JP4971812B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4971812B2
JP4971812B2 JP2007016851A JP2007016851A JP4971812B2 JP 4971812 B2 JP4971812 B2 JP 4971812B2 JP 2007016851 A JP2007016851 A JP 2007016851A JP 2007016851 A JP2007016851 A JP 2007016851A JP 4971812 B2 JP4971812 B2 JP 4971812B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
coke
ore
blast furnace
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007016851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008184626A (ja
Inventor
力造 唯井
佐藤  淳
玲児 小野
維人 門口
匡 松尾
良行 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2007016851A priority Critical patent/JP4971812B2/ja
Publication of JP2008184626A publication Critical patent/JP2008184626A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4971812B2 publication Critical patent/JP4971812B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Iron (AREA)

Description

本発明は、ペレット多配合高炉における操業方法に関し、詳しくは、ペレット多配合条件下にても長期間安定した高炉操業を実現しうる原料装入技術に関する。
本出願人は、神戸製鉄所第3高炉において、焼結鉱を主要原料として使用する焼結操業から、焼結鉱を使用しないオールペレット操業に移行し、安定操業技術を確立した(大山隆史ら:材料とプロセス、vol.15、No.1(2002)p.129、130参照)。
しかしながら、近年の鉄鋼需要に対応すべく高炉の生産性をさらに上昇させようとしたり、銑鉄コストのさらなる低減のために微粉炭比を上昇させてコークス比を低減させようとすると、(1)炉壁に形成される亜鉛付着物が過度に成長するとともに、(2)炉内通気抵抗が上昇して高炉操業が不安定化し、さらなる増産や低コスト化を実現できない問題が生じることがわかった。
すなわち、炉壁に形成される亜鉛付着物の厚さが厚くなりすぎると、炉内の実稼動容積の減少、原料降下の不安定化、付着物脱落による、炉熱の低下に伴う冷え込みや羽口の破損などの原因となるほか、付着物除去のために減尺休風が必要になり高炉の稼働率が低下する原因にもなる。
また、炉内通気抵抗の上昇は、棚吊り、スリップ、吹き抜けなどの要因となり、安定操業が阻害される原因になる。
ここで、上記(1)の課題である炉壁の亜鉛付着物の成長を抑制する方法として、炉壁近傍のコークス配合量を多くすることで、炉壁流を確保して炉壁の温度低下を防止し亜鉛ガスの液化を抑制する方法(特許文献1、2参照)、高炉ガス灰中の亜鉛の分析値が高くなったときに、高炉装入物レベルを減尺し、かつ、CaCl−NHCl混合物を高炉内へ装入して、高炉内より亜鉛を除去する方法(特許文献3参照)などが開示されている。
しかしながら、ペレットを多配合する高炉操業において、上記特許文献1、2に記載の方法を適用しようとすると、炉壁近傍の温度レベルが上昇するため炉壁からの熱ロスが大きくなり還元材比が上昇することに加え、炉壁近傍のコークス量を多くすることにより炉中心部のコークス量が減少し、いっそう中心ガス流の維持が困難になる問題がある。
また、上記特許文献3に記載の方法では、減尺休風が必要なうえ、さらに余分な薬剤を必要とし、生産性の低下に加えて銑鉄コストの上昇の問題があり、到底適用し得るものではない。
一方、(2)の課題である炉内通気性を向上させる方法として、コークス層のテラス長さ比を0.3以下とし、コークス層上に鉱石を装入したときにコークス層の斜面を転がる際の焼結鉱の分級作用を利用して細粒を炉壁側に多く、粗粒を炉中心部側に多く分布させることで、中心ガス流を確保して炉内通気性を向上させようとする方法(特許文献4〜7参照)が開示されている。
しかしながら、ペレットを多配合する高炉操業において、上記特許文献4〜7に記載の方法を適用しようとすると、ペレットの粒径はほぼ均一であるため焼結鉱のような分級作用は期待し得ないうえ、ペレットは球体であるためコークス層の斜面上を転がる際に加速されて炉中心部のコークス・カラムの最表面上に乗り上げ、中心ガス流が阻害される問題がある。
したがって、ペレットを多配合する高炉操業に対しては、上記(1)および(2)の課題を同時に解決しうる方法は従来存在しなかったことから、さらなる銑鉄増産やコークス比の低減を実現しうる、新たな原料装入技術の開発が要請されていた。
