JP4783708B2 - サブマージアーク溶接用溶融型フラックス - Google Patents

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本発明は、造管、鉄骨、橋梁、車両などの一般構造物に用いられるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスに係り、特に高速溶接をする際に、溶接欠陥の無い健全な溶接金属を形成させ、また、スラグ剥離性が良好で美しいビード外観を得ることができるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスに関するものである。
サブマージアーク溶接は、高能率で安定した溶接作業性および溶接性能が得られることから、造管、鉄骨、橋梁、車両など幅広い分野で適用されている。近年、サブマージアーク溶接においては、溶接能率および生産性向上を目的に、高速溶接化が求められている。
従来、サブマージアーク溶接の高速化における溶融型フラックスの開発については、例えば、特開昭58−179595号公報(特許文献1)に、フラックス成分を限定し、溶接電源を直流の正極性とすることによって、溶接速度を高め、溶接能率の向上を図った技術の開示がある。しかし、直流正極性のサブマージアーク溶接は、オーバーラップ、溶込不良、ビード幅の不均一、ビード外観劣化、スラグ剥離性劣化等、交流溶接や直流電源の逆極性に比べ、溶接欠陥を発生しやすく、非常に不安定要素の多い溶接法であり、フラックス組成を規定しただけでは、良好な溶接作業性は得られない。
一方、特開昭59−10496号公報(特許文献2)には、高速サブマージアーク溶接における溶接ビード形状の改善、スラグ剥離性向上を目的に、フラックス組成中のTiO、ZrOを限定し、溶接作業性の改善を図った技術の開示がある。一般的にTiO、ZrOはアーク安定剤として知られており、サブマージアーク溶接用溶融型フラックスにも含有させることが多いが、ZrOは融点が高く、フラックスの融点あるいは軟化溶融点を上げてしまうため、高速溶接には向かず、良好な溶接作業性は得られない。
また、特開平4−238694号公報(特許文献3)には、フラックスの成分、融点および粘度を限定し、高速サブマージアーク溶接における溶接作業性改善を図った技術の開示がある。フラックスの改良および開発として、塩基度と溶接作業性の影響調査を行い、さらにフラックスの融点および粘度を指標化することで高速溶接における作業性改善を図っているが、SiO、CaO、CaFの組成限定範囲が非常に広く、SiO、CaO、CaFは、それぞれ全く異なる溶接作業性効果が得られることから、これらの組成限定範囲では、安定した溶接作業性は得られない。
さらに、特開平2−92497号公報(特許文献4)には、ニッケルスラグと溶融型フラックスを混合し、スパイラル鋼管の高速サブマージアーク溶接における溶接作業性改善を図った技術の開示がある。ニッケルスラグは、ニッケルの精錬工程において、ニッケル鉱石からニッケルを溶解還元した後のスラグであり、組成はSiOが50〜60質量%、MgOが30〜40質量%を主成分とする共晶組成で、安定した原料である。しかし、このニッケルスラグと溶融型フラックスを混合しただけでは、ニッケルスラグと溶融型フラックスでは、粒度構成、嵩比重が異なるため、均一に混合することができず、また搬送中、使用中にニッケルスラグと溶融型フラックスが分離し、偏析を起こすため、安定した溶接作業性は得られない。
特開2003−10995号公報(特許文献5)には、フラックスの成分、溶接により発生する溶融スラグの粘度、溶融スラグの凝固温度を限定し、傾斜部の高速サブマージアーク溶接における溶接作業性改善を図った技術の開示がある。溶接作業性改善の重要な要素として、特にTiOとAl比を特定しているが、傾斜部の高速サブマージアーク溶接においては、TiOとAlの比率をコントロールするだけでは安定した溶接作業性を得ることは難しい。
特開昭58−179595号公報 特開昭59−10496号公報 特開平4−238694号公報 特開平2−92497号公報 特開2003−10995号公報
本発明は、高速のサブマージアーク溶接において、溶接欠陥の無い健全な溶接金属を形成させ、また、スラグ剥離性が良好で美しいビード外観を得ることができるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
