JP4990949B2 - シートベルト故障診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シートベルト故障診断装置に関する。
シートベルト装置の中には実際にシートベルトを巻き取ることなくプリテンショナ用のモータの故障を検出できるシートベルト装置がある。このシートベルト装置は、モータとシートベルトとを断接させるクラッチ手段とモータに流れる電気量を検知する電気量検知手段とを備え、クラッチ手段によりモータとシートベルトとが接続された状態でシートベルトが展開されるとモータが巻き取り方向と逆方向の展開方向に回転して発電し、電気量検知手段によりモータで発電された電気量を検知してモータの故障診断をする(特許文献1参照)。
特開2005−297731号公報
しかしながら、モータで発電された発電量を検知する従来技術にあっては、モータから動力を伝達するギヤに故障が生じた場合には、モータの故障診断に特化しているため、このギヤの故障診断を行うことができないという課題がある。
そこで、この発明は、クラッチ部を有するプリテンショナ手段を備えたシートベルト装置においてクラッチ部の故障を検出するセンサを別途設けることなく、プリテンショナ作動状況を考慮して正確な故障診断を行うことができるシートベルト故障診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、ウエビング(例えば、実施形態におけるウエビング5)を巻回するウエビングリール(例えば、実施形態におけるウエビングリール13)と、前記ウエビングリールに伝達機構(例えば、実施形態におけるギヤ群G)を介して連結されたモータ(例えば、実施形態におけるモータ38)と、前記モータ及び前記ウエビングリールを接状態に保持する接位置と、前記モータ及び前記ウエビングリールを断状態に保持する断位置とに変位可能なクラッチ部(例えば、実施形態におけるクラッチ部56)を設け、前記クラッチ部の故障を判定するシートベルト故障診断装置であって、前記ウエビングリールの回転角度を検出するウエビングリール回転角検出手段(例えば、実施形態におけるウエビングリール回転角センサ84)と、前記ウエビングリール回転角検出手段の検出結果に基づいてウエビングの引出し量または巻き取り量を算出するウエビング引き出し巻き取り量算出手段(例えば、実施形態における制御装置10)と、車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、実施形態における車速センサ80、Gセンサ81、ブレーキセンサ85、ヨーレートセンサ86)と、前記車両状態検出手段により検出された車両状態に基づいて、前記モータを駆動し、前記ウエビングに張力を付与して乗員をシート(例えば、実施形態におけるシート2)に拘束するプリテンショナ手段(例えば、実施形態における第一プリテンショナ14)と、前記車両状態検出手段により検出された車両状態に基づいて、エアバッグ(例えば、実施形態におけるエアバッグ87)を展開させるエアバッグ展開手段(例えば、実施形態におけるSRSユニット82)と、前記クラッチ部材の故障を推定する故障推定手段(例えば、実施形態におけるステップS4,ステップS11)とを有し、前記故障推定手段は、前記エアバッグが非展開であり、前記プリテンショナ手段により前記ウエビングに張力が付与されている間、前記ウエビング引き出し巻き取り量算出手段により算出された前記ウエビングの引出し量が所定量を超えた場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記バックル状態を検出するバックル状態検出手段(例えば、実施形態におけるバックルセンサ83)を有し、前記プリテンショナ手段は、前記ウエビングの格納動作を行うように構成され、前記故障推定手段は、前記プリテンショナ手段が動作した後、前記バックル状態検出手段によりバックル状態のオフを検出し、前記格納動作の作動中に、前記ウエビングリール回転角検出手段がウエビングリールの回転を検出できない場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記バックル状態を検出するバックル状態検出手段を有し、前記プリテンショナ手段は、前記ウエビングの格納動作を行うように構成され、
前記故障推定手段は、前記プリテンショナ手段が動作した後、前記バックル状態検出手段によりバックル状態のオフを検出し、前記格納動作の作動中に、前記ウエビング引き出し巻き取り量算出手段によりウエビングの巻き取り量を算出できない場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記車両の加速度を検出する加速度検出手段(例えば、実施形態におけるGセンサ81)を有し、
