JP2001323306A - 高炉における装入物分布の推定方法 - Google Patents

高炉における装入物分布の推定方法

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JP2001323306A
JP2001323306A JP2000142849A JP2000142849A JP2001323306A JP 2001323306 A JP2001323306 A JP 2001323306A JP 2000142849 A JP2000142849 A JP 2000142849A JP 2000142849 A JP2000142849 A JP 2000142849A JP 2001323306 A JP2001323306 A JP 2001323306A
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charging
shape
furnace
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bell
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JP2000142849A
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Kimitoshi Mori
侯寿 森
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高炉において専用投入シュートで軸心部へ装
入するコークス(CFC)に関し、ベル又は旋回シュー
トから装入する原料(単に「原料」という)を同時期に
装入する場合の、CFCの軸心部での堆積形状を精度よ
く推定する方法。 【解決手段】 装入原料の炉壁からの落下距離に基づき
決定する。CFCと「原料」の装入を同時期に行なうと
き、CFC堆積層8の形状を炉壁からの落下距離、C
FCの軸心部への投入速度、及び「原料」の軸心部周囲
隣接部での層厚形成速度で決定し、「原料」の堆積層9
の形状を炉壁からの落下距離に基づき決定する。各装
入バッチの装入所要時間を所定時間間隔で分割し、各時
間毎にCFC及び「原料」の分布形状を、「原料」の炉
内落下位置の炉壁からの距離に基づいて決定し、各堆積
形状を積み上げ計算する。とを適宜組合せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉における装入
物分布の堆積形状を推定する方法に関し、特に、専用投
入シュートによって軸心部へ装入される中心コークス
と、ベル又は旋回シュートから装入される鉱石及びコー
クスとが同時期に装入される場合の、中心コークスの軸
心部での堆積形状を推定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉の安定操業を左右する重要な要因の
一つに装入物分布の管理がある。一般に高炉の原料装入
は、鉱石とコークスとをベル又は旋回シュートから交互
に切り出し、炉内へ落下・堆積させる方法で行なわれ
る。この時炉内に形成される鉱石及びコークスからなる
装入物の堆積形状は、装入物の炉内落下位置の他に、装
入物落下直前における炉内の装入物層の表面形状(即ち
下層面形状)や、当該装入物層下方からのガス流速の大
きさ、あるいは炉内装入物の物理的性状、例えば、粒径
分布、安息角及び形状係数等といった、各種の操業条件
により大きく変化する。従って、高炉の安定操業のため
には、その時々の操業条件、例えば、送風条件、原料性
状等に応じた最適な装入物分布を探索する必要があり、
その手段の一つとして装入物分布シミュレーションモデ
ルを使用して様々な操業条件下での装入物分布形状を定
量的に推定する方法が提案されている。この装入物分布
シミュレーションモデルは、模型による装入物分布試験
等の結果を用いて構築されたモデルであり、このような
モデルとしては「鉄と鋼、Vol.70、1984、P46
ベル・ムーバブルアーマ方式の装入物分布シミュレーシ
ョン」や、「鉄と鋼、Vol.78、1992、P1345 大
