JP4974049B2 - 露光方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、露光方法、露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光方法、露光装置並びに前記露光方法又は露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来より、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンの像を、投影光学系を介して、レジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等感光性の基板(以下、「基板」又は「ウエハ」と呼ぶ)上の各ショット領域に転写する投影露光装置が使用されている。この種の投影露光装置としては、従来、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)が多用されていたが、最近ではレチクルとウエハとを所定の走査方向に同期移動しつつ露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))も注目されている。
通常、上記投影露光装置においては、使用する露光光の波長(露光波長)が短くなるほど、また、投影光学系の開口数(NA)が大きいほど、その解像度は向上するが、焦点深度は逆に狭くなる。このような解像度の向上に伴う焦点深度の狭小化の対策としては、従来においても、位相シフトレチクル法、変形照明法、二重露光法、あるいはそれらを組合せて用いる方法など、解像度を低下させることなく焦点深度を実質的に広くする種々の方法の提案がなされている(例えば、特許文献1等参照)。しかるに、集積回路の一層の高集積化に対応するために、露光波長が将来的に更に短波長化することが確実視されていることから、それに伴う焦点深度の狭小化への更なる新しい対策が必要となっている。
このような背景から、最近では、実質的に露光波長を短くして、かつ空気中に比べて焦点深度を大きく(広く)する方法として、液浸法が提案されている。この液浸法は、投影光学系の下面とウエハ表面との間の空間を水又は有機溶媒等の液体で満たし、液体中での露光光の実質的な波長が空気中の1/n倍(nは液体の屈折率で通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上すると共に、その解像度と同一の解像度が液浸法を用いることなく得られる投影光学系(このような投影光学系の製造が可能であるとして)に比べて焦点深度をn倍に拡大する、すなわち空気中に比べて焦点深度をn倍に拡大するものである(例えば、特許文献2等参照)。
このように、液浸法を用いた露光装置のような、露光光の実質的な短波長化により、高解像度及び広焦点深度を実現する露光装置は、露光精度の観点からすれば最適な露光装置であるといえるが、そのような露光装置では、一般的に、露光に要する時間が比較的長くなる傾向がある。特に、液浸法を用いた露光装置で上記二重露光法を行おうとした場合には、スループットの低下が懸念される。
国際公開第99/65066号パンフレット 国際公開第99/49504号パンフレット
本発明は、上記事情の下になされたもので、第1の観点からすると、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光方法において、露光光を前記感光物体上に投射する投影光学系と前記感光物体との間の空間が、前記複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では所定の液体で満たされ、他の回の露光では前記所定の液体とは種類が異なる別の液体で満たされ、前記空間における前記露光光の実質的な波長が、前記少なくとも1回の露光と、前記他の回の露光とで異なり前記複数回の露光ではそれぞれ前記感光物体の複数の領域が露光され、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光との一方によって前記複数の領域を露光した後、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光との他方の露光によって前記複数の領域を露光し、前記複数回の露光のうち前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とは同一の露光装置を用いて行われ、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とで、前記感光物体が、1つの照明領域で露光される第1の露光方法である。
本明細書において、「露光光の実質的な波長」とは、感光物体に実際に到達したときの露光光の波長のことを指すものとする。また、「感光物体」には、感光剤が塗布された物体をも含み、「同一の感光物体に対する複数回の露光」とは、物体上に形成された同一の感光剤の層に対する複数回の露光を含む。
これによれば、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う場合、複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では、露光光を感光物体上に投射する投影光学系と感光物体との間の空間における該露光光の実質的な波長を、複数回の露光のうちの他の回の露光におけるその空間における露光光の波長とは異なるようにする。このため、例えば高解像度が要求される回の露光では投影光学系と感光物体との間の空間における露光光の実質的な波長を短くし、解像度がそれほど要求されない回の露光では露光光の実質的な波長をある程度長くすることができる。したがって、同一の感光物体に複数回の露光を行う場合に、各回の露光を要求される解像度に応じた波長を採用することができ、結果的に高精度かつ高スループットを両立した露光を実現することができる。
本発明は、第2の観点からすると、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光方法であって、光学部材と前記感光物体との間の空間が所定の液体で満たされ露光光の実質的な波長が第1の波長となる第1の露光条件下において、前記第1の波長の前記露光光により前記感光物体を露光する工程と;前記光学部材と前記感光物体との間の空間が前記所定の液体とは別の液体で満たされ前記露光光の実質的な波長が前記第1の波長とは異なる第2の波長となる第2の露光条件下において、前記第2の波長の前記露光光により前記感光物体を露光する工程と;を含み、前記複数回の露光ではそれぞれ前記感光物体の複数の領域が露光され、前記第1の露光条件下での露光と前記第2の露光条件下での露光との一方によって前記複数の領域を露光した後、前記第1の露光条件下での露光と前記第2の露光条件下での露光との他方の露光によって前記複数の領域を露光し、前記第1の露光条件下での露光及び前記第2の露光条件下での露光では、前記感光物体は、同一の露光装置において1つの照明領域で露光される第2の露光方法である。
これによれば、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う場合、光学部材とその感光物体との間の空間における露光光の実質的な波長が第1の波長となる第1の露光条件下において、露光光によりその感光物体を露光し、また、光学部材とその感光物体との間の空間における露光光の実質的な波長が第1の波長とは異なる第2の波長となる第2の露光条件下において、露光光によりその感光物体を露光する。このため、例えば高解像度が要求される回の露光では投影光学系と感光物体との間の空間における露光光の実質的な波長を短くし、解像度がそれほど要求されない回の露光では露光光の実質的な波長をある程度長くする。すなわち、高解像度が要求される回の露光では第1の波長と第2の波長のうち、より短波長である一方の露光条件下において露光光により感光物体を露光し、解像度がそれほど要求されない回の露光では他方の露光条件下において露光光により感光物体を露光する。したがって、同一の感光物体に複数回の露光を行う場合に、各回の露光を要求される解像度に応じた波長を採用することができ、結果的に高精度かつ高スループットを両立した露光を実現することができる。
本発明は、第3の観点からすると、同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光装置であって、前記感光物体を保持するステージと;露光光を前記感光物体上に投射する投影光学系と;前記投影光学系と前記ステージとの間の第1空間のうち、少なくとも、前記投影光学系と前記ステージ上の前記感光物体との間の第2空間が、複数種類の液体のうちのいずれか一つの液体で満たされるように、該液体を供給する液体供給機構を有し、前記第2空間における前記露光光の実質的な波長を調整する調整装置と;前記感光物体を複数回露光する際に、その複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では、前記第2空間における前記露光光の実質的な波長が他の回の露光におけるその波長と異なるように、前記調整装置を制御する制御装置と;を備え、前記制御装置は、前記少なくとも1回の露光では、前記第2空間に、前記液体供給機構により前記複数種類の液体のうちの所定の液体が供給され、前記他の回の露光では、前記第2空間に、前記液体供給機構により前記所定の液体とは異なる液体が供給されるように、前記調整装置を制御し、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とで、前記感光物体が、1つの照明領域で露光される露光装置である。
これによれば、上記調整装置及び制御装置を備えているので、同一の感光物体に対し、複数回の露光を行う場合には、複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では、露光光を感光物体上に投射する投影光学系とその感光物体との間の空間における該露光光の実質的な波長を、複数回の露光のうちの他の回の露光におけるその空間における露光光の波長と異なるようにすることができる。これにより、例えば高解像度が要求される回の露光では、投影光学系と感光物体との間の空間における露光光の実質的な波長を短くし、解像度がそれほど要求されない回の露光では、露光光の実質的な波長をある程度長くすることができる。したがって、同一の感光物体に複数回の露光を行う場合に、各回の露光を要求される解像度に応じた波長を採用することができ、結果的に高精度かつ高スループットを両立した露光を実現することができる。
リソグラフィ工程において、本発明の第1、第2の露光方法のいずれかを実行して、感光物体を複数回露光することで、高精度かつ高スループットな露光を実現することができ、その結果、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。したがって、本発明は、別の観点からすると、本発明の露光方法を実行して、感光物体を複数回露光するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法である。
また、リソグラフィ工程において、本発明の露光装置を用いて、感光物体上にデバイスパターンを転写することで、高精度かつ高スループットな露光を実現することができ、その結果、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができる。したがって、本発明は、別の観点からすると、本発明の露光装置を用いて、感光物体上にデバイスパターンを転写するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であるとも言える。
本発明の第1の実施形態に係るリソグラフィシステムの構成を概略的に示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 Zチルトステージ及びウエハホルダを示す斜視図である。 液体給排システムを示す概略平面図である。 第1の実施形態の露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。 二重露光によりウエハ上に形成されるパターンの一例を示す図である。 二重露光に用いられるレチクルの一例を示す図である。 二重露光に用いられる他のレチクルの一例を示す図である。 第1の実施形態の露光システムを構成するホスト計算機システムの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図8のステップ207の指示に応じて指示された露光装置の主制御装置で実行される処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図8のステップ213の指示に応じて指示された露光装置の主制御装置で実行される処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 レチクルステージの一例を示す概略平面図である。 第2の実施形態に係るステージ装置を示す平面図である。 第2の実施形態の露光装置における露光動作の際の処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。 図15のステップ804の詳細を示すフローチャートである。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図10に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る露光システムとしてのリソグラフィシステム110の構成が概略的に示されている。このリソグラフィシステム110は、N台の露光装置1001〜100N、ターミナルサーバ150及びホスト計算機システム160等を備えている。この内、各露光装置100i(i=1,2,…,j,j+1,…,N)及びターミナルサーバ150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)170に接続されており、ホスト計算機システム160は、ターミナルサーバ150に接続されている。また、露光装置1001〜100Nと、ホスト計算機システム(以下、単に「ホスト」と呼ぶ)160との間の通信経路が確保されており、ホスト160と、露光装置1001〜100Nの間の通信は、この通信経路を用いて行われる。
前記露光装置1001〜100Nのそれぞれは、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置、いわゆるステッパであっても良いし、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すなわちスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)であっても良い。以下では、説明の便宜上、露光装置1001〜100Nは、すべてスキャニング・ステッパであるものとする。
図2には、図1中の前記露光装置1001〜100Nを代表する露光装置1001の概略的な構成が示されている。この露光装置1001は、照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、感光物体としてのウエハWが搭載されるウエハステージWSTを含むステージ装置50及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、照明系開口絞り、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド(固定レチクルブラインド及び可動レチクルブラインド)等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、主制御装置20の制御の下、回路パターン等が描かれたレチクルR上でX軸方向(図2における紙面内左右方向)に細長く伸びるスリット状の照明領域(レチクルブラインドで規定された領域)をエネルギビームとしての露光光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、露光光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。なお、露光光ILとして、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。また、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子などを用いることができる。なお、照明系10を、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号などに開示されるような照明系と同様に構成しても良い。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報及び対応する米国特許出願公開明細書又は米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