前記故障推定手段は、前記検出した加速度が所定値を超えたとき、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記プリテンショナ手段は、バックル状態のオフを検出した後、前記モータの駆動電流を大きくして、格納動作を行うことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、プリテンショナ手段により、例えば、衝突前の追突軽減のためにプリテンショナ手段を作動させウエビングに張力が付与されているのにもかかわらず、ウエビングが所定量を超えて引き出される場合にはクラッチ部が故障と推定できるため、別途センサ等を必要とせず故障診断を行うことができる。
請求項2に記載した発明によれば、バックル状態のオフつまりバックルが外れていることを検出した後にウエビングの格納動作を行ってもウエビングリールが作動しない場合にはクラッチ部が故障であると推定できるため、別途センサを必要とせず故障診断を行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、バックル状態のオフつまりバックルが外れていることを検出した後にウエビングの格納動作を行ってもウエビングの巻き取り量を算出できない場合にはクラッチ部が故障であると推定できるため、別途センサを必要とせず故障診断を行うことができる。
請求項4に記載した発明によれば、加速度検出手段により検出された軽衝突で加速度が所定値を超えた場合や、衝突前の追突軽減のためにブレーキをかけた場合のようにプリテンショナ手段が作動した環境に置かれた場合に故障診断を行うため、故障診断の信頼性が高いものとなる。
請求項5に記載した発明によれば、通常の快適性を損ねないようなウエビング巻き取りのための駆動電流値に比較して大きめの駆動電流値を設定しているため、乗員の手が当たってウエビングの格納が行えない場合ではないことが確認でき、確実にクラッチ部の故障診断を行うことができる。
この発明の実施形態の全体構成図である。 リトラクタの第一プリテンショナの取り付けを示す分解斜視図である。 リトラクタのベースフレーム回りの分解斜視図である。 第一プリテンショナの分解斜視図である。 ギヤ群の説明図である。 図5の側面説明図である。 第一プリテンショナ作動前の通常状態のファイナルギヤの正面図である。 シェアピン破断時のファイナルギヤの正面図である。 クラッチ接位置のファイナルギヤの正面図である。 クラッチ断位置のファイナルギヤの正面図である。 故障診断処理を示すフローチャート図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施形態のシートベルト装置1の説明図である。シート2の側方の図示しないセンタピラー内に、乗員3を拘束するウエビング5を巻き取るリトラクタ4が配置されている。リトラクタ4から上方に引き出されたウエビング5はセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されると共に、その先端がシート2の外側壁のアウタアンカ7を介して車体フロアに固定され、スルーアンカ6とアウタアンカ7の間でウエビング5に挿通されたタングプレート8がシート2の内側壁寄りの車体フロアのバックル9に脱着可能となって所謂三点式のシートベルト装置1を構成している。
ウエビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。
また、このシートベルト装置1のリトラクタ4は、ウエビング5を引き出す方向Hと巻き取る方向Mにウエビングリール13を回転可能なモータ38を有する第一プリテンショナ14と、ガスジェネレータを介してウエビング5を巻き取る方向Mにウエビングリール13を回転させる第二プリテンショナ15を備えている。
第一プリテンショナ14は、第二プリテンショナ15が作動しない(エアバッグ非展開)ような軽衝突時、急ブレーキをかけた場合、車両が横滑りを起こした場合、急転舵による横方向の加速度が大きく作用する場合、追突前の衝突軽減を行う場合等に乗員を拘束する目的でモータ38により後述するラチェットギヤ20を介してウエビングリール13を回転させてウエビング5を巻き取る。
第二プリテンショナ15は車両が衝突した際に、ガスジェネレータによりラチェットギヤ20を介してをウエビングリール13を回転させてウエビング5を巻き取る。
これら第一プリテンショナ14及び第二プリテンショナ15は制御装置10を介して駆動制御される。
