JP4970674B2 - スケール防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水系などの水系におけるスケール防止剤に関し、特に高シリカ濃度水系において有効なシリカ系スケール防止剤に関する。本発明は、冷却水処理系、排水処理系、工業用水処理系、純水処理系等の各種水処理系全般に適用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビル空調や一般工場、石油化学コンビナート等の冷却水系において、水資源節約のため、補給水を長時間循環使用する高濃縮運転化が進められてきている。それに伴い、冷却水中に溶存しているカルシウム塩やマグネシウム塩、シリカ等の成分が、熱交換器や配管表面などにスケールとして析出しやすくなり、その結果、熱交換器の伝熱効率の低下や配管の閉塞などの障害がより深刻な問題となってきている。なかでも、珪酸カルシウムや珪酸マグネシウムなどのシリカ系スケールは硬質で、塩酸等による通常の酸洗浄では洗浄効果が弱いことから、一旦スケールを生成してしまうと除去するのが困難であり、前記のような様々な障害を引き起すことが知られている。なお、冷却水系では、冷却のために水の一部が蒸発するため、強制的に冷却水の一部を入れ替えない限り溶存成分が濃縮される。
【0003】
従来、スケールに対する防止剤としては、ホスホン酸塩や重合燐酸塩、ポリアクリル酸やその塩、ポリマレイン酸やその塩などが知られている。特に、シリカ系スケールに対する防止剤としては、アクリルアミド系重合体とアクリル酸系重合体を含有するスケール防止剤(特開昭61−107998号公報)、ポリエチレングリコールとホスホン酸及び/又はカルボン酸系ポリマーを含有するスケール防止剤(特開平2−31894号公報)、硼酸、ホスホン酸、カルボン酸/スルホン酸重合体を含有するスケール防止剤(特開平6−99194号公報)、硫酸イオンを用いる方法(特開2000−254689号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなアクリルアミド系重合体及びアクリル酸系重合体含有のシリカ系スケール防止剤(特開昭61−107998号公報)やポリエチレングリコールを含有するスケール防止剤(特開平2−31894号公報)では、特開2000−254689号公報で指摘されている様に、シリカ濃度が低い場合には一定のスケール防止効果を示すが、例えば、シリカ濃度が200mg/リットルを超えるような高シリカ濃度水系ではスケール抑制効果が不十分でありスケールの生成を防止することができない。また、硼酸、ホスホン酸、カルボン酸/スルホン酸重合体を含有するスケール防止剤(特開平6−99194号公報)では、硼素の環境基準、排水基準が制定されたことにより、今後硼酸が使用しにくくなると考えられることと、ホスホン酸やカルボン酸/スルホン酸重合体はカルシウム系スケールの防止には一定の効果がみられるが、これらのみでは高シリカ濃度水系におけるシリカ系スケールを防止することができないといった欠点がある。また、硫酸イオンを用いる方法(特開2000−254689号公報)では、循環水中に添加した硫酸イオンによる配管等の腐食が懸念されるといった大きな欠点がある。このように、従来のシリカ系スケール防止剤では、シリカ濃度が高い水系ではシリカ系スケールの生成を防止することができなかった。
【0005】
本発明は、上記の様な従来技術の欠点を解消するためになされたものであり、従って、本発明の課題は、シリカ濃度が高くてシリカ系スケール生成傾向の大きな水系でも十分にその効果を発揮することができるスケール防止剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、ホスホン酸又はその塩とカルボキシル基/スルホン酸基/置換アミド基を持つ水溶性アクリル系共重合体とを組み合わせることにより、シリカ濃度200mgSiO2/リットルを超える様な高シリカ濃度の水系においても、シリカ系スケール化を極めて効果的に防止し得ることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、シリカ濃度が200mgSiO 2 /リットル以上の水系において、ホスホン酸及び/又はその塩、および、少なくとも(メタ)アクリル酸及び/又はその塩の単量体単位、(メタ)アクリルアミド−アルキル−及び/又はアリール−スルホン酸及び/又はその塩の単量体単位及び置換(メタ)アクリルアミドの単量体単位からなる水溶性共重合体を含有するスケール防止剤であって、前記ホスホン酸及び/又はその塩が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩類、および、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びその塩類から選ばれる少なくとも1種であるスケール防止剤を使用するスケール防止方法を提供するものである。
【0008】
