JP4995231B2 - 光学フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は局在プラズモンを利用した光学フィルタに関する。
近年、金属薄膜に開口を周期的に配列し、表面プラズモンを利用して波長選択を行うホール型の光学フィルタが特許文献1や非特許文献1で提案されている。
従来、膜厚にも依存するが、光の波長以下のサイズの開口径を有する金属薄膜の透過率は概ね1%未満になると考えられていた。
特許文献1に記載があるように、金属薄膜表面の表面プラズモンを利用することである程度透過率を増大させることが可能であることが理解される。
また、非特許文献1には、このような表面プラズモンを利用したホール型の光学フィルタとして、RGBの透過スペクトルが得られることが記載されている。
米国特許第5973316号明細書
Nature Vol.424 14、August、2003、824−830頁
上述した従来の金属薄膜を用いた光学フィルタにおいては、光の透過率は、典型的には数%程度となる。このように透過率があまり高くないフィルタでは、所望の透過光強度を得るために必要な入射光強度は大きなものになる。その結果、入射光強度を大きくするにつれて例えば金属薄膜に熱が加えられてしまい、金属薄膜に構造変化が生ずる場合がある。その場合には、設計した所望の光学特性が得られない恐れがある。
特許文献1では、金属薄膜に周期的な開口を設けた金属薄膜構造体を用い、この開口の配列周期と金属薄膜表面を伝搬する表面プラズモンの波長と一致させることで透過率を向上させることを開示する。
特許文献1に開示の発明では、開口配列周期をプラズモン波長に一致させねばならず、光学特性の設計自由度が小さいという課題が生ずる。例えば、可視光全域等の広帯域な波長域の中で所望の光学特性をもつ素子の設計は困難となる。
一方、非特許文献1では、ホール型の光学フィルタとして、RGBの透過スペクトルが得られることを開示するものの、透過率を増大させて安定した特性を発揮するための検討はなされていない。
実際にこれらの文献に開示のフィルタをイメージセンサ等のデバイスに適用することを考えると、透過率、波長帯域などの光学特性に加えて、特性の安定性と耐久性の改善も必要となる。
そこで、本発明は、可視光領域において透過率が高く、安定した特性を発揮し得る光学フィルタを提供することを目的とする。
本発明により提供される光学フィルタは、基板の表面上に開口部を備えた遮光性の導電体層を配して構成され、第一の波長の光を選択的に透過せしめる光学フィルタであって、前記導電体層に接して形成された誘電体層を備え、前記開口は、直交する2つの方向に有限の第一の波長以下の大きさを有すると共に、前記表面上に格子状に複数設けられており、前記基板表面の面積に対する前記導電体層の面積の割合が、36%以上74%以下の範囲にあ、前記導電体層に入射する光により前記開口部に誘起される局在プラズモンにより前記第一の波長の透過率を極大値とさせることを特徴とする。
本発明によれば、可視光領域において透過率が高く、且つ安定した特性を長期に亘って発揮し得る耐久性の高い光学フィルタを提供することができる。更に、膜厚が薄く、透過スペクトルが原色特性を有する光学フィルタを提供することができる。
本発明の1例を示す模式図 光透過強度の波長依存性を示すグラフ 本発明の1例を示す模式図 本発明の1例を示す模式図 本発明における界面の形状を示す模式図 本発明における界面の形状を示す模式図 本発明の1例を示す模式図 光透過強度の波長依存性を示すグラフ 本発明の1例を示す模式図 本発明の1例を示す模式図 本発明の1例を示す模式図 本発明の第1の実施例の説明図 光透過強度の波長依存性を示すグラフ 本発明の第2の実施例の説明図 本発明の第3の実施例の説明図 本発明の原理を示す模式図 本発明の1例を示す模式図 実施例4の模式図 実施例4の模式図 実施例4の模式図 実施例5の模式図 実施例5の模式図
本発明者らは、金属/誘電体界面を少なくとも2つ対向させて配置した構造を含む光学フィルタを検討した。
平滑な金属表面と誘電体が接している場合、その界面において表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を生じさせることができる。また、平滑な金属表面でない場合でも、例えば金属微粒子や金属開口などの金属ナノ構造において、特に光の波長程度もしくはそれ以下の大きさの構造では、局在プラズモン共鳴(LSPR:Lorcalized Surface Plasmon Resonance)を生じさせることができる。
ここで、プラズモンとは、光などの外部電場により励起される金属中及び表面の自由電子の集団的な振動のことである。電子は電荷を帯びているため、電子が振動することにより、自由電子の粗密分布による分極が生じる。その分極と電磁界とが結合する現象をプラズモン共鳴という。
特に、金属ナノ構造に発生する自由電子のプラズマ振動と光との共鳴現象を局在プラズモン共鳴(LSPR)という。
すなわち、金属ナノ構造における自由電子の集団的な振動が光などの外部電場により励起され、その振動により電子の密度分布とこれに伴う分極が生じ、金属ナノ構造の近傍に局在するような電磁場が発生する。
この発生したLSPRは特定の振動数の光を特に強く吸収、散乱するため、透過率や反射率の波長依存性が生じる。
LSPRは数nm以上の厚さの金属構造があれば発現させることが可能である。
以下では本発明の原理を単純な構造を用いて説明する。
図16に示すように導電体/誘電体界面が平行に対向している金属薄膜構造体1611を考える。図中(a)は光入射側から見た図、(b)は側面図である。導電体として、これ以後、金属を用いて説明する。この図では金属部材1601と、誘電体部材1602及び金属部材1603でなす界面1604と、界面1605と、が平行に対向している。そしてこれら両界面が開口1606をなしている。
以下の説明では図16(a)に示される形状を利用したフィルタを中心に述べるが、本発明のフィルタは、これに限るものでなく、図16(c)に示す様に界面が対向して配置される形状であれば基本的に本発明の光学フィルタの光学特性を発現する。
その理由は、詳しくは後述するが、金属部材(導電体層)と誘電体部材(誘電体層)との界面1604と、界面1605と、に局在するプラズモンが発生するためである。
開口1606に対して図中に示す偏光(電界)成分を持つ入射光1607が入射するとき、開口1606およびその周囲では図に矢印で示すように自由電子が運動・分布し、開口1606近傍に電荷密度分布を生じる。この電荷密度分布と電磁場との結合が局在プラズモンである。
局在プラズモンは、開口1606の周囲での自由電子の回り込みや界面端部での散乱当により開口辺縁部では電荷の粗密分布を生じる。
例えば、開口形状を持つ光学フィルタの場合には、開口部に励起される局在プラズモンは図16の開口1606の端部1608から反射してくる電荷密度波の定在波として生じる。そのため、この部分に励起されるプラズモンの波長はその半波長の整数倍が界面の幅(長さ)1609と略一致する。
この界面にプラズモンが励起される場合、対向する界面間の間隔1610が可視光を透過させないほど小さい場合でも局在プラズモンによってその光のエネルギーが金属薄膜構造体1611の出射側に伝播する。
