JP4992629B2 - バックライトユニット - Google Patents
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Description
光源の利用効率の向上には発光変換効率を高めたり、周辺の明るさに応じて調光する手段と併せて発光した光線の利用効率を高める手法がある。
BEFは、透明基材上に断面三角形状の単位プリズムを一方向に周期的に配列したフィルムである。このプリズムは光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)で形成されている。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)したり“リサイクル(recycle)”する。ディスプレイの使用時(観察時)に、光源から発光する光線についてBEFによって軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させることができる。
なお、「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向である。
BEFに代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材を液晶表示装置等のディスプレイに採用することは、多数の特許文献に開示されている(たとえば特許文献1乃至3参照)。
この光学フィルムの他方の面には、レンズの焦点面近傍が開口部となるようにストライプ状にパターン化された反射層が設けられている。単位レンズが半円柱状凸シリンドリカルレンズの場合、各々の単位レンズに1:1で対応して開口部が位置するように、反射層がストライプ状に形成される。このような反射層は、白色顔料、例えば二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤などの溶液に混合した混合物を、所定のパターンとなるように、レンチキュラーレンズの光源側の面に印刷または転写することにより形成されている。
この光学フィルムを液晶ディスプレイのバックライト・ユニットに組み込むと、光源から拡散フィルムを出射した光のうち、反射層間の開口部を通過した光のみがレンチキュラーレンズの各レンズに入射し、このレンズによって一定方向に集光されて出射される。この光学フィルムから出射した光は、偏光板に入射し、所定の偏光成分の光のみが液晶パネルに導かれる。
このような光学フィルムを用いたバックライト・ユニットでは、反射層間の開口部の大きさ及び位置を調節することによって、光の利用効率を高めながら、レンズから正面方向に出射される光の割合を高めるように制御することができる。
この冷陰極管等の影消しは、拡散板のヘイズ度(光散乱率)を上げて拡散度を向上させる方法が一般的であるが、拡散板によって単純に拡散度を強くすると、ディスプレイの輝度、とりわけ正面輝度を減じてしまい易く、明るさが低減する弊害が生じる。特許文献1〜3に記載されたディスプレイでは、BEFに代表されるような輝度向上フィルムの多くが、冷陰極管の像の影消しにはそれほど作用を及ぼさないため、別途、拡散フィルムを追加して設置することが一般的であるが、この場合には輝度の向上効果を低減する不具合が生じる。
また、特許文献5に記載されたディスプレイにおける楕円面反射鏡は凹面形状であり、この反射鏡を湾曲させるための空間が必要となるため、ディスプレイユニットの厚さを増してしまい、ディスプレイユニットの薄型化に逆行する欠点がある。
本発明によるバックライトユニットによれば、光源から背面側に出射する光が反射フィルムの略リニアフレネル構造の複数の反射面で反射され、光源と同一側に光源の虚像として結像される。そのため、光源から反射フィルムと反対側に出射する光と光源の虚像を通して出射する反射光とによって液晶表示素子等の対象物を照射できて正面輝度を含む輝度を増大できるため光の利用効率を向上できる。更に光源の虚像によって、見かけ上、光源が増加されたことになるため拡散板等を追加することなく光源の影消しを実現できる。
なお、各略リニアフレネル構造の各反射面の傾斜角(プリズム角)を調整して設定することによって、輝度の調整のみならず光源の虚像の結像位置や大きさを調整でき、面内明るさの均一性(ユニフォーミティ)の調整を行うことが出来る。しかも、略リニアフレネル構造の反射面が微細幅に設定されているために、反射フィルムの厚さを略平板状に保持することができ、反射フィルムを含む装置の薄型化に寄与する。
このような反射フィルムによって光源の虚像を結像することで、光源を見かけ上増やすことができてバックライトの輝度向上と観察時の光源の影消しに寄与する。