ここで、タングプレート8をバックル9から外すと、渦巻きバネ18の巻き取り力を第一プリテンショナ14のモータ38でアシストすることによりウエビング5がウエビングリール13に巻き取る格納動作が行われ、ウエビング5がリトラクタ4のベースフレーム12内に格納される。尚、渦巻きバネ18のみではウエビングリール13は巻き取りを開始せずウエビング5の格納動作は行われない。
制御装置10には車速センサ80からの信号、Gセンサ81からの信号、SRSユニット82からの信号等が入力される。更に、バックル9状態のオン、オフ、つまりタングプレート8がバックル9に装着されているか否かを検出するバックルセンサ83、ウエビングリール回転角センサ84、ブレーキセンサ85及びヨーレートセンサ86からの信号が制御装置10に入力される。これら各センサにより車両状態が検出される。
これら車速センサ80、Gセンサ81、SRSユニット82、バックルセンサ83、ウエビングリール回転角センサ84、ブレーキセンサ85、ヨーレートセンサ86からの検出信号に基づいて、制御装置10は第一プリテンショナ14のモータ38を駆動制御し、第二プリテンショナ15のガスジェネレータを駆動し、エアバッグ87を展開し、メータパネルに設けたシステム異常を知らせる既存のワーニングランプ88を点灯させ第一プリテンショナ14の後述するクラッチ部56の故障を報知する。
ここで、制御装置10はモータ38の駆動電流を既存の電流センサから取り込んでモータ38を制御するため、制御装置10にはモータ38の電流センサからの信号が入力される。また、制御装置10はウエビングリール回転角センサ84のパルス信号に基づいてウエビングリール13の回転角を算出し、この回転角に基づいてウエビング5の巻き取り量、引出し量、回転角速度等を算出する。したがって、制御装置10はウエビング引き出し巻き取り量算出手段として機能する。尚、ウエビング5の巻き取り量は、ウエビング5が完全に巻き取られた場合の完全格納位置に至る場合の巻き取り量も含む。
図2、図3に示すように、箱状のベースフレーム12の一側壁12a(図3参照)に、第二プリテンショナ15及び第一プリテンショナ14が順に配置されている。
第一プリテンショナ14は下部に設けたモータ38を駆動させることでケース16内に設けたギヤ群G及びラチェットギヤ20を介してウエビングリール13を駆動する。
第二プリテンショナ15は、図示しない、パワーソースであるガスジェネレータによりボールを移動させてラチェットギヤ20を介してウエビングリール13をウエビング5の巻き取り方向M(図1参照)に回転させる。尚、ケース16は上部ケース16uと下部ケース16dとで構成されている。
第一プリテンショナ14の側面に、上部スプリングカバー17uと下部スプリングカバー17dとで構成されたスプリングカバー17が設けられ、スプリングカバー17内に渦巻ばね18が収容されている。渦巻ばね18の外周端は、上部スプリングカバー17uに固定され、渦巻ばね18の中心端は、リテーナ19に固定されている。リテーナ19は、第一プリテンショナ14のラチェットギヤ20の中心軸と回転可能に連結されている。
そして、ラチェットギヤ20の中心軸は、ウエビングリール13における中心軸の一方の軸端に設けられたスリーブ21と着脱自在に回転可能に連結している。尚、モータ38の非駆動時にはラチェットギヤ20が回転自在となっているので、渦巻ばね18は、ウエビングリール13がウエビング5を巻き取る方向Mへ力を付与している。
図3に示すように、ウエビングリール13の内側には図示しない嵌合凹部が設けられ、この嵌合凹部にトーションバー11の一端が嵌合している。トーションバー11の他端は、トレッドヘッド22の一方の側面に形成された嵌合凹部23に嵌合している。トレッドヘッド22の一方の側面は、EAストッパ24でウエビングリール13に回転可能に支持されている。
トレッドヘッド22の他方の側面に形成された凹部にロッキングエレメント25が保持されている。ロッキングエレメント25は、Ω字状のオメガスプリング26で姿勢が規制されセーフティプレート27で覆われている。セーフティプレート27は、ステアリングホイール28及び内部結合集合体29、更に、ベアリングプレート30が積層されている。ベアリングプレート30はカバー31で覆われている。
ウエビングリール13は、両軸が上部スプリングカバー17uとベアリングプレート30で支持され渦巻ばね18の付勢力を受けた状態でベースフレーム12の内部に収容されている。ここで、渦巻ばね18の付勢力はウエビング5には僅かな張力しか与えないようにして、乗員3に対する締め付け力を押さえている。尚、バックル9からタングプレート8を外した場合には、モータ38によるウエビング5の巻き取りアシストによりウエビングリール13に巻き取られる。
