JP5029085B2 - 高炉炉底部耐火物の保護方法 - Google Patents

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本発明は、高炉の炉底壁温度が上昇した際に、炉内にTiO2源を装入して、炉底部にチタン・ベアを形成させ、高炉の炉底部耐火物を保護するに方法に関し、さらに詳しくは、炉内装入物の分布制御手段を用いて、高炉内の適正位置にTiO2源を装入することにより、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えながら、炉底部耐火物の侵食を防止し保護する方法に関する。
高炉の炉底部耐火物は、長期間の操業により、侵食、摩耗などによる損傷を受ける。近年の炉体補修技術の進歩により、高炉の炉体上部については、耐火物損傷部の部分補修などによる延命化が可能となっているが、高炉の炉底部については、耐火物の補修が容易ではなく、延命化が十分に図られているとはいえない。したがって、高炉炉底部の耐火物の寿命が高炉の炉寿命を決定する重要な要因の一つとなっている。
この炉底部耐火物の損耗を防止または軽減するため、従来より、炉底部に高融点の保護層を形成させ、堆積させる方法が講じられてきた。この方法は、例えば、チタン酸化物であるTiO2を含有する鉱石などの装入物(以下、「TiO2源」とも記す)を高炉炉頂から炉内に装入する方法である。すなわち、装入されたTiO2は高炉内で還元されてTiとなって溶銑中に移行し、その一部はTiNやTiCとなってチタン・ベア(TiNにTiCが固溶した物質と、コークス、グラファイト、スラグ、粒銑などが混合した固形物の総称)を生成するので、このチタン・ベアを炉底部に堆積させて炉底部の耐火物を保護する方法である。
しかしながら、TiO2源を高炉炉頂から装入する上記の方法の場合では、TiNおよびTiCの比重が銑鉄よりも小さいため、これらがチタン・ベアとして炉底に堆積する以前に、その多くが溶銑中を浮上して出銑口から炉外に排出され、その結果、チタンの炉内歩留りが低下する。また、たとえTiNやTiCが炉内に止まっても、チタン・ベア自体の比重もまた、銑鉄の比重より小さいので、炉底にチタン・ベアが堆積したとしても、剥離しやすいなど、炉底保護に対して十分な効果を上げることができなかった。
上記の問題に対する対策として、例えば、特許文献1には、銑鉄よりも比重が大きくかつ融点の高い、例えばタングステン系やモリブデン系の金属、金属化合物または原鉱石のうち1種以上を炉内に装入する高炉炉底耐火物の保護方法が提案されている。また、炉底耐火物の局所的な損耗対策として、例えば、特許文献2には、炉底温度計の計測値により局所的な損傷を検出し、損耗位置付近の羽口から粉状のTiO2源を吹込む方法が開示されている。さらに、特許文献3には、TiO2源を炉頂から、炉内装入物分布制御手段により炉壁側へ集中的に装入することにより、炉底耐火物表面への凝固層の生成やチタン・ベアの堆積を促進してチタンの炉内歩留を改善し、炉底耐火物の損耗を防止する方法が開示されている。
特開昭61−130408号公報(特許請求の範囲および2頁右上欄2〜15行) 特開平2−205608号公報(特許請求の範囲および2頁左上欄7〜17行) 特開平9−41009号公報(特許請求の範囲および段落[0007])
前記の従来技術には、下記の問題が残されていた。すなわち、タングステン系やモリブデン系の金属、金属化合物、原鉱石などを炉内に装入して炉底を保護する特許文献1に開示された方法は、炉底耐火物の損耗軽減には有効であるが、タングステン系やモリブデン系の金属などは高価なことから、炉底保護対策費が増大する。
また、局所的な損耗に対して羽口から粉状のTiO2源を吹込む特許文献2に開示された方法は、炉底全体の損耗の場合には、ほぼ全方位の羽口からの吹込みを実施する必要があり、効率的でない。
さらに、高炉の炉頂からTiO2源を炉壁側に集中的に装入し、チタン・ベアを炉底に堆積させて炉底耐火物を保護する特許文献3に開示された方法では、TiO2源は他の鉱石類に比較して溶解後の粘性が高いことから、炉壁側での炉内通気抵抗が上昇する。その結果、通気抵抗が上昇した状態で炉内に送風を継続すると、炉内ガス流れに不均一が生じたり、または炉内圧損の上昇により装入物がスラギング(流動化)やフラッディング(横溢)といった現象を生じることがあるため、高炉の安定操業を維持することができなくなる。したがって、炉内通気抵抗が上昇した場合は、炉内への送風量を低減せざるを得なくなり、高炉の生産性の低下を余儀なくされる。
