JP5010139B2 - 排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置 Download PDF

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本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素を除去する排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を除去する排ガス浄化用触媒として、例えば、貴金属と、NOxを吸蔵する吸蔵材とが担持される担体をハニカム状の基材に塗布してなるものが挙げられる。前記担体として、アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニアが挙げられる。また、前記貴金属として、白金、ロジウムが挙げられる。前記吸蔵材として、Kなどのアルカリ金属やBaなどのアルカリ土類金属が挙げられる。
このような排ガス浄化用触媒をディーゼルエンジン等の排気管に設置することで、排ガス中の窒素酸化物を除去するようにしている。すなわち、排ガスがリーン状態(酸素濃度が高い(3%以上))の場合には、貴金属上にてNOと酸素とが反応してNOxを生成し、このNOxを吸蔵材に吸蔵している。
また、吸蔵材に吸蔵されたNOxは、排ガス浄化用触媒に還元剤となる有機化合物や燃料を噴霧したり、エンジンにて燃料の噴射量を多くしたりして、排ガスがリッチ状態(酸素濃度が低い)である還元雰囲気を作ることで、吸蔵材に吸蔵されていたNOxが貴金属上に移動し、このNOxと炭化水素およびCOとが反応して生成される、水,窒素,二酸化炭素を排出している。そのため、排気ガス浄化用触媒では、窒素酸化物の吸蔵と、吸蔵された窒素酸化物を窒素としての排出が繰り返し行われている(特許文献1を参照)。
上述したような排気ガス用浄化触媒の具体的なものとして、図17(a)に示すような触媒がある。この図に示すように、排ガス浄化用触媒100は、セリア−ジルコニアの複合酸化物である担体101からなり、この担体101に貴金属であるPt102、窒素酸化物の吸蔵材である炭酸バリウム103、およびWO3/TiO2−SiO2104が担持されている。
一方、特許文献2には、低温でのNOx浄化性能、およびSOx脱離性を向上させた触媒として、触媒成分が担持された担体粒子、及びNOx吸収剤粒子が混合されてなる吸収還元型NOx浄化用触媒が開示されている。
特許第3311012号明細書 特開2002−79096号公報
しかしながら、上述した排ガス浄化用触媒100では、700℃にて200時間保持し熱劣化させると、図17(b)に示すように、担体101におけるセリア−ジルコニアのジルコニウムが炭酸バリウム103と反応してBaZrO3105等のバリウムと担体成分と複合酸化物が生成する。そのため、窒素酸化物の吸蔵材である炭酸バリウム103が減少し、図18に示すように、最大脱硝率が約80%から約40%まで低下してしまう。また、上述した熱劣化、およびBaZrO3の生成反応により、Pt102は、図17(b)に示すように、担体101上を移動し焼結してPt106となる。そのため、図18に示すように、脱硝率の温度の分布が高温側に移行してしまう。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、耐熱性を向上させ、熱劣化による脱硝性能の低下を抑制した排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係る排ガス浄化用触媒は、CeO2からなる第一担体と、TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体とを有し、前記第一担体に窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材および貴金属を担持させる一方、前記第二担体に貴金属を担持させてなることを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1の発明に記載された排ガス浄化用触媒であって、前記吸蔵材が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であることを特徴とする。
前記アルカリ金属として、例えばKやNaなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属として、例えばCaやBaなどが挙げられる。
上述した課題を解決する第3の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1または第2の発明に記載された排ガス浄化用触媒であって、前記第一担体に希土類元素がドープされることを特徴とする。
前記希土類元素としては、例えばLaなどが挙げられる。
上述した課題を解決する第4の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1乃至第3の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、前記貴金属が、Pt,Rh,Pd,Ir,Ru、それら合金、またはその酸化物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1乃至第4の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、前記貴金属が、前記第一担体に対して0.1〜10wt%であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第6の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1乃至第5の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