図2において、トレッドヘッド22に収納されたロッキングエレメント25には係合爪が設けられている。この係合爪は乗員がウエビング5を急激に引き出したような場合にトレッドヘッド22の回転力によって外側に飛び出しベースフレーム12の他側壁12bに形成された内歯12gに係合し、トレッドヘッド22の回転を阻止するロック機構32を構成している。
また、車両の加速度が所定の値を超えた衝突時などに、ベース36上のボール33の移動によって、爪部材37、レバー34、WSスプリング35及び内部結合集合体29を介してステアリングホイール28とベアリングプレート30が結合することで、ロッキングエレメント25の係合爪が外側に飛び出し、ベースフレーム12に形成された内歯12gに係合することによってもロック機構32がロック状態になる。
ロック機構32がロック状態になると、トーションバー11の回転も停止し、ウエビングリール13はトーションバー11の捩れに対応するだけの回転のみが許容される。ウエビング5は、トーションバー11の捩れ力に起因する張力を受けつつ回転する。すなわち、ウエビングによって、慣性移動しようとする乗員の運動エネルギを吸収するエネルギ吸収作用(以下、EA(Energy Absorption)作用という)が機能する。
図4〜図6に示すように、モータ38は、モータ本体40にカバー41、リング42及びエンドキャップ43を取り付けると共にモータ本体40に基板44を取り付けて、エンドカバー45で覆ったものである。
モータ38の回転軸46にはギヤ群Gのピニオンギヤである1stギヤ51が取り付けられている。この1stギヤ51に2ndギヤ52、3rdギヤ53、4thギヤ54及びファイナルギヤ55が順次噛合してモータ38の駆動力を減速している。
具体的には、1stギヤ51は2ndギヤ52のアウタギヤ52oに噛合し、2ndギヤ52のインナギヤ52iが3rdギヤ53のアウタギヤ53oに噛合し、3rdギヤの53のインナギヤ53iが4thギヤ54に噛合し、4thギヤがファイナルギヤ55に噛合している。ここで、図5において「CW」は時計回り、「CCW」は反時計回りを示し、ファイナルギヤ55が反時計回りに回転するとラチェットギヤ20を介してウエビングリール13がウエビング5の巻き取り方向Mに回転させる。
図4に示すように、2ndギヤ52、3rdギヤ53及び4thギヤ54各軸中心はが三角形の各頂点となるように配置され、3rdギヤ53、4thギヤ54及びファイナルギヤ55の各軸中心が三角形の各頂点となるように配置されコンパクトにケース16内に収容されている。尚、図5、図6では図示都合上各ギヤの構成と動作が理解し易いように、1stギヤ51は2ndギヤ52、3rdギヤ53、4thギヤ54及びファイナルギヤ55の各軸中心を一直線上に配置している。
図7にも示すように、ファイナルギヤ55は円環状に形成され、ファイナルギヤ55の底面を形成するようにリングプレート60が保持されている。リングプレート60には拡径する方向に弾性力を付与するC字状のフリクションスプリング62の両端部が固定され、フリクションスプリング61の外周とファイナルギヤ55の内周部との間にガイドリング62が保持されている。ここで、ガイドリング62はファイナルギヤ55と同軸に配置されている。ファイナルギヤ55の内周と、ガイドリング62の外周にはそれぞれ段差が設けられ、これら段差が相互に当接することによって、ファイナルギヤ55に対するガイドリング62の回動角度が規定されている。
ガイドリング62の内側にはラチェットギヤ20が配置されている。リングプレート60にはラチェットギヤ20に先端が係止可能な樹脂製などのパウル63が変位可能に支持され、パウル63の基端部はリングプレート60に支持されたリターンスプリング64により弾性的に押圧され、パウル63をラチェットギヤ20から離反させる外側方向に変位可能に付勢されている。
ガイドリング62は、パウル63をラチェットギヤ20側に案内するカム65を備えている。ここで、カム65の中間部には破断可能なシェアピン66が設けられ、このシェアピン66はガイドリング62の係合孔67に係止している。
このシェアピン66は、図5に示すようにパウル63がラチェットギヤ20に係止している状態では、カム65はシェアピン66を介してパウル63をラチェットギヤ20に係止する方向に押さえ込んでいるが、ファイナルギヤ55に対してより速くラチェットギヤ20をウエビング5の巻き取り方向Mに回転させる第二プリテンショナ15作動時には、ラチェットギヤ20にパウル63が弾かれる動作に連動してカム65が弾かれ、シェアピン66が破断し、カム65が外側に変位して(図8参照)、ファイナルギヤ55とウエビングリール13との係合が解除される。
