以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<データベースシステムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係るデータベースシステム1の概要を示す図である。
データベースシステム1は、例えば、病院内で診療情報を管理・処理するためのシステムであり、LAN等のネットワーク回線NTWに、サーバ100、及び端末10,20が相互にデータ送受信可能に接続されている。また、サーバ100には、記憶部200がデータ送受信可能に接続され、更に、ネットワーク回線LNを介して端末30〜50がデータ送受信可能に接続されている。
記憶部200は、診療対象である多数の患者に係る医療情報(以下「診療情報」とも称する)を記憶する診療情報データベース(DB)210を格納している。
診療情報DB210には、各患者について放射線科で放射線撮影によって得られた複数の画像データ(画像情報)と、当該複数の画像データについての読影レポートを示すデータ(読影レポート情報)とが、各患者の属性(患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別等)と関連付けられて格納されている。つまり、ここでは、診療情報DB210は、多数の読影レポート情報が格納されたデータベース(レポートDB)となっている。
また、診療情報DB210には、多数の患者についての検査の一覧を示すリスト(検査リスト)の情報(検査リスト情報)が格納される。検査リスト情報には、例えば、検査毎にDICOM属性が付与されており、その中には、モダリティや検査部位等に係る情報が含まれている。更に具体的には、検査リスト情報には、例えば、各検査に係る患者の属性(患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別)、読影レポートを作成したか否かを示す状態、検査を特定する検査ID、検査日、検査対象にあたる部位、撮影条件を示すモダリティ、及び撮影枚数をそれぞれ示す情報が含まれている。そして、診療情報DB210では、担当医からのオーダーリング(依頼事項)や検査の詳細(患者や検査に係る情報)を示す属性情報が検査IDと関連付けられて格納されている。
サーバ100は、診療情報DB210に対する各種情報の書き込み/読み出しを行うとともに、診療情報DB210に格納される各種情報に基づいた情報処理を行う。サーバ100における情報処理は、端末10〜50に搭載されたデータ管理機能によって適宜管理される。
データベースシステム1では、例えば、端末10,20が患者の担当医が使用する端末、端末30が放射線科の読影医が読影レポートを入力する端末(レポート入力装置)30、及び端末40,50が放射線科の技師が使用する端末である。
端末10,20から放射線科の端末40,50に対してオーダーが入ると、放射線科の技師がMR装置やCR装置等を用いて患部の画像データを取得する。当該患部の画像データは、端末40,50からサーバ100を介して診療情報DB210に格納される。その後、放射線科の医師が、レポート入力装置30において、診療情報DB210に格納されている画像データを可視的に出力させた画面を参照しつつ読影レポートを入力する。
サーバ100は、診療情報DB210に既に格納されている読影レポート(既存読影レポート)を利用して、新規な読影レポートの入力を支援する情報(入力支援情報)を作成し、当該入力支援情報から必要な情報を取得(抽出)してテンプレート表示の形でレポート入力装置30に提供する。なお、サーバ100において新規な読影レポートの入力を支援する機能を以下「入力支援機能」(後述)とも称する。
図2は、データベースシステム1における入力支援機能に係る情報処理内容の概要を示す図である。
診療情報DB210には、撮影された画像や作成された読影レポートを示すデータが保管されている。レポート入力装置30は、診療情報DB210から読影対象の画像データを取得し、読影レポートを示すデータを作成する装置である。そして、サーバ100が、診療情報DB210から既存の読影レポートを示すデータを読み出して、解析機能によって解析することで、読影レポートの作成・入力を支援する情報(入力支援情報)が作成され、入力支援DB111に格納される。レポート入力装置30では、入力支援情報を利用して、新規な読影レポートの入力が行われる。また、新たに作成された読影レポートを示すデータは、診療情報DB210に追加されるとともに、入力支援DB111に格納される入力支援情報の補強に使用される。
図3は、レポート入力装置30において新規な読影レポートを入力する状態を例示する図である。図3に示すように、レポート入力装置30では、放射線科の読影医が、診療情報DB210に格納される患者の画像データを可視的に出力した画面(画像表示画面)M1,C1を適宜参照しつつ、読影レポートの入力画面401において新規な読影レポートを入力する。
<入力支援機能>
入力支援機能は、診療情報DB210に格納された多数の読影レポートを過去の知識として、当該多数の読影レポートから、新規な読影レポートの入力に必要な要素を抽出してRDF(Resource Description Framework)等を利用して構造化することで、入力支援情報を作成し、適宜提示等を行う機能を有する。
入力支援機能によって実現される動作は、主に、入力支援情報を作成する動作(支援情報作成動作)、入力対象の新規な読影レポートに対応する検査の選択に係る動作(検査選択動作)、及び入力支援情報に基づいて新規な読影レポートの入力を実際に支援する動作(入力支援動作)の3つの動作を備えて構成される。
<機能構成>
図4は、データベースシステム1のうち入力支援機能及び入力支援機能を利用した新規な読影レポートの入力に係る機能構成を示すブロック図である。図4で示す機能構成のうち、制御部120,31の備える機能は、サーバ100、及び端末(レポート入力装置)30において、それぞれハードディスク等によって構成される記憶部110,34に格納されたプログラムをCPU等によって構成される制御部120,31で実行することによって、実現される機能を概念的に示すものである。なお、当該機能構成で実行される各種情報処理において一時的に記憶される各種データは、例えば、制御部120,31にそれぞれ内蔵されているRAM等に適宜一時記憶される。
サーバ100は、主に、記憶部110と制御部120とを備えて構成される。
記憶部110は、サーバ100における各種制御や機能などを実現するための各種プログラムや各種データを格納している。例えば、記憶部110は、入力支援DB111と設定ファイルデータベース(DB)112とを記憶している。
入力支援DB111には、支援情報作成動作によって作成された入力支援情報が格納される。入力支援情報の具体的な内容については後述する。
設定ファイルDB112には、入力支援DB111からの情報を要求する複数の条件(複数の情報要求条件)に含まれる各情報要求条件に対して、入力支援DB111から一部の情報を取得するルール(以下「情報取得ルール」とも称する)と、当該一部の情報を取得した結果(以下「情報取得結果」とも称する)を表示する画面(以下「結果表示画面」とも称する)を生成するルール(以下「画面生成ルール」とも称する)との組合せを格納したファイル(設定ファイル)がそれぞれ関連付けられた情報(以下「ルール設定情報」とも称する)が記憶されている。
制御部120は、サーバ100の各種制御や機能などを統括制御するものであり、データ読込部121、検査済判定部122、データ構築部123、設定ファイル認識部124、支援情報検索部125、設定ファイル更新部126、レポート構成部127、及びデータ書込部128を機能として備えている。
データ読込部121は、診療情報DB210から、読影レポートを示す情報(読影レポート情報)と、当該読影レポート情報に対応する属性情報(例えば、依頼事項、患者属性、及び検査属性に係る情報)と、検査の一覧を示す情報(検査リスト情報)とを読み込む。そして、データ読込部121は、支援情報作成動作、及び入力支援動作においては、読影レポート情報と属性情報と検査リスト情報とを検査済判定部122に送出し、検査選択動作においては、検査リスト情報をレポート入力装置30の制御部31に送出する。
検査済判定部122は、検査リスト情報を参照することで、各検査の読影レポートについて所見文等を書き込んで読影レポートが作成されているか否かを判定する。そして、検査済判定部122は、支援情報作成動作においては、作成済みの読影レポート情報(すなわち検査済みの読影レポート情報)を属性情報とともにデータ構築部123に送出し、入力支援動作においては、未完成の読影レポート情報(すなわち未検査の読影レポート情報)を属性情報とともにレポート入力装置30の制御部31に送出する。
データ構築部123は、複数の読影レポートを対象として、読影レポートを構成する自然文である所見文から必要な要素を抽出するとともに、属性情報に含まれる各種要素も抽出し、RDFを利用して構造化を行うことで、入力支援情報を作成して、入力支援DB111を構築する。ここで作成される入力支援情報は、所見文を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該複数要素の項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた情報(以下「関連情報」とも称する)を含む情報(以下「要素関連情報」とも称する)となっている。
設定ファイル認識部124は、ユーザーが操作部32を種々操作することによって入力される信号に応答して、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報に含まれる複数の情報要求情報のうちの1つの情報要求条件を認識する。そして、設定ファイル認識部124は、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報を参照することで、認識された1つの情報要求条件に対応する情報取得ルールと画面生成ルールとの組合せを格納した設定ファイルを認識して採用する。
支援情報検索部125は、設定ファイル認識部124によって認識された設定ファイルに係る情報取得ルールに従って、入力支援DB111に格納される要素関連情報から一部の関連情報(以下「一部関連情報」とも称する)を取得する。なお、ここでは、情報取得ルールは、入力支援DB111に格納される要素関連情報から一部関連情報を取得する手法を規定するルールとなっている。
また、支援情報検索部125は、設定ファイル認識部124によって認識された設定ファイルに係る画面生成ルールに従って、一部関連情報に基づき、複数要素の項目にそれぞれ属する各要素が各項目間で相互に関連付けられた情報(ネットワーク情報)の一覧表示を含む結果表示画面に係るデータ(結果表示画面データ)を生成し、制御部31に対して出力する。なお、ここでは、画面生成ルールは、情報取得の結果物にあたる一部関連情報の一覧表示を提示する画面を生成する手法を規定するルールとなっている。