(1)質量%で、MnOを35〜45%およびSiOを35〜45%含むサブマージアーク溶接用溶融型フラックスにおいて、MnO 0.1〜1.0%、CaF :1〜9%、CaO:0.1〜8%、MgO:0.5〜7%、Al :0.5〜6%を含有し、FeOが7%以下であり、その他はアルカリ金属酸化物および不可避不純物であることを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
(2)サブマージアーク溶接に使用したMnO−SiO系溶融型フラックスのスラグを溶解用原料として全フラックス質量の95質量%以下用いたことを特徴とする(1)記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスにある。
本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスによれば、高速のサブマージアーク溶接においても溶接欠陥の無い健全な溶接金属を形成し、スラグ剥離性が良好で美しいビード外観を得ることができる。また、より高速のサブマージアーク溶接に適用できるので、溶接能率および生産性を著しく高めることができる。さらに、溶解用原料として、溶接に使用したサブマージアーク溶接用溶融型フラックスのスラグを再利用して、再び製品化できるため、環境改善およびコスト低減に大きく貢献することができる。
本発明の技術思想について以下に説明する。
高速のサブマージアーク溶接は、1電極または多電極(1〜4電極)により溶接することが多く、高速になるに従って、ビード外観およびスラグ剥離性の劣化、ビード幅不均一、溶込不良、融合不良、オーバーラップ、アンダーカット、ブローホール等の溶接欠陥を発生しやすくなる。
また、スパイラル鋼管の製造過程における内面溶接などの下り傾斜溶接においては、重力により次第に溶融金属および溶融スラグが垂れ下がり、アーク発生点位置に押しやられるため、コンケーブが発生しやすく、凹ビード、アンダーカットおよびオーバーラップになりやすい。一方、スパイラル鋼管の製造過程における外面溶接などの上り傾斜溶接においては、溶融金属および溶融スラグがアーク発生点位置から遠ざかり、溶接方向後方に押し戻されるため凸ビードになりやすく、アンダーカットが発生しやすい。
そこで、本発明者らは、上記の問題を改善するため、フラックス組成、フラックス製造方法および溶接条件等を鋭意検討した。その結果、フラックス組成中のMnOおよびFeOの含有量が極めて重要な影響を及ぼすことを見出した。
高速のサブマージアーク溶接においては溶接欠陥が発生しやすく、スラグ剥離性が劣化するため、まず従来の高速サブマージアーク溶接用溶融型フラックスをベースに成分組成の改良を行い、化学組成比率を適正化することで、フラックスの粘度、流動性、融点(軟化溶融点)を調整し、溶接欠陥を大幅に減少させることができた。しかし、従来のフラックスの化学組成比率をコントロールするだけでは限界があり、ビード幅の不均一、ビード外観、スラグ剥離性の改善には至らなかった。そこで、新たに見出したのがMnOの添加である。
高速溶接においてビード外観の劣化やビード幅の不均一、凸ビードとなるのは、スラグの表面張力が高いことが原因とわかり、ビード外観を良好にするにはスラグの表面張力を下げる必要があった。表面張力を下げる要素としては酸素量を増やすことが有効であり、そこでフラックスにMnOを添加し、溶接中に2MnO→2MnO+Oの分解反応によって、溶融スラグ中の酸素量を増大し、スラグの表面張力を下げることに成功した。これにより、波目の細かい均一で美しいビード外観となり、平滑なビード形状が得られ、スラグ剥離性も向上した。
酸素量を増やす手法としては、SiO量を増やすことも有効であるが、SiOを増加させるとスラグの粘度が高くなるため、凸ビードとなり、アンダーカットが発生する。したがって少量添加で酸素量を増やすことができるMnOが極めて有効であることがわかった。
またさらに、スラグ剥離性の向上とビード趾端部のスラグ焼付きを減少させるため、FeOの減少を行った。本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス中のFeOは不純物であり、種々の溶解原料には不純物としてFeOが含まれているものが多いため、どうしても最終製品にFeOが含まれてしまう。そこで、FeO含有量の少ない原料を使用することで、大幅にFeOを減少させることが可能となり、スラグ剥離性の向上とビード趾端部のスラグ焼付きを改善した。