、前記吸蔵材が、前記第一担体に対して0.1〜50wt%であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第7の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1乃至第6の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、前記第一担体と前記第二担体との成分比が0.05〜20であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第8の発明に係る排ガス浄化用触媒は、第1乃至第7の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、前記第一担体および前記第二担体の平均粒径が、4μm以上であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第9の発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法は、窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法であって、CeO2からなる第一担体に貴金属、および窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材を含浸担持させる工程と、TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体に貴金属を含浸担持させる工程と、前記第一担体および前記第二担体を混合しバインダーを加えてスラリー化し、このスラリーを基材に塗布させる工程とを有することを特徴とする。
上述した課題を解決する第10の発明に係る排ガス浄化装置は、窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、前記排ガスが排気される排気管に配置され、第1乃至第8の発明の何れかに記載された排ガス浄化用触媒と、前記排ガス浄化用触媒の上流側に配置され、該排ガス浄化用触媒に有機還元剤または燃料を噴射する燃料噴射手段とを有することを特徴とする。
前記有機還元剤として、例えば炭化水素、アルコール類、またはエーテル類などが挙げられる。
上述した課題を解決する第11の発明に係る排ガス浄化装置は、第10の発明に記載された排ガス浄化装置であって、前記排ガス浄化用触媒の上流側に第一の酸化触媒を配置させることを特徴とする。
第一の酸化触媒を排ガス浄化用触媒の上流側に配置させることで、排ガス浄化用触媒の温度を上昇させて、前記排ガス浄化用触媒に吸蔵された窒素酸化物を窒素として除去させることができる。
上述した課題を解決する第12の発明に係る排ガス浄化装置は、第10または第11の発明に記載された排ガス浄化装置であって、前記排ガス浄化用触媒の下流側に第二の酸化触媒を配置させることを特徴とする。
第二の酸化触媒を排ガス浄化用触媒の下流側に配置させることで、排ガス中の窒素酸化物、未燃焼炭化水素、および一酸化炭素を除去させることができる。
上述した課題を解決する第13の発明に係る排ガス浄化装置は、第10乃至第12の発明の何れかに記載された排ガス浄化装置であって、前記排ガス浄化用触媒の上流側または下流側に前記排ガス中のパティキュレートマターを処理するPM処理手段を配置させることを特徴とする。
前記PM処理手段としては、PM燃焼触媒、PM捕集フィルタ、またはPM燃焼触媒つき捕集フィルタが挙げられる。
PM処理手段を排ガス浄化用触媒の上流側または下流側に配置させることで、排ガス中の黒煙および窒素酸化物を除去させることができる。
上述した課題を解決する第14の発明に係る排ガス浄化装置は、第10乃至第13の発明の何れかに記載された排ガス浄化装置であって、前記排ガスが、ディーゼルエンジンから排出された排ガスであることを特徴とする。
本発明に係る排ガス浄化用触媒によれば、熱劣化されても、第二成分と吸蔵材とが反応せず、また、貴金属が焼結しないので、排ガス浄化用触媒の脱硝率は、熱劣化の前後においてほぼ同じとなる。また、排ガス浄化用触媒の脱硝率は、熱劣化の前後において、ほぼ同じ分布となる。すなわち、排ガス浄化用触媒の耐熱性が向上する。第一担体に希土類元素をドープすることで、第一担体の比表面積の低下を抑制することができ、排ガス浄化用触媒における熱劣化後の脱硝率の低下が抑制される。
貴金属を第一担体に対して所定重量としたことで、貴金属が第一担体および第二担体に適度に分散した状態にて担持することとなり、触媒性能を効率良く発現させることができる。吸蔵材を所定重量比としたことで、200〜550℃にて所定以上の脱硝率を有する。第一担体と第二担体とを所定の重量比とすることで、最大脱硝率を向上させると共に、高温側の脱硝率を向上させることができる。
第一担体および第二担体の粒径を所定の大きさ以上とすることにより、貴金属が第一担体および第二担体にて適度に分散し、吸蔵材が第二担体にて適度に分散することとなり、貴金属および吸蔵材の焼結が抑制される。排ガス浄化用触媒にバインダーを加えスラリー化し、このスラリーを基材に塗布した際に、第一担体と第二担体とが適度に離れることとなるので、ガス拡散経路が増し、脱硝率が向上する。さらに、例えば燃料として軽油を噴射したときに、軽油の拡散が容易になり、反応性が向上する。また、吸蔵材と第二担体との接触面積が低減され、吸蔵材と第二担体との反応が抑制される。よって、排ガス浄化触媒における酸点(酸性を示す活性点でTiとSiとWの酸化物に多く含まれる)が増大し、酸性ガスSOxの分解反応およびS分の吸蔵材への吸着を抑制し、触媒活性成分の性能劣化が防止される。
本発明に係る排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、基材に第一担体および第二担体を含むスラリー1種だけを塗布することとなり、製造工程が簡易であるので、製造コストの増加を抑制することができる。
