JP5005623B2 - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、入力側からの入力トルクを出力側に伝達する一方、出力側からの逆入力トルクをロックして入力側に還流させない機能を具備した逆入力遮断クラッチに関する。
例えば、駆動源からの入力トルクを出力側機構に伝達して所要の動作を行なう装置では、駆動源の停止時、出力側機構の位置が変動しないようにこれを保持する機能が求められる場合がある。電動シャッターを例にとると、駆動モータからの正方向または逆方向の入力トルクを出力側の開閉機構に入力して、シャッターの開閉動作を行なうが、その開閉動作の途中で何等かの事情(停電など)により駆動源が停止した場合、シャッターの自重下降による逆入力トルクが入力側に還流すると、入力側機器に損傷が生じる可能性がある。そのため、シャッターの位置を保持し、シャッターからの逆入力トルクを入力側に還流させない機能を持った機構が必要になる。
このような出力側からの逆入力トルクをロックして入力側に還流させない機能を具備した機構の一つに逆入力遮断クラッチがある(例えば、特許文献1参照)。
従来の逆入力遮断クラッチは、図7および図8に示すように静止状態にある固定外輪1に入力軸2と出力軸3を転がり軸受4,5を介して正逆回転自在に支承した構造を具備する。入力軸2には、軸中心から径方向外側へずれた位置にピン8が軸方向に突設され、出力軸3には、入力軸2と対向する端面に径方向に沿う凹溝7が形成されている。前述したピン8の先端を出力軸3と対向する端面から突出させて、出力軸3の端面に形成された凹溝7に嵌入させることにより、入力軸2からの回転トルクを出力軸3に伝達可能としている。
一方、入力軸2の出力軸側端部には径方向外側へ拡径したフランジ部2aが一体的に形成され、そのフランジ部2aの外周から軸方向に沿って出力軸側へ延びる複数(図では四つ)の柱部2bが円周方向等間隔に形成されている。この円周方向に隣接する柱部2b間の空間は、軸方向の一方に向かって開口したポケット9を構成し、各ポケット9に一対のローラ10a,10bがそれぞれ配される。なお、図8の符号14は、入力軸2と出力軸3および転がり軸受5との間に配設され、ポケット9内に収容されたローラ10a,10bの軸方向移動を規制する間座である。
出力軸3の入力軸側外周には、前述した入力軸2の柱部2a間に位置するポケット9と対応させて複数対(図では四対)のカム面11a,11bが円周方向等間隔に形成されている。この出力軸3のカム面11a,11bと固定外輪1の内周面との間に、複数対(図では四対)のローラ10a,10bがそれぞれ配されて入力軸2の柱部2a間に形成されたポケット9に収容される。この出力軸3のカム面11a,11bと固定外輪1の内周面との間に、円周方向で弾性部材12a,12bへ向けて拡がる形状の楔隙間15a,15bが形成されている。一対のローラ10a,10bのうち、一方のローラ10aは一対のカム面11a,11bのうちの一方のカム面11aに位置し、他方のローラ10bは他方のカム面11bに位置するように配されている。
一対のローラ10a,10b間にはN字状をなす一対の弾性部材12a,12bが介挿され、それぞれの弾性部材12a,12bが一対のローラ10a,10bを互いに離間させる方向に弾性的に押圧する。また、入力軸2からのトルク伝達時に一方のローラ10aに作用する弾性部材12aの押圧力と他方のローラ10bに作用する弾性部材12bの押圧力とを独立させる仕切部材としての遮蔽板13を一対のローラ10a,10b間に配設し、その遮蔽板13の両面に弾性部材12a,12bをそれぞれ固着している。
この逆入力遮断クラッチでは、図9に拡大して示す中立状態で、出力軸3に時計方向の逆入力トルクが入力されると、弾性部材12aの弾性力により反時計方向(回転方向後方)のローラ10aがその方向の楔隙間15aと係合して、出力軸3が固定外輪1に対して時計方向にロックされる。逆に、出力軸3に反時計方向の逆入力トルクが入力されると、弾性部材12bの弾性力により時計方向(回転方向後方)のローラ10bがその方向の楔隙間15bと係合して、出力軸3が固定外輪1に対して反時計方向にロックされる。従って、出力軸3からの逆入力トルクは、一対のローラ10a,10bによって正逆両回転方向にロックされる。