本発明では、背景技術で述べた光学フィルタのように金属薄膜表面を伝搬する一般的な表面プラズモンを用いるのではなく、ナノサイズの構造体(対向する平滑な界面)に励起される局在プラズモンを用いて所望の光学特性を発現させることが特徴である。
本発明では界面部や界面がなす開口部に局在して誘起される局在プラズモンを用いる。
局在プラズモンは金属薄膜の面内方向にも、膜厚方向にも局在しており、開口部の入射側の端面で局在プラズモンを励起すると、開口部の出射側端面に局在プラズモンのエネルギーが伝搬し自由空間に再放出される。
局在プラズモンが励起される光学フィルタの光学特性は、局在プラズモンを励起するナノ構造の形状、配置等に起因するため、ナノ構造の形状や配置を精密設計することでその透過波長や透過率を制御可能である。
また、本発明の光学フィルタは、対向する界面が1組であってもその機能を発現することができる。それは、前述の通り本発明の光学フィルタの光学特性は、対向する界面の形状により、界面に励起される局在プラズモンの振動数やこれに応じた波長が決まるためである。
図3に、誘電体基板301の中に、同じ幅及び長さの金属/誘電体界面303を有する金属薄膜構造体302が配置されている光学フィルタ304の模式図を示す。
図3では金属/誘電体界面303を周期的に配列することで光学フィルタを構成している。図(a)のAA’断面を図(b)に示す。
同様に図4に、図3とは異なる構成の光学フィルタの例を示す。
図4は、誘電体基板401の中に、同じ幅及び長さの金属/誘電体界面403を有する金属薄膜構造体402が配置されている光学フィルタ404の模式図である。
図4では金属/誘電体界面は遮光部材として機能する金属層(導電体層)に開いた窓という意味合いでいう開口の一部をなしている。
そしてこの開口を周期的に配列することで光学フィルタを構成している。図(a)のBB’断面を図(b)に示す。
この金属/誘電体界面の幅(長さ)は励起されるプラズモンの波長を決めるため、フィルタの光学特性(特に透過波長)の決定に大きな役割を果たす。
また、対向する金属/誘電体界面を有するフィルタの透過率は、さまざまな要因に影響されるが、一般的には両界面で励起されるプラズモンがカップリングし、電磁界分布が金属側から誘電体側に引き出されるほど伝搬損失が少なくなる。
従って、伝搬損失を少なくするには界面間の距離がある程度小さい方が良い。しかし、界面間の距離が小さ過ぎると、プラズモン導波路として開口部を見た場合の伝搬損失が増大してしまうため好ましくない。
ここで、面積Sの光学フィルタ中において、遮光部が占める面積をSaとするとき、面積占有率(フィリングファクター(Filling Factor):以下、単に「FF」とも記す。)はSa/Sで表される。即ち、フィリングファクターは、基板表面の面積に対する遮光部(導電体層)の面積の割合を表わす。
さらに開口がアレイ状に配列している場合にも、FFが透過率に影響する。
背景技術で述べた特許文献1においては金属薄膜の開口周期を、金属薄膜表面を長距離伝搬する表面プラズモンの波長に合致させることで表面プラズモンを積極的に励起している。これに対し、本発明の光学フィルタでは開口内部に励起される局在プラズモンを励起することで光学特性を発現させるため、前述のような金属薄膜表面の表面プラズモンを励起する事は好ましくない。
その理由は、特許文献1の様に表面プラズモンを励起し、これが金属薄膜表面上を伝搬する際には必ず損失を伴うためである。
さらに、金属薄膜表面上の表面プラズモンの励起条件と開口内部に存在する局在プラズモンの励起条件は異なるため、金属薄膜表面上の表面プラズモンが開口内部の局在プラズモンと結合する際にも必ず損失が生ずるのである。このこともまた、透過率低下の要因となる。
しかし、本発明の光学フィルタにおいては、入射した光を表面プラズモンに変換するのでは無く、直接局在プラズモンを励起する。そして、この局在プラズモンが再度伝播光に結合することで透過率向上に寄与するため、高い透過率を実現できるのである。
高透過率な光学フィルタの構成として、素子全体に占める金属薄膜のFFが小さい構成が挙げられる。
局在プラズモンは金属薄膜内に形成された開口部の縁で主に励起されるため、そのエネルギーの一部は開口部周囲の金属薄膜表面に伝搬し金属薄膜内に熱的エネルギーとして損失してしまう。FFが大きい場合、開口部(光透過部)周囲の金属薄膜部分(遮光部分)は、開口面積に対して非常に広くなり、さらに開口周囲のどの方向にも開口径と比較して大きな距離で存在することになる。
そのため、開口部で励起された局在プラズモンのエネルギーが開口部周囲の金属薄膜部分に電荷密度分布を誘起しやすく、上述のエネルギー損失を起こしやすい。
これは開口の配列周期が上述の米国特許第5973316号明細書に記載のフィルタのように表面プラズモンの波長と合致している場合に顕著である。
これに対し、FFが小さい場合は、開口周囲の金属薄膜部分の形状が平板状ではなくむしろ細い金属ワイヤ状になる。
ワイヤ状の金属の表面に励起される表面プラズモンのモード数はその構造異方性のために前述の平板状の金属薄膜構造と比較して少なくなる。
そのため、開口部に励起された局在プラズモンポラリトンのエネルギーが開口周囲のワイヤ状の金属薄膜構造の表面プラズモンに変換される割合を低減でき、透過の際のロスが少ない、透過率が高い光学フィルタとすることができる。
一方、FFを下げ過ぎてしまうと、透過率向上とともにスペクトルのコントラストが低下してしまうため、透過率を高めつつコントラストを維持するためにはFFに最適値が存在する。
図2は、透過率強度の波長依存性を示すグラフである。
図2において、透過率201は、遮光部材としてAlを用い、1辺が180nmの正方形開口を周期350nmで正方格子状に設けた場合(FF=約74%)、
透過率202は1辺が220nmの正方形開口を同様に設けた場合(FF=60%)、
透過率203は1辺が280nmの正方形開口を同様に設けた場合(FF=36%)のグラフである。透過率204は1辺が300nmの正方形開口の場合(FF=約26%)、透過率205は1辺が156nmの正方形開口の場合である(FF=80%)。
図2から理解されるようにFFが高く、開口率が低い状態では、共鳴波長の裾部分では透過率は205や201の通り略ゼロに落ちる。そしてFFを下げていくと203や202の通り徐々に透過率の最大値は上昇する。
しかし、これに伴い共鳴波長の裾の透過率も上昇し始め、最終的にはフラットなスペクトル特性になってしまい、透過率が高いもののスペクトルのコントラストが低下してしまう(204)。
光学フィルタを用いる各種デバイスにおける光の利用効率を考慮すると光学フィルタの共鳴波長における透過率の極大値は、大凡50%以上とするのが好適である。
また、波長選択性の指標となるコントラストを考慮するとスペクトルの裾部分では透過スペクトルの透過率は大凡50%以下とするのが好適である。
以上の点を考慮すると、共鳴波長での透過率の極大値を大凡50%以上にするためにはFFは74%程度以下である必要があり、一方透過スペクトルのコントラストを維持するためにはFFは36%程度以上(つまり、共鳴ピークの裾部における透過率が50%以下となっている)である必要がある。
結局、本発明の光学フィルタは基板表面の面積に対する導電層の面積の割合を36%以上74%以下の範囲とするのが好適である。
共鳴波長の光は局在プラズモン共鳴によって透過するため透過率スペクトルは、ある極大値を持つ。
