である。
特許文献2においては、特許文献1に記載のものよりもAg含有量が低く、かつ耐落下衝撃性に優れた鉛フリーハンダ合金として、Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.5質量%を含み、残部Sn及び不可避不純物からなることを特徴とする無鉛ハンダ合金が開示されている。これにより、従来の鉛フリーハンダ合金に比較して安価に提供することが可能になり、同時に極めて優れた耐熱疲労特性と耐衝撃性を実現している。特許文献2に記載のものは、ハンダ合金の強度を向上する目的で、Ni:0.05〜1.5質量%又はFe:0.005〜0.5質量%の範囲で添加することができるとしている。
特許文献3においては、耐衝撃性と耐ヒートサイクル性を向上する鉛フリーハンダ合金として、Sb:0.01〜1質量%、Ni:0.01〜0.5質量%、残部Snからなり、さらにAg:0.01〜5質量%および/またはCu:0.01〜2質量%が添加された鉛フリーハンダ合金が開示されている。Sbは耐衝撃性に効果があり、Niは耐ヒートサイクル性に効果があり、さらにCuを添加すると耐衝撃性をより向上させ、Agを添加すると耐ヒートサイクル性をより向上させるとしている。
特許文献4には、優れた強度を有するとともに熱的に安定であり、接合性も良好なハンダ合金として、Snを主成分とし、Ag:1.0〜4.0重量%、Cu≦2.0重量%、Ni≦1.0重量%を含有するハンダ合金が開示されている。Cuはぬれ性を損なうことなく合金の強度と耐熱性を向上させる。Niを添加すると合金の熱的安定性が増し、強度や熱疲労特性が向上すると主に、Cu基板と接合する際には接合強度を低下させる要因となる金属間化合物の生成を抑制するとしている。
特許文献5には、Sn−4.7Ag−1.7Cuハンダ合金に、さらにNi、Fe、Coを含有させる発明が記載されている。Ni、Fe、Coの各元素は、少なくとも約0.01重量%を添加することにより、Cu電極との接合金属間界面の形態構造が改良され、特に凝固したままの金属間界面の厚さが薄くなるとしている。
特開平5−50286号公報 特開2002−239780号公報 特開2004−141910号公報 特許第3296289号公報 特表2001−504760号公報
ハンダ合金の耐衝撃性については、シリコンチップ上の電極とプリント基板上の電極とをハンダ接合し、この部材を定盤の上において、その上からロッドタイプ・プローブを落下させ、ハンダ接合に破断が生じるまでの落下回数を耐衝撃落下回数として評価することができる。
特許文献1〜4に記載の鉛フリーハンダ合金については、上記方法で加速度1500G程度を負荷して耐衝撃性評価を行ったときに耐衝撃落下回数50〜60回程度であった。
最近は、ハンダ合金の耐衝撃性に対する要求はさらに厳しくなっている。ロッドタイプ・プローブの落下実験において、5cmの位置から質量30gのロッドタイプ・プローブを落下させ、加速度約10000Gの衝撃を与える耐衝撃性評価において、耐衝撃落下回数80回を超える良好な耐衝撃性が要求されるようになってきた。このような厳しい条件では、従来のハンダ合金の耐衝撃落下回数は30回にも満たない。
本発明は、耐衝撃性について上記目標性能を実現する鉛フリーハンダ合金及び該鉛フリーハンダ合金を用いたハンダボール並びに該鉛フリーハンダ合金を用いたハンダバンプを有する電子部材を提供することを目的とする。
Cu電極の上にSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金による接合部を形成すると、Cu電極の直上にCu3Sn金属間化合物の層が形成され、さらにその上にCu6Sn5金属間化合物層が形成され、その上にハンダ合金層が形成される。また、標準的Cu/Ni/Auメッキ基板の上にSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金による接合部を形成すると、Ni電極上にNi3Sn4金属間化合物層が形成され、さらにその上にCu6Sn5金属間化合物層が形成され、その上にハンダ合金層が形成される。
これら電極上に形成されたハンダバンプの耐衝撃性を評価する試験を行うと、Cu電極上のハンダバンプの場合にはCu3Sn金属間化合物とCu6Sn5金属間化合物との界面で破断が発生する。Cu/Ni/Auメッキ基板上のハンダバンプの場合にはNi3Sn4金属間化合物とCu6Sn5金属間化合物との界面で破断が発生する。いずれの場合も、2層に形成された金属間化合物の層間において破断が発生している。