一方、入力軸2に回転トルクが入力されて例えば時計方向に回動すると、図10に拡大して示すように、まず、入力軸2の反時計方向(回転方向後方)の柱部2bがその方向(回転方向後方)のローラ10aと接触して、これを一方の弾性部材12aの弾性力に抗して時計方向(回転方向前方)に押圧する。これにより、反時計方向(回転方向後方)のローラ10aがその方向の楔隙間15aから離脱して、出力軸3のロック状態が解除されてその出力軸3が時計方向に回動可能となる。
入力軸2がさらに時計方向に回動すると、図11に拡大して示すように、入力軸2のピン8が出力軸3の凹溝7の壁面に当接することにより、入力軸2からの時計方向の回転トルクがピン8と凹溝7との接触部分を介して出力軸3に伝達され、出力軸3が時計方向に回動する。この時、時計方向(回転方向前方)のローラ10bは、その方向の楔隙間15bと係合せず、出力軸3のカム面11bと固定外輪1の内周面に接触した状態で空転する。
入力軸2に反時計方向の回転トルクが入力された場合は、前述とは逆の動作で、時計方向のローラ10bがその方向の楔隙間15bから離脱した上で、入力軸2のピン8が出力軸3の凹溝7の壁面に当接することにより、出力軸3が反時計方向に回動する。
従って、入力軸2からの正逆両回転方向の回転トルクは、ピン8と凹溝7との接触部分を介して出力軸3に伝達され、出力軸3が正逆両回転方向に回動する。
特開2003−343601号公報
ところで、前述した従来の逆入力遮断クラッチでは、出力軸3に負荷がかかっている状態、つまり、その出力軸3が時計方向に回転可能な状態で、さらに、入力軸2に回転トルクが入力されて時計方向に回動すると、図12に拡大して示すように、まず、入力軸2の反時計方向(回転方向後方)の柱部2bの円周方向端面2c(ポケット端面)がその方向(回転方向後方)のローラ10aと接触して、これを一方の弾性部材12aの弾性力に抗して時計方向(回転方向前方)に押圧する。これにより、反時計方向(回転方向後方)のローラ10aがその方向の楔隙間15aから離脱して、出力軸3のロック状態が解除される。
しかしながら、この時、入力軸2の柱部2bの円周方向端面2cがローラ10aの中心よりも外側で接触(接触点m)して押圧するため、図中の破線矢印で示すようにそのローラ10aが回転しながら楔隙間15aから離脱することにより、出力軸3のロック状態が解除される。このローラ10aの回転により柱部2bの円周方向端面2cとローラ10aとの接触部分で摩擦抵抗が発生する。このように柱部2bとローラ10aとの接触部分で摩擦抵抗が発生すると、その摩擦損失により解除トルクが増大するという問題があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、出力軸のロック状態の解除時、入力軸の解除トルクの低減を容易に実現し得る逆入力遮断クラッチを提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、回転トルクが入力される入力側部材と、回転トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束される静止側部材と、その静止側部材と出力側部材との間に係合離脱可能に設けられた複数対の係合子、および各対の係合子間に配設されて両側の係合子をそれぞれ静止側部材と出力側部材に係合させる方向に付勢する弾性部材とからなり、出力側部材からの逆入力トルクに対して出力側部材をロックし、入力側部材からの入力トルクに対してロック状態を解除するロック手段と、入力側部材と出力側部材との間に設けられ、ロック解除状態の時に、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備えた逆入力遮断クラッチであって、ロック手段は、出力側部材のロック解除時、係合子を押圧して静止側部材と出力側部材との間に形成された楔隙間から離脱させる押圧面を備え、その押圧面は、楔隙間の楔角度の中心と係合子の中心とを結ぶ直線上に係合子との接触点を持つことを特徴とする。