このFeOを減少させる方法としては、溶解中にカーボンを適量添加することでFeOを還元し、Feを取り除いてもよい。FeOはSiO、MnO、CaO、MgO、Alに比べ酸化物生成の標準自由エネルギーが小さいため、FeOが最も還元されやすい状態にある。
次に製造方法の重要なポイントとしては、MnOの添加方法である。FeOを取り除くためカーボン添加によって還元反応溶解を行うが、MnOはFeOに比べ、酸化物生成の標準自由エネルギーが小さいため、すべての溶解原料を同時に溶解すると、MnOが先に還元されてしまい、MnOがほとんど残らない状態になってしまう。MnOは、通常の溶解では酸素がガス化しMnOになりやすいため、MnOを最終的な製品まで含有させることが困難であった。そこで、本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスではMnO以外の原料を先に溶解し、カーボンの適量添加によってFeOを還元した後、たとえば出湯直前に、MnOを添加溶解することによってMnOを最終製品に規定量含有させることが可能となった。
本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスは、溶解用原料として、溶接に使用したMnO−SiO系のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスのスラグを再利用することもできる。スラグには溶接中に鋼板および溶接ワイヤ中のFeが酸化してスラグアウトしたFeO量が増えているが、サブマージアーク溶接用溶融型フラックスの製造工程でカーボン還元によってFeOを取り除く製造プロセスを適用すれば問題ない。溶接スラグは本発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスの成分組成とほとんど同じMnO−SiO系であるため、安定した溶解原料として適用することが可能であり、リサイクル効果、環境改善、コスト低減等、社会的経済的にも大きく貢献することができる。
本発明は、以上の知見からなされたものであり、以下に本発明におけるフラックス成分組成の限定理由について説明する。
フラックスのMnOは、高速のサブマージアーク溶接において、良好なビード形状を形成するための最も重要な成分であり、スラグの粘性、流動性、融点の調整をするのに有効な成分である。その含有量が35質量%(以下、%という。)未満ではスラグの粘度が低下し流動し易くなるため、ビード蛇行、アンダーカットを生じる。一方、45%を超えるとスラグの粘度が高くなり、凸ビードとなり、スラグ巻込み、焼付きが発生し、スラグ剥離性が劣化する。したがって、MnOの含有量を35〜45%とする。
フラックスのSiOは、酸性酸化物のため、スラグの表面張力を下げる効果が得られ、また、スラグの粘度、融点を調整するための有効な成分である。その含有量が35%未満ではスラグの表面張力を下げることができず、また、粘度が不足し、コンケーブ、アンダーカット、オーバーラップを生じる。一方、45%を超えると、スラグの粘度が高くなりすぎて、凸ビードで趾端部のなじみが悪くなり、スラグ剥離性が劣化し、また溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化する。したがって、SiOの含有量を35〜45%とする。
フラックスのMnOは、ビード外観を良好にし、平滑なビード形状、良好なスラグ剥離性を得るための重要な成分であり、溶接中に2MnO→2MnO+Oの分解反応によって、溶融スラグ中の酸素量を増大し、スラグの表面張力を下げる有効な成分である。その含有量が0.1%未満ではスラグの表面張力を下げることができず、凸ビードとなり、スラグ剥離性が劣化する。一方、1.0%を超えるとスラグの表面張力が下がりすぎてビード外観が劣化し、ビード幅が不均一となり、また溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化する。したがって、MnOの含有量を0.1〜1.0%とする。
フラックスのFeOは、スラグ剥離性の劣化とビード趾端部のスラグ焼付きを生じる成分である。したがって、スラグ剥離性の向上とビード趾端部のスラグ焼付きを減少するためにFeOの含有量は7%以下とする。