反射フィルムを複数のプリズムを用いて略リニアフレネル構造に形成することができ、複数のプリズムの表面に反射膜を被覆することで光源から出射する光の反射率を向上できる。
反射フィルムの略リニアフレネル構造を構成する各反射面の角度を、光源から入射する光を全反射させる臨界角度以上にそれぞれ設定することで反射効率を理論上100%と大幅に向上することが可能である。これにより、光源と光源の虚像から反射フィルムとは反対側に出射する光によって輝度を一層高めることができ、光源と反射フィルムを含む光源ユニットの小型化と省電力化などに寄与する。
また、全反射の原理上、反射面が透明であっても100%の反射が生じるため反射膜等を省略することができる。光源からの光を反射面で全反射させることで屈折光も原理上発生しないので、光量ロスにつながる余計な迷光も原理上発生せず、高効率を得ることが可能である。その結果、高い光利用効率とノイズレスな映像を得ることが可能となる。
光源からの光を反射フィルムの表面から内部に透過させ、背面の反射面で全反射させることで、反射フィルムの取り付け時や装着状態で傷や埃等がつきにくい。
しかも、バックライト用反射フィルムは略リニアフレネル構造で構成されているから、従来の凹面形状の反射鏡を用いたものと比較して、その厚さをより小さくして全体にほぼ一定厚の薄型に形成できる。そのため、この反射フィルムを用いたバックライトユニットの一層の薄型化に寄与する。
図1に示す液晶表示装置1は、第一の実施形態による反射フィルム及びバックライトユニットを含む一例を示すものである。この液晶表示装置1は、例えば略長方形板状をなすパネル本体2がその両面側を偏光板3,4で挟まれて構成された液晶表示素子(液晶パネル)5と、この液晶表示素子5の背面側に配置され、液晶表示素子5に対してその背面側から光を照射するバックライトユニット6とを備えている。
なお、本明細書において、背面側とは液晶表示素子5に対して光源の光を照射する方向の後方側を意味する。
光学シート8は、光源ユニット9から照射された光が入射する光指向性コントロールシートとして例えばレンチキュラーレンズシート10と、このレンチキュラーレンズシート10から出射された光が入射する反射型偏光分離シート11と、レンチキュラーレンズシート10と反射型偏光分離シート11との間に充填された低屈折材料層12とを備えている。
レンチキュラーレンズシート10は、シート本体14における出射面側にシリンドリカルレンズが単位レンズとして平行に複数配列されてなるレンズ部15が設けられるとともに、シート本体14における入射面側に単位レンズの焦点位置に対応した開口部16を有する散乱反射層17が設けられることによって構成されている。
レンズ部15の一例としては、レンチキュラーレンズ以外に、略半球状をなす複数のマイクロレンズがマトリックス状に配列されてなるマイクロレンズ部や、複数のシリンドリカルレンズが長さ方向を互いに交差させるように同一平面上に配置されてなるクロスレンチレンズ部などが挙げられる。
反射型偏光分離シート11は、レンチキュアーレンズシート10から出射された光のうち一方の偏光方向の直線偏光を透過するとともに他方の偏光方向の直線偏光を反射するように構成されている。なお、本実施形態では、反射型偏光分離シート11が、他方の偏光方向の直線偏光を散乱反射するものとなっている。この反射型偏光分離シート11の一例としては、例えば複屈折性多層膜からなるものや、コレステリック液晶層及び位相差板からなるものなどが挙げられる。
本実施形態によるバックライトユニット6における光源ユニット9は、例えば空気の超微粒子が分散混入された白色のPETフィルムなどからなる散乱反射層20が内面に形成された筐体21の内部に、例えば冷陰極管(CCFL)などの略棒状をなす光源ランプ22が複数配列されている。
そして、筐体21の内面の平面状領域における散乱反射層20と複数の光源ランプ22との間には反射フィルム25が配設されている。図1及び図2に示す例では光源ランプ22は例えば反射フィルム25の両側近傍に2本配列されている。
各フレネル部28を構成する2面の反射面28a、28bには光吸収を防ぐと共に反射率を向上させる薄膜の反射膜29が設置されているが、反射膜29を設けなくてもよい。各反射面28a、28bはそれぞれ平面に形成されているが、本実施形態では光源ランプ22の光を反射させて虚像を結像する反射面28aが少なくとも平面であればよい。
しかも、リニアフレネル層27の各フレネル部28は、その一方の反射面28aがリニアフレネル層27の両側近傍に配設された光源ランプ22から背面側に出射される光を反射させて、光源ランプ22から所定間隔離れた位置に光源ランプ22の虚像である光源ランプ像22Aを結像するように集光させる角度にそれぞれ傾斜角を調整されて配列されている。