本発明に係る逆入力遮断クラッチでは、出力側部材のロック解除時、静止側部材と出力側部材との間に形成された楔隙間から係合子を離脱させるに際して、楔隙間の楔角度の中心と係合子の中心とを結ぶ直線上に係合子との接触点を持つ押圧面でその係合子を押圧する。これにより、係合子が回転することを抑制することで係合子が接触する押圧面での摩擦損失を減少させ、解除トルクの低減を図る。
また、本発明におけるロック手段の押圧面での摩擦係数は、静止側部材と係合子との接触面での摩擦係数よりも小さく、かつ、出力側部材と係合子との接触面での摩擦係数よりも小さく設定することが望ましい。このようにすれば、出力側部材のロック解除時、ロック手段の押圧面に接触する係合子が多少回転することがあっても、押圧面と係合子との接触点で発生する摩擦抵抗を軽減することが可能となる。
このロック手段の押圧面での摩擦係数を小さく設定する手段としては、その押圧面の面粗度をRa1.6〜6.3としたり、押圧面を表面処理したり、あるいは、押圧面を含油焼結材で構成したりすることで実現容易となる。このようにすれば、簡単な手段でもって、押圧面と係合子との接触点で発生する摩擦抵抗の軽減が実現される。
なお、本発明における入力側部材は、静止側部材と出力側部材との間に配された部位に円周方向に沿って形成された複数の柱部を備え、各柱部間に形成されたポケットに係合子が収容され、ロック手段の押圧面を柱部の円周方向端面とした構造の逆入力遮断クラッチに適用可能である。
本発明によれば、出力側部材のロック解除時、静止側部材と出力側部材との間に形成された楔隙間から係合子を離脱させるに際して、楔隙間の楔角度の中心と係合子の中心とを結ぶ直線上に係合子との接触点を持つ押圧面でその係合子を押圧する。これにより、係合子が回転することを抑制することで係合子が接触する押圧面での摩擦損失を減少させ、解除トルクの低減を図る。その結果、出力側部材のロック解除がスムーズに行われて逆入力遮断クラッチの作動性を向上させることができる。
本発明に係る逆入力遮断クラッチの実施形態を以下に詳述する。図1および図2は本発明の実施形態における逆入力遮断クラッチの全体構成を示す。
この実施形態の逆入力遮断クラッチは、図1および図2に示すように回転が拘束される静止側部材としての固定外輪21と、固定外輪21の内周に先端部が挿入され、回転トルクが入力される入力側部材としての入力軸22と、固定外輪21の内周に入力軸22と対向する状態で挿入され、回転トルクが出力される出力側部材としての出力軸23と、その固定外輪21と出力軸23との間に係合離脱可能に設けられた複数対(図では四対)の係合子としてのローラ30a,30b、および各対のローラ30a,30b間に配設されて両側のローラ30a,30bを固定外輪21と出力軸23間に係合させる方向に付勢する複数対(図では四対)の弾性部材32a,32bとからなり、出力軸23からの逆入力トルクに対して出力軸23と固定外輪21とをロックし、入力軸22からの入力トルクに対してロック状態を解除するロック手段40と、入力軸22と出力軸23との間に設けられ、ロック解除状態の時に、入力軸22からの入力トルクを出力軸23に伝達するトルク伝達手段50と、各対のローラ30a,30bのうち、一方のローラ30aに作用する弾性部材32aの押圧力と他方のローラ30bに作用する弾性部材32bの押圧力を独立させる仕切部材としての遮蔽板33とを備え、固定外輪21に入力軸22と出力軸23を転がり軸受24,25を介して正逆回転自在に支承した構造を具備する。
ロック手段40の構造は以下のとおりである。入力軸22の出力軸側端部には径方向外側へ拡径したフランジ部22aが一体的に形成され、そのフランジ部22aの外周から軸方向に沿って出力軸側へ延びる複数(図では四つ)の柱部22bが円周方向等間隔に形成されている。この円周方向に隣接する柱部22b間の空間は、軸方向の一方に向かって開口したポケット29を構成し、各ポケット29に一対のローラ30a,30bがそれぞれ配される。図2の符号34は、入力軸22と出力軸23および転がり軸受25との間に配設され、ポケット29内に収容されたローラ30a,30bの軸方向移動を規制する間座である。