これら破断発生の原因として、Cu6Sn5金属間化合物層の歪が破断の主因であると考えることができる。もしそうであれば、Cu6Sn5金属間化合物層の歪を緩和すれば、2層の金属間化合物層の層間での破断発生が抑えられ、結果としてハンダ接合部の耐衝撃性を向上させることができるはずである。
Cu6Sn5金属間化合物層中のCu原子サイトを、Cuより原子半径の小さい原子種で置換することにより、Cu6Sn5金属間化合物層の歪を緩和できる。NiやCoがCuより原子半径の小さい原子種に該当する。さらに、ハンダ合金中に微量のFeを含有することにより、効率的にCu6Sn5金属間化合物のCu原子をNiやCoで置換できることを見いだした。
そこで、Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%を含有するSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金に、Ni:0.005〜0.1質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有させ、このハンダ合金を用いて電極との接合部を形成し、耐衝撃性を評価したところ、耐衝撃落下回数が80回以上と飛躍的に向上することが明らかになった。上記成分にさらにCo:0.005〜0.1質量%を含有することにより、一層の耐衝撃性向上効果を得ることができる。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.10質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有し、残部Sn及び不可避不純物からなることを特徴とする鉛フリーハンダ合金。
(2)さらに、Co:0.005〜0.10質量%を含有するともに、Ni+Co+Fe≦0.10質量%であることを特徴とする上記(1)に記載の鉛フリーハンダ合金。
(3)Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.10質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有し、残部Sn及び不可避不純物からなり、Ni、Co、Feの添加量比が、Ni:Co:Fe=10:(3〜7):(0.02〜2)の範囲であることを特徴とする鉛フリーハンダ合金
(4)さらに、Cr:0.0005〜0.0050質量%、V:0.0005〜0.0050質量%の1種又は2種を含有することを特徴とする上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
)さらに、Sb:0.01〜0.5質量%を含有することを特徴とする上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
)さらに、P:0.0005〜0.005質量%、Ge:0.0005〜0.01質量%の1種又は2種を含有し、かつP+Ge≦0.01質量%であることを特徴とする上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
)上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いてなることを特徴とするハンダボール。
)ボール直径が300μm以下であることを特徴とする上記()に記載のハンダボール。
)上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いたハンダバンプを有することを特徴とする電子部材。
10)Cu電極、Ni電極又はCu/Ni/Auメッキ基板上にハンダバンプが形成されてなることを特徴とする上記()に記載の電子部材。
11)複数の電子部品間をハンダ電極によって接合した電子部材であって、該ハンダ電極の一部又は全部は、上記(1)乃至()のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いてなることを特徴とする電子部材。
本発明は、Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%を含有するSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金に、Ni:0.005〜0.1質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%、さらにCo:0.005〜0.1質量%を含有することにより、該鉛フリーハンダ合金を用いた接合部の耐衝撃性を大幅に改善することが可能となる。