本発明は、上述した従来の炉底保護対策の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、炉内装入物の分布制御手段を用いて、高炉内の半径方向の適正位置にTiO2源を装入することにより、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えながら、チタン・ベアを炉底部に形成、堆積させ、炉底耐火物全体の損耗を防止することのできる高炉炉底部の保護方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、高炉の生産性の低下を最小限度に抑制しながら、チタン・ベアを炉底部に堆積させることのできる高炉炉底部の保護方法について研究開発を重ね、下記の(a)および(b)の知見を得て本発明を完成させた。
(a)TiO2源の装入位置を示す指標である(炉壁からTiO2源の装入位置までの炉内半径方向距離(r))/(炉壁から炉中心までの距離(R))の値を0.3〜0.4に調整することにより、炉壁側の装入物の通気抵抗の増大を抑えて高炉の生産性の低下を最小限に抑制し、かつ、炉底部の耐火物表面への凝固層の生成やチタン・ベアの形成および堆積による炉底部耐火物の効率的保護が可能となる。
(b)上記(a)に示される条件を満足させるためには、原料槽から装入ベルトコンベア上に装入物を切出す際に、TiO2源を鉱石類装入物の先頭位置に切出すことが好ましい。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)および(2)に示す高炉炉底部耐火物の保護方法にある。
(1)高炉炉頂からTiO2源を装入し、高炉炉底部にチタン・ベアを形成させて炉底部耐火物を保護する高炉炉底部耐火物の保護方法であって、装入物のストックレベルにおいて、炉壁からTiO2源の装入位置までの炉内半径方向距離をrとし、同炉壁から炉中心までの距離をRとしたとき、該TiO2源を、その装入位置が、下記(1)式で表される関係のみを満足するように装入することを特徴とする高炉炉底部耐火物の保護方法(以下、「第1発明」とも記す)。
0.3≦r/R≦0.4 ・・・・(1)
(2)前記装入物を原料槽から装入ベルトコンベア上に切出す際に、前記TiO2源を鉱石類装入物の先頭位置に切出すことを特徴とする前記(1)に記載の高炉炉底部耐火物の保護方法(以下、「第2発明」とも記す)。
本発明において、「TiO2源」とは、チタン酸化物であるTiO2を含有する鉱石などの装入物を意味し、例えば、イルメナイト(FeO・TiO2)、ルチル(TiO2)などが該当する。
また、「チタン・ベア」とは、TiNにTiCが固溶した物質と、コークス、グラファイト、スラグ、粒銑などが混合した固形物を意味する。
「ストックレベル」とは、高炉内における装入物の装入線(ストックライン)を意味すし、「鉱石類装入物」とは、焼結鉱、ペレット、塊鉱石などの鉄系装入物を意味する。
本発明の高炉炉底部耐火物の保護方法によれば、炉内装入物の分布制御手段を用いて、前記(1)式により表される高炉内の半径方向適正位置にTiO2源を装入することにより、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えながら、炉底部においてチタン・ベアを形成、堆積させて、炉底部耐火物の侵食を防止し保護することができる。したがって、本発明の方法は、出銑量を確保しながら炉体保護を図ることのできる技術として、顕著な効果を奏する。
本発明の高炉炉底部耐火物の保護方法は、前記のとおり、高炉炉頂からTiO2源を装入し、高炉炉底部にチタン・ベアを形成させて炉底部耐火物を保護する高炉炉底部耐火物の保護方法であって、TiO2源を、その装入位置が、前記(1)式で表される関係のみを満足するように装入する高炉炉底部耐火物の保護方法である。以下に本発明の方法についてさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の方法を実施したときの炉内装入物分布の一例を模式的に示す炉内縦断面図である。同図は、ベルレス装入装置を備えた高炉を対象とした本発明の一実施態様を示している。