なお、各反射面28aの傾斜角(プリズム角)を調整して設定することによって、輝度の調整のみならず光源ランプ22の虚像の結像位置や大きさを調整でき、面内明るさの均一性(ユニフォーミティ)の調整を行うことが出来る。
図2に示す例では、リニアフレネル層27は、中央の二つの反射面28a,28aからなるフレネル部28Aと両端縁の1つの反射面28aを有するフレネル部28B、28Bとの間の2つのリニアフレネル層部27a、27aがほぼ線対称に形成されていることになる。
ここで、反射フィルム25は、支持フィルム26が例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などのフィルムとされ、リニアフレネル層27は一般的な合成樹脂製フィルムであれば特に限定されないが、例えばウレタン(メタ)アクリレート等を用いることができる。不透明体であっても使用可能である。
各フレネル部28の反射面28a、28bに被覆する反射膜29として、例えばアルミや銀等を用い、コーティング、メッキ、蒸着、スパッタ等で反射面28a,28bに密着されている。これによって、光吸収を防ぐと同時に反射率を向上させて液晶表示素子5に向かう光源ユニット9からの光量UPを図ることが出来る。
そのため、光源ランプ22から液晶表示素子5方向に出射する光に加えて、虚像である光源ランプ像22Aを結像した光とが、それぞれレンチキュラーレンズ10、低屈折材料層12及び反射型偏光分離シート11を透過して液晶表示素子5方向に向かう。液晶表示素子5を透過する映像は正面輝度が増大すると共に光源ランプ22の像が視認できず、「影消し」が行われる。
反射フィルム25を一層で形成した場合、熱押出し法などの安価かつ大量生産可能な加工方法を用いることができる。また、反射フィルム25を二層構成とした場合、支持フィルム26上にレンズ/ミラー構造であるリニアフレネル層27を押し出し成形等で製造することができる。
なお、リニアフレネル層27の各反射面28aの傾斜角度の調整によって輝度の調整のみならず、虚像である光源ランプ像22Aの結像位置や大きさを調整でき、面内明るさの均一性(ユニフォーミティ)の調整を行うことが出来る。その際、充分に細かいピッチのプリズム28を用い、それらの反射面28a、28bの角度調整により光学特性を調整することで、反射フィルム25全体の構成、特に厚さはほぼ一定に保つことができる。
更に、反射フィルム25をリニアフレネル層27によってシート状に形成したから、凹面反射鏡を用いた従来の反射部材と比較してその厚みが小さい薄型となり、バックライトユニット6や液晶表示装置1等を一層薄型にできる。
更に、同一の層構成でも、プリズム28のプリズム角を個別に調整することで、柔軟に多数のモデルに対応すること可能となる。
第一実施形態による反射フィルム25では、2つの光源ランプ22、22の間にそれぞれ虚像としての光源ランプ像22A、22Aを結像するようにしたが、これに代えて変形例として、図4に示すように、光源ランプ22と光源ランプ像22Aを交互に設置できるように、光源ランプ22の配置と反射フィルム25のリニアフレネル層27におけるプリズム28の配置を形成するようにしてもよい。
図5は光源ランプと反射フィルムの位置関係を示す第一実施形態による図と同様な図、図6は図5における光源ランプからの光と反射フィルムの全反射面との関係を示すB部拡大図である。
本実施形態による反射フィルム32は光透過性の透明なリニアプリズム層33で構成されており、筐体21の内面に空気層31を介して図示しない支持部で固定されている。光を透過するリニアプリズム層33の表面33aに対して光源ランプ22の反対側の面即ち背面が全反射面33bに形成されている。全反射面33bは複数の微細幅で平面状の反射面34が光源ランプ22の延在方向と同一方向へ平行に延びて配列されている。
しかも、光源ランプ22から射出する光がリニアプリズム層33内の全反射面33bの各反射面34で反射して虚像の光源ランプ像22Aを結像するよう集光させられるよう各反射面34の傾斜角をそれぞれ設定しておくものとする。
即ち、各反射面34は、例えば図6に部分拡大図で示すように、一方の端部領域に形成される複数の反射面34を端部から内側に順に反射面34a、34b、34c、34d、…とした場合、光源ランプ22から端部の反射面34aに入射する光L1の入射角θ1が臨界角以上となって全反射するように第一の反射面34aの傾斜角を設定しておく。