フラックスのCaFは、靭性改善および融点調整のために有効な成分である。その含有量が1%未満では、靭性改善の効果がなく、またビード幅不均一、融合不良を生じる。一方、9%を超えると、コンケーブ、オーバーラップを生じ、ビード外観が劣化する。したがって、CaFの含有量を1〜9%とすることが好ましい。
フラックスのCaOは、スラグの融点および流動性を調整するために重要な成分である。その含有量が0.1%未満ではビード趾端部のなじみが悪く、アンダーカットも生じる。一方、8%を超えるとスラグ流動性が不良となり、ビード幅が不均一でスラグ剥離性も不良になるため、その含有量を0.1〜8%とすることが好ましい。
フラックスのMgOは、スラグの耐火性および粘性を調整するのに有効な成分である。高電流の高速溶接の場合、スラグの耐火性を高くする必要があり、その含有量が0.5%未満ではスラグの耐火性を向上させることができず、ビード形状が劣化し、ビード幅が不均一となる。一方、7%を超えるとビード表面に突起物が発生し、凸ビードで波目の粗い外観となり、アンダーカットを生じ、スラグ剥離性も劣化する。したがって、MgOの含有量を0.5〜7%とすることが好ましい。
フラックスのAlは、スラグ剥離性を良好にする効果がある。その含有量が0.5%未満ではスラグ剥離性が劣化するとともにアンダーカットも生じる。一方、6%を超えると凸ビードとなりスラグ剥離性も不良になるため、その含有量を0.5〜6%とすることが好ましい。
サブマージアーク溶接に使用したMnO−SiO系溶融型フラックスのスラグは、安定した成分組成の供給原料であり、リサイクル効果、環境改善、コスト低減に極めて有効なものである。その溶解用原料としてのスラグ量が全フラックス質量の95%を超えるとフラックス成分のほとんどがスラグ成分で決定されてしまうため、成分調整ができなくなり、安定した化学組成のフラックスを製造することができない。なお、MnO−SiO系のスラグ成分は、本願発明のサブマージアーク溶接用溶融型フラックスの組成に近い成分であることが、製造時の成分調整が容易であることから好ましい。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
表1に示す種々の化学組成のフラックスを試作したが、そのさいサブマージアーク溶接に使用した溶融型フラックスのスラグであって表2に示す組成のものを一部使用した。
溶接は、表3に示す化学成分の板厚12mmの鋼板とワイヤを用いた。図1に示す平板1の継手のI形開先2(ギャップゼロ)の両面1パス溶接の場合は、表4に示す溶接条件にて1電極サブマージアーク溶接を実施した。また図2に示すスパイラル鋼管3のI形開先4の両面1パス溶接の場合は、表5に示す溶接条件にて3電極サブマージアーク溶接を実施した。なお、表1に示す溶融型フラックスは、溶解後、粒度を12×150メッシュに整粒したものを用いた。
Figure 0004783708
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溶接作業性の評価は、ビード外観、ビード形状、スラグ剥離性、スラグ焼付き、スラグ巻込み、融合不良、アンダーカット、コンケーブ、オーバーラップの良否を調査した。ビード外観については、ビード表面の波目が細かく、均一で美しいビード形状であれば良好とし○、1つでも劣るものについては×とした。
ビード形状については、ビード幅および高さが均一で、凹凸の無い美しいビード形状であれば良好とし○、1つでも劣るものについては×とした。スラグ剥離性については、自然剥離およびハンマーまたはタガネを用いてスラグを軽打して簡単にスラグが剥離すれば良好とし○、軽打でスラグが剥離しなければ劣るとし×とした。
スラグ焼付きについては、スラグ剥離後、ビード表面およびビード趾端部にスラグの焼付きが無ければ良好とし○、1つでも劣るものについては×とした。スラグ巻込みについては、X線透過試験にて調査し、スラグ巻込みが全く無ければ良好とし○、1つでもスラグ巻込みが確認された場合は劣るとし×とした。
融合不良についても、X線透過試験で調査し、融合不良が全く無ければ良好とし○、1つでも融合不良が確認された場合は劣るとし×とした。アンダーカットについては、ビード趾端部にアンダーカットが全く無ければ良好とし○、1つでもアンダーカットが確認された場合は劣るとし×とした。
コンケーブについては、ビード表面中央にへこみが全く見られなければ良好とし○、若干でもへこみが認められる場合は劣るとし×とした。オーバーラップについては、ラップ幅が2mm未満のものを良好とし○、ラップ幅が2mmを超えるものを劣るとし×とした。
