JP5018293B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐久性能を維持しつつタイヤの転がり抵抗を低減できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、燃費を向上する観点から、タイヤの転がり抵抗を低減すべきことが求められている。また、同時に、タイヤの耐久性能を維持すべきことが求められている。
かかる課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(重荷重用タイヤ)は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至る本体部にこのビードコアの周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一体に設けたカーカスプライを有するカーカスを具えた重荷重用タイヤであって、前記ビード部は、前記カーカスプライの本体部と折返し部との間を前記ビードコアの外面からタイヤ半径方向外側に先細状でのびかつ前記本体部側に面する内側面とタイヤ軸方向外側を向く外側面とを有するビードエーペックスゴム、タイヤ半径方向の内端側が前記ビードエーペックスゴムの前記外側面に接続されかつ外端が前記本体部に沿ってタイヤ半径方向外側に先細状でのびるパッキングゴム、及び前記パッキングゴムのタイヤ軸方向外側に配されかつタイヤ外表面を形成するアウターサイドウォールゴムを含むとともに、前記ビードエーペックスゴムの損失正接tanδを0.10〜0.20かつ複素弾性率E*を45〜65MPa、かつ前記パッキングゴムの損失正接tanδを0.03〜0.09かつ複素弾性率E*を3.4〜3.8MPa、しかも前記アウターサイドウォールゴムの損失正接tanδを0.065〜0.125かつ複素弾性率E*を3.0〜3.4MPaとしたことを特徴とする。
特開2002−178724号公報
この発明は、タイヤの耐久性能を維持しつつタイヤの転がり抵抗を低減できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、一対のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ配置されるビードフィラーと、前記ビードコア間に架け渡されて配置されると共にタイヤ幅方向外側に巻き上げられて前記ビードコアを包み込むカーカス層と、前記ビードフィラーおよび前記カーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成するサイドウォールゴムとを備える空気入りタイヤであって、前記ビードフィラーが、前記サイドウォールゴムよりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成ると共に前記カーカス層の巻き上げ端部を包み込んで配置される第一フィラー部と、前記第一フィラー部よりも大きいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成ると共に前記第一フィラー部および前記ビードコアの間に配置される第二フィラー部とを備え、且つ、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部の断面積Aと前記ビードコアのタイヤ径方向外側の端部からタイヤ最大幅位置Pまでの領域Lの断面積Xとが0.50≦A/X≦0.90の関係を有すると共に、前記ビードコアのタイヤ径方向内側の端部Rから前記カーカス層の巻き上げ端部Qまでのタイヤ径方向の距離hと前記ビードコアのタイヤ径方向内側の端部Rから前記第一フィラー部の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sまでのタイヤ径方向の距離Hとが0.75≦h/H≦1.25の関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、(1)カーカス層の第一フィラー部がサイドウォールゴムよりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成り(軟質ゴム層)、この第一フィラー部によってカーカス層の巻き上げ端部Qが包み込まれる。また、軟質ゴム層である第一フィラー部がビードコアからサイドウォール部の最大幅位置までの領域Lに配置され、且つ、この領域Lにおける第一フィラー部の断面積比A/Xが適正化されるので、この領域Lにおけるタイヤ剛性がトレッド部に対して低減される。これらにより、タイヤ転動時にてサイドウォール部が容易に偏心変形できるので、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減される利点がある。また、(2)ビードコアの端部Rからカーカス層の巻き上げ端部Qまでの距離hとビードコアの端部Rから第一フィラー部の最大肉厚部の点Sまでの距離Hとの比h/Hが適正化されることにより、ビードコアと第一フィラー部との間に配置される第二フィラー部の断面積が適正に確保される。これにより、ビード部の耐久性が確保されて、タイヤの耐久性能が適性に維持される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部がタイヤ径方向内側に偏心した略菱形形状を有する。
この空気入りタイヤでは、第一フィラー部の偏心形状により、タイヤ転動時にてサイドウォール部が積極的に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗がより効果的に低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記第一フィラー部が単一のゴム材料から成る。