このようにして、光源ランプ22(第一の焦点位置)からの光L1,L2、L3…は全反射面33bの各反射角34a、34b、34c、34d、…で光を入射角θ1、θ2、θ3、…で全反射させ、虚像の光源ランプ像22A(第二の焦点位置)を、光源ランプ22から所定間隔の位置に結像させる。
更に、光源ランプ22からリニアプリズム層33に入射した光を全反射で戻すため、反射膜29での反射よりも高い反射率(理論上100%)を得ることができ、光利用効率の向上をもたらす。
また、反射フィルム32としてのリニアプリズム層33は、光線の反射原理に全反射を利用することで十分な反射率が得られるので、第一実施形態による反射フィルム25に設けた反射膜29は本質的に必要としない。そのため、反射フィルム32の加工工程を減ずることが可能となり、高い生産性を得られ、反射フィルム32の成型面は光源ランプ22と反対側に位置するため、工場での光源ユニット9の組み立て時などにスクラッチなどによる摩擦痕などの損傷を受けにくくなり、工程収率を向上できる。
更に、リニアプリズム層33を筐体21の内面側の乱反射層20に空気層を介して密閉して接合することで、液晶表示装置1の完成後にホコリ等が全反射面33bに付着すること等を防ぐことができ、製品寿命確保の上から望ましい。
反射フィルム25のシート状の支持フィルム26は機械的に充分な強度を得られる程度の厚みがあれば良く、筐体21に貼合/接着などにより裏打ちされる場合には、支持フィルム26の厚みは、通常50μmから200μm程度で充分である。
支持フィルム26としては、紫外線透過性を有する透明な樹脂フィルムが好ましく、リニアフレネル層27が形成される面に紫外線硬化性樹脂の易接着処理を施していると一層好ましい。支持フィルム26の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。
放射線硬化型樹脂としては、例えばウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび/またはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーに反応希釈剤、光重合開始剤、光増感剤などを添加した組成物を用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは特に限定されないが、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコールなどと、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンイソシアネートなどのポリイソシアネート類とを反応させて得ることができる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーについても特に限定されないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂類と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得ることができる。
リニアフレネル層27を製造するには、支持フィルム26の表面に塗布装置などを用いて溶融状態(硬化前)の例えば紫外線硬化型樹脂を塗布したシートを製造する。
ここで、紫外線硬化型樹脂の塗布装置は特に限定されないが、ドクターブレード、ダイコーターなどが望ましい。支持フィルム26への紫外線硬化型樹脂の塗布厚は、形成するリニアフレネル層27の各プリズム28の形状によって異なるが、0.02〜0.2mmが適切である。紫外線硬化型樹脂の塗布厚は、樹脂の粘度、支持フィルムの送り速度などによって調整することができる。
そして、支持フィルム26上に紫外線硬化型樹脂を塗布したシートを回転ロールとレンズ成型用型とで挟持し、回転ロールで支持フィルム26を押圧しレンズ成型用型で紫外線硬化型樹脂の層を押圧する。この状態で、回転ロールとレンズ成型用型とを同期して回転させることで上記シートを繰り出す。紫外線硬化型樹脂の層にレンズ成型用型を押し付けて回転させることで各プリズム28のレンズ構造を転写する。
その後、紫外線照射装置によって上記シートの紫外線硬化型樹脂の層に紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂の層を硬化させることで支持フィルム26上にリニアフレネル層27が一体に積層されてなる反射フィルム25が形成される。
なお、紫外線硬化型樹脂の層を硬化させた後、支持フィルム26を剥離させてリニアフレネル層27のみを形成するようにしてもよい。
(実施例1)
実施例1として、図4に示す反射面29が光源側に配置された反射フィルム25について説明する。反射フィルム25の構成は2層構造とし、UV成型法を用いてレンズフィルムを得る方法を採用した。