型ベルレス高炉における装入物分布シミュレーションモ
デルの開発と操業への適用」が開示されている。
【0003】これらの装入物分布シミュレーションモデ
ルは、基本的には図8に示すように、装入原料である鉱
石及びコークスの銘柄毎に設定された、それぞれの堆積
形状の基本形をいくつかに分類した「形状パターン」
と、その堆積形状を形状パターン毎に数学的に近似する
方法として、その曲線部を3次関数で、残部を直線とし
て取り扱い、その組合せで堆積形状を表現するために導
入した「形状パラメータ」とを有している。そして、そ
の時の「形状パターン」及び「形状パラメータ」の選択
・決定は、ベル・ムーバブルアーマ式(以下、「ベルM
A式」という)装入装置においては、その時の装入原料
の炉内落下位置のストックラインレベル、平均層厚、ム
ーバブルアーマ位置(MA位置)、及び当該装入原料中
の焼結鉱、ペレットあるいは塊鉱の配合割合により行な
われ、一方、ベルレス式装入装置においては、旋回シュ
ートの傾動角及び装入原料の炉内落下位置におけるスト
ックラインレベルにより行なわれる。この「形状パター
ン」及び「形状パラメータ」は、模型実験等により得ら
れた結果に基づきパターン分け及び関数化がなされてい
る。このパターン分け及び関数化は、ベルMA式におい
てはバッチ毎に、またベルレス式においては、旋回シュ
ートの傾動角毎に行なう。
【0004】即ち、図9に示すように、ベルMA式にお
いてはバッチ毎に、またベルレス式においては旋回シュ
ートの傾動角毎に、装入原料の炉内落下軌跡を計算して
(同図工程F)、装入物と炉内装入物層表面との交点よ
り高さ方向である設定高さ(Δh)だけ高くなったレベ
ルでの落下軌跡上の点を新しく装入された装入物の落下
位置として(同図工程G)、この落下位置とこの時の装
入条件(同図工程B)とから前述した装入物の「形状パ
ターン」及び「形状パラメータ」とを決定する(同図工
程I)。これより得られる分布形状について、原料装入
物層内のガス流速及びペレット含有水分による傾斜角の
補正(同図工程J)、下層面形状の影響補正(同図工程
K)を行った後、得られた分布形状と下層面との間の体
積を計算して設定された装入量と比較し(同図工程
L)、一致する場合で次の装入がある場合には得られた
装入面を下層面として次の装入についての計算を行う
(同図工程C)。また一致する場合で次の装入が無い場
合には、得られた装入面の形状と最下層の分布形状を比
較し(同図工程M)、一致する場合には更に径方向での
装入物の物理性状分布(粒度分布、空隙率分布、鉱石と
コークスの層厚分布など)を計算した後(同図工程
N)、計算終了となる(同図工程O)。一方、計算され
た体積が設定された装入量と一致しない場合には(同図
工程L)、再度設定高さ(Δh)を変化させて新装入面
を決定し(同図工程H)、以降一致するまで同図工程L
までの計算を繰り返す。
【0005】しかし、このような装入物分布シミュレー
ションモデルを使用して分布形状を推定する場合、次の
問題点がある。第一の問題点は、対象とする炉体形状が
異なる場合には、計算で得られる装入物分布形状が実際
の分布形状と異なってしまうという点である。図10
は、ベルレス式高炉A及びBのそれぞれに対応する模型
A及びBにおいて、装入条件を同一とし、炉体形状を変
化させた場合の装入物堆積形状の変化について、模型実
験による測定結果と、前述の装入物分布シミュレーショ
ンモデルによる計算結果とを比較して示すものである。
ここで装入物分布シミュレーションモデルによる計算に
おける「形状パターン」及び「形状パラメータ」の決定
は、模型Aの実験により得られたデータを使用してい
る。このように、模型Aでは計算による堆積形状と実測
による堆積形状とはよく一致しているが、模型Bでは計
算と実測とではその堆積形状が大きく異なっていること
がわかる。かかる結果は、「形状パターン」及び「形状
パラメータ」の決定方法が、前述した装入物分布シミュ
レーションモデルの方法では、炉体形状が変化した場合
に適用するのは不適当であることを示すものである。即
ち、装入物の堆積形状を決定づける要因として、上記シ