本発明に係る排ガス浄化装置によれば、燃料噴射手段により有機還元剤または燃料を排ガス浄化用触媒に噴射することで、排ガス中の酸素濃度が低下し、前記排ガス浄化用触媒に吸蔵された窒素酸化物が還元されて窒素として排出される。よって、排ガスに含まれる窒素酸化物を排ガス浄化用触媒の吸蔵材に吸蔵し、吸蔵した窒素酸化物を窒素として排出することができるので、排ガス中の窒素酸化物を浄化することができる。
また、酸化触媒を所定の位置に配置することにより、排ガス浄化用触媒を未燃炭化水素やその酸化物、一酸化炭素が通り抜けても、酸化触媒にて燃焼することができ、あるいは排ガス浄化用触媒における窒素酸化物の処理温度を確保することができる。
そして、排ガス浄化用触媒にPM処理手段を所定の位置に配置することにより、排ガス中の窒素酸化物の除去に加え、パティキュレートマターを捕集し、捕集したパティキュレートマターを除去することができる。前記PM処理手段は高温にて再生処理されており、その際に必要な熱が、排ガス浄化用触媒に噴射された有機還元剤を酸化燃焼させることで得られる。また、前記熱が不足する場合には、さらに前述の酸化触媒を追加することで、温度を上昇させることができる。前記排ガスがディーゼルエンジンの排ガスであることにより、排ガスに含まれる窒素酸化物の排出を抑制することができる。
以下に、本発明に係る排ガス浄化用触媒及びその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の最良の形態に係る排ガス浄化用触媒の模式図であり、図1(a)にそれを熱劣化する前の状態、図1(b)にそれを熱劣化した後の状態を示す。
本発明の最良の形態に係る排ガス浄化用触媒7は、図1(a)に示すように、排ガスに含まれる窒素酸化物を浄化する排ガス浄化用触媒であって、CeO2(セリア)からなる第一担体1と、TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体2とを有する。第一担体1および第二担体2には、貴金属3が担持される。第一担体1にのみ窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材4が担持される。ただし、図1中では、第二担体2は、Al,ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種、またはこれらの複合酸化物からなる第一成分5と、W,Ti,Siの酸化物、またはこれらの複合酸化物からなる第二成分6とからなる。
このような排ガス浄化用触媒7では、700℃にて200時間のエージング(熱劣化)を行っても、第二成分6と吸蔵材4とが反応しなかった。また、貴金属3が凝集し焼結することはなかった。その結果、排ガス浄化用触媒7の脱硝率は、熱劣化前後においてほぼ同じであった。また、排ガス浄化用触媒7の脱硝率は、前記熱劣化の前後において、ほぼ同じ温度分布であった。すなわち、排ガス浄化用触媒7の耐熱性が向上した。
吸蔵材4としては、KやNaなどのアルカリ金属、またはCaやBaなどのアルカリ土類金属が挙げられる。
第一担体1に、Laなどの希土類元素をドープしても良い。このように第一担体1に希土類元素をドープすることで、熱劣化による、第一担体1の比表面積の低下を抑制させることができた。その結果、排ガス浄化用触媒7における熱劣化後の脱硝率の低下が抑制され、排ガス浄化用触媒7の耐熱性が向上した。
貴金属3としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ru、それらの合金、またはその酸化物から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
貴金属3は、第一担体1に対して0.1〜10wt%とする。このような重量比とすることにより、貴金属3が第一担体1および第二担体2に適度に分散した状態にて担持することとなり、触媒性能を効率良く発現することができた。
吸蔵材4は、第一担体1に対して0.1〜50wt%とし、好適には5〜25wt%とする。このような重量比とすることにより、200〜550℃にて所定以上の脱硝率を有した。
第一担体1と第二担体2との成分比は0.05〜20とする。このような成分比とすることにより、熱劣化前の排ガス浄化用触媒において、最大脱硝率が向上し、高温側の脱硝率が向上した。
第一担体1および第二担体2の平均粒径を4μm以上とする。第一担体1および第二担体2をこのような粒径にすることで、貴金属3が第一担体1および第二担体2にて適度に分散し、また、吸蔵材4が第二担体2にて適度に分散することとなるので、貴金属3および吸蔵材4の焼結が抑制された。その結果、排ガス浄化用触媒7における熱劣化後の脱硝率の低下が抑制され、排ガス浄化用触媒7の耐熱性が向上した。
また、排ガス浄化用触媒7にバインダーを加えスラリー化し、このスラリーを基材に塗布した際に、第一担体1と第二担体2との間の空隙が大きくなり、ガス拡散経路が増すので、脱硝率が向上した。さらに、例えば燃料として軽油を噴射したときに、前記軽油の拡散が容易になり、反応性が向上した。また、吸蔵材4と第二担体2(第一成分5および第二成分6)との接触面積が低減され、吸蔵材4と第二担体2との反応が抑制された。よって、排ガス浄化触媒7における酸点(酸性を示す活性点でTiとSiとWの酸化物に多く含まれる)が維持でき、酸性ガスSOxの分解反応の促進、およびS分の吸蔵材4への吸着を抑制し、触媒活性成分の性能劣化も防止された。
上述した排ガス浄化用触媒7は、以下の手順にて製造される。
すなわち、CeO2からなる第一担体に貴金属、および窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材を含浸担持させる。また、TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体に貴金属を含浸担持させる。続いて、前記第一担体および前記第二担体を混合しバインダーを加えてスラリー化し、このスラリーを基材に塗布させる。