出力軸23の入力軸側外周には、前述した入力軸22の柱部22b間に位置するポケット29と対応させて複数対(図では四対)のカム面31a,31bが円周方向等間隔に形成されている。この出力軸23のカム面31a,31bと固定外輪21の内周面との間に、複数対(図では四対)のローラ30a,30bがそれぞれ配されて入力軸22の柱部22b間に形成されたポケット29に収容される。この出力軸23のカム面31a,31bと固定外輪21の内周面との間に、円周方向で弾性部材32a,32bへ向けて拡がる形状の楔隙間35a,35bが形成されている。一対のローラ30a,30bのうち、一方のローラ30aは一対のカム面31a,31bのうちの一方のカム面31aに位置し、他方のローラ30bは他方のカム面31bに位置するように配されている。それぞれのカム面31a,31bは、ローラ30a,30bとの接触面となっている。
入力軸22の出力軸側端面と出力軸23の入力軸側端面との間にトルク伝達手段50が設けられている。このトルク伝達手段50は、入力軸22の出力軸23と対向する端面で軸中心から径方向外側へずれた位置に軸方向に突設されたピン28と、出力軸23の入力軸22と対向する端面に径方向に沿って形成された凹溝27とで構成されている。このピン28の先端を出力軸23と対向する端面から突出させて、出力軸23の端面に形成された凹溝27に嵌入させることにより、入力軸22からの回転トルクを出力軸23に伝達可能としている。
一対のローラ30a,30b間にはN字状をなす一対の弾性部材32a,32bが介挿され、それぞれの弾性部材32a,32bが一対のローラ30a,30bを互いに離間させる方向に弾性的に押圧する。また、入力軸22からのトルク伝達時に一方のローラ30aに作用する弾性部材32aの押圧力と他方のローラ30bに作用する弾性部材32bの押圧力とを独立させる仕切部材としての遮蔽板33を一対のローラ30a,30b間に配設し、その遮蔽板33の両面に弾性部材32a,32bをそれぞれ固着している。
この逆入力遮断クラッチでは、図3に拡大して示す中立状態で、出力軸23に時計方向の逆入力トルクが入力されると、弾性部材32aの弾性力により反時計方向(回転方向後方)のローラ30aがその方向の楔隙間35aと係合して、出力軸23が固定外輪21に対して時計方向にロックされる。逆に、出力軸23に反時計方向の逆入力トルクが入力されると、弾性部材32bの弾性力により時計方向(回転方向後方)のローラ30bがその方向の楔隙間35bと係合して、出力軸23が固定外輪21に対して反時計方向にロックされる。従って、出力軸23からの逆入力トルクは、一対のローラ30a,30bによって正逆両回転方向にロックされる。
一方、入力軸22に回転トルクが入力されて例えば時計方向に回動すると、図4に拡大して示すように、まず、入力軸22の反時計方向(回転方向後方)の柱部22bがその方向(回転方向後方)のローラ30aと接触して、これを一方の弾性部材32aの弾性力に抗して時計方向(回転方向前方)に押圧する。これにより、反時計方向(回転方向後方)のローラ30aがその方向の楔隙間35aから離脱して、出力軸23のロック状態が解除されてその出力軸23が時計方向に回動可能となる。
入力軸22がさらに時計方向に回動すると、図5に拡大して示すように、入力軸22のピン28が出力軸23の凹溝27の壁面に当接することにより、入力軸22からの時計方向の回転トルクがピン28と凹溝27との接触部分を介して出力軸23に伝達され、出力軸23が時計方向に回動する。この時、時計方向(回転方向前方)のローラ30bは、その方向の楔隙間35bと係合せず、出力軸23のカム面31bと固定外輪21の内周面に接触した状態で空転する。
入力軸22に反時計方向の回転トルクが入力された場合は、前述とは逆の動作で、時計方向のローラ30bがその方向の楔隙間35bから離脱した上で、入力軸22のピン28が出力軸23の凹溝27の壁面に当接することにより、出力軸23が反時計方向に回動する。
従って、入力軸22からの正逆両回転方向の回転トルクは、ピン28と凹溝27との接触部分を介して出力軸23に伝達され、出力軸23が正逆両回転方向に回動する。