したがって、図7に示す通常状態からファイナルギヤ55が反時計回りCCWに回転すると、フリクションスプリング61の弾性力でファイナルギヤ55の内周に摩擦伝動ですべり接触しているガイドリング62は、少し遅れてファイナルギヤ55の回転に追従する。図9に示すように、ガイドリング62が規定角度α回動するとファイナルギヤ55とガイドリング62が一体化する。ここで、ファイナルギヤ55が回動する際に、リングプレート60のパウル63とガイドリング62のカム65が相互に近づき、カム65の一端部はパウル63をラチェットギヤ20側に案内する。そして、図9に示すように、パウル63がラチェットギヤ20に係止して、ラチェットギヤ20をファイナルギヤ55の回転方向と同じ方向に回転させる。つまり、ウエビング5を巻き取る方向Mにウエビングリール13を回転させる。これがモータ38とウエビングリール13を接状態に保持するパウル63とラチェットギヤ20が噛み合うクラッチ部56の接位置となる。
図7に示す通常状態からファイナルギヤ55が時計回りCWに回転すると、フリクションスプリング61の弾性力でファイナルギヤ55の内周に摩擦伝動ですべり接触しているガイドリング62は、少し遅れてファイナルギヤ55の回転に追従する。ガイドリング62が所定角度β回動するとファイナルギヤ55とガイドリング62の連結が解除される(図10参照)。ここで、ガイドリング62が規定角度β回動すると、パウル63とカム65が相互に離反し、カム65の一端部はリターンスプリング64により外側に付勢されたパウル63をラチェットギヤ20から解除する方向に案内する。そして、図10に示すように、パウル63がラチェットギヤ20から離反して、ラチェットギヤ20とファイナルギヤ55の連結が解除される。すなわち、ウエビングリール13とモータ38との機械的伝達が解除される。これがモータ38とウエビングリール13を断状態に保持するパウル63とラチェットギヤ20の噛合が解除されるクラッチ部56の断位置となる。
次に、クラッチ部の故障診断処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。
この処理は、クラッチ部56を構成する部材であるパウル63の破損が生じていた場合に、これを特別のセンサを設けることなく乗員に報知するために行われる制御装置10による処理である。
例えば、第一プリテンショナ14が作動するのは、第二プリテンショナ15が作動しないような軽衝突時や、急ブレーキをかけた場合、車両が横滑りを起こした場合、急転舵による横方向の加速度が大きく作用する場合、追突前の衝突軽減を行う場合であるが、この第一プリテンショナ14の作動時にはパウル63がカム65に噛合しクラッチ部56が接状態となっている。したがってこの状態で、ウエビング5に引き出し方向の大きな力が作用すると、この力はウエビングリール13を介してラチェットギヤ20を図5において時計間回りCWに回転させる力となって作用し、パウル63にはラチェットギヤ20の歯から大きな力が作用してパウル63が破損することがある。
このようなパウル63の破損を含むクラッチ部56の故障を既存のセンサを用いて判定するのである。
図11に示すように、ステップS1において第一プリテンショナ14が作動したか否かを判定してステップS2に進む。クラッチ部56は第一プリテンショナ14の作動が前提で接位置となり、第一プリテンショナ14が作動していない場合には、クラッチ部56は断位置となり、クラッチ部56は破損しないからである。例えば、モータ38によるウエビング5の巻き取り方向の回転があったことで、第一プリテンショナ14の作動の有無を判定することができる。
ステップS2において、モータ38の駆動電流が10Aより大きかったか否かを判定する。判定結果が「YES」である場合にはステップS3に進み、「NO」である場合にはステップS7に進む。この駆動電流は衝突前の追突軽減のために第一プリテンショナ14によるウエビング5の巻き取り動作の際に必要な駆動電流を基準としている。衝突軽減のため第一プリテンショナ14の作動の有無を判別するためである。
ステップS3においてはエアバッグ87が展開していないか否かを判定する。ステップS3における判定結果が「NO」でエアバッグ87が展開している場合には制御を終了して再度ステップS1からの処理を繰り返す。
エアバッグ87の非展開を故障判定の要件としたのはエアバッグ87が展開しないような軽衝突時の第一プリテンショナ14の作動中の故障を想定しているからであり、エアバッグ87が展開している場合には衝突が発生しているためリトラクタ4を再使用することはなく第一プリテンショナ14の故障診断の必要がないからである。