溶接金属部の機械的性能評価は、板厚中央部の溶接金属部中心よりシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)を採取して、機械試験を実施した。靭性の評価は0℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数3本の平均により評価した。なお、シャルピー吸収エネルギーは、27J以上であれば良好とした。これらの調査結果を表6にまとめて示す。
Figure 0004783708
表6から明らかなように、本発明例である試験記号T1〜T6は、フラックスF1、F2、F3、F4が本発明の構成要件を満足するため、良好な溶接金属靭性および良好なビード外観、ビード形状、スラグ剥離性が得られ、また、スラグ焼付き、スラグ巻込み、融合不良、アンダーカット、コンケーブ、オーバーラップ等の溶接欠陥の無い健全な溶接金属を得ることができ、極めて満足な結果であった。
これに対し、比較例である試験記号T7は、フラックスF5のMnOが高いので、凸ビードとなり、スラグ巻込み、焼付きが発生し、スラグ剥離性が劣化した。また、CaFが高いので、コンケーブ、オーバーラップを生じ、ビード外観も劣化した。
試験記号T8は、フラックスF6のMnOが低いので、ビード蛇行、アンダーカットを生じ、ビード外観が劣化した。また、CaFが低いので、溶接金属の靭性が低く、ビード幅不均一、融合不良も発生した。
試験記号T9は、フラックスF7のSiOが高いので、凸ビードで趾端部のなじみが悪くなり、スラグ剥離性が劣化した。また、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化した。さらに、CaOが高いので、ビード幅が不均一となった。
試験記号T10は、フラックスF8のSiOが低いので、コンケーブ、アンダーカットおよびオーバーラップが発生した。また、Alが高いので、凸ビードとなりスラグ剥離性し、ビード外観が劣化した。
試験記号T11は、フラックスF9のMnOが高いので、ビード外観が劣化し、ビード幅が不均一となった。また、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化した。さらに、CaOが低いので、ビード趾端部のなじみが悪く、アンダーカットが発生した。
試験記号T12は、フラックスF10のMnOが低いので、凸ビードとなり、スラグ剥離性が劣化した。また、MgOが高いので、ビード表面に突起物が発生し、凸ビードで波目の粗い外観となり、アンダーカットを生じた。
試験記号T13は、フラックスF11のFeOが高いので、スラグ剥離性が劣化し、ビード趾端部のスラグ焼付きが発生した。また、MgOが低いので、ビード形状が劣化し、ビード幅が不均一となった。
試験記号T14は、フラックスF12のMnOが高いので、ビード外観が劣化し、ビード幅が不均一となった。また、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化した。さらに、Alが低いので、スラグ剥離性が劣化するとともにアンダーカットも生じた。
試験記号T15は、フラックスF13の製造時に使用したスラグの使用量が多いので、MnOが低くなり、凸ビードとなり、スラグ剥離性が劣化した。
本発明の実施例に用いた平板継手の1電極サブマージアーク溶接用の開先形状を示す図である。 本発明の実施例に用いたスパイラル鋼管の3電極サブマージアーク溶接用の開先形状を示す図である。

Claims (2)

  1. 質量%で、MnOを35〜45%およびSiOを35〜45%含むサブマージアーク溶接用溶融型フラックスにおいて、MnO 0.1〜1.0%、CaF :1〜9%、CaO:0.1〜8%、MgO:0.5〜7%、Al :0.5〜6%を含有し、FeOが7%以下であり、その他はアルカリ金属酸化物および不可避不純物であることを特徴とするサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
  2. サブマージアーク溶接に使用したMnO−SiO系溶融型フラックスのスラグを溶解用原料として全フラックス質量の95質量%以下用いたことを特徴とする請求項1記載のサブマージアーク溶接用溶融型フラックス。
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