設定ファイル更新部126は、設定ファイルDB112に予め記憶されていた複数の情報要求条件とは異なる新規な情報要求条件に対応する情報取得ルールと画面生成ルールとの新規な組合せを格納した新たな設定ファイルを、設定ファイルDB112に追加する。具体的には、ユーザーが操作部32を種々操作することで入力される信号に応答して、設定ファイルDB112に格納されるルール設定情報には含まれていない新規な情報要求条件に対する情報取得ルールと画面生成ルールとの新規な組合せを示す新規な情報(新規なルール情報)が制御部31で受け付けられる。そして、制御部31から新規ルール情報が設定ファイル更新部126に転送され、設定ファイル更新部126が、新規ルール情報に基づき、新規な情報要求条件に対して新規なルールの組合せが関連付けられた情報を、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報に対して追加することで、ルール設定情報が更新される。
なお、設定ファイル更新部126の機能による設定ファイルDB112の更新は、ルール設定情報に対して、新規な情報要求情報についての新規なルールの組合せを追加する態様だけに拘わらず、例えば、設定ファイルDB112において既に格納されているルールの組合せや情報要求条件の内容を変更するようなものでも良い。
レポート構成部127は、入力支援動作において、ユーザーによる操作部32の操作に応じて構造化データの形式で制御部31から入力される新規なレポートデータ(以下「構造化レポートデータ」とも称する)を受け付けて、当該構造化レポートデータに基づき、所定のルールに沿った新規な読影レポート情報を生成する。
データ書込部128は、レポート構成部127で生成された読影レポート情報を診療情報DB210に追加する。
レポート入力装置30は、主に、制御部31、操作部32、表示部33、及び記憶部34を備えて構成される。
制御部31は、レポート入力装置30の各種制御や機能などを統括制御するものであり、タスク管理部311、及び表示制御部312を機能として備えている。
タスク管理部311は、新規な読影レポートを入力する対象となる検査(レポート入力対象検査)が選択されると、レポート入力対象検査に対応する新規な読影レポートの作成に係るタスクを特定する。
表示制御部312は、サーバ100から入力される各種情報等に基づいて、表示部33において、各種画面を可視的に出力させる。例えば、支援情報検索部125から入力される結果表示画面データに基づいて結果表示画面を表示部33において可視的に出力させる。
操作部32は、キーボードやマウス等を備えて構成され、ユーザーによって適宜操作されることで、各種信号を制御部31に対して出力する。
表示部33は、液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイによって構成され、例えば、支援情報検索部125において生成された結果表示画面データを表示制御部312による制御に応じて可視的に出力する。
記憶部34は、レポート入力装置30における各種制御や機能などを実現するための各種プログラムや各種データを格納している。
以下、図4を参照しつつ、入力支援機能によって実現される主な3動作である支援情報作成動作、検査選択動作、及び入力支援動作について順次説明する。
<支援情報作成動作>
まず、データ読込部121が、診療情報DB210から、読影レポート情報と、当該読影レポート情報に対応する属性情報と、検査リスト情報とを読み込み、検査済判定部122に送出する。検査済判定部122が、検査リスト情報を参照することで、各検査について読影レポートが作成されているか否かを判定し、作成済みの読影レポート情報を属性情報とともにデータ構築部123に送出する。そして、データ構築部123が、読影レポートの自然文である所見文から必要な要素を抽出するとともに、属性情報に含まれる各種要素も抽出し、RDFを利用して構造化を行う。この読影レポートの要素の構造化は、例えば機械学習を利用して実現される。
以下、データ構築部123における機械学習及び読影レポートの構造化について説明する。
まず、例えば、教師データとして学習用コーパス等が与えられることで、構造化の基準となる情報を学習する。
学習用コーパスは、読影レポートの所見文の形式(文章モデル)に準じた大量のテキストデータを含む。この文章モデルは、例えば、撮影条件→部位→基本所見(特徴−結語)→診断1(診断−結語)→診断2(診断−結語)といった具合に、読影レポートの所見文の構成を示すものである。そして、学習用コーパスでは、例えば、読影レポートのモデル(「レポートモデル」とも称する)に含まれる所見文の文章モデルを構成する各要素の分類項目名が各語句にタグ付けされている。
例えば、要素の分類項目としては「診断内容のカテゴリ(以下「カテゴリ」と略す)」「撮影条件」「部位」「基本所見」「概略診断内容(以下「診断1」と略す)」、及び「詳細診断内容(以下「診断2」と略す)」等が挙げられる。
そして、学習用コーパスでは、例えば、「脳梗塞」「虚血性変化」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「カテゴリ」がタグ付けされている。「T1画像」「T2画像」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「撮影条件」がタグ付けされている。「前頭葉」「側頭葉」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「部位」がタグ付けされている。「点状、斑状の高信号域」「点状の高信号域」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「基本所見」がタグ付けされている。「陳旧性脳梗塞」「広範な陳旧性脳梗塞」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「診断1」がタグ付けされている。「血栓性梗塞」「塞栓性梗塞」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「診断2」がタグ付けされている。
なお、このような学習用コーパスがデータ構築部123に対して外部から与えられる際に、後述する新規な読影レポートを作成するために、結語をある程度特定した代表的な文章モデルを示すデータも外部から与えられる。
データ構築部123の機械学習機能は、学習用コーパスから語句を抜き出し、対応する要素の分類項目毎にそれぞれ記憶する。つまり、データ構築部123では、学習用コーパスを含む教師データを学習教材とし、教師データを参照して要素の分類項目毎に各要素の分類項目に属する語句を学習して記憶する。ここで、学習されて記憶されるデータは、既存読影レポートを構成する各要素をどのような要素の分類項目に分解するのかを示すモデルのデータ(モデルデータ)として使用される。
更に、データ構築部123の識別機能は、上述の如く学習されたモデルデータを基準としつつ、公知のSVM(Support Vector Machine)を用いて、データ構築部123に入力される読影レポートを対象として、要素の分類項目と実際に使用されている語句とを識別する。
なお、上述した機械学習の方法を用いると、予め教師データにおいて与えられた要素(ここでは、語句)についてしか、要素の分類項目を識別することができないが、以下の機械学習の方法を利用することで、予め教師データで与えられていなかった要素についても、要素の分類項目を識別することができる。
例えば、データ構築部123の機械学習機能が、学習用コーパスを形態素解析によって形態素に分解し、形態素毎に、形態素そのもの、形態素の品詞、形態素の活用形、前後(例えば前後2つ)の形態素の情報等を用いて、ある分類項目に属する形態素が出現するパターンを学習する。そして、データ構築部123の識別機能が、当該パターンに従って、予め与えられていなかった要素(ここでは語句)についても、要素の分類項目を認識することができる。
より具体的には、例えば、データ構築部123の機械学習機能は、学習用コーパスに「**に沿って」(「**」部には種々の語が入る)といった形の文が頻出する場合に、「**」の部分に部位を示す語句が頻出するときには、「**」の部分には部位を示す語句が入るというパターンを学習することができる。そして、データ構築部123の識別機能は、このようなパターンを利用すれば、既存読影レポートを対象として、語の前後関係からフレーズ「下垂体/に/沿って」から「下垂体」を部位を示す語句として抽出することができる。なお、上記機械学習は、いわゆるSVM(Support Vector Machine)を利用することで実現することができる。このような機械学習によって自然言語処理の精度が向上する。
そして、データ構築部123に含まれるデータ構造化機能では、識別機能によって識別された情報に基づき、読影レポート情報及び属性情報に含まれる各種情報を、要素の分類項目毎に属する語句(要素)に分解してRDFで記述することで、読影レポートに係る情報を構造化する。
図5は、1つの読影レポートの要素(既存読影レポートの属性情報を構成する要素も含む)が構造化されたデータ(以下「単レポート構造化データ」とも称する)を例示する図である。図5に示すように、読影レポートのファイル「A−0001」に対して、RDFによって、要素の分類項目「カテゴリ」「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断1」「診断2」をそれぞれ属性の項目とし、各属性に対して属性値「脳梗塞」「T2、RLAIR画像」「前頭葉」「高信号域」「急性期脳梗塞」「前大脳動脈の閉塞」がぞれぞれ関連付けられて記述されている。また、属性情報に係る属性の項目「検査部位」「患者」「読影医師」「モダリティ」に対して「頭部(SKULL)」「特許太郎」「特許花子」「MR」がそれぞれ関連付けられ、更に、患者の属性に対して、属性の項目「性別」及び「年齢」について「M」と「53」とがそれぞれ関連付けられて記述されている。なお、単レポート構造化データにおいて関連付けの対象となる属性の項目(属性項目)は、図5で示したものに限られず、例えば、検査属性の情報に含まれる他の属性項目を含めても良い。
また、データ構築部123では、図5で示したような単レポート構造化データを、機械学習機能、識別機能、及びデータ構造化機能によって、診療情報DB210に格納された多数の検査済み読影レポート情報についてそれぞれ作成する。
そして、データ構築部123では、各単レポート構造化データにおいて1つのファイルに対して関連付けられている複数の属性値を、属性項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理を、多数の単レポート構造化データの全てについて行う。そして、この処理の結果として、複数の属性項目に含まれる属性項目毎に複数の属性値(ここでは、語句)が列挙されるとともに、属性項目間で、属性値どうしが相互に(ネットワーク状に)関連付けられた関連情報(以下「ネットワーク情報」とも称する)が作成される。このネットワーク情報は、所定の記憶部110に記憶されることで、読影レポートの入力を支援する情報(入力支援情報)とされ、データベース(入力支援DB)110が構築される。なお、ここでは、RDFを利用することで、ネットワーク情報を容易に記述することができる。
図6は、多数の既存読影レポートに係る要素が構造化された例を示す図であり、検査部位「頭部(SKULL)」についてのネットワーク情報を例示している。図6では、関連付けられた語句どうしを線で結んで示している。なお、図6では、図の複雑化を避けるために、語句を適宜「○○○」等と記載するとともに、関連付けを示す線も図中の比較的上部に位置するものを例示して、その他の線は省略している。