上述した手順による排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、第一担体および第二担体を含むスラリー1種だけを基材に塗布することとなり、製造工程が簡易であるので、製造コストの増加を抑制することができた。
窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置は、前記排ガスが排気される排気管に配置され、上述した排ガス浄化用触媒と、前記排ガス浄化用触媒の上流側に配置され、該排ガス浄化用触媒に有機還元剤(例えば炭化水素、アルコール類、またはエーテル類など)または燃料を噴射する燃料噴射手段とを有する。前記燃料噴射手段により有機還元剤または燃料を前記排ガス浄化用触媒に噴射することで、排ガス中の酸素濃度が低下し、前記排ガス浄化用触媒に吸蔵された窒素酸化物が還元されて窒素として排出される。よって、排ガスに含まれる窒素酸化物を排ガス浄化用触媒の吸蔵材に吸蔵し、吸蔵した窒素酸化物を窒素として排出することができるので、排ガス中の窒素酸化物を浄化することができた。
また、前記排ガス浄化用触媒の上流側、下流側、または上流側および下流側に酸化触媒を配置しても良い。酸化触媒を排ガス浄化用触媒の上流側に配置させることで、排ガス浄化用触媒の温度を上昇させて、前記排ガス浄化用触媒に吸蔵された窒素酸化物を窒素として除去させることができた。また、排ガス浄化用触媒における窒素酸化物の処理温度を確保することができた。酸化触媒を排ガス浄化用触媒の下流側に配置させることで、排ガス中の窒素酸化物、未燃焼炭化水素、および一酸化炭素を除去させることができた。
さらに、前記排ガス浄化用触媒の上流側または下流側に、排ガス中のパティキュレートマターを処理するPM処理器(PM処理手段)である、PM燃焼触媒、PM捕集フィルタ、またはPM燃焼触媒つき捕集フィルタを配置させる。このような位置にPM処理器を配置させることにより、排ガス中のパティキュレートマターを捕集し、捕集したパティキュレートマターを燃焼して除去する高温再生処理する際に必要な熱が、排ガス浄化用触媒に噴射された燃料の酸化燃焼により得られた。その結果、排ガス中の黒煙および窒素酸化物を除去させることができた。PM処理手段を排ガス浄化用触媒の上流側に配置することで、前記PM処理手段により被毒物質が除去されるため、排ガス浄化用触媒の寿命を延ばすことができた。PM処理手段を排ガス浄化用触媒の下流側に配置することで、排ガス浄化用触媒の機能時の廃熱により、排ガス温度が上昇するため、PM処理手段の反応速度が増加して、その性能が向上した。
前記排ガスとしては、内燃機関から排出された排ガス、工場等のボイラ排ガス、加熱炉排ガス等が挙げられる。特に、前記排ガスが希薄燃焼方式の内燃機関、およびディーゼルエンジンからの排ガスであるとき、排ガスに含まれる窒素酸化物の排出を抑制することができた。
本発明に係る排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
[二つの担体混合物での触媒性能評価]
図2は、第1試験体の熱劣化前後における模式図であり、図2(a)に第1試験体の熱劣化前の状態、図2(b)に第1試験体の熱劣化後の状態を示す。図3は、第1試験体の熱劣化前後における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図3中の四角白抜きは、熱劣化前の脱硝率を示し、図3中の丸白抜きは、熱劣化後の脱硝率を示す。
<第1試験体>
図2(a)に示すように、第1試験体10は、粉末状のセリア(CeO2)からなる第一担体11と、粉末状のジルコニア(ZrO2)からなる第二担体12とが混合されてなる。第一担体11および第二担体12には貴金属であるPt13が担持される。第一担体11には、吸蔵材である炭酸バリウム14、およびWO3/TiO2−SiO215が担持される。
[排ガス処理試験]
第1試験体10に対して、脱硝活性の評価条件を下記表1とし、排ガス処理試験を実施した。
Figure 0005010139
表1において、SVは空間速度(流体の流量/試験体の体積)を示し、Lean/Richは、リーン/リッチの処理時間の比を示す。
また、第1試験体10を熱劣化する際の条件は、以下の通りである。
熱劣化温度:700℃、熱劣化時間:200時間、熱劣化雰囲気:大気中
図2(b)に示すように、熱劣化後の第1試験体10では、Pt13およびWO3/TiO2−SiO215が担持される第一担体11と、Pt13が担持される第二担体12とを有する。ただし、WO3/TiO2−SiO215のチタンと炭酸バリウム14のバリウムとが反応して、WO3/SiO216およびBaTiO317が生成する。このように、BaTiO317が生成するものの、BaCO3とZrO2が反応してなるBaZrO3が生成しないことが分かった。
ここで、第1試験体10に対して、熱劣化前後における脱硝率と温度との関係について測定した。なお、脱硝率は、下記に示す式にて算出した。
脱硝率(%) = (1−出口NOX濃度/入口NOX濃度)×100
図3に示すように、熱劣化前の第1試験体10では、最大脱硝率が350℃にて約80%となり、脱硝率が200−550℃にて10%以上となることが分かった。また、熱劣化後の第1試験体10では、最大脱硝率が約350℃にて約60%となり、脱硝率が200−550℃の温度範囲にて10%以上となることが分かった。よって、第1試験体10では、最大脱硝率の温度が同じであることが分かった。また、上述した従来の排ガス浄化用触媒では、脱硝率が熱劣化前後にて40%低下するので、従来の排ガス浄化用触媒と比べて、脱硝率の低下が抑制されたことが分かった。
したがって、第1試験体10によれば、第一担体11と第二担体12との混合粉末にしたことで、脱硝率の低下を抑制し、耐熱性が向上することが分かった。
[W,Ti,Siの複合酸化物が担持される担体による触媒性能評価]