ミュレーションモデルではとりあげられていない要因が
他に存在することを示すものである。従って、従来技術
により、模型Bにおいても計算による堆積形状と実測に
よる堆積形状とを一致させようとする場合には、模型B
を用いて装入条件を変化させた装入物分布実験を多数実
施する必要があり、従来の装入物分布シミュレーション
モデルの汎用性が著しく低いことがわかる。
【0006】第二の問題点は、高炉における最新の装入
方法に対応できない点である。こうろにおける最近の装
入物分布制御方法においては、従来のベル又は旋回シュ
ートからの原料装入だけでなく、専用投入シュートを設
け、これにより炉軸心部へコークスを投入する装入方法
が広く実施されている。一般にコークスは鉱石に比べて
粒径が大きく設計されているため通気性に優れている。
そこで、このコークスを高炉の軸心部に投入することに
より、軸心部への鉱石の流れ込みをブロックして軸心部
の通気性を適切に確保すると共に、劣化の少ない健全な
コークスを高炉下部まで持ち来たらせることが可能とな
る。なお、このような装入方法を中心コークス装入方法
といい、また装入されるコークスを中心コークスと呼
び、ベル又は旋回シュートから装入される装入原料とは
区別している。そして、この中心コークス装入を行なう
ことにより高炉の安定操業が可能となる。
【0007】中心コークス装入方法において、専用投入
シュートによって軸心部へ装入する中心コークスと、ベ
ル又は旋回シュートから装入する鉱石及びコークスと
を、同時期に装入する高炉の装入方法が実用化されてい
る。例えば、本発明者等は特開平9−157710号公
報において、図11にベル式高炉における中心コークス
の装入過程を示すように、専用投入シュート3からの中
心コークス7の装入開始を、ベル2からの装入原料6が
軸心部の周囲隣接部へ流れ込んでくるタイミングに中心
コークス7が軸心部の周囲隣接部の原料装入物層表面5
に到達するように行ない、且つ、ベル2からの装入原料
6の軸心部への流れ込みが終了するまでその中心コーク
ス7の投入を継続できるように、中心コークス7の装入
時期及び量を制御する装入方法(以下、先行技術1とい
う)を提案した。かかる先行技術1の装入方法によれ
ば、図12に示すように、中心コークス堆積層8の形状
は柱状となる(図12(a)参照)が、中心コークスの
装入とベルからの原料装入とを交互にそれぞれ単独で行
なう、従来の中心コークス装入方法で得られる山状の堆
積形状の中心コークス堆積層8(図12(b)参照)と
は大きく異なることが知られている。従来の装入物分布
シミュレーションモデルは、同時に2つのルートから装
入されるときではなく、同時期には1つの投入ルートか
らのみの装入により形成された装入物分布形状を計算す
るように設計されているため、このような異なるルート
から同時期に原料装入を行なう方法において投入された
中心コークスの堆積形状については、これを従来の装入
物分布シミュレーションモデルで推定することは不可能
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の装入物分布シミュレーションモデルでは、高炉の炉体
形状が異なる場合には、装入物分布を精度よく推定する
ことができず、また、従来の装入物分布シミュレーショ
ンモデルを適用した装入物分布の推定方法では、専用投
入シュートからの中心コークスがベルあるいは旋回シュ
ートからの原料と同時期に装入されるという、異ルート
からの同時期装入方法における中心コークスの堆積形状
を推定しようとしても適切な推定をすることができな
い。
【0009】従って、本発明の目的は、炉体形状等の設
備条件の違いによる装入物分布形状の推定誤差をできる
だけ小さくすることができ、且つ、専用投入シュートに
よって軸心部へ装入される中心コークスと、ベル又は旋
回シュートから装入される鉱石及びコークスとが同時期
に装入される場合の、中心コークスの軸心部での堆積形
状を推定することが可能な、汎用性の高い高炉における
装入物分布推定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、先ず