本発明においては、Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%を含有するSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金に、Ni:0.005〜0.1質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%、さらにCo:0.005〜0.1質量%を含有することにより、該鉛フリーハンダ合金を用いた接合部の耐衝撃性を大幅に改善することを見出した。以下、ハンダ合金中にNiやCoとともに微量のFeを含有することにより、なぜ耐衝撃性が大幅に改善するに到ったかについて、詳細に推論を行う。
Cu電極の上にSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金による接合部を形成すると、Cu電極の直上にCu3Sn金属間化合物の層が形成され、さらにその上にCu6Sn5金属間化合物層が形成され、その上にハンダ合金層が形成される。また、標準的Cu/Ni/Auメッキ基板の上にSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金による接合部を形成すると、Ni電極上にNi3Sn4金属間化合物層が形成され、さらにその上にCu6Sn5金属間化合物層が形成され、その上にハンダ合金層が形成される。
前述のとおり、これら電極上に形成されたハンダバンプの耐衝撃性を評価する試験を行うと、Cu電極上のハンダバンプの場合にはCu3Sn金属間化合物とCu6Sn5金属間化合物との界面で破断が発生する。Cu/Ni/Auメッキ基板上のハンダバンプの場合にはNi3Sn4金属間化合物とCu6Sn5金属間化合物との界面で破断が発生する。いずれの場合も、2層に形成された金属間化合物の層間において破断が発生している。
本発明においては、Cu6Sn5金属間化合物層の歪が破断の主因であることを見出し、さらにCu6Sn5金属間化合物層の歪を緩和することにより、2層の金属間化合物層の層間での破断発生が抑えられ、結果としてハンダ接合部の耐衝撃性を向上させ得ることを見出した。
ハンダ接合された電極部付近の応力形成状況を確認すると、Cu電極の場合のCu3Sn(Ni電極の場合はNi3Sn4)金属間化合物には圧縮応力が発生し、その上のCu6Sn5金属間化合物層には引張応力が発生している。従って、Cu6Sn5金属間化合物層中のCu原子サイトを、Cuより原子半径の小さい原子種で置換することにより、Cu6Sn5金属間化合物層の歪を緩和できることがわかる。Ni、Co、FeがCuより原子半径の小さい原子種に該当する。
上述のとおり、Cu電極の上にSn−Ag−Cu系鉛フリーハンダ合金による接合部を形成すると、Cu電極の直上にCu3Sn金属間化合物の層が形成され、さらにその上にCu6Sn5金属間化合物層が形成される。Cu6Sn5金属間化合物について詳細に検討する。ハンダ合金中にNi、Co、Fe等の3d金属元素が含まれる場合、これら3d金属元素はCu6Sn5金属間化合物のCuを置換する形で金属間化合物中に含有される。
Ni、Co、Feは、いずれもCuに比較して原子半径が小さい。従って、Cu6Sn5金属間化合物のCuがNi、Co、Feで置換されると、置換されていない場合と比較して平均的格子定数が小さくなるため金属間化合物が収縮し、Cu6Sn5金属間化合物層が有していた圧縮応力が緩和され、隣接するCu3Sn金属間化合物層との間の歪が緩和されることとなる。
この点を確認するため、Cu6Sn5相の3d金属元素置換の状態を第一原理計算によって解析した。Cu6Sn5相の特定のCuサイトを3d金属元素で置換したときの、置換元素と隣接Cu原子及び隣接Sn原子との距離の平均を第一原理計算によって算出すると、置換元素がNi、Co、Feのいずれの場合も、Cuから置換することによって隣接Cu原子との距離は増大し、隣接Sn原子との距離は短縮している。置換元素がMn、Cr、Vの場合も同様である。