特開2005−314771号公報 特開2004−204322号公報 特開昭60−96703号公報 特開2005−36305号公報 特開2003−138304号公報 特開2000−212613号公報 特開2000−212612号公報
そこで、本発明は、コークス中心装入にてペレットを多配合する高炉操業において、炉壁の亜鉛付着物の成長を抑制するとともに、炉内通気性を良好に維持して、さらに高生産性ないし低コークス比操業を実現しうる高炉操業方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、焼結鉱操業からペレット多配合操業に移行すると、炉壁に形成される亜鉛付着物が過度に成長しやすくなるのは、以下の理由によると想定した。
すなわち、焼結鉱は通常、塩基度1.7〜2.4程度の高塩基度のものが使用されるのに対し、ペレットは通常、塩基度0.8〜1.5程度の低塩基度のものが使用される。このため、焼結鉱に代えてペレットを多配合する場合には、高炉スラグの塩基度を維持するために、高炉にCaO源として石灰石を追加装入する必要がある。そうすると、石灰石が分解する際の吸熱反応(CaCO→CaO+CO)により、熱レベルが低下するとともに、上述したように、ペレットの炉中心部への流れ込みにより中心ガス流が十分に確保されないことと相まって炉頂ガス温度が大きく低下してしまう。その結果、炉内で亜鉛ガスが凝固しやすくなるとともに、炉頂ガスに伴って高炉から排出される亜鉛ガスの量が減少する結果、炉壁への亜鉛付着物の成長が促進されることとなる。
そこで、本発明者らは、ペレット多配合操業において炉壁への亜鉛付着の抑制と炉内通気性を良好に維持するためには、中心ガス流を確保することが最も重要であると判断した。
そして、中心ガス流を確保する手段について鋭意検討を行った結果、炉周辺部と炉中心部における鉱石層厚さをそれぞれ所定範囲に規定することで、炉壁への亜鉛付着を抑制すると同時に炉内通気性を良好に維持しうることを見出し、この知見に基づいて以下の発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、鉱石中のペレット配合率が50質量%以上のペレット多配合条件下にて行う高炉操業方法であって、炉中心部にコークス・カラムを形成しつつ、その周縁部側にコークス層と鉱石層とを交互に積層させるコークス中心装入を行うにあたり、炉内最上部における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)をそれぞれ、R/Ro≦0.1の炉中心部領域で0.1以下、0.6≦R/Ro≦1.0の炉周辺部領域で0.5以上とすることを特徴とする高炉操業方法である。
ここに、Lcはコークス層厚さ、Loは鉱石層厚さ、Rは炉半径方向における炉中心からの距離、Roは炉口半径である。
請求項2に記載の発明は、炉内最上部におけるコークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.4〜0.9とする請求項1に記載の高炉操業方法である。
ここに、Rtはコークス層のテラス長さである。
ここで「コークス層のテラス」とは、炉中心から炉壁へ向かってコークス層表面の傾斜角が15°未満となる付近から炉壁までの領域とする(特公平6−80165号公報、請求項2参照)。
請求項3に記載の発明は、炉内最上部において、前記コークス層のテラス表面の最高位置と前記コークス・カラム表面の最高位置との差ΔHを、鉱石層の平均層厚さLo.avの80%以下とする請求項1または2に記載の高炉操業方法である。
本発明によれば、コークス中心装入にてペレットを多配合する高炉操業において、鉱石層厚さを、炉周辺部領域では所定値より厚くし、炉中心部領域では所定値より薄くなるように規定したことで、中心ガス流が確保されて炉頂ガス温度が高く維持され、この高温の炉頂ガスに伴って亜鉛ガスが高炉から排出されるので、炉壁への亜鉛の付着が抑制できるようになった。また、炉中心部領域での鉱石層厚さを薄くしたことで炉芯コークスの反応劣化が抑制されて粉化が防止され、上記中心ガス流の確保と相まって高炉内圧力損失が大幅に低減できるようになった。この結果、炉壁の亜鉛付着物の成長による操業トラブルが大幅に減少するとともに炉内通気性が良好に維持されて、さらに高生産性ないし低コークス比操業が実現できるようになった。
以下、本発明を、旋回シュートを用いるベルレス式装入装置を有する高炉に適用する場合を代表例に挙げてさらに詳細に説明する。
〔実施形態〕
本発明は、鉱石中のペレット配合率が50質量%以上のペレット多配合条件下にて行う高炉操業方法であって、炉中心部にコークス・カラムを形成しつつ、その周縁部側にコークス層と鉱石層とを交互に積層させるコークス中心装入を行うにあたり、炉内最上部における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)をそれぞれ、R/Ro≦0.1の炉中心部領域で0.1以下、0.6≦R/Ro≦1.0の炉周辺部領域で0.5以上とすることを特徴とする高炉操業方法である。
ここに、Lcはコークス層厚さ、Loは鉱石層厚さ、Rは炉半径方向における炉中心からの距離、Roは炉口半径である。
上記のとおり、本発明は、鉱石中のペレット配合率が50質量%以上のペレット多配合条件下にて行う高炉操業に適用するが、鉱石中には通常、ペレットの他、焼結鉱および/または塊鉱石が配合され、さらに必要により高炉スラグの塩基度調整の目的で石灰石、珪石、転炉スラグ等のフラックス成分含有物質が配合される。なお、鉱石中のペレット配合率は、フラックス成分含有物質を除いた鉱石種のみの合計質量を100%として算出された値である。
