[発明を実施するための第一の実施形態]
まず、本実施形態に用いる用語について説明する。ネットワークとは、各装置を接続する回線のことであり、例えば、専用回線、ローカルエリアネットワーク(LAN)や無線LAN、インターネット回線などである。医用画像撮影装置とは、診断に用いられる画像を撮影するための装置であり、例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)撮影装置、X線コンピュータ断層(CT)撮影装置、ポジトロン断層(PET)撮影装置等が挙げられる。
また、PACS(Picture Archiving and Communication System)とは、画像保存通信システムのことである。PACSは、医用画像撮影装置によって撮影された画像を受信して保存したり、接続された装置の要求に応じて画像を送信したりする装置である。なお、PACSは、受信した画像とともに、その画像に関連付けられた撮影患者情報や撮影時間などの各種データも保存可能なデータベースを備える。
操作端末とは、表示手段である画面と、操作手段であるマウスやキーボード、タッチパネル等を備える装置である。また、操作端末は、以下に説明する各種手続きが動作するようにプログラムされたソフトウェアが実装してあり、必要に応じてプログラムが実行されたり、データを保存したりする。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型PC、PDA、スマートフォン等が操作端末にあたる。
HIS(Hospital Information System)とは、病院情報システムのことであり、基本的には医療機関が携わった患者(もしくは、健常者)に関する診療記録(カルテ)を電子的に管理するシステムである電子カルテが含まれている。例えば、HISは、診療記録として、患者基本情報とも呼ばれる、氏名、年齢、性別、身長、体重、血液型、人種等を保存している。HISは、他にも、診断名、患者の主訴、病歴、治療歴、通院歴、検査の結果、担当医等といった、様々な患者に関連する属性情報をデータベースに保存している。また、HISは患者の診療記録だけでなく医療機関全体の情報や、各種情報へのリンク情報を一元管理する。また、HISは、他のシステムを利用するためのハブとして機能する。
また、HISはネットワークに接続され、同じくネットワークに接続された医師や看護師が利用するPCやPDA等の操作端末上でHISの画面を操作して患者に関する診療記録を参照、更新、検索することが可能である。HISは、ネットワークに接続された他のシステムへ必要な情報を送受信することも可能である。具体的には、ユーザは、HISの画面を操作して、医療機関施設に勤める職員の氏名や所属部門、連絡先などといった職員情報を検索できる。また、ユーザはHISの画面を操作してに診療記録の一部として保存されているPACSの画像へのリンク情報を参照することでHISの画面から画像を参照して診断することも可能である。
さらに、ユーザはHISの画面を介して、PACS等の他のシステムのWEBサーバーにアクセスして他のシステムの操作画面を開くことも可能である。また、ユーザはHISを介して他のシステムにおいて、操作端末にインストールされたソフトウェアを実行することも可能である。また、HISは処方や検査、栄養指示を行うための依頼情報(オーダー)を発行することが可能なオーダーリングシステムを内包してもよい。例えば、CT検査時のオーダーはCT検査の実施を依頼するのに必要な、少なくとも、患者を特定する「患者ID」、検査種である「CT検査」、「検査予定日時」が含まれる。なお、本実施形態においてHISは、オーダリングシステムを内包しているものとする。
RIS(Radiology Information System)とは、放射線科情報システムのことであり、医用画像撮影装置による検査や治療の依頼情報(オーダー)をオーダリングシステムから受信する。そして、RISは、オーダーの実施状況や検査結果等を管理する。また、RISは、医用画像撮影装置の予約・利用状況の管理も行う。なお、オーダーの実施状況一覧のことをワークリストと呼ぶ。
帳票コンテンツとは、医療機関施設で利用される問診票または患者への説明資料または同意書といった文書自体や文書を構成する内容のことであり、例えば、帳票コンテンツは、紙に印刷されたもの若しくは、紙に印刷する前の文書や画像などコンピュータで扱われるデータとして存在する。実際に帳票コンテンツが利用される際には、例えば、ある薬剤の主作用と副作用の説明資料とその薬剤を治療に利用しても良い旨の患者の同意を得るための同意書との組み合わせといった具合に、必要な帳票コンテンツ群が集められる。そして、その帳票コンテンツ群が患者にまとめて提示される。なお、帳票コンテンツが画像データである場合には、紙に印刷せずに、液晶モニタなどの表示装置に表示して印刷の手間を省くこともあり、特に動画像データである場合には印刷するよりも表示装置に表示した方が表示コマ制御や色表現の点等で非常に有利である。また、特に同意書に多いが、帳票コンテンツのなかには、患者や患者の家族、保護者、同伴者が確認した旨を示すために確認日や署名の手書きを要するものがあり、また、担当する医者や看護師、技師といったコメディカル等にも説明した旨を示すために説明日や署名の手書きを要するものがある。
以下、本発明の第一の実施形態に係る医療帳票処理システムについて説明する。
図1は医療帳票処理システム10の構成の一例を示す図であり、医療帳票処理システム10は、帳票コンテンツ選択手段11、帳票コンテンツ確認手段12、署名手段13、帳票コンテンツ対応状況参照手段14および帳票コンテンツ保管手段15を有する。ここで、帳票コンテンツ選択手段11、帳票コンテンツ確認手段12、署名手段13および帳票コンテンツ対応状況参照手段14は医療帳票処理システム10が備える不図示のプロセッサに相当する。また、帳票コンテンツ保管手段15は不図示のHDDなどに相当する。帳票コンテンツ選択手段11、帳票コンテンツ確認手段12、署名手段13および帳票コンテンツ対応状況参照手段14は医療帳票処理システム10が備える不図示のROMに記憶されたプログラムを実行することで図2に示す帳票コンテンツ選択機能101、帳票コンテンツ確認機能102、署名機能103および帳票コンテンツ対応状況参照機能104が実現される。なお、医療帳票処理システム10が備えるプロセッサがROMに記憶されたプログラムを実行することで署名結果確認機能107およびWEBサーバ機能が実現される。保管手段15は図2における帳票コンテンツデータベースに対応している。なお、図2は、システムの全体構成の一例を示す図である。図2に示すシステムは、医療行為を実施する際に必要となる帳票の管理を行う医療帳票管理システムの一例に相当する。なお、それぞれの機能ブロックは、それぞれの機能を有する一体として構成されてもよい。また、それぞれの機能ブロックは、別々のサーバにより構成され、それぞれが通信可能に接続されても良い。
医療帳票処理システム100は、ネットワーク200を介して医療帳票処理システム100に接続された1つ以上の操作端末300に、医療帳票処理システム100が備える機能を操作するための画面を提供する。具体的には、WEBサーバ機能107が画面を提供し、操作端末300が備えるWEBブラウザ機能301で当該画面の表示および操作を行う。
第一の実施形態に係る医療帳票処理システム100は、簡単に説明する。診察や検査、手術、入院等の医療行為を実施する際に、医療機関の職員が、選択機能101を利用して必要な帳票コンテンツ群を選択する。そして、職員が、確認機能102を利用して操作端末300に帳票コンテンツ群を表示させる。また、職員が、表示された帳票コンテンツ群を患者への説明に利用して患者に理解させる。そして、理解を得られたら、職員または患者は署名機能103を利用して選択した帳票コンテンツ群に必要な署名作業を操作端末上で行い、最終的に、職員が状況参照機能105を利用して医療行為を実施可能かどうか判断する。
帳票コンテンツデータベース105には、医療帳票処理システム100で利用される帳票コンテンツ群の帳票コンテンツデータ群が保存されている。本実施形態における帳票コンテンツデータは、具体的には、従来、医療機関施設で紙に印刷されて利用されている説明資料や同意書、説明資料と同意事項とが混在する帳票等といった1ページ以上の帳票(例えば帳票Xとする)を光学スキャナーで読み取ったスキャン画像を含む。もしくは、帳票コンテンツデータは、印刷後の帳票を再現した画像である「帳票画像」を含む。また、帳票コンテンツデータは、帳票Xの縮小画像である「サムネイル画像」、帳票Xを識別するための「帳票ID」、帳票の名前である「帳票名」、帳票のページ数である「ページ数」、帳票Xが利用される「部門」および帳票Xの種類である「分類」の少なくとも一つの情報を含む。また、帳票コンテンツデータは、帳票Xを検索しやすくするための「タグ」、帳票Xに署名する必要がある関係者を列挙した「署名者」および署名画像データを埋め込むための情報である「署名埋め込み情報」の少なくとも一つの情報を含む。例えば、帳票コンテンツデータは上記の情報をすべて含んでおり、帳票コンテンツデータベース105に1つのレコードとして格納されている。
なお、前記「帳票名」の例としては、「患者様へのご説明」、「CT検査についてのご説明」や「放射線治療同意書」、「保険適用外薬剤の利用についてのご説明および同意書」等がありえる。また、前記「部門」の例としては、「第一病棟」や「第二病棟」、「外来受付」、「入院受付」等がありえる。また、前記「分類」の例としては、「同意書」や「説明資料」等の1つ以上の組み合わせがありえる。
なお、前記「サムネイル画像」は、「帳票画像」より解像度を低くしたり、画像圧縮の程度を高めているため、データサイズが小い。ネットワークを介して帳票画像を表示する必要がある際に、表示応答性を高めるために「サムネイル画像」を利用するが、十分にネットワーク転送速度が速い場合には「サムネイル画像」の代わりに「帳票画像」を利用してもよい。
