JP4975426B2 - ハニカム構造体成形用口金 - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカム構造体成形用口金に関し、更に詳しくは、ハニカム構造体の成形性及び耐摩耗性に優れたハニカム構造体成形用口金に関する。
セラミック質のハニカム構造体の製造方法としては、従来、成形原料(坏土)を導入する裏孔と、この裏孔に連通する格子状等のスリットとが形成されたハニカム構造体成形用口金を用いて押出成形する方法が広く行われている。この口金は、通常、一方の面(導入面)側に、複数の裏孔が大きな面積で開口して形成された導入部を有し、その反対側の面(他方の面)に、ハニカム構造体の隔壁厚さに対応する幅のスリットが格子状等に設けられた成形部を有する。そして、裏孔は、通常、格子状等のスリットが交差する位置に対応して設けられ、両者は、口金内部で連通している。従って、裏孔から導入されたセラミック原料等の成形原料は、比較的内径の大きな裏孔から、幅の狭いスリットへと移行して、このスリットの開口部からハニカム構造の成形体として押出される。
このようなハニカム構造体成形用口金としては、例えば、ステンレス合金や超硬合金等の一種類の合金から構成された板状の部材や、異なる二種類の板状の部材を接合して形成された板状の部材が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2000−326318号公報 特開2003−285308号公報 特開平10−315213号公報
しかしながら、ハニカム構造体成形用口金は、その導入面に凹凸を有し、導入面上においてこれらの凹凸にばらつきがあることにより、坏土の流動性にばらつきが生じ、それにより成形性、特に外壁の成形性に問題が生じていた。また、摩耗により、凹凸形状が変化し、流動性のばらつきも変化する問題も生じていた。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、押出成形時に、ハニカム構造体の成形性及び耐摩耗性に優れたハニカム構造体成形用口金を提供することを特徴とする。
上記課題を達成するため、本発明によって以下のハニカム構造体成形用口金が提供される。
[1] 一方の面(導入側の面)側に設けられ複数の裏孔を有する導入部と、他方の面側に設けられ前記裏孔と連通するスリットが形成された成形部とを有する板状の口金本体を備え、前記導入部の裏孔から導入された成形原料を、前記成形部のスリットを通してハニカム形状に成形する板状のハニカム構造体成形用口金であって、前記導入部の裏孔と連通する複数の流通孔が形成されたバックプレートが、前記導入側の面に、着脱自在に配設され、前記バックプレートのみが、その表面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)を有し、前記DLC膜が、少なくとも前記バックプレートの成形原料が導入される側の面に配設されており、前記バックプレートの流通孔と、前記導入部の裏孔とが同じ孔径であり、前記バックプレートの流通孔と、前記導入部の裏孔とがずれることなく重なっているハニカム構造体成形用口金。
[2] 前記DLC膜の厚さが、0.01〜10μmである[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
] 前記バックプレートに形成された複数の流通孔が、いずれも略同じ孔径である[1]又は[2]に記載のハニカム構造体成形用口金。
] 前記バックプレートが、前記導入部に、ボルト締め又はピン嵌め合いによって着脱自在に配設されている[1]〜[]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
本発明のハニカム構造体成形用口金によれば、導入部の裏孔と連通する流通孔が形成されたバックプレートが、導入側の面に着脱自在に配設され、そのバックプレートが、その表面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)を有するものであるため、バックプレートに配設されたDLC膜の平滑性の高さにより、成形原料の流動性のばらつきを抑制することが可能である。また、DLC膜の耐摩耗性の高さにより、バックプレートを長期に亘って使用することができる。更には、バックプレートが口金本体に着脱自在に配設されているため、一つのバックプレートを複数の口金に用いることが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示した、裏孔の伸びる方向(成形原料の流れ方向)に並行な断面図である。図1において、矢印Aは成形原料の流れ方向である。図1に示すように、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1は、一方の面(導入側の面8)側に設けられ複数の裏孔7を有する導入部3と、他方の面側に設けられ裏孔7と連通するスリット6が形成された成形部2とを有する板状の口金本体4を備え、導入部3の裏孔7と連通する流通孔9が形成されたバックプレート5が、導入側の面8に着脱自在に配設され、バックプレート5が、その表面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜11)を有する板状のハニカム構造体成形用口金である。