一方、フィルタ(素子)を透過する光の中には金属の遮光部をそのまま透過してくる光や、開口をわずかに通り抜ける散乱・伝播光成分も含まれており、これらの光がもつ波長依存性は、基本的に開口が有するカットオフで決まる。
そのため波長依存性は極大値・極小値を持つことは無い。このことから本発明の光学フィルタの光学特性は、単なる微小開口のカットオフに依存したものではないことが分かる。
また、本発明者らが検討を行ったところ、単に誘電体基板の表面上に金属薄膜構造体を配置し、金属薄膜構造体が空気に露出している構造よりも、誘電体基板中に金属薄膜構造体を埋め込んだ光学フィルタの方が好適であることを見出した。
すなわち、単に誘電体基板の上に金属薄膜構造体を配置しただけでは、空気と金属薄膜構造体との境界部近傍の界面でのプラズモン共鳴の周波数と、金属薄膜構造体と誘電体基板との境界部近傍の界面でのプラズモン共鳴の周波数とが異なってしまう。
この結果、光学スペクトル幅の拡大やピーク***などが生じ、光学フィルタとして好ましくない特性が発現し得る。
また、この光学フィルタを反射フィルタとして用いる場合には、入射光が誘電体基板側から入射するか、あるいは空気側から入射するかにより、反射特性が異なる。そのため、所望の光学特性を発現させるには、ある一方向からの入射しか許さない光学フィルタとなり、このような光学フィルタを使用した光学系の設計自由度を落とす可能性がある。さらに、金属の表面にごみ等が付着すると、ピーク波長の変化を生じてしまうという問題もある。
このような原因による光学特性の変化は金属ナノ構造を用いた環境センサなどのデバイスに適用する場合には、好適な特性であるものの、光学フィルタに求められるのは、安定性や耐久性であり、センサとは要求される特性も異なるものである。
さらに、本発明の光学フィルタは開口内部に局在する局在プラズモンを介してエネルギーを入射側から出射側に伝送するため、開口内部を電磁場のエネルギーが通過する際のエネルギー損失を低減させることが好適である。
そのためには、開口内部に誘電率が高い誘電体(誘電体層)を埋め込むことで、開口内に局在する局在プラズモンの電磁界分布を開口内の金属側から誘電体側へ引き出すことが好適である。このような構成とすることで、金属内部に存在する電磁界からエネルギーが金属内に散逸してしまう割合を低減させることが可能である。
そこで、誘電体中に金属薄膜構造体を埋め込んだ構造を検討したところ、空気と金属との界面のプラズモン共鳴周波数の違いに起因するスペクトルピークの***やピーク幅拡大、透過率低減をこのような構造が、抑制すること見出した。
また、このような構造は、金属の酸化防止、更には金属表面にごみ等が付着することによる光学特性の変化(ピーク波長のシフト等)を抑制し、安定性と耐久性の向上をもたらす。
ところで、一般的な光学フィルタである誘電体多層膜フィルタや色素フィルタなどをデバイスに用いようとすると、光の波長以上の膜厚が必要となり、一般的には、1μm程度かそれ以上の膜厚となる。
一方、本発明の光学フィルタでは、遮光部材としての金属(導電性薄膜)の厚さを100nm程度かそれ以下の膜厚としてフィルタを構成することが可能である。
金属薄膜構造体の上に保護層を100nm程度積層したとしても全層の膜厚が200nm程度に抑制できるため、色素等を用いた従来のフィルタと比較して膜厚が薄いフィルタを提供することができる。
これにより、本発明の光学フィルタをCCDセンサやCMOSセンサ等の受光素子に用いれば、受光素子の小型化が可能となる。また、受光素子の高画素数化に伴う各画素の見込み角の減少による受光光量不足を緩和することも可能となる。
以下、本発明に係る実施形態について、図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1(b)は本発明に係る第1の実施形態である光学フィルタの上面図であり、図1(a)はA−A´の断面図である。
透光性の誘電体基板110の表面上(誘電体基板表面上)には透光性の誘電体層130が設けられ、この誘電体基板110と誘電体層130との間には遮光性の金属薄膜構造体(導電体層)120が選択的に設けられている。つまり、導電体層上には該導電体層に接して誘電体層130が設けられている。
金属薄膜構造体(導電体層)120は、誘電体基板110の表面に平行な第1の方向140に沿って、対向すると共に誘電体基板110の法線方向に誘電体層130との界面121及び122を構成する第1の部位を有している。
別の表現をすると、金属薄膜構造体120には、誘電体層と金属層との界面である界面121及び122が界面対123をなし、この界面対123は誘電体基板110の面内方向に孤立した状態で2次元的、かつ周期的に設けられている。
また、図中では界面121及び122は、遮光部として機能する金属薄膜120内に形成された光透過性の窓という意味あいを持つ開口部125の一部をなしている。このとき、開口部125の中にも、誘電体層130が埋め込まれている。尚、ここでの説明では開口部125は正方格子配列をしているがこれに限定されるものでもない。
開口部125は、第1の方向140に長さ141を有し、かつ、第1の方向140と直交する第2の方向150に第2の長さ151を有している。
ここで、第1の長さ141(第1の部位の誘電体基板表面に平行な方向の長さ)と第2の長さ151(対向する第1の部位間の距離)は可視光領域における光の波長以下の長さに設定する。
図中に示す偏光成分(電界成分)を有する入射光によって界面に誘起される局在プラズモンの波長は最低次のモードの場合、プラズモンの半波長が界面121及び122の長さ141と略同一になる。可視光で局在プラズモンを励起し得る構造の大きさは可視光の励起波長よりも短くなることから、これらの長さを可視光領域における光の波長以下としている。
ここでは、一例として、開口部125は、第1の長さ141と第2の長さ151が同一であって正方形状とし、1辺240nmとしている。光学特性の設計容易性という点からは正方形状は好ましいが、その他多角形形状であってもよい。さらに円形や楕円形でも良い。例えば、正多角形や円形形状ならば偏光依存性を抑制することが可能であり好ましい。円形ならば作製が容易であり作製精度も維持しやすいため好適である。
例えば、正方形形状の開口の場合には図5に示す符号501が第1の長さ、符号502が第2の長さを示している。
界面対(対向する界面)123がなしている開口部の形状が正多角形形状の場合には、図6に示すように、第1の長さ(第1の部位の基板表面に平行な方向の長さ)は、符号601、第2の長さ(第1の部位間の距離)は、符号602で示された長さとして扱う。
さらに本発明において、第1の部位の基板表面に平行な方向の長さ及び対向する第1の部位間の距離は、円形開口の場合は円の直径を指すものとする。
尚、本願において開口の大きさという場合には、上述した開口の第1もしくは第2の長さ、円形開口の直径、多角形開口の対角線の長さを指すものととらえることができる。
例えば、透過させる光の最大波長を赤色帯域(これを第一の波長として波長600nm以上700nm以下)として開口の大きさを第一の波長以下の大きさとすることができる。
本実施形態では、界面対123と、誘電体基板または誘電体層に入射する光とが共鳴することにより、界面121及び122の表面に誘起される局在表面プラズモンによって、可視光領域における所定の波長の透過率が増大する。つまり、所定波長の透過光を優先的に生ずる。