また、データ構築部123で、ネットワーク情報を作成する際には、各単レポート構造化データにおいて関連付けられた各項目間における語句の組合せの回数をカウントし、当該カウント情報を、入力支援DB111に格納しておく。例えば、「頭部−MR−M−脳梗塞−T2,FLAIR像−前頭葉−高信号域−急性期脳梗塞−前大動脈の閉塞」等といった語句の組合せの回数がカウント情報に記憶される。
入力支援DB111に格納されるネットワーク情報では、既存読影レポートにおいて、どのような語句がそれぞれ記述されたのかを、属性項目間で、語句どうしが関連付けられた態様で示される。そのため、当該ネットワーク情報を可視的に出力して、新規な読影レポートを入力する際に利用すると有効である。特に、各属性項目を入力する要素の項目(入力要素項目)とし、各属性項目に列挙される複数の語句を入力する候補(選択肢)として、テンプレート表示の形態で提供すれば有効である。
ところで、入力支援DB111に格納されるネットワーク情報では、各属性項目に列挙される語句について、同義語(例えば「T2強調画像」と「T2W1」等)が多いと、選択肢が増大し過ぎて、選択肢の指定が困難となる。そこで、同義語については、データ構築部123の識別機能で、語句を検出する際に、代表的な1つの語句に置き換える処理を行う。また、属性項目に「結語」等がある場合には、結語等の表現の振れ(例えば「考える」と「考えます」等)が多いと選択肢が増大し過ぎて、選択肢の指定が困難となる。そこで、表現の振れについて、データ構築部123の識別機能で、結語を検出する際に、代表的な1つの表現に置き換える処理を行う。
このような語句の代表的な語句への置き換えについては、教師データに、複数の語句と代表的な語句とを対応付けたテーブルを含ませることで、実現することができる。なお、表現の振れについては、表現の振れを正規化して、最も使用頻度の高いものに全て置き換えても良い。また、同義語についても最も使用頻度の高いものに全て置き換えても良い。
また、読影レポートでは、属性項目「部位」について、大分類、小分類、接頭語(接頭辞)、及び接尾語(接尾辞)が複合したフレーズ(部位フレーズ)を用いる場合が多い。例えば、部位フレーズ「右前頭葉の白質」は、大分類「前頭葉」、小分類「白質」、接頭語「右」が複合したものである。
このように、部位フレーズ(例えば「右前頭葉」「左前頭葉」「前頭葉白質」「前頭葉皮質下」「前頭葉皮質下白質」等)は、大分類、小分類、接頭語、及び接尾語による多数の組合せによって構成されるため、選択肢が増大し過ぎて、選択肢の指定が困難となる。そこで、属性項目「部位」については、部位フレーズを構成する要素を4つの要素の項目「大分類」「小分類」「接頭語」「接尾語」に分解する。
この構成要素を4要素の項目に分解する処理は、各要素の項目に属する言語要素を列挙したモデルを基準として公知のSVM等を用いることで実現される。なお、ここで使用するモデルは、例えば、多数の部位フレーズが列挙されたコーパスを含む教師データを用いた機械学習によって得ることができる。なお、このコーパスでは、部位フレーズを構成する多数の言語要素に対して項目名がそれぞれタグ付けされている。
そして、ネットワーク情報における属性項目「部位」について、ある大分類の用語に係る部位フレーズを当該大分類の用語に置換する。このとき、ネットワーク情報とは別に、図7に示すように、大分類の用語に対して、部位フレーズを形成するために複合する小分類の用語、接頭語、及び接尾語といった詳細な要素をRDFの記述によって関連付けた情報(詳細情報)を構成する。換言すれば、詳細情報は、詳細な要素が関連付けられた要素(詳細情報付き要素)と、詳細な要素(詳細要素)とが関連付けられた構造化データ(詳細情報構造化データ)を形成している。
具体的には、図7では、詳細情報付き要素である大分類の用語「前頭葉」に対して、詳細要素の項目「接頭語」に属する詳細要素「なし」「右」「左」「両方」が関連付けられるとともに、詳細要素の項目「小分類」に属する詳細要素「灰白質」「皮質」「皮質下」「皮質下白質」が関連付けられている。
なお、例えば、部位フレーズ等といったある項目に属するフレーズも、当該ある項目に属する要素に当たる大分類の用語に対する詳細な要素に該当する。よって、以下で言う「詳細要素」には、小分類の用語、接頭語、及び接尾語等といったフレーズを構成する詳細な要素が含まれるが、適宜、複数の詳細な要素が結合した結果物であるフレーズも含まれるものとして説明を行う。
また、ネットワーク情報とカウント情報と詳細情報とは、複数の項目間における複数の項目にそれぞれ属する要素(ここでは、語句)どうしの関連付けを示す情報であるため、適宜「要素関連情報」と称する。また、カウント情報は、1以上の詳細要素も含む複数の要素間の関連付けの強さを示す情報(「関連強度情報」とも称する)となっている。
図8は、支援情報作成動作の動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、サーバ100の制御部120において、入力支援機能を実現するためのプログラムが実行されることで実現される。
ステップST1では、データ読込部121及び検査済判定部122によって、診療情報DB210から、読影レポートを示すデータが属性情報とともに読み込まれる。
ステップST2では、データ構築部123の機能によって、読影レポートが構造化される。
ステップST3では、構造化された読影レポートに属性情報が追加されて、図5に示すような単レポート構造化データが作成される。
ステップST4では、診療情報DB210に格納されている全ての読影レポートについて単レポート構造化データが作成されたか否か判定する。ここで、全ての読影レポートについて単レポート構造化データが作成されていない場合には、ステップST1に戻り、次の読影レポートを示すデータ等が読み込まれて単レポート構造化データが作成される。また、全ての読影レポートについて単レポート構造化データが作成された場合には、ステップST5に進む。
ステップST5では、全ての読影レポートについての単レポート構造化データに基づいて、ネットワーク情報が作成され、本動作フローが終了する。このとき、ネットワーク情報及びカウント情報を含む要素関連情報が作成され、入力支援DB111に格納される。
ところで、診療情報DB210に蓄積される読影レポートは、レポート入力装置30からの入力に応じて新たな読影レポートが作成される度に増加する。この時間とともに更に蓄積されていく読影レポートも過去の知識として利用できれば有効である。特に、これまでにない所見文等が新たに蓄積された読影レポートに含まれる場合には、過去の知識が更に進化するため、より有効である。この点については後述するが、入力支援動作(後述)において、読影レポートの所見文を構成する各要素の項目毎に実際に入力する要素が指定されることに応答して、過去の知識が進化する。
このようにして入力支援DB111が構築されるが、モダリティや検査部位等の条件が異なると、入力支援DB111に格納される属性項目の種類が異なったり、読影レポートの作成を支援するテンプレート表示において提示すべき入力要素項目の数や種類が異なる場合が想定される。例えば、検査部位「頭部(SKULL)」とモダリティ「MR」との組合せに対しては、「部位」「基本所見」「診断」の3項目が入力要素項目であり、別の検査部位とモダリティの組合せでは、「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」の4項目が入力要素項目である場合が想定される。
更に、ある項目については、要素(選択肢)を排他的に選択する事が必須であったり、複数の要素(選択肢)の選択が可能であったりと、テンプレート表示の果たす機能が異なる場合も想定される。例えば、以下(i),(ii)の2つの場合が想定される。(i)検査部位「頭部(SKULL)」とモダリティ「MR」との組合せに対して「部位」「基本所見」「診断」の3つの入力要素項目が提示され、項目「部位」については複数の要素を選択でき、項目「基本所見」「診断」については1つの要素を排他的に選択することしかできない。(ii)検査部位「胸部(CHEST)」とモダリティ「CR」との組合せに対して「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」の4つの入力要素項目が提示される場合、項目「撮影条件」については1つの要素を排他的に必ず選択しなければならないが、項目「部位」については複数の要素を選択することができ、項目「基本所見」「診断」については1つの要素を排他的にしか選択することができない。
また、例えば、いずれの条件についても、テンプレート表示において、ユーザーの指示に応答して、項目「部位」について接頭語や接尾語の入力が可能な画面が表示され、項目「基本所見」について修飾語等の特徴語を入力することができる画面が表示され、他の項目については詳細な追記情報を入力することができる画面は表示されないような場合も想定される。
このように、例えば、異なる検査部位とモダリティとの組合せ等といった条件によって、入力支援DB111から情報を取得するルール(情報取得ルール)と、テンプレート表示の画面を生成するルール(画面生成ルール)との異なる組合せが要求される場合が想定される。
このような問題に対しては、通常、各条件毎に別のアプリケーションを提供する手法が考えられるが、この手法では、各アプリケーションの開発コスト等によってコストが上昇したり、アプリケーションに係るプログラムを記憶するために記憶容量を確保しなければならない等といった問題を招いてしまう。
そこで、データベースシステム1では、各条件毎に情報取得ルールと画面生成ルールとの組合せを格納した設定ファイルを設定ファイルDB112の形で準備しておき、ユーザーの指示に応じて設定ファイルを適宜切り替えることで、1つのアプリケーションにより、複数の条件に対して、入力支援DB111からの情報の取得とテンプレート表示の画面の生成とを実現している。
なお、設定ファイルの切り替えについては後述するが、データベースシステム1では、例えば、後述する検査選択動作において、項目「検査部位」に属する要素と項目「モダリティ」に属する要素とが指定された場合には、2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せの条件に応じて設定ファイルが切り替えられる。
<検査選択動作>
次に、レポート入力装置30において、検査リストを示す画面(検査一覧画面)を表示させて、レポート入力対象検査を選択する動作(検査選択動作)について説明する。
なお、検査選択動作は、入力支援機能によって実現され、データ読込部121は、診療情報DB210から検査リスト情報を読み込み、レポート入力装置30の制御部31に転送する。制御部31は、表示制御部312の機能により、検査リスト情報に基づいて、表示部33に検査一覧画面を表示させる。
図9は、検査一覧画面G1を例示する図である。図9に示すように、検査一覧画面G1は、検査に係る情報(具体的には、患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別、状態、検査ID、検査日、検査部位、モダリティ、画像枚数)が一覧表示された画面である。
この検査一覧画面G1では、状態「未読影」が付された検査が、読影レポートが作成されていない検査であることが分かる。
検査一覧画面G1では、1つの検査を囲む太枠カーソルCS1が表示される。この太枠カーソルCS1は、ユーザーによる操作部32の操作に応答して上下に移動され、所望の検査に合わされた状態で、操作部32の決定ボタン(例えば、リターンキー)が押下されると、太枠カーソルCS1で囲まれた1つの検査がレポート入力対象検査として選択される。このようにして、レポート入力対象検査が選択されると、表示部33に表示される画面が検査一覧画面G1からレポート入力画面G2(後述)に遷移する。