Cu6Sn5金属間化合物は六方晶系であり、結晶中に4種類のCuサイトがある。ここではこれをCu1、Cu2、Cu3、Cu’と呼ぶ。これら4種類の各CuサイトをNi、Co、Feが置換するエネルギーと液相Sn中のNi、Co、Feを模したSn中での置換エネルギーの差を評価した。その結果、いずれの元素においてもCu’サイトが最も安定であるが、Niの方がサイト間のエネルギー差が小さいことと、NiよりもFe、Coの方が各Cuサイト特にCu’サイトに入りやすいことが判明した。従って、ハンダ合金中にNiとFe、あるいはNiとCoとFeが共存する場合、Cu6Sn5金属間化合物のCu’サイトをまずFeあるいはCoとFeが優先的に置換し、Niは他のサイトを多く置換するものと推定される。
Cu6Sn5金属間化合物のCuサイトを他の3d元素が置換すると、拡散を阻害することができる。CoやFeによってCu’のような特定のサイトのみが優先的に置換されると、特定の方向の拡散は阻害しがたいが、さらにNiによって他のサイトも置換されると、等方的に拡散を阻害するため、合金相の成長をさらに抑えることができることとなる。即ち、Sn−Ag−Cu系ハンダ合金中にNiとFe、あるいはNiとCoとFeが共存すると、Cu6Sn5金属間化合物層の成長を抑えるという効果が期待される。
また、Sn−Ag−Cu系ハンダ合金に微量のFeを含有させることにより、溶融したハンダ合金の冷却中に多量のFeSn2金属間化合物が生成し、それが初晶の核となることによりデンドライト構造を微細化させることができる。次の熱処理の際に初晶デンドライト間から結晶が形成されるため、Feの微量添加によってデンドライト構造が微細化された材料については、凹凸の少ない金属間化合物層が形成されることとなる。ただし、Fe含有量が多すぎるとFeSn2金属間化合物相が粗大化するので逆効果となる。
実際、Sn−Ag−Cu系ハンダ合金について金属間化合物層の成長状況を対比すると、Ni、Co、Feを添加しない場合にはCu6Sn5金属間化合物層が大きくかつ不均一に成長するのに対し、NiとFe、NiとCoとFeを添加した場合にはCu6Sn5金属間化合物層の厚さが薄くなり、かつ均一成長していることがわかった。このような金属間化合物層の形態変化によっても、金属間化合物層間を起点とする割れの発生を効果的に防止しているものと考えられる。
ハンダ合金中にNiやCoとともに微量のFeを含有することにより、耐衝撃性が大幅に改善するに到った理由は、以上のようなメカニズムによるものと推定される。
次に、ハンダ合金中の各合金元素の成分限定理由について説明する。
Ag:Sn−Ag−Cu系鉛フリーハンダにおいて、Ag含有量が多すぎると、析出するAg3Sn金属間化合物が多くなり、ハンダ合金が脆くなりあるいは硬くなるため、耐落下衝撃特性が悪化する。Ag含有量が2.0質量%以下であれば、良好な耐落下衝撃特性を確保することができる。一方、Ag含有量が少なすぎると、ハンダ合金の液相線温度が高くなる。Ag含有量が1.0質量%以上であれば、十分に低い液相線温度を確保することができる。例えばCu含有量0.5質量%において、Ag含有量が1.0質量%であれば液相線温度は227℃を確保することができる。Ag含有量が1.1〜1.5質量%、特に1.2質量%近傍であると、耐落下衝撃特性が特に良好となるので好ましい。
Cu:Sn−Ag−Cu系鉛フリーハンダにおいて、Cu含有量が低すぎるとハンダ合金の液相線温度が高くなる。Cu含有量が0.3質量%以上であれば、ハンダ合金の液相線温度を227℃以下に抑えることができる。一方、Cu含有量が多すぎるとハンダ合金のビッカース硬度が上昇するので好ましくない。Cu含有量が1.0質量%以下であれば、例えばAg含有量1.5質量%においてビッカース硬度上昇代を10%以下に抑えることができる。
Ni:NiはFeとならんで、本発明においてハンダ合金の耐衝撃性を向上させる主要な含有成分である。Ni含有量が0.005質量%以上であれば、前述のNiによる耐衝撃性の向上効果を実現することができる。Ni含有量が0.03質量%以上であればより好ましい。一方、Ni含有量が0.10質量%を超えると、ハンダ合金の融点が上昇してしまうので好ましくない。また、Ni含有量が増大するとハンダ合金の硬さが上昇するため耐衝撃性の観点から好ましくない。Ni含有量が0.06質量%以下であればハンダ合金の硬さが十分に低いレベルにあるので好ましい。Ni含有量が0.05質量%以下であればより好ましい。