ここで、鉱石中のペレット配合率を50質量%以上に限定したのは、ペレット配合率が50質量%未満の場合では、鉱石中に焼結鉱および/または塊鉱石が多量に存在することにより、上記ペレットの炉中心部への流れ込みの影響は緩和されるため、焼結鉱等の分級効果を利用した従来の装入方法を用いれば十分であることによる。
そして、いわゆるコークス中心装入技術(例えば、特公平6−27283号公報参照)を用いて高炉内に鉱石とコークスとを装入するが、旋回シュートの傾動角度および旋回数を適宜操作することにより(例えば、特開平11−117007号公報、段落[0023]参照)、鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が、炉中心部領域で0.1以下、炉周辺部領域で0.5以上になるように装入を行う。
すなわち、炉中心部領域であるR/Ro≦0.1の領域は、コークス・カラムが形成される領域に相当することから、この領域にはできるだけ鉱石(特にペレット)の流れ込みを少なくする一方、炉周辺部領域である0.6≦R/Rro≦1.0の領域には鉱石を厚く積層させて、炉周辺部領域へのガス流れを抑制することで、中心ガス流を確保することができる。
この結果、炉頂ガス温度が高く維持されて、炉頂ガスに伴って亜鉛ガスが高炉から排出され、炉壁への亜鉛の付着が抑制されることとなる。
ここで、炉中心部領域における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)を0.1以下に規定したのは以下の理由による。すなわち、炉中心部領域における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が0.1を超えると、コークス・カラムが鉱石層で分断されることに加え、炉芯コークスとなるコークス・カラム中のコークスが鉱石の還元反応で生成したCOガスにより反応劣化して粉化し、炉中心部の通気性が低下して炉中心部へのガス流が減少し、中心ガス流が維持できなくなるためである。
一方、炉周辺部領域における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)を0.5以上に規定したのは以下の理由による。すなわち、炉周辺部領域における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が0.5を下回ると、高炉への鉱石装入量のバランスを保つために炉中間部領域(0.1<R/Ro<0.6)における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)を上昇させる必要があり、炉中心部領域への鉱石の流れ込みが発生しやすくなるため、炉周辺部へのガス流れが過度に増加して炉中心部へのガス流が大幅に減少することになる。
上記のように、鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が、炉中心部領域で0.1以下、炉周辺部領域で0.5以上になるように装入を行う必要があるが、このような装入物分布を実現するためには、炉内最上部において、コークス層のテラス長さをRtとしたとき、テラス長さ比Rt/Roを0.4〜0.9とするのが好ましい。
従来の焼結鉱を主体とする高炉操業においては、コークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.3以下に制限して焼結鉱の分級作用を利用するものであったが、本推奨手段は、コークス層のテラス長さを従来とは逆により長い側に規定することで、炉中心部領域への鉱石(特にペレット)の流れ込みを抑制すると同時に、炉周辺部領域への鉱石の堆積を促進するところに特徴を有するものである。
ここで、コークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.4〜0.9に規定するのが推奨されるのは以下の理由による。
すなわち、コークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.4以上とすることで、周辺部領域である0.6≦R/Ro≦1.0の領域では、平坦なコークス層の表面に鉱石を装入することができ、鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)を0.5以上にすることが容易に実現できる。なお、コークス層のテラスは、炉中心から炉壁に向かって15°未満の傾斜角度であるので、ペレットの安息角(約25°)より十分小さく、ペレットが炉中心部領域へ流れ込むことが確実に防止できることとなる。
他方、コークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.9以下とすることで、炉中心部領域であるR/Ro≦0.1の領域に、炉芯コークスとなるコークス・カラムを形成できることとなる。
また、炉内最上部において、前記コークス層のテラス表面の最高位置と前記コークス・カラム表面の最高位置との差ΔHを、鉱石層の平均層厚さLo.avの80%以下、さらには70%以下とするのが好ましい。
上記最高位置の差が大きすぎると、コークス・カラム表面上へペレットが乗り上げやすくなり、炉中心部領域における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)を0.1以下に維持することが難しくなるためである。