本発明の作用機構としては、主に以下の2点が考えられる。(1)カルボキシル基/スルホン酸基/置換アミド基を持つ水溶性アクリル系共重合体によるコロイダルシリカの分散。(2)ホスホン酸による硬度成分のキレート化。これにより、間接的に珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム等のシリカ系スケールの生成を防止。上記の2点の相乗効果によりシリカ系スケールの生成を極めて効果的に防止しているものと考えられる。
【0009】
本発明のスケール防止剤は、一般に配合品として提供され、その配合組成は、その効果等の観点から、スケール防止剤組成物の総重量に対して、ホスホン酸又はその塩を0.1〜10重量%、および、上記水溶性共重合体を1〜50重量%含有しているのが通常である。ホスホン酸及び/又はその塩の配合比率が0.1重量%未満の場合には、十分なスケール防止効果を期待できないので、あまり好ましくない。また、該配合比率が10重量%を超える場合にはブロー水を直接河川などへ放流するような場合に燐の排水規制等が問題になる可能性もあるため、あまり好ましくない。高分子電解質である上記水溶性共重合体の配合比率が1重量%未満の場合には十分なスケール防止効果を期待できないので、あまり好ましくない。また、該配合比率が50重量%を超えるとゲル化が生じて効果が損なわれる可能性があり、あまり好ましくない。また、本発明のスケール防止剤(配合品)には水が含まれるのが通常で、水含有量は、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%、更に好ましくは60〜80重量%である。なお、本発明のスケール防止剤の各成分を別々に被処理水系に添加しても同様の効果を得ることができるのは勿論のことであり、被処理水系に各成分を添加した段階で本発明の範囲に含まれることになり、その場合に各成分割合が上記の各成分含有量を比率に換算したものに相当するのが好ましいのも言うまでもない。
【0010】
本発明に用いることができるホスホン酸もしくはその塩としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩類、および、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びその塩類である。
【0011】
本発明で用いられる上記水溶性共重合体は、(a)(メタ)アクリル酸及び/又はその塩の単量体単位を5〜90重量%、(b)アクリルアミド−アルキル−及び/又はアリール−スルホン酸及び/又はその塩の単量体単位を5〜50重量%及び(c)置換(メタ)アクリルアミドの単量体単位を5〜50重量%含有するのがシリカ系スケール防止効果の点で好ましく、望ましくは上記(a)、(b)及び(c)の単量体単位からなるターポリマーである。
【0012】
本発明で用いる水溶性共重合体は、(a)(メタ)アクリル酸及び/又はその塩の単量体単位、(b)(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸及び/又はその塩及び/又は(メタ)アクリルアミドアリールスルホン酸及び/又はその塩の単量体単位及び(c)置換(メタ)アクリルアミドの単量体単位を少なくとも含む高分子電解質であるが、代表的には、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩の単量体単位は下記の式(1)で、(メタ)アクリルアミド−アルキル−及び/又はアリール−スルホン酸及び/又はその塩の単量体単位は下記の式(2)で、置換(メタ)アクリルアミドの単量体単位は下記の式(3)でそれぞれ表わされる。
【0013】
【化1】
【0014】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価又は2価の金属原子、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)
【0015】
【化2】
【0016】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を表し、X2はアルキルスルホン酸基又はその塩、または、アリールスルホン酸基又はその塩を表わし、塩の場合は1価又は2価の金属塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩である。)
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、X3とX4はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表すが、少なくとも一方がアルキル基である。)
【0019】
式(1)、(2)及び(3)において、R1、R2及びR3は水素原子であるのが好ましく、X1とX2の酸基の部分は水素原子又は1価の金属原子であるのが好ましく、X3とX4の一つは水素原子であるのが好ましい。なお、式(1)と式(2)中の有機アンモニウム塩は、炭素原子数が1〜4のアルキル又はヒドロキシアルキル基を有する(ヒドロキシ)アルキルアンモニウム基であるのが好ましい。式(2)において、X2がアルキルスルホン酸基又はその塩である場合のアルキル基は炭素原子数が1〜8のアルキル基であるのが好ましく、X2がアリールスルホン酸基又はその塩である場合のアリール基は炭素原子数が8〜10のアリール基又はアラルキル基であるのが好ましい。また、式(3)中のX3とX4の一方又は両方のアルキル基は炭素原子数が1〜8のアルキル基であるのが好ましい。式(1)、式(2)、式(3)でそれぞれ表わされる各単量体単位(a)、(b)及び(c)は、各式で表わされる1種の単量体単位であっても、複数種の単量体単位の混合であってもよい。
