JP4993933B2 - 片面サブマージアーク溶接用裏当フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、裏当銅板の清掃作業、及び手直し作業を軽減し、良好な裏ビード形状、及び高い溶接施工性を得ることができる片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスに関する。
サブマージアーク溶接法は、被覆アーク溶接及びガスシールドアーク溶接等の溶接法と比して、高電流及び高速度で溶接を行うことができるという利点を有しており、造船、鉄骨及び橋梁分野等の大型鋼構造物の製造において、重用されている高能率な溶接法である。特に、片面サブマージアーク溶接法は、造船分野において、平行ブロック等のパネル板継ぎ溶接に多用されており、鋼板の表面側から裏面側まで1パスでビードを形成することができる高能率な溶接法である。
片面サブマージアーク溶接法において、被溶接鋼板の板厚範囲は6乃至40mm程度まで実用化されており、広範囲な溶接施工性と、溶接継手の機械的性能及び外観形状に高い品質が要求されている。このような状況下において、裏ビードの形状及び健全性に対する要求も例外ではなく、裏当フラックスが具備すべき特性は、低入熱から大入熱までの溶接において、良好な裏ビードの形状及び健全性が得られることである。一方、一連の溶接施工において、ビードの形状に不具合が生じた場合、グラインダーによる手直し等の余分な作業を要する。また、溶接施工によって発生する溶接スラグの清掃作業及び裏当フラックスを押し上げる裏当装置のメンテナンス作業があり、アークタイム間に必須な作業の軽減は溶接施工の能率向上に直接寄与する。
特許文献1及び特許文献2は、フラックス粒度とその重量構成を規定することにより、裏当銅板への溶接スラグのこびりつくことを防止する裏当フラックスを提案している。
特開平7−303989 特開平6−218576
しかしながら、上述の従来の技術には下記に示す問題点がある。
特許文献1及び特許文献2は、裏ビードの形成性を向上させるため、フェノール系樹脂等の熱硬化性樹脂を裏当フラックスに添加している。このため、溶接熱により裏当フラックスが裏当銅板へ固着することを回避することはできない。更に、熱硬化性樹脂を含有するフラックスでも良好な裏ビード形状を得るためには、溶接後の清掃作業は必須であり、その清掃作業及び裏当装置のメンテナンス作業が多大となることは、溶接工程の能率低下をもたらすという問題点がある。
また、特許文献1及び特許文献2は、裏当銅板へこびりつくことを防止するために、裏当フラックスのフラックス粒度とその重量構成を規定しているが、厚肉鋼板に適用される大入熱溶接施工において、裏当銅板へのこびりつきを防止することは困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、従来の片面サブマージアーク溶接法における裏当フラックスが含有している熱硬化性樹脂を好ましくは無添加とし、裏当銅板へのフラックスのこびりつきを防止し、溶接後の清掃作業及び裏当装置のメンテナンス作業を改善し、低入熱から大入熱までの溶接において、健全で良好な裏ビードを得ることができる片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスを提供することを目的とする。
本発明に係る片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスは、熱硬化性樹脂の含有量が1.0質量%未満の片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスであって、フラックス成分は、MgO:19乃至43質量%、TiO:8乃至32質量%、SiO:8乃至35質量%、Al:3乃至18質量%、CaO:3乃至23質量%、CaF:2乃至14質量%、SiO及びTiO:総量で22乃至58質量%、MnO:1.0乃至9.5質量%、B :1.6質量%以下、ZrO :11質量%以下、Na O及びK O:総量で6質量%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、この不可避不純物の量を7質量%以下に規制した組成を有し、前記フラックス成分によって形成されるスラグの1400℃における粘度が0.085乃至0.250Pa・秒であり、Feを除くフラックス成分の融点が850乃至1400℃であることを特徴とする。