(変形例)
上記実施形態では、本発明をベルレス装入方式の高炉操業に適用する例を示したが、本発明をベル装入方式の高炉操業に適用する場合は、コークスを中心装入専用シュートとベル方式装入装置(下ベルとアーマープレートとの組み合わせ)とを用いて炉中心部とその周縁部とに分けて装入するが、アーマープレートの角度および炉内側への変位量を適宜操作することにより、鉱石層厚さ比の調整を行うことができる(例えば、特開2006−131967号公報、段落[0017]〜[0019]参照)。
本発明の作用効果を確証するため、内容積1845m(炉口半径Ro=3.7m)の実機高炉を用いたペレット多配合操業に対して本発明を適用し、その適用前後における操業結果の変化を調査した。
操業条件としては、鉱石配合はペレット70質量%+塊鉱石30質量%に、外数で石灰石74kg/t−pig、珪石2kg/t−pig、転炉スラグ18kg/t−pigを配合したものとし、微粉炭比は178kg/t−pig、炉頂圧力はゲージ圧で1.7kgf/cm[ただし、1kgf/cm=98.0665kPa]に固定した。そして、比較例の期間ではコークス層のテラス長さRtを1.0m(テラス長さ比Rt/Ro≒0.27)とし、発明例の期間ではテラス長さRtを1.5m(テラス長さ比Rt/Ro≒0.41)とした。
本発明適用前後における操業結果の変化を図1に示す。なお、同図最下段の炉頂中心部ガス温度は、長手方向に複数の測温点を備えた温度プローブ(クロスゾンデ)を炉口部に差し渡して炉口半径方向の温度分布を測定し、この温度分布から炉口中心におけるガス温度を推定したものである。
その結果、図1に示すように、比較例の期間から発明例の期間に移行することにより、出銑量を増加させても、送風圧力(すなわち、炉内圧力損失)および風圧変動は低下するとともに、炉頂ガス温度は上昇する傾向を示すことがわかった。
また、各期間において、炉内最上部における装入物表面のプロフィルをマイクロ波によるレベル計測装置を用いて測定した結果を図2に示す。同図(a)と(b)とを比較すると、比較例の期間では、炉中心部領域で鉱石層厚さが約150mmに達し、鉱石(特にペレット)の炉中心部領域への流れ込みが確認されたのに対し、発明例の期間では、炉中心部領域で鉱石層厚さは50mm以下と非常に薄くなり、鉱石(特にペレット)の炉中心部領域への流れ込みが大幅に抑制されていることがわかる。また、比較例の期間では、炉内最上部において、コークス層のテラス表面の最高位置と中心部のコークス・カラム表面の最高位置との差ΔHは約700mmであり、炉内最上部における鉱石層の平均層厚さLo.av=590mmの約120%に達しているのに対し、発明例の期間では、ΔHは約360mmであり、Lo.avの約62%にすぎず、このようにコークス層のテラス表面と中心部表面(コークス・カラム表面)との高さの差が小さいことにより、鉱石(特にペレット)の炉中心部領域への流れ込みが大幅に抑制されたものと想定される。
また、同図(a)および(b)のプロイフィル測定結果よりLo/(Lc+Lo)を計算し、その炉半径方向分布をそれぞれ同図(c)および(d)に示した。
同図(c)と(d)とを比較すると、比較例の期間では、炉内最上部における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が、炉中心部領域で約0.2となり0.1を超えるとともに、炉周辺部領域で0.5を下回る部分が存在するのに対し、発明例の期間では、炉内最上部における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)が、炉中心部領域で約0.07となり0.1以下になっているのと同時に、炉周辺部領域で常に0.5以上になっていることがわかる。
また、比較例と発明例の各期間において、垂直水平ゾンデにより炉内温度分布を測定した結果を図3に示す。同図(a)に示すように、比較例の期間では、炉中心部の温度が低下する(へたる)一方、炉周辺部の温度が高くなり(持ち上がり)、いわゆる逆V字型の温度分布が崩れていわゆるM字型の温度分布になっているのに対し、発明例の期間では、中心部の温度が著しく上昇する一方、周辺部の温度が低下し、きれいな逆V字型の温度分布が得られることがわかった。このことから、本発明の適用により、中心ガス流が確保できることが確認できた。
また、本発明適用前後における高炉内への蓄積Zn量の変化を図4に示す。なお、蓄積Zn量は、高炉に持ち込まれる装入物中のZn含有量と、高炉から持ち出される、炉頂ダスト、集塵機ダストおよび溶銑中のZn含有量とからバランス計算により算出した。同図に示すように、比較例の期間には高炉内に約27tのZnが蓄積していたのに対し、本発明適用後約1ヶ月の操業で蓄積Zn量が約18tまで大幅に減少し、その後2度の予定休風を経て約5ヵ月間の操業後には約2tまで減少し、少ない蓄積Zn量でバランスしていることがわかる。なお、休風時に蓄積Zn量が一気に減少しているのは、休風による冷却によって炉壁からZn付着物が脱落し、その後の操業再開時に炉下部でZnがガス化して炉頂ガスに伴って高炉外に排出されたことによる。
また、比較例および発明例の各期間におけるコークス比と高炉送風圧力との関係を図5に示す。同図より、本発明を適用することにより、同じコークス比レベルにても高炉内圧力損失を約90gf/cm低減できることがわかった。