【0020】
本発明で用いる水溶性共重合体の重量平均分子量は、その効果などの観点から、1500〜25000が好ましい。
【0021】
本発明のスケール防止剤(配合品)は、後述の様に菌類抑制剤を含有してもよい。菌類抑制剤を含有するか否かによって、効果などの観点から、本発明のスケール防止剤(配合品)の使用濃度は異なってくるのが通常である。従って、本発明は、本発明のスケール防止剤が菌類抑制剤を含有していない場合は、該スケール防止剤を50〜500mg/リットルの濃度範囲内に希釈・保持して使用することを特徴とするスケール防止方法、並びに、本発明のスケール防止剤が菌類抑制剤を含有している場合は、該スケール防止剤を100〜2000mg/リットルの濃度範囲内に希釈・保持して使用することを特徴とするスケール防止方法をも提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
式(1)で表わされる(メタ)アクリル酸及び/又はその塩単量体単位(a)を構成する為に用いられる好ましい単量体としては、例えば、メタアクリル酸、アクリル酸及びそれらのナトリウム塩を挙げることができる。式(2)で表わされる(メタ)アクリルアミド−アルキル−及び/又はアリール−スルホン酸及び/又はその塩単量体単位(b)を構成する為に用いられる好ましい単量体としては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩などを挙げることができる。また、式(3)で表わされる置換(メタ)アクリルアミド単量体単位(c)を構成する為に用いられる好ましい単量体としては、例えば、t−ブチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどを挙げることができ、特にt−ブチルアクリルアミド、t−オクチルアクリルアミドが好ましい。また、式(1)、式(2)、式(3)で表わされる単量体単位(a)、(b)及び(c)を構成する単量体類に加えて、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のジカルボン酸類やその塩又は無水物、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類や酢酸ビニールなどを本発明のスケール防止剤の効果を損なわない限りの量で用いることもできるが、単量体単位(a)、(b)及び(c)のターポリマーが一般的で、好ましい。
【0024】
上記の水溶性共重合体を合成する方法は、(メタ)アクリル酸の共重合体の一般的な合成方法でよく、例えば、特開昭62−129136号公報に開示されているのと同様の方法を用いることができる。より具体的には、例えば、少なくとも式(1)、式(2)及び式(3)に相当する単量体を水やイソプロパノール等の溶媒中で、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を用いて、所定の温度で、所定の単量体濃度で重合させればよい。この際、必要に応じて、分子量調節のために、塩化第1銅、塩化第2銅、硫酸第2銅、硫酸第1鉄、重亜硫酸ナトリウム等の金属塩類を用いてもよい。
【0025】
本発明のスケール防止剤を銅系の熱交換器や配管等がある冷却水系等の処理水系で使用する際は、更に銅や銅合金等の銅系金属用の防食剤にあたるアゾール系化合物を本発明のスケール防止剤に配合するのが好ましい。そのようなアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、アミノトリアゾールなどを挙げることができ、これらは単独でも混合しても用いることができる。ベンゾトリアゾールとトリルトリアゾールが好ましい。
【0026】
また、スライムや微生物の発生を防ぐため、本発明のスケール防止剤に菌類抑制剤を配合するのが好ましい場合もある。そのような菌類抑制剤としては、例えば、有機硫黄窒素化合物類などが挙げられ、その具体例としては、2−メチル−3−イソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロンなどを挙げることができ、これらは単独でも混合しても用いることができる。
【0027】
本発明のスケール防止剤に上記の様な成分を配合する場合、各成分は、例えば、次のような比率で配合する。アゾール系化合物の配合量は、本発明のスケール防止剤(配合品)の総重量に対して、0.01〜10重量%であるのが効果とコストの点から好ましい。菌類抑制剤の配合量は、本発明のスケール防止剤(配合品)の総重量に対して、1〜30重量%であるのが効果とコストの点から好ましい。
【0028】