また、前記「帳票ID」は、帳票コンテンツデータベース105に保存されている各帳票コンテンツデータの識別子であり、同一のものが他に無いユニークなIDである。なお、前記「タグ」は、医療機関の職員が、目的の帳票コンテンツデータを検索しやすくするために記録されるテキストデータ群で構成されるものである。例えば、「患者様へのご説明」という「帳票名」を記録された帳票コンテンツデータが複数存在する場合、何を説明しているのか「帳票画像」を表示して確認しないと判別不可能な場合があるが、「タグ」に必要な情報を列挙しておくことで検索時に役に立つ。例えば、「CT検査」、「造影剤」といった、複数のキーワード群をタグに設定できる。
また、前記「署名者」は、帳票Xに関して、署名の必要な関係者を列挙している。例えば、「患者(代諾者)」、「患者の家族」、「患者の同伴者」、「医師」、「技師」などである。通常、「署名者」には、帳票コンテンツデータの分類が同意書であれば、少なくとも「患者(代諾者)」が設定されている。「署名者」に列挙された関係者の組み合わせによって、署名機能103で署名を要求される関係者が決定される。
前記「署名埋め込み情報」は、帳票Xに対して署名された日にち、署名者のID、署名者の住所などを記入する必要があるか否かという情報を含む。また、「署名埋め込み情報」として、記入する必要がある場合には署名機能103で得られる署名画像データ、前記日にちや署名者のID、署名者の住所などを「帳票画像」に埋め込む範囲が座標で記録されている。
署名画像データを「帳票画像」に埋め込む機能が何故必要か説明する。医療機関によっては同意書等の署名を要する帳票に患者が署名した場合に、署名した証拠として署名済みの帳票の複写を印刷し、患者に譲渡するという運用が行われておいる。本実施例ではこの運用に対応するため、署名画像データを埋め込まれた帳票画像を印刷することで、患者に譲渡するための署名済み帳票を作成可能としている。
第一の実施形態の説明に必要なユーザーインタフェース(UI)である画面やボタン等のコントロールについて説明する。なお、各UIは操作端末300に備えられたWEBブラウザ機能301によって表示されるものである。
図4に示す、帳票コンテンツ選択画面1100は、選択機能101によって制御される画面である。帳票コンテンツ選択画面1100は、簡単には、医療機関の職員が帳票コンテンツデータを選択するための画面である。この画面は例えば、選択機能101の制御に基づいて端末装置300に表示さる。
帳票コンテンツ選択機能101は、帳票コンテンツ選択画面1100を表示した際に選択機能101が受信した、担当部門ID、担当職員ID、患者IDを元にHIS400に問い合わせる。そして、帳票コンテンツ選択画面1100上部に、担当部門名、担当職員名、患者ID、患者名を表示させる。なお、前記担当部門ID、前記担当職員ID、前記患者IDの受信の方法としては、帳票コンテンツ選択画面1100のURIのパラメータとして受信する方法がある。
帳票コンテンツ選択画面1100の中央にある帳票コンテンツ選択コントロール1106には、帳票コンテンツデータベースに保存されている帳票コンテンツデータに対応する帳票のサムネイル画像1107群が表示される。医療機関の職員はこのサムネイル画像1107群の中から患者の説明に使う説明資料や同意事項を確認するための同意書を選択する作業を行う。具体的には、表示されているサムネイル画像1107をマウスによりクリック(タブレット型PCやスマートフォンであればタップ)して選択する。すると、選択したサムネイル画像1107に対応するサムネイル画像1110が帳票コントロール1108に追加される(図8参照)。このとき、追加されるサムネイル画像1110は、新しく選択されたものが一番下になる。また、追加されるサムネイル画像1110に対応する帳票コンテンツデータに対応して、選択された帳票コントロール1108に表示される帳票数、および、合計ページ数が更新される。具体的には、帳票数には選択したサムネイル画像群の数、合計ページ数には選択したサムネイル画像群に対応する帳票コンテンツデータ群に含まれるページ数の合計が表示される。
また、選択したサムネイル画像1107は選択されたことが分かりやすいようにハイライトされる。なお、選択されたサムネイル画像1107をもう一度クリック(タブレット型PCやスマートフォンであればタップ)すると、選択が解除される。すなわち、画像サムネイル1107のハイライトが解除され、選択された帳票コントロール1108から対応するサムネイル画像1110が削除される。なお、帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示されるサムネイル画像1107群には、対応する帳票コンテンツデータに記録されている帳票名がオーバーレイ表示され、また、拡大表示ボタンもオーバーレイ表示されている。拡大表示ボタンは帳票サムネイルを見るだけでは確認が難しい帳票コンテンツの内容を確認するために利用される。拡大表示ボタンを押下すると、拡大表示ボタンがオーバーレイ表示されているサムネイル画像1107に対応する帳票コンテンツデータに記録されている帳票画像を画面に大きく表示する。
また、選択された帳票コントロール1108にあるサムネイル画像1110には、対応する帳票コンテンツデータに記録されている帳票名がオーバーレイ表示され、また、削除ボタンもオーバーレイ表示されている。削除ボタンは選択された帳票コントロール1108からサムネイル画像1110を削除するために利用される。削除ボタンを押下すると、削除ボタンがオーバーレイ表示されているサムネイル画像1110が削除され、対応する画像サムネイル1107のハイライトが解除される。説明資料や同意書を選択し終わったら、最終的には、確認開始ボタン1109を押下する。これによって、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ対応状況参照機能104に、担当部門IDと担当職員ID、患者ID、選択されている帳票コンテンツデータ群の帳票ID群が送信される。それに応じて、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は帳票コンテンツ選択機能101に、新たに生成した確認帳票群IDを送信する。
帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、前記確認帳票群IDに紐付けて、受信した前記担当部門IDと前記担当職員ID、前記患者ID、選択されている帳票コンテンツデータ群の前記帳票ID群、前記確認帳票群IDを生成した日時、さらに各帳票IDに対応する帳票コンテンツデータに対する確認状況や署名状況を記録したレコードを新たに作成する。そして、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。なお、前記新たにレコードを作成した時点での確認状況には「未確認」を示す値が記録されている。確認帳票群IDは帳票コンテンツ対応状況参照機能104に管理される。そして、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に確認帳票群IDをキーに問い合わせする。これによって、前記担当部門IDと前記担当職員ID、前記患者ID、選択されている帳票コンテンツデータ群の前記帳票ID群と、確認帳票群IDが生成された前記日時を得ることができる。さらに、各帳票IDに対応する帳票コンテンツデータに対する確認状況や署名状況も得ることができる。そして、帳票コンテンツ選択機能101は、確認帳票群IDを受信したら、帳票コンテンツ選択画面1100から帳票コンテンツ確認画面1200(図11参照)に遷移する。そして、帳票コンテンツ選択機能101は、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ確認機能102へ、受信した確認帳票群IDを送信する。
なお、帳票ID群は整列した文字列データとして表現されるが(例えば、「11,13,15,201」というふうに)、順序は、選択された帳票コントロール1108に表示されているサムネイル画像1110群の上から順に対応するものとする。また、帳票コンテンツ選択コントロール1106に、画面に収まらないほど多量にサムネイル画像1107群が存在するときには、画面をスクロールすることが可能である。同様に、選択された帳票コントロール1108に、画面に収まらないほど多量にサムネイル画像1110群が存在するときには、画面をスクロールすることが可能である。なお、利用頻度の高い帳票コンテンツデータに対応するサムネイル画像1107が簡単に選択できるように、利用頻度が高いものは、より上部に並ぶようにソートされている。通常、部門毎に利用頻度の高い帳票コンテンツデータは異なるので、部門毎にソート順序を好適にするため、帳票コンテンツ選択機能101は、確認開始ボタン1109が押下された時点で選択されているサムネイル画像1110群に対応する帳票コンテンツデータ群の帳票ID群と、帳票コンテンツ選択画面1100を表示した際に受信した担当部門IDとを利用記録として記録している。前記利用記録を参照することで、これまでにどの部門でどの帳票コンテンツが何度利用されたのかを参照可能であり、ソート順序の判断情報として利用している。もちろん、職員ID、患者IDに関しても同様の方法で利用記録を記録し、ソート順序の判断情報として利用可能である。
帳票コンテンツ選択画面1100の左側には、帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示されるサムネイル画像1107を絞り込むためのコントロール群が表示されている。なお、帳票コンテンツ選択コントロール1106の上部には、現在の検索条件と検索ヒット数が表示されるが、これらは前記サムネイル画像1107を絞り込むためのコントロール群を操作すると表示が更新される。
部門選択コントロール1101は、医療帳票を扱う部門名群とそれぞれにチェックボックスが備えられる。チェックボックスをチェックすると、帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示されるサムネイル画像1107群が、対応する部門名を持つ帳票コンテンツデータに対応するサムネイル画像1107のみに絞り込まれる。具体的には図5のように、放射線科のチェックボックスにチェックをつけると、帳票コンテンツ選択コントロール1106には、帳票コンテンツデータの部門に「放射線科」が記録されている帳票コンテンツデータのサムネイル画像1107のみが表示される(図5参照)。なお、複数の部門を選択(チェック)してもよく、その場合には部門をOR条件で絞り込む。