Cu電極等の電極上において溶融ハンダを用いて接合を行う場合、ハンダ合金中に含有するNi成分は、電極上に金属間化合物層が形成される際に優先的に金属間化合物層中に分配される。この分配のため、液相であるハンダ合金中のNi含有量は金属間化合物層の凝固進行とともに減少し、最終凝固後のハンダ合金中Ni含有量は、もとのハンダ合金中のNi含有量の20〜50%程度にまで減少する。このようにハンダ合金中のNi含有量が減少する結果として、ハンダ合金自身の硬度が低下する。そのため、落下衝撃時の衝突エネルギーをハンダ合金が吸収することができるので、耐落下衝撃特性改善にも大幅に寄与する。
特許文献2に記載のハンダ合金は、耐落下衝撃性の向上を目的としたものであり、選択元素としてさらにNiを含有できるとしている。しかし特許文献2に記載のものは、Ni添加の目的がハンダ合金の強度向上にある。ハンダ合金の強度増大は耐衝撃性にはかえって悪影響を及ぼすことは特許文献2にも記載のとおりである。そして、同文献の実施例におけるNi含有量は0.3質量%以上であり、このような高いNi含有量では本発明の良好な耐衝撃性を実現することはできない。
Fe:本発明においては、微量のFeを含有することにより、上記Niとの相乗作用によって耐衝撃性を画期的に向上することが可能となる。Fe含有量が0.0001質量%以上であれば本発明の耐衝撃性向上効果を実現することができる。Fe含有量が0.0005質量%以上であればより好ましい。一方、Fe含有量が0.005質量%を超えると、リフロー後のハンダ合金表面がザラついたりガサガサになるというような表面状態の悪化や、ハンダ濡れ性が低下するといった問題が発生する。また、上述のとおり、Fe含有量が多すぎるとFeSn2金属間化合物相が粗大化するので逆効果となるが、Fe含有量が0.005質量%以下であればこの問題も発生しない。また、Fe含有量が高いと耐落下衝撃特性に若干の悪影響を与えるが、Fe含有量が0.001質量%以下であれば全く問題ない。
以下、好ましい選択成分について説明する。
Co:本発明においては前述のとおり、ハンダ合金中にCoを含有することによってさらに良好な耐衝撃性を得ることができる。Co含有量が0.005質量%以上であれば、Co含有による耐衝撃性向上効果を実現することができる。一方、Co含有量が多すぎると、ハンダ合金自身の硬度が高くなり耐落下衝撃特性が低下したり、ハンダ合金の融点が上昇するという問題が発生するが、Co含有量が0.10質量%以下であればこの問題は発生しない。
本発明においては、Ni、CoとFeの含有量を合計で0.10質量%以下とすると好ましい。Ni、Co、Feそれぞれの含有量が前記各成分の含有量範囲に入っていたとしても、Ni、Co、Feの合計含有量が0.10質量%を超えると、ハンダ合金自身の硬度が高くなって耐落下衝撃特性が低下したり、ハンダ合金の融点が上昇するという問題が発生する。
Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.10質量%、Co:0.005〜0.10質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有し、残部Sn及び不可避不純物からなる本発明においては、Ni、Co、Feの添加量比が、Ni:Co:Fe=10:(3〜7):(0.02〜2)の範囲であることとすると好ましい。Ni、Co、Feをともに含有する本発明のハンダ合金において、Cu6Sn5中のCu原子サイトが、Cu(原子半径:1.28Å)より原子半径が小さなNi(原子半径:1.24Å)、Co(原子半径:1.25Å)、Fe(原子半径:1.26Å)のような8族3d原子で置換されることにより、Cu6Sn5金属間化合物層の歪が緩和される。この際、原子半径の観点から、最も効果的な元素はCuと原子半径サイズ差の大きいNiである。しかしながらCu6Sn5のCu原子サイトと最も置換されやすい元素は、上述した如くFeである。少量のFeがCu原子サイトと置換されると、それがトリガーとなりCuサイトがNi原子と置換される。更にFe原子よりは、Co原子はCu6Sn5中で効率的に置換されないものの、Ni原子よりは置換効率が優れている。Cu6Sn5中のCu原子サイトをNiが部分置換するが、Niが置換できないCuサイトをCoが置換し、トータルとしてCu6Sn5中のCu原子サイトをNi、Co、Feで置換することにより、金属間化合物中の歪を緩和する。最も効率のより原子はNiであるが、Niより早く析出しCu6Sn5と置換しやすい元素をそれぞれどのような割合で添加したらよいか調べた結果、Ni:Co:Fe=10:(3〜7):(0.02〜2)の割合の範囲であれば、より優れた耐落下衝撃特性を発現することを見出したからである。