そして、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1によれば、バックプレート導入面8から流通孔9を通り、導入部3の裏孔7から導入された成形原料を、成形部2のスリット6を通してハニカム形状に成形することができる。得られるハニカム構造体は、軸方向に伸びる複数のセルを区画形成するように形成された隔壁を備えるものであり、隔壁全体を囲むように配設される外周壁を備えてもよい。ここで、バックプレート導入面8は、バックプレート5の、口金本体4に接していない側の面である。スリット6は、成形原料の流れ方向に垂直な面において格子状に形成されることが好ましく、裏孔7は、格子状等のスリット6が交差する位置に対応して設けられることが好ましい。尚、スリット6が成形部2から導入部3の一部にまで延びるように設けられ、そのスリット6に連通するように導入部3に裏孔7が形成されてもよいし、逆に、裏孔7が導入部3から成形部2の一部にまで延びるように設けられ、その裏孔7に連通するようにスリット6が形成されてもよい。また、図1においては、口金本体4とバックプレート5とを離した状態で記載しているが、使用時には、口金本体4とバックプレート5とは接触した状態で使用する。
このように、表面にDLC膜11を有するバックプレート5を、導入部3の導入側の面8に接するように配設したため、バックプレートに配設されたDLC膜の平滑性の高さにより、成形原料の流動性のばらつきを抑制することが可能である。また、DLC膜の耐摩耗性の高さにより、バックプレートを長期に亘って使用することができる。また、DLC膜をバックプレート5の表面だけにコーティングすればよく、口金本体4にコーティングする必要がないため、コーティングを容易に行うことが可能である。更には、バックプレート5が、口金本体4の導入側の面8に着脱自在に配設されているため、一つのバックプレートを複数の口金に用いることが可能となる。
図2は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を、押出成形機の先端部分のマスキングプレートで固定した状態を模式的に示した、裏孔の伸びる方向に並行な断面図である。図2においては、押出成形機の他の部分は省略してある。図2において、ハニカム構造体成形用口金1は、成形部2が下流側を向く(導入部3が上流側を向く)ように配置され、上流側に位置するリング状の調整リング22と下流側に位置するリング状のマスキングプレート21とにより、スペーサ23を介して挟まれることにより固定されている。ここで、上流側というときは、成形原料の流れ方向(押出方向)における上流側をいい、下流側というときは、成形原料の流れ方向(押出方向)における下流側をいう。
図2に示すように、成形原料を流れ方向Aに流し、ハニカム構造体成形用口金1に導入すると、成形原料の多くは、そのまま導入部3の裏孔7に導入され、幅の狭いスリット6へと移行して、このスリットの開口部からハニカム構造の成形体として押出される。そして、成形原料の一部は、ハニカム構造体成形用口金1と調整リング22との隙間に、成形原料の流れ(横方向の流れ)A1で示すように入り込み、その隙間を通って裏孔7に導入され、マスキングプレート21と成形部2との間から外部に押し出される。このとき、マスキングプレート21と成形部2との間から押し出される成形原料がハニカム構造体の外周壁を形成する。
従来、成形原料が導入される面の凹凸のばらつきや、成形原料の流動性の違いにより、裏孔からスリットに導入される成形原料の流量が場所により異なるものとなり、得られるハニカム構造体の隔壁の厚さ(リブ厚)が所望の一定の厚さとならないことがあった。特に、上記横方向の流れA1の流量が多過ぎる場合には、外周壁の厚さが厚くなり過ぎる、或いは成形時の外壁速度が速すぎることがあった。このような場合には、調整リング22の内径(リング形状の内径(中央部分を貫通する孔の径))等を小さくする等により、横方向の流れA1の流量を減少させる等して、外周壁の厚さを制御する必要があった。しかし、例えば、調整リング22の内径を小さくして、外周壁を形成するための成形原料の供給量を減らそうとすると、バックプレート導入面10と調整リング22との間の隙間を通過する距離が長くなり、面の凹凸ばらつきの影響を更に受けるため、外壁厚のばらつきが大きくなったり、速度ばらつきが大きくなることがあった。また、外周壁付近の隔壁を形成するための成形原料の供給量も減少することになるため、隔壁の厚さが薄くなることがあった。このように、隔壁の厚さが薄くなると、ハニカム構造体の強度が低下し、成形時に製品座屈不良が生じ、更に運転条件等の修正により生産効率が低下することがあった。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金1を使用すると、成形原料が導入される面がバックプレート導入面10になるため、DLC膜の平滑性により、従来の成形原料が導入される面の凹凸のばらつきがほとんどなく、成形原料の流れのばらつきが低減され、外周壁及び隔壁のそれぞれの厚さの制御が容易になる。