分類選択コントロール1102は、医療帳票の分類名群とそれぞれにチェックボックスが備えられ、チェックボックスをチェックすると、帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示されるサムネイル画像1107群が、対応する分類名を持つ帳票コンテンツデータに対応するサムネイル画像1107のみに絞り込まれる。具体的には図6のように、同意書のチェックボックスにチェックをつけると、帳票コンテンツ選択コントロール1106には、帳票コンテンツデータの分類に「同意書」が記録されている帳票コンテンツデータのサムネイル画像1107のみが表示される。なお、複数の分類を選択(チェック)してもよく、その場合には分類をOR条件で絞り込む。
キーワード検索テキストボックス1103は、帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示されるサムネイル画像1107群をキーワード検索テキストボックス1103に入力したキーワードに対応するものに絞り込む際に利用する。具体的には、前記キーワードが部分一致する帳票名、もしくは、部門、分類、タグを持つ帳票コンテンツデータに絞り込み、対応するサムネイル画像を帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示する(図9参照)。なお、キーワード検索テキストボックス1103には複数のキーワード群を空白(スペース)で区切って入力してもよく、その場合にはキーワード群のAND条件で絞り込む。具体的には、キーワード検索テキストボックス1103に「放射線科 同意書」と入力された場合に、帳票コンテンツデータ群の中から、帳票名、もしくは、部門、分類、タグに「放射線科」が部分一致で含まれ、かつ、「同意書」も部分一致で含まれるものが絞り込まれる。そして、対応するサムネイル画像が帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示される。
なお、部門選択コントロール1101と分類選択コントロール1102、キーワード検索テキストボックス1103は組み合わせて使用可能であり、絞り込みはAND条件となる。具体的には、図7のように、部門選択コントロール1101で「放射線科」を、分類選択コントロール1102で「同意書」を選択(チェック)している場合には、帳票コンテンツデータ群の中から、部門が「放射線科」、かつ、分類が「同意書」であるものが絞り込まれる。そして、対応するサムネイル画像が帳票コンテンツ選択コントロール1106に表示される。
プリセット選択コントロール1104には、ボタン群が配置され、各ボタンは、医療機関施設で予め設定された複数の帳票コンテンツデータ群を簡単に選択するために利用される。つまり、例えば「CT検査 帳票群を選択」ボタンを押下すると、ある医療機関施設の通常運用においてCT検査時に必ず使用する「説明資料X」と「同意書X」とが自動的に選択される。そして、帳票コントロール1108に対応するサムネイル画像1110が追加される(図10参照)。なお、プリセット選択コントロール1104に配置されるボタンの追加および削除は医療機関施設の運用方法によって決定される。追加時には、「CT検査 帳票群を選択」、「MRI検査 帳票群を選択」といった表示文字列と、押下時にどの帳票コンテンツデータ群が選択するのかを、医療機関が決定し、設置する。
検索条件クリアボタン1105は、検索条件を「なし」にするために利用されるボタンである。具体的には、部門選択コントロール1101でチェックされているチェックボックスをチェックされていない状態に変更し、分類選択コントロール1102でチェックされているチェックボックスをチェックされていない状態に変更する。そして、キーワード検索テキストボックス1103に入力されている文字列を空にする。
図11に示す帳票コンテンツ確認画面1200は、帳票コンテンツ確認機能102によって制御される。簡単には、患者や患者の家族、患者の同伴者が帳票コンテンツデータに含まれる帳票画像を確認するために利用する画面であり、同時に、医療機関の職員が説明等を行うための画面でもある。
帳票コンテンツ確認画面1200を表示した際に帳票コンテンツ確認機能102が受信した、確認帳票群IDを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に問い合わせる。そして、担当部門ID、担当職員ID、患者ID、帳票ID群、帳票IDそれぞれに対応する帳票コンテンツの対応状況(確認済みかどうか)を受信する。そして、受信した担当部門ID、担当職員ID、患者IDを元にHIS400に問い合わせ、帳票コンテンツ確認画面1200上部に、担当部門名、担当職員名、患者ID、患者名を表示する。なお、前記確認帳票群IDの受信の方法としては、帳票コンテンツ確認画面1200のURIのパラメータとして受信する方法がある。
帳票名表示コントロール1201は、帳票コンテンツ確認機能102が受信した帳票ID群を元に、帳票コンテンツデータベース105から帳票コンテンツデータ群を参照し、帳票名群を横方向に右へ、前記帳票ID群の整列順に並べて表示している。並べて表示された各帳票名はボタンとなっており、以下、説明のため帳票名ボタンと記述する。なお、帳票名ボタン群のうち、対応する帳票コンテンツが確認済みでない、一番左に配置される帳票名ボタンは選択状態となり、ハイライト表示される。患者や医療機関施設の職員といったユーザが、帳票名ボタンをクリック(タブレット型PCやスマートフォンであればタップ)すると、クリックされた帳票名ボタンが選択され、以前に選択されていた帳票名ボタンは選択解除される。また、帳票名ボタンに対応する帳票コンテンツが確認済みである場合、図12に示すように、帳票名ボタンの文字列の横にチェックマークが表示され、確認済みであることが分かりやすく表示される。また、帳票コンテンツ確認画面の画面解像度や帳票名群の長さによって、帳票名表示コントロール1201に帳票名ボタン群が画面に収まらないことがある。しかし、その場合には、帳票名表示スクロールコントロール1202および1203を操作することによって、所望の帳票名ボタンが表示されるよう、スクロール可能である。
帳票画像表示コントロール1204は、帳票名表示コントロール1201で選択されている帳票名ボタンに対応する帳票コンテンツデータに含まれる帳票画像を表示する。患者や医療機関施設の職員といったユーザは、帳票画像表示コントロール1204を利用して、帳票コンテンツの内容を確認する。帳票画像が帳票コンテンツ確認画面1200に収まらない場合には、スクロールして表示されていない領域を表示可能である。帳票画像を最下部まで表示すると、確認ボタン1205が押下可能な状態になるので、ユーザは帳票画像の内容(つまり、帳票コンテンツの内容)を理解したら、確認ボタン1205を押下する。すると、図12に示すように、まず、選択されていた帳票名ボタンの文字列(図11における「説明資料X」)の横にチェックマークが表示され、帳票コンテンツの内容を確認した旨、分かりやすく表示される。以下、説明のため、チェックマークが表示されていない初期状態の帳票名ボタンに対応する帳票コンテンツデータを未確認帳票コンテンツデータと記述する。また、チェックマークが表示されている帳票名ボタンに対応する帳票コンテンツデータ、つまり、帳票画像を確認された帳票コンテンツデータを確認済み帳票コンテンツデータと記述する。次に、選択されていた帳票名ボタンの選択が解除され、帳票名表示コントロール1201の中から、未確認帳票コンテンツデータに対応する帳票名ボタンが選択される。同時に、帳票画像表示コントロール1204は、帳票名表示コントロール1201で選択されている帳票名ボタンに対応する帳票コンテンツデータに含まれる帳票画像を表示するため、帳票画像表示コントロール1204に表示されている帳票画像が切り替わる。つまり、確認ボタン1205の押下に応じて、確認する帳票コンテンツを切り替える。また、未確認帳票コンテンツデータが確認済み帳票コンテンツデータに変更された時点の日時を帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録することによって、未署名でも、いつ患者が帳票コンテンツの内容を確認したのか参照可能とする。具体的には、帳票コンテンツ確認機能が受信している確認帳票群IDと、選択されている未確認帳票コンテンツデータ(直後に確認済み帳票コンテンツデータに変更される)に含まれる帳票IDと確認ボタン1205押下時点の日時とを、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。なお、全ての帳票名ボタンにチェックマークがつき、つまり、未確認帳票コンテンツデータが無くなった場合には、帳票コンテンツ確認画面1200から署名画面1300に遷移する。そして、その際、帳票コンテンツ選択機能102から帳票コンテンツ確認機能103へ、帳票コンテンツ確認機能102が受信している、確認帳票群IDが送信される。
図13に示す署名画面1300は、署名機能103によって制御される、簡単には、帳票コンテンツ確認画面1200で確認した帳票に関連する署名者、つまり、患者や代諾者、患者の家族、患者の同伴者、医療機関施設の職員である医師、技師などが、操作端末300に備えられた操作手段によって手書き署名を行う画面である。前記操作手段は、デジタイザやスタイラスと呼ばれるペン型デバイスであると、より紙で行う署名作業に近しく、基本的にユーザが日頃から慣れている行為となるため、再現性が高く、好ましい。具体的には、署名画面1300では署名の筆跡情報が記録されるが、もし署名の筆跡鑑定が必要となった場合に、ユーザが署名毎に似たような筆跡を再現できる、つまり、再現性が高いことでユーザの署名であることを証明しやすい。なお、署名機能103は、署名を行う必要のある署名者群を抽出しておく必要があり、具体的には、署名機能103が受信した帳票ID群を元に帳票コンテンツデータベース105に問い合わせ、得られた帳票コンテンツデータ群に含まれる署名者群を抽出する。署名画面1300は、前記署名者群の各署名者をすべて網羅するように、署名の完了していないそれぞれの署名者に対して署名画面を用意する。なお、署名が完了しているか否かは、署名機能103が受信した確認帳票群IDを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に問い合わせることによって、署名機能103は把握することができる。もし、署名を行う必要のある署名者が居ない場合や、署名機能103が受信した確認帳票群IDを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に問い合わせた結果、署名の必要な帳票への署名手続きがすべて完了している場合には、署名画面1300は署名が必要ない旨表示し、署名手続きを終了する。