図1に示した開口群(125の集まり)において、界面対123が設けられている周期145および周期155は、可視光領域における光の波長以下にすることも好ましい形態である。開口の配列周期が注目している光の波長領域よりも大きい場合には、高次の回折光が発生し、0次回折光の強度が低下する可能性があるからである。
また、界面対123が設けられている周期145および周期155は、開口部に励起されるプラズモンの共鳴波長より小さくすることも好ましい形態である。開口の周期がプラズモン共鳴波長と近くなると、所謂ウッズのアノマリを生じ、プラズモン共鳴によるピーク形状がローレンツ型から大きく変化し所望の光学特性と異なる特性を発現してしまう可能性があるからである。
ここで、ウッズのアノマリとは入射光が周期構造により回折され、回折光が金属周期構造表面の極近傍を表面と平行に伝播するために損失が増大し回折効率が低下する現象のことをいう。
ここでは、一例として、赤色の波長帯域にプラズモン共鳴を生じさせることを想定し、周期145および155は350nmとしている。
また、金属薄膜構造体(導電体層)120の厚さ(層厚)160を可視光領域における光の波長以下にすることも好ましい。
長さ141と界面間隔151が可視光領域における光の波長以下の長さであるため、本発明の光学フィルタを作製する際の微細加工プロセスにおいて、金属薄膜構造体の厚さを厚く設定しすぎると構造作製が困難となり作製誤差が大きくなるからである。ここでは、一例として、金属薄膜(導電体層)の厚みをとして60nmを想定している。
金属薄膜構造体120を構成する材料としては、アルミニウム、金、銀、白金などを用いることができる。このうちアルミニウムは、銀と比較してプラズマ周波数が高く、物性的に可視域全体を網羅する光学特性のフィルタの設計が容易である(Ag:〜3.8eV(〜325nm)、Al:〜15eV(〜83nm))。
また、アルミニウムは、銀等と比較して化学的に安定であるため、長期間安定して所定の光学特性を発現できる。
さらに、アルミニウムは、銀と比較して誘電率の虚部が大きいため銀よりも膜厚を薄くしても十分な遮光性を発現させることができ、また微細加工が容易である。
加えて、アルミニウムは、白金のように化学的に極度に不活性であるためにドライエッチングによる微細加工が困難であるなどの不都合も無い。
なお、金属薄膜構造体(導電体層)120はアルミニウム、金、銀、白金を含む混合物や、合金、化合物であってもよい。
誘電体基板110の材料としては、可視光領域の光を透過する材料である石英(2酸化ケイ素)、2酸化チタンなどの金属酸化物や、窒化シリコンなど可視光の透過率が高い材料から適宜選択することができる。また、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料も誘電体基板110の材料として用いることができる。
ここで基板として誘電体を挙げたが、本発明における基板は、誘電体に限定されるものではない。
本発明の基板とは、開口部を備えた遮光性の導電体層を支持する部材の意味を有する。
例えばシリコンウェハに光電変換部を有するセンサ部(CMOSセンサ等)作製後、配線層、絶縁層等を積層した上で、導電層を積層して光学フィルタを作り込むような場合には、シリコンウェハを基板と呼ぶこともできる。また、中間の絶縁層等を基板ととらえることもできる。従って、本発明でいう基板とは、誘電体基板や半導体基板等の比較的厚みのある支持体の他、更には、半導体層、絶縁層等のように比較的薄い層厚の支持体を包含する。
誘電体層130の材料としては、誘電体基板110と同様に、石英(二酸化ケイ素)、二酸化チタン、窒化シリコン等から適宜選択することができる。CMOSセンサ等の半導体デバイスに作り込む場合には、半導体製造プロセスにおいて用いられる一般的な絶縁膜を採用することができる。また、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料も誘電体層130の材料として用いることができる。
ここで、基板110を誘電体で構成し、基板と誘電体層130の誘電体率の差は5%以下であることが好ましい。
誘電体基板110の誘電率と誘電体層130の誘電率が大きく異なると、界面121及び122の誘電体110側端部におけるプラズモンの励起波長と、界面121及び122の誘電体層130側端部におけるプラズモンの励起波長との差が大きくなるからである。
その場合には、想定外の共鳴波長のピークや、ピーク幅の拡大が生じるおそれがある。
そのため、誘電体基板が有する誘電率と、誘電体層が有する誘電率とを同一とすることが最適である。
また、本発明の光学フィルタは、誘電体層内に金属薄膜構造体を複数層積層した積層型とすることもできる。
この場合、積層型の素子の光学特性特に透過スペクトルは以下のようになる。
まず、積層する際の層間距離が各金属薄膜構造体に誘起される局在プラズモンの近接場分布が及ぶ距離(典型的には100nm程度)以上はなれている場合には、金属薄膜構造体の各層が有する透過スペクトルの積のスペクトルが発現する。これは金属薄膜構造体間に近接場相互作用が発生しないため、各々の金属薄膜構造体の光学特性が維持されている結果である。この形態では素子全体の光学特性の設計が比較的容易である。
これに対し、前述の金属薄膜構造体間の距離が100nm以下になると、各金属薄膜構造体に誘起される局在プラズモンが互いに相互作用するため光学特性は複雑になる。
前述の相互作用がない場合と比較して透過スペクトルのピークの***や広がり、透過率の増減など様々な変化が生じる。この形態では素子全体の光学特性の設計は難しいものの、単層の場合と比較してより複雑なスペクトル形状を形成できる可能性がある。
図7において、誘電体基板701上には第1の金属薄膜構造体702が形成され、更に第1の誘電体層703に覆われている。そして、第1の誘電体層703上には第2の金属薄膜構造体704が配置され、更にその上に第2の誘電体層(他の誘電体層)705が形成されている。
これにより、例えば、光学フィルタRを2層積層することで、単層の場合と比較して線幅が細い透過スペクトルを作ることができる。
また第1の金属薄膜構造体702と、第2の金属薄膜構造体704の構成は開口706の配列の周期が同一であるもの、あるいは開口の形状が同一であるものに限るものではない。
なお、本実施形態に係る積層型の光学フィルタにおいては、近接場相互作用が殆ど生じない積層間隔で積層することも設計容易性という観点では好ましい形態である。具体的には、100nm以上の積層間隔とすることが好ましい。
(計算結果)
図8は、上記の構造を用いて数値計算を行った結果を示すグラフである。このグラフは、透過強度の波長依存性を示すものである。
ここで用いたフィルタは、金属薄膜構造体としてアルミニウムを用いて、開口径を240nm、周期350nm、厚さ60nmに設定した光学フィルタである。この光学フィルタの透過スペクトルは透過スペクトル801のようになり、波長650nm付近の光を強く透過する光学フィルタとして機能することが理解される。
波長650nmは赤色の帯域であるため、Redの頭文字をとって光学フィルタRとする。この光学フィルタRは赤色の波長を透過するため、赤色の原色フィルタとして用いることができる。