この検査選択動作では、例えば、図9に示すような検査一覧画面でレポート入力対象検査が選択されると、項目「検査部位」に属する要素(例えば、SKULL)と項目「モダリティ」に属する要素(例えば、CR)との組合せも同時に指定され認識される。
また、レポート入力対象検査が選択されると、タスク管理部311により、レポート入力対象検査に対応する新規な読影レポートの作成に係るタスクが特定される。このとき、タスク管理部311の制御下で、診療情報DB210からレポート入力対象検査に対応する依頼事項、及び検査の詳細を示す属性情報がデータ読込部121によって読み込まれ、レポート入力装置30の制御部31に提供される。
<入力支援動作>
次に、レポート入力装置30において、新規な読影レポートを入力する画面(読影レポート入力画面)を表示させて、新規な読影レポートを入力させる場合について説明する。なお、レポート入力装置30の表示部33において表示される各種画面に係るデータはサーバ100から入力され、レポート入力装置30内の表示制御部312が当該入力データに基づいて表示部33における画面表示を実現する。
図10は、読影レポート入力画面G2を例示する図である。図10に示すように、読影レポート入力画面G2は、主に、依頼事項表示領域A1、検査情報表示領域A2、メモ領域A3、非公開メモ領域A4、作成支援情報表示領域A5、所見文表示領域A6、頻出句表示領域A7、サマリ表示領域A8、画像添付領域A9、コマンド表示領域A10によって構成されている。
依頼事項表示領域A1は、レポート入力対象検査に係る依頼事項の内容が表示される領域である。具体的には、サーバ100を介して診療情報DB210から取得した依頼事項に係る情報に基づいて、例えば、図11に示すような依頼事項の内容が依頼事項表示領域A1に表示される。
検査情報表示領域A2は、レポート入力対象検査に係る検査の詳細な内容が表示される領域である。具体的には、サーバ100を介して診療情報DB210から取得した検査の詳細に係る情報に基づいて、例えば、図12に示すような検査の詳細な内容が検査情報表示領域A2に表示される。
メモ領域A3は、読影医による操作部32の操作に応じて、自由な意見やその他の情報が記述される領域である。
非公開メモ領域A4は、メモ領域A3と同様に、読影医による操作部32の操作に応じて、自由な意見やその他の情報が記述される領域である。但し、非公開メモ領域A4に記述される情報は、特定の機器又は特定の者しか閲覧することができない。例えば、IPアドレスを用いたフィルタリングやパスワードの入力等によって閲覧を制限することができ、秘匿性の高い個人情報の情報管理に利用することができる。
作成支援情報表示領域A5は、読影レポートの作成を支援するために上述した入力支援DB111に格納されたネットワーク情報から取得(抽出)された一部のネットワーク情報を可視的に提供する領域である。詳細については後述するが、作成支援情報表示領域A5では、まず、項目「カテゴリ」に属する要素を指定する画面が表示され、当該画面で指定された項目「カテゴリ」に属する要素に応じたネットワーク情報が入力支援DB111から取得されてテンプレート表示の形態で可視的に出力された画面(以下「入力支援テンプレート画面」とも称する)が表示される。入力支援テンプレート画面については後で詳述する。
所見文表示領域A6は、読影レポートを構成する所見文が表示される領域であり、読影医による操作部32の操作に応答して所見文が記入される。
頻出句表示領域A7は、所見文で頻繁に使用される定型句(頻出句)の一覧が表示される領域であり、頻出句表示領域A7では、例えば、図13に示すような頻出句の一覧が表示される。読影医は操作部32のマウス等を適宜操作することで、頻出句の一覧から1つの頻出句を指定して、所見文表示領域A6のカーソル位置に指定された頻出句をコピー(記入)することができる。
サマリ表示領域A8は、所見文で頻繁に使用される定型文(サマリ句)の一覧が表示される領域であり、サマリ表示領域A8では、例えば、図14に示すような定型文の一覧が表示される。読影医は操作部32のマウス等を適宜操作することで、定型文の一覧から1つの定型文を指定して、所見文表示領域A6のカーソル位置に指定された定型文をコピー(記入)することができる。具体的には、例えば、サマリ表示領域A8の定型文「特記すべき所見はありません。」が指定されると、所見文表示領域A6に「特記すべき所見はありません。」という文字列がコピーされる。
なお、頻出句及び定型文の情報は記憶部110等に予め記憶しておけば良く、例えば、1以上の頻出句や定型文を2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せと対応させて記憶しておき、検査一覧画面で指定された2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せに応じた頻出句や定型文の一覧が頻出句表示領域A7やサマリ表示領域A8に表示されるようにすれば利便性が高い。
画像添付領域A9は、代表的な画像を添付する領域であり、読影医による操作部32の操作に応じて、所望の代表的な画像が添付される。
コマンド表示領域A10は、コマンドを入力するためのアイコン(ここでは、ボタンBT1,BT2)が列挙される領域である。具体的には、ボタンBT1は、読影レポート入力画面G2において作成した読影レポートを構成する所見文や添付画像の内容を確定して診療情報DB210に新規に登録し、次の読影レポートの作成に移行させるコマンドを入力するボタンである。ボタンBT2は、読影レポート入力画面G2において作成した読影レポートを構成する所見文や添付画像の内容をクリアして、読影レポートの内容を作成し直すコマンドを入力するボタンである。
次に、作成支援情報表示領域A5に表示されるテンプレート表示を利用して読影レポートを構成する所見文を入力する動作について説明する。
作成支援情報表示領域A5では、支援情報作成動作において上記の如く作成されたネットワーク情報がテンプレート表示の形態で可視的に出力され、当該テンプレート表示における要素(ここでは、語句)の選択肢が適宜指定されることで、所見文の入力(すなわち新規な読影レポートの入力)が実行される。
但し、各属性項目に列挙される複数要素を選択肢として、単にネットワーク情報の全体(全体ネットワーク情報)を図6に示すように一覧表示するテンプレート表示の形態で提供すれば、列挙される選択肢の数が膨大過ぎて選択肢の選択が困難となる。そこで、本発明の実施形態に係るデータベースシステム1では、例えば、ユーザーである読影医が全体ネットワーク情報のうち一部の属性項目について要素を決めることで、全体ネットワーク情報から一部のネットワーク情報(一部ネットワーク情報)を取得(抽出)して表示するようにしている。このように、一部ネットワーク情報を一覧表示するテンプレート表示では、列挙される選択肢の数はある程度限定されているため、選択肢が見易くなる。
更に、例えば、部位の項目に属する大分類の用語「前頭葉」については、各種接頭語や接尾語や小分類の用語が付加されて、種々の部位フレーズを構成する。このため、部位の分類項目に対しては1つの大分類の用語に係る部位フレーズが多数属する。しかしながら、多数の部位フレーズ(例えば「右前頭葉」「左前頭葉」「前頭葉白質」「前頭葉皮質下」「前頭葉皮質下白質」等)全てを一覧表示すると、列挙される選択肢の数が多く、選択肢の選択が困難である。
このような問題に対して、一覧表示において、単に「接頭語」や「接尾語」や「小分類の用語」等といった詳細要素に係る分類項目を新たに設けることが考えられるが、このような方策では、一覧表示における項目が増加し過ぎて、見辛いものとなる。更には、詳細要素に係る分類項目については、詳細要素の入力が必須の項目でないため、レポート作成に最低限必要な必須項目は何か、ということも分かり辛いものとなる。
そこで、データベースシステム1における一覧表示では、まず、同じ大分類の用語に関する複数の部位フレーズについては、大分類の用語を代表として示しておき、所定の指示に応答して、大分類の用語に係る複数の部位フレーズに関する詳細な情報が表示される。このような構成とすると、所見文の文章の骨格(最低限必要な必須項目)を明確にしたまま、詳細情報の入力も簡単に行うことができる。
ここで、全体ネットワーク情報から一部のネットワーク情報を取得する手法について説明する。
図15は、全体ネットワーク情報から所望の一部のネットワーク情報を取得するための条件(以下「情報取得条件」「抽出条件」とも称する)を決定するテンプレート表示(情報取得条件決定テンプレート表示)TP1を例示する図である。
上述の如く、検査選択動作によって検査が選択されると、読影レポート入力画面G2(例えば、図10)では、例えば、依頼事項表示領域A1に依頼事項の内容(例えば、図11)が、検査情報表示領域A2にレポート入力対象検査に係る検査の詳細な内容(例えば、図12)が表示される。そして、支援情報検索部125の機能によって、作成支援情報表示領域A5に、情報取得条件決定テンプレート表示TP1が表示される。
情報取得条件決定テンプレート表示TP1では、全体ネットワーク情報における全属性項目のうちの一部の属性項目「カテゴリ」について、語句(選択肢)が列挙される。ここで列挙される属性項目「カテゴリ」に係る選択肢は、例えば、全体ネットワーク情報のうち、検査選択動作でレポート入力対象検査の選択と同時に指定された項目「検査部位」に属する要素と項目「モダリティ」に属する要素との組合せと関連付けられた項目「カテゴリ」に係る要素となっている。
例えば、検査選択動作で、項目「検査部位」に属する要素「CHEST」と項目「モダリティ」に属する要素「CR」との組合せが指定された場合、情報取得条件決定テンプレート表示TP1では、図15に示すように、項目「カテゴリ」に属する要素「肺」「軟部」「縦隔」「胸膜(辺縁)」「骨」「その他」が選択肢として列挙される。
情報取得条件決定テンプレート表示TP1で列挙される項目「カテゴリ」に係る選択肢の情報は記憶部110等に予め記憶しておけば良く、例えば、項目「カテゴリ」に係る1以上の要素を2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せと対応させて記憶しておき、検査一覧画面で指定された2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せに応じた項目「カテゴリ」に係る選択肢の一覧が情報取得条件決定テンプレート表示TP1に表示されるようにすれば良い。
更に具体的には、以下のような構成としても良い。例えば、図16に示すように、2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せに対して、1以上の定型句と、1以上のサマリ句と、項目「カテゴリ」に属する複数の要素とをそれぞれ関連付けて記憶させておく。そして、検査選択動作におけるレポート入力対象検査(すなわち2項目「検査部位」「モダリティ」にそれぞれ属する要素の組合せ)が選択されると、その選択内容に応じた、頻出句の一覧、サマリ句の一覧、及び項目「カテゴリ」に係る要素の一覧が、頻出句表示領域A7、サマリ表示領域A8、及び作成支援情報表示領域A5に表示される。
この情報取得条件決定テンプレート表示TP1では、読影医が操作部32を種々操作することで、マウスポインタMPを所望の選択肢に合わせて所定の操作(例えば、ダブルクリック)を行うと、項目「カテゴリ」に属する選択肢を指定することができる。