装入原料の分布形状は、原料銘柄が同一である場合に
は、原料落下位置の炉壁からの距離に大きく依存するこ
とがわかった。また、ベル又は旋回シュートからの装入
原料の時系列的な分布形状の変化は、その装入バッチを
ある時間間隔で分割し、各時間毎に分布形状を計算して
積み上げていく方法で表現できることがわかった。更
に、中心コークスとベル又は旋回シュートからの原料と
の装入を同時期に行なった場合の、軸心部へ形成される
中心コークスの分布形状は、中心コークスの軸心部への
投入速度と、ベル又は旋回シュートによる装入原料の軸
心部の周囲隣接部での層厚形成速度に依存し、その装入
バッチをある時間間隔で分割し、各時間毎に中心コーク
ス及びベル又は旋回シュートによる装入原料の分布形状
をそれぞれ計算して積み上げていく方法で、柱状の中心
コークスを表現できることを知見した。本発明は、上記
知見に基づきなされたものであって、その要旨は次の通
りである。
【0011】請求項1記載の発明に係る高炉の装入物分
布推定方法は、高炉における装入物分布を推定する方法
において、装入物の堆積形状を、その装入原料の炉内落
下位置の炉壁からの距離の大きさに基づいて決定するこ
とに特徴を有するものである。
【0012】請求項2記載の発明に係る高炉の装入物分
布推定方法は、高炉における装入物分布を推定する方法
において、中心コークスとベル又は旋回シュートからの
原料との装入を、同時期に行なう装入方法における装入
物分布の推定方法であって、上記中心コークスの堆積形
状を、当該中心コークスの炉内落下位置の炉壁からの距
離の大きさ、当該中心コークスの軸心部への投入速度、
及び上記ベル又は上記旋回シュートによる装入原料の当
該軸心部の周囲隣接部における層厚形成速度により決定
し、そして、上記ベル又は上記旋回シュートからの上記
原料の堆積形状をその原料の炉内落下位置の炉壁からの
距離の大きさに基づき決定することに特徴を有するもの
である。
【0013】請求項3記載の発明に係る高炉の装入物分
布推定方法は、高炉における装入物分布を推定する方法
において、中心コークスとベル又は旋回シュートからの
原料との装入を、同時期に行なう装入方法における装入
物分布の推定方法であって、各装入バッチの装入所要時
間を所定の時間間隔で分割し、分割された各時間毎に中
心コークス及びベル又は旋回シュートからの原料の分布
形状を、その装入原料の炉内落下位置の炉壁からの距離
の大きさに基づいて決定し、こうして上記中心コークス
及び上記ベル又は上記旋回シュートからの上記原料の堆
積形状を計算して積み上げていく計算を行なうことに特
徴を有するものである。
【0014】請求項4記載の発明に係る高炉の装入物分
布推定方法は、高炉における装入物分布形状を推定する
方法において、中心コークスとベル又は旋回シュートか
らの原料との装入を、同時期に行なう装入方法における
装入物分布の推定方法であって、各装入バッチの装入所
要時間を所定の時間間隔で分割し、分割された各時間毎
に、上記中心コークスの堆積形状を、当該中心コークス
の炉内落下位置の炉壁からの距離の大きさ、当該中心コ
ークスの軸心部への投入速度、及び上記ベル又は上記旋
回シュートによる上記装入原料の当該軸心部の周囲隣接
部における層厚形成速度により決定すると共に、上記ベ
ル又は上記旋回シュートからの上記原料の堆積形状を当
該原料の炉内落下位置の炉壁からの距離の大きさに基づ
き決定し、こうして上記中心コークス及び上記ベル又は
上記旋回シュートからの上記原料の堆積形状を計算して
積み上げていく計算を行なうことに特徴を有するもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を、図面を参照しな
がら説明する。図1に、本発明による装入物分布計算方
法のフローを示し、図2に、本発明により計算される装
入物の分布形状の時系列変化を模式的に示す。
【0016】先ず、装入物の分布を決定する「形状パタ
ーン」及び「形状パラメータ」については、予め模型実
験等により装入原料の落下位置の炉壁からの距離の大き
さに基づいて、それぞれ、パターン分けをすると共に、
関数化しておく。そして、中心コークスの形状パターン