図4は、第1試験体および第2試験体の模式図であり、図4(a)に第1試験体の熱劣化前後の状態、図4(b)に第2試験体の熱劣化前後の状態を示す。ただし、第1試験体は、上記と同じであり、同一符号を付記しその説明を省略する。図5は、第1試験体および第2試験体における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図5中の四角白抜きは、第1試験体における熱劣化後の脱硝率を示し、図5中の丸白抜きは、第2試験体における熱劣化後の脱硝率を示す。図6は、第1試験体および第2試験体におけるCO濃度と温度との関係を示すグラフであり、図6(a)に第1試験体でのCO濃度、図6(b)に第2試験体でのCO濃度を示す。
<第2試験体>
図4(b)に示すように、第2試験体20は、セリア(CeO2)からなる第一担体21と、ジルコニア(ZrO2)からなる第二担体22とが混合されてなる。第一担体21および第二担体22には、貴金属であるPt23が担持される。第一担体21には、窒素酸化物の吸蔵材である炭酸バリウム24が担持される。第二担体22には、WO3/TiO2−SiO225が担持される。すなわち、第1試験体10と第2試験体20とは、WO3/TiO2−SiO2が担持される対象が異なる。
[排ガス処理試験]
これら第1試験体10および第2試験体20に対して、脱硝活性の評価条件を上記表1とし、排ガス処理試験を実施した。
また、第1試験体10および第2試験体20を熱劣化する際の条件は、以下の通りである。
熱劣化温度:800℃、熱劣化時間:10時間、熱劣化雰囲気:大気中
熱劣化後の第1試験体10は、図4(a)に示すように、WO3/TiO2−SiO215が炭酸バリウム14と反応して、WO3/SiO216およびBaTiO317が生成した。また、Pt13は、熱劣化後に焼結してPt18となった。また、第2試験体20では、熱劣化してもPt23が焼結しないことが分かった。
熱劣化後の第2試験体20は、図4(b)に示すように、熱劣化前と同様に、Pt23、炭酸バリウム24が担持される第一担体21と、Pt23およびWO3/TiO2−SiO225が担持される第二担体22とが混合されてなる。よって、第2試験体20では、熱劣化前後にて、その化学組成が変わらないことが分かった。
ここで、第1試験体10および第2試験体20に対して、熱劣化後における脱硝率と温度との関係について測定した。
図5に示すように、第1試験体10および第2試験体20では、脱硝率が250−550℃にて約10%以上となることが分かった。第1試験体10では、最大脱硝率が約500℃にて約40%となることが分かった。第2試験体20では、最大脱硝率が約500℃にて約60%となることが分かった。よって、第1試験体10よりも第2試験体20の方は、最大脱硝率が大きいことが分かった。また、550℃での脱硝率は、第1試験体10では約40%であるのに対し、第2試験体20では約50%であり、第2試験体20の方が第1試験体10よりも耐熱性が高いことが分かった。
ここで、第1試験体10および第2試験体20に対して、温度と排気側でのCO濃度との関係を測定した。このようにCO濃度を測定し、触媒の酸化性能を観測した。すなわち、COの濃度が低温側に大幅に減少すると、貴金属の活性が高いことを示し、これは、貴金属が焼結しないことに相当する。
第1試験体10では、図6(a)に示すように、CO濃度が400℃から550℃に向けて漸減し、約530℃にて500ppm以下となることが分かった。第2試験体20では、図6(b)に示すように、CO濃度が400℃から550℃に向けて漸減し、約470℃にて500ppm以下となることが分かった。よって、第1試験体10よりも第2試験体20の方が、貴金属の焼結が抑制されたことが分かった。
よって、WO3/TiO2−SiO2をジルコニアに担持させることで、最大脱硝率を向上させることができ、さらに、高温域における脱硝率を向上させることができることが分かった。
[第二担体添加による触媒性能評価]
図7は、第2試験体および第3試験体の模式図であり、図7(a)に第3試験体、図7(b)に第2試験体を示す。ただし、第2試験体は、上記と同じであり、同一符号を付記しその説明を省略する。図8は、第2試験体および第3試験体における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図8中の丸白抜きは、第2試験体における初期の脱硝率を示し、図8中の四角白抜きは、第3試験体における初期の脱硝率を示す。
<第3試験体>
第3試験体30は、図7(a)に示すように、セリア(CeO2)からなる第一担体31および第二担体32が混合されてなる。第一担体31および第二担体32には、貴金属であるPt33が担持される。第一担体31には、吸蔵材である炭酸バリウム34が担持される。第二担体32には、WO3/TiO2−SiO235が担持される。
これら第2試験体20および第3試験体30に対して、脱硝率と温度との関係について測定した。
図8に示すように、第3試験体30では、脱硝率が約230℃にて約10%となり温度が上昇するにつれ漸増して、約340℃にて最大脱硝率である約70%となり、さらに温度が上昇するにつれ漸減して550℃にて20%となることが分かった。第2試験体20では、脱硝率が200℃にて10%となり温度が上昇するにつれ漸増して、約350℃にて最大脱硝率である75%となり、さらに温度が上昇するにつれ漸減して550℃にて25%となることが分かった。
よって、第一担体31であるセリアと組成の異なる担体であるジルコニアを第二担体32として添加することで、最大脱硝率を向上させることができ、さらに、高温域における脱硝率を向上させることができることが分かった。
[Laドープによる触媒性能評価]
図9は、上述した第2試験体と、第2試験体の第一担体にLaをドープした第4試験体における熱劣化後の脱硝率を示すグラフである。
<第4試験体>
第4試験体は、第2試験体の第一担体にLaをドープしてなる。
[排ガス処理試験]
これら第2試験体および第4試験体に対して、脱硝活性の評価条件を上記表1とし、排ガス処理試験を実施した。