この逆入力遮断クラッチにおけるロック手段40を構成する入力軸22の柱部22bは、出力軸23のロック解除時、ローラ30a,30bを押圧して固定外輪21の内周面と出力軸23のカム面31a,31bとの間に形成された楔隙間35a,35bから離脱させる押圧面22cを備えている。以下、一方の楔隙間35aについて説明するが、他方の楔隙間35bも同様である。
この押圧面22cは、図6に拡大して示すように楔隙間35aの楔角度θの中心Oとローラ30aの中心Oとを結ぶ直線L上にローラ30aとの接触点nを持つ。この押圧面22cは、柱部22bの円周方向端面、つまり、ポケット端面である。
このような構造としたことにより、前述した出力軸23のロック解除時、入力軸22に回転トルクが入力されて例えば時計方向に回動すると、図4に拡大して示すように、まず、入力軸22の反時計方向(回転方向後方)の柱部22bの押圧面22cがその方向(回転方向後方)のローラ30aと接触して、これを一方の弾性部材32aの弾性力に抗して時計方向(回転方向前方)に押圧する。これにより、反時計方向(回転方向後方)のローラ30aがその方向の楔隙間35aから離脱する。
この楔隙間35aからローラ30aを離脱させるに際して、楔隙間35aの楔角度θの中心Oとローラ30aの中心Oとを結ぶ直線L上にローラ30aとの接触点nを持つ押圧面22cでそのローラ30aを押圧することから、ローラ30aが回転することを抑制することができる。その結果、ローラ30aが接触する押圧面22cでの摩擦損失を減少させ、解除トルクの低減が図れる。
ここで、柱部22bの押圧面22cでの摩擦係数をμ、固定外輪21とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数をμ、出力軸23とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数をμとした場合、押圧面22cでの摩擦係数μを、固定外輪21とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数μよりも小さく(μ<μ)、かつ、出力軸23とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数μよりも小さく設定する(μ<μ)。
このように押圧面22cでの摩擦係数μを設定することにより、出力軸23のロック解除時、柱部22bの押圧面22cに接触するローラ30a,30bが多少回転することがあっても、押圧面22cとローラ30a,30bとの接触点nで発生する摩擦抵抗を軽減することが可能となる。
なお、押圧面22cでの摩擦係数μが、固定外輪21とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数μよりも大きく(μ>μ)、かつ、出力軸23とローラ30a,30bとの接触面での摩擦係数μよりも大きいと(μ>μ)、押圧面22cとローラ30a,30bとの接触点nでの摩擦抵抗の軽減が困難となる。
以上で説明した柱部22bの押圧面22cでの摩擦係数を小さく設定するには、次の具体的な手段を採用すればよい。以下のような手段を採用することにより、押圧面22cとローラ30a,30bとの接触点で発生する摩擦抵抗の軽減が実現容易となる。
例えば、柱部22bの押圧面22cの面粗度をRa1.6〜6.3とする。このRaとは、JISで規定された表面パラメータの一つであり、粗さ曲線の算術平均粗さを意味する。ここで、押圧面22cの面粗度がRa1.6よりも小さくすることは、押圧面を研削する必要があり、コストが掛かるという問題がある。また、その面粗度がRa6.3よりも大きいと、押圧面22cとローラ30a,30bとの接触点での摩擦抵抗の軽減が困難となる。