署名画面1300は、上記署名の必要な署名者一人ずつの画面が用意され、ある署名者の画面で署名が完了すると、次の署名者の画面へ、というふうに順番に署名させるような画面遷移を行う。例えば、署名者が医療機関施設の職員である、医師の場合には、図13に示すように、署名情報表示1301には、「担当医 署名画面」という表示と、「説明した内容にチェックして、下の枠内に署名をしてください。」という表示がされ、医師の署名が完了し、次の署名者が技師の場合には、図15に示すように、「担当医 署名画面」という表示が「担当技師 署名画面」に切り替わる。一方、署名者が医療機関施設の職員でない、患者や患者の家族、患者の同伴者等であった場合には、表現が変化し、例えば患者の場合、署名情報表示1301には、「患者様 署名画面」という表示と、「ご確認・同意いただいた内容にチェックして、下の枠内に署名をお願い致します。」という表示がされる(図16参照)。また、図18に示すような署名画面1300であってもよい。署名画面1300は、例えば、署名が完了するごとに図13、15、16、18のように連続的に切り替えられる。
署名画面1300は、署名画面1300を表示した際に署名機能103が受信した、確認帳票群IDを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に問い合わせ、担当部門ID、担当職員ID、患者ID、帳票ID群、帳票IDに対応する帳票コンテンツそれぞれの対応状況(署名者が署名済みかどうか)を受信する。そして、受信した担当部門ID、担当職員ID、患者IDを元にHISに問い合わせ、署名画面1300上部に、担当部門名、担当職員名、患者ID、患者名を表示する。なお、前記確認帳票群IDの受信の方法としては、署名画面1300のURIのパラメータとして受信する方法がある。
帳票コンテンツ一覧表示1302には、署名機能103が受信した帳票ID群を元に、帳票コンテンツデータベース105に問い合わせた帳票コンテンツデータ群に含まれる帳票名群と、各帳票名にチェックボックスが備えられ、列挙されている。署名者は、図14や図17のように、前記チェックボックス群にチェックすることによって、各チェックボックスに対応する帳票コンテンツデータに対し、署名を行うという意思表示をする。もし、チェックされていないチェックボックスがある場合には、対応する帳票コンテンツデータに対し、署名者が、医療機関施設の職員であれば説明していなかったり説明が不十分であったことを示し、患者や代諾者等であれば確認していない、あるいは、納得していない、同意していない等のことを示す。なお、初期状態のチェックボックス群はチェックされていない状態であり、署名者が変わる毎に初期状態に戻る。
帳票コンテンツ再確認ボタン1303は、もう一度帳票コンテンツを確認するためのボタンであり、押下すると帳票コンテンツ確認画面1200に戻る。具体的には、帳票コンテンツ確認画面1200に画面遷移し、署名機能103から帳票コンテンツ確認機能102へ、確認帳票群IDが送信される。
署名欄コントロール1304は、操作端末300に備えられた操作手段によって手書き署名を行うための領域である。署名者は、図14や図17のように、署名欄コントロール1304に指やペン型デバイス等を用いて手書き作業による署名を行う。初期状態の署名欄コントロール1304は、何も書かれていない空の状態であり、署名者が変わる毎に初期状態に戻る。
一人前の署名に戻るボタン1305は、間違えて署名完了ボタン1307を押下してしまったときに、現在の署名者の署名作業を中止し、直前の署名者の署名作業をやり直すためのボタンである。つまり、署名画面が直前の署名者の署名画面に戻る。なお、最初の署名者の場合には、一人前の署名に戻るボタン1305は押下できない状態である。
書き直しボタン1306は、署名欄コントロール1304での手書き作業に失敗した場合に押下し、署名欄コントロール1304を初期状態(空の状態)に戻すためのボタンである。
署名完了ボタン1307は、署名欄コントロール1304での手書き作業が完了した場合に押下し、次の署名者の署名画面に遷移するためのボタンである。もし、次の署名者がいない場合には、署名機能は終了する。なお、署名完了ボタン1307が押下されると、署名機能103は、署名完了ボタン1307が押下された時点の日時と、帳票コンテンツ一覧表示1302にてチェックされているチェックボックス群に対応する帳票コンテンツデータ群の帳票ID群、署名者、署名画像データ、筆跡情報を帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。
なお、上記したように、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、確認帳票群IDとともに関連する帳票ID群を記録しているため、任意の確認帳票群IDに対し、前記の署名完了ボタン1307押下時の記録動作により、すべての署名者の署名が完了したことを知ることが出来る。そして、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、すべての署名者の署名が完了すると、完了した確認帳票群IDに関連する帳票ID群のそれぞれの帳票IDを元に、コンテンツデータベースから帳票コンテンツデータに含まれる署名埋め込み情報を得る。もし、前記署名埋め込み情報に帳票に署名や署名された日にち、署名者のID、署名者の住所などを埋め込む必要がある旨が記録されている場合には、前記署名埋め込み情報に含まれる画素座標をもとに、前記帳票コンテンツデータに含まれる帳票画像のコピーに拡大もしくは縮小した署名画像データや署名された日にち、署名者のID、署名者の住所などを埋め込む。そして、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に署名済み帳票画像として保管する。また、医療機関施設の運用によっては、すべての署名者の署名が完了した時点で、HISへ前記保管した署名済み帳票画像群を対応する患者IDに紐付けて送信してもよい。それによって、HISからも署名済み帳票画像を参照可能となる。
図19に示す帳票コンテンツ対応状況参照画面1400は、帳票コンテンツ対応状況参照機能104によって制御される。帳票コンテンツ選択画面1100において選択された帳票コンテンツ群に対し、帳票コンテンツ確認画面1200において説明や確認の対応が行われたかどうか、署名画面1300において、署名が行われたかどうか、といった対応状況を一覧するための画面である。署名画面1300を表示するWEBブラウザ機能301は、帳票に対する署名の完了状況を示す情報を患者毎に表示する手段の一例に相当する。なお、帳票コンテンツ確認画面1200や署名画面1300の手続きにおいて、操作端末300がネットワークから切断されてしまったり、WEBブラウザ機能301の動作を中断した場合でも、帳票コンテンツ対応状況参照画面1400より、手続きを再開することができる。
帳票コンテンツ対応状況参照画面1400の中央には対応状況一覧コントロール1406が表のように配置され、一番上の行が二行目以下の値に対する名前(つまり、ヘッダー)を表わしている。二行名以下については各行が任意の確認帳票群IDに対応する値群(つまり、レコード)を表わしている。具体的には、図19の対応状況一覧コントロール1406の二行目で説明すると、左から一列目はレコード(行)を選択するためのラジオボタンである。ラジオボタンは、任意のレコードを選択するために利用するが、ラジオボタンであるため、複数のレコード群を同時に選択はできない。二列目は確認帳票群IDが生成された生成日時であり、値は2016年3月10日10時10分を示す。三列目は担当部門名であり、値は放射線科を示す。四列目は担当職員であり、値は下丸子太郎を示す。五列目は患者IDであり、値は1415926535を示す。六列目は患者名であり佐藤清を示す。なお、患者名の値は患者IDを元にHISに問い合わせ、得られた値である。七列目は確認帳票群IDに紐付く、帳票ID群に対応する帳票コンテンツデータ群に対する対応状況を表わす。対応状況の定義は、「未確認」の場合、帳票コンテンツ選択画面1100での帳票コンテンツ選択手続きは完了しているが、帳票コンテンツ確認画面1200による確認手続きにおいて、帳票コンテンツの確認手続きが一つも完了していない、つまり、一度も確認ボタンが押されていないことを示す。「一部確認」の場合、帳票コンテンツ確認画面1200による確認手続きにおいて、帳票コンテンツの確認手続きが一つ以上は完了しているが、すべては完了していないことを示す。「確認完了」の場合、すべての帳票コンテンツデータ群の、帳票コンテンツ確認画面1200による確認手続きが完了しているが、署名画面1300による署名手続きが一つも完了していないことを示す。