この照明系10から発せられる露光光ILの条件、すなわち種々の照明条件は、主制御装置20により設定可能となっている。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部11(図2では図示せず図5参照)によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図2における紙面直交方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルステージRST上にはY軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY軸干渉計とレチクルX軸干渉計とが設けられているが、図2ではこれらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計16として示されている。ここで、レチクルY軸干渉計とレチクルX軸干渉計の一方、例えばレチクルY軸干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY軸干渉計の計測値に基づきレチクルステージRSTのY軸方向の位置(Y位置)に加え、θz(Z軸回りの回転)方向の回転も計測できるようになっている。
レチクル干渉計16により計測されるレチクルステージRSTの位置情報は、ステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部11を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
前記投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図2における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、該鏡筒40内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子から成る投影光学系PLとを備えている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックでZ軸方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成り、所定の投影倍率(例えば1/4倍、又は1/5倍、又は1/8)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明系10からの露光光ILによってレチクルR上の照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した露光光ILにより、投影ユニットPU(投影光学系PL)を介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
この露光装置1001では、後述するように液浸法による露光が行われるので、開口数NAが増大することに伴いレチクルR側の開口が大きくなる。このため、レンズのみで構成する屈折光学系においてはペッツヴァルの条件を満足することが困難となり、投影光学系が大型化する傾向にある。かかる投影光学系の大型化を避けるために、ミラーとレンズとを含んで構成される反射屈折系(カタディ・オプトリック系)を投影光学系PLとして採用しても良い。また、屈折系を含まない反射系を投影光学系PLとして採用しても良い。
また、図示は省略されているが、投影光学系PLを構成する複数のレンズのうちの特定の複数のレンズは、主制御装置20からの指令に基づいて結像特性補正コントローラ181(図5参照)によって制御され、投影光学系PLの光学特性(結像特性を含む)、例えば倍率、ディストーション、コマ収差、及び像面湾曲(像面傾斜を含む)などを調整できるようになっている。
また、露光装置1001では、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)のレンズ、すなわち先玉(以下、「先端レンズ」と呼ぶ)42とウエハステージWST上のウエハWとの間、あるいは先端レンズ42とウエハステージWSTとの間に、局所的に液体を供給するための液体給排システム32が設けられている。なお、この液体給排システム32の構成等については、後述する。
前記ステージ装置50は、ウエハステージWST、該ウエハステージWST上に設けられたウエハホルダ70、ウエハステージWSTを駆動するウエハステージ駆動部124等を備えている。前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図2における下方で不図示のベース上に配置され、ウエハステージ駆動部124を構成する不図示のリニアモータ等によってXY方向へ駆動されるXYステージ52と、該XYステージ52上に載置され、ウエハステージ駆動部124を構成する不図示のZ・チルト駆動機構によって、Z軸方向、及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))へ微小駆動されるZ・チルトステージ51とを備えている。このZ・チルトステージ51上にウエハWを保持する前記ウエハホルダ70が搭載されている。
このウエハホルダ70は、図3の斜視図に示されるように、ウエハWが載置される領域(中央の円形領域)の周囲部分のうち、正方形のZ・チルトステージ51の一方の対角線上に位置する2つのコーナーの部分がそれぞれ突出し、他方の対角線上に位置する2つのコーナー部分が前述の円形領域より一回り大きい円の1/4の円弧状となる、特定形状の本体部70Aと、この本体部70Aにほぼ重なるようにウエハWの載置される領域の周囲に配置された4枚の補助プレート72a〜72dとを備えている。これらの補助プレート72a〜72dの表面は、ウエハWの表面とほぼ同一の高さ(両者の高さの差は、1mm以内)とされている。なお、補助プレート72a〜72dは、ウエハステージWST上に部分的に形成されているが、ウエハステージWST上を全体的に覆うように形成して、ウエハステージWSTの上面をほぼ同じ高さ(面一)にしても良い。この場合、移動鏡17X、17Yの上面も補助プレートとほぼ同じ高さにしておくと良い。なお、補助プレート72a〜72dの表面は、必ずしもウエハWの表面の同一の高さである必要はなく、先端レンズ42の像面側に液体Lqが良好に維持できるならば、補助プレート72a〜72dの表面とウエハWの表面とに段差があっても良い。
ここで、図3に示されるように、補助プレート72a〜72dのそれぞれとウエハWとの間には隙間Dが存在するが、隙間Dの寸法は0.1〜1mm以下になるように設定されている。また、ウエハWには、その一部にノッチ(V字状の切欠き)が存在するが、このノッチの寸法も1mm程度であるから、その図示が省略されている。
また、補助プレート72aには、その一部に円形開口が形成され、その開口内に基準マーク板FMが隙間がないように嵌め込まれている。基準マーク板FMの表面は、補助プレート72aと同一面(面一)とされている。基準マーク板FMの表面には、後述するレチクルアライメントやアライメント系のベースライン計測などに用いられる各種の基準マーク(いずれも不図示)が形成されている。
図2に戻り、前記XYステージ52は、走査方向(Y軸方向)の移動のみならず、ウエハW上の複数のショット領域を前記照明領域と共役な露光領域IA(図4参照)に位置させることができるように、走査方向に直交する非走査方向(X軸方向)にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域を走査(スキャン)露光する動作と、次ショットの露光のための加速開始位置(走査開始位置)へ移動する動作(ショット領域間移動動作)とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作を行う。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置(Z軸回りの回転(θz回転)を含む)は、Z・チルトステージ51の上面に設けられた移動鏡17を介して、ウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」と呼ぶ)18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、Z・チルトステージ51上には、例えば図3に示されるように、走査方向(Y軸方向)に直交する反射面を有するY移動鏡17Yと非走査方向(X軸方向)に直交する反射面を有するX移動鏡17Xとが設けられ、これに対応してウエハ干渉計もX移動鏡17Xに垂直に干渉計ビームを照射するX軸干渉計と、Y移動鏡17Yに垂直に干渉計ビームを照射するY軸干渉計とが設けられているが、図2ではこれらが代表的に移動鏡17、ウエハ干渉計18として示されている。なお、ウエハ干渉計18のX軸干渉計及びY軸干渉計は、ともに測長軸を複数有する多軸干渉計であり、これらの干渉計によって、ウエハステージWST(より正確には、Z・チルトステージ51)のX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。なお、例えば、Z・チルトステージ51の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17X、17Yの反射面に相当)を形成しても良い。また、多軸干渉計は45°傾いてウエハステージWSTに設置される反射面を介して、投影ユニットPUが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影ユニットPUの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は、ステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20の指示に応じ、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づき、ウエハステージ駆動部124を介してウエハステージWSTを制御する。
次に、前記液体給排システム32について、図4に基づいて説明する。この液体給排システム32は、液体供給機構としての液体供給装置5、液体回収装置6、液体供給装置5に接続された供給管21,22,27,28、及び液体回収装置6に接続された回収管23,24,29,30等を備えている。
前記液体供給装置5は、液体のタンク、加圧ポンプ、温度制御装置、並びに供給管21,22,27,28それぞれに対する液体の供給・停止を制御するための不図示の複数のバルブ等を含んで構成されている。各バルブとしては、例えば液体の供給・停止のみならず、流量の調整も可能となるように、流量制御弁を用いることが望ましい。前記温度制御装置は、液体タンク内の液体の温度を、例えば投影ユニットPU等を中心とする露光装置本体が収納されているチャンバ(不図示)内の温度と同程度の温度に調整する。
前記供給管21は、その一端が液体供給装置5に接続され、その他端が3つに分岐して、各分岐端に先細ノズルから成る供給ノズル21a,21b,21cがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。これらの供給ノズル21a,21b,21cの先端は、前述の先端レンズ42(図2参照)の近傍に位置し、X軸方向に所定間隔を隔ててかつ露光領域IA(前述のスリット上の照明領域と共役な像面上の領域)の+Y側に近接して配置されている。供給ノズル21aを中心として、供給ノズル21b,21cがほぼ左右対称に配置されている。
前記供給管22は、その一端が液体供給装置5に接続され、その他端が3つに分岐して、各分岐端に先細ノズルから成る供給ノズル22a,22b,22cがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。これらの供給ノズル22a,22b,22cの先端は、先端レンズ42の近傍に位置し、X軸方向に所定間隔を隔ててかつ露光領域IAの−Y側に近接して配置されている。この場合、供給ノズル22a,22b,22cは、露光領域IAを挟んで供給ノズル21a,21b,21cに対向して配置されている。
前記供給管27は、その一端が液体供給装置5に接続され、その他端に先細ノズルから成る供給ノズル27aが形成され(あるいは設けられ)ている。この供給ノズル27aの先端は、先端レンズ42の近傍に位置し、露光領域IAの−X側に近接して配置されている。
前記供給管28は、その一端が液体供給装置5に接続され、その他端に先細ノズルから成る供給ノズル28aが形成され(あるいは設けられ)ている。この供給ノズル28aの先端は、先端レンズ42の近傍に位置し、露光領域IAの+X側に近接して、かつ露光領域IAを挟んで供給ノズル27aに対向して配置されている。
なお、液体を供給するためのタンク、加圧ポンプ、温度制御装置、バルブなどは、その全てを露光装置1001で備えている必要はなく、少なくとも一部を露光装置1001が設置される工場などの設備で代替することもできる。
前記液体回収装置6は、液体のタンク及び吸引ポンプ、並びに回収管23,24,29,30それぞれを介した液体の回収・停止を制御するための複数のバルブ等を含んで構成されている。各バルブとしては、前述した液体供給装置5側のバルブに対応して流量制御弁を用いることが望ましい。
前記回収管23は、その一端が液体回収装置6に接続され、その他端が二股に分岐して、各分岐端に末広ノズルから成る回収ノズル23a,23bがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。この場合、回収ノズル23a,23bは、供給ノズル22a〜22cの間に交互に配置されている。回収ノズル23a,23bそれぞれの先端及び供給ノズル22a,22b,22cそれぞれの先端は、X軸に平行な同一直線上にほぼ沿って配置されている。
前記回収管24は、その一端が液体回収装置6に接続され、その他端が二股に分岐して、各分岐端に末広ノズルから成る回収ノズル24a,24bがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。この場合、回収ノズル24a,24bは、供給ノズル21a〜21cの間に交互に、かつ露光領域IAを挟んで回収ノズル23a,23bに、それぞれ対向して配置されている。回収ノズル24a,24bそれぞれの先端及び供給ノズル21a,21b,21cそれぞれの先端は、X軸に平行な同一直線上にほぼ沿って配置されている。
前記回収管29は、その一端が液体回収装置6に接続され、その他端が二股に分岐して、各分岐端に末広ノズルから成る回収ノズル29a,29bがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。これらの回収ノズル29a,29bは、供給ノズル28aを挟んで配置されている。回収ノズル29a,29b及び供給ノズル28aそれぞれの先端は、Y軸に平行な同一直線上にほぼ沿って配置されている。
前記回収管30は、その一端が液体回収装置6に接続され、その他端が二股に分岐して、各分岐端に末広ノズルから成る回収ノズル30a,30bがそれぞれ形成され(あるいは設けられ)ている。これらの回収ノズル30a,30bは、供給ノズル27aを挟んで、かつ露光領域IAを挟んで回収ノズル29a,29bにそれぞれ対向して配置されている。回収ノズル30a,30b及び供給ノズル27aそれぞれの先端は、Y軸に平行な同一直線上にほぼ沿って配置されている。
なお、液体を回収するためのタンク、吸引ポンプ、バルブなどは、その全てを露光装置1001で備えている必要はなく、少なくとも一部を露光装置1001が設置される工場などの設備で代替することもできる。
露光装置1001では、上記液体として、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する超純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と記述する)を用いるものとする。超純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できると共に、ウエハW上に塗布されるレジスト(感光剤)や光学レンズ等に対する悪影響が少ない利点がある。また、超純水は環境に対する悪影響がないと共に、不純物の含有量が極めて低いため、ウエハWの表面及び先端レンズ42の表面を洗浄する作用も期待できる。
ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44である。この水の中では、露光光ILの空間波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
前記液体供給装置5及び液体回収装置6は、それぞれコントローラを具備しており、それぞれのコントローラは、主制御装置20によって制御されるようになっている(図5参照)。例えば、図4中の実線矢印Aで示す方向(−Y方向)にウエハWを移動させる際には、液体供給装置5のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、供給管21に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして供給管21に設けられた供給ノズル21a〜21cを介して先端レンズ42とウエハWとの間に−Y方向に向かって水を供給する。また、このとき、液体回収装置6のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、回収管23に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、回収ノズル23a,23bを介して先端レンズ42とウエハWとの間から液体回収装置6の内部に水を回収する。このとき、主制御装置20は、先端レンズ42とウエハWとの間に供給ノズル21a〜21cから−Y方向に向かって供給される水の量と、回収ノズル23a,23bを介して回収される水の量とが常に等しくなるように、液体供給装置5、液体回収装置6に対して指令を与える。従って、先端レンズ42とウエハWとの間に保持される水Lqは常に入れ替わってはいるが、保持される水の総量は常に一定である。
また、図4中に点線矢印A’で示す方向(+Y方向)にウエハWを移動させる際には、同様にして、液体供給装置5のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、供給管22に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、供給管22に設けられた供給ノズル22a〜22cを介して先端レンズ42とウエハWとの間に+Y方向に向かって水を供給するとともに、液体回収装置6のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、回収管24に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、回収ノズル24a,24bを介して先端レンズ42とウエハWとの間から液体回収装置6の内部に水を回収する。
このように、露光装置1001では、露光領域IAを挟んでY軸方向の一側と他側に、互いに組を成す供給ノズル群と回収ノズル群とがそれぞれ設けられているため、ウエハを+Y方向、又は−Y方向のどちらに移動する場合にも、ウエハWと先端レンズ42との間には水が安定して満たされ続ける。
また、水がウエハW上を流れるため、ウエハW上に異物(レジストからの飛散粒子を含む)が付着している場合であっても、その異物を水により流し去ることができる。また、液体供給装置5により所定の温度に調整された水が供給され、かつこの水が常時入れ替わっているので、露光の際に露光光ILがウエハW上に照射されても、ウエハWと該ウエハW上を流れる水との間で熱交換が行われ、ウエハ表面の温度上昇を抑制することができる。また、露光装置1001では、ウエハWを移動させる方向と同じ方向に水が流れているため、異物や熱を吸収した水を先端レンズ42の直下の露光領域IAに滞留させることなく回収することができる。
また、図4中に実線矢印Bで示される方向(+X方向)にウエハWを移動させる際にも、同様にして、液体供給装置5のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、供給管27に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、供給管27に設けられた供給ノズル27aを介して先端レンズ42とウエハWとの間に+X方向に向かって水を供給するとともに、液体回収装置6のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、回収管29に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、回収ノズル29a,29bを介して先端レンズ42とウエハWとの間から液体回収装置6の内部に水を回収する。
また、図4中に点線矢印B’で示される方向(−X方向)にウエハWを移動させる際には同様にして、液体供給装置5のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、供給管28に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、供給管28に設けられた供給ノズル28aを介して先端レンズ42とウエハWとの間に−X方向に向かって水を供給するとともに、液体回収装置6のコントローラは、主制御装置20からの指示に応じ、回収管30に接続されたバルブを所定開度で開き、その他のバルブを全閉にして、回収ノズル30a,30bを介して先端レンズ42とウエハWとの間から液体回収装置6の内部に水を回収する。
これにより、ウエハWをY軸方向に移動させる場合と同様に、例えばいわゆるステッピングなどの際にウエハWを+X方向、又は−X方向に移動させる場合にも、ウエハWと先端レンズ42との間には水が安定して満たされる。
なお、これまででは、ウエハWと先端レンズ42との間に水が保持される場合について説明したが、前述の如く、ウエハWの表面とウエハホルダ70の表面とはほぼ同一面となっているので、投影ユニットPU直下の露光領域IAに対応する位置にウエハホルダ70が位置する場合であっても、上記と同様に、水Lqは先端レンズ42とウエハホルダ70、すなわち前述の補助プレート72a〜72dとの間に保持される。また、ステッピングの際に、ウエハWと先端レンズ42との間に水Lqを保持できる場合には、水の供給と回収を停止しても良い。
なお、X軸方向又はY軸方向から水の供給及び回収を行うノズルに加えて、例えば斜め方向から水の供給及び回収を行うためのノズルを設けても良い。
また液体給排システム32は、投影光学系PLを構成する最下端の光学部材(先端レンズ)42とウエハWとの間を液体で満たすことができるのであれば、その構成はいかなるものであっても良い。例えば、国際公開第2004/053955号パンフレットに開示されている液浸機構や、欧州特許公開第1420298号公報に開示されている液浸機構も本実施形態の露光装置に適用することができる。
露光装置1001では、投影ユニットPUを保持する不図示の保持部材には、照射系90a(図2では不図示、図5参照)及び受光系90b(図2では不図示、図5参照)から成る、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示されるものと同様の斜入射方式の多点焦点位置検出系がさらに設けられている。
この多点焦点位置検出系(90a,90b)の出力である焦点ずれ信号(デフォーカス信号)は、ステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給されている。主制御装置20は、後述する走査露光時などに、受光系90bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいてウエハ表面のZ位置及びθx,θy回転を算出し、算出したウエハ表面のZ位置及びθx,θy回転がそれらの目標値に対する差が零となるように、すなわち焦点ずれが零となるように、ステージ制御装置19及びウエハステージ駆動部124を介してウエハステージWSTのZ軸方向への移動、及び2次元方向の傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)を制御することで、露光光ILの照射領域(前述の照明領域とと共役な領域)内で投影光学系PLの結像面とウエハの表面とを実質的に合致させるオートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。なお、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記特開平6−283403号公報及び対応米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
図5には、露光装置1001の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御するマイクロコンピュータ(又はワークステーション)から成る主制御装置20及びこの配下にあるステージ制御装置19などを中心として構成されている。
なお、本第1の実施形態では、この主制御装置20が、LAN170(図1参照)に接続されている。すなわち、図1のホスト160と、主制御装置20との間で通信が行われる。また、主制御装置20は、露光装置1001に併設された不図示のコータ・デベロッパ(以下、「C/D」と呼ぶ)をも制御する。なお、このC/Dは、現像前ベーク(post-exposure bake:PEB)を行うベーキング装置も備えている。このようなベーキング装置としては、抵抗加熱方式、赤外線加熱方式等のものを用いることができる。PEBは、化学増幅型レジストの露光後の触媒反応促進の目的で行われる。
このリソグラフィシステム110では、他の露光装置1002,1003,……,100jも、上記露光装置1001と同様に構成された露光装置であるものとし、それぞれにC/Dが併設され、上記露光装置1001と同様に液浸法による露光を行う。ただし、露光装置100j+1,100j+2,……,100Nについては、液体給排システム32が備えられていない点で露光装置1001と異なっており、液浸露光でなく通常の露光(いわゆるドライ露光)が行われるようになっている。また、このリソグラフィシステム110では、液浸露光を行う露光装置1001,1002,……,100jの台数の方が、液浸露光を行わない露光装置100j+1,100j+2,……,100Nの台数よりも多いものとする。これは、液浸露光を行う露光装置の方が、液浸露光を行わない露光装置よりも比較的露光時間が長くなる傾向があるので、このリソグラフィシステム110において、重ね合わせ露光や多重露光などを行おうとする場合には、液浸露光を行う露光装置の数が多い方が、プロセスのスケジューリングを行う上で、各露光装置100iの空き時間などを少なくすることができ、スループットの観点から都合が良いと考えられるからである。
図1に戻り、各露光装置100i(その主制御装置20)は、LAN170及びターミナルサーバ150を介してホスト160との間で通信を行い、ホスト160からの指示に応じて各種の制御動作を実行する。
前記ターミナルサーバ150は、LAN170における通信プロトコルとホスト160の通信プロトコルとの相違を吸収するためのゲートウエイプロセッサとして構成される。このターミナルサーバ150の機能によって、ホスト160と、LAN170に接続された露光装置1001〜100Nとの間の通信が可能となる。
前記ホスト160は、大型のコンピュータを含んで構成される製造管理システム(MES:Manufacturing Execution System)である。ここで、製造管理システム(MES)とは、生産ラインで流れている各製品の工程、設備、条件、作業データをコンピュータで全て管理し、分析し、これにより品質向上、歩留まり向上及び作業ミス低減等のより効率的な生産を支援するシステムである。なお、ホスト160はMES以外でも良く、例えば専用のコンピュータを用いても良い。
前記LAN170としては、バス型LAN及びリング型LANのいずれも採用可能であるが、本第1の実施形態では、IEEE802規格のキャリア敏感型媒体アクセス/競合検出(CSMA/CD)方式のバス型LANを使用している。
次に、本第1の実施形態に係る露光システム110における1ロットのウエハに対する露光動作について説明する。なお、ここでの1ロットのウエハの枚数は、各ウエハ表面に露光装置100iのC/D内のコータにて塗布される感光剤(化学増幅型レジスト等)の性能を維持できる時間に基づいて設定されている。すなわち、1枚のウエハに対して感光剤塗布をしてから現像が行われるまでのすべての動作(搬送動作も含む)が終了するまでの時間が、レジスト性能を維持することが可能な時間を超えないように1ロットのウエハの枚数が設定されている。本第1の実施形態では1ロットの枚数が一例として25であるものとする。
なお、以下の説明では、具体例として、本第1の実施形態に係るリソグラフィシステム110における露光動作により、図6に示されるゲートパターンP1を含む回路パターンIPを転写形成する場合について説明する。図6に示されるように、このゲートパターンP1は、Y軸方向に細長く延びた幅dY1の細線パターンと、その両端部に形成された、それより広い幅dY2の重ね合わせ用パターンとから成る孤立線である。なお、図6では、回路パターンIPにおいてゲートパターンP1が拡大されて示されており、それ以外のパターン(例えば配線パターン)の図示が省略されている。
細線パターンの幅dY1は、液浸露光を行わない露光装置100j+1等の投影光学系PLの解像限界程度の幅、又はこの解像限界より僅かに細い幅であるものとする。例えば、露光装置100j+1における露光波長をλとし、投影光学系PLの開口数をNAとすると、投影光学系PLの解像限界は、所定のプロセス係数k1を用いてほぼk1・λ/NAとなるので、細線パターンの幅dY1は、このk1・λ/NA程度、又はこれより僅かに細い程度であるものとする。一方、重ね合わせ用パターンのX軸方向に関する幅dY2は、その解像限界よりも、1.5倍程度に太く設定されている。
このゲートパターンP1の細線パターンの部分は、例えば電界効果型トランジスタのゲート電極となるパターンである。実際のデバイスにはこのようなゲートパターンが数千万個以上形成されている。このゲート電極が細く形成されていればいるほど、かつデバイスの全箇所でその線幅が一定していればいるほど、その電子デバイスの動作の高速性が向上する。
このようなゲートパターンP1をウエハW上に形成するには、例えば、ウエハW上にポジ型のレジストを塗布し、これと相似形状に拡大された遮光パターンを有するレチクルを作成し、その縮小像を露光装置100j+1等でウエハW上に転写すれば良いが、露光装置100j+1等では、その解像限界より細いパターン像を高精度にかつ適正な焦点深度を維持して露光することは困難である。
そこで、本第1の実施形態では、形成すべき回路パターンIPに基づいて図7(A)、図7(B)に示されるような2つのレチクル9A,9Bを用意する。なお、実際のレチクルパターンのサイズはウエハW上でのパターンサイズに(1/β)倍を乗じた値であるが、以下では説明の便宜上、レチクルパターンの各部のサイズをウエハW上のサイズに換算した値で表示する。図7(A)、図7(B)は、レチクル9A,9Bのパターン面を見たときの図であり、レチクルステージRSTにレチクル9A,9Bが載置されたときには、各レチクルを−Z側から見たときの図となる。
図7(A)に示されるように、レチクル9Aには、パターン領域PA1が形成されている。そのパターン領域PA1には、図6に示されるゲートパターンP1と相似形状の(より正確には1/β倍した)遮光膜より成る遮光パターンA1が形成されている。この場合遮光パターンA1における重ね合わせ用パターンに相当する部分の幅は、重ね合わせ用パターンの幅と同じであるが、細線パターンに相当する部分の幅は、細線パターンの幅と同じか、それよりも広くなるように設定されている。このようにすれば、解像限界付近の像の露光によって、細線パターンの線幅が、所望の幅より狭くなるのが防止される。