装入ベルトコンベアにより高炉1の炉頂に搬送された装入物のコークス、焼結鉱、鉱石およびTiO2源は、炉頂装入装置の分配シュート10により、高炉1内に装入される。このとき、装入物は、傾動角度(鉛直線と分配シュートの中心軸とのなす角度)を所定の値に制御された分配シュート10内を流下し、装入物の落下流4を形成して高炉内のストックレベル14の装入物上面に落下する。したがって、装入シュート10の傾動角度を適正範囲に制御して、装入物の炉内半径方向の落下位置を適正範囲に調整することにより、TiO2源を炉内半径方向の適正な位置に装入することができる。
このような方法で装入することにより、炉内には、コークス層5、およびその上面の所定の半径方向位置(すなわち所定の(r/R)の値の位置)に円環状に堆積したTiO2源層7、およびこれらの上部に堆積した(鉱石+焼結鉱)層6からなる互層構造の装入物分布が得られる。ここで、rは装入物のストックレベル14において、炉壁3からTiO2源の装入位置までの炉内半径方向距離を表し、Rは同炉壁3から炉中心2までの距離を表す。なお、図中の番号13は融着帯を表す。
次に、本発明において、TiO2源の高炉内半径方向における適正装入位置を前記のように規定した理由、および好ましい態様について説明する。
(1)TiO2源の炉内半径方向の適正装入位置
装入物のストックレベルにおいて、炉壁からTiO2源の装入位置までの炉内半径方向距離をrとし、同炉壁から炉中心までの距離をRとしたとき、TiO2源を下記(1)式の関係を満足する炉内位置に装入するのが適切である。
0.3≦r/R≦0.4 ・・・・(1)
TiO2源は、他の鉱石類に比較して溶融後の粘性が高いことから、(r/R)の値が0.3未満の場合には、高炉の炉壁側における炉内通気抵抗が上昇する。そのままの送風量で操業を行えば、通気抵抗の増大に起因する炉内ガス流れの不均一や装入物の降下不順を招き、安定操業を維持できなくなるので、安定操業を確保するためには、送風量を低減させて、高炉の生産性を低下させる、いわゆる減産操業を行わざるを得なくなる。したがって、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えるためには、(r/R)の値を0.3以上とする必要がある。
一方、(r/R)の値が0.4を超えて大きくなると、炉底部耐火物表面における凝固層の生成、さらにはチタン・ベアの形成および堆積を促進して炉底耐火物を効率的に保護することが難しくなる。この理由は、下記のとおりである。すなわち、高炉内のストックレベル14における装入物の表面形状は、炉壁部3に比較して炉中心部2がやや低いV字型形状を呈しているため、装入物の炉内落下位置を中心としてある程度の幅を有する装入物落下流4の一部は、高炉中心部2へ流れ込む。
一般に、炉底は、耐火物保護のため外部から冷却されているので、炉壁側に近い炉底耐火物の表面近傍が最も低温であり、装入されたTiO2源のうち、炉壁に近いものほど凝固層の生成さらにはチタン・ベアの形成および堆積が促進される。このため、高炉中心部2においては、炉底部耐火物表面におけるチタン・ベアの形成および堆積に寄与するTiO2源が減少し、炉底部耐火物の保護効果が低減するからである。
したがって、炉底部耐火物表面における凝固層の生成、さらにはチタン・ベアの形成および堆積を促進して炉底耐火物を効率的に保護するためには、(r/R)の値を0.4以下とする必要がある。
(2)TiO2源の炉内装入方法
本発明において、TiO2源を前記(1)式により表される関係を満足する炉内半径方向位置に装入するための好ましい装入方法について説明する。
図2は、本発明の方法を実施する際の装入ベルトコンベア上におけるTiO2源の配置位置および炉内への装入状況を模式的に示す図である。装入物を原料槽から装入コンベア11上に切り出す際に、TiO2源を鉱石類装入物の先頭位置に切り出したことにより、装入ベルトコンベア11上には、TiO2源層7を先頭にして、鉱石層8、次いで焼結鉱層9の順に装入物が配置され、その状態で、高炉炉頂の装入装置まで搬送される。