この空気入りタイヤでは、相互に異なるゴム材料から成る一対のフィラー部によってカーカス層の巻き上げ端部Qが挟み込まれる構成と比較して、ビード部に使用されるゴム材料の種類が低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記第一フィラー部が0.14以下のtanδ(20[℃])と、1[MPa]以上5[MPa]以下のモジュラス(100[%]伸張時)と、300[%]以上の破断伸びとを有する。
この空気入りタイヤでは、第一フィラー部の物性値が適正化されるので、領域Lにおけるタイヤ剛性が適正に低減される。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部の最大肉厚部の幅Dと、前記第一フィラー部の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sから前記カーカス層の巻き上げ端部Qまでの距離dとが0.4≦d/D≦0.7の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、第一フィラー部の最大肉厚部とカーカス層の巻き上げ端部Qとの位置関係が適正化されるので、タイヤ転動時にてサイドウォール部が適正に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記カーカス層の巻き上げ端部Qと前記第一フィラー部のタイヤ径方向外側の端部Tとを通る仮想線lによって前記第一フィラー部が二分割されるときに、仮想線lよりもタイヤ幅方向内側にある前記第一フィラー部の部分の断面積a1と、タイヤ幅方向外側にある前記第一フィラー部の部分の断面積a2とが0.4≦a1/a2≦0.7の関係を有する。
この空気入りタイヤでは、第一フィラー部の断面積の分布がカーカス層の巻き上げ端部Qに対して適正化されるので、タイヤ転動時にてサイドウォール部が適正に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、(1)カーカス層4の第一フィラー部31がサイドウォールゴム7よりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成り(軟質ゴム層)、この第一フィラー部31によってカーカス層4の巻き上げ端部Qが包み込まれる。また、軟質ゴム層である第一フィラー部がビードコアからサイドウォール部の最大幅位置までの領域Lに配置され、且つ、この領域Lにおける第一フィラー部の断面積比A/Xが適正化されるので、この領域Lにおけるタイヤ剛性がトレッド部に対して低減される。これらにより、タイヤ転動時にてサイドウォール部が容易に偏心変形できるので、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減される利点がある。また、(2)ビードコアの端部Rからカーカス層の巻き上げ端部Qまでの距離hとビードコアの端部Rから第一フィラー部の最大肉厚部の点Sまでの距離Hとの比h/Hが適正化されることにより、ビードコアと第一フィラー部との間に配置される第二フィラー部の断面積が適正に確保される。これにより、ビード部の耐久性が確保されて、タイヤの耐久性能が適性に維持される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図2および図3は、図1に記載した空気入りタイヤのビードフィラーを示す拡大断面図である。図4は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、ビードフィラー3と、カーカス層4と、ベルト層5と、トレッドゴム6と、サイドウォールゴム7とを含んで構成される(図1参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー3は、ビードコア2のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのビード部を補強する。カーカス層4は、左右のビードコア2、2間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層4の両端部は、ビードコア2を包み込むようにタイヤ幅方向外側(タイヤ踏面方向)に巻き上げられて係止される。また、カーカス層4の両端部には、各端部を被覆するゴム部材が設けられている。ベルト層5は、積層された複数のベルト材51〜53から成り、カーカス層4のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴム6は、カーカス層4およびベルト層5のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。サイドウォールゴム7は、カーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。
[ビードフィラー]
また、ビードフィラー3は、第一フィラー部(軟質ゴム層)31と第二フィラー部(硬質ゴム層)32とによって構成される(図1および図2参照)。第一フィラー部31は、サイドウォールゴム7よりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成り、カーカス層4の巻き上げ端部Qを包み込んで配置される。第二フィラー部32は、第一フィラー部31よりも大きいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成り、第一フィラー部31とビードコア2との間に配置される。