バックプレート5に形成された複数の流通孔9の孔径は、いずれも略同じ孔径であることが好ましい。また、流通孔9の孔径は、導入部3に形成された対応する裏孔7の孔径と同じであることが好ましい。但し、外周壁を形成する成形原料を導入する位置に当たる流通孔9の孔径を小さくしてもよく、これにより、極端に流動性がよい成形原料の場合も、所望の外周壁厚さ及び隔壁厚さを有するハニカム構造体を成形することが可能となる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金1は、成形原料が導入される面がバックプレート導入面10になるため、DLC膜の耐摩耗性の高さより、耐摩耗性の高いものである。例えば、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1を図2に示すように配置した場合には、通常、押出成形時に、特に横方向の流れA1によりバックプレート導入面10が摩耗し安い状態となる。すなわち、バックプレート導入面10の中で、調整リング22と重なる部分が大きく摩耗し易い傾向にある。仮に、この部分に摩耗が生じると、バックプレート導入面10と調整リング22との間の隙間が不均一、且つ大きくなるため、横方向の流れA1の流量、すなわち、上記ハニカム構造体の外周壁を形成する成形原料の供給量が不均一、且つ多くなり、ハニカム構造体が変形することになる。しかし、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1は、バックプレート導入面10のDLC膜の耐摩耗性の高さより、このような摩耗を抑制することが可能となる。仮に、従来のハニカム構造体成形用口金を使用したとすると、摩耗してしまった口金全体を交換したり、摩耗した導入面を研削加工等により平面状に加工し直す必要があったが、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1は、バックプレート5を交換すればよいので、低コスト且つ簡易にハニカム構造体成形用口金1の状態を良好に維持することが可能となる。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金1を構成するバックプレート5は、所定の厚さの板状の部材であり、表面に垂直方向に貫通する複数の流通孔9が形成されている。そして、その表面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜11)が配設されている。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、天然ダイヤモンドと同様の炭素原子同士のSP結合と、グラファイトと同様の炭素原子同士のSP結合とを有し、部分的に水素との結合を有する、炭素を主成分とするアモルファス構造の物質である。DLCは、高硬度性、低摩耗性、低摩擦性、表面平滑性に優れるものである。
DLC膜11の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましく、1〜3μmが特に好ましい。0.01μmより薄いと、平滑性及び耐摩耗性を発揮し難くなることがあり、10μmより厚いと、DLCを無駄に使用することになる。
DLC膜11は、少なくともバックプレート5の成形原料が導入される側の面(バックプレート導入面10)に配設されている。バックプレート導入面10全体に配設されていることが好ましい。これにより、DLC膜の平滑性の高さによる成形原料の流動性のばらつきを抑制する効果、及び、DLC膜の耐摩耗性の高さによるバックプレートの長期使用を可能とする効果を、より効果的に得ることができる。
バックプレート5は、その厚さが0.5〜5mmであることが好ましく、1〜3mmであることが更に好ましい。0.5mmより薄いと、バックプレート5が、押出成形時に変形したり、割れたりすることがあり、5mmより厚いと、ハニカム構造体成形用口金が厚くなりすぎることがあり、また、それにより押出成形時に圧力損失が大きくなることがある。
バックプレート5の外周形状及びその大きさは、特に限定されないが、口金本体4の外周形状及びその大きさと同じとすることが好ましい。例えば、図3に示すように、円形であることが好ましい。ここで、図3は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態を構成するバックプレートを模式的に示す平面図である。
バックプレート5の材質は、特に限定されないが、ステンレススチール、工具鋼、超硬合金等を用いることが好ましい。
バックプレート5に形成された複数の流通孔9は、いずれも略同じ孔径であることが好ましい。ここで、「略同じ孔径」というときは、複数の流通孔の孔径が、その平均値に対して±10%の範囲にあることをいう。また、「孔径」というときは、その流通孔の、バックプレートの表面に平行な断面形状において、最長となる径をいう。例えば、円形の場合は直径であり、楕円形の場合は長径であり、正方形、長方形等の多角形の場合は対角線(最長となるもの)である。また、流通孔9は、導入部3のそれぞれ対応する(連通する)裏孔7と同じ孔径で形成されていることが好ましい。