ここで、上記高炉内圧力損失低減のメカニズムを解明するために、高炉内ガス流れシミュレーション計算モデルを用い、上記実機高炉にて測定した炉内最上部における装入物プロフィルを前提条件として、比較例および発明例における炉内温度プロフィルおよび高炉内圧力損失をそれぞれ算出し、図6に示す。
同図に示すように、算出された炉内温度プロフィルは、比較例では1200〜1400℃の温度レベルが炉中心部で下方に下がる(へたる)とともに炉周辺部で上方に上がってM字型温度プロフィルに近づいているのに対し、発明例では同温度レベルが炉中心部で上方に持ち上がるとともに炉周辺部で下方に押し下げられて逆V字型温度プロフィルが得られており、実機高炉で測定された炉内温度プロフィルと定性的によく一致しているのが確認された。
一方、算出された高炉内圧力損失からは、本発明適用により同圧力損失が31gf/cm低減することになるが、実機高炉で達成された値(約90gf/cm)に比べると大幅に小さい。この理由としては、本シミュレーション計算には、鉱石の炉中心部への流れ込み抑制による炉芯コークスの粉化防止効果を考慮していないためと想定される。
そこで、比較例と発明例の各期間で炉芯コークスのサンプリングを行い、粒径3mm以下の粉率を測定し、その結果を図7に示す。同図に示すように、本発明の適用によって炉芯コークス中の粉率は20〜30質量%のレベルから10質量%以下のレベルへと大幅に低下しているのが確認された。
したがって、本発明を適用することで、鉱石の炉中心部への流れ込み抑制による炉芯コークスの粉化防止効果によって中心ガス流がさらに助長され、非常に大きな高炉内圧力損失の低減効果が得られるものといえる。
本発明適用前後における高炉操業結果の変化を示す推移図である。 (a)および(b)は、本発明適用前後における、高炉内最上部での装入物分布プロフィルを示すグラフ図であり、(a)は比較例、(b)は発明例を示す。(c)および(d)は、本発明適用前後におけるLo/(Lc+Lo)の高炉半径方向分布を示すグラフ図であり、(c)は比較例、(d)は発明例である。 実機高炉での本発明適用前後における高炉内温度プロフィルを示す断面図であり、(a)は比較例、(b)は発明例である。 本発明適用前後における高炉内蓄積Zn量の変化を示す推移図である。 実機高炉での比較例および発明例の各期間における、コークス比と高炉送風圧力との関係を示すグラフ図である。 シミュレーション計算結果に基づく、本発明適用前後における高炉内温度プロフィルを示す断面図であり、(a)は比較例、(b)は発明例である。 本発明適用前後における炉芯コークス中の粉率の変化を示す推移図である。

Claims (3)

  1. 鉱石中のペレット配合率が50質量%以上のペレット多配合条件下にて行う高炉操業方法であって、
    炉中心部にコークス・カラムを形成しつつ、その周縁部側にコークス層と鉱石層とを交互に積層させるコークス中心装入を行うにあたり、
    炉内最上部における鉱石層厚さ比Lo/(Lc+Lo)をそれぞれ、R/Ro≦0.1の炉中心部領域で0.1以下、0.6≦R/Ro≦1.0の炉周辺部領域で0.5以上とすることを特徴とする高炉操業方法。
    ここに、Lcはコークス層厚さ、Loは鉱石層厚さ、Rは炉半径方向における炉中心からの距離、Roは炉口半径である。
  2. 炉内最上部におけるコークス層のテラス長さ比Rt/Roを0.4〜0.9とする請求項1に記載の高炉操業方法。
    ここに、Rtはコークス層のテラス長さである。
  3. 炉内最上部において、前記コークス層のテラス表面の最高位置と前記コークス・カラム表面の最高位置との差ΔHを、鉱石層の平均層厚さLo.avの80%以下とする請求項1または2に記載の高炉操業方法。
JP2007016851A 2007-01-26 2007-01-26 高炉操業方法 Active JP4971812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007016851A JP4971812B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 高炉操業方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007016851A JP4971812B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 高炉操業方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008184626A JP2008184626A (ja) 2008-08-14
JP4971812B2 true JP4971812B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=39727868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007016851A Active JP4971812B2 (ja) 2007-01-26 2007-01-26 高炉操業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4971812B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009228046A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Kobe Steel Ltd 高炉操業方法