「一部署名」の場合、すべての帳票コンテンツデータ群の、帳票コンテンツ確認画面1200による確認手続きが完了しているが、署名画面1300による署名手続きが、一つ以上は完了しているが、すべては完了していないことを示す。「署名完了」の場合、すべての帳票コンテンツデータ群の、帳票コンテンツ確認画面1200による確認手続きが完了しており、かつ、署名画面1300による署名手続きが完了していることを示す。なお、対応状況一覧コントロール1406の一行目のヘッダー群は、ユーザである医療機関施設の職員が操作端末300の操作手段を使用して、クリック(タブレット型PCやスマートフォンであればタップ)すると、ソート順序を設定することができる。例えば、生成日時をクリックする毎に、生成日時の日時順で二行目以降のレコードが昇順、降順を切り替えながらソートされる。ソート順序表示1407は、前記クリックされたヘッダーに表示され、現在のソート順序が昇順であるのか、降順であるのか、を示している。また、対応状況一覧コントロール1406に表示されているレコード群は、医療機関施設の方針によっては、生成日時が古く、対応状況が未確認のものを、作成ミスや無駄なレコードとみなし、非表示にしたりしても良い。また、帳票コンテンツ対応状況参照画面1400が開かれた際に、帳票コンテンツ対応状況参照機能104が患者IDを受信していた場合には、対応する患者IDを含む確認帳票群IDに対応するレコードのみを表示するようにすると、所望のレコードが検索しやすく好適である。なお、前記患者IDの受信の方法としては、帳票コンテンツ対応状況参照画面1400のURIのパラメータとして受信する方法がある。
全て表示ボタン1401を押下すると、帳票コンテンツ状況参照機能に記録されたすべての確認帳票群IDに対応する値群(レコード)が確認可能できる。ただし、あまりにも数が多い場合など、所望のレコードを探すのに負担となる場合には、医療機関施設の方針に従って、表示できる最大数を制限しても良いし、生成日時が古いものを非表示にしても良い。
条件表示ボタン1402は、条件選択ボタン1403より絞り込み条件を選択した上で、絞り込み表示を行うことのできるボタンである。具体的には、条件選択ボタン1403を押下すると、「未確認を表示」「一部確認を表示」、「確認完了を表示」、「一部署名を表示」、「署名完了を表示」、「署名未完了を表示」のいずれかを選択できるドロップダウンリストが表示されるので、所望の条件を選択し、その上で条件表示ボタン1402を押下すると、選択した条件に対応する対応状況を持った確認帳票群IDに対応する値群(レコード)が対応状況一覧コントロール1406に表示される。つまり、条件選択ボタン1403によって、「未確認を表示」を選択していると、対応状況が「未確認」のレコードのみが対応状況一覧コントロール1406に表示され、「一部確認を表示」を選択していると、対応状況が「一部確認」のレコードのみが対応状況一覧コントロール1406に表示される、といったふうに、その他、「確認完了を表示」、「一部署名を表示」、「署名完了を表示」においても同様の動作をする。「署名未完了を表示」を選択している場合においては、対応状況が「署名完了」でないのレコードすべてが対応状況一覧コントロール1406に表示される。
再開ボタン1404は、対応状況一覧コントロール1406の各レコードに設置されたラジオボタンによって選択したレコードの手続きを再開するためのボタンである。具体的には、あるレコードの対応状況が、「未確認」、または、「一部確認」であれば、帳票コンテンツ確認機能102に、選択したレコードに対応する確認帳票群IDを送信し、画面を帳票コンテンツ確認画面1200に遷移させる。「確認完了」、または、「一部署名」であれば、署名機能103に、選択したレコードに対応する確認帳票群IDを送信し、画面を署名画面1300に遷移させる。「署名完了」であれば、署名結果確認機能に、選択したレコードに対応する確認帳票群IDを送信し、画面を署名結果確認画面1600に遷移させる。なお、再開ボタン1404の動作は、ラジオボタンを選択せずとも、対応状況一覧コントロール1406の所望のレコードのラジオボタン部以外をクリックすることによって代行しても良い。
削除ボタン1405は、対応状況一覧コントロール1406の各レコードに設置されたラジオボタンによって選択したレコードを非表示にするためのボタンであり、誤って生成した確認帳票群IDや古いために所望のレコードを探すのに邪魔になってしまう確認帳票群IDを削除するために利用する。ここで非表示にされたレコードは、以降、帳票コンテンツ対応状況参照画面において、全て表示ボタン1401や条件表示ボタン1402を押下したとしても、表示されなくなる。なお、医療機関施設の方針によっては、削除ボタン1405を非表示にして、利用不可にしても良い。
なお、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、オーダリングシステムから検査オーダーが出された場合に、RISまたはHISから当該検査オーダーの情報(担当部門、担当職員、患者ID,患者名、オーダー作成日など)を取得し、図19に示すような、帳票への署名を取るべき患者を示すエントリを生成することとしてもよい。帳票コンテンツ対応状況参照機能104はエントリを作成した段階では「対応状況」は未確認とし、その後署名が行わるたびに最新の情報に更新することとしてもよい。例えば、なお、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は署名の入力を検知して、エントリの「対応状況」を更新する。すなわち、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は帳票に対する署名の実行に応じて署名の完了状況を示す情報を更新する手段
帳票コンテンツ対応状況参照機能104は定期的にRISに新たな検査オーダーがないか確認を行い、新たな検査オーダーがある場合に図19のようなエントリを作成することとしてもよい。すなわち、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、帳票に対する署名の完了状況を示す情報を検査オーダーに基づいて生成する、生成されたエントリをクリック(またはタップ)することで図4の画面に遷移することとしてもよい。図19のような情報を作成することで、本実施形態におけるシステムは、帳票に対する署名の完了の有無等の状況を適切に管理することが可能となる。
図20に示す、署名結果確認画面1600は、署名結果確認機能106によって制御される、簡単には、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録されている、署名済み帳票画像を参照したり、印刷するための画面である。
署名結果確認画面1600は、署名結果確認画面1600を表示した際に署名結果確認機能106が受信した、確認帳票群IDを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に問い合わせ、担当部門ID、担当職員ID、患者ID、帳票ID群を受信する。そして、受信した担当部門ID、担当職員ID、患者IDを元にHISに問い合わせ、帳票コンテンツ対応状況参照画面1600上部に、担当部門名、担当職員名、患者ID、患者名を表示する。なお、前記確認帳票群IDの受信の方法としては、署名結果確認画面1600のURIのパラメータとして受信する方法がある。
帳票名表示コントロール1601は、署名結果確認機能106が受信した帳票ID群を元に、帳票コンテンツデータベース105から帳票コンテンツデータ群を参照し、帳票名群を横方向に右へ、前記帳票ID群の整列順に並べて表示している。並べて表示された各帳票名はボタンとなっており、以下、説明のため帳票名ボタンと記述する。なお、帳票名ボタン群のうち、一番左に配置される帳票名ボタンは選択状態となり、ハイライト表示される。患者や医療機関施設の職員といったユーザが、帳票名ボタンをクリック(タブレット型PCやスマートフォンであればタップ)すると、クリックされた帳票名ボタンが選択され、以前に選択されていた帳票名ボタンは選択解除される。また、帳票コンテンツ対応状況参照画面の画面解像度や帳票名群の長さによって、帳票名表示コントロール1601に帳票名ボタン群が画面に収まらないことがあるが、その場合には、帳票名表示スクロールコントロール1602および1603を操作することによって、所望の帳票名ボタンが表示されるよう、スクロール可能である。
署名済み帳票画像表示コントロール1604は、帳票名表示コントロール1601で選択されている帳票名ボタンに対応する帳票IDに対応する帳票コンテンツ対応状況参照機能に記録された署名済み帳票画像を表示する。患者や医療機関施設の職員といったユーザは、帳票画像表示コントロール1604を利用して、署名済み帳票画像を確認可能である。署名済み帳票画像が署名結果確認画面1600に収まらない場合には、スクロールして表示されていない領域を表示可能である。
印刷ボタン1605は、上記帳票ID群に対応する帳票コンテンツ対応状況参照機能に記録された署名済み帳票画像群を、ネットワーク200、もしくは、操作端末300に接続されたプリンターを使って印刷するためのボタンであり、押下すると、前記プリンターに前記署名帳票画像群の印刷データが送信され、署名済み帳票画像群が紙に印刷される。この手続きによって、例えば、患者がある同意書について署名を行い、同意事項に同意した証拠として、印刷された署名済み帳票画像を手渡し、保管を促すことが出来る。
完了ボタン1606は、署名結果確認機能による署名済み帳票画像の参照を終了するためのボタンであり、完了ボタン1606を押下すると署名確認画面1600を表示している操作端末300のWEBブラウザ機能301が終了する。
署名完了日時表示1607は、ある帳票コンテンツについて、必要な署名者すべての署名が完了した日時を表示している。
以下、第一の実施形態に係る画像診断支援システムの一般的な利用の流れについて説明する。なお、図3は第一の実施形態に係る画像診断支援システムを説明するためのフロー図である。
ステップS101において、医療機関の職員が帳票コンテンツ選択画面1100を操作端末300に備えられたWEBブラウザ機能301で開く。具体的には、WEBブラウザ機能301で帳票コンテンツ選択画面1100のURIを指定して開いても良いし、HISの操作画面に設置された帳票コンテンツ選択画面1100を開くためのボタンを押下してWEBブラウザ機能301を開いても良い。ただし、いずれの開き方においても、パラメータとして、担当部門ID、担当職員ID、患者IDを帳票コンテンツ選択機能101に送信する必要がある。HISから開いた場合には、多くの場合、HISに職員IDを利用してログインして、対象の患者の操作画面を開くことになる。担当部門IDとして前記職員IDに紐付く担当部門IDを利用し、担当職員IDとして前記職員IDを利用し、患者IDとして前記対象の患者の患者IDを利用することで、容易に前記パラメータ群付きURIを生成して、帳票コンテンツ選択画面1100を開くことができる。従って、帳票コンテンツ選択機能101に前記パラメータ群を送信でき、好適である。なお、上記パラメータ群の担当部門ID、担当職員ID、患者IDは、いずれも医療機関施設の職員であれば知ることは容易い情報なので、職員自身が前記パラメータ群付きURIを導出して、WEBブラウザ機能301を開くことは可能である。