ここでは、検査一覧画面(例えば、図9等)および情報取得条件決定テンプレート表示TP1において決定される選択肢の組合せが情報取得条件として指定される。例えば、図15に示す情報取得条件決定テンプレート表示TP1において、項目「カテゴリ」に属する選択肢「胸膜」が指定された場合、項目「検査部位」の要素「CHEST」と項目「モダリティ」の要素「CR」と項目「カテゴリ」の要素「胸膜」からなる選択肢の組合せが情報取得条件として指定される。この情報取得条件は、制御部31によってレポート入力装置30から支援情報検索部125と設定ファイル認識部124とに与えられる。
設定ファイル認識部124は、レポート入力装置30からの情報取得条件の入力に応答して、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報を参照することで、情報取得条件に含まれる要素の組合せと合致する条件(情報要求条件)を認識する。そして、設定ファイル認識部124は、ルール設定情報のうち認識された情報要求条件(すなわち情報取得条件)に対応する設定ファイルを認識する。なお、ここでは、情報取得条件に含まれる要素の組合せと合致する情報要求条件を認識する工程を設けたが、これに限られず、例えば、検査選択動作で項目「検査部位」に属する要素と項目「モダリティ」に属する要素の組合せが指定されると、設定ファイル認識部124が、当該指定された組合せを情報要求条件として認識するようにしても良い。
ルール設定情報は、例えば、図17で示すように情報要求条件と設定ファイルとが対応付けられたテーブルとなっている。図17で示すテーブルでは、項目「モダリティ」が要素「MR」で項目「検査部位」が要素「SKULL」である情報要求条件に対して設定ファイル「File0001」が対応付けられており、項目「モダリティ」が要素「CR」で項目「検査部位」が要素「CHEST」である情報要求条件に対して設定ファイル「File0002」が対応付けられている。
したがって、例えば、項目「検査部位」の要素「CHEST」と項目「モダリティ」の要素「CR」と項目「カテゴリ」の要素「胸膜」からなる選択肢の組合せが情報取得条件として与えられた場合には、情報取得条件に含まれる要素の組合せである項目「検査部位」の要素「CHEST」と項目「モダリティ」の要素「CR」の組合せに対応する設定ファイル「File0002」が認識される。
また、例えば、項目「検査部位」の要素「SKULL」と項目「モダリティ」の要素「MR」の選択肢の組合せを含む情報取得条件が与えられた場合には、情報取得条件に含まれる要素の組合せである項目「検査部位」の要素「SKULL」と項目「モダリティ」の要素「MR」の組合せに対応する設定ファイル「File0001」が認識される。
図18及び図19は、設定ファイルに格納されたデータ内容、すなわち情報取得ルールと画面生成ルールとを組み合わせた情報をそれぞれ例示する図である。なお、図18では、項目「検査部位」の要素「CHEST」と項目「モダリティ」の要素「CR」の組合せに対応する設定ファイル「File0002」のデータ内容が例示されており、図19では、項目「検査部位」の要素「SKULL」と項目「モダリティ」の要素「MR」の組合せに対応する設定ファイル「File0001」のデータ内容が例示されている。
図18及び図19に示すように、設定ファイルのデータ内容は、情報要求条件が記述された部分E11,E21と、情報取得ルールが記述された部分E12,E22と、画面生成ルールが記述された部分E13,E23とに大別される。
情報取得ルールについては、図18及び図19では、情報取得ルールに係る部分E12,E22の内容を詳細に記載していないが、例えば、情報を取得する対象となる項目の数や種類等を規定するものとなっており、当該項目の数や種類は、画面生成ルールで規定される項目の数や種類と対応するものとなっている。なお、例えば、RDFで記述されたネットワーク情報から一部のネットワーク情報を取得する為には、公知のRDQL等を利用することができる。
画面生成ルールについては、情報取得ルールに従って取得された一部ネットワーク情報の一覧表示を含む結果表示画面の生成ルールを記述したものである。ここでは、この結果表示画面は、一部ネットワーク情報に含まれる各項目を入力要素項目とし、各属性項目に列挙される複数の語句を入力する選択肢として、テンプレート表示の形態で提供する画面である。
そして、画面生成ルールの内容は、例えば、一部ネットワーク情報に含まれる各項目について、2以上の要素が属している場合に当該2以上の要素に含まれる複数の要素が選択可能である項目(以下「複数要素選択可能項目」とも称する)であるか否かを示す部分M1と、要素に係る修飾語句(詳細要素)が入力可能である項目(以下「詳細要素入力可能項目」とも称する)であるか否かを示す部分M2と、要素の入力が必須である項目(以下「要素入力必須項目」とも称する)であるか否かを示す部分M3と、項目名を示す部分M4と、要素を表す文字のフォントの種類を示す部分M5と、当該フォントの色の種類を示す部分M6と、各要素を囲む表示要素の色(すなわち背景色)の種類を示す部分M7とに大別される。なお、各文字要素を囲む表示要素の形状の種類を示す情報部分等といったその他の情報部分を画面生成ルールに含めるようにしても良い。
図18では、項目「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」に属する要素の表示に係る情報がそれぞれ記載されている。例えば、項目「撮影情報」については、複数要素選択可能項目ではあるが、詳細要素入力可能項目でも要素入力必須項目でもない旨を示す情報部分E131が記載されており、更に、要素に係るフォントが「MS Pゴシック」であり、フォントの色の種類が「黒」であり、背景色が「白」である旨を示す情報部分E135が記載されている。また、項目「部位」に係る情報部分E132,E136、項目「基本所見」に係る情報部分E133,E137、項目「診断」に係る情報部分E134,E138が記載されている。なお、ここでは、全体ネットワーク情報における属性項目「診断1」を適宜属性項目「診断」と略して示しており、以下同様に示している。
また、図19では、項目「部位」「基本所見」「診断」に属する要素の表示に係る情報がそれぞれ記載されている。例えば、項目「部位」については、「複数要素選択可能項目」であり、「詳細要素入力可能項目」でもあり、「要素入力必須項目」でもある旨を示す情報部分E232が記載されており、更に、要素に係るフォントが「MS Pゴシック」であり、フォントの色の種類が「黒」であり、背景色が「白」である旨を示す情報部分E236が記載されている。また、項目「基本所見」に係る情報部分E233,E237、項目「診断」に係る情報部分E234,E238がそれぞれ記載されている。
このような設定ファイルを、読影を行う検査に係る項目「モダリティ」「検査部位」にそれぞれ属する要素の組合せの数だけ準備しておき、情報取得条件等の入力に応答して、設定ファイル認識部124が、対応する設定ファイルを認識する。
支援情報検索部125は、レポート入力装置30からの情報取得条件の指定に応答して、設定ファイル認識部124で認識された設定ファイルの情報取得ルールに従って、入力支援DB111を検索する。そして、全体ネットワーク情報から、情報取得ルール及び情報取得条件に対応する一部ネットワーク情報を、作成支援情報表示領域A5にテンプレート表示として一覧表示するための情報(以下「表示用ネットワーク情報」とも称する)として取得する。具体的には、全体ネットワーク情報から、情報取得条件を満たすネットワーク情報のうち情報取得ルールで規定される項目に絞り込んだ一部ネットワーク情報を取得する。
このとき、支援情報検索部125は、入力支援DB111に格納されるカウント情報を参照することで、全体ネットワーク情報から、情報取得条件を満たす一部ネットワーク情報を抽出することができる。このとき、カウント情報から、抽出される一部ネットワーク情報に対応する一部のカウント情報も抽出する。
なお、一部ネットワーク情報と一部のカウント情報とを適宜「一部関連情報」と総称し、一部ネットワーク情報及び一部のカウント情報については、それぞれ適宜「ネットワーク情報」及び「カウント情報」と略称する。ここでは、一部ネットワーク情報をRDFで記述した形式で抽出することとすると、取得後の一部関連情報やネットワーク情報を容易に記述することができる。
そして、上記のようにして抽出された一部ネットワーク情報が可視的に一覧表示されたテンプレート表示が提供される。なお、ここで提供されたテンプレート表示は、新規な読影レポートの所見文の入力を支援するものであるため、以下「入力支援テンプレート表示」とも称する。
図20は、入力支援テンプレート表示TP2の表示例を示す図であり、図20では、項目「モダリティ」について要素「MR」、項目「検査部位」について要素「SKULL」、項目「カテゴリ」について要素「梗塞」の組合せが情報取得条件として指定された場合に表示される入力支援テンプレート表示TP2が例示されている。この入力支援テンプレート表示TP2は、設定ファイル認識部124によって認識された設定ファイル「File0001」の画面生成ルールに従って生成される。後述する入力支援テンプレート表示TP2における各種入力及び指定は、読影医による操作部32の操作入力に応じて行われる。なお、当該入力及び指定動作が、読影医の発する音声の認識を利用した手法を利用するなど、読影医の動作に応答して行われても良い。
図20に示すように、入力支援テンプレート表示TP2では、最上段に情報取得条件SCが記載され、略中央を中心とした領域において、左から順に、項目「部位」「基本所見」「診断」についての複数の語句F1〜F3がそれぞれ表示される。具体的には、属性項目「部位」については、複数の語句(「前頭葉>」・・・「橋」)F1が、属性項目「基本所見」については、複数の語句(「点状、斑状の高信号域」・・・「散在性の高信号域」)F2が、属性項目「診断」については、複数の語句(「陳旧性脳梗塞」・・・「多発性脳梗塞」)F3が列挙される。
そして、3項目「部位」「基本所見」「診断」については、情報取得条件に沿って抽出された一部関連情報に基づき、各項目間で、相互に関連付けられた語句どうしが線(ここでは、破線)によって結ばれた状態で表示される。このようにして、ある程度絞られた一部ネットワーク情報が可視的に一覧表示される。
また、図20では、語句「前頭葉>」などのように「>」の付いている語句は、複数の部位フレーズを代表した大分類の用語を示している。
このような大分類の用語については、接頭語、接尾語、小分類の用語等といった詳細な要素が付加された種々のフレーズ(例えば「右前頭葉」「左前頭葉」「前頭葉白質」「前頭葉皮質下」「前頭葉皮質下白質」等)が存在しているため、このような詳細な要素を入力したいことがある。
そこで、ここでは、「>」の付いている語句にマウスポインタMPを合わせて右クリックをすると、図21に示すようなコマンドのリストが出現する。そして、当該コマンドのリストCLで「詳細情報を入力」を指定すると、制御部31から支援情報検索部125に対して詳細要素の表示を要求する信号が送られる。そして、支援情報検索部125が、マウスポインタMPで指定された語句に対応する詳細情報構造化データ(例えば図7)を入力支援DB111から読み出し、当該構造化データに基づいて、図22に示すようなポップアップ形式のリストPLが表示部33に表示される。