なお、Ni:Co:Fe=10:(3〜7):(0.02〜2)の範囲とする上記本発明においては、Ni含有量が0.02質量%以上であると好ましい。Ni含有量が0.03質量%以上であるとより好ましい。またNi含有量が0.06質量%以下であると好ましい。Ni含有量が0.05質量%以下であるとより好ましい。0.04質量%前後であると最も好ましい。
O:ハンダ合金中には不純物としてOを含有している。このO濃度が0.0020質量%を超えると、耐落下衝撃特性がO濃度上昇に伴って低下する。そこで、本発明においては、含有酸素濃度が0.0020質量%以下であると好ましい。
本発明において、耐衝撃性を向上させるための3d金属元素として、上述のようにNiとFe、さらにCoが有効であるが、Feに替え、又はFeとともに、Cr、Vを添加した場合も同じように耐衝撃性を向上する効果を有している。
Cr:Cr含有量0.0005質量%以上で耐衝撃性を向上する効果を発揮することができる。一方、Cr含有量が多すぎるとリフロー後のハンダ性状が悪化したり、ハンダ合金の濡れ性が低下したり、ハンダ合金の融点が急激に上昇する問題が発生するが、Cr含有量が0.0050質量%以下であればこのような問題を発生させることなく耐衝撃性向上効果を発揮することができる。
V:V含有量0.0005質量%以上で耐衝撃性を向上する効果を発揮することができる。一方、V含有量が多すぎると上記Cr過多と同様の問題が発生するが、V含有量が0.0050質量%以下であればこのような問題を発生させることなく耐衝撃性向上効果を発揮することができる。
Sb:ハンダ合金中にSbを含有させると、母相であるSnデンドライト中に分散し、鉛フリーハンダ合金の熱サイクル試験等での熱疲労特性を改善することができる。Sb含有量が0.01質量%以上で熱サイクル疲労特性を改善させることができる。一方、Sb含有量が0.5質量%を超えるとハンダ合金を硬くすることから、耐落下衝撃特性が悪化することとなるので、上限を0.5質量%とする。
P及びGe:鉛フリーハンダ合金中にPとGeの一方又は両方を添加すると、ハンダ表面の変色を抑制することができる。ともに0.0005質量%以上含有すると変色抑制効果を発揮することができる。一方、PまたはGeの含有量が多すぎると耐落下衝撃特性が低下するが、P:0.005質量%以下、Ge:0.01質量%以下であれば良好な耐落下衝撃特性を維持することができる。
PとGeをともに含有させる場合、P+Ge≦0.01質量%とすると耐落下衝撃特性を良好に保持できるので好ましい。
上記記載の成分を含有する鉛フリーハンダ合金を用いたハンダボールとすると好ましい。半導体基板、電子部品、プリント基板等の電子部材上の多数の電極にフラックスの粘着力を利用して本発明のハンダボールを粘着させ、ついで電子部材を高温に熱してハンダボールをリフローさせることにより、電極上にハンダバンプを形成する。このハンダバンプを介して半導体基板等とプリント基板等との間を接合する。このようにして形成したハンダ合金による接合部は、極めて良好な耐衝撃特性を発揮することができる。
本発明のハンダボールは直径を300μm以下とすると好ましい。ハンダボールの直径が小さくなるほど、ハンダボールを用いて形成したハンダ接合部の接合断面積が小さくなるため、耐落下衝撃特性が厳しくなる。そのため、ハンダボールの直径が小さいほど本発明による耐落下衝撃特性の向上効果を発揮することができる。ハンダボール直径が300μm以下の小径ボールにおいて、本発明の耐落下衝撃特性を十分に発揮することが可能となるからである。
上記記載の成分を含有する鉛フリーハンダ合金を用いたハンダバンプを有する電子部材とすると好ましい。このハンダバンプを介して半導体基板等とプリント基板等との間を接合する。このようにして形成したハンダ合金による接合部は、極めて良好な耐衝撃特性を発揮することができる。
上記本発明のハンダバンプを有する電子部材は、Cu電極、Ni電極又はCu/Ni/Auメッキ基板上にハンダバンプが形成されてなることとすると好ましい。鉛フリーハンダ合金とCu電極、Ni電極又はCu/Ni/Auメッキ基板との接合部における耐衝撃特性を改善する効果を有しているからである。
複数の電子部品間をハンダ電極によって接合した本発明の電子部材であって、該ハンダ電極の一部又は全部を上記本発明の鉛フリーハンダ合金を用いてなる電子部材は、そのハンダ電極が極めて良好な耐衝撃特性を発揮することができる。