さらに、開口径や周期を変化させることによって、透過スペクトルの波長、スペクトル幅、透過率を変化させることも可能である。
例えば、開口径を200nm、周期を280nm、厚さを60nmとすることで、可視域の緑(波長550nm)付近に透過率の極大がある透過スペクトル802を有する光学フィルタを構成できる。これを光学フィルタGとする。この光学フィルタGは緑の原色フィルタとして用いることができる。
同様に、開口径を160nm、周期を230nm、厚さを60nmにすることで可視域の青(波長450nm)付近に透過率の極大がある透過スペクトル803を有する光学フィルタを構成できる。これを光学フィルタBとする。このフィルタBは原色の青色フィルタとして用いることができる。
なお、本実施形態に係る光学フィルタの反射スペクトルは、透過率が最大になる波長近傍で反射率が最小になる。本実施形態に係る光学フィルタは、透過フィルタとしてのみならず、反射フィルタとして用いることも可能である。
(設計指針)
以下、金属薄膜構造体を構成するパラメータと光学特性の関係について説明する。
開口に誘起される局在プラズモン共鳴は、界面での自由電子のプラズマ振動に伴う電荷密度分布であり、この電荷密度分布や開口の光学特性は開口の形状に影響される。
例えば、開口に照射される光の偏光方向の開口の長さ、金属層の厚さ、及び開口を配置する周期を一定にしたまま、偏光と直交する方向の開口の長さを長くすると、共鳴波長は長波長側に移行する。さらに共鳴波長が長波長に移行するだけでなく、ピーク幅は広がり、透過ピークでの透過率は増大する。
このため、開口の局在プラズモン共鳴の波長を長波長側に発生させるためには開口の偏光方向と直交する方向の長さを長くすれば良いことが分かる。なお、光学フィルタに入射する光の偏光は厳密に開口の法線方向と平行である必要はない。
また、開口に照射される光の偏光方向と直交する方向の開口の長さ、金属層の厚さ、及び開口を配置する周期を一定にした状況では、偏光方向の開口の長さが長くなるにつれて共鳴波長は短波長側に移行する。そしてピーク幅は広がり、共鳴波長での透過率は増大する。
また、開口に照射される光の偏光方向の開口の長さ、及び偏光と直交する方向の開口の長さ、及び開口の配列周期を一定にした状況では、金属層の厚さを増大させると共鳴波長は殆ど変化せず、共鳴波長での透過率は減少し、共鳴幅は減少する。
また、開口に照射される光の偏光方向の開口の長さ、及び偏光と直交する方向の開口の長さ、及び金属層の厚さを一定にした状況では、開口が設けられた周期を増大させると、共鳴波長は長波長化するとともに、共鳴波長での透過率は減少し、共鳴幅は減少していく傾向にあることが分かる。
このような知見を基にして、開口がなす開口の形状や配列周期のパラメータの最適化を図ることが可能であり、所望の波長に共鳴波長を有する光学フィルタを設計することが可能である。
本発明者らの検討によれば、光学フィルタの共鳴波長を赤色の帯域、即ち、波長600nm以上700nm以下、とするためには、開口径を220nm以上270nm以下の範囲に設定するのが望ましい。そして、金属薄膜構造体の厚さを10nm以上200nm以下の範囲とし、かつ開口の配列周期を310nm以上450nm以下の範囲に設定するのが望ましい。
また、光学フィルタの共鳴波長を緑色の帯域、即ち、波長500nm以上600nm未満、とするためには、開口径を180nm以上220nm未満の範囲に設定するのが望ましい。
そして、金属薄膜構造体の厚さを10nm以上200nm以下の範囲とし、かつ開口が設けられている周期を250nm以上310nm以下の範囲に設定するのが望ましい。
また、光学フィルタの共鳴波長を青色の帯域、即ち、波長400nm以上500nm未満、とするためには、開口径を100nm以上180nm未満の範囲に設定するのが望ましい。
そして、金属薄膜構造体の厚さを10nm以上200nm以下の範囲とし、かつ開口が設けられている周期を170nm以上250nm以下の範囲に設定するのが望ましい。
(第2の実施形態:ベイヤー配列)
本実施形態では、ベイヤー配列となっているRGBフィルタについて説明する。
図9に示すように、領域901には、例えば前述の光学フィルタR(透過スペクトル801)を配置し、領域902には、光学フィルタG(透過スペクトル802)、領域903には、光学フィルタB(透過スペクトル803)を配置する。このような配置にすることで本発明のフィルタを用いて、ベイヤー配列のカラーフィルタを構成することが可能である。本実施形態では、領域ごとに開口の形状が異なり、かつ開口が設けられている周期も異なっているがこの構成に限るものではない。例えば、開口の周期だけが異なる開口群が各領域に配置されていても良い。また、開口の大きさだけが異なる開口群が各領域に配置されていても良い。
つまり、第1の開口群を2つ以上有し、第1の開口が設けられている周期は互いに異なっており、前記第1の開口群は前記誘電体基板表面の相異なる領域に配置されていても良い。
また、第1の開口群を構成する第1の開口とは異なる形状である第2の開口からなる第2の開口群が各領域に配置されていても良い。すなわち、第2の開口は、第1の方向に第1の長さを有し、第2の方向に第2の長さを有し、第2の開口の第1の長さは第1の開口の第1の長さと異なるか、または第2の開口の第2の長さは第1の開口の第2の長さと異なっている。この結果、第2の開口群は、第1の開口群の共鳴波長(第1の波長)とは異なる波長(第2の波長)で光の透過率を増大させることができる。
(第3の実施形態:三角格子)
図10は、正方形開口の一部をなす開口が三角格子状に配列されている実施形態を示した図である。三角格子配列にした場合には、格子の単位ベクトル成分が直交していないため、正方格子状の配列と比較してフィルタの光学特性の入射光偏光に対する依存性や斜入射によるスペクトル変化を抑制できる。
このような三角格子配列は、直交格子状に配列されている複数の開口からなる複数の開口群位置をずらせて配置されていると表現することもできる。
すなわち、第1の開口1001により構成される第1の開口群1002(図中点線)と第の開口群1003(図中1点鎖線)とは、基板の同一平面上に群どうしの位置をずらせて並置されていると表現することが可能である。
(第4の実施形態:2つ以上の開口群の位置をずらせた並置
本実施形態でも、第3の実施形態と同じく、複数の開口群が位置をずらせて並置されている例について説明する。
図11(a)は、周期が異なる第1の開口群が位置をずらせて並置されている例を示したものである。第1の開口群1102(図中実線)を構成する第1の開口1101が周期1103で設けられており、第の開口群1105を構成する第1の開口1104は周期1106で設けられている。本実施形態では、開口の配列周期が互いに異なることから、周期の異なる開口群が個々に有する光学特性を共に持つ光学フィルタの構成が可能である。
すなわち、図11(a)の光学フィルタは、前記誘電体基板の同一平面上に、前記第1の開口群を2つ以上有し、この2つ以上の第1の開口群を構成する第1の開口が設けられている周期は互いに異なっている。また、この2つ以上の第1の開口群は位置をずらせて並置されている。