リストPLでは、例えば、図22に示すように、「接頭語」「大分類の用語」「小分類の用語」に係る各要素についての情報が上から順に列挙される。具体的には、接頭語について、「なし」「右」「左」「両側」といった複数の詳細要素EG1が列挙され、当該複数の詳細要素の左方には各詳細要素にそれぞれ対応するように複数のラジオボタンRB1が配置されている。そして、ユーザーがマウスを操作することで、マウスポインタを所望のラジオボタンに併せて左クリックすると、ラジオボタンが白丸状態から黒丸状態となり、黒丸のラジオボタンが左方に付された詳細要素が指定される。
また、小分類の用語について「灰白質」「皮質」「皮質下」「皮質下白質」といった複数の詳細要素EG2が列挙され、当該複数の詳細要素の左方には各詳細要素にそれぞれ対応するように複数のチェックボックスRB2が配置されている。そして、ユーザーがマウスを操作することで、マウスポインタを所望のチェックボックスに合わせて左クリックすると、チェックボックスが白抜き四角状態から黒四角状態となり、黒四角状態のチェックボックスが左方に付された詳細要素が指定される。
そして、適宜ラジオボタン及びチェックボックスを用いて詳細要素を指定した状態で、「OK」ボタンをマウスを用いて押下することで詳細要素の指定を確定することができる。このとき、詳細要素が指定されていなければ、大分類の用語が、項目「部位」に対するレポート構成要素として指定される。一方、詳細要素が指定されていれば、大分類の用語に指定された詳細要素が付加されたフレーズが、一覧表示における大分類の用語から置き換えられる。
例えば、図22において、接頭語に係る詳細要素「右」と、小分類の用語に係る詳細要素「灰白質」とが指定されている場合には、図23に示すように、大分類の用語「前頭葉」に対して接頭語「右」と小分類の用語「灰白質」が付加されたフレーズ「右前頭葉灰白質」が、一覧表示における項目「部位」に属する大分類の用語「前頭葉」から置き換えられる。なお、図22において、「Cancel」ボタンをマウスを用いて押下すると、特に一覧表示における項目「部位」に属する大分類の用語の置き換えはなされない。
各項目に対応する語句を指定する際には、入力支援テンプレート表示TP2の下部に表示される読影レポートの所見文の文章モデル表示MDを参照する。この文章モデル表示MDは、教師データ等と併せて外部から与えられたレポートモデル(ここでは、文章モデル)のデータに基づいて表示される。
この文章モデル表示MDは、「部位−基本所見−結語。診断−結語」などといった読影レポートの所見文の文章モデルを示している。具体的には、「[空白欄W1]に[空白欄W2][プルダウン形式のリストPD1][空白欄W3][プルダウン形式のリストPD2]」といった文章モデルを示している。空白欄W1〜W3には、要素「部位」「基本所見」「診断」に係る語句がそれぞれ当てはまり、プルダウン形式のリストPD1,PD2には、基本所見に係る結語と診断に係る結語とがそれぞれ当てはまる。
つまり、読影医による語句の指定により、複数の語句(選択肢)F1のうちの所望の1以上の語句(例えば「右前頭葉灰白質」)が空白欄W1に充当され、複数の語句(選択肢)F2のうちの1つの語句(例えば「高信号域」)が空白欄W2に充当され、複数の語句(選択肢)F3のうちの1つの語句(例えば「急性期脳梗塞」)が空白欄W3に充当されることになる。
入力支援テンプレート表示TP2では、設定ファイル「File0001」に従って、項目「部位」は、要素入力必須項目であり、かつ複数要素選択可能項目であるとともに、詳細要素入力可能項目となっている。項目「基本所見」は、要素入力必須項目であり、かつ詳細要素入力可能項目となっているが、複数要素選択可能項目とはなっていない。項目「診断」は、要素入力必須項目とも、複数要素選択可能項目とも、詳細要素入力可能項目ともなっていない。
3項目に対してそれぞれ語句を指定する際、まず、3項目のうちのいずれか1つの項目に属する語句(指定語句)にマウスポインタMPを合わせると、支援情報検索部125により、一部ネットワーク情報に対応する一部のカウント情報を参照して、指定語句を含む選択肢の組合せの回数が所定数(例えば、10回)以上である場合には、当該指定語句を含む選択肢の組合せを示す線が太線で強調される。
すなわち、入力支援テンプレート表示TP2において、ユーザーによる1つの要素の指定に応じて、入力支援DB111に格納される一部のカウント情報を参照することで、指定された1つの要素と当該1つの要素とは異なる他の要素との関連を示す表示態様が、関連の強さに応じた態様に変更される。なお、ここで基準となる所定数は、ユーザーである読影医が操作部32を操作することで指定しても良いし、予め準備されたプログラムによって規定されても良い。
例えば、図20に示すように、項目「部位」に属する1つの語句「前頭葉」が指定された場合、「前頭葉」が属する項目「部位」以外の2項目「基本所見」「診断」に属する複数の語句については、「前頭葉」との関連性の強さに応じて太線で示すなど表示態様が変更される。
このような表示態様の変更によって、既存の読影レポートにおいて使用頻度が高い語句の組合せを一目で把握することができる。このため、使用頻度が高い語句の組合せに沿って語句を選択すれば、的確かつ円滑な読影レポートの作成を図ることができる。また、この3項目について、特に語句を指定する順番は問われない。よって、直感的に指定し易い語句にマウスポインタMPを合わせると、レポートを構成する各要素の候補が、過去の使用状況に応じて表示される。このため、使用頻度等を参照しつつ、適切な語句を選択することができるため、新規な読影レポートの作成が更に容易になる。
また、文章モデル表示MDでは、3つの項目以外の所定の文章モデルに沿った自然文を構成する結語については、プルダウンリストPD1,PD2にマウスポインタMPを適宜合わせて所望の選択肢を指定することができる。図20では、基本所見については結語「を認める。」が指定され、診断については結語「を疑う。」が指定されている状態が示されている。なお、結語に係る選択肢は3つ以上であって良いし、形容詞や副詞など自然文を構成する他の語句についても選択的に指定することができるように構成しても良い。
上記のようにして、3項目及び2つの結語についてそれぞれ語句(適宜フレーズも含む)を指定した状態で、読影医が操作部32を種々入力操作して、マウスポインタMPを「文章の追加」を指示するボタンBT11に合わせて所定操作(例えば左クリック)をすると、制御部31により、各項目等について指定された語句が所定のレポートモデルに沿ったレポートを構成する要素として決定される。そして、所見文表示領域A6に対して文章モデル表示MDに表示された読影レポートの所見文がコピーされる。
一方、マウスポインタMPを「文章のクリア」を指示するボタンBT12に合わせて所定の操作(例えば左クリック)をすると、文章モデル表示MDに表示された要素が全てクリアされる。
図24は、項目「モダリティ」について要素「CR」、項目「検査部位」について要素「CHEST」、項目「カテゴリ」について要素「胸膜」の組合せが情報取得条件として指定された場合に表示される入力支援テンプレート表示TP21を例示する図である。この入力支援テンプレート表示TP21は、設定ファイル認識部124によって認識された設定ファイル「File0002」の画面生成ルールに従って生成される。
図24で示すように、入力支援テンプレート表示TP21では、図20で示した入力支援テンプレート表示TP2と同様に、最上段に情報取得条件SCが記載され、略中央を中心とした領域において、左から順に、項目「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」についての複数の語句F11〜F14がそれぞれ表示される。具体的には、属性項目「撮影条件」については、複数の語句(「正面像」「側面像」)F11が、属性項目「部位」については、複数の語句(「下頚部>」・・・「後縦隔」)F12が、属性項目「基本所見」については、複数の語句(「偏位>」・・・「Aortic alongation」)F13が、属性項目「診断」については、複数の語句(「食道裂孔ヘルニア」・・・「肺高血圧」)F14が列挙される。
そして、4項目「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」については、情報取得条件に沿って取得された一部ネットワーク情報に基づき、各項目間で、相互に関連付けられた語句どうしが線(ここでは、破線)によって結ばれた状態で表示される。
なお、入力支援テンプレート表示TP21における詳細要素の指定は、図20で示した入力支援テンプレート表示TP2における詳細要素の指定と同様な操作で実現することができるため、ここでは説明を省略する。
また、各項目に対応する語句を指定する際には、入力支援テンプレート表示TP21の下部に表示される読影レポートの所見文の文章モデル表示MD1を参照すれば良い。この文章モデル表示MD1は、「撮影条件−部位−基本所見−結語。診断−結語」といった読影レポートの所見文の文章モデルを示している。具体的には、「[空白欄W11]において[空白欄W12]に[空白欄W13][プルダウン形式のリストPD11][空白欄W14][プルダウン形式のリストPD12]」といった文章モデルを示している。空白欄W11〜W14には、要素「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断」に係る語句がそれぞれ当てはまり、プルダウン形式のリストPD11,PD12には、基本所見に係る結語と診断に係る結語とがそれぞれ当てはまる。
つまり、読影医による語句の指定により、複数の語句(選択肢)F11のうちの所望の1以上の語句(例えば「正面像」)が空白欄W11に充当され、複数の語句(選択肢)F12のうちの所望の1以上の語句(例えば「肺動脈」)が空白欄W12に充当され、複数の語句(選択肢)F13のうちの1つの語句(例えば「拡大」)が空白欄W13に充当され、複数の語句(選択肢)F14のうちの1以上の語句(例えば「リンパ節腫大」)が空白欄W14に充当されることになる。
入力支援テンプレート表示TP21では、項目「撮影条件」は、複数要素選択可能項目であるが、要素入力必須項目とも、詳細要素入力可能項目ともなっていない。項目「部位」は、要素入力必須項目であり、かつ複数要素選択可能項目であるとともに、詳細要素入力可能項目となっている。項目「基本所見」は、要素入力必須項目であり、かつ詳細要素入力可能項目となっているが、複数要素選択可能項目とはなっていない。項目「診断」は、要素入力必須項目とも、複数要素選択可能項目とも、詳細要素入力可能項目ともなっていない。
なお、入力支援テンプレート表示TP21における4項目に対してそれぞれ語句を指定する動作については、図20で示した入力支援テンプレート表示TP2における語句の指定動作と同様なものとなるため、ここでは説明を省略する。
また、文章モデル表示MD1では、4つの項目以外の所定の文章モデルに沿った自然文を構成する結語については、プルダウンリストPD11,PD12にマウスポインタMPを適宜合わせて所望の選択肢を指定することができる。図24では、基本所見については結語「を認める。」が指定され、診断については結語「を疑う。」が指定されている状態が示されている。