本発明によれば、裏当銅板へのフラックスのこびりつきを防止することができ、これにより、溶接後の清掃作業及び裏当装置のメンテナンス作業といった従来必要であった溶接作業環境を改善し、低入熱から大入熱の溶接において、健全で良好な裏ビードを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。従来技術で使用されている熱硬化性樹脂は、約100乃至200℃程度で固化する特性を有している。即ち、従来の熱硬化性樹脂を含有する裏当フラックスは、溶接アークが到達する直前に裏当フラックスを熱硬化性樹脂により固化させ、裏当フラックスと鋼板との密着性を向上させ、裏ビードと鋼板のなじみを良くする特徴を有している。
本発明者等は、裏当フラックスに熱硬化性樹脂を添加することなく、この裏フラックスに熱硬化性樹脂を添加することによって得られる効果を、フラックスの成分範囲を特定の範囲に規定し、更に高温粘度及び融点を規定することにより、得るものであり、熱硬化性樹脂の添加効果の代替が可能であることを見出したものである。
以下、本発明の片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスの組成限定理由について説明する。
「MgO:19乃至43質量%」
MgOはスラグ形成のための主要な成分であり、その添加により、スラグの粘度を低下させる。MgOの含有量が19質量%未満であると適正なスラグ量が確保できず裏ビードが過大になる。一方、MgOの含有量が43質量%を超えるとスラグ量は増大し、裏ビードの余盛高さが低くなると共に、スラグ粘度が低下し裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観が損なわれる。従って、MgOの添加量を19乃至43質量%とする。
「TiO:8乃至32質量%」
TiOは、その添加により、フラックスの融点及び高温での粘度を変化させる特性を有し、スラグの粘度と剥離性を調整するのに特に重要な成分である。TiOの含有量が8質量%未満であると裏ビードのスラグ焼き付きが発生し、スラグの剥離性が劣化する。一方、TiOの含有量が32質量%を超えるとスラグの粘度が増加するため、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生する。また、TiOの含有量が8質量%未満の場合と同様に、スラグの剥離性が劣化する。従って、TiOの添加量を8乃至32質量%とする。
「SiO:8乃至35質量%」
SiOは、その添加により、フラックスの高温における粘度及び融点を変化させる特性有し、スラグ粘度の調整とスラグ形成のため特に重要な成分である。SiOの含有量が8質量%未満ではスラグの粘度が低下することで、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなるため外観が損なわれる。一方、SiOの含有量が35質量%を超えるとスラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化しアンダーカットが発生すると共に、スラグ量が増大し、裏ビードの余盛高さが過小となる。従って、SiOの添加量を8乃至35質量%とする。
「Al:3乃至18質量%」
Alは、その添加により、スラグの粘度および凝固温度を調整するのに有効な成分である。Alの含有量が3質量%未満であるとスラグの粘度が低くなり、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなるため、ビード外観が損なわれる。一方、Alの含有量が18質量%を超えるとスラグの凝固温度が低くなり、裏ビードの形状が過大となる。従って、Alの添加量を3乃至18質量%とする。
「CaO:3乃至23質量%」
CaOは、その添加により、スラグの粘度を調整しビード形状を整えるために重要な成分であり、またスラグの剥離性を調整するのに有効な成分である。CaOの含有量が3質量%未満であるとスラグの粘度が過小となり、裏ビードの幅の揃いが劣化する。一方、CaOの含有量が23質量%を超えるとスラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生すると共に、スラグが焼付き及びスラグ剥離性が劣化する。従って、CaOの添加量を3乃至23質量%とする。
「CaF:2乃至14質量%」
CaFは、その添加により、スラグの粘度を調整しスラグ生成を促進させるために有効な成分である。CaFの含有量が2質量%未満であるとスラグ量が不足するため裏ビードの余盛が過大となる。一方、CaFの含有量が14質量%を超えるとスラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化する。また、アンダーカットが発生し、ビード外観が損なわれる。従って、CaFの添加量を2乃至14質量%とする。
「熱硬化性樹脂の含有量:1.0質量%未満」