図7(B)に示されるように、レチクル9Bには、パターン領域PA2が形成されている。そのパターン領域PA2には、図6に示されるゲートパターンP1の細線パターンに相当する位置に、X軸方向を配列方向とするライン・アンド・スペース(以下、「L/S」と略述する)パターンB1が形成されている。図7(B)には、図6に示されるゲートパターンP1に対応する領域が点線で示されている。図7(B)に示されるように、L/SパターンB1は、図7(A)に示されるゲートパターンA1における細線パターンに相当する領域を挟み込む(接する)ように、幅がdY1の4個の透過パターンを、X軸方向に(即ち、ゲートパターンP1の長手方向に直交する方向に)ほぼ2・dY1のピッチで配置したパターンである。各透過パターンの間は、透過パターンに対して透過光の位相を180°シフトさせ、かつ透過率を例えば3〜10%程度とする減光型(ハーフトーン型)位相シフト部となっている。なお、この減光型位相シフト部を完全な遮光パターンとしても良いことは勿論である。また、L/SパターンB1の透過パターンの数は、4つに限らず、幾つであっても良い。
なお、本第1の実施形態では、ポジ型のレジストを用いる関係上、ゲートパターンに対応するパターンを図7(A)に示される遮光パターンとしたが、ネガ型のレジストを用いる場合には、ゲートパターンに対応するパターンを透過パターンとするのは勿論である。
図8には、1ロットのウエハに対し、レチクル9A及びレチクル9Bを用いた二重露光を行う際のホスト160の処理アルゴリズムを示すフローチャートが示されている。なお、前提として、露光対象となるウエハWは、既に1層以上の露光が行われているものとし、今回の二重露光の工程を「現工程」と呼ぶものとする。この図8のフローチャートで示される、ホスト160の処理アルゴリズムがスタートするのは、そのロットのウエハWを処理するためのプロセスプログラムに対応する露光処理の準備が開始されたときである。
まず、図8のステップ201において、ホスト160は、1ロットのウエハWを露光する露光装置を露光装置1001〜100Nの中から決定する。なお、現工程の露光は、レチクル9A及びレチクル9Bを用いた二重露光である。リソグラフィシステム110では、この二重露光を1台の露光装置で行うこともできるが、本第1の実施形態では、2台の露光装置を用いて二重露光を行うようにする。この場合には、1台の露光装置におけるレチクルの交換などの作業を省略することができるので、スループットの観点から有利である。また、ここでは、1台については液浸露光を行う露光装置を選択し、残りの1台については液浸露光を行わない露光装置を選択するものとする。ここでは、液浸露光を行わない露光装置として、露光装置100j+1が選択されるものとし、液浸露光を行う露光装置として、露光装置1001が選択されるものとする。なお、露光装置100j+1の構成は、前述したように、液体給排システム32が備えられていない他は、図2に示される露光装置1001の構成と同じである。
次のステップ203では、ホスト160は、不図示の搬送系にレチクルの搬送を指示する。これにより、工場内の不図示の搬送系によって、レチクル9Aが露光装置100j+1に搬送され、レチクル9Bが露光装置1001に搬送されるようになる。それぞれの露光装置に搬送されたレチクルは、不図示のレチクル搬送系により搬送され、高精度に位置合わせ(プリアライメント)された状態で露光装置1001及び露光装置100j+1のレチクルステージRST上にそれぞれロードされる。
次のステップ205では、ホスト160は、露光対象となる1ロットのウエハWを露光装置100j+1に搬送する。今回露光対象となる1ロットのウエハWは所定のフロントオープニングユニファイドポッド(Front Opening Unified Pod:以下、「FOUP」と略述する)に格納されている。このFOUPは、不図示のFOUP搬送装置によって、露光装置100j+1に搬送された後、所定位置にセットされる。このセッティングより、FOUPの開口部が、その扉が開かれた状態で、露光装置100j+1の不図示の搬送系チャンバの開口と接続されるようになり、露光装置100j+1内にウエハWを取り出すことが可能となる。
次のステップ207では、ホスト160は、露光装置100j+1に対し、ウエハWの露光を指示する。これにより、露光装置100j+1における露光が開始される。次のステップ209では、露光装置100j+1から処理終了通知が送られてくるまで待つ。
図9には、露光装置100j+1における露光動作を行う際の主制御装置20によって行われる処理手順を示すフローチャートが示されている。図9に示されるように、まず、ステップ301において、ロット内の第1枚目(ロット先頭)のウエハWをロードする。このロードに先立ってそのウエハWには、不図示のC/D内でコータによるレジストの塗布が完了しており、そのウエハWは、不図示の搬送系によって搬送され、プリアライメント等が行われた後に、ウエハステージWST上のウエハホルダ70上に受け渡される。なお、上記ウエハWは、ロードに先立って、不図示の搬送系により、FOUP内から取り出され、露光装置100j+1のC/Dのコータに搬送され、そのコータによりその表面に例えばポジ型の化学増幅型レジストが塗布されている。この化学増幅型レジストは、ベース樹脂、光酸発生剤(PAG;Photo Acid Generator)などから成るが、さらに、溶解阻害剤や架橋剤などを含むものもある。なお、このコータにおけるレジスト塗布の処理は、本フローチャートにおける露光動作とは、独立して非同期に、FOUP内のウエハWに対しその露光順に行われるものとする。
次のステップ303では、不図示のレチクルアライメント系及び前述した基準マーク板FMなどを用いたレチクルアライメント、不図示のアライメント系などを用いたベースライン計測等の準備処理を行う。
次のステップ305では、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号などに開示されるようなEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントが行われる。なお、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のステップ307において、主制御装置20の指示に応じ、ステージ制御装置19が前述したウエハ干渉計18及びレチクル干渉計16の計測値をモニタしつつ、ウエハアライメントの結果に基づいて、レチクルステージ駆動部11及びウエハステージ駆動部124を制御することにより各ショット領域の走査露光が行われる。主制御装置20は、通常のスキャナと同様に、上記のステージ制御装置19の制御動作に合わせて、照明系10による照明動作を制御する。
ステージ制御装置19は、各ショット領域の走査露光時には、レチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが、投影光学系PLの投影倍率βに応じた速度比に維持されるように同期制御を行う。これにより、レチクル9Aのパターン(代表的に遮光パターンA1)が投影光学系PLを介してウエハW上の各ショットに順次縮小転写される。
この露光動作により、露光光ILにより露光されたウエハW上の領域には、その部分に塗布されているポジ型の化学増幅レジストに含まれる光酸発生剤から酸が発生する。すなわち、ウエハW上では、遮光パターンA1に代表される遮光パターンに対応する部分以外の部分におけるレジストの光酸発生剤から酸が発生するのみであり、この時点では、まだ露光光ILにより露光された部分(遮光パターン以外の部分)のレジストは可溶性に変化してはいない。
次のステップ309では、ウエハWをアンロードする。これにより、露光が終了したウエハステージWST上のウエハWがアンロードされ、不図示の搬送系によってFOUPに戻される。
次のステップ311では、1ロットのウエハに対して露光が終了したか否かを判断する。この場合、まだ1枚目のウエハWの露光が終了しただけなので、ここでの判断は否定され、ステップ312に進む。ステップ312では、次の露光対象のウエハWをウエハステージWST上にロードする。ステップ312終了後は、ステップ305に戻る。
以降ステップ311における判断が肯定されるまで、ステップ305→ステップ307→ステップ309→ステップ311→ステップ312の条件判断、処理を繰り返す。これにより、FOUP内(ロット内)の第2枚目以降のウエハWのショット領域に対し、レチクル9Aのパターン領域PA1のパターンがそれぞれ転写される。そして、ロット内の最後のウエハWに対する露光が終了し、ステップ311における判断が肯定されると、ステップ313に進む。
ステップ313では、ホスト160に対し、処理終了通知を送る。そして、ステップ313終了後、処理を終了する。
図8に戻り、ホスト160は、上述の処理終了通知を受信すると、次のステップ211に進み、露光装置100j+1にセットされていたFOUPを、露光装置1001に搬送し、セットするように、搬送系に指示する。
次のステップ213では、ホスト160は、露光装置1001に対し、ウエハWの露光を指示する。これにより、露光装置1001における露光が開始される。この指示により、露光装置1001の主制御装置20は、FOUP内における全てのウエハWに対する液浸露光を行う。なお、ホスト160では、露光装置1001から処理終了通知が送られてくるまで待つ(ステップ215)。
図10には、露光装置1001における露光動作を行う際の主制御装置20によって行われる処理手順を示すフローチャートが示されている。この図10と図9とを比較するとあきらかなように、露光装置1001における主制御装置20の処理手順そのものは、図9に示される露光装置100j+1の処理手順とほぼ同じである。ただし、露光装置1001には、液体給排システム32が取り付けられており、この液体給排システム32による液体の給排が露光などの際に行われる点が、露光装置100j+1の動作と異なる。
より具体的には、露光装置1001の主制御装置20は、まず、図10のステップ351において、前述のステップ301と同様にしてFOUP内の第1枚目(ロット先頭)のウエハWをウエハステージWST上にロードする。次いで、ステップ353における準備作業の1つであるレチクルアライメントを行う前に、液体給排システム32の液体供給装置5及び液体回収装置6の各バルブの開閉制御を行い、先端レンズ42とウエハWとの間の空間に対し、水の供給及び回収を開始する。これにより、一定量の水Lqが、その空間に常時安定した状態で供給されるようになる。すなわち、ステップ353における準備処理やステップ355におけるウエハアライメント、ステップ357の露光は、先端レンズ42の下の空間に水Lqが保持されている状態で行われる。
なお、ステップ353における準備作業の1つであるベースライン計測と、ステップ355におけるウエハアライメントとを行なうに際しては、先端レンズ42の下の空間を液体がない状態にしても良い。これは、このベースライン計測及びウエハアライメントの処理が、不図示のオフ・アクシスのアライメント系を用いて行われるものであるためである。上記ステップ355終了後、主制御装置20は、ステップ357における液浸露光を開始する。
この露光装置1001で行われる2回目の露光では、露光装置100j+1で行われた1回目の露光と、ウエハWに到達する露光光ILの実質的な波長(すなわち、投影光学系PL(先端レンズ42)とウエハWとの間の空間における波長)が異なる。すなわち、露光装置100j+1では、ドライ露光により、照明系10から発せられ投影光学系PLに入射される露光光ILが、その波長(193nm)のままウエハWに到達するようになるが、露光装置1001では、液浸露光により、照明系10から発せられ投影光学系PLに入射される露光光ILが、実質的な波長が水により134nmに変換されてウエハWに到達する。すなわち、露光装置1001では、液浸露光を行うので、投影光学系の開口数を1より大きくでき、高解像のパターン投影が可能となる。したがって、露光装置1001の解像度は、幅dY1のパターンを高精度に転写することができるようになる。また、露光装置1001では、液浸露光を行うので、プロセス係数と投影光学系の開口数NAが同一であるとすれば、空気中でのドライ露光に比べて焦点深度がn倍に拡大され、その意味でも、高精度な露光であるといえる。
このステップ357の終了後には、液体給排システム32による液体の供給を停止し、ステップ359におけるウエハWのアンロードを、先端レンズ42の下の空間に液体がない状態で行う。ウエハステージWSTからアンロードされたウエハWは不図示の搬送系によりFOUPに戻される。次に、ステップ311において、主制御装置20は、アンロードされたウエハWが1ロットの最後のウエハかどうかを判断し、最後のウエハでない場合には、ステップ362に進んで、先端レンズ42の下の空間に液体がない状態のまま、ウエハステージWST上に次に露光されるウエハWをロードする。
そして、主制御装置20は、ステップ361における判断が肯定されるまで、各ウエハWに対し、ステップ362におけるウエハのロードと、ステップ355におけるウエハアライメントと、ステップ357における液浸露光と、ステップ359におけるウエハのアンロードとを続けて行う。
これにより、露光装置100j+1においてレチクル9A上のパターンが転写されたウエハWの各ショット領域に対し、露光装置1001において液浸法によりレチクル9B上のパターンが転写される。なお、露光装置1001では、ウエハステージWSTからアンロードされたウエハWは、FOUPに戻される前に、不図示の搬送系によりC/Dに搬送され、ベーキング装置でPEBが施された後デベロッパにより現像され、その後FOUPに戻される。このPEBにより、ウエハW上のレジストでは、ベース樹脂から例えば溶解抑制剤が脱離し、露光された箇所に、アルカリ可溶性が発現してウエハW上に転写パターンの潜像が形成され、次に現像によりその可溶性となった部分が除去され、ウエハW上に転写パターンの顕像(例えば図6に示されるパターン像)が形成される。露光装置1001の主制御装置20は、全てのウエハWがFOUP内に戻されたのを確認すると、ステップ361における判断が肯定され、ステップ363に進んで、ホスト160に対し、処理終了通知を送る。ホスト160は、処理終了通知を受けると、ステップ217に進み、現工程におけるエッチング処理、レジスト除去、そして、次の層の露光などに備えるべく、そのFOUPを不図示のFOUP搬送装置により所定の場所に退避させ、一連の処理を終了する。
これまでの説明から明らかなように、本第1の実施形態では、主制御装置20によって制御される、液体給排システム32を使って投影光学系PLとウエハWとの間の空間に液体Lqが満たされることによってその光路空間における露光光の実質的な波長が調整される。
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係るリソグラフィシステム110によれば、ウエハWの同一レジスト層に対し、二重露光を行う場合には、その二重露光のうち1回の露光では、ウエハWに対し露光光ILを投射する投影光学系PLとウエハWとの間の空間における該露光光ILの実質的な波長を、二重露光のうちの他の回の露光におけるその空間における露光光の波長とは異なるようにする。このため、例えば高い転写精度が要求される回の露光では、投影光学系PLとウエハWとの間の空間における露光光ILの実質的な波長を短くし、高い転写精度がそれほど要求されない回の露光では、露光光ILの実質的な波長をある程度長くすることができる。露光光ILの実質的な波長を短くした露光、例えば液浸露光では、液体の供給などの作業により露光に要する時間が通常の露光よりも長くなってしまう傾向が強い。したがって、本第1の実施形態に係る露光方法を採用すれば、複数回の露光を行う場合にも、各回の露光を要求される解像度に応じた、時間的に有利な露光方法を採用することができるので、高精度かつ高スループットを両立した露光を実現することができる。特に、二重露光の両方を液浸露光する場合に比べると、全体の露光時間を短くすることができる。
また、化学増幅型レジストを感光剤として用いて液浸法による露光を行った場合に懸念されるのが、化学増幅型レジスト中に含まれる光酸発生剤から発生した酸の、液浸露光に用いられる液体への溶け出しである。この溶け出しがあると、酸の失活が発生し、レジスト表面部分での酸の濃度が減少し、ベース樹脂の溶解抑制剤の脱離が不十分となり、パターンプロファイルが劣化する虞がある。また、ウエハW上における液浸時間が異なる箇所で、本来同一であるべきパターンの線幅が異なってしまうなどの不都合が発生する虞もある。
しかしながら、本第1の実施形態では、二重露光における2回の露光のうち、液浸露光を1回とする。このようにすれば、ウエハW上の塗布された化学増幅型レジストが液浸露光用の液体(本第1の実施形態では純水)に浸される時間を、2回の露光とも液浸法で行う場合よりも短くすることができるので、化学増幅型レジスト中に含まれる酸発生剤から発生した酸が水に溶け出す量を低減することができる。この結果、ウエハWの異なる箇所における線幅均一性を向上させることができるので、高精度な露光を実現することができる。