上記のようにして、4項目及び2つの結語についてそれぞれ語句(適宜フレーズも含む)を指定した状態で、読影医が操作部32を種々入力操作して、マウスポインタMPを「文章の追加」を指示するボタンBT11に合わせて所定操作(例えば左クリック)をすると、制御部31により、各項目等について指定された語句が所定のレポートモデルに沿ったレポートを構成する要素として決定される。そして、所見文表示領域A6に対して文章モデル表示MD1に表示された読影レポートの所見文がコピーされる。また、マウスポインタMPを「文章のクリア」を指示するボタンBT12に合わせて所定の操作(例えば左クリック)をすると、文章モデル表示MD1に表示された要素が全てクリアされる。
そして、図20や図24で示した入力支援テンプレート表示TP2,TP21等を用いて所見文表示領域A6に新規な所見文を記入して、読影レポート入力画面G2の最下部のボタンBT1にマウスポインタMPを合わせて所定の操作(例えば左クリック)を行うと、新規な読影レポートの登録指示がなされる。そして、レポート構成部127に対して、所見文表示領域A6に表示された所見文を含む新規な読影レポートを構成する要素が制御部31より入力される。このとき、文章モデル表示MD,MD1に表示された読影レポートの所見文を構成する要素(レポート構成要素)については、各項目に対して各レポート構成要素が指定されるため、例えば、図5に示す単レポート構造化データのような形式で入力される。なお、以下では、このような構造化データの形式で入力される新規なレポートデータを「構造化レポートデータ」とも称する。
レポート構成部127では、構造化レポートデータ等に基づいて、所定のルールに沿った新規な読影レポート情報が生成され、データ書込部128を介して診療情報DB210に追加される。
図25は、新規なレポートの作成動作フローを示すフローチャートである。ここでは、レポート入力装置30において所定の操作を行うと、まず、検査選択動作が開始され、図25のステップST11に進む。
ステップST11では、表示部33に検査一覧画面(例えば図9の検査一覧画面G1)が表示される。
ステップST12では、検査一覧画面において新規な読影レポートを作成する対象となる検査(レポート入力対象検査)が選択されたか否か判定される。ここでは、レポート入力対象検査が選択されるまでステップST12の判定が繰り返され、レポート入力対象検査が選択されるとステップST13に進む。
ステップST13では、読影レポート入力画面G2が表示される。このとき、読影レポート入力画面G2の作成支援情報表示領域A5には、既に選択されたレポート入力対象検査に係る項目「検査部位」の要素と項目「モダリティ」の要素の組合せに対応する項目「カテゴリ」に属する要素が列挙された画面(例えば、図15の情報取得条件決定テンプレート表示TP1)が表示される。
ステップST14では、情報取得条件決定テンプレート表示TP1において項目「カテゴリ」に係る要素が選択されたか否かが判定される。ここでは、項目「カテゴリ」に係る要素が選択されるまでステップST14の判定が繰り返され、項目「カテゴリ」に係る要素が選択されるとステップST15に進む。このとき、項目「カテゴリ」に係る要素が選択されることで、情報取得条件が決定される。
ステップST15では、情報取得条件の入力に応答して、設定ファイル認識部124により、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報を参照することで、情報取得条件に含まれる要素の組合せと合致する条件(情報要求条件)が認識される。
ステップST16では、設定ファイル認識部124により、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報のうち、ステップST15で認識された情報要求条件に対応する設定ファイルが認識されて採用される。
ステップST17では、ステップST16で採用された設定ファイルの情報取得ルールと情報取得条件とに従って、入力支援DB111に格納された全体ネットワーク情報から一部ネットワーク情報が取得される。なお、このとき、一部のカウント情報も取得される。
ステップST18では、ステップST16で採用された設定ファイルの画面生成ルールとステップST17で取得された一部ネットワーク情報とに従って、当該一部ネットワーク情報の可視的な表示を含む入力支援テンプレート表示(例えば、図20及び図24の入力支援テンプレート表示TP2,TP21)が作成支援情報表示領域A5に表示される。
ステップST19では、入力支援テンプレート表示において各項目について要素が指定され、その他の情報が入力される。ここでは、読影医による操作部32の操作入力によって各項目及び各結語についてそれぞれ語句(適宜フレーズも含む)を指定した状態で、マウスポインタMPを「文章の追加」を指示するボタンBT11に合わせて所定操作がなされると、所見文表示領域A6に対して文章モデル表示MD1,MD2に表示された読影レポートの所見文がコピーされる。
ステップST20では、新規な読影レポートの登録指示がなされたか否かを判定する。ここでは、新規な読影レポートの登録指示がなされるまでステップST20の判定が繰り返され、読影レポート入力画面G2の最下部のボタンBT1にマウスポインタMPが合わされて所定の操作(例えば左クリック)が行われることで、ステップST21に進む。
ステップST21では、レポート構成部127において新規な読影レポートが構成され、データ書込部128によって、診療情報DB210に対して新規な読影レポート情報が記録される。なお、このとき、入力支援テンプレート表示TP2において入力される構造化レポートデータは、レポート構成部127の機能により、入力支援DB111に格納される情報を補強するデータとしても使用される。つまり、新たな構造化レポートデータが入力される度に、当該データが、入力支援DB111に格納される全体ネットワーク情報に付加されつつ、カウント情報も更新される。そして、当該ネットワーク情報等の更新に伴って、情報取得条件等に応じて取得される一部ネットワーク情報の一覧表示においても、語句間を関連付ける線が増加したり、使用頻度に応じた表示態様が変化する。
したがって、ここでは、レポート構成部127が、ユーザである読影医による入力に応答して、複数要素の項目に含まれる全て又は一部の項目にそれぞれ属する要素どうしの各項目間における関連を示す新規な入力情報である構造化レポートデータ(以下「新規要素関係情報」とも称する)を受け付ける。そして、レポート構成部127は、その機能によって、当該新規要素関係情報に基づき、入力支援DB111に格納される全体ネットワーク情報に対して各項目間における当該各項目にそれぞれ属する要素どうしの関連を示す情報を追加することで、入力支援DB111を更新する。
以上のように、本発明の実施形態に係るデータベースシステム1では、既存の読影レポートの所見文を構成する複数要素の項目における各項目間で当該複数要素の項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた関連情報を含む要素関連情報を入力支援DB111に予め格納しておく。また、設定ファイルDB112において、相互に異なる各情報要求条件に対して、それぞれ情報取得ルールと情報の取得結果を表示する画面を生成する画面生成ルールの組合せを関連付けたルール設定情報を予め準備しておく。そして、ユーザーの入力に応じた情報要求条件に対応する情報取得ルール及び画面生成ルールに従って、入力支援DB111から一部の関連情報を取得するとともに、当該一部の関連情報に基づいて、複数要素の項目にそれぞれ属する各要素が各要素の項目間で相互に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を含む結果表示画面が表示部33において可視的に出力される。このような構成を採用することで、読影レポートを作成する際に、検査部位やモダリティによって所見文に記載すべき文章が異なるような状況に応じた読影レポートの作成行動の指針となる情報を容易に提供することができる。
また、ユーザーの入力に応答して、新規な情報要求条件に対して、情報取得ルールと画面生成ルールとの新規な組合せが関連付けられた情報が、設定ファイルDB112に格納されたルール設定情報に追加される。このような構成を採用することで、状況に応じた情報の取得及び表示態様のバリエーションを増やすことができるため、更に状況に応じた行動の指針となる情報を容易に提供することができる。
また、一部の関連情報に係る一覧表示において、ユーザーが各項目に対してそれぞれ要素を指定すると、指定された要素が所定のレポートモデルに沿ったレポートを構成する要素として入力される。このような構成を採用することで、ユーザーは、レポートを構成する要素を容易に入力することができる。
また、新規な読影レポートの入力に応じた入力支援DB111の更新により、時を経る毎に変化する知識を有効に生かして、状況に応じた行動の指針となる情報を容易に提供することができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上記実施形態では、全体ネットワーク情報を作成して入力支援DB111に格納しておき、情報取得条件の入力に応じた一部ネットワーク情報を抽出して一覧表示したが、これに限られず、以下のような他の態様であっても良い。
例えば、診療情報DB210に格納された全ての既存読影レポートについて図5で示したような単レポート構造化データをそれぞれ作成して入力支援DB111に蓄積することで情報を準備しておく。そして、情報取得条件の入力に応じて、支援情報検索部125が、情報取得条件に合致する単レポート構造化データを収集する。
ここで、4つの項目「検査部位」「モダリティ」「カテゴリ」について、検査部位「SKULL」−モダリティ「MR」−カテゴリ「脳梗塞」の組合せが情報取得条件として入力されたと仮定すると、当該属性情報の組合せを有する全ての単レポート構造化データが入力支援DB111から検出されるとともに、そのうち情報取得ルールで規定される項目に係る情報(属性、及び属性値)が選択的に取得される。そして、当該取得された情報に基づいて、図20に示すように、情報取得ルールで規定された属性項目毎に属性値(語句等)が列挙されるとともに、各属性項目間で複数の属性項目に属する各属性値どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報が作成されて取得される。このネットワーク情報を作成する際には、各単レポート構造化データにおいて関連付けられた各項目間における語句の組合せの回数がカウントされ、当該カウント情報が、入力支援DB111に格納される。そして、作成されたネットワーク情報と、画面生成ルールとに基づいて、ネットワーク情報が作成支援情報表示領域A5において可視的に表示され、読影レポートの入力を支援するテンプレート表示が提供される。このような構成であっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、このような構成では、入力支援DB111に格納されている多数の単レポート構造化データを全体として見ると、複数の属性項目にそれぞれ属する各属性値が各属性項目間で相互に関連付けられたネットワーク情報と見ることもできる。このような見方をすると、情報取得条件の入力に応答して全ネットワーク情報の一部にあたる一部ネットワーク情報を取得して、可視的に一覧表示していると見ることもできる。