及び形状パラメータについては、図8に示したパターン
分類「F」を採用し、中心コークス装入とベル(前述し
たベルMA式装置におけるベルを指す。本明細書におい
て同じ。)又は旋回シュートからの原料装入とを同時期
に行なう場合には、その形状パラメータΔr、θ1、θ2
は、中心コークスの落下位置の炉壁からの距離の大きさ
のみでなく、その装入時のベル又は旋回シュートからの
装入原料による軸心部周囲隣接部での層厚形成速度と、
中心コークスの軸心部への投入速度とを考慮して設定す
る。
【0017】図1に示すように、先ず従来の装入方法の
ように、中心コークス装入とベル又は旋回シュートから
の原料装入とを別々に、異なる時期に行なう場合につい
て、装入物分布形状を計算する場合には、計算フローは
図9に示した従来の装入物分布シミュレーションモデル
の計算フローと見掛け上よく似ている。しかしながら、
従来の装入物分布シミュレーションモデルと異なる点
は、本発明においては、前述したように「形状パター
ン」及び「形状パラメータ」の決定を、装入原料の落下
位置の炉壁からの距離の大きさに基づいて行なうという
点である。
【0018】また、更に、中心コークス装入とベル又は
旋回シュートからの原料装入とを同時期に行なう場合の
装入物分布を計算する場合には、その装入バッチを予め
設定された時間間隔で分割し、各時間帯毎に中心コーク
ス及びベル又は旋回シュートからの装入原料の分布形状
を計算し、得られた分布形状を積み上げていくというも
のである。この際、中心コークスの分布形状は、各時間
帯毎の中心コークスの軸心部への投入速度と、ベル又は
旋回シュートによる装入原料の軸心部の周囲隣接部での
層厚形成速度とより決定される。また、中心コークスと
ベル又は旋回シュートからの装入原料との分布形状を、
同時間帯内で積み上げる。この同時間帯内での両層(両
分布形状)の積上げ順序は、図2に示すように、中心コ
ークス堆積層8を下層13上面に堆積させた後、この中
心コークス堆積層8の周縁部上面に、ベル又は旋回シュ
ートからの原料装入物層9の軸心部周囲隣接部を堆積さ
せるものとする。こうしして初期状態(図2(a))か
ら当該時間帯Δt経過後には図2(b)に示す堆積形状
が得られる。次いで上記操作を繰り返す。即ち、図2
(b)の状態に連続する次の時間帯Δt経過後には図2
(c)に示す堆積状態が得られる。以降、上記に準じた
操作を繰り返していく。
【0019】その結果、1チャージの装入完了時には図
2(d)に示すような状態が得られる。中心コークスの
装入とベル又は旋回シュートからの原料の装入とを同時
期に行なう場合の装入物分布を計算する場合に、ベル又
は旋回シュートからの装入原料による軸心部周囲隣接部
での層厚形成速度に対応させて、山状から柱状までの各
種堆積形状の中心コークスの分布を得ることが可能とな
る。
【0020】
【実施例】本発明に係る高炉の装入物分布推定方法を実
施例により更に説明する。図3に、中心コークス7とベ
ル又は旋回シュートからの原料との装入を同時期に行な
う装入方法において、本発明による計算方法で得られた
高炉装入物分布形状と、ベルMA式高炉の1/10の小
型模型高炉を用いて当該計算における装入条件と同一装
入条件下で装入して得られた分布形状とを比較した図を
示す。ここで、図3(a)が、装入条件として、同図中
の「計算条件」に記載したもので計算し、模型実験を行
なったものの結果であり、図3(b)、(c)及び
(d)のそれぞれは、上記「計算条件」をベースにし
て、それぞれ中心コークス7の投入量、MA位置、又は
ベルからの原料(ここでは鉱石14を使用)装入量のみ
を変化させた場合に得られた、計算結果とモデル試験と
の分布形状の変化を示すものである。なお、上記「計算
条件」において「MA位置」とは、MAの炉壁から炉中
心方向への距離を表わし、その他の項目の意味は図4に
示した通りである。即ち、鉱石を1バッチ当たり60k
gをベルMAで装入した。その間、鉱石の装入開始後4
秒のタイミングでCFCの投入を開始し、その投入速度
0.1kg/secで5秒間継続し、1バッチ当たり累
計500gを投入した場合に、CFC及び鉱石の堆積分