本発明のスケール防止剤は、上記の様な菌類抑制剤を含有していない場合は水系において通常50〜500mg/リットルの濃度範囲内に希釈・保持して使用すると良く、上記の様な菌類抑制剤を含有している場合は通常100〜2000mg/リットルの濃度範囲内に希釈・保持して使用すると良い。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
【0030】
実施例1
スケール付着防止効果を評価するために、下記の様な試験を行なった。
表1に示す成分を含有する薬剤を調製し、各薬剤をそれぞれ試験水(pH9.0、全硬度500mgCaCO3/リットル、シリカ濃度220mgSiO2/リットル)に所定の濃度になるように添加した。それから、50℃の恒温槽に設置したビーカーに薬剤を添加したそれぞれの試験液を入れ、金属製試験片(材質SUS304、寸法50mm×30mm×1mm)を吊るして浸漬し、マグネティックスターラーで各試験液を7日間攪拌した。7日後にそれぞれの試験液から試験片を取り出し、試験片表面に付着した軟質なスケールを除去するため純水で1分間超音波洗浄を行ない、乾燥後、試験片の重量を測定した。試験片の腐食減量は実質的に無視することができることから、試験片へのスケール付着量は試験前後での試験片の重量差から求めた。試験結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
但し、表1中の略号は以下の通りである。
AA:アクリル酸
AMPS:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
t−B:t−ブチルアクリルアミド
AA/AMPS/t−B:単量体重量比率=50:25:25のターポリマー
PAA:ポリアクリル酸
PMA:ポリマレイン酸
HEDP:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
Mw:重量平均分子量
【0032】
【表2】
【0033】
実施例2
スケール析出抑制効果を評価するために、下記のような試験を行なった。
実施例1の表1に示す成分を含有する薬剤を調製し、各薬剤をそれぞれ試験水(pH9.0、全硬度500mgCaCO3/リットル、シリカ濃度200mgSiO2/リットル)に所定の濃度になるように添加し、ビーカーに入れた。それから、それぞれの試験液にセラミックヒーターを浸漬し、約90℃で5時間加熱することによりスケールの生成を促進させた。セラミックヒーター加熱前及び加熱後の試験液を孔径0.45μmのフィルターで濾過した後、その濾液のシリカ及び全硬度成分の濃度を測定し、各薬剤のシリカおよび硬度成分の析出抑制率(%)を下式により求めた。試験結果を表3に示す。
析出抑制率(%)=(シリカ又は全硬度の試験後濃度/シリカ又は全硬度の試験前濃度)×100
【0034】
【表3】
【0035】
実施例1と2から分かるように、本発明のスケール防止剤は、高シリカ濃度、高硬度水系においても、従来のシリカ系スケール防止剤よりも明らかにスケールの生成を防止していることが分かる。特に、シリカ系スケールの様な硬質なスケールに対して極めて優れた析出抑制効果及びスケール付着防止効果を有していることが分かる。
【0036】
【発明の効果】
本発明のスケール防止剤では、ホスホン酸による硬度成分のキレート化と共にカルボキシル基/スルホン酸基/置換アミド基を持つ水溶性アクリル系共重合体によるコロイダルシリカの分散とが相乗的に作用し、シリカ濃度200mgSiO2/リットルを越える様な高シリカ濃度の水系においてもシリカ系スケールの生成を極めて効果的に防止し得ると考えられる。また、本発明のスケール防止剤は、上記水溶性アクリル系共重合体の分散作用により、上記の様な高いシリカ濃度の水系のみならず全硬度が500mgCaCO3/リットルを越える様な水系でも効果的にスケールの付着を防止することができると考えられる。
【0037】
本発明のスケール防止剤は、冷却水処理系、排水処理系、工業用水処理系、純水処理系等の水処理系全般において、配管や熱交換器等へのスケールの付着を防止するために、適用できるものである。なお、本発明のスケール防止剤は、好ましくは冷却水系で用いるとよく、特にシリカ系スケールに対して極めて優れた析出抑制効果及びスケール付着防止効果を発揮するものである。
Claims (2)
- シリカ濃度が200mgSiO 2 /リットル以上の水系において、
ホスホン酸及び/又はその塩、および、少なくとも(メタ)アクリル酸及び/又はその塩の単量体単位、(メタ)アクリルアミド−アルキル−及び/又はアリール−スルホン酸及び/又はその塩の単量体単位及び置換(メタ)アクリルアミドの単量体単位からなる水溶性共重合体を含有するスケール防止剤であって、前記ホスホン酸及び/又はその塩が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩類、および、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びその塩類から選ばれる少なくとも1種であるスケール防止剤を使用することを特徴とするスケール防止方法。 - 前記水系の全硬度が500mgCaCO 3 /リットル以上であることを特徴とする請求項1に記載のスケール防止方法。
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