◎また、上記実施形態では、図17で例示したように、情報要求条件が、ネットワーク情報を構成する複数要素の項目に含まれる2つの項目に属する要素の組合せを示す条件であったが、これに限られず、例えば、ネットワーク情報を構成する複数要素の項目に含まれる1つの項目に属する要素を示す条件であっても良いし、複数要素の項目に含まれる一部の複数要素の項目にそれぞれ属する要素の組合せを示す条件であっても良い。このような構成としても、入力支援DB111に格納された全体ネットワーク情報からある程度絞り込まれた一部のネットワーク情報を容易に提供することができる。したがって、状況に適した情報に絞り込んだ表示を実現することができる。
◎また、上記実施形態では、1つの詳細情報付き要素について複数の詳細要素を表示させる例を示して説明したが、これに限られず、一部ネットワーク情報に1以上の詳細情報付き要素が含まれる場合に、一部ネットワーク情報に基づき、一部ネットワーク情報の一覧表示において、1以上の詳細情報付き要素に係る1以上の詳細要素が、1以上の詳細情報付き要素に対して関連付けられた表示態様で可視的に出力されるようにしても、上記実施形態と同様な効果を得ることができ、更に、状況に応じた詳細な情報も容易に提供することができる。
◎また、上記実施形態では、入力支援DB111に格納される情報は、既存のレポートを言語処理によって解析することで作成したが、これに限られず、例えば、入力支援DB111に格納される情報をマニュアル操作で作成するようにしても良い。
◎また、上記実施形態のように読影レポートの作成を支援するシステムにおいては、全体ネットワーク情報を構成する複数要素の項目が、モダリティ、カテゴリ、及び検査部位のうちの少なくとも1以上の項目を含むようにして、情報要求条件が、モダリティ、カテゴリ、及び検査部位のうちの1つの項目に属する要素、またはモダリティ、カテゴリ、及び検査部位に含まれる一部の項目にそれぞれ属する要素の組合せを示す条件であっても良い。
◎また、上記実施形態では、画面生成ルールが、情報取得ルールに従って得られた一部ネットワーク情報に含まれる各項目について、複数要素選択可能項目であるか否かを示す部分M1と、詳細要素入力可能項目であるか否かを示す部分M2と、要素入力必須項目であるか否かを示す部分M3と、項目名を示す部分M4と、要素を表す文字のフォントの種類を示す部分M5と、当該フォントの色の種類を示す部分M6と、各要素を囲む表示要素の色(すなわち背景色)の種類を示す部分M7とを有していたが、これに限られない。例えば、情報取得ルールに従って得られた結果を表示する画面(結果表示画面)に含まれる各種表示要素の色、当該表示要素の形状、文字要素のフォントの種類、一部ネットワーク情報の一覧表示における要素の項目数、及び結果表示画面に含まれる表示要素に対して当該表示要素の指定に応じた情報処理を関連付けた内容をそれぞれ示す情報のうちの1以上の情報を有するようにしても良い。このような構成を採用することで、細かな状況に応じた結果表示画面を生成することができる。
なお、結果表示画面に含まれる表示要素に対して関連付けられた当該表示要素の指定に応じた情報処理としては、例えば、上記実施形態のように、入力支援テンプレート表示TP2において、語句「前頭葉>」などのように「>」の付いている複数の部位フレーズを代表した大分類の用語にマウスポインタMPを合わせて右クリックをすると、図21に示すようなコマンドのリストが出現するような情報処理等が挙げられる。また、図20に示すように、項目「部位」に属する1つの語句「前頭葉」が指定された場合、「前頭葉」が属する項目「部位」以外の2項目「基本所見」「診断」に属する複数の語句については、「前頭葉」との関連性の強さに応じて太線で示すなど表示態様が変更されるような情報処理等も挙げられる。更に、各項目に属する要素にマウスポインタMPを合わせて所定の操作(例えば、左クリック)を行うと、各項目について所望の要素を所見文を構成する要素として指定することができるような情報処理等も挙げられる。
◎また、上記実施形態では、入力支援テンプレート表示TP2に表示された各項目に属する要素を指定することで、新規な読影レポートを作成することができ、その結果として、各項目間における各項目に属する要素どうしの関連に対応する新規な情報を入力することができた。しかしながら、これに限られず、例えば、入力支援テンプレート表示TP2に表示された複数の項目の一部又は全部について、各項目に属する表示要素を指定することなく、ユーザーが各項目に対して直接語句等の要素を入力するようにしても良い。
具体的には、入力支援テンプレート表示TP2に表示される複数の語句F1〜F3,F11〜F14から語句を指定することなく、ユーザーがキーボード入力等によって空白欄W1〜W3,W11〜W14に直接語句を入力することで、各項目に属する語句を指定するようにしても良い。
このような構成によれば、例えば、図20に示す画面において、項目「部位」「診断」についての複数の語句F1,F3から各項目に属する語句を指定しつつ、項目「基本所見」については、空白欄W2に直接語句を入力することで、各項目間における各項目に属する要素どうしの関連に対応する情報を入力することができる。そして、このようにして入力された各項目間における各項目に属する要素どうしの関連に対応する新規な入力情報によっても、過去の知識が変化するため、支援DB110が適宜進化する。但し、新規な入力情報を入力する際、空白欄W2に直接入力された語句については、どの項目に属する語句であるのかを示す情報を付加する必要性がある。そこで、このような情報処理を可能とするために、画面生成ルールが、入力支援テンプレート表示TP2においてユーザーによる入力により一覧表示に含まれる少なくとも一項目(例えば、基本所見)に対して当該一覧表示に含まれていない新規な要素(ここでは語句)が入力されることと、当該新規な要素に対して少なくとも一項目(例えば、基本所見)に属する要素であることを示す情報(マッピング情報)が付与されることとが関連付けられた情報を含むような構成とすれば良い。このような構成を採用すれば、各項目間における要素どうしの関連付けを示す新規な情報を容易に追加することができる。
◎また、上記実施形態では、入力支援DB111において、各項目に属する複数の要素(詳細要素を含む)としての複数の語句(フレーズを含む)が各項目間で相互に関連付けられて格納されたが、これに限られず、例えば、レポートに図や画像等の語句以外の要素を含ませた場合に、各項目に属する複数の要素に、複数の図や画像等といった語句以外の要素を含めても良い。
具体的には、例えば、項目「診断」に属する各語句に対して特徴的な症例の図や画像が関連付けられ、読影レポート入力画面G2で、例えば、項目「診断」について語句「ラクナ梗塞」が指定された場合に、画像添付領域A9等に、「ラクナ梗塞」に関連付けられている特徴的な症例の図や画像等が自動的に表示されたり、挿入されても良い。なお、この特徴的な症例の図や画像等の表示は、マウスポインタMPを語句「ラクナ梗塞」に合わせると、ポップアップ形式で表示されても良い。
また、項目「部位」について、詳細情報付き要素に関連付けられた複数の詳細要素を示す語句を表示する代わりに、複数の語句に対応する部位を示す複数の図をそれぞれ採用しても良い。例えば、脳の3つの部位フレーズ「左前頭葉」「右前頭葉」「両側前頭葉」を、図26に示すような図で表現しても良く、ポップアップ表示やグラフ表示において、複数の語句の代わりに、図26に示すような図を用いると、患者のCTやMR像などを見ながら読影レポートを作成する際に、直感的に部位が選択し易くなる。
なお、図26に示す図の代わりに、脳の全体図が表示され、当該脳が「左前頭葉」「右前頭葉」等の詳細な部位に分割されており、この図上で、マウスポインタ等によって詳細な部位を指定することで、詳細な部位を指定することができるようにしても良い。
また、部位を示す図や画像等としては、図26に示すような詳細な部位に限られず、「前頭葉」等といったもう少し大まかな部位を示す図や画像等を採用することができる。
また、レポート作成時に、項目「診断」について、例えば、梗塞や腫瘍等のサイズを入力したい場合があるが、この場合、図27に示すようなサイズ(ここでは、図中黒丸部によって特定)を示す図を採用するようにしても良い。例えば、「3×3cmの腫瘍」といったフレーズや「3×3cmの」といった修飾語の代わりに、図27に示すような図を採用しても良い。
このように、入力支援DB111において、図等を含めて各項目に属する複数の要素を各項目間で相互に関連付けるとき、例えば、入力支援DB111に格納される全体ネットワーク情報をRDFで記述するものとすると、図の情報そのものは別途記憶させておきつつ当該図をURLを用いて記述することで、語句と図の情報とを関連付けることができる。なお、このような入力支援DB111に格納される情報に図等の情報を盛り込むためには、既存のレポートを解析して、レポートを構成する各要素を関連付けて構造化する際に、図等の情報を抽出して関連付ける必要性がある。
この手法としては、まず機械学習において、学習用コーパスに各種図の情報を追加した教師データを準備して機械学習を行うようにすれば良い。そして、機械学習した情報を用いて、既存のレポートを解析する際にも、各項目について、語句の抽出を行うとともに、パターンマッチング等の手法を用いて、図の情報も抽出して、図も含めた単レポート構造化データを作成することができる。
◎また、上記実施形態では、病院内のネットワーク回線NTW等によってサーバ100と、各端末10〜50とがデータ送受信可能に接続され、病院内に蓄積された読影レポートを過去の知識として利用した入力支援機能を提供したが、これに限られず、例えば、図28に示すように、サーバ100を読影レポートの入力を支援するサービスを提供する業者や特定の病院が有し、当該サーバ100にインターネット回線IN等を通じて各病院の読影医が端末(例えば、レポート入力装置30A)でアクセスして、入力支援機能を利用することができるようなデータベースシステム1Aとしても良い。なお、このとき、サーバ100を有する業者等が、各病院等の画像や読影レポート等を保管するサービスを提供するようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、読影レポートの入力を支援する例を挙げて説明し、過去の知識として多数の読影レポートに係るレポートデータを利用したが、これに限られず、例えば、インシデントレポートや診断レポート等といった他の医療情報のレポートの入力を支援するために、過去の知識として多数のインシデントレポートや診断レポートや看護日誌等といった他の医療情報のレポートを利用するようにしても良い。更に、本発明は、医療機関における医療情報のレポートの入力を支援する場合以外に、例えば、営業レポートの入力や種々のレポートの入力を支援する場合一般に適用することができる。
このとき、入力支援DB111に格納される全体関連情報は、ある事象を表現する複数要素の項目における各項目間で、当該複数要素の項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた情報となる。そして、このような構成を採用することで、過去の知識を利用しつつ、状況に応じて、種々のレポートを容易に作成することができる。
更に、本発明は、レポート入力への適用に限られず、医療現場における各種ミーティングやインフォームドコンセント等において用いる今後の治療に係る行動の指針や、営業現場におけるクレーム対応等における対処方法に係る行動の指針となる情報を提供する場合一般に適用することができ、状況に応じて行動の指針となる情報を容易に提供することができる。
◎また、上記実施形態では、入力支援DB111に複数の情報(ネットワーク情報とカウント情報と詳細情報)が格納されているが、この複数の情報を2以上の記憶部に適宜分散させて記憶させても良い。