また、第2試験体および第4試験体を熱劣化する際の条件は、以下の通りである。
熱劣化温度:700℃、熱劣化時間:200時間、熱劣化雰囲気:大気中
図9に示すように、400℃における脱硝率は、第2試験体では約45%であり、第4試験体では約55%であった。よって、第一担体にLaをドープすることで、耐熱性を向上させ、すなわち、熱劣化による比表面積の低下を抑制すると共に、Baとの反応性を抑制し、熱劣化による触媒性能の低下を抑制することが分かった。
[製造方法による触媒性能の評価]
図10は、第5試験体および第6試験体の模式図であり、図10(a)に第5試験体、図10(b)に第6試験体を示す。図11は、第5試験体および第6試験体において、熱劣化後における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図11中の丸白抜きは、第5試験体における熱劣化後の脱硝率を示し、図8中の四角白抜きは、第6試験体における熱劣化後の脱硝率を示す。
<第5試験体>
第5試験体50は、図10(a)に示すように、ハニカム状の基材51の表面に第1層52としてPtRh/(ZrO2+WO3/TiO2−SiO2)が塗布され、この第1層52の表面に第2層53として、PtRhBa/CeO2が塗布されてなる。
<第6試験体>
第6試験体60は、図10(b)に示すように、ハニカム状の基材61の表面に第1層62として、(PtRhBa/CeO2)+[PtRh/(ZrO2+WO3/TiO2−SiO2)]が塗布されてなる。
[排ガス処理試験]
これら第5試験体50および第6試験体60に対して、脱硝活性の評価条件を下記表2とし、排ガス処理試験を実施した。
Figure 0005010139
表2において、SVは空間速度(流体の流量/試験体の体積)を示し、Lean/Richは、リーン/リッチの処理時間の比を示す。
また、第5試験体50および第6試験体60を熱劣化する際の条件は、以下の通りである。
熱劣化温度:700℃、熱劣化時間:200時間、熱劣化雰囲気:大気中
図11に示すように、第5試験体50では、脱硝率が約280℃にて10%となり温度が上昇するにつれ漸増して、約400℃にて最大脱硝率である約35%となり、さらに温度が上昇するにつれ漸減して550℃にて10%となることが分かった。第6試験体60では、脱硝率が200℃にて15%となり温度が上昇するにつれ漸増して、約400℃にて最大脱硝率である約75%となり、さらに温度が上昇するにつれ漸減して550℃にて50%となることが分かった。
よって、脱硝率は、第5試験体50に比べて第6試験体60の方が高いことが分かった。また、第一担体および第二担体を含むスラリーを1種類だけ基材に塗布するだけで、十分な脱硝性能を有することが分かった。また、製造工程が簡易であるので、製造コストの増加を抑制することができることが分かった。
[担体の粒径による触媒性能評価]
図12は、第7試験体、第8試験体および第9試験体における熱劣化後の脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図12中の四角白抜きは、第7試験体の脱硝率を示し、図12中の丸白抜きは、第8試験体の脱硝率を示し、図12中の三角白抜きは、第9試験体の脱硝率を示す。図13は、第7試験体、第8試験体および第9試験体におけるCO濃度と温度との関係を示すグラフであり、図13(a)に第7試験体のCO濃度、図13(b)に第8試験体のCO濃度、図13(c)に第9試験体のCO濃度を示す。
<第7試験体>
第7試験体は、上述した第2試験体における第一担体および第二担体の平均粒径をそれぞれ1μmにボールミルを用いて調整して混合し、これにバインダー等を加えスラリー化し、このスラリーをハニカム状の基材の表面に塗布してなる。
<第8試験体、第9試験体>
第8試験体は、第一担体および第二担体の平均粒径をそれぞれ2μmに調整する以外は、上記第7試験体と同様に調製してなる。第9試験体は、第一担体および第二担体の平均粒径をそれぞれ4μmに調整する以外は、上記第7試験体と同様に調製してなる。
[排ガス処理試験]
これら第7試験体、第8試験体および第9試験体に対して、脱硝活性の評価条件を上記表2とし、排ガス処理試験を実施した。
また、第7試験体、第8試験体および第9試験体を熱劣化する際の条件は、以下の通りである。
熱劣化温度:800℃、熱劣化時間:10時間、熱劣化雰囲気:大気中
図12に示すように、第7試験体では、脱硝率が270℃にて10%であり、温度の上昇につれ漸増して、500℃にて最大脱硝率である28%となることが分かった。第8試験体では、脱硝率が250℃にて10%となり、温度の上昇につれ漸増して、500℃にて最大脱硝率である52%となることが分かった。第9試験体では、脱硝率が290℃にて10%となり、温度の上昇につれ漸増して、400℃にて最大脱硝率である52%となり、温度の上昇につれ漸減して、500℃にて40%となることが分かった。
よって、担体の平均粒径を4μmに調整することにより、貴金属が第一担体および第二担体にて適度に分散し、また、吸蔵材が第一担体にて適度に分散することとなるので、貴金属および吸蔵材の焼結が抑制された。その結果、排ガス浄化用触媒における熱劣化後の脱硝率の低下が抑制され、排ガス浄化用触媒の耐熱性が向上することが分かった。さらに、例えば燃料として軽油を噴射したときに、軽油の拡散が容易になり、反応性が向上することが分かった。また、吸蔵材と第二担体との接触面積が低減され、吸蔵材と第二担体との反応が抑制された。また試験体における酸点(酸性を示す活性点でTiとSiとWの酸化物に多く含まれる)が維持でき、酸性ガスSOxの分解反応の促進、およびS分の吸蔵材への吸着を抑制し、触媒活性成分の性能劣化も防止されることが分かった。
図13に示すように、第7試験体では、500℃でもCOが1800ppmあり、第8試験体では、430℃にて500ppm以下となり、第9試験体では、380℃にて500ppm以下となることが分かった。よって、第7試験体に比べて第8試験体の方が貴金属の焼結が抑制され、第8試験体に比べて第9試験体の方が貴金属の焼結が抑制されることが分かった。