布形状を、1秒刻みで積み上げて計算したことを意味す
る。
【0021】これらの図より、様々な装入条件の変化に
より中心コークスの分布形状は大きく変化するが、本発
明による装入物分布推定方法を用いることにより、精度
良く中心コークスの分布形状を推定することができてい
ることがわかる。
【0022】図5に、中心コークスとベル又は旋回シュ
ートからの原料との装入を同時期に行なう装入方法にお
いて、本発明による計算方法で得られた高炉装入物分布
形状、及び炉内半径方向における全層厚LC+LOに対す
るコークス層厚LCの割合分布、即ち、層圧比分布(以
下、LC/(LC+LO)分布という)と、実用のベルMA
式高炉で当該計算における装入条件と同一装入条件下で
装入したときに得られた、水平ゾンデによる径方向のガ
ス利用率分布の測定結果を示す。
【0023】図6に、従来のベルMA式装入装置におい
て、専用投入シュート3により中心コークス7を投入す
る設備例の概略縦断面図を示す。一般に、水平ゾンデ1
0は高炉シャフト上部に設置されており、そのレベルで
の径方向でのガス温度やガス組成を測定できる。このう
ち、ガス利用率(CO2/(CO+CO2))は炉内のガ
ス流速の大きさを示す指標として使用されており、この
値が小さいほどその位置でのガス流速が速いことを示し
ており、即ち通気性が良好であることを示し、従って、
原料装入物層中に占めるコークスの割合が多いことを示
している。これらの図より、本発明による計算方法で得
られた軸心部近傍でのLC/(LC+LO)分布と、水平
ゾンデ10によるガス利用率分布とは良好な相関関係に
あり、中心コークス堆積層8の分布形状を精度良く計算
していることが推測される。
【0024】また図7に、炉体形状が異なるベルレス式
高炉A及びBの各模型高炉を対象として、本発明による
計算方法で得られた装入物の堆積形状と、当該計算にお
けると同一装入条件下で行なった各模型高炉実験で得ら
れた堆積形状とを比較した図を示す。図7によれば、本
発明による計算方法により、炉体形状が変化した場合で
も精度良く装入物堆積形状を推定することが可能である
ことがわかり、汎用性の向上が伺える。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、高炉における装入物の
分布形状をその装入原料の落下位置の炉壁からの距離の
大きさに基づいて決定し、更に、中心コークスとベル又
は旋回シュートからの原料との装入を同時期に行った場
合の装入物の分布形状は、その装入バッチをある時間間
隔で分割し、各時間毎に中心コークスの分布形状とベル
又は旋回シュートの分布形状とを、それぞれ計算して積
み上げていく計算を行なう方法を採用することにより、
炉内ガス流分布制御の精度向上を図ることができ、汎用
性の高い高炉における装入分布推定方法を提供すること
ができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装入物分布形状の計算フローを示
す図である。
【図2】本発明により計算される装入物の堆積形状の時
系列変化を模式的に表わした図である。
【図3】中心コークスとベル又は旋回シュートからの原
料との装入を同時期に行なう装入方法において、本発明
による計算方法で得られた高炉装入物分布形状と、ベル
MA式高炉の1/10の小型模型高炉を用いて当該計算
における装入条件と同一装入条件下で装入して得られた
分布形状とを比較した図である。
【図4】図3(a)中の「計算条件」を説明する図であ
る。
【図5】中心コークスとベル又は旋回シュートからの原
料との装入を同時期に行なう装入方法において、高炉装
入物分布形状、及び炉内半径方向におけるLC/(LC
O)分布について、本発明による計算方法で得られた
結果と、実用のベルMA式高炉での試験における炉内半
径方向のガス利用率分布とを比較検討する図である。
【図6】従来のベルMA式装入装置に専用投入シュート
が設けられた設備例の概略縦断面図である。
【図7】炉体形状が異なるベルレス式高炉A及びBの各
模型高炉を対象として、本発明による計算方法で得られ