熱硬化性樹脂は裏当銅板へのこびりつきを抑制するため、極力添加しないことが好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が1.0質量%を超えると溶接熱により裏当フラックスの裏当銅板へのこびりつきが増加する。従って、こびりつきと工業的な混入量を考慮し、熱硬化性樹脂の添加量を1.0%未満に規制する。
「SiO、及びTiO:総量で22乃至58質量%」
SiO、及びTiOはフラックスの主成分であり、その添加により、融点、及び高温におけるスラグの粘度を変化させる特に重要な成分である。SiO、及びTiOの含有量が総量で22質量%未満であるとスラグの高温粘度が低下し、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観を損なうと共に、スラグ剥離性が劣化する。また溶接アーク直近における裏当フラックスの溶融、凝固反応のバランスが崩れ、適正な裏ビードの余盛高さと幅が得られない。一方、SiO、及びTiOの含有量が総量で58質量%を超えるとスラグの高温粘度が増加し、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生する。また溶接アーク直近における裏当フラックスの溶融、凝固反応のバランスが崩れ、適正な裏ビードの余盛高さと幅が得られない。従って、SiO、及びTiOの含有量を総量で22乃至58質量%とする。
「スラグの1400℃における粘度:0.085乃至0.250Pa・秒」
スラグの高温における粘度は、裏ビード形状の調整のため重要なパラメータである。スラグの1400℃における粘度が0.085Pa・秒未満であると、スラグの粘度が過小となるため、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観を損なう。一方、スラグの1400℃における粘度が0.250Pa・秒を超えるとスラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生する。従って、スラグの1400℃における粘度を0.085乃至0.250Pa・秒に規定する。なお、主にSiO、TiO、CaF、CaO、及びMgOは高温粘度を変化させる重要な成分であり、SiO、TiO、CaF、及びCaOの含有量を増加、又はMgOの含有量を減少させると粘度は増加する。一方、SiO、TiO、CaF、及びCaOの含有量を減少、又はMgOの含有量を増加させると粘度は低下する。
「Feを除くフラックス成分の融点:850乃至1400℃」
Feを除くフラックス成分の融点は、フラックスの溶融と凝固のバランスを適正化し、裏ビード余盛高さを調整するための重要なパラメータである。融点が850℃未満であると、裏ビードの余盛高さが過大となり溶接中に溶落する可能性が高くなる。一方、1400℃を超えると、フラックスの溶融と凝固のバランスが崩れ、十分な裏ビードの余盛高さを得ることができない。従って、Feを除くフラックス成分の融点を850乃至1400℃に規定する。なお、主にSiO及びAlはフラックスの融点を変化させる重要な成分であり、SiO及びAlの含有量を増加させると融点は下がる。一方、SiO及びAlの含有量を減少させると融点は上がる。
さらに良好な溶接作業性を得るために、上記成分の規定に加え、以下のフラックス成分を規定値の範囲とすることが好ましい。
「MnO:1.0乃至9.5質量%」
MnOは、その添加により、スラグ生成を促進させるために有効な成分である。MnOの含有量が1.0質量%未満であるとスラグ量が少なくなり、裏ビードが大きくなる。一方、MnOの含有量が9.5質量%を超えるとスラグ量が増加し、裏ビードが小さくなる。従って、MnOの添加量を1.0乃至9.5質量%とする。
「B:1.6質量%以下」
は溶接アーク熱で還元され、表フラックスに含有した場合Bとして溶接金属中に存在し靱性を確保する効果を有するが、裏当フラックスに含有しても溶接金属全体への歩留は低いため特にその効果は少ない。しかし、Bの含有量が1.6質量%を超えると裏ビードに多く固溶し、耐高温割れ性が劣化する可能性があると共に、スラグ焼き付きが発生する可能性がある。従って、Bの添加量を1.6質量%以下に規制する。
「ZrO:11質量%以下」
ZrOは、その添加により、スラグの剥離性を調整するために有効な成分である。しかし、ZrOの含有量が11質量%を超えると、スラグの焼き付きが増加し、部分的にスラグ剥離性が劣化する可能性がある。従って、ZrOの添加量を11質量%以下に規制する。
「NaO、及びKO:総量で6質量%以下」
NaO、及びKOは、その添加により、アークの安定性を確保するために有効な成分であるが、NaO、及びKOの含有量が総量で6質量%を超えると耐吸湿性が劣化し、ブローホールの発生、及び耐低温割れ性が劣化する可能性がある。従って、NaO、及びKOの添加量を総量で6質量%以下に規制する。