[第1排ガス浄化装置]
以下に、上述した排ガス浄化触媒を用いた排ガス浄化装置について説明する。
図14は、本発明に係る第1排ガス浄化装置の概略図である。図15は、本発明に係る第1排ガス浄化用触媒における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。図15中の白抜き丸が上述した第3試験体からなる排ガス浄化用触媒であり、白抜き三角が上述した第2試験体からなる排ガス浄化用触媒である。
第1排ガス浄化装置70は、図14に示すように、排ガス71が流通する排気管72に排ガス浄化用触媒73が配置される。排ガス浄化用触媒73は、上述した第2試験体にバインダーを加えスラリー化し、このスラリーをハニカム状の基材の表面に塗布したものである。この排ガス浄化用触媒73の上流側に燃料噴射ノズル(燃料噴射手段)74が配置される。燃料噴射ノズル74から還元剤として燃料である軽油75を1分間で3秒間のみ噴射して排ガス浄化用触媒73に供給することで、排ガス71中の酸素濃度が低下し、排ガス浄化用触媒73に吸蔵された窒素酸化物が還元されて窒素として排出される。
ここで、上記第1排ガス浄化装置70において、排ガス浄化用触媒73として、上述した第2試験体にバインダーを加えスラリー化し、このスラリーをハニカム状の基材の表面に塗布したものを用いた場合(図15中の丸白抜きを参照)、および、上述した第3試験体にバインダーを加えスラリー化し、このスラリーをハニカム状の基材の表面に塗布したものを用いた場合(図15中の三角白抜きを参照)の脱硝率を測定した。
図15に示すように、第3試験体からなる排ガス浄化用触媒、すなわち、ジルコニアを有さない排ガス浄化用触媒では、脱硝率が300℃にて25%となり漸増し400℃にて最大脱硝率である45%となり、漸減し450℃にて40%となることが分かった。第2試験体からなる、すなわち、ジルコニアを有する排ガス浄化用触媒では、脱硝率が300℃にて25%となり漸増し450℃にて最大脱硝率である60%となることが分かった。よって、脱硝率は、ジルコニアを有する排ガス浄化用触媒の方が450℃での脱硝率が高いことが分かった。
[第2排ガス浄化装置]
図16は、本発明に係る第2排ガス浄化装置の概略図であり、図16(a)にそれが有する排ガス浄化用触媒の下流側にPM処理器を配置した状態の概略、図16(b)にそれが有する排ガス浄化用触媒の上流側にPM処理器を配置した状態の概略を示す。ただし、第2排ガス浄化装置は、第1排ガス浄化装置にPM処理器および酸化触媒を追加した装置であり、それ以外は第1排ガス浄化装置と同一構成を有し、同一構成には同一符号を付記しその説明を省略する。
第2排ガス浄化装置80a,80bは、上述した第1排ガス浄化装置70に、パティキュレートマターを捕集し処理するPM処理手段であるPM処理器(例えば、PM燃焼触媒、PM捕集用フィルタ、またはPM燃焼触媒つき捕集用フィルタなど)81、および酸化触媒82を追加したものである。具体的には、第2排ガス浄化用装置80aでは、図16(a)に示すように、排ガス浄化用触媒73の下流側にPM処理器81が配置される。このように配置することで、窒素酸化物の除去、および黒煙の除去が可能であった。また、排ガス浄化用触媒73の機能時の廃熱により、排ガス温度が上昇するため、PM処理器81の反応速度が増加して、その性能が向上し、またPM処理器81の再生処理が可能であった。第2排ガス浄化用装置80bでは、図16(b)に示すように、排ガス浄化用触媒73の上流側にPM処理器81が配置される。このように配置することで、窒素酸化物の除去、および黒煙の除去が可能であった。また、PM処理器81により被毒物質が除去されるため、排ガス浄化用触媒73の寿命を延ばすことができた。
一方、第2排ガス浄化装置80a、80bでは、排ガス浄化用触媒73およびPM処理器81の組み合わせの上流に位置し、燃焼噴射ノズル74と前記組み合わせとの間、および前記組み合わせの下流に第一および第二の酸化触媒82がそれぞれ配置される。
燃焼噴射ノズル74と前記組み合わせとの間にPM処理器81を配置させることで、排ガス浄化用触媒73の温度を上昇させて、排ガス浄化用触媒73に吸蔵された窒素酸化物を窒素として除去させることができた。酸化触媒82を前記組み合わせの下流側に配置させることで、排ガス中の窒素酸化物、未燃焼炭化水素、および一酸化炭素を除去させることができた。
また、酸化触媒82を最終段にのみ配置させるようにしても良い。このような位置に配置させることにより、前記組み合わせを未燃焼炭化水素やその酸化物、一酸化炭素が通り抜けても、酸化触媒82にて燃焼することができた。
本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素を除去する排ガス浄化用触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置に利用することが可能である。
本発明の最良の形態に係る排ガス浄化用触媒の模式図である。 第1試験体の熱劣化前後における模式図である。 第1試験体の熱劣化前後における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 第1試験体および第2試験体の模式図である。 第1試験体および第2試験体における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 第1試験体および第2試験体におけるCO濃度と温度との関係を示すグラフである。 第2試験体および第3試験体の模式図である。 第2試験体および第3試験体における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 第2試験体と、第2試験体の第一担体にLaをドープした第4試験体における熱劣化後の脱硝率を示すグラフである。 第5試験体および第6試験体の模式図である。 