なお、このような酸の溶け出しを考慮すると、液浸法による露光を行う場合には、スキャン速度を高く設定するなどして、ウエハWの表面が液体に浸かっている時間を短くすることが望ましい。また、液浸状態の時にすぐに酸を放出しない化学増幅型レジストを選択するのが望ましい。さらに、液体給排システム32から供給される液体として、純水よりも酸の溶解度が低い液体を用いるようにしても良いし、レジスト上に保護膜(トップコート)を塗布しても良い。
なお、上記第1の実施形態では、1回目の露光で露光装置100j+1を用い、2回目の液浸露光で露光装置1001を用いたが、1回目の露光で露光装置100j+2〜100Nのいずれかを選択し、2回目の液浸露光で露光装置1002〜100jのいずれかを選択するようにしても良い。
また、上記第1の実施形態では、第1回目の露光と、第2回目の露光とを1ロット単位で行ったが、1枚単位で、二重露光を行うようにしても良い。このようにすれば、ウエハ毎に1回目の露光を行った後速やかに2回目の露光を行い、そのウエハWに対しPEBを施すことにより、各ウエハの露光からPEBまでの時間を短くすることができるので、有利である。異なる露光装置で二重露光を行う場合に、FOUPを用いて、露光装置間のウエハの搬送を行うのではなく、ウエハW1枚1枚を露光装置間で搬送する搬送系を設け、その搬送系で各ウエハWを搬送するようにしても良い。
また、上記第1の実施形態のリソグラフィシステム110では、液浸法を用いる露光装置の台数の方を、液浸法を用いない露光装置の台数よりも多くしたが、これには限られない。実際には、液浸法を用いる露光装置の台数が、他の露光装置より少なくても良く、例えば1台であっても良い。
また、上記本第1の実施形態では、二重露光における2回の露光のうち、PEB直前に行われる露光を液浸露光としている。このようにすれば、液浸状態にあったウエハWが、その液浸状態にあったときからPEBが施されるまでの時間を短くすることができるので、より微細なパターンを露光した後のPEBまでの時間を短くすることができ、これにより露光後の汚染などの悪影響を小さくすることができる。また、液体回収装置6で回収しきれずに、ウエハWに残留した液体が乾燥することによって異物がウエハWに付着するなどの不都合を防止することができる。なお、二重露光における2回の露光のうち、第1回目の露光を液浸露光とし、第2回目の露光を液浸でない露光とするようにしても良い。この場合、上述したように1回目の露光を行った後(ウエハW上で発生した酸が溶け出しやすくなった後)に2回目の液浸露光を行う場合に比べると、1回目に液浸露光を行うので、ウエハW上で発生した酸の液体(水)への溶け出しを少なくすることができる。
液浸露光を1回目に行うか2回目に行うかは、液浸露光後(実質的な波長が短い露光光による露光後)にPEBが施されるまでの時間短縮を重視するか、液浸露光のときの酸の溶け出しを重視するかなど、各種のプロセス条件によって決めれば良い。
また、上記第1の実施形態では、1つのウエハステージを有するシングルステージタイプの露光装置を用いることとしたが、ダブルステージ(ツインステージ)タイプの露光装置を含むようにしても良い。特に、液浸露光を行う露光装置1001等については、ダブルステージタイプとした方が、スループットが向上するため、上述の酸の溶け出しを防止するうえでも望ましい。
また、上述の実施形態においては、二重露光のうちの1回の露光を投影光学系(先端レンズ)とウエハWとの間の空間に液体がない状態で行い、他の回の露光を投影光学系(先端レンズ)とウエハWとの間の空間に液体を保持した状態で行うことによって、投影光学系(先端レンズ)とウエハWとの間の空間における露光光の実質的な波長が、二重露光の1回の露光と他の回の露光とで異なるようにしているが、二重露光の両方の露光で液浸露光を実行するようにしても良い。すなわち、露光装置100j+1〜100Nを、露光装置1001〜100jと同じように、液浸露光を行う露光装置としても良い。この場合、露光装置1001〜100jで、液体として純水を用いるとすると、露光装置100j+1〜100Nでは、純水の屈折率(1.44)よりも屈折率が小さい液体を用いることができる。また、逆に露光装置100j+1〜100Nで、液体として純水を用いるとすると、露光装置1001〜100jでは、純水よりも露光光(ArF光)に対する屈折率が大きい液体、例えばイソプロパノール(Isopropanol)を用いることができる。このようにすれば、露光装置1001〜100jと、露光装置100j+1〜100Nとでは、ウエハWに到達する露光光ILの実質的な波長を異ならしめることができる。なお、この場合でも、露光装置100j+1〜100Nの解像限界は、露光装置1001〜100jよりも低いので、より微細なパターンを転写する際には、露光装置1001〜100jを用いるのが望ましい。また、液体としては、例えばイソプロパノールの他にも、グリセロールといったC−H結合やO−H結合を持つ液体、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の液体(有機溶剤)、あるいはこれらの液体のうちの任意の2種類以上の液体が混合されたもの、あるいは純水に上記液体が添加(混合)されたもの、あるいは純水にH+、Cs+、K+、Cl-、SO4 2-、PO4 2-等の塩基又は酸を添加(混合)したもの、あるいは純水にAl酸化物等の微粒子を添加(混合)したものであっても良く、露光光に対して所望の屈折率を有する液体を適宜用いることができる。これら液体は、露光光の吸収係数が小さい(透過率が高い)ことは言うまでもなく、光学特性の温度依存性が小さいものが望ましい。また投影光学系PLや基板P表面に塗布されているレジストに対する影響が小さく、粘性も小さいものが好ましい。
また、上記第1の実施形態では、露光光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いたが、露光装置間で、それぞれの光源の発振波長が異なっていても良い。例えば、露光装置100j+1の光源を、KrFエキシマレーザ光源(発振波長248nm)とし、露光装置1001の光源を、ArFエキシマレーザ光源としても良い。この場合、両露光装置で液浸露光を行うようにしても良いし、両露光装置でドライ露光を行うようにしても良い。もちろん、F2レーザ光やi線を露光光とする露光装置を用いても良いし、光源の発振波長が異なる2つの露光装置の一方で液浸露光を行い、他方でドライ露光を実行するようにしても良い。要は、複数の露光装置間で行われる同一のウエハW(同一の感光層)に対し、複数回の露光を行うに際し、少なくとも1回の露光のウエハWに到達する露光光の実質的な波長が、他の回における露光のそれと異なっていれば良い。
また、上記第1の実施形態では、異なる露光装置で二重露光を行うため、実際には、その露光装置100iの投影光学系PLの収差等に起因する像の歪みが問題となる。そこで、上記第1の実施形態のリソグラフィシステム110では、ホスト160等で、露光装置100iにおける像歪みに関する情報を管理し、露光装置間における像歪みをそれぞれの結像特性補正コントローラ181(図5参照)によって調整したうえで、二重露光を行うようにしても良い。
なお、上記第1の実施形態では、リソグラフィシステム110において、レチクル9A,9Bを用いたウエハWの同一レジスト層に対する二重露光を行ったが、三重露光以上の多重露光を行うようにしても良い。例えば、レチクル9A,9Bによってゲートパターンを転写し、さらに、配線パターンが形成されたレチクルを用いて、配線パターンの転写を行うようにしても良い。すなわち、微細なパターンを含む回路パターンを形成する場合には、その回路パターンを微細なパターンとそうでないパターンとに分解し、それぞれのパターンを形成した複数のレチクルによる多重露光を行い、それほど微細でないパターンの転写には液体がない状態での露光(第1波長の露光光での露光)を行い、微細なパターンの転写には液浸露光(実質的に第1波長より短い第2波長の露光光での露光)を行うようにすればよい。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図11〜図14に基づいて説明する。上記第1の実施形態では、2つの異なる露光装置で二重露光を行ったが、本第2の実施形態では、1台の露光装置で上記レチクル9A及びレチクル9Bを用いた二重露光を行う。
図11には、本発明の第2の実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャンニング・ステッパ)である。この露光装置100は、上記第1の実施形態の露光装置1001と同様に、液浸法により露光が可能な露光装置であり、液体給排システム32を備えている。この露光装置100は、投影光学系PLの代わりに、液浸露光とドライ露光とで所定の結像特性が得られる投影光学系PL’を、レチクルステージRSTの代わりのレチクルステージRST’を、ステージ装置50の代わりのステージ装置50’をそれぞれ備え、さらにオフ・アクシスのアライメント系として2つのアライメント系ALG1,ALG2を備えている点、並びにウエハ干渉計18に代えて後述するウエハ干渉計システムを備えている点以外は、上記第1の実施形態における露光装置1001と同様に構成されているので、露光装置1001と共通な部分については、その詳細説明を省略する。
図12に示されるように、レチクルステージRST’上には、スキャン方向(Y軸方向)に直列に2枚のレチクルが設置できるようになっており、この点がレチクルステージRSTと異なる。図12では、レチクル9A,9BがこのレチクルステージRST’上に保持されている様子が示されている。レチクルステージRST’上のレチクル9A,9Bは、例えば二重露光の際に選択的に使用され、いずれのレチクルについてもウエハ側と同期スキャンができるように構成されている。図12では、レチクル9Aが選択され、そのレチクル9A上の、破線で示される照明領域IARに対応する部分に、露光光ILを照射可能になっている(又は露光光ILが照射されている)ときの様子が示されている。
このレチクルステージRST’上には、X軸方向の一側の端部に、移動鏡15を構成する移動鏡15XがY軸方向に延設されており、この移動鏡15XのX軸方向の一側の面には鏡面加工により反射面が形成されている。この移動鏡15Xの反射面に向けて、図11のレチクル干渉計16を構成するX軸干渉計16Xからの測長軸BIRxで示される干渉計ビームが照射されている。X軸干渉計16Xは、その反射光を受光して、基準面に対する相対変位を計測することにより、レチクルステージRST’のX軸方向に関する位置情報などを取得している。
一方、レチクルステージRST’の走査方向(スキャン方向)であるY軸方向の他側(図12における紙面内下側)には、移動鏡15を構成する一対のレトロリフレクタ15YL,15YRが設置されている。レチクル干渉計16を構成する一対のダブルパス干渉計16YL,16YRから、これらのレトロリフレクタ15YL、15YRに対して測長軸BIRL,BIRRで示される干渉計ビームがそれぞれ照射され、レチクルベース盤(不図示)上の反射面に形成された反射ミラー39A,39Bにより反射し、そこで反射したそれぞれの反射光が同一光路を戻りそれぞれのダブルパス干渉計16YL,16YRで受光され、それぞれのレトロリフレクタ15YL,15YRの基準位置(レファレンス位置で前記レチクルベース盤(不図示)上の反射面)からの相対変位が計測される。そして、これらのダブルパス干渉計16YL,16YRの計測値が、ステージ制御装置19に供給され、その平均値に基づいてレチクルステージRST’のY軸方向の位置情報が計測される。このY軸方向の位置情報は、レチクルステージRST’と後述するウエハステージWST1又はWST2との相対位置の算出、及びこれに基づく走査露光時の走査方向(Y軸方向)のレチクル9A,9BとウエハW1(W2)との同期制御に用いられる。また、本第2の実施形態に係る露光装置100では、ダブルパス干渉計16YL,16YRの計測値同士の差に基づいてレチクルステージRST’のθz回転が計測される。
すなわち、露光装置100では、X軸干渉計16X及び一対のダブルパス干渉計16YL,16YRによってレチクル干渉計16(図11参照)が構成され、X移動鏡15X及びレトロリフレクタ15YL,15YRにより移動鏡15(図11参照)が構成されている。
次に、ステージ装置50’について説明する。図11に示されるように、前記ステージ装置50’は、ベース盤BSと、該ベース盤BSの上方に配置されたウエハステージWST1,WST2と、これらのウエハステージWST1,WST2の位置をそれぞれ計測する干渉計18X1,18X2等を含む干渉計システム(これを「ウエハ干渉計システム18’」とする)と、ウエハステージWST1、WST2を駆動するウエハステージ駆動部124’(図11では不図示、図13参照)とを備えている。
ウエハステージWST1,WST2は、ウエハステージ駆動部124’によって、X軸方向(図11における紙面内左右方向)及びY軸方向(図11における紙面直交方向)に独立して2次元方向に駆動可能に構成されている。
ベース盤BS上には、図13の平面図に示されるように、例えば電機子ユニットから成るX軸方向に延びる一対のX軸リニアガイド861,862がY軸方向に所定間隔を隔てて配置されている。これらのX軸リニアガイド861,862の上方には、例えば磁極ユニットから成る各2つのスライダ821,841及び822,842が、対応するX軸リニアガイド861,862を上方から取り囲む状態で非接触で設けられている。すなわち、スライダ821,841とX軸リニアガイド861とによってムービングマグネット型のリニアモータがそれぞれ構成され、スライダ822,842とX軸リニアガイド862とによってムービングマグネット型のリニアモータがそれぞれ構成されている。以下においては、それぞれの可動子を構成するスライダ821,841,822,842と同一の符号を用いて、適宜、X軸リニアモータ821、X軸リニアモータ841、X軸リニアモータ822、及びX軸リニアモータ842と呼ぶものとする。
上記4つのX軸リニアモータ821,841,822,842のうち、2つのX軸リニアモータ821,822を構成するスライダは、例えば電機子ユニットから成り、Y軸方向に延びるY軸リニアガイド80の長手方向の一端と他端にそれぞれ固定されている。また、残り2つのX軸リニアモータ841,842を構成するスライダは、例えば電機子ユニットから成り、Y軸方向に延びるY軸リニアガイド81の一端と他端に固定されている。従って、Y軸リニアガイド80,81は、各一対のX軸リニアモータ821,822、841,842によって、X軸に沿ってそれぞれ駆動されるようになっている。
ウエハステージWST1は不図示の磁極ユニットを備え、該磁極ユニットと電機子ユニットから成るY軸リニアガイド81とによって、ウエハステージWST1をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。また、ウエハステージWST2は不図示の磁極ユニットを備え、該磁極ユニットとY軸リニアガイド80とによって、ウエハステージWST2をY軸方向に駆動するムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下においては、適宜、これらのY軸リニアモータを、それぞれの固定子を構成するリニアガイド81、80と同一の符号を用いて、Y軸リニアモータ81、Y軸リニアモータ80と呼ぶものとする。
本第2の実施形態では、X軸リニアモータ821,822,841,842及びY軸リニアモータ80,81により、ウエハステージ駆動部124’が構成されている。このウエハステージ駆動部124’を構成する上記各リニアモータが、主制御装置20の指示の下、ステージ制御装置19により制御されるようになっている。
本第2の実施形態では、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれの構成は、上記第1の実施形態におけるウエハステージWSTの構成(図3参照)とほぼ同一であるものとし、ウエハステージWST1(WST2)の各構成要素には、図13では、どちらのステージの構成要素であるかを示す識別番号(すなわち1又は2)が下付の添え字で示されているものとする。