また、前述したように押圧面22cの面粗度を規定する以外に、柱部22bの押圧面22cを表面処理することにより、その押圧面22cでの摩擦係数を小さく設定することが可能である。さらに、押圧面22cを含油焼結材で構成することにより、その押圧面22cでの摩擦係数を小さく設定することが可能である。この押圧面22cを含油焼結材で構成するには、柱部22bあるいは入力軸22を含油焼結材で製作することで実現される。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る逆入力遮断クラッチの実施形態で、図2のB−B線に沿う断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1の中立状態を示す拡大断面図である。 入力軸から回転トルクが入力されたロック解除開始時の状態を示す拡大断面図である。 入力軸から回転トルクが入力されたロック解除後の状態を示す拡大断面図である。 図4の要部拡大断面図である。 逆入力遮断クラッチの従来例で、図8のD−D線に沿う断面図である。 図7のC−C線に沿う断面図である。 図7の中立状態を示す要部拡大断面図である。 入力軸から回転トルクが入力されたロック解除開始時の状態を示す要部拡大断面図である。 入力軸から回転トルクが入力されたロック解除後の状態を示す要部拡大断面図である。 図10の要部拡大断面図である。
符号の説明
21 静止側部材(固定外輪)
22 入力側部材(入力軸)
22b 柱部
22c 押圧面
23 出力側部材(出力軸)
29 ポケット
30a,30b 係合子(ローラ)
32a,32b 弾性部材
35a,35b 楔隙間
40 ロック手段
50 トルク伝達手段
n 接触点
O 楔角度の中心
係合子の中心
L 楔角度の中心と係合子の中心を結ぶ直線

Claims (6)

  1. 回転トルクが入力される入力側部材と、回転トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束される静止側部材と、その静止側部材と前記出力側部材との間に係合離脱可能に設けられた複数対の係合子、および各対の係合子間に配設されて両側の係合子をそれぞれ静止側部材と出力側部材に係合させる方向に付勢する弾性部材とからなり、出力側部材からの逆入力トルクに対して出力側部材をロックし、入力側部材からの入力トルクに対してロック状態を解除するロック手段と、前記入力側部材と出力側部材との間に設けられ、ロック解除状態の時に、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備えた逆入力遮断クラッチであって、
    前記ロック手段は、前記出力側部材のロック解除時、前記係合子を押圧して静止側部材と出力側部材との間に形成された楔隙間から離脱させる押圧面を備え、その押圧面は、前記楔隙間の楔角度の中心と係合子の中心とを結ぶ直線上に係合子との接触点を持つことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記ロック手段の押圧面での摩擦係数は、前記静止側部材と係合子との接触面での摩擦係数よりも小さく、かつ、前記出力側部材と係合子との接触面での摩擦係数よりも小さく設定した請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記ロック手段の押圧面での摩擦係数は、その押圧面の面粗度をRa1.6〜6.3とすることにより設定されている請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記ロック手段の押圧面での摩擦係数は、その押圧面を表面処理することにより設定されている請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記ロック手段の押圧面での摩擦係数は、その押圧面を含油焼結材で構成することにより設定されている請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記入力側部材は、静止側部材と出力側部材との間に配された部位に円周方向に沿って形成された複数の柱部を備え、各柱部間に形成されたポケットに係合子が収容され、前記ロック手段の押圧面は、前記柱部の円周方向端面である請求項1〜5のいずれか一項に記載の逆入力遮断クラッチ。
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