上記のように装入ベルトコンベア11上に切り出され、搬送された装入物は、炉頂の原料滞留ホッパー12内に一旦蓄積される。TiO2源層7は装入ベルトコンベア11上において先頭に位置していたことから、炉頂の原料滞留ホッパー12内では、装入物の最下層に堆積することとなる。したがって、炉頂原料滞留ホッパー12から高炉炉内に装入される際には、炉頂原料滞留ホッパー12内の最下層に位置するTiO2源が、鉱石類装入物のうちで最先に分配シュート10を通過し、高炉炉内へ装入される。
TiO2源を装入物の先頭に位置させ、最先に高炉炉内へ装入する方法は、TiO2源を目標落下位置に精度よく落下させることができ、かつ、TiO2源の落下後における炉中心方向への流れ込みによる移動も生じにくくすることができると考えられる。したがって、上記のように、装入ベルトコンベア上でTiO2源を装入物の先頭に位置させ、最先に高炉炉内へ装入する方法は、第一発明で規定する前記(1)式の関係を精度よく満たすための装入方法として好ましい。
ここで、炉頂原料滞留ホッパー12から炉内に鉱石類装入物を装入する際に、装入物の炉内半径方向落下位置が前記(1)式の関係を満たすように、炉内装入物の分布制御手段である分配シュート10の傾動角度(鉛直線と分配シュートの中心軸とのなす角度)を制御することにより、TiO2源7は炉内のコークス層5の上表面14の適正位置に装入される。
なお、図2では、装入ベルトコンベア11上に、TiO2源層7を先頭位置として、鉱石層8、次いで焼結鉱層9の順に装入物を配置する例を示したが、本発明の方法においては、TiO2源層7を先頭位置に配置することが好ましい態様なのであるから、鉱石層8や焼結鉱層9の配置順序は適宜変更することができる。
また、上記の説明は、ベルレス装入装置を備えた高炉における装入方法について記述したが、ムーバブルアーマ(装入物反発板)装置を備えたベル式高炉の場合には、ムーバブルアーマのノッチ位置を調節してその反発角度を調整することにより、TiO2源7を前記(1)式で規定する炉内半径方向の適正位置に装入することができる。
本発明の高炉炉底部耐火物の保護方法の効果を確認するため、炉内容積が4800m3級のベルレス装入装置を備えた高炉において下記に示す試験操業を行い、主として高炉の生産性低下の抑制状況および通気抵抗増大の抑制状況を評価した。
(1)試験方法
試験操業では、前記図2に示したとおり、原料槽から装入ベルトコンベア11上に原料の切り出しを行うに当たり、TiO2源7を最先に切り出し、次いで鉱石8、焼結鉱9の順に切り出した。このようにして切出したことにより、装入ベルトコンベア11上には、鉱石類装入物の先頭位置にTiO2源層7が配置され、次いで鉱石層8および焼結鉱層9がこの順に配置された。そして、これらの装入物は、装入ベルトコンベア11により高炉の炉頂原料滞留ホッパー12まで搬送され、原料滞留ホッパー12内に装入されてホッパー内に堆積した。上記のように、TiO2源層7は、装入ベルトコンベア11上において先頭に位置していたので、炉頂原料滞留ホッパー12内では、TiO2源層7は堆積した装入物の最下層に位置する。
次に、炉頂原料滞留ホッパー12内に堆積した装入物を分配シュート10を用いて高炉炉1内へ装入する際には、炉頂原料滞留ホッパー12内の最下層に位置するTiO2源層7が鉱石類装入物の中で最先に高炉炉内に装入された。本試験操業では、炉内装入物分布制御手段である分配シュート10の傾動角度を制御することにより、TiO2源7の炉内半径方向の装入位置を変化させた。すなわち、本発明例についての試験では、TiO2源7の装入位置が前記(1)式の関係を満足するように、分配シュート10の傾動角度を制御して装入物を炉内に装入し、一方、比較例についての試験では、TiO2源7の装入位置が前記(1)式の関係を満足しない範囲において、分配シュート10の傾動角度を調整した。
試験結果の評価は、主に高炉の出銑量の変化および炉内通気抵抗の変化を評価することにより行った。なお、高炉内の通気抵抗は、下記(2)式により算出される通気抵抗KRの値の増減により評価した。
KR=(PB−PT)/L/(kμβρ1-β2-β) ・・・・(2)