例えば、この実施例では、第一フィラー部31と第二フィラー部32とが、相互に異なる材質を有するゴム材料により構成されている(図2参照)。また、第一フィラー部31のtanδ(20[℃])が第二フィラー部32のtanδ(20[℃])よりも小さく設定されている。このため、第一フィラー部31が第二フィラー部32よりも軟質のゴム材料により構成されている。また、第一フィラー部31のタイヤ径方向内側に切り込み部が設けられており、この部分にカーカス層4の巻き上げ端部Qが挟み込まれている。これにより、カーカス層4の巻き上げ端部Qが、第一フィラー部31によってタイヤ幅方向内側および外側の両側から包み込まれている。また、第二フィラー部32がカーカス層4の巻き上げ部分に包み込まれて配置されている。また、第二フィラー部32がビードコア2よりもタイヤ径方向外側であって第一フィラー部31よりもタイヤ径方向内側(ビードトゥ側)に配置されている。
ここで、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、(1)第一フィラー部31の断面積Aと、ビードコア2のタイヤ径方向外側の端部からタイヤ最大幅位置Pまでの領域Lの断面積Xとが0.50≦A/X≦0.90の関係を有する(図2参照)。すなわち、軟質ゴム層である第一フィラー部31がビードコア2からサイドウォール部の最大幅位置までの領域Lに配置され、且つ、この領域Lにおける第一フィラー部31の設置割合(A/X)が適正化される。
また、タイヤ子午線方向の断面視にて、(2)ビードコア2のタイヤ幅方向外側の端部Rからカーカス層4の巻き上げ端部Qまでのタイヤ径方向の距離をhとする(図2参照)。また、ビードコア2のタイヤ径方向内側の端部Rから第一フィラー部31の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sまでのタイヤ径方向の距離をHとする。このとき、距離hと距離Hとの比h/Hが0.75≦h/H≦1.25の関係を有する。すなわち、ビードコア2の端部Rからカーカス層4の巻き上げ端部Qまでの距離hとビードコア2の端部Rから第一フィラー部31の最大肉厚部の点Sまでの距離Hとの比h/Hが適正化されている。
なお、第一フィラー部31の最大肉厚部とは、環状構造を有するビードフィラー3の軸方向にかかる最大寸法をいう。例えば、この実施例では、タイヤ子午線方向の断面視にて、第一フィラー部31が略菱形形状を有しており、この菱形形状の角部によって第一フィラー部31の最大肉厚部が構成されている。また、第一フィラー部31が、その最大肉厚部にてカーカス層4の巻き上げ端部Qを包み込んでいる。
[効果]
この空気入りタイヤ1では、(1)カーカス層4の第一フィラー部31がサイドウォールゴム7よりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成り(軟質ゴム層)、この第一フィラー部31によってカーカス層4の巻き上げ端部Qが包み込まれる。また、第一フィラー部31がビードコア2からサイドウォール部の最大幅位置までの領域Lに配置され(図2参照)、且つ、この領域Lにおける第一フィラー部31の断面積比A/Xが適正化されるので、この領域Lにおけるタイヤ剛性がトレッド部に対して低減される。これらにより、タイヤ転動時にてサイドウォール部が容易に偏心変形できるので、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減される利点がある。例えば、A/X<0.50では、領域Lのタイヤ剛性が十分に低減されないため、タイヤの転がり抵抗の低減効果が得られ難い。また、0.90<A/Xでは、サイドウォール部の剛性が確保されないという問題がある。
また、(2)ビードコア2の端部Rからカーカス層4の巻き上げ端部Qまでの距離hとビードコア2の端部Rから第一フィラー部31の最大肉厚部の点Sまでの距離Hとの比h/Hが適正化されることにより、ビードコア2と第一フィラー部31との間に配置される第二フィラー部32の断面積が適正に確保される(図2参照)。これにより、ビード部の耐久性が確保されて、タイヤの耐久性能が適性に維持される利点がある。例えば、h/H<0.75では、第二フィラー部32の配置スペースが減少して第二フィラー部32の断面積が不足するため、ビード部の耐久性が確保されない。また、1.25<h/Hでは、第一フィラー部31の配置スペースが減少して第一フィラー部31の断面積が減少するため、タイヤの転がり抵抗の低減効果が減少する。
また、上記の構成(2)では、カーカス層4の巻き上げ端部Qの位置と第一フィラー部31の最大幅位置とが略同位置(0.75≦h/H≦1.25)に配置されるので、カーカス層4の巻き上げ端部Qからサイドウォール部のタイヤ最大幅位置に向かうに連れて、第一フィラー部31の肉厚が減少する(図2参照)。これにより、タイヤ転動時にてサイドウォール部がより容易に偏心変形できるので、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減される利点がある。
[付加的事項1]
なお、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、第一フィラー部31がタイヤ径方向内側に偏心した略菱形形状を有することが好ましい(図1および図2参照)。かかる構成では、第一フィラー部31の偏心形状により、タイヤ転動時にてサイドウォール部が積極的に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗がより効果的に低減される利点がある。