バックプレート5に形成された複数の流通孔9の配置される領域(配設領域)は、特に限定されず、導入部3の裏孔7に合わせて適宜決定することができる。例えば、流通孔9の配設領域の形状は、図3に示すような円形の領域や、四角形等の多角形の領域であることが好ましい。
本実施形態のハニカム構造体成形用口金1を構成する口金本体4は、成形部2と導入部3とが一体的に形成されたものであってもよいし、成形部2と導入部3とがそれぞれ異なった部材から形成され、これら2種の部材(同種の2つの部材であってもよい)を、結合材を用いて張り合わせたものであってもよい。また、バックプレート5は、導入部3に、ボルト締め、ピン嵌め合い等により着脱自在に配設されていることが好ましい。ボルト締めを行う場合、図3に示すように、バックプレート5の外縁部分にボルトを通すための孔31を形成することが好ましい。
口金本体4は板状であるが、その外周形状は特に限定されず、装着する押出成形機の先端の形状に合わせて適宜決定することができる。例えば、円形、楕円形、四角形等を挙げることができる。この外周形状は、成形部2、導入部3及びバックプレート5の外周形状である。
口金本体4の大きさは、特に限定されず、成形するハニカム構造体の大きさに合わせて適宜決定することができる。例えば、円板状である場合、直径150〜600mm、厚さ10〜100mmのものを好適に使用することができる。
口金本体4を構成する成形部2の厚さ(成形原料の流れ方向の長さ)は、特に限定されるものではないが、ハニカム構造体の成形性等の面から、1〜7mmであることが好ましい。
成形部2の材質としては、ステンレススチール、工具鋼、超硬合金等を挙げることができる。
成形部2に形成されるスリット6は、格子状に形成されることが好ましく、格子の形状としては、四角形、六角形、その他の多角形等が好ましい。スリット6の幅及び隣接するスリット6間の間隔は、特に限定されず、成形するハニカム構造体の隔壁厚さ及びセルの大きさに合わせて適宜決定することができる。例えば、スリットの幅は、0.05〜0.4mm程度が好ましく、隣接するスリット間の間隔は、0.6〜2.5mm程度が好ましい。
成形部2の表面における、スリット6の配設領域の形状は、特に限定されず、成形するハニカム構造体の形状に合わせて適宜決定することができる。例えば、円形、楕円形、四角形、六角形、その他の多角形等を挙げることができる。
また、本実施形態のハニカム構造体成形用口金1を構成する導入部3の厚さは、特に限定されるものではないが、強度、圧力損失の面から、10〜100mmであることが好ましい。
導入部3の材質としては、ステンレススチール、工具鋼、超硬合金等を挙げることができる。
導入部3に形成される裏孔7の、導入側の面8に平行な断面の形状は、特に限定されず、加工のし易さ、成形原料の流れ易さ等により適宜決定することができる。例えば、円形、楕円形、四角形等の多角形等を挙げることができる。
また、裏孔7の配置位置は、特に限定されないが、格子状に形成されたスリット6の交差位置に連通するように形成することが好ましく、スリット6の交差位置に裏孔7の中心が配置されるようにすることが更に好ましい。裏孔7の孔径(導入面8に平行な断面の径)及び隣接する裏孔7間の距離は、特に限定されず、スリット6の幅や形成位置等により適宜決定することができる。例えば、裏孔の断面形状が円形の場合、その孔径は、0.50〜2.50mm程度が好ましい。また、導入部3に形成される裏孔7の配設領域の形状は、特に限定されないが、スリット6の配設領域と同様の形状であることが好ましい。
次に、本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態の製造方法について説明する。まず、二つの面を有する板状部材の一方の面10に、ハニカム構造体を成形するための成形原料を導入する裏孔を形成するとともに、この口金基体の他方の面に、裏孔と連通するスリットを形成してスリット形成口金基体を得る。次に、得られたスリット形成口金基体上の、裏孔及びスリットを形成した部位の少なくとも一部に、無電解めっきを含む工程により耐磨耗表層を形成してハニカム構造体成形用口金を得る。
スリット及び裏孔の形状、大きさ等は、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態におけるスリット及び裏孔の形状、大きさ等と同様とすることが好ましい。
また、口金本体の成形部側の外縁部分を、研削等により窪ませてもよい。この場合、ハニカム構造体成形用口金の形状が、成形部の外縁部分が研削等されることにより、その外縁部分が薄くなった形状となる。これにより、図2に示すように、ハニカム構造体成形用口金を押出成形機に装着するときに、マスキングプレート21をその窪み部分(薄くなった部分)にはめ込むことができるため、安定的に装着することが可能になる。
バックプレートは、まず、板状の第3部材に、上記導入部に形成した裏孔と、同じ位置及び大きさ(孔径)の裏孔を形成する。第3部材の厚さ、外周形状等は、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態におけるバックプレートと同様とすることが好ましい。裏孔の形成は、レーザー加工、ドリル加工、電解加工等により行うことができる。