ステップS102において、帳票コンテンツ選択画面1100を操作して、医療機関施設の職員が対象の患者に必要な帳票コンテンツを選択し、確認開始ボタン1109を押下する。
ステップS103において、帳票コンテンツ確認画面1200を操作して、医療機関施設の職員が前記対象の患者に帳票コンテンツ群を説明し、内容を確認させる。もしくは、患者自身がWEBブラウザ機能301を操作して、内容を確認する。このとき、操作端末300がタブレット型PCであると、確認し易い画面サイズであったり、重量であるため、好適である。なお、確認ボタン1205を押下することによって、帳票コンテンツ確認画面1200に表示中の帳票コンテンツの確認を完了したとみなすが、すべての帳票コンテンツの確認が終わるまで、ステップS104に遷移できない。
ステップS104において、署名画面1300を操作して、ステップS102で選択された帳票コンテンツに設定されている署名者が手書きで署名作業をおこなう。このとき、操作端末300がデジタイザやスタイラスと呼ばれるペン型デバイスを操作手段として備えていると、署名者が普段慣れた方法で署名作業を行うことができ、好適である。なお、ステップS102で選択された帳票コンテンツすべての署名作業が完了すると、署名機能103が署名画像データを帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録し、ステップS105が実行される。
ステップS105において、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録された署名画像データを、対応する帳票画像に埋め込み、署名済み帳票画像として保存する。なお、帳票画像に埋め込まれる必要のある署名画像データは、帳票それぞれで異なる。例えば、帳票によっては、患者の署名画像データと医師の署名画像データが埋め込まれる場合もある。なお、ステップS104で患者が一回署名を行うと群に含まれる複数の帳票に患者の署名が、署名埋め込み情報に基づいて埋め込まれることとなり、患者が複数の帳票それぞれに署名を行うという手間が軽減される。前記署名済み帳票画像が保存されると、ステップS106が実行される。
ステップS106において、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、ステップS105において保存された上記署名済み帳票画像をHISに送信しても良い。送信した場合には、医療機関施設の職員がHISの操作画面から署名済み帳票画像が参照可能となる。
ステップS107において、帳票コンテンツ対応状況参照画面1400を操作して、医療機関施設の職員が、医療行為の実施前等に帳票コンテンツ対応状況を確認する。具体的には、検査の前に、必要な同意事項にすべて同意しているか、などの確認である。また、帳票コンテンツ対応状況参照画面1400を操作して、署名結果確認画面1600を表示して、ステップS105において保存された署名済み帳票画像を参照することもできるし、患者の保管用に印刷して渡すこともできる。
本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げる。従来、例えば、検査を実施する際に医療機関の職員は検査の種類毎に必要となる帳票コンテンツ群を把握しておく必要があったが、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、プリセット選択コントロール1104を利用して、自動的に必要な帳票コンテンツ群を選択できる。従って、ため、前記把握しておく必要がなく、楽である。
また、本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げる。従来、医療行為を実施する前に説明資料の内容を説明したかどうか、同意事項への同意を得たかどうか、保存した説明資料や同意書を捜索して内容確認する必要があった。しかし、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、説明資料の確認状況や、同意事項への同意状況を、操作端末上で簡単に確認できるため、手間が軽減される。
さらに、本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げる。従来、帳票コンテンツ群を患者への説明に利用して患者に理解させる、もしくは、患者自身に自力で理解してもらうために、帳票コンテンツを印刷、もしくは、既に印刷してある帳票コンテンツを複写する必要があった。しかし、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、帳票コンテンツを操作端末上に表示可能であるため前記印刷や前記複写の必要がなく、紙を消費することによる経済的コスト、紙を保管するための空間的コストが削減でき、経済的であり、地球環境にやさしい。
また、本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げる。従来、医療帳票に対し、署名が必要な場合には、患者や医師といった署名者が、署名の必要な医療帳票すべてに、必要な署名者全員が前記医療帳票の数だけ署名作業を行う必要があり大変手間であった。しかし、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、署名の必要な署名者が一度署名すれば、すべての必要な医療帳票に署名が埋め込まれる。その他にも、署名した日にちや、署名者のID、署名者の住所を手書きせずとも埋め込まれるため、手間が軽減される。
以上により、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、検査や手術、入院といった医療行為を実施する際に必要となる医療帳票に関して、帳票コンテンツの選択や署名行為の手間を軽減するなどして、好適な医療帳票処理システムを提供することができる。
[発明を実施するための第二の実施形態]
本実施形態における用語は、第一の実施形態において記述したものと同様である。
本第二の実施形態に係る医療帳票処理システムは、第一の実施形態に係る医療帳票処理システムと一部を除き同一であるため、第一の実施形態に係る医療帳票処理システムに関わる図や符号を流用して、特徴となる点を抜粋して説明する。
以下、第二の実施形態に係る医療帳票処理システムについて説明する。なお、図21は、第二の本実施形態に係る画像診断支援システムの構成の一例を説明するためのブロック図である。また、それぞれの機能ブロックは、それぞれの機能を有する一体として構成されてもよい。また、それぞれの機能ブロックは、別々のサーバにより構成され、それぞれが通信可能に接続されても良い。医療帳票処理システム100は、ネットワーク200を介して医療帳票処理システム100に接続された1つ以上の操作端末200に、医療帳票処理システム100が備える機能を操作するための画面を提供する。具体的には、WEBサーバ機能107が画面を提供し、WEBブラウザ機能301で表示および操作を行う。
第二の実施形態に係る医療帳票処理システム100は、帳票コンテンツ選択画面1100における帳票コンテンツの選択操作を、HIS400に含まれるオーダリングシステムから発行されるオーダーを応用して、簡便に行えるようにしたものである。
第二の実施形態が、第一の実施形態と異なる点の一つとして、第一の実施形態では、帳票コンテンツ選択画面1100において、帳票コンテンツデータ群を選択後、確認開始ボタン1109を押下してからの一連の手続きによって、帳票コンテンツ対応状況参照機能104が新たに確認帳票群IDに生成していた。しかし、第二の実施形態では、医療機関において検査の予約を行う際に、HIS(オーダリングシステムをHIS400が内包するものとして記述している)がRIS500に向けて送信するオーダーを帳票コンテンツ対応状況参照機能104も受信する。そして、前記オーダーに含まれる前記予約に関する担当部門ID、担当職員ID、患者IDの検査種を特定し、新たに確認帳票群IDを生成する。そして、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、前記確認帳票群IDに紐付けて、前記担当部門IDと前記担当職員ID、前記患者ID、前記帳票ID群(この時点では空)、前記確認帳票群IDを生成した日時、さらに各帳票IDに対応する帳票コンテンツデータに対する確認状況や署名状況、対応種別情報を記録したレコードを新たに作成し、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。対応種別情報とは、具体的には、「CT検査」、「MRI検査」といった前記予約のオーダー種名が特定可能な情報が記録されている。
以下、第二の実施形態の説明に必要なユーザーインタフェース(UI)である画面やボタン等のコントロールについて説明する。
第二の実施形態では、第一の実施形態における、図19に示す帳票コンテンツ対応状況参照画面1400が、図23に示す帳票コンテンツ対応状況参照画面1500に置き換わっている。