まず、反射フィルム25の支持フィルム26として厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡A4300)を使用する。支持フィルム26上に紫外線硬化性樹脂を層状に塗布し、紫外線硬化性樹脂にレンズ成型ロールのレンズ構造を転写する。その後、紫外線硬化性樹脂の層に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させてレンズ層としてリニアフレネル層27を形成することにより、反射フィルム25を作製した。
リニアフレネル層27における複数の反射面28aの光学形状は平面状とし(略楕円形状でもよい)、第一焦点位置に冷陰極管が配設され、冷陰極管から出射する光がリニアフレネル層27の各反射面28aで反射して結像する第二焦点位置に冷陰極管の虚像を生成する形状とした。
なお、リニアフレネル層27の前記形状を成形するためのレンズ成型ロールは、円筒形の銅メッキシリンダー上に円筒形状に沿ってリニアフレネル層27の複数のプリズム28の転写形状を切削加工して、成型用の版を得た。この版は切削加工の後、表面保護のためにCrメッキを施した。表面保護のメッキに関してはNiメッキなどでもよく、成型速度、耐擦性など使用実態に合わせて適宜選定すればよい。
この反射フィルム25を、冷陰極管が設置された筐体21の散乱反射層20上に冷陰極管と位置を合わせて設置してラミネートした。冷陰極管は、冷陰極管は必要な間隔の2倍、ここでは40mm間隔で配置し、本来必要な数の1/2で構成している。なお、冷陰極管の間隔は図2に示す構成のように必要な間隔の3倍、例えば60mm間隔で配置し、その間に2つの冷陰極管の虚像を結像するようにしてもよい。
実施例2として、図5及び図6に示す反射面34を有する全反射面33bが光源ランプ22と反対側に配置されたリニアフレネル層33からなる反射フィルム32について説明する。
反射フィルム32の支持フィルムとして厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡A4300)を使用した。実施例1と同様に、支持フィルム上に紫外線硬化性樹脂を層状に塗布し、紫外線硬化性樹脂にレンズ成型ロールのレンズ構造を転写させて全反射面33bを成形する。その後、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させて全反射面33b(レンズ層)を形成することにより、反射フィルム32を作製した。反射フィルム32は作製後に支持フィルムを剥離する。
或いは支持フィルムを反射フィルム32の一部として一体化した2層構造で構成してもよい。
反射フィルム32における全反射面33bの光学形状は、表面33aから入射する透過光と反射面34での反射光とに関して、第一焦点位置に冷陰極管が配設され、第二焦点位置に冷陰極管の虚像を生成する形状とし、各反射面34は入射光が全反射する全反射角を満たす角度に決定した。
なお、全反射面33bを形成するためのレンズ成型ロールは実施例1で製作したものと同様な構成を有しているものとする。
5 液晶表示素子
6 バックライトユニット
9 光源ユニット
22 光源ランプ
22A 光源ランプ像
25、32 反射フィルム
26 支持フィルム
27、33 リニアフレネル層
28 プリズム
28a、34、34a、34b、34c、34d 反射面
29 反射膜
33b 全反射面
Claims (4)
- 複数並設してなる棒状の光源と、該光源の背面側に設置されていて前記光源に沿って延びる微細幅の複数の反射面が断面山形に配列されている略リニアフレネル構造の反射フィルムとを備え、
前記反射フィルムは、複数の前記断面山形の反射面が光源からの光を反射させて前記光源の虚像を結像する角度にそれぞれ形成され、前記光源の虚像は前記反射フィルムに対して光源と同一側に結像され、
前記光源と該光源の虚像は、前記反射フィルムの反射面の配列方向に沿って所定間隔を開けて隣接する位置に配列されていることを特徴とするバックライトユニット。 - 前記反射面は、略リニアフレネル構造を形成する複数のプリズムの一方の面にそれぞれ形成されていて、前記複数のプリズムの表面には反射膜が被覆されている請求項1に記載のバックライトユニット。
- 前記反射面は、光源からの入射光を全反射させる角度にそれぞれ形成されている請求項1に記載のバックライトユニット。
- 前記反射面は、前記光源からの光を透過する表面に対して反対側の面に配列形成されている請求項3に記載のバックライトユニット。
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