また、図11(b)は、第1の開口群と第2の開口群とが位置をずらせて並置されている例を示したものである。第1の開口1107は第1の開口群1108を構成し、第2の開口1109は第2の開口群1110を構成する。このように開口群を構成する開口の形状が異なることから、2つの開口群が有する個々の光学特性を同時に発現させることが可能となる。
すなわち、図11(b)の光学フィルタは、第1の開口群とは別に、誘電体基板の同一平面上に、複数の第2の開口を孤立した状態で2次元的、かつ周期的に設けた第2の開口群を並置している。この第2の開口は、第1の方向に第1の長さを有し、かつ第2の方向に第2の長さを有し、前記第1の長さと第2の長さは可視光領域における光の波長以下である。この第2の開口の第1の長さは第1の開口の第1の長さと異なるか、または第2の開口の第2の長さは前記第1の開口の第2の長さと異なっており、第1の開口群と、第2の開口群とは位置をずらせて並置されている。この結果、第1の開口の共鳴波長(第1の波長)と、第2の開口の共鳴波長(第2の波長)が異なっている。
またこのような実施形態として、例えば面内に複数の周期、周期A1701と周期B1702を以って開口1703が配列されている光学フィルタも含む(図17)。配列は図17では正方格子が複数周期を持つ例を示したが、複数周期の数等、実施形態としてはこれに限るものではない。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
単層構造
ここでは、RGBの透過フィルタの作製方法と光学特性について説明する。
図12(a)は、厚さ525μmの石英基板からなる誘電体基板1201の表面に、金属薄膜層1202として厚さ60nmのアルミニウムを蒸着し、その上に電子線描画(EB)用レジスト1203を塗布した状態を示す模式図である。なお、金属薄膜層1202の成膜方法は蒸着に限るものでなく、スパッタリング等であってもよい。
次に、EB描画装置を用いて、レジスト1203をパターニングする。レジストパターンの形状は、1辺が約240nmの正方形開口であり、周期約350nmで正方格子状に配列した形状を作製する。このレジストパターンをエッチングマスクとして、塩素と酸素の混合気体のプラズマでドライエッチングすることで金属薄膜構造体1204を形成することができる。なお、ドライエッチングガスは塩素と酸素に限るものではなく、アルゴンやその他のガスでも良い。
また、エッチングマスクの作製方法はEB描画に限るものではなく、フォトリソグラフィー等でも良い。さらに、金属薄膜層1202のパターニング方法は、誘電体基板1201上にEB描画やフォトリソグラフィ−等によりレジストパターンを形成し、金属薄膜層1202を成膜した後にリフトオフプロセスにより形成しても良い。リフトオフプロセスの場合レジストパターンは前述の工程に対しネガポジ反転させておく必要がある。
また、収束イオンビーム加工装置(FIB加工装置)を用いて、金属薄膜層1202を直接加工しても良い。
次に、金属薄膜構造体1204の上に、誘電体層1205として厚さ300nmの石英薄膜をスパッタリングにより成膜する。このようにして形成された光学フィルタを図12(b)に示す。なお、成膜方法は、スパッタリングに限るものではなく、CVDによる成膜やさらにはSOG(Spin On Glass)などを塗布しても良い。無機SOGとしてHSG(水素化シルセスキオキサン)膜、有機SOGとしてMSQ(メチルシルセスキオサン)膜等が挙げられる。
図13(a)には、このようにして作製した光学フィルタの透過スペクトルを示す。数値計算により透過スペクトルRは符号1301のように求まり、本フィルタは波長650nm付近に透過率の極大値を持つことが分かる。透過ピークを示す波長は可視域の赤色に対応するため、本フィルタは赤を透過する原色フィルタとして機能する。
また、金属薄膜構造体1204を開口径約200nm、厚さを約60nm、周期を約280nmの開口配列とすることで符号1302で示される透過スペクトルGが得られる。同様に、開口径を約160nm、厚さを60nm、周期を約230nmとすることで符号1303で示される透過スペクトルBが得られる。これらはそれぞれRGBを透過する光フィルタであり、原色フィルタとして機能する。
また、本実施例のフィルタの反射スペクトルは、透過率が最大になる波長とほぼ同じ波長で反射率が最小になる。
そのため、図13(b)に示すように、本実施例の光学フィルタは、反射フィルタとして用いることで、透過スペクトルRを有するフィルタからは符号1304で示される反射スペクトルRを得ることができる。同様に、透過スペクトルGを有するフィルタは符号1305で示される反射スペクトルG、透過スペクトルBを有するフィルタは符号1306で示される反射スペクトルBを得ることができる。このように、これらの光学フィルタはそれぞれ可視域の赤、緑、青の補色(シアン、マゼンタ、イエロー)を強く反射する光学フィルタとして機能させることが可能である。
なお、本実施例では金属薄膜構造体に正方形開口が正方格子状に配列している例を用いて説明したが、三角格子配列にしてもよい。三角格子配列にすることで入射偏光依存性を抑え、斜入射特性を改善することが出来る。また、開口形状も正方形に限らず、正多角形や円形でも良い。
ベイヤー配列
本実施例ではベイヤー配列のRGBフィルタの作製方法と光学特性について説明する。
図14(a)は厚さ525μmの石英基板からなる誘電体基板1401の表面に、金属薄膜層1402として厚さ60nmのアルミニウムを蒸着し、その上にレジスト1403を塗布した状態を示す模式図である。
次に、EB描画装置を用いて、レジスト1403をパターニングする。レジストパターンの形状は、1辺が約240nmの正方形開口を周期約350nmで正方格子状に配列した形状を約10μm角にパターニングした部分をパターン部A1404とする。
また、1辺が約200nmの正方形開口を周期約280nmで正方格子状に配列した形状をパターン部B1405とし、1辺が約160nmの正方形開口を周期約230nmで正方格子状に配列した形状をパターン部C1406とする。
これらの各パターン部を10μmの隙間を空けて図14(b)のように配置した構造を作製する。このレジストパターンをエッチングマスクとして、塩素と酸素の混合気体のプラズマでドライエッチングすることで金属薄膜構造体1407を作製する。
このとき開口形状は正方形に限らない。正多角形や円形でも構わない。
次に、金属薄膜構造体1407の上に、誘電体層1408として厚さ500nmの石英薄膜をスパッタリングにより形成する。このようにして形成された光学フィルタを図14(c)に示す。図14(c)は図14(b)のAA’断面である。
なお、上述のパターン部の間の領域は、混色防止のために遮光層を形成しても良い。また、本実施例のように、各パターン部を構成する金属薄膜構造体の厚みを同一にすれば、各パターン部を同一プロセス内で作製することが可能となり、各パターン部間の境目をなくすことも可能である。
このようにして作製したパターン部A,B,C,は、符号1301で示された透過スペクトルR、符号1302で示された透過スペクトルG、符号1303で示された透過スペクトルBを有する。これらはそれぞれRGBに対する原色フィルタとして機能することが出来る。
さらに、本実施例のように、全てのパターン部について厚みを同一に作製しておけば、同一バッチにてRGB原色フィルタを作製することが出来る。