た装入物の堆積形状と、各模型高炉実験で得られた堆積
形状とを比較した図である。
【図8】従来技術による装入物分布形状の形状パターン
及び形状パラメータを示す図である。
【図9】従来技術による装入物分布形状の計算フローを
示す図である。
【図10】炉体形状が異なるベルレス式高炉A及びBの
各模型高炉を対象として、従来技術による計算方法で得
られた装入物の堆積形状と、各模型高炉実験で得られた
堆積形状とを比較した図である。
【図11】先行技術1による中心コークス装入方法を説
明する図である。
【図12】先行技術1による中心コークス装入方法によ
り得られる中心コークスの堆積形状と通常の装入方法で
得られる中心コークスの堆積形状を比較した図である。
【符号の説明】
1 シャフト部鉄皮 2 ベル 3 専用投入シュート 4 補助分配装置(MA) 5 原料装入物層表面 6 装入原料 7 中心コークス(CFC) 8 中心コークス堆積層 9 原料装入物層 10 水平ゾンデ 11 旋回シュート 12 装入原料の落下軌跡 13 下層 14 鉱石

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉における装入物分布を推定する方法
    において、装入物の堆積形状を、その装入原料の炉内落
    下位置の炉壁からの距離の大きさに基づいて決定するこ
    とを特徴とする、高炉における装入物分布の推定方法。
  2. 【請求項2】 高炉における装入物分布を推定する方法
    において、中心コークスとベル又は旋回シュートからの
    原料との装入を、同時期に行なう装入方法における装入
    物分布の推定方法であって、 前記中心コークスの堆積形状を、当該中心コークスの炉
    内落下位置の炉壁からの距離の大きさ、当該中心コーク
    スの軸心部への投入速度、及び前記ベル又は前記旋回シ
    ュートによる前記装入原料の前記軸心部周囲隣接部にお
    ける層厚形成速度により決定し、そして、前記ベル又は
    前記旋回シュートからの前記原料の堆積形状を当該原料
    の炉内落下位置の炉壁からの距離の大きさに基づき決定
    することを特徴とする、高炉における装入物分布の推定
    方法。
  3. 【請求項3】 高炉における装入物分布を推定する方法
    において、中心コークスとベル又は旋回シュートからの
    原料との装入を、同時期に行なう装入方法における装入
    物分布の推定方法であって、 各装入バッチの装入所要時間を所定の時間間隔で分割
    し、分割された各時間毎に中心コークス及びベル又は旋
    回シュートからの原料の分布形状を、その装入原料の炉
    内落下位置の炉壁からの距離の大きさに基づいて決定
    し、こうして前記中心コークス及び前記ベル又は前記旋
    回シュートからの前記原料の堆積形状を計算して積み上
    げていく計算を行なうことを特徴とする、高炉における
    装入物分布の推定方法。
  4. 【請求項4】 高炉における装入物分布形状を推定する
    方法において、中心コークスとベル又は旋回シュートか
    らの原料との装入を、同時期に行なう装入方法における
    装入物分布の推定方法であって、 各装入バッチの装入所要時間を所定の時間間隔で分割
    し、分割された各時間毎に、前記中心コークスの堆積形
    状を当該中心コークスの炉内落下位置の炉壁からの距離
    の大きさ、当該中心コークスの軸心部への投入速度、及
    び前記ベル又は前記旋回シュートによる前記装入原料の
    前記軸心部周囲隣接部における層厚形成速度により決定
    すると共に、前記ベル又は前記旋回シュートからの前記
    原料の堆積形状を当該原料の炉内落下位置の炉壁からの
    距離の大きさに基づき決定し、こうして前記中心コーク
    ス及び前記ベル又は前記旋回シュートからの前記原料の
    堆積形状を計算して積み上げていく計算を行なうことを
    特徴とする、高炉における装入物分布の推定方法。
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