なお、上記本発明の鉛フリーハンダ合金を用いてなるハンダバンプ、ハンダ電極は、前述のとおり、接合時にハンダ合金中のNi成分は金属間化合物中に優先して分配され、ハンダ金属部分に分配されるNi含有量はもとのハンダ合金中のNi含有量よりも少なくなる。
表1〜4に示す各成分を有するハンダ合金を用い、直径300μmのハンダボールを作成した。
ハンダボールを接合する電極を有する基板として、FR−4製のプリント基板を用意した。プリント基板のサイズは160mm×64mm×0.8mm(厚さ)である。プリント基板上には、240μmφサイズの電極が324個配置されている。電極としてCu−OSPを用いたものとNi(3〜5μmメッキ)/Au(0.03〜0.05μmメッキ)の2種類を用いた。ハンダボールを介して上記プリント基板と接合する実装部品として、9.6mm角、厚さ0.7mmのシリコンチップを用いた。シリコンチップ上には、プリント基板上の電極と対応する位置に240μmφサイズの電極が324個配置されている。電極材質はCr(0.07μm)/Ni(0.8μm)/Au(0.1μm)である。プリント基板とシリコンチップの電極間がハンダ接合されると、各電極を直列でつなぐ回路が形成されるようになっている。
実装プロセスとして、まず上記シリコンチップ側の電極に、用意したハンダボールを搭載した上でリフローし、ハンダバンプを形成する。次にハンダバンプを形成したシリコンチップをプリント基板にフリップチップ接続し、ピーク温度250℃でリフローし、シリコンチップの電極とプリント基板の電極とを接合し、評価部材を形成した。
耐落下衝撃特性の評価は、株式会社ティーテック製全自動衝撃試験装置BIT−600Sを用いた。上記接合した評価部材を、シリコンチップ側を下にして定盤に配置する。次に質量30gのロッドタイプ・プローブを5cmの高さから評価部材上に落下させる。評価部材に加わる衝撃加速度は、加速度センサー(TEAC社製)でモニターしており、評価部材上での衝撃加速度は8000Gから12000Gである。
破断の評価は、評価部材中の前記回路に定電流電源を接続し、電圧をモニタリングして、抵抗値が初期値の2倍になる時点までの繰り返し落下回数を耐衝撃落下回数とした。このとき、落下時の基板たわみにより生じる瞬断を破断として認識するため、1MHzのサンプリングレートを持つ測定器を使用した。
耐落下衝撃特性の評価において、Cu−OSP電極を用いた基板の場合には、破断までの落下回数が0〜30回を×、31〜40回を△、41〜80回を○、81〜120回を◎、121回以上を◎◎とした。一方、Ni/Au電極を用いた基板の場合には、破断までの落下回数が0〜20回を×、21〜30回を△、31〜40回を○、41〜60回を◎、61回以上を◎◎とした。
熱疲労特性は、落下衝撃特性試験用と同じ実装品(Cu−OSP電極)を用いて、−40℃保持20分,125℃保持20分を繰り返し、回路が破断するまでの高温−低温の繰り返し数(熱サイクル数)を計測することで評価し、破断が見られ始める回数が1000回以上である場合を○、750回以上である場合を△、500回以下を×とした。
変色についての評価は、作製した評価ハンダボールを、白磁製の角皿に入れ、それらを大気雰囲気中に150℃200時間保持した後、初期状態標本を基にした肉眼による官能検査により実施した。まったく変化がなかった場合を○、最も変化したSn−3.0Ag−0.5Cuボールを×、その中間の変色をしめしたものを△とした。
(第1実施例)
表1、2には、Sn、Ag、Cu、Ni、Feを含有する実施例を記載した。表3には、Sn、Ag、Cu、Ni、Feに加え、選択元素としてSb、P、Ge、Cr、Vを含有する実施例を記載した。表4には、Ni、Feを含有しない比較例を記載した。本発明範囲から外れる成分値にはアンダーラインを付している。
Figure 0005019764
Figure 0005019764
Figure 0005019764
Figure 0005019764
表1、2において、Ag、Cu、Ni、Feの含有量が本発明範囲内にある水準については、耐落下衝撃特性が良好であり、その他品質も特に問題はなかった。Ag、Cu、Ni、Feの含有量が本発明範囲の上限にある水準については、耐落下衝撃性の評価が△であった。Ni、Fe含有量が本発明範囲を下側に外れた水準、Ni含有量が本発明範囲を上側に外れた水準については、液相線温度が上昇するとともに、耐落下衝撃特性が不良であった。Fe含有量が本発明範囲を上側に外れた水準については濡れ性が低下した。Au含有量が1.2質量%の水準は特に耐落下衝撃特性が良好であった。