ステップS3における判定結果が「YES」でエアバッグ87が展開していない場合には、ステップS4において第一プリテンショナ14の駆動中のウエビング5の引き出し量が20mmを超えたか否かを判定する。ウエビングリール13がロックして回転停止してもウエビング5は伸び、その間にクラッチ部56が破損するからである。判定結果が「YES」で20mmを超えた場合には、第一プリテンショナ14によりウエビング5の巻き取りが適正に行われていなかったためクラッチ部56を故障と推定してステップS5において第一プリテンショナ14の制御を終了し、その後、ステップS6においてメータパネルのワーニングランプ88を点灯して制御を終了し再度ステップS1からの処理を繰り替えす。
ステップS4において、第一プリテンショナ14の駆動中のウエビング5の引き出し量が20mm以下の場合には制御を終了して再度ステップS1からの処理を繰り替えす。
ステップS7において、第一プリテンショナ14の駆動中のGセンサ81による検出加速度Gが10Gを超えたか否かを判定する。判定結果が「YES」で10Gを超えた場合には、ステップS8において第一プリテンショナ14の制御を終了しステップS9に進む。ステップS7における判定結果が「NO」で、第一プリテンショナ14の駆動中のGセンサ81による検出値加速度Gが10G以下である場合には、制御を終了して再度ステップS1からの処理を繰り替えす。例えば、第二プリテンショナ15が作動しないような軽衝突時、また、急ブレーキをかけた場合、車両が横滑りを起こした場合、急転舵による横方向の加速度が大きく作用する場合に第一プリテンショナ14が作動したことを想定している。
ステップS9においては、バックルセンサ83がOFFか否かを判定する。判定結果が「NO」でバックル9からタングプレート8が外れておらずバックルセンサ83がONを検出した場合には、制御を終了し再度ステップS1からの処理を繰り返す。
ステップS9における判定結果が「YES」でバックル9からタングプレート8が外れてバックルセンサ83がOFFを検出した場合には、ステップS10においてウエビング5の格納作動制御を行う。具体的には、第一プリテンショナ14のモータ38を通常の巻き取りの駆動電流1Aとは異なる駆動電流3Aで駆動してウエビング5を巻き取る。
このように通常の巻き取りのための駆動電流とは異なり大きな駆動電流でモータ38を駆動してウエビング5を巻き取るのは、通常は快適性を損なわないために設定されている駆動電流よりも大きな駆動電流を作用させることにより、乗員3の手等が当たってウエビング5の格納を行えない場合ではないことを確認して、確実にクラッチ部56の破損、故障を判定するためである。
そして、ステップS11において、ウエビングリール13が作動しているか否かを判定する。判定結果が「YES」でウエビングリール13が作動しない場合にはクラッチ部56を故障と推定してステップS6に進み、メータパネルのワーニングランプ88を点灯する。
ステップS11における判定結果が「NO」でウエビングリール13が作動する場合には制御を終了し再度ステップS1からの処理を繰り返す。
したがって、既存の各種センサを用いて制御装置10による判定を行うことで、クラッチ部56の故障推定を行い、その結果、クラッチ部56が故障している場合には、メータパネルのワーニングランプ88を点灯して乗員にこれを報知することができる。
上記実施形態によれば、例えば、衝突前の追突軽減のために第一プリテンショナ14を作動させウエビング5に張力が付与されているのにもかかわらず、ウエビング5が所定量を超えて引き出される場合にはクラッチ部56を故障と推定して、メータパネルのワーニングランプ88を点灯表示することによりこれを確認することができるため、別途センサ等を必要とせず故障診断を行うことができる。
また、乗員が、例えば降車する際にバックル9からタングプレート8を外した後に、ウエビング5がの格納動作を行うが、このウエビング5の格納動作を行ってもウエビングリール13が作動しない場合にはクラッチ部56を故障と推定できるため、別途センサを必要とせず故障診断を行うことができる。
そして、Gセンサ81により検出された加速度が所定値を超えた軽衝突や、衝突前の追突軽減のためにブレーキをかけた場合等の第一プリテンショナ14が作動する環境に置かれた場合に故障診断を行っているため、故障診断の信頼性が高いものとなる。