例えば、この実施例では、タイヤ子午線方向の断面視にて、第一フィラー部31がタイヤ径方向に長尺かつタイヤ幅方向に幅狭な略菱形形状を有し、且つ、その中心(菱形の対角線の交点)がタイヤ径方向内側に偏心している(図2参照)。また、第一フィラー部31は、菱形形状のタイヤ径方向内側の頂点から中心部に向かって設けられた切欠部を有し、この切欠部にてカーカス層4の巻き上げ端部Qを挟み込んでいる。このとき、カーカス層4の巻き上げ端部Qが第一フィラー部31の最大幅位置に対して略同位置にある。したがって、第一フィラー部31の菱形形状の中心がカーカス層4の巻き上げ端部Qと略同位置にあり、この位置からタイヤ径方向外側(サイドウォール部の最大幅位置P側)に向かうに連れて第一フィラー部31の肉厚が減少している。かかる構成によって、タイヤ転動時にてサイドウォール部が積極的に偏心変形できる。
また、この空気入りタイヤ1では、第一フィラー部31が単一のゴム材料から成ることが好ましい(図2参照)。すなわち、単一ゴム材料から成る第一フィラー部31によって、カーカス層4の巻き上げ端部Qが包み込まれる。かかる構成では、相互に異なるゴム材料から成る一対のフィラー部によってカーカス層の巻き上げ端部Qが挟み込まれる構成(図示省略)と比較して、ビード部に使用されるゴム材料の種類が低減される利点がある。
例えば、この実施例では、上記のように、第一フィラー部31が単一のゴム材料から成り、この第一フィラー部31のタイヤ径方向内側の端部に切欠部が形成されている(図2参照)。そして、この切欠部にカーカス層4の巻き上げ端部Qが挟み込まれている。
[付加的事項2]
また、この空気入りタイヤ1では、第一フィラー部が0.14以下のtanδ(20[℃])と、1[MPa]以上5[MPa]以下のモジュラス(100[%]伸張時)と、300[%]以上の破断伸びとを有することが好ましい。また、これらの物性値(モジュラスと破断伸び)は、JISK6251の規定に準拠する。かかる構成では、第一フィラー部31の物性値が適正化されるので、領域Lにおけるタイヤ剛性が適正に低減される。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
なお、この実施例では、第一フィラー部31が上記の物性値を有し、且つ、第二フィラー部32が0.14以上のtanδ(20[℃])と、5[MPa]以上18[MPa]以下のモジュラス(100[%]伸張時)と、200[%]以下の破断伸びとを有している(図2参照)。また、サイドウォールゴム7が0.14以上〜0.25以下のtanδ(20[℃])と、4[MPa]以下のモジュラス(100[%]伸張時)と、300[%]以上700[%]以下の破断伸びとを有している。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、第一フィラー部31の最大肉厚部の幅Dと、第一フィラー部31の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sからカーカス層4の巻き上げ端部Qまでの距離dとが0.4≦d/D≦0.7の関係を有することが好ましい(図2参照)。すなわち、カーカス層4の巻き上げ端部Qが第一フィラー部31の最大肉厚部の略中央に配置される。かかる構成では、第一フィラー部31の最大肉厚部とカーカス層4の巻き上げ端部Qとの位置関係が適正化されるので、タイヤ転動時にてサイドウォール部が適正に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ子午線方向の断面視にて、カーカス層4の巻き上げ端部Qと第一フィラー部のタイヤ径方向外側の端部Tとを通る仮想線lによって第一フィラー部31が二分割されるときに、この仮想線lよりもタイヤ幅方向内側にある第一フィラー部31の部分311の断面積a1と、タイヤ幅方向外側にある第一フィラー部31の部分312の断面積a2とが0.4≦a1/a2≦0.7の関係を有することが好ましい(図3参照)。すなわち、仮想線lによって、第一フィラー部31の断面積がタイヤ幅方向に略二等分される。かかる構成では、第一フィラー部31の断面積の分布がカーカス層4の巻き上げ端部Qに対して適正化されるので、タイヤ転動時にてサイドウォール部が適正に偏心変形できる。これにより、タイヤの転がり抵抗が低減される利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)転がり抵抗および(2)耐久性能に関する性能試験が行われた(図4参照)。この性能試験では、タイヤサイズ275/80R22.5の空気入りタイヤがリムサイズ22.5×7.50のリムに組み付けられる。
(1)転がり抵抗(低転がり抵抗性能)に関する性能試験では、空気入りタイヤにJATMA規定の最高空気圧および最大荷重が負荷される。そして、室内ドラム試験機が用いられて、60[km/h]、80[km/h]および100[km/h]における転がり抵抗が測定される。そして、この測定結果に基づいて、従来の空気入りタイヤ(従来例)を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、指数値が大きいほど好ましい。
(2)耐久性能に関する性能試験では、空気入りタイヤにJATMA規定の規定内圧の140[%]の荷重および規定荷重が負荷される。そして、室内ドラム試験機が用いられて、45[km/h]の走行速度にて3万[km]の走行が行われる。そして、この走行後に、カーカス層4の巻き返し端部Q周辺に発生したセパレーションが観察される。そして、この観察結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。評価は、その数値が大きいほど好ましい。
従来例の空気入りタイヤでは、ビードフィラーが第一フィラー部および第二フィラー部から成る。そして、第一フィラー部がカーカス層の巻き上げ端部よりもタイヤ幅方向内側にのみ配置されており、また、第二フィラー部が第一フィラー部およびビードコアの間に配置されている。