CN103451421B (zh) * 2013-09-06 2015-08-05 鞍钢股份有限公司 一种高炉瓦斯泥预还原球团的制备方法
CN103882167A (zh) * 2014-03-21 2014-06-25 济钢集团有限公司 一种高炉料层结构
JP7393637B2 (ja) 2020-01-17 2023-12-07 日本製鉄株式会社 高炉の操業方法
CN114297848B (zh) * 2021-12-27 2023-04-07 中天钢铁集团(南通)有限公司 一种高炉内部软熔带焦窗厚度及层数的定量化检测方法
CN114574643A (zh) * 2022-03-14 2022-06-03 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高炉上部制度调整的定量化控制方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6347305A (ja) * 1986-08-14 1988-02-29 Kobe Steel Ltd 高炉への原料装入方法
JP2730751B2 (ja) * 1989-02-27 1998-03-25 新日本製鐵株式会社 高炉操業方法
JP3787237B2 (ja) * 1998-01-23 2006-06-21 新日本製鐵株式会社 高炉へのペレット高配合鉄鉱石の装入方法
JP2001323306A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Nkk Corp 高炉における装入物分布の推定方法
JP4182660B2 (ja) * 2001-10-30 2008-11-19 Jfeスチール株式会社 高炉操業方法
JP4244335B2 (ja) * 2004-09-21 2009-03-25 株式会社神戸製鋼所 高炉への原料装入方法
JP4725167B2 (ja) * 2005-04-04 2011-07-13 Jfeスチール株式会社 高炉への原料装入方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008184626A (ja) 2008-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5696814B2 (ja) ベルレス高炉への原料装入方法
JP4971812B2 (ja) 高炉操業方法
JP5034189B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6167829B2 (ja) 高炉操業方法
WO1996015277A1 (fr) Procede d'utilisation d'un haut fourneau
JP4765723B2 (ja) 高炉への鉱石装入方法
JP5338309B2 (ja) 高炉への原料装入方法
US20230313328A1 (en) Production method of pig iron
JP6198649B2 (ja) 高炉の原料装入方法
JP2000178616A (ja) 高炉へのペレット高配合鉄鉱石の装入方法
JP6627718B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP2018024914A (ja) 高炉への原料装入方法
WO2019187997A1 (ja) 高炉の原料装入方法
JP5338308B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5338310B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP4759985B2 (ja) 高炉操業方法
JP2007270203A (ja) 高炉操業方法
JP6558519B1 (ja) 高炉の原料装入方法
WO2021152989A1 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6558518B1 (ja) 高炉の原料装入方法
JP5292845B2 (ja) 焼結機への原料装入方法
JP5029085B2 (ja) 高炉炉底部耐火物の保護方法
JP6885528B1 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6627717B2 (ja) 高炉への原料装入方法
US20240052439A1 (en) Method for charging raw materials into blast furnace

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110407

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120406

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4971812

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150