「微量成分、及び不可避的不純物の総量が7質量%以下」
溶接中の大気からのシールド性及び溶接作業性等を適正に保つため、Mo、CO、BaO、Fe、及びFe酸化物などを添加できるが、微量成分、不可避的不純物の総量を7質量%以下に規制する。
なお、裏当フラックスの粒度構成は裏ビード形状の安定性を考慮すると、フラックスの粒度が0.075乃至2.36mmの占める割合が90質量%以上であることが好ましいが、特に限定するものではない。
次に、本発明の効果を実証するため実施例及び比較例について説明する。
溶接条件を下記表3、図1及び図2に示す。4本の電極(L:ワイヤ径4.8mm、T1:ワイヤ径4.8mm、T2:ワイヤ径6.4mm、T3:ワイヤ径6.4mm)が溶接方向に沿って一列に配置されている。第1電極から各電極までの距離は30mm、200mm、230mmである。Lは溶接面の法線方向から溶接方向に対して10°傾斜した後退角、T1は5°傾斜した前進角、T2は3°傾斜した前進角、T3は13°傾斜した前進角を形成している。電流値は第1電極から1500A、1250A、1200A、1250Aであり、電圧値は第1電極から33V、38V、42V、46Vである。溶接速度は53cm/分である。試験鋼板は、板厚が35mm、長さが1500mm、開先形状がY形状、その開先角度が45°であり、ルートフェースは6mmである。上記の条件により、4電極FCBサブマージアーク溶接を行った。試験に用いた鋼板、及びワイヤの主成分を下記表1、及び表2に示す。JIS・Z3351・YS−S6相当のワイヤ、及びJIS・Z3352・FS-BT1相当の表フラックスを使用した。
Figure 0004993933
Figure 0004993933
Figure 0004993933
溶接中に溶接金属の溶落ちなどの作業性及び溶接後に裏ビードの形状、裏当銅板への焼き付きを評価した。また裏ビードの健全性を評価するため、超音波透過試験により溶接欠陥の有無、欠陥箇所については、断面マクロ組織観察により欠陥の形態について調査し、手直し作業の要否を評価した。上記の評価は、下記に示す方法で評価した。溶け落ちの発生について、溶け落ちが発生しなかった場合を○、溶け落ちが発生した場合を×とした。裏ビード形状、及びスラグ焼き付きについて、裏ビード形状、及びスラグ焼き付きに問題がなければ良好、裏ビード形状、及びスラグ焼き付きに問題があれば、その問題について具体的な内容を表記した。裏ビードの健全性について、超音波透過試験により溶接欠陥が確認されなければ○、超音波透過試験により溶接欠陥が確認されれば、溶接欠陥の具体的な内容を表記した。手直し作業の有無を含む総合評価について、手直し作業の必要がないと判断された場合、良好(◎)、若しくは可(○)とし、手直し作業の必要があると判断された場合、不良(×)とした。
下記表4に実施例と比較例の裏当フラックスの成分と特性を示す。下記表4中のその他とは、Feを含む不可避的不純物等である。また、下記表5に本実施例の評価結果を示す。なお、裏当フラックスの粒度は0.075乃至2.36mmの範囲を93質量%以上とした。
Figure 0004993933
Figure 0004993933
本発明の実施例1乃至6の溶接作業性、裏ビード形状及び健全性、裏当銅板への焼き付き性評価結果は良好であり、溶接施工に関連する手直し作業など余分な工程は不必要であった。比較例13はフラックス中のMgOの含有量が19質量%未満であるため、適正なスラグ量が確保できず裏ビードが過大となったため手直し作業が必要となった。比較例14はフラックス中のMgOの含有量が43質量%を超えているためスラグ量が増大し、裏ビードの余盛高さが過小となった。また、スラグの粘度が低下により、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観が損なわれたため、手直し作業が必要となった。比較例15はフラックス中のTiOの含有量が8質量%未満であるため、裏ビードのスラグ焼き付きが発生しスラグの剥離性が劣化し、手直し作業が必要となった。比較例16はフラックス中のTiOの含有量が32質量%を超えているためスラグの粘度が増加するため、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生した。また、スラグの剥離性が劣化し、手直し作業が必要となった。比較例17はフラックス中のSiOの含有量が8質量%未満であるため、スラグの粘度が低下し、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観が損なわれたため、手直し作業が必要となった。比較例18はフラックス中のSiOの含有量が35質量%を超えているため、スラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化しアンダーカットが発生すると共に、スラグ量が増大し、裏ビードの余盛高さが過小となり、手直し作業が必要となった。