発明例1〜5の空気入りタイヤ1では、ビードフィラー3が第一フィラー部31および第二フィラー部32から成る(図2参照)。そして、ビードフィラー3の第一フィラー部31がカーカス層4の巻き上げ端部Qを包み込んで配置されており、また、第二フィラー部32が第一フィラー部31およびビードコア2の間に配置されている。
また、従来例および発明例1〜5の空気入りタイヤでは、第一フィラー部が0.10のtanδ(20[℃])および4[MPa]の100[%]伸張時モジュラスを有するゴム材料により構成されている。また、第二フィラー部が0.20のtanδ(20[℃])および10[MPa]の100[%]伸張時モジュラスを有するゴム材料により構成されている。また、サイドウォールゴムが0.15のtanδ(20[℃])および3[MPa]の100[%]伸張時モジュラスを有するゴム材料により構成されている。
試験結果に示すように、発明例1〜5の空気入りタイヤ1では、タイヤの耐久性能が維持されつつタイヤの転がり抵抗が低減されることが分かる(図4参照)。また、発明例1、3、4と比較例1とを比較すると、領域L(図1参照)における第一フィラー部31の断面積比A/Xが適正化されることにより、タイヤの転がり抵抗が効果的に低減されることが分かる。また、発明例2、3と比較例2とを比較し、また、発明例1、5と比較例3とを比較すると、ビードコア2の端部Rからカーカス層4の巻き上げ端部Qまでの距離hとビードコア2の端部Rから第一フィラー部31の最大肉厚部の点Sまでの距離Hとの比h/Hが適正化されることにより、タイヤの耐久性能が維持されつつタイヤの転がり抵抗が効果的に低減されることが分かる。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤの耐久性能を維持しつつタイヤの転がり抵抗を低減できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのビードフィラーを示す拡大断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤのビードフィラーを示す拡大断面図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
31 第一フィラー部
32 第二フィラー部
4 カーカス層
5 ベルト層
51〜53 ベルト材
6 トレッドゴム
7 サイドウォールゴム

Claims (6)

  1. 一対のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ配置されるビードフィラーと、前記ビードコア間に架け渡されて配置されると共にタイヤ幅方向外側に巻き上げられて前記ビードコアを包み込むカーカス層と、前記ビードフィラーおよび前記カーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成するサイドウォールゴムとを備える空気入りタイヤであって、
    前記ビードフィラーが、前記サイドウォールゴムよりも小さいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成ると共に前記カーカス層の巻き上げ端部を包み込んで配置される第一フィラー部と、前記第一フィラー部よりも大きいtanδ(20[℃])を有するゴム材料から成ると共に前記第一フィラー部および前記ビードコアの間に配置される第二フィラー部とを備え、且つ、
    タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部の断面積Aと前記ビードコアのタイヤ径方向外側の端部からタイヤ最大幅位置Pまでの領域Lの断面積Xとが0.50≦A/X≦0.90の関係を有すると共に、前記ビードコアのタイヤ径方向内側の端部Rから前記カーカス層の巻き上げ端部Qまでのタイヤ径方向の距離hと前記ビードコアのタイヤ径方向内側の端部Rから前記第一フィラー部の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sまでのタイヤ径方向の距離Hとが0.75≦h/H≦1.25の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部がタイヤ径方向内側に偏心した略菱形形状を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第一フィラー部が単一のゴム材料から成る請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第一フィラー部が0.14以下のtanδ(20[℃])と、1[MPa]以上5[MPa]以下のモジュラス(100[%]伸張時)と、300[%]以上の破断伸びとを有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記第一フィラー部の最大肉厚部の幅Dと、前記第一フィラー部の最大肉厚部におけるタイヤ幅方向内側の点Sから前記カーカス層の巻き上げ端部Qまでの距離dとが0.4≦d/D≦0.7の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ子午線方向の断面視にて、前記カーカス層の巻き上げ端部Qと前記第一フィラー部のタイヤ径方向外側の端部Tとを通る仮想線lによって前記第一フィラー部が二分割されるときに、仮想線lよりもタイヤ幅方向内側にある前記第一フィラー部の部分の断面積a1と、タイヤ幅方向外側にある前記第一フィラー部の部分の断面積a2とが0.4≦a1/a2≦0.7の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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