表3において、Sb含有量が本発明範囲内の水準は熱疲労特性が良好であった。Sb含有量が本発明範囲を上側に外れる本比較例7は、耐落下衝撃特性が不良であるとともに熱疲労特性がやや低下した。
同じ表3において、P、Ge及びその合計含有量が本発明範囲内の水準は変色状況が良好であった。P、Ge含有量又はその合計含有量が本発明範囲の上限を外れる水準は、耐落下衝撃特性が不良であった。
同じ表3において、Cr、Vを本発明範囲内で含有する水準は、耐落下衝撃特性が良好であった。
表4には、Ni、Feを含有しない比較例を記載している。いずれの水準も、耐落下衝撃特性が不良であった。
(第2実施例)
表5、6には、Sn、Ag、Cu、Ni、Co、Feを含有する実施例を記載した。本発明範囲から外れる成分値にはアンダーラインを付している。
Figure 0005019764
Figure 0005019764
表5、6において、請求項2の条件に合致する水準は耐落下衝撃特性が良好であった。中でもNiとCoとの含有量比率が請求項3の条件に合致する水準は、特に良好な耐落下衝撃特性を示した。
Ag含有量が1.2質量%の水準は特に耐落下衝撃特性が良好であった。Ag含有量が1.2質量%かつNi含有量が0.03〜0.05質量%の水準については、その中でも際だって良好な耐落下衝撃特性を示した。Cu−OSP電極を用いた実施例2〜4について見ると、実施例2では破断までの落下回数が183回、実施例3では205回、実施例4では152回という良好な成績であった。
Ag含有量が1.0質量%、2.0質量%の水準についても、Ni含有量が0.02質量%における耐落下衝撃特性が特に良好であった。実施例17は落下回数が161回、実施例24は落下回数が148回、実施例31は落下回数が158回、実施例38は落下回数が137回と、それぞれ良好な成績を挙げることができた。

Claims (11)

  1. Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.10質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有し、残部Sn及び不可避不純物からなることを特徴とする鉛フリーハンダ合金。
  2. さらに、Co:0.005〜0.10質量%を含有するとともに、Ni+Co+Fe≦0.10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の鉛フリーハンダ合金。
  3. Ag:1.0〜2.0質量%、Cu:0.3〜1.0質量%、Ni:0.005〜0.10質量%、Co:0.005〜0.10質量%、Fe:0.0001〜0.005質量%を含有し、残部Sn及び不可避不純物からなり、Ni、Co、Feの添加量比が、Ni:Co:Fe=10:(3〜7):(0.02〜2)の範囲であることを特徴とする鉛フリーハンダ合金。
  4. さらに、Cr:0.0005〜0.0050質量%、V:0.0005〜0.0050質量%の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
  5. さらに、Sb:0.01〜0.5質量%を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
  6. さらに、P:0.0005〜0.005質量%、Ge:0.0005〜0.01質量%の1種又は2種を含有し、かつP+Ge≦0.01質量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いてなることを特徴とするハンダボール。
  8. ボール直径が300μm以下であることを特徴とする請求項に記載のハンダボール。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いたハンダバンプを有することを特徴とする電子部材。
  10. Cu電極、Ni電極又はCu/Ni/Auメッキ基板上にハンダバンプが形成されてなることを特徴とする請求項に記載の電子部材。
  11. 複数の電子部品間をハンダ電極によって接合した電子部材であって、該ハンダ電極の一部又は全部は、請求項1乃至のいずれかに記載の鉛フリーハンダ合金を用いてなることを特徴とする電子部材。
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