更に、乗員が降車の際に行うウエビング5の格納動作の際のクラッチ部56の故障を判定する場合には、通常の快適性を損ねないようなウエビング巻き取りのための駆動電流値に比較して大きめの駆動電流値を設定しているため、乗員の手が当たってウエビング5の格納を行えない場合ではないことが確認でき、確実にクラッチ部56の故障診断を行うことができる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、渦巻きバネ18がモータ38のアシストを受けなくてもある程度ウエビング5を巻き取りが行える場合には、図11のステップS11に換えて、制御装置10によりウエビング5の一定の巻き取り量が算出されたか否かを判定してもよいし、一定時間内にウエビング5が完全格納位置にあるか否かを判定基準にしてもよい。尚、ウエビング5が完全格納位置にあるか否かは、ウエビング5の特定の部位が規定の場所に到達したかをスイッチ等で検出して判定しても良い。
2 シート
5 ウエビング
10 制御装置(ウエビング引き出し巻き取り量算出手段)
13 ウエビングリール
14 第一プリテンショナ(プリテンショナ手段)
38 モータ
56 クラッチ部
80 車速センサ(車両状態検出手段)
81 Gセンサ(車両状態検出手段、加速度検出手段)
82 SRSユニット(エアバッグ展開手段)
83 バックルセンサ(バックル状態検出手段)
84 ウエビングリール回転角センサ(ウエビングリール回転角検出手段)
85 ブレーキセンサ(車両状態検出手段)
86 ヨーレートセンサ(車両状態検出手段)
87 エアバッグ
ステップS4、ステップS11 故障推定手段
G ギヤ群(伝達機構)

Claims (5)

  1. ウエビングを巻回するウエビングリールと、
    前記ウエビングリールに伝達機構を介して連結されたモータと、
    前記モータ及び前記ウエビングリールを接状態に保持する接位置と、前記モータ及び前記ウエビングリールを断状態に保持する断位置とに変位可能なクラッチ部を設け、前記クラッチ部の故障を判定するシートベルト故障診断装置であって、
    前記ウエビングリールの回転角度を検出するウエビングリール回転角検出手段と、
    前記ウエビングリール回転角検出手段の検出結果に基づいてウエビングの引出し量または巻き取り量を算出するウエビング引き出し巻き取り量算出手段と、
    車両状態を検出する車両状態検出手段と、
    前記車両状態検出手段により検出された車両状態に基づいて、前記モータを駆動し、前記ウエビングに張力を付与して乗員をシートに拘束するプリテンショナ手段と、
    前記車両状態検出手段により検出された車両状態に基づいて、エアバッグを展開させるエアバッグ展開手段と、
    前記クラッチ部材の故障を推定する故障推定手段とを有し、
    前記故障推定手段は、前記エアバッグが非展開であり、前記プリテンショナ手段により前記ウエビングに張力が付与されている間、前記ウエビング引き出し巻き取り量算出手段により算出された前記ウエビングの引出し量が所定量を超えた場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とするシートベルト故障診断装置。
  2. 前記バックル状態を検出するバックル状態検出手段を有し、
    前記プリテンショナ手段は、前記ウエビングの格納動作を行うように構成され、
    前記故障推定手段は、前記プリテンショナ手段が動作した後、前記バックル状態検出手段によりバックル状態のオフを検出し、前記格納動作の作動中に、前記ウエビングリール回転角検出手段がウエビングリールの回転を検出できない場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする請求項1記載のシートベルト故障診断装置。
  3. 前記バックル状態を検出するバックル状態検出手段を有し、
    前記プリテンショナ手段は、前記ウエビングの格納動作を行うように構成され、
    前記故障推定手段は、前記プリテンショナ手段が動作した後、前記バックル状態検出手段によりバックル状態のオフを検出し、前記格納動作の作動中に、前記ウエビング引き出し巻き取り量算出手段によりウエビングの巻き取り量を算出できない場合に、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする請求項1記載のシートベルト故障診断装置。
  4. 前記車両の加速度を検出する加速度検出手段を有し、
    前記故障推定手段は、前記検出した加速度が所定値を超えたとき、前記クラッチ部を故障と推定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のシートベルト故障診断装置。
  5. 前記プリテンショナ手段は、バックル状態のオフを検出した後、前記モータの駆動電流を大きくして、格納動作を行うことを特徴とする請求項2〜請求項3の何れか一項に記載のシートベルト故障診断装置。
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