図23に示す、帳票コンテンツ対応状況参照画面1500は、第一の実施形態における帳票コンテンツ対応状況参照画面1400とほぼ同じだが、対応種別情報に関する動作と対応状況の定義が追加されている。具体的には、図23に示す、第二の実施形態の、全て表示ボタン1501、再開ボタン1504、削除ボタン1505ボタンの動作、対応状況一覧コントロール1506のヘッダーをクリックしたときの動作、ソート順序表示1507の動作は、それぞれ、図19に示す、第一の実施形態の、全て表示ボタン1401、削除ボタン1405の動作、対応状況一覧コントロール1406のヘッダーをクリックしたときの動作、ソート順序表示1407の動作と同様である。また、帳票コンテンツ対応状況参照画面1500の中央には対応状況一覧コントロール1506が表のように配置され、第二の実施形態では、第一の実施形態と比べて、左から五列目が新しく挿入された列であり、対応種別情報が表示される。また、対応状況の定義に、「未選択」が追加されている。「未選択」とは、帳票コンテンツ選択画面1100において、帳票コンテンツデータが選択され、確認開始ボタン1109が押下されていないことを示す。つまり、上記したように、帳票コンテンツ対応状況参照機能104がオーダー情報、もしくは、オーダーに含まれる検査種に関する情報を受信した時点で確認帳票群IDを生成している。そのため、帳票コンテンツ選択画面1100を操作して、帳票コンテンツデータを選択する前に、対応状況一覧コントロール1506にレコードが存在することとなり、対応状況が「未選択」のレコードになる。また、第二の実施形態における条件表示ボタン1502に配置された条件選択ボタン1503では、第一の実施形態における条件表示ボタン1402に配置された条件選択ボタン1403で選択できた条件群に加え、「未選択を表示」が選択可能となっている。「未選択を表示」を選択して、条件表示ボタン1502を押下すると、対応状況一覧コントロール1506には、対応状況が「未選択」のレコードのみが表示される。また、第二の実施形態における再開ボタン1504では、第一の実施形態における再開ボタン1404の動作に加え、あるレコードの対応状況が、「未選択」であった場合に、帳票コンテンツ選択機能101に、選択したレコードに対応する確認帳票群IDを送信し、画面を帳票コンテンツ選択確認画面1100に遷移させる。
帳票コンテンツ選択画面1100は、帳票コンテンツ選択画面1100を表示した際に帳票コンテンツ選択機能101が第一の実施形態において受信していた、担当部門ID、担当職員ID、患者IDに加え、対応種別情報を受信可能である。もしくは、確認帳票群IDのみを受信する。確認帳票群IDのみを受信した場合には、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に確認帳票群IDを元に問い合わせ、結果的に、担当部門ID、担当職員ID、患者ID、対応種別情報を受信する。第二の実施形態では、前記対応種別情報を利用することによって、第一の実施形態において実施されていた、サムネイル画像1107を選択する操作を省くことができる。具体的には、対応種別情報に応じて、自動的に予め設定された帳票コンテンツデータに対応するサムネイル画像1107群が選択された状態で帳票コンテンツ選択画面1100が表示される。つまり、プリセット選択コントロール1104に配置されたボタンを押下したとき動作と同様の手続きが、帳票コンテンツ選択画面1100を開いた時点で実行されるものである。例えば、対応種別情報が「CT検査」であった場合には、ある医療機関施設の通常運用においてCT検査時に必ず使用する「説明資料X」と「同意書X」とに対応する帳票コンテンツデータ群が自動的に選択され、帳票コントロール1108に対応するサムネイル画像1110が追加された状態で、帳票コンテンツ選択画面1100が表示される。「MRI検査」等、その他の検査種についても同様に、医療機関施設で予め設定された帳票コンテンツデータ群が自動的に選択され、帳票コントロール1108に対応するサムネイル画像1110が追加された状態で、帳票コンテンツ選択画面1100が表示される。もし、自動的に選択された帳票コンテンツデータ群に過不足あった場合には、所望の帳票コンテンツデータを手動で選択したり、削除したりすれば良い。なお、上記したような、対応種別情報によって自動的に選択される帳票コンテンツデータ群は、医療機関施設が予め決定し、帳票コンテンツ選択機能に記録しておく。また、第一の実施形態と同様に、説明資料や同意書を選択し終わったら、最終的には、確認開始ボタン1109を押下する。これによって、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ対応状況参照機能104に、担当部門IDと担当職員ID、患者ID、選択されている帳票コンテンツデータ群の帳票ID群、確認帳票群IDが送信され、対応状況参照機能104は、対応状況参照機能104が既に記録している、受信した前記確認帳票群IDと同一の確認帳票群IDに紐付くレコードを更新する。特に、前記レコードの対応状況は「未選択」から「未確認」に更新される。そして、画面は帳票コンテンツ選択画面1100から帳票コンテンツ確認画面1200に遷移し、同時に、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ確認機能102へ、前記確認帳票群IDを送信する。なお、確認開始ボタン1109を押下してから、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ確認機能102へ、前記確認帳票群IDを送信する、一連の手続きにおいて、帳票コンテンツ対応状況参照機能104が帳票コンテンツ選択機能101から受信した確認帳票群IDと同一の確認帳票群IDが、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録されていない場合には、第一の実施形態において説明した、確認開始ボタン1109を押下してから、帳票コンテンツ選択機能101から帳票コンテンツ確認機能102へ、確認帳票群IDを送信する一連の手続きが代わりに実行される。この状況は、第一の実施形態において説明した帳票コンテンツ選択画面1100の開き方や、帳票コンテンツ選択機能101が確認帳票群IDを受信せずに、帳票コンテンツ選択画面1100が開かれた場合に発生する。
以下、第二の実施形態に係る画像診断支援システムの一般的な利用の流れについて説明する。なお、図22は第二の実施形態に係る画像診断支援システムを説明するためのフロー図である。
ステップS201において、医療機関の職員が、ある患者の検査予約に際して、HISを利用してオーダーをRISと帳票コンテンツ対応状況参照機能104に送信する。もしくは、HISはRISのみにオーダーを送信し、RISが帳票コンテンツ対応状況参照機能104に前記オーダーのコピーを送っても良い。もしくは、HISはRISのみにオーダーを送信し、帳票コンテンツ対応状況参照機能104がHIS、もしくは、RISに記録されたオーダー情報を定期的に読み取ることで、帳票コンテンツ対応状況参照機能104が前記オーダーに関する情報を得ても良い。帳票コンテンツ対応状況参照機能104がオーダー情報を受信すると、帳票コンテンツ対応状況参照画面1500の対応状況一覧コントロール1506に、対応状況が「未選択」の新しいレコードが追加される。
ステップS202において、医療機関施設の職員は、操作端末300に備えられたWEBブラウザ機能301で帳票コンテンツ対応状況参照画面1500を開き、対応状況一覧コントロール1506にステップS201において追加された上記新しいレコードを選択し、再開ボタン1504を押下することによって、帳票コンテンツ選択画面1100を開く。もしくは、第一の実施形態におけるステップS101に示した方法と同様にして、WEBブラウザ機能301で帳票コンテンツ選択画面1100のURIを指定して開いても良いし、もしくは、HISの操作画面に設置された帳票コンテンツ選択画面1100を開くためのボタンを押下してWEBブラウザ機能301を開いても良い。ただし、第一の実施形態におけるステップS101に示した方法と同様にして帳票コンテンツ選択画面1100を開いた場合には、ステップS203において、上記オーダーに指定される検査種に必要な帳票コンテンツが自動的に選択されない。
ステップS203は、第一の実施形態におけるステップS102と同様であるが、ステップS202において、対応状況一覧コントロール1506を利用して帳票コンテンツ選択画面1100を開いた場合には、上記オーダーに指定される検査種に必要な帳票コンテンツが自動的に選択された状態で開かれる。
ステップS204は、第一の実施形態におけるステップS103と同様である。ステップS205は、第一の実施形態におけるステップS104と同様である。ステップS206は、第一の実施形態におけるステップS105と同様である。ステップS207は、第一の実施形態におけるステップS106と同様である。ステップS208は、第一の実施形態におけるステップS107と同様である。なお、第二の実施形態においては、帳票コンテンツ対応状況参照機能104がRISで管理される検査の実行を抑制しても良い。具体的には、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録される各確認帳票群IDに紐付く対応状況が「署名完了」になっていない場合には、患者の検査に対する同意が取れていないことを示すので、医療機関施設の職員は検査が実施できないと判断するが、もしこの状態で検査を実施しようとした場合、つまり、RISで管理する検査のステータスを「実施」に変更しようとした場合、RISがネットワークを介して、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に前記対応状況を問い合わせ、「署名完了」になっていない場合、RISの判断で前記ステータスの変更を中止しても良い。すなわち、帳票コンテンツ対応状況参照機能104は、署名の完了状況に応じて検査の実行を制御する手段の一例に相当する。もしくは、同意が取れていない旨、アラートを表示しても良い。
本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果として、第一の実施形態の効果に加えて、HISが発行するオーダーに含まれる情報を活用することによって、より少ない手間で、帳票コンテンツの選択が可能となっている点が挙げられる。
以上により、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、検査や手術、入院といった医療行為を実施する際に必要となる医療帳票に関して、帳票コンテンツの選択や署名行為の手間を軽減するなどして、好適な医療帳票処理システムを提供することができる。
[発明を実施するための第三の実施形態]
説明に必要な用語は、発明を実施するための第一の実施形態において記述したものに加え、以下に記述するものがある。