比較例19はフラックス中のAlの含有量が3質量%未満であるため、スラグの粘度が低くなり、裏ビードの幅の揃いが劣化した。また、波目が粗くなり、ビード外観が損なわれたため、手直し作業が必要となった。比較例20はフラックス中のAlの含有量が18質量%を超えているため、スラグの凝固温度が低くなり、裏ビードの形状が過大となったため、手直し作業が必要となった。比較例21はフラックス中のCaOの含有量が3質量%未満であるため、スラグ粘度が過小となり、裏ビードの幅の揃いが劣化したため、手直し作業が必要となった。比較例22はフラックス中のCaOの含有量が23質量%を超えているためスラグ粘度が過大となり鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化しアンダーカットが発生した。またスラグ剥離性が劣化したため、手直し作業が必要となった。比較例23はフラックス中のCaFの含有量が2質量%未満であるため、スラグを形成するスラグ量が不足し、裏ビードの余盛が過大となった。これにより、手直し作業が必要となった。比較例24はフラックス中のCaFの含有量が14質量%を超えているためスラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化、及びアンダーカットが発生し、ビード外観が損なわれたため、手直し作業が必要となった。比較例25は熱硬化性樹脂の含有量が1.0質量%以上であるため、裏フラックスの裏当銅板へのこびりつきが発生し、施工能率が劣化した。比較例26はフラックス中のSiO、及びTiOの含有量が総量で22質量%未満であるため、フラックスの高温粘度が低下し、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなり外観を損なうと共に、スラグ剥離性が劣化した。また、溶接アーク直近における裏当フラックスの溶融、凝固反応のバランスが崩れ、適正な裏ビードの余盛高さと幅が得られなかったため、手直し作業が必要となった。比較例27はフラックス中のSiO、及びTiOの含有量が総量で58質量%を超えているため、フラックスの高温粘度が増加し、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生した。また溶接アーク直近における裏当フラックスの溶融、凝固反応のバランスが崩れ、適正な裏ビードの余盛高さと幅が得られなかったため、手直し作業が必要となった。
比較例28は1400℃におけるスラグの粘度が0.085Pa・秒未満であるため、スラグの粘度が過小となり、裏ビードの幅の揃いが劣化し、波目が粗くなったため、手直し作業が必要となった。比較例29は1400℃におけるスラグの粘度が0.250Pa・秒を超えているため、スラグの粘度が過大となり、鋼板と裏ビードのなじみ性が劣化し、アンダーカットが発生したため、手直し作業が必要となった。比較例30はFe以外のフラックス成分の融点が850℃未満であるため、フラックスの溶融と凝固のバランスが不適となり、溶接中に溶接金属の溶落ちが発生したため、備の復旧作業と溶接継手の手直し作業が必要となった。比較例31はFe以外のフラックス成分の融点が1400℃を超えているため、フラックスの溶融と凝固のバランスが不適となり、十分な裏ビードの余盛高さを得ることができなかったため、手直し作業が必要となった。
電極配置を示す図である。 開先形状を示す断面図である。
符号の説明
1:溶接方向を示す矢印
2:電極
3:鋼板

Claims (1)

  1. 熱硬化性樹脂の含有量が1.0質量%未満の片面サブマージアーク溶接用裏当フラックスであって、フラックス成分は、MgO:19乃至43質量%、TiO:8乃至32質量%、SiO:8乃至35質量%、Al:3乃至18質量%、CaO:3乃至23質量%、CaF:2乃至14質量%、SiO及びTiO:総量で22乃至58質量%、MnO:1.0乃至9.5質量%、B:1.6質量%以下、ZrO:11質量%以下、NaO及びKO:総量で6質量%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなり、この不可避不純物の量を7質量%以下に規制した組成を有し、前記フラックス成分によって形成されるスラグの1400℃における粘度が0.085乃至0.250Pa・秒であり、Feを除くフラックス成分の融点が850乃至1400℃であることを特徴とする片面サブマージアーク溶接用裏当フラックス。
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