このため、従来の色素を用いたカラーフィルタでベイヤー配列構造を作製するために必要なRGB三色の塗り分けのプロセスが必要なくなり、作製プロセス時間短縮、作製プロセス簡略化が可能である。尚、RGB三色の塗り分けはベイヤー配列に限るものではなく異なる色素を用いてカラーフィルタを構成する場合には必用となるものである。
ホール積層
実施例3では積層フィルタの作製方法と光学特性について説明する。
図15(a)は、厚さ1mmの石英基板からなる誘電体基板1501の表面に第1の金属薄膜層1502としてアルミニウムを厚さ60nmで蒸着し、その上に電子線描画(EB)用のレジスト1503を塗布した状態を示す模式図である。
次に、EB描画装置を用いて、レジスト1503をパターニングする。レジストパターンの形状は、1辺が約240nmの正方形開口であり、周期約350nmで正方格子状に開口が配列している。このレジストパターンをエッチングマスクとして、塩素と酸素の混合気体のプラズマでドライエッチングすることで第1の金属薄膜構造体1504を作製する。
次に、第1の金属薄膜構造体1504の上に、第1の誘電体層1505として厚さ300nmの石英薄膜をスパッタリングにより形成する。第1の誘電体層1505の厚さは300nmに限るものではないが、次の工程で作製する第2の金属薄膜構造体と近接場相互作用を及ぼしあわない層間距離を設けることが好ましい。
次に、図15(b)に示すように、第1の誘電体層1505の表面に、第2の金属薄膜層1506としてアルミニウムを厚さ60nmで蒸着する。即ち、誘電体基板上に導電体層を複数配置する。そして、この第2の金属薄膜層1506の上にレジスト層として電子線描画(EB)用レジストを塗布する。次に、EB描画装置にてレジスト層をパターニングする。レジストパターンの形状は、1辺が約240nmの正方形開口であり、周期約350nmで正方格子状に開口が配列している。このレジストパターンをエッチングマスクとして、塩素と酸素の混合気体のプラズマでドライエッチングすることで第2の金属薄膜構造体1507を作製する。
さらに、図15(c)に示すように、第2の金属薄膜構造体1507の上に、第2の誘電体層1508として厚さ400nmの石英薄膜をスパッタリングにより形成する。
このフィルタの第1の金属薄膜構造体及び第2の金属薄膜構造体の透過スペクトルはピーク波長約650nm付近、第2の金属薄膜構造体の透過スペクトルも同様にピーク波長約650nm付近である。このため、本実施例の積層フィルタの光学特性は透過スペクトル第1の金属薄膜構造体の透過スペクトルと第2の金属薄膜構造体の透過スペクトルとの積の光学特性に近いものになる。したがって、本実施例に係る積層型フィルタは単層の場合としてより狭い帯域で赤を透過する光フィルタとして機能する。
本実施例は、実施例1ないし3で説明したいずれかの光学フィルタを用いた光検出素子、および光検出素子をアレイ状に並べて撮像素子を構成し、この撮像素子をデジタルカメラに組み込んだ例である。
図18は、本発明の光学フィルタを用いた光検出素子の模式図である。
光検出素子1807は、マイクロレンズ1801を通して外部から入射した光を光電変換部1805に導入する。光電変換部では入射光に応じた電荷を発生させる。光検出素子は光電変換部1805のほかに本発明で開示される光学フィルタ1802、誘電体層1803、電気回路部1804、半導体基板1806を含んでいる。光学フィルタ1802には例えば図1に示す金属構造体120のような、光に対してプラズモン共鳴を誘起し得る構造を含んでいる。
また、このような光検出素子を作製する方法としては以下のようなものがある。
まず、半導体基板1806に光電変換部1805を形成し、この上から電気回路部1804をフォトリソ等を用いてパターニングする。更に誘電体層1803を成膜していく工程を繰返すことで所望の層数の電気回路層及び誘電体層を形成できる。そしてこの上から金属層を成膜し電子線描画装置などの微細加工装置を用いて開口部をパターニングする事で光学フィルタ1802を形成できる。更にこの上から樹脂等を用いてマイクロレンズ1801を形成することで本発明の光学フィルタを用いた光検出素子を作製可能である。
また、ここでは光学フィルタをマイクロレンズ直下に配置したが、配置場所はこれに限るものではなく、例えば光電変換層の直上や近傍、さらには電気回路層の間に積層しても構わない。光学フィルタが光電変換層の直上にある場合でも、光学フィルタでプラズモン共鳴を効率よく生じさせるために、光学フィルタと光電変換層の間に薄い絶縁層を設けて電気的に絶縁してある構造とすることが必要である。これにより、プラズモン共鳴のエネルギーが半導体基板や光電変換層に逃げることを抑止することが可能である。このように光学フィルタを光電変換部に接近させることで、光学フィルタによる散乱光成分も効率よく光電変換部で検知できるようになる。
図19は、本発明の光学フィルタを用いた撮像素子の模式図である。
図19において、画素エリア1900は、前述の複数の光検出素子(画素)1901を、3行×3列の2次元マトリクス状に配置している。尚、図19では、画素エリア1900は、3行×3列の2次元マトリクス状としたが、例えば、7680×4320列のマトリクスとすることも可能である。
図19において、垂直走査回路1904および水平走査回路1905は、画素エリア1900内に配置されている光検出素子(画素)を選択して読み出すための回路である。1902と1903は画素を示している。
図19のように構成した撮像素子をデジタルカメラに組み込んだ模式図を図20に示す。
図20において、2001はカメラ本体、2007は接眼レンズ、2008はシャッターであり、2009は、ミラーである。
本発明に係る撮像素子は2004であり、レンズ鏡筒2003内に配された撮影光学系(レンズ)2002を介し、撮像素子2004に光が入射する。
これにより被写体像に応じて、撮像素子2004の各画素に電荷が発生し、発生した電荷に対応して被写体像を再現できる。被写体像は、モニター用ディスプレイ装置2005で再生できる他、メモリーカード等の記録媒体2006に記録される。
本発明に係る光学フィルタは、一般的な色素で構成されるカラーフィルタと比較して厚みが薄いため、ここで示した本発明の撮像素子を薄く構成できる。その結果、撮像素子表面から撮像素子光電変換部までの距離が短くなるため、光の利用効率が向上する。これにより、本発明に係る撮像素子の感度向上が可能である。
実施例1ないし3で説明したいずれかの光学フィルタを用いた分光素子の例を図21を参照して説明する。
光電変換層2101が1次元上に配列しているラインセンサ2103上に光学フィルタ層2102を配置する。光学フィルタ層2102は前記ラインセンサ内の各画素に対してそれぞれ異なる大きさ、または形状の開口部2104を有する。開口部2104の大きさや形状がことなると、開口が有する透過率スペクトルの形状も異なる。このため、例えば開口の大きさが異なれば、結果的に本実施例の素子の各画素において受光効率が最も高い波長が画素ごとに異なることから、前述のような構造をもつ光学フィルタ層をラインセンサ上に設けることで、本実施例の素子は分光機能と光検出機能を併せ持つ分光検出器を構成することが可能である。
本実施例のようにラインセンサ上に直接光学フィルタ層を配置する構造にすることで、分光素子を小型化することが可能である。
更に、ここではラインセンサ上に光学フィルタを配置して1次元構造のセンサを構成したが、図22に示すように、2次元エリアセンサ上に光学フィルタ層を配置しても良い。