図11に戻り、投影ユニットPUの+X側、−X側にそれぞれ同一距離隔てた位置に、前述したオフアクシス・アライメント系(以下、「アライメント系」と略述する)ALG1,ALG2が、それぞれ配置されている。これらのアライメント系ALG1,ALG2は、実際には、投影ユニットPUを保持する保持部材に取り付けられている。これらのアライメント系ALG1,ALG2としては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標(アライメント系ALG1,ALG2内に設けられた指標板上の指標パターン)の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。なお、アライメント系ALG1,ALG2としては、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出する、あるいはその対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数の回折光、あるいは同方向に回折する回折光)を干渉させて検出するアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。
本第2の実施形態では、アライメント系ALG1は、ウエハステージWST1上のウエハW1に形成されたアライメントマーク及び基準マーク板FM1上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。また、アライメント系ALG2は、ウエハステージWST2上のウエハW2に形成されたアライメントマーク及び基準マーク板FM2上に形成された基準マークの位置計測等に用いられる。
これらのアライメント系ALG1,ALG2からの情報は、主制御装置20に供給されるようになっている。
次に、ウエハ干渉計システム18’の構成等について、図13を参照して説明する。この図13に示されるように、ウエハ干渉計システム18’は、投影光学系PLの投影中心(光軸AX)及びアライメント系ALG1,ALG2それぞれの検出中心を通るY軸に平行な測長軸BIYM,BIYR,BIYLをそれぞれ有する3つのY軸干渉計18YM,18YR,18YLと、投影光学系PLの投影中心(光軸AX)及びアライメント系ALG1,ALG2の検出中心を結ぶX軸に平行な測長軸BI2X,BI1Xをそれぞれ有する2つのX軸干渉計18X2、18X1を有している。
ここで、ウエハステージWST1が投影光学系PLの光軸直下の位置(第1位置)近傍の領域(第1領域)にあり、そのウエハステージWST1上のウエハに対する露光が行われるときには、X軸干渉計18X1、Y軸干渉計18YMによってウエハステージWST1の位置が管理される。以下においては、このX軸干渉計18X1、Y軸干渉計18YMそれぞれの測長軸によって規定される座標系を第1露光座標系と呼ぶ。
また、ウエハステージWST2が上記第1領域にあり、そのウエハステージWST2上のウエハに対する露光が行われるときには、X軸干渉計18X2、Y軸干渉計18YMによってウエハステージWST1の位置が管理される。以下においては、このX軸干渉計18X2、Y軸干渉計18YMそれぞれの測長軸によって規定される座標系を第2露光座標系と呼ぶ。
また、ウエハステージWST1が、アライメント系ALG1の検出中心直下の位置の近傍の領域(第2領域)にあり、そのウエハステージWST1上のウエハに形成されたアライメントマークの検出、例えば後述するウエハアライメントなどが行われるときには、X軸干渉計18X1、Y軸干渉計18YRによってウエハステージWST1の位置が管理される。以下においては、このX軸干渉計18X1、Y軸干渉計18YRそれぞれの測長軸によって規定される座標系を第1アライメント座標系と呼ぶ。
また、ウエハステージWST2が、アライメント系ALG2の検出中心直下の位置の近傍の領域(第3領域)にあり、そのウエハステージWST2上のウエハに形成されたアライメントマークの検出、例えば後述するウエハアライメントなどが行われるときには、X軸干渉計18X2、Y軸干渉計18YLによってウエハステージWST2の位置が管理される。以下においては、このX軸干渉計18X2、Y軸干渉計18YLそれぞれの測長軸によって規定される座標系を第2アライメント座標系と呼ぶ。
上記X軸干渉計18X1,18X2は、複数本の光軸を有する多軸干渉計であり、各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。従って、これらのX軸干渉計18X1,18X2では、ウエハステージWST1、WST2のX軸方向の位置計測以外に、Y軸回りの回転量(ローリング量)及びZ軸回りの回転量(ヨーイング量)の計測が可能となっている。
また、上記Y軸干渉計18YL,18YM,18YRは、例えば各2本の光軸を有する2軸干渉計であり、各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。従って、これらのY軸干渉計18YL,18YM,18YRでは、ウエハステージWST1又はWST2のY軸方向の位置計測以外に、X軸回りの回転量(ピッチング量)の計測が可能となっている。
また、上述の多軸干渉計は45°傾いてウエハステージWST1,WST2に設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
次に、本第2の実施形態に係る露光装置100における1ロットのウエハに対する並行処理動作(二重露光動作)について、投影光学系PLを中心とする露光装置本体での動作を時系列的に示す図14に沿って、適宜その他の図面を参照しつつ説明する。
なお、前提として、1ロット内のウエハのうち第1枚目のウエハW1は、不図示の搬送系により、C/Dに搬送され、コータにて感光剤(化学増幅型レジスト)が塗布されているものとする。その後、第2枚目のウエハW2,第3枚目のウエハW3,……,第25枚目のウエハW25に対しても、図14のフローチャートに示される処理とは、独立して、C/Dのコータによりレジストの塗布が行われるものとする。また、本第2の実施形態においても、塗布されるレジストは、ポジ型のレジストであるものとする。また、露光対象のウエハW1〜W25も、上記第1の実施形態と同様に、既に、ショット領域が形成されているウエハであるものとする。
まず、図14のステップ401では、ウエハステージWST1上に第1枚目のウエハW1がロードされる。ここでは、ウエハステージWST1が右側ローディング位置に移動し、不図示の搬送系によりウエハW1のロードが行われる。この右側ローディング位置近傍でのウエハステージWST1の位置制御は、測長軸BI1X,BIYRをそれぞれ有する干渉計18X1,18YRの計測値に基づいて行なわれる。
次のステップ403では、レチクル9A,9BをレチクルステージRST’上にロードする。このロードにより、レチクル9A,9Bが図12に示されるように配置される。
本第2の実施形態では、ウエハステージWST1が右側ローディング位置にあるときに、アライメント系ALG1の真下にウエハステージWST1の基準マーク板FM1が位置するように右側ローディング位置が定められている。この右側ローディング位置にウエハステージWST1が移動するのに先立って、干渉計18YRからの測長軸BIYRの干渉計ビームが移動鏡17Y1に当たるようになったいずれかの時点でその干渉計18YRによるウエハステージWST1の位置計測が開始される。
この右側ローディング位置にウエハステージWST1がある状態で、アライメント系ALG1により基準マークの画像が取り込まれ、その画像信号が主制御装置20に送られる。主制御装置20では、この画像信号に所定の処理を施し、その処理後の信号を解析することでアライメント系ALG1の指標中心を基準とする基準マークの位置を検出する。主制御装置20では、前記基準マークの位置と測長軸BI1X,BIYRをそれぞれ有する干渉計18X1,18YRの計測結果とに基づいて第1アライメント座標系における基準マーク板FM1上の基準マークの座標位置を算出する。
上述したウエハロード、レチクルロード及び基準マークの位置計測に引き続いて、図14のステップ504では、例えば特開昭61−44429号公報及びこれに対応する米国特許第4,780,617号などに開示されているようなEGA方式のウエハアライメントを行って、ウエハW1上の各ショット領域の配列を求める。具体的には、干渉計18X1,18YR(測長軸BI1X、BIYR)により、ウエハステージWST1の位置を管理しつつ、設計上のショット配列データ(アライメントマーク位置データ)をもとに、ウエハステージWST1を順次移動させつつ、ウエハW1上の所定のサンプルショット領域のアライメントマーク(サンプルマーク)位置をアライメント系ALG1で計測し、この計測結果と各サンプルマーク計測時の干渉計18X1,18YRの計測値とショット配列の設計座標データとに基づいて最小自乗法による統計演算により、全てのショット配列データを演算する。これにより、上記の第1アライメント座標系上で各ショット領域の座標位置が算出される。なお、このEGAの際の各部の動作は主制御装置20の下、ステージ制御装置19により制御される。上記の演算は、主制御装置20により行なわれる。
そして、主制御装置20では、各ショット領域の座標位置から前述した基準マークの座標位置を減算することで、基準マークに対する各ショット領域の相対位置関係を算出する。
ウエハステージWST1側で、上記のウエハ交換(この場合、ウエハW1のロード)、アライメント動作が行なわれている間は、ウエハステージWST2側は待機状態となっている。
この待機状態のウエハステージWST2は、左側ローディング位置に位置決めされている。なお、この左側ローディング位置は、アライメント系ALG2の下に基準マーク板FM2が位置付けられる位置となっている。この左側ローディング位置にウエハステージWST2が移動するのに先立って、干渉計18YLからの測長軸BIYLの干渉計ビームが移動鏡17Y2に当たるようになったいずれかの時点でその干渉計18YLによるウエハステージWST2の位置計測が開始される。
次いで、図14のステップ506ではウエハステージWST1を右側ローディング位置から図13に示される投影光学系PLの光軸AX中心(投影中心)の真下に基準マーク板FM1上の基準マークが来る位置(以下、便宜上「第1の露光基準位置」と呼ぶ)まで移動する。この移動の途中、干渉計18YRからの測長軸BIYRの干渉計ビームが移動鏡17Y1から外れ、干渉計18YMからの測長軸BIYMの干渉計ビームが移動鏡17Y1に当たるようになる。従って、上記の第1の露光基準位置にウエハステージWST1が到達するのに先立って、干渉計18YMからの測長軸BIYMの干渉計ビームが移動鏡17Y1に当たるようになったいずれかの時点でその干渉計18YMによるウエハステージWST1の位置計測が開始される。なお、以下では説明の簡略化のため、特に必要な場合以外は、ウエハステージWST1,WST2の移動に伴う干渉計の動作説明は省略するものとする。
そして、上記第1の露光基準位置へウエハステージWST1が移動すると、主制御装置20では、一対のレチクルアライメント系(図示省略)により露光光ILを用いて基準マーク板FM1上の基準マークとそれに対応するレチクル9A上のレチクルアライメントマークのウエハ面上投影像の相対位置検出を投影光学系PL’の像面側に水Lqが無い状態で行なう。
主制御装置20では、上記の相対位置検出(レチクルアライメント系による前記各マーク像の画像信号の取り込み)をするのに先立って、測長軸BIYMを有する干渉計18YMでウエハステージWST1のY位置のモニタを開始している。
これにより、測長軸BI1X、BIYMを用いた座標系(第1露光座標系)におけるドライ状態での露光位置(投影光学系PL’によるパターンの投影位置)と基準マーク板FM1上の基準マークの座標位置の相対位置関係が求められる。
主制御装置20では、先に求めた基準マーク板FM1上の基準マークに対する各ショットの相対位置関係と、露光位置と基準マーク板FM1上の基準マークの座標位置の相対関係より、最終的に露光位置と各ショットの相対位置関係を算出する。その結果に応じて、ウエハW1上の各ショットのドライ露光が行なわれることとなる。
次いで、図14のステップ508では、次のようにしてウエハステージWST1上のウエハW1上の各ショット領域に対し、レチクル9Aを用いて、投影光学系PL’の像面側に液体がない状態でのステップ・アンド・スキャン方式のドライ露光が行われる。
すなわち、主制御装置20は、Y軸干渉計18YMとX軸干渉計18X1の各測長軸の計測値をモニタしつつ、ステップ506で算出した露光位置と各ショットとの位置関係に基づいてステージ制御装置19に指令を与えてレチクルステージ駆動部11及びウエハステージ駆動部124’を構成する各リニアモータを制御する。
ステージ制御装置19は、特にウエハW1上の各ショット領域の走査露光時には、レチクルステージRST’のY軸方向の移動速度VrとウエハステージWST1のY軸方向の移動速度Vwとが、投影光学系PLの投影倍率(1/4倍あるいは1/5倍)に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST’とウエハステージWST1との同期制御を行う。主制御装置20は、通常のスキャナと同様に、上記のレチクルステージRST’とウエハステージWST1との制御に合わせて照明系10による照明動作を制御する。
次のステップ509では、レチクル9Bを用いたウエハW1に対する液浸露光が主制御装置20の管理下で行われる。まず、主制御装置20は、ステージ制御装置19を介してレチクルステージRST’上のレチクル9Bが、照明領域IARに対応するようにレチクルステージRST’を移動させる。そして、主制御装置20は、液体給排システム32の液体供給装置5及び液体回収装置6の各バルブの開閉制御を行ない、先端レンズ42とウエハW1との間の空間に対し、水の供給及び回収を開始する。これにより、一定量の水Lqが、その空間に常時安定した状態で供給されるようになる。
そして、主制御装置20では、一対のレチクルアライメント系(図示省略)により露光光ILを用いて基準マーク板FM1上の基準マークとそれに対応するレチクル9A上のレチクルアライメントマークとの相対位置検出を、水Lqを介して検出する。これにより、測長軸BI1X,BIYMを用いた座標系における液浸状態での露光位置(投影光学系PL’による水Lqを介したパターンの投影位置)と基準マーク板FM1上の基準マークの座標位置の相対位置関係が求められる。なお、レチクルアライメント系が水Lqがある状態(液浸状態)でも、水Lqがない状態(ドライ状態)でも所望の精度でマーク検出ができるように補正機構を設けても良い。また、レチクルアライメント系を液浸状態での計測用とドライ状態での計測用とで別々に設けておいても良い。
そして、主制御装置20では、先に求めた基準マーク板FM1上の基準マークに対する各ショット領域の相対位置関係と、基準マーク板FM1上の基準マークと液浸状態での露光位置との関係とに基づいて、液浸状態での露光位置とウエハW1上の各ショット領域との相対位置関係を算出する。
そして、ステップ508と同様のステージ制御動作の制御及び照明系10による照明動作の制御を行い、先に算出した液浸状態での露光位置とウエハW1上の各ショット領域との相対位置関係に基づいて、レチクルステージRST’とウエハステージWST1の移動を制御しつつ、ウエハW1の各ショット領域に対する走査露光を水Lqを介して行う。なお、投影光学系PL’を用いて液浸露光とドライ露光との各々を所望の結像性能で実行するために、結像特性補正コントローラ181などによる投影光学系PL’の結像特性(フォーカスなど)の補正を行っても良いし、液浸露光とドライ露光とで、投影光学系PL’の一部の光学部材を入れ替えるようにしても良い。
これにより、レチクル9A上のパターンが転写されたウエハW1上の各ショット領域に対し、露光装置100において、液浸法により、レチクル9B上のパターン領域PA2のパターンが高精度に転写される。投影光学系PLとウエハW1との間の水Lqにより、露光光ILの波長は実質的に短くなり、レチクル9Bは、レチクル9Aよりも、高解像度で、ウエハW1上に転写される。なお、液体給排システム32による先端レンズ42とウエハW1との間の空間に対する液体供給は、上記第1の実施形態と同様に、ウエハW1のXY平面の動きに併せて制御されることは勿論である。すなわち、ウエハW1の各ショット領域に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、ウエハW1の移動方向の変化に応じて、主制御装置20によって、液体給排システム32の液体供給装置5及び液体回収装置6の各バルブの開閉制御が上記第1の実施形態と同様にして行われ、ウエハW1に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、先端レンズ42とウエハW1との間の常時一定量の水Lqが安定して保持された状態となる。また、ウエハW1上の各ショット領域の液浸露光が完了すると、主制御装置20は、液体給排システム32による水の供給を停止するとともに、投影光学系PL’の像面側の空間を満たしていた水Lqを完全に回収する。