次に、バックプレートの一方の面(バックプレート導入面)に、DLC膜を製膜する。この時、バックプレートの表面にCr、Ti,Si、Cの少なくとも1つを含む膜がめっきもしくはコートされていても、DLC成膜には問題ない。DLC膜の膜厚は、上記本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態におけるDLC膜の好ましい膜厚とすることが好ましい。成膜方法としては、プラズマCVD法やスパッタ法を用いることができる。プラズマCVD法は、真空容器中で高周波電力や直流電力、直流パルス電力等を用いて発生させたプラズマのエネルギーを利用して、低圧環境下で原料ガスの分解及び結合等の化学反応を起こさせることにより100〜200℃に加熱した上記第3部材上に薄膜を形成させる方法である。スパッタ法は、真空容器中で電場等を利用して低圧環境下でアルゴン等の不活性ガスの電離を行い、その電離されたイオンを加速しターゲット材に打ち込み、それによりはじき出された原子が対向する上記第3部材に堆積し薄膜が形成される方法である。この時、水素やアルキル化合物等のガスを混在しながらスパッタリングしても構わない。プラズマCVD法においては、原料ガスとして、アルキル化合物等を用いることができる。また、スパッタ法においては、ターゲット材として、カーボン等を用いることができる。
次に、得られた口金本体の導入部側に、バックプレートをネジ留め、ピン嵌め合い等により着脱自在に取付けることにより、本実施形態のハニカム構造体成形用口金を得ることができる。このとき、図1に示すように、バックプレート5に形成された裏孔7と、導入部3に形成された裏孔7とが同じ位置になるように、バックプレート5を装着すること好ましい。また、バックプレート5のDLC膜11が配設された面(バックプレート導入面10)が成形原料が導入される側を向き、DLC膜11が配設されていない面を導入部3側を向くように、バックプレート5を口金本体に取付ける。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、セラミック質のハニカム構造体の押出成形に利用することができ、本発明により、押出成形時に原料導入側の表面(導入面)が摩耗しても、簡便に摩耗部分の交換を行うことができ、成形されるハニカム構造体の形状を良好に維持することが可能である。
本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を模式的に示した、裏孔の伸びる方向に並行な断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施形態を、押出成形機の先端部分のマスキングプレートで固定した状態を模式的に示した、裏孔の伸びる方向に並行な断面図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態を構成するバックプレートを模式的に示す平面図である。
1:ハニカム構造体成形用口金、2:成形部、3:導入部、4:口金本体、5:バックプレート、6:スリット、7:裏孔、8:導入側の面、9:流通孔、10:バックプレート導入面、11:DLC膜、21:マスキングプレート、22:調整リング、23:スペーサ、31:ボルトを通すための孔、A:成形原料の流れ方向、A1:横方向の流れ。

Claims (4)

  1. 一方の面(導入側の面)側に設けられ複数の裏孔を有する導入部と、他方の面側に設けられ前記裏孔と連通するスリットが形成された成形部とを有する板状の口金本体を備え、前記導入部の裏孔から導入された成形原料を、前記成形部のスリットを通してハニカム形状に成形する板状のハニカム構造体成形用口金であって、
    前記導入部の裏孔と連通する複数の流通孔が形成されたバックプレートが、前記導入側の面に、着脱自在に配設され、
    前記バックプレートのみが、その表面にダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)を有し、
    前記DLC膜が、少なくとも前記バックプレートの成形原料が導入される側の面に配設されており、
    前記バックプレートの流通孔と、前記導入部の裏孔とが同じ孔径であり、
    前記バックプレートの流通孔と、前記導入部の裏孔とがずれることなく重なっているハニカム構造体成形用口金。
  2. 前記DLC膜の厚さが、0.01〜10μmである請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  3. 前記バックプレートに形成された複数の流通孔が、いずれも略同じ孔径である請求項1又は2に記載のハニカム構造体成形用口金。
  4. 前記バックプレートが、前記導入部に、ボルト締め又はピン嵌め合いによって着脱自在に配設されている請求項1〜のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金。
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