光電変換層2201が2次元上に配列しているエリアセンサ2203上に光学フィルタ層2202を配置する。光学フィルタ層2202は前記エリアセンサ内の各画素に対してそれぞれ異なる大きさ、または形状の開口部2204を有する。開口部2204の大きさや形状がことなると、開口が有する透過率スペクトルのやその偏光依存性も異なる。このため、図22のように開口を長方形開口とすることで透過スペクトルに対して偏光依存性を持たせることが可能である。この状態で長方形開口の長手方向が入射光偏光となす角度が開口ごとに異なる様にするため、図22のように、角度が異なる長方形開口を面内に配置することが可能である。さらに、入射光偏光に、さらに開口の大きさが異なれば、結果的に本実施例の素子の各画素において受光効率が最も高い波長及び偏光が画素ごとに異なることから、前述のような構造をもつ光学フィルタ層をエリアセンサ上に設けることで、本実施例の素子は分光機能と偏光検出機能を併せ持つ分光偏光検出器を構成することが可能である。本実施例の素子により光のスペクトル情報と偏光情報を同時に取得できる素子を小型に作製することが可能である。
本発明は、光学フィルタの他、これを用いた各種デバイスに適用可能である。
110 誘電体基板
120 金属薄膜構造体
121 界面
122 界面
123 界面対
124 界面群
125 開口部
130 誘電体層
140 第1の方向
141 長さ
145 周期
150 第2の方向
151 第2の長さ
155 周期
160 厚さ

Claims (22)

  1. 基板の表面上に開口部を備えた遮光性の導電体層を配して構成され、第一の波長の光を選択的に透過せしめる光学フィルタであって、
    前記導電体層に接して形成された誘電体層を備え、
    前記開口は、直交する2つの方向に有限の第一の波長以下の大きさを有すると共に、前記表面上に格子状に複数設けられており、前記基板表面の面積に対する前記導電体層の面積の割合が、36%以上74%以下の範囲にあ
    前記導電体層に入射する光により前記開口部に誘起される局在プラズモンにより前記第一の波長の透過率を極大値とさせることを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記局在プラズモンの波長は、前記開口の大きさに起因することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記第一の波長は可視域にあることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記開口の形状が円形、正多角形のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルタ。
  5. 前記導電体層の層厚は、可視域の光の波長以下の長さである請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルタ。
  6. 前記導電体層がAlもしくはAlを含む合金で構成されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学フィルタ。
  7. 前記基板は、誘電体からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光学フィルタ。
  8. 前記誘電体が酸化ケイ素、酸化チタン、窒化シリコンのいずれかで構成されることを特徴とする請求項7に記載の光学フィルタ。
  9. 前記開口の径が220nm以上270nm以下の範囲にあり、厚さは10nm以上200nm以下の範囲にあり、配列周期が310nm以上450nm以下の範囲にあって、透過スペクトルの極大値が波長600nm以上700nm以下の範囲に発現することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルタ。
  10. 前記開口の径が180nm以上220nm未満の範囲にあり、厚さは10nm以上200nm以下の範囲にあり、配列周期が250nm以上310nm以下の範囲にあって、透過スペクトルの極大値が波長500nm以上600nm未満の範囲に発現することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルタ。
  11. 前記開口の径が100nm以上180nm未満の範囲にあり、厚さは10nm以上200nm以下の範囲にあり、配列周期が170nm以上250nm以下の範囲にあって、透過スペクトルの極大値が波長400nm以上500nm未満の範囲に発現することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の光学フィルタ。
  12. 前記基板の面内方向に、前記複数の開口からなる開口群とは、異なる別の開口群を有し、前記開口群と、前記別の開口群と、はこれら開口群を構成する開口の周期が互いに異なり、これらの開口群が前記基板上の相違した領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  13. 前記複数の開口を第1の開口として構成される第1の開口群とは別に、前記基板の面内方向の相違した領域に複数の第2の開口からなる第2の開口群を有し、前記第2の開口は前記第1の開口とは異なる大きさを有し、前記第2の開口群は、前記第一の波長とは異なる第二の波長の光の透過率を極大値とさせることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  14. 前記複数の開口を第1の開口として構成される第1の開口群の複数が、前記基板の同一平面上に、群どうしの位置をずらせて並置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  15. 前記複数の第1の開口群は、群を構成する開口の周期が互いに異なることを特徴とする請求項14に記載の光学フィルタ。
  16. 前記複数の開口を第1の開口として構成される第1の開口群と、前記第1の開口とは異なる大きさを有する複数の第2の開口からなる第2の開口群と、が前記基板の同一平面上に、群どうしの位置をずらせて並置されていることを特徴とする請求項に記載の光学フィルタ。
  17. 前記導電体層が、前記基板上に複数層配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  18. 半導体基板に形成された光電変換部と、前記光電変換部に光を導くレンズと、電気回路部と、請求項1から17のいずれかに記載の光学フィルタと、を備えたことを特徴とする光検出素子。
  19. 請求項18に記載の光検出素子をマトリクス状に複数配置したこと特徴とする撮像素子。
  20. CMOSセンサを構成することを特徴とする請求項19に記載の撮像素子。
  21. 撮影レンズと、撮像素子と、を備えたカメラであって、前記撮像素子が請求項19または20に記載の撮像素子であることを特徴とするカメラ。
  22. 複数の画素を備えたセンサと、請求項1から17のいずれかに記載の光学フィルタと、を有することを特徴とする分光素子。
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