このように、図14のステップ508、ステップ509において、ウエハステージWST1上のウエハW1に対する露光(レチクル9A,9Bを用いた露光)が行われている間に、ウエハステージWST2側では、ステップ602,604において、2枚目のウエハW2のロード及びウエハアライメントが行われる。
この場合のウエハステージWST2の位置制御は、測長軸BI2X,BIYLをそれぞれ有する干渉計18X2,18YLの計測値に基づいて、すなわち第2アライメント座標系上で行なわれる。
そして、2つのウエハステージWST1、WST2上で並行して行なわれる露光動作と、ウエハ交換・アライメント動作とは、先に終了したウエハステージが待ち状態となり、両方の動作が終了した後にステップ510及びステップ606に進み、ウエハステージWST1が右側ローディング位置に移動し、ウエハステージWST2が露光位置(より正確には第2の露光基準位置)に移動する。
そして、上記ステップ510にて移動が終了した側のウエハステージWST1では、ステップ512において、右側ローディング位置でウエハ交換(ウエハW1→ウエハW3)が行われ、上記ステップ604にてアライメント動作が終了した側のウエハステージWST2上のウエハW2の各ショット領域に対しては、前述のステップ508と同様にして、ステップ608において、投影光学系PLの下でドライ状態での露光動作が行なわれる。このとき、レチクルステージRST’は、レチクル9Aが照明領域IARに対応するように移動しているものとし、ウエハステージWST2の位置制御は、測長軸BI2X,BIYMをそれぞれ有する干渉計18X2,18YMの計測値に基づいて、すなわち第2露光座標系上で行われる。そして、次のステップ609において、前述のステップ509と同様にして、ウエハW2の各ショット領域に対する液浸露光が行われる。このとき、レチクルステージRST’は、レチクル9Bが照明領域IARに対応するように移動しており、液体給排システム32による液体の供給が行われている。
ここで、ステップ512において、ウエハステージWST1上からアンロードされたウエハW1は、不図示の搬送系によりC/Dに搬送され、ベーキング装置によりPEBが行われ、その後デベロッパにて現像される。このPEBにより、ウエハW1上のレジストでは、ベース樹脂から例えば溶解抑制剤が脱離し、露光された箇所に、アルカリ可溶性が発現してウエハW1上に転写パターンの潜像が形成され、次に現像によりその可溶性となった部分が除去され、ウエハW1上に転写パターンの顕像(例えば図6に示されるパターン像)が形成される。
その後、ステップ608、ステップ609において、ウエハステージWST2上のウエハW2に対する露光動作が行われている間に、他方のウエハステージWST1では、ステップ514において、ウエハW3に対するウエハアライメントが実行される。
そして、ウエハステージWST2における露光動作が終了すると、ステップ516及びステップ610において両ウエハステージWST1、WST2の移動(スイッチング)が行われ、引き続き、レチクル9Aを用いたウエハW3へのドライ露光動作(ステップ518)及びレチクル9Bを用いた液浸露光動作(ステップ519)と、ウエハステージWST2におけるウエハ交換(W2→W4)、ウエハアライメント(ステップ612,614)とが並行して行なわれる。この場合においても、ウエハステージWST2上からアンロードされたウエハW2は、不図示の搬送系によりC/Dに搬送され、ベーキング装置によりPEBが行われ、その後デベロッパにより現像される。
その後、2つのウエハステージWST1,WST2を用いた並行処理が繰り返し行われる。そして、ウエハステージWST1にて露光が行われた奇数番目のウエハが不図示の搬送系によりC/Dに搬送されてベーキング装置によりPEBが行われ、その後デベロッパにより現像され、ウエハステージWST2にて露光が行われた偶数番目のウエハが、不図示の搬送系によりC/Dに搬送されてベーキング装置によりPEBが行われ、その後デベロッパにより現像される。
そして、上記動作が繰り返され、ウエハステージWST2側で、ステップ616においてレチクル9Aを用いてウエハW24に対する露光が行われ、ステップ617においてレチクル9Bを用いてウエハW24に対する液浸露光が行われている間に、ウエハステージWST1側では、ステップ520,522において、ウエハW23がウエハW25に交換されるとともに、ウエハW25のウエハアライメントが行われる。
更に、ステップ524及びステップ618にて両ウエハステージWST1,WST2の移動、すなわちスイッチングが行われ、ウエハステージWST2が左側ローディング位置に位置した段階で、ステップ620において、ウエハステージWST2上からウエハW24がアンロードされる(その後PEB及び現像が行われる)。その後、ウエハステージWST2は待機する。
一方、ウエハステージWST1側では、ステップ526及びステップ527において、1ロットの最後のウエハW25に対する露光動作(レチクル9Aのパターン転写)及び液浸露光動作(レチクル9Bのパターン転写)がこれまでと同様に行われる。そして、露光終了後は、ステップ528において、ウエハステージWST1が、右側ローディング位置に移動され、ステップ530においてウエハW25がアンロードされる(その後PEB及び現像が行われる)。
以上のようにして、1ロット(=25枚)のウエハに対する通常の露光によるレチクル9A上のパターンの転写と、液浸露光によるレチクル9B上のパターンの転写と、PEB及び現像とが終了すると、処理が終了する。
以上詳細に説明したように、本第2の実施形態に係る露光装置100によれば、ウエハW1〜W25の同一レジスト層に対し二重露光を行う場合には、その二重露光のうちの1回の露光では、ウエハW1〜W25に対し露光光ILを投射する投影光学系PLとウエハW1〜W25との間の空間に水Lqを供給し、その空間における該露光光ILの実質的な波長を、他の回の露光におけるその空間における露光光ILの波長とは異なるようにする。このようにすれば、例えば高解像度が要求される回、例えばレチクル9Bを用いた露光では、投影光学系PLとウエハW1〜W25との間の空間における露光光ILの実質的な波長を短くし、高解像度がそれほど要求されない回の露光(レチクル9Aを用いた露光)では、露光光ILの実質的な波長をある程度長くすることができる。露光光ILの実質的な波長を短くした露光、例えば液浸露光では、液体の供給などの作業により露光に要する時間が通常の露光よりも長くなってしまう傾向が強い。したがって、本第2の実施形態に係る露光方法を採用すれば、複数回の露光を行う場合にも、各回の露光を要求される解像度に応じた、時間的に有利な露光を行うことができるので、高精度かつ高スループットを両立した露光を上記第1の実施形態と同様に実現することができる。また、酸の溶け出しも少なくすることができるので、高精度な露光を実現することができることも、上記第1の実施形態と同様である。
なお、上記第2の実施形態では、同一のウエハに対し、ドライ露光と液浸露光を連続して行ったが、これには限られない。例えば、1ロット単位でドライ露光を行い、その後、液浸露光を行うようにしても良い。また、例えばウエハステージWST1上のウエハに対してドライ露光を行った後、ウエハステージWST1を一旦退避させてウエハステージWST2上のウエハに対しドライ露光を行い、その後、再びウエハステージWST1を投影光学系PLの下方に移動させ、そのステージ上のウエハに対して液浸露光を行った後、今度はウエハステージWST2上のウエハに対して液浸露光を行うようにしても良い。
なお、上記第2の実施形態では、2つのウエハステージWST1,WST2を有するダブルステージ(ツインステージ)タイプの露光装置であったが、シングルステージタイプの露光装置であっても良い。また、3つ以上ウエハステージを備えた露光装置を用いるようにしても良いし、特表2000−511704号公報及びこれに対応する米国特許第6,262,796号などに開示されているように、投影光学系とアライメント系をそれぞれ1つ備え、ウエハステージを2つ以上備えた露光装置を用いるようにしても良い。あるいは、例えば特開2000−164504号(対応米国出願第09/593,800号)に開示されているように、ウエハを保持するウエハステージとは別に、測定用の部材やセンサを搭載して投影光学系の像面側で移動する測定ステージを備えた露光装置を用いるようにしても良い。
また、1つの投影光学系を用いて液浸露光とドライ露光とを含む多重露光を行う場合、液浸露光のときとドライ露光のときとで投影光学系の一部を入れ替えるようにしても良い。
さらに、上述の第2の実施形態においては、1つの投影光学系に対して2つのウエハステージを備えた露光装置を用いているが、2つ以上の投影光学系を備える露光装置を用いるようにしても良い。その場合も、ウエハステージは1つであっても良いし、2つ以上を備えるようにしても良い。
また、上記第2の実施形態でも、前述の第1の実施形態と同様に、液浸法を適用しない通常の露光の後に、液浸法を用いた露光を行っており、より微細なパターンを露光した後のPEBまでの時間を短くすることができるので、露光後の汚染などの悪影響を小さくすることができるが、これは逆でも良い。この場合には、上述したように1回目の露光を行った後(ウエハ上で発生した酸が溶け出しやすくなった後)に2回目の液浸露光を行う場合に比べると、1回目に液浸露光を行うので、ウエハW上で発生した酸の液体(水)への溶け出しを少なくすることができる。
液浸露光を1回目に行うか2回目に行うかは、前述の第1の実施形態と同様に、液浸露光後(実質的な波長が短い露光光による露光後)にPEBが施されるまでの時間短縮を重視するか、液浸露光のときの酸の溶け出しを重視するかなど、各種のプロセス条件によって決めればよい。
また、上述の第2の実施形態においては、二重露光のうちの1回の露光を投影光学系(先端レンズ)とウエハ等との間の空間に液体がない状態で行い、他の回の露光を投影光学系(先端レンズ)とウエハとの間の空間に液体を保持した状態で行うことによって、投影光学系(先端レンズ)とウエハとの間の空間における露光光の実質的な波長が、二重露光の1回の露光と他の回の露光とで異なるようにしているが、二重露光の両方の露光で液浸露光を実行するようにしても良い。この場合、各回の液浸露光においてウエハ上に供給する液体を変更するようにしても良い。すなわち液体給排システムを、複数種類の液体(当然、その中に純水が含まれるようにしてもよい)を供給可能に構成し、主制御装置20の制御により、複数種類の液体のうちのいずれか1つの液体が選択されるようにしても良い。このような液体給排システムでは、液体毎に液体供給装置及び液体回収装置が設けられ、各ノズルも別々に設けられていても良い。なお、この場合には、複数種類の液体としては、互いに露光光ILに対する屈折率が異なっているものが選ばれる必要がある。また、例えば2回目の露光の際に供給される液体は、酸の溶解度が低い液体が選ばれるのが望ましい。
また、上記第1の実施形態で説明したように、光源の発振波長を異ならせることによって、投影光学系(先端レンズ)とウエハとの間の空間における露光光の実質的な波長が、二重露光の1回の露光と他の回の露光とで異なるようにしても良い。この場合、二重露光の両露光をドライ状態で行っても良いし、液浸状態で行っても良いし、1回をドライ状態で、他の回を液浸状態で露光するようにしても良い。
また、上記各実施形態では、レジストに含まれる光酸発生剤から発生する酸の溶け出しを極力少なくする露光方法を提供したが、これに限らず、本発明は、例えば化学増幅型レジストに含まれるベース樹脂、溶解阻害剤、架橋剤のようなレジストに含まれる特定物質の溶け出しの低減にも有効であることは勿論である。また、化学増幅型レジストでないレジストを用いる場合にも、そのレジストに含まれる物質の溶け出しの低減に有効である。
また、上記各実施形態において、投影光学系とウエハ等との間の空間に液体がない状態でのドライ露光、及び投影光学系とウエハ等との間の空間に液体が保持されている状態での液浸露光を含む二重露光(多重露光)を行う場合、液浸露光用のレジストを用いるのが望ましい。
また、上記各実施形態では、ハーフトーン位相シフトマスクとしてのレチクルを用いて位相シフト法を用いた二重露光を行った。こうすることにより、L/SパターンB1を精度良くウエハに転写することができるからである。しかし、これには限らず、レチクル9BのL/SパターンB1における位相シフト部は、遮光パターンであっても良い。すなわち、上記各実施形態では、位相シフト法を用いて、ゲートパターンの転写を行ったが、これには限られず、通常のマスクを用いた露光であっても良い。要は、L/SパターンB1のような微細なパターンに対しては、そのパターンを精度良く転写できるような解像度で転写するようにすれば良い。すなわち、L/Sパターンの線幅がdY1である場合には、露光光ILの実質的な波長を、そのパターンを精度良く転写することができるような解像度に応じた波長にすればよい。また、上記各実施形態では、レチクル9Bとして、例えばレベンソン型マスクのような他のタイプの位相シフトマスクを用いてもよい。
また、三重露光以上の多重露光にも本発明を適用することができる。例えば、レチクル9A、レチクル9Bに加えて、配線パターンが形成されたレチクルを用いて、三重露光を行うことができる。この場合でも、少なくとも1回の露光において、ウエハに到達する実質的な露光波長が他の回の露光と異なっていれば良い。なお、この場合にも1ロットの枚数を感光剤の性能を維持できる時間に基づいて設定することとすれば、これまで説明したのと同様の効果を得ることができる。また、上述の各実施形態の多重(二重)露光では、ウエハ上の同じ位置(同じショット領域)に、レチクル9Aのパターンの投影像とレチクル9Bのパターンの投影像とを投影するようにしているが、ウエハW上で異なる位置、例えば一部分のみが重なるように、レチクル9Aのパターンの投影像とレチクル9Bのパターンの投影像とを投影するようにしても良い。
また、上記各実施形態のような多重露光と、いわゆる変形照明法(例えばSHRINC:Super High Resolution by Illumination Control)とを組み合わせて用いることもできる。例えばレチクル9B上のL/SパターンB1のような周期性のあるパターンを転写する際には、照明系10においては、照明系開口絞りとして、L/SパターンB1の配列方向に対応して各絞りが配置された2重極照明絞り等を用いれば、さらに解像度及び焦点深度の向上が可能である。また、回路パターンにおいては、通常、L/Sパターンのような周期性のあるパターンが無数に存在するが、これらの周期性パターンを分解しX軸方向に配列された周期性パターンが形成されたレチクルと、Y軸方向に配列された周期性パターンが形成されたレチクルとを作成し、それらのレチクルで上記多重露光を行うようにしても良い。この場合には、各回の露光において、周期パターンの配列方向に沿った2重極照明絞りを、照明系開口絞りとして用いるようにすれば良い。なお、配列方向が同じ周期性パターンであっても、要求される解像度が異なる(すなわちサイズが異なる)パターンがある場合には、さらに、そのサイズが異なるパターンを別々なレチクルに形成し、通常の露光と、例えば液浸露光のような、露光光の実質的な波長が異なる露光とで、各レチクル上のパターンの転写を行うようにすれば良い。
また、前述のように、化学増幅型レジストでのパターン形成(現像処理前の潜像形成)は、露光により酸の発生とPEB時の酸触媒反応の2段階で行われる。そのため、触媒である酸の安定性が大きな問題である。上記各実施形態では、多重露光での液浸露光における酸の溶け出しを低減させる方法を提案したが、この他、クリーンルーム雰囲気中におけるアンモニアなどの塩基性物質がレジスト表面に吸着し、表面層の酸と中和反応を起こす、いわゆる酸の失活現象も問題となる。すなわち、露光工程では、できるだけ塩基性物質をレジストに付着させないような仕組みが必要となる。この仕組みとしては、例えば塩基性物質を除去できるフィルタを露光装置内に設置することや、レジスト表面にさらに塩基性物質に対する保護膜を塗布するなどの方法が考えられるが、上記各実施形態のように、液浸露光を行う場合には、例えば、液浸露光に用いられる液体を、塩基性物質が溶け込みにくいものとすることなどが考えられる。