HTML(Hyper Text Markup Language)とは、主にWEBブラウザに表示するオブジェクトを定義するための記述言語であり、単純に文字列や画像(静止画、および、動画)を表示するだけでなく、オブジェクトの色や大きさ、アニメーションを設定したり、WEBブラウザ上で動作可能なプログラミング言語であるJava(登録商標)Scriptを併用して、動的にオブジェクトのふるまいを決定したりできる。
DOM(Document Object Model)とは、HTML等の記述言語によって定義されたオブジェクトの構成を表わすモデルである。DOMを変更するような仕組みを含まないWEBページであれば、ある時点のDOMを保存しておくことによって、後でWEBページの状態を復元できる。例えば、あるWEBページにおいて、テキストボックスやチェックボックスに入力や変更を行った状態のDOMを保存しておけば、後で、DOMから前記WEBページの状態を復元する、といったことができる。なお、DOMを利用せずとも、WEBページの内容を復元する方法は、他にもあり、例えばテキストボックスやチェックボックスへの入力や変更を何かしらのファイルに出力したり、データベースに記録しておき、後で復元する時に、前記ファイルや前記データベースから情報を入力するようなJava(登録商標)script等のプログラムをWEBページに埋め込んでおくことによって実施できる。本発明においては、WEBページの状態を復元するための情報や仕組みをWEBページ復元手段と呼ぶ。
第三の実施形態に係る医療帳票処理システムは、第二の実施形態に係る医療帳票処理システムと一部を除き同一であるため、第二の実施形態の説明と同様にして、第一の実施形態に係る医療帳票処理システムに関わる図や符号を流用して、特徴となる点を抜粋して説明する。
以下、第三の実施形態に係る医療帳票処理システムについて説明する。なお、第三の実施形態に係る画像診断支援システムの構成は、第二の実施形態に係る画像診断支援システムの構成と同一である。
第三の実施形態に係る医療帳票処理システム100を簡単に説明すると、発明を実施するための第二の実施形態が扱える帳票コンテンツの種類は帳票画像だけであったが、第三の実施形態に係る医療帳票処理システム100は、HTMLで記述されたオブジェクトを利用可能にすることで、紙帳票のスキャン画像だけでなく、動的に条件分岐可能な問診コンテンツや動画の説明資料、外部WEBサイトへのリンク等を扱えるようにした医療帳票処理システムである。
第三の実施形態に係る医療帳票処理システム100と、第二の実施形態に係る医療帳票処理システム100との差異の一つとして、第三の実施形態における帳票コンテンツデータベース105においては、HTMLで記述されたオブジェクトが記録されていることが挙げられる。具体的には、第二の実施形態における帳票コンテンツデータベース105の、帳票コンテンツデータを構成する「帳票画像」の代わりに「帳票オブジェクト」が記録されている。「サムネイル画像」についても、「帳票オブジェクト」をWEBブラウザで表示したときの画面の様子に相当する画像を縮小したものが記録されている。さらに「帳票オブジェクト」が参照するための静止画や動画像、スタイルシートといったデータ群であ る「帳票オブジェクトデータ」も帳票コンテンツデータの構成要素として追加されている。
なお、「帳票オブジェクトデータ」に記録されるデータ群のファイル形式は特に制限は無い。前記差異に伴い、以下の第三の実施形態の説明の中で「帳票画像」とある場合には、実際には「帳票オブジェクト」もしくは、対応するWEBページ復元手段が帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録されていれば、前記WEBページ復元手段を適用した「帳票オブジェクト」のことを指すものとする。なお、「帳票オブジェクト」を使って、第二の実施形態における「帳票画像」を再現するには、「帳票オブジェクトデータ」に静止画である第二の実施形態における「帳票画像」を記録し、「帳票オブジェクト」では、HTMLに定義されるimgタグを用いて、imgタグのsrc属性に前記「帳票オブジェクトデータ」へのファイルパスを設定することによって、代用が可能である。また、「帳票オブジェクト」で動画像を扱うには、「帳票オブジェクトデータ」に所望の動画を記録し、HTMLに定義されるvideoタグで前記「帳票オブジェクトデータ」を指定することによって、動画再生可能な「帳票オブジェクト」が利用できる。他にも、HTMLに定義されるinputタグと関連するオプションを設定することによって、テキスト入力エリアやラジオボタン、チェックボックス等を利用した「帳票オブジェクト」が設定可能であったり、canvasタグとJava(登録商標)scriptを利用して手書きやシェーマ画像への書き込みが可能な「帳票オブジェクト」が設定可能であったり、さらに、上記タグ群を組み合わせたり、スタイル定義を利用してサイズや色を設定したりした「帳票オブジェクト」も設定可能であるため、第三の実施形態は、第二の実施形態と比べて、同意事項の確認や説明を行う際の表現力が増しただけでなく、条件に応じた問診を行えるなど、応用範囲が増している。また、「帳票オブジェクト」はHTMLで記述されるため、第二の実施形態における「帳票画像」と異なり、修正が容易である。なお、上記差異により、第二の実施形態における対応種別情報は、「CT検査」、「MRI検査」といった検査名のみを扱っていたが、図24の対応状況一覧コントロール1506に示すように、「入院」や「問診」といったオーダーにも対応可能となる。
第三の実施形態の説明に必要なユーザーインタフェース(UI)である画面やボタン等のコントロールは、第二の実施形態とほぼ同一であるため、特徴となる点を抜粋して説明する。
患者や医療機関施設の職員といったユーザは、帳票画像表示コントロール1204を利用して、帳票コンテンツの内容を確認する。第二の実施形態において、帳票画像表示コントロール1204には、「帳票画像」が表示されていたが、第三の実施形態においては、「帳票オブジェクト」をHTMLによる記述言語として解釈し、表示する。帳票オブジェクトが帳票コンテンツ確認画面1200に収まらない場合には、スクロールして表示されていない領域を表示可能である。帳票オブジェクトを最下部まで表示すると、確認ボタン1205が押下可能な状態になる。従って、ユーザは帳票オブジェクトの内容(つまり、帳票コンテンツの内容)を理解した、もしくは問診に回答した等、帳票オブジェクトに対する対応をしたら、確認ボタン1205を押下する。
確認ボタン1205を押下して、未確認帳票コンテンツデータが確認済み帳票コンテンツデータに変更された時点の日時と帳票オブジェクトのWEBページ復元手段を帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録することによって、未署名でも、いつ患者が帳票コンテンツの内容に対し、どのような対応をしたのか参照可能となる。また、帳票コンテンツの確認を途中から再開したときにWEBページ復元手段を利用して状態を復元可能とする。具体的には、帳票コンテンツ確認機能が受信している確認帳票群IDと、選択されている未確認帳票コンテンツデータ(直後に確認済み帳票コンテンツデータに変更される)に含まれる帳票IDと確認ボタン1205押下時点の日時とWEBページ復元手段とを、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。
なお、全ての帳票名ボタンにチェックマークがつき、つまり、未確認帳票コンテンツデータが無くなった場合には、帳票コンテンツ確認画面1200から署名画面1300に遷移するが、その際、帳票コンテンツ確認機能102は、各帳票オブジェクトに対して、対応するWEBページ復元手段を適用して、ユーザの帳票コンテンツへの対応を復元したWEBページを、WEBブラウザで表示したときの画面の様子に相当する画像を、対応記録画像として、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録する。前記対応記録画像は、帳票オブジェクトを解釈できないHIS等のために記録するものであり、例えば、従来、紙の問診票への記入結果を電子的に保存したい場合、記入済みの前記問診票を光学スキャナーでスキャンする。そのあと、スキャン結果であるスキャン画像をHISに記録するなどしていたが、HISには例えばDOMを記録するような機能は通常無いため、本発明の実施形態においても従来の運用に沿えるよう、前記対応記録画像を生成し、帳票コンテンツ対応状況参照機能104に記録しておく。これにより、HIS等への帳票コンテンツへのユーザの対応結果を提供可能とする。なお、第三の実施形態においては、図22に示すステップS207において、前記対応記録画像が署名画像データの埋め込みが必要であれば埋め込まれた後がHISに送信される。
第三の実施形態に係る画像診断支援システムの一般的な利用の流れは、第二の実施形態と同様である。
本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果として、第二の実施形態の効果に加えて以下のような効果がある。
本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げる。帳票コンテンツとして、静止画だけでなく、文字列や動画、ハイパーリンク、チェックボックス、テキスト入力エリア、手書きエリアといったHTMLで定義可能なオブジェクトが利用可能となっている。そのため、従来のように紙帳票を利用する場合と比べて、表現力が高く、同意事項や説明資料の確認のためとしてだけではなく、問診を取れたりと、応用範囲が広い。
また、本実施形態に係る医療帳票処理システムの効果の一つを挙げると、帳票コンテンツとして、HTMLで記述されるオブジェクトを利用しているため、ユーザは簡単に帳票コンテンツの修正が可能であり、従来のような、紙帳票における修正と印刷し直しの手間が軽減される。
以上により、本実施形態に係る医療帳票処理システムによれば、検査や手術、入院といった医療行為を実施する際に必要となる医療帳票に関して、帳票コンテンツの選択や署名行為の手間を軽減するなどして、好適な医療帳票処理システムを提供することができる。