第5試験体および第6試験体において、熱劣化後における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 第7試験体、第8試験体および第9試験体における熱劣化前後の脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 第7試験体、第8試験体および第9試験体におけるCO濃度と温度との関係を示すグラフである。 本発明に係る第1排ガス浄化装置の概略図である。 本発明に係る第1排ガス浄化用触媒における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。 本発明に係る第2排ガス浄化装置の概略図である。 従来の排ガス浄化用触媒の熱劣化前後の模式図である。 従来の排ガス浄化用触媒の熱劣化前後における脱硝率と温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 第一担体
2 第二担体
3 貴金属
4 吸蔵材
5 第1成分
6 第2成分
7 排ガス浄化用触媒
70 排ガス浄化装置
71 排ガス
72 排気管
73 排ガス浄化用触媒
74 燃料噴射ノズル
75 燃料











Claims (14)

  1. CeO2からなる第一担体と、
    TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体とを有し、
    前記第一担体に窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材および貴金属を担持させる一方、前記第二担体に貴金属を担持させてなる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1に記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記吸蔵材は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  3. 請求項1または請求項2に記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記第一担体に希土類元素がドープされる
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記貴金属は、Pt,Rh,Pd,Ir,Ru、それら合金、またはその酸化物から選ばれる少なくとも一種である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記貴金属は、前記第一担体に対して0.1〜10wt%である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記吸蔵材は、前記第一担体に対して0.1〜50wt%である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記第一担体と前記第二担体との成分比は0.05〜20である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載された排ガス浄化用触媒であって、
    前記第一担体および前記第二担体の平均粒径は、4μm以上である
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  9. 窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒の製造方法であって、
    CeO2からなる第一担体に貴金属、および窒素酸化物を吸蔵する吸蔵材を含浸担持させる工程と、
    TiとSiとWの酸化物またはこれらの複合酸化物、およびAl、ZrまたはLaの酸化物の少なくとも一種またはこれらの複合酸化物からなる第二担体に貴金属を含浸担持させる工程と、
    前記第一担体および前記第二担体を混合しバインダーを加えてスラリー化し、このスラリーを基材に塗布させる工程とを有する
    ことを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  10. 窒素酸化物を含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
    前記排ガスが排気される排気管に配置され、請求項1乃至請求項8の何れかに記載された排ガス浄化用触媒と、
    前記排ガス浄化用触媒の上流側に配置され、該排ガス浄化用触媒に有機還元剤または燃料を噴射する燃料噴射手段とを有する
    ことを特徴とする排ガス浄化装置。
  11. 請求項10に記載された排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス浄化用触媒の上流側に第一の酸化触媒を配置させる
    ことを特徴とする排ガス浄化装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載された排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス浄化用触媒の下流側に第二の酸化触媒を配置させる
    ことを特徴とする排ガス浄化装置。
  13. 請求項10乃至請求項12の何れかに記載された排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス浄化用触媒の上流側または下流側に前記排ガス中のパティキュレートマターを処理するPM処理手段を配置させる
    ことを特徴とする排ガス浄化装置。
  14. 請求項10乃至請求項13の何れかに記載された排ガス浄化装置であって、
    前記排ガスは、ディーゼルエンジンから排出された排ガスである
    ことを特徴とする排ガス浄化装置。
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