また、上記各実施形態では、液体として超純水(水)を用いるものとしたが、本発明がこれに限定されないことは上述した通りである。液体としては、化学的に安定で、露光光ILの透過率が高く安全な液体、例えばフッ素系不活性液体を使用しても良い。このフッ素系不活性液体としては、例えばフロリナート(米国スリーエム社の商品名)が使用できる。このフッ素系不活性液体は冷却効果の点でも優れている。また、液体として、露光光ILに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、また、投影光学系やウエハ表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油等)を使用することもできる。また、光源としてF2レーザを用いる場合には、液体として、フッ素系の液体(例えば、フォンブリンオイル)を使用することができる。
また、上記各実施形態で、回収された液体を再利用するようにしても良く、この場合は回収された液体から不純物を除去するフィルタを液体回収装置、又は回収管等に設けておくことが望ましい。
なお、上記各実施形態では、投影光学系PLの最も像面側の光学素子が先端レンズ42であるものとしたが、その光学素子は、レンズに限られるものではなく、投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整に用いる光学プレート(平行平面板等)であっても良いし、単なるカバーガラスであっても良い。投影光学系PLの最も像面側の光学素子(上記各実施形態では先端レンズ42)は、露光光ILの照射によってレジストから発生する飛散粒子又は液体中の不純物の付着等に起因して液体(上記各実施形態では水)に接触してその表面が汚れることがある。このため、その光学素子は、鏡筒40の最下部に着脱(交換)自在に固定することとし、定期的に交換することとしても良い。
このような場合、液体に接触する光学素子がレンズであると、その交換部品のコストが高く、かつ交換に要する時間が長くなってしまい、メンテナンスコスト(ランニングコスト)の上昇やスループットの低下を招く。そこで、液体と接触する光学素子を、例えばレンズ42よりも安価な平行平面板とするようにしても良い。
また、上述の液浸法を適用した露光装置では、投影光学系PLの先端レンズ42の光射出側の光路空間を液体(純水)で満たしてウエハWを露光する構成になっているが、国際公開第2004/019128号に開示されているように、投影光学系PLの先端レンズ42の光入射側の光路空間も液体(純水)で満たすようにしても良い。
また、上記各実施形態において、液体(水)を流す範囲はレチクルのパターン像の投影領域(露光光ILの照射領域)の全域を覆うように設定されていれば良く、その大きさは任意で良いが、流速、流量等を制御する上で、照射領域よりも少し大きくしてその範囲をできる限り小さくしておくことが望ましい。
また、上記各実施形態では、周囲に補助プレート72a〜72dが設けられるものとしたが、本発明の中には、露光装置は、補助プレートあるいはそれと同等の機能を有する平面板を必ずしもウエハステージ上に設けなくても良いものもある。但し、この場合には、供給される液体がウエハステージ上から溢れないように、そのウエハステージ上に液体を回収する配管を更に設けておくことが望ましい。また、上記各実施形態においては、投影光学系PLとウエハとの間を局所的に液体で満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報などに開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる液浸露光装置や、特開平10−303114号公報や、特開平10−154659号公報及びこれに対応する米国特許第5,825,043号などに開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中にウエハを保持する液浸露光装置にも適用可能である。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記各公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
なお、複数のレンズから構成される投影光学系、投影ユニットPUを露光装置本体に組み込み、更に、投影ユニットPUに液体給排システムを取り付ける。その後、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記各実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記各実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置におけるウエハWの同一レジスト層に対する露光にも本発明を好適に適用することができる。
さらに、投影光学系を持たないタイプの露光装置、例えば、プロキシミティ型露光装置や干渉縞をウエハ上に形成することによってウエハを露光する二光束干渉型の露光装置を使用することもできる。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
また、上記各実施形態の露光装置の光源は、ArFエキシマレーザ光源に限らず、KrFエキシマレーザ光源、F2レーザ光源などのパルスレーザ光源や、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどを用いることも可能である。また、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良い。このように、各露光装置の光源を多様化させれば、要求される解像度に応じてフレキシブルな複数回の露光を実現することができる。
《デバイス製造方法》
次に、上述した露光装置100及びリソグラフィシステム110並びにそれらの露光方法をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図15には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図15に示されるように、まず、ステップ801(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ802(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ803(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ804(ウエハ処理ステップ)において、ステップ801〜ステップ803で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ805(デバイス組立てステップ)において、ステップ804で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ805には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ806(検査ステップ)において、ステップ805で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図16には、半導体デバイスにおける、上記ステップ804の詳細なフロー例が示されている。図16において、ステップ811(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ812(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ813(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ814(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ811〜ステップ814それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ815(レジスト形成ステップ)において、上記各実施形態に示されるように、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ816(露光ステップ)において、上記実施形態の露光装置100i(又は100)を用いてマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ817(現像ステップ)においては、上述したPEBを行い、露光装置100i(又は100)のC/Dにおいて露光されたウエハを現像し、ステップ818(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ819(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ816)において上記実施形態の露光装置100iを備えるリソグラフィシステム110又は露光装置100及び露光方法が用いられるので、スループットを向上させることができ、高精度な露光を実現することができる。この結果、高集積度のデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
以上説明したように、本発明の露光方法、露光装置及び露光システムは、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程に適しており、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。

Claims (19)

  1. 同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光方法において、
    露光光を前記感光物体上に投射する投影光学系と前記感光物体との間の空間が、前記複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では所定の液体で満たされ、他の回の露光では前記所定の液体とは種類が異なる別の液体で満たされ、前記空間における前記露光光の実質的な波長が、前記少なくとも1回の露光と、前記他の回の露光とで異なり
    前記複数回の露光ではそれぞれ前記感光物体の複数の領域が露光され、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光との一方によって前記複数の領域を露光した後、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光との他方の露光によって前記複数の領域を露光し、
    前記複数回の露光のうち前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とは同一の露光装置を用いて行われ、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とで、前記感光物体が、1つの照明領域で露光される露光方法。
  2. 請求項に記載の露光方法において、
    前記所定の液体は、前記別の液体よりも屈折率が大きいことを特徴とする露光方法。
  3. 請求項又はに記載の露光方法において、
    前記別の液体は、前記所定の液体よりも、前記感光物体の感光剤に含まれる特定物質の溶解度が低いことを特徴とする露光方法。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記少なくとも1回の露光における、前記投影光学系に入射される露光光の波長が、前記他の回の露光における露光光の波長とは異なることを特徴とする露光方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記少なくとも1回の露光では、位相シフト法を用いることを特徴とする露光方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記複数回の露光の間中、前記感光物体は前記1つの照明領域で露光されることを特徴とする露光方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の露光方法を実行して、感光物体を複数回露光するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
  8. 同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光方法であって、
    光学部材と前記感光物体との間の空間が所定の液体で満たされ露光光の実質的な波長が第1の波長となる第1の露光条件下において、前記第1の波長の前記露光光により前記感光物体を露光する工程と;
    前記光学部材と前記感光物体との間の空間が前記所定の液体とは別の液体で満たされ前記露光光の実質的な波長が前記第1の波長とは異なる第2の波長となる第2の露光条件下において、前記第2の波長の前記露光光により前記感光物体を露光する工程と;を含み、
    前記複数回の露光ではそれぞれ前記感光物体の複数の領域が露光され、前記第1の露光条件下での露光と前記第2の露光条件下での露光との一方によって前記複数の領域を露光した後、前記第1の露光条件下での露光と前記第2の露光条件下での露光との他方の露光によって前記複数の領域を露光し、
    前記第1の露光条件下での露光及び前記第2の露光条件下での露光では、前記感光物体は、同一の露光装置において1つの照明領域で露光される露光方法。
  9. 請求項に記載の露光方法において、
    前記所定の液体と前記別の液体とは、屈折率が異なることを特徴とする露光方法。
  10. 請求項に記載の露光方法において、
    前記所定の液体は、前記別の液体より屈折率が大きいことを特徴とする露光方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記別の液体と前記所定の液体とは、前記感光物体の感光剤に含まれる特定物質の溶解度が異なることを特徴とする露光方法。
  12. 請求項11に記載の露光方法において、
    前記別の液体は、前記所定の液体に比べて、前記感光物体の感光剤に含まれる特定物質の溶解度が小さいことを特徴とする露光方法。
  13. 請求項12のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記第1の露光条件下における露光と、前記第2の露光条件下における露光とでは、前記光学部材に入射される露光光の波長が異なることを特徴とする露光方法。
  14. 請求項13のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記第1の露光条件下における露光では、位相シフト法を用いることを特徴とする露光方法。
  15. 請求項14のいずれか一項に記載の露光方法において、
    前記複数回の露光の間中、前記感光物体は前記1つの照明領域で露光されることを特徴とする露光方法。
  16. 請求項15のいずれか一項に記載の露光方法を実行して、感光物体を複数回露光するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
  17. 同一の感光物体に対し複数回の露光を行う露光装置であって、
    前記感光物体を保持するステージと;
    露光光を前記感光物体上に投射する投影光学系と;
    前記投影光学系と前記ステージとの間の第1空間のうち、少なくとも、前記投影光学系と前記ステージ上の前記感光物体との間の第2空間が、複数種類の液体のうちのいずれか一つの液体で満たされるように、該液体を供給する液体供給機構を有し、前記第2空間における前記露光光の実質的な波長を調整する調整装置と;
    前記感光物体を複数回露光する際に、その複数回の露光のうちの少なくとも1回の露光では、前記第2空間における前記露光光の実質的な波長が他の回の露光におけるその波長と異なるように、前記調整装置を制御する制御装置と;を備え、
    前記制御装置は、前記少なくとも1回の露光では、前記第2空間に、前記液体供給機構により前記複数種類の液体のうちの所定の液体が供給され、前記他の回の露光では、前記第2空間に、前記液体供給機構により前記所定の液体とは異なる液体が供給されるように、前記調整装置を制御し、前記少なくとも1回の露光と前記他の回の露光とで、前記感光物体が、1つの照明領域で露光される露光装置。
  18. 請求項17に記載の露光装置において、
    前記複数回の露光の間中、前記感光物体は前記1つの照明領域で露光されることを特徴とする露光装置。
  19. 請求項17又は18に記載の露光装置を用いて、感光物体上にデバイスパターンを転写するリソグラフィ工程を含むデバイス製造方法。
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