ここで、KRは高炉の通気抵抗(1/m)、PBおよびPTはそれぞれ送風圧力および炉頂圧力(Pa)、Lは羽口と炉頂間の距離(m)、βおよびkはガス流れの形態などにより定まる定数、μはガスの粘度(Pa・s)、ρはガスの密度(kg/m3)、uは炉内のガス流速(m/s)を表す。なお、上記の通気抵抗KRは、その値が大きいほど炉内の通気性が悪いことを示す。
(2)試験結果
表1に、試験条件および試験結果を示した。
Figure 0005029085
同表において、試験番号A〜Cは、本発明で規定する条件を満足する本発明例についての試験であり、試験番号D〜Fは、本発明で規定する条件を満たさない比較例についての試験である。また、各試験番号の試験は、高炉の炉況が7日間以上安定して継続している期間をベース(通常日操業条件)として、7日間の継続した試験操業を行い、試験結果は、通常日操業における出銑量および通気抵抗からの変化量により評価した。
本発明で規定する条件を満足する本発明例である試験番号A〜Cでは、TiO2源を装入することにより、出銑量の低下は50〜180トン(t)/日(d)の範囲内(高炉の生産性を示す出銑比の低下は0.01〜0.04t/d/炉内容積(m3)の範囲内)に、また、高炉の通気抵抗の増加も810〜1160(1/m)の範囲内に留まっている。さらに、TiO2装入量(純TiO2換算量)は、比較的少ない15kg/t−溶銑程度で、炉底耐火物の保護効果が得られている。
これに対して、TiO2源の炉内半径方向の装入位置が炉壁側に寄りすぎ、(r/R)の値が0.3未満であった比較例の試験番号D〜Fでは、高炉の通気抵抗の増加が試験番号A〜Cの場合の増加に比して大幅に上昇したことから、相当量の送風量の低下を余儀なくされ、その結果、300〜450t/dの出銑量の低下(出銑比の低下は0.06〜0.09t/d/m3)に至った。しかも、炉底耐火物の保護効果を得るためには、前記の本発明例である試験番号A〜Cに比して多い17〜18kg/t−溶銑のTiO2装入量を要した。
これらの結果から、本発明の方法を実施することにより、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えながら、炉底部においてチタン・ベアを形成し、これを堆積させて、炉底部耐火物の侵食を防止し保護できることが確認された。
本発明の高炉炉底部耐火物の保護方法によれば、炉内装入物の分布制御手段を用いて、前記(1)式により表される高炉内の半径方向適正位置にTiO2源を装入することにより、高炉の生産性の低下を最小限度に抑えながら、炉底部においてチタン・ベアを形成、堆積させて、炉底部耐火物の侵食を防止し保護することができる。これにより、本発明の方法は、出銑量の確保を重要な使命とする高炉操業において、生産性を極力確保しながら炉底部耐火物を保護することのできる炉体保護方法として広く適用することができる。
本発明の方法を実施したときの炉内装入物分布の一例を模式的に示す炉内縦断面図である。 本発明の方法を実施する際の装入ベルトコンベア上におけるTiO2源の配置位置および炉内への装入状況を模式的に示す図である。
符号の説明
1:高炉、 2:炉中心、 3:炉壁、 4:装入物の落下流、 5:コークス層、 6:(鉱石+焼結鉱)層、 7:TiO2源またはTiO2源層、 8:鉱石または鉱石層、 9:焼結鉱または焼結鉱層、 10:分配シュート、 11:装入ベルトコンベア、 12:炉頂原料滞留ホッパー、 13:融着帯、 14:ストックレベル

Claims (2)

  1. 高炉炉頂からTiO2源を装入し、高炉炉底部にチタン・ベアを形成させて炉底部耐火物を保護する高炉炉底部耐火物の保護方法であって、装入物のストックレベルにおいて、炉壁からTiO2源の装入位置までの炉内半径方向距離をrとし、同炉壁から炉中心までの距離をRとしたとき、該TiO2源を、その装入位置が、下記(1)式で表される関係のみを満足するように装入することを特徴とする高炉炉底部耐火物の保護方法。
    0.3≦r/R≦0.4 ・・・・(1)
  2. 前記装入物を原料槽から装入ベルトコンベア上に切出す際に、前記TiO2源を鉱石類装入物の先頭位置に切出すことを特徴とする請求項1に記載の高炉炉底部耐火物の保護方法。
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