JP4969592B2 - 水解性衛生紙 - Google Patents

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本発明は、トイレットペーパーのシートなどの水解性衛生紙に関する。
トイレットペーパーのシートなどの水解性衛生紙は、直接肌に触れるものであることから、消費者から、柔らかさ、ふんわり感、滑らかさ、厚み感等といった官能性に優れるものが要求されている。
一方、近年の温水洗浄便座の普及に伴い、トイレットペーパーのシートに要求される性能が変化してきている。すなわち、温水洗浄便座においてトイレットペーパーのシートを用いる主目的は、洗浄後の体表面に残った水をぬぐい取ることであるため、温水洗浄便座において使用されるトイレットペーパーのシートに最も要求されるものは吸水性である。そのため、従来より、このようなトイレットペーパーのシートには、体表面に残った水の全量を吸収し、かつシートに吸収した水分が裏抜けして手の側に付かないことが求められてきた。
そこで、シートを重ねることによって生ずる空隙を利用することで吸水性を向上させ、1組のシートで必要な機能を果し得る温水洗浄便座に適したトイレットペーパーのシートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−172072号公報
しかしながら、上記発明では、水解性衛生紙を重ね合わせると共に、衛生紙にエンボス加工を施して、表面積を拡大することにより、シートとシートの間の吸水力を確保して吸水性を向上させているが、エンボスの数が増えると、柔らかさや滑らかさが低下して肌触りが悪くなってしまうといった問題が生じる。また、衛生紙表面の柔らかさや滑らかさについての考慮がないため、***部に疾患のある使用者にとっては、使用上使いづらいという問題がある。
そこで、本発明の主たる課題は、吸水性を確保するとともに、裏抜け防止を確実に図り、かつ厚み感と柔軟性を与えることができる水解性衛生紙を提供することである。また、従たる課題は、柔らかくすることにより発生しやすくなる紙粉を低減した水解性衛生紙を提供することでもある。
(請求項1記載の発明)
セルロースからなるパルプ繊維から構成された、表層と、中層と、裏層の3プライからなる水解性衛生紙であって、
各層の米坪を11〜22g/m 2 、厚さを60〜200μmとし、
前記表層及び裏層である外層を柔軟剤が添加されたものとして、前記外層の吸水量を150〜400g/m 2 とするとともに、水解性衛生紙全体としてのソフトネス(JIS L1096 曲げ剛性)を1.5〜1.9gとし、
前記中層を中層の質量に対する固形分質量比で0.02〜0.06%のサイズ剤を配合したものとして前記中層の吸水量を100〜300g/m 2 とするとともに、前記外層の吸水時間と前記中層の吸水時間との比率を1:15〜1:1.5とした、
ことを特徴とする水解性衛生紙。
(作用効果)
両外層の吸水時間と、中層の吸水時間とで、比率として1:15〜1:1.5の差を持たせることで、まず外層において吸収した水分を敏速に内部に閉じ込めた後、外層よりも吸水時間の遅い層で水分を拡散させることができ、水解性衛生紙の厚み感及び吸水性を適正に確保した上で、水分の裏抜けを好適に図ることができる。
また、水解性衛生紙の構成として、各層の米坪が11〜22g/m2、かつ各層の紙厚が60〜200μmとし、さらに、外層の吸水量が150〜400g/m2、かつ外層以外の少なくともいずれかの層の吸水量が100〜300g/m2とすることが好ましい。
さらに、水解性衛生紙のソフトネス(JIS L1096 曲げ剛性)が1.5〜1.9gであることから、厚み感を確保し、硬くなりすぎず肌触り感も好適である。
(請求項2記載の発明)
前記サイズ剤が、中性サイズ剤又は酸性サイズ剤である、請求項1記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
前記サイズ剤が、中性サイズ剤又は酸性サイズ剤であることから、液の裏抜けを十分に低減することができる。
(請求項3記載の発明)
前記中性サイズ剤が、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸である、請求項2記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
前記中性サイズ剤が、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸であることから、液の裏抜けを十分に低減することができ、撥水性が強くなりすぎることもない。
(請求項4記載の発明)
前記酸性サイズ剤が、けん化天然ロジン、強化ロジンである、請求項2記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
前記酸性サイズ剤が、けん化天然ロジン、強化ロジンであることから、液の裏抜けを十分に低減することができ、撥水性が強くなりすぎることもない。
(請求項5記載の発明)
前記柔軟剤が、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性イオン界面活性剤である、請求項1乃至4のいずれか1項記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
前記柔軟剤が、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性イオン界面活性剤であることから、表面の柔らかさや滑らかさが発現し、肌触りがよくなる。特に、***部に疾患のある使用者にとって、患部を傷めることなく好適に水分の拭き取りができる。
(請求項6記載の発明)
前記中層に、湿潤紙力増強剤が添加され、水解性衛生紙の長手方向の湿潤引張強度[cN/25mm](JIS P 8113)が、10〜50である、請求項1記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
外層の長手方向の湿潤引張強度[cN/25mm](JIS P 8113)を、10〜50として、外層に水分拭き取りに耐えうるだけの引張強度を持たせているので、使用時の破れ等の不具合を防止することができる。
(請求項7記載の発明)
前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂である、請求項6記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂であることから、中層の表面強度が上がるため、紙粉の発生を抑えることができる。
(請求項8記載の発明)
ラミネートエンボス加工された、請求項1乃至7のいずれか1項記載の水解性衛生紙。
(作用効果)
ラミネートエンボス加工すると、厚み感を向上させると共に、表面積を拡大させることにより吸水性を向上させることができる。
本発明の水解性衛生紙によると、吸水性を確保するとともに、裏抜け防止を確実に図り、かつ厚み感と柔軟性を与えることができる。また、柔らかくすることにより発生しやすくなる紙粉を低減することができる。
水解性衛生紙の断面模式図である(3層)。 水解性衛生紙の断面模式図である(4層)。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
〔構造〕
本発明に係る水解性衛生紙10は、図1及び図2に示すように、3層のプライからなる。
本発明に係る水解性衛生紙10は、図1に示すように、一方の外層11以外の少なくともいずれかの層が、図示例では、中層21が、弱サイズ効果を効かせた浸透速度が遅い液透過抑制層となっている。これにより、外層を吸液層とした場合、一方の外層11(例えば表層)に吸収(吸水)された水分Wの裏抜け(他方の外層12(例えば裏層)への抜け)が防止され、水分が手についたりして不衛生であるとの問題が解決される。この際、図2に示すように、中層21,21を2層以上の複数層とし、これらを全て液透過抑制層とすることもできる。なお、本明細書では、水解性衛生紙10の両表面を構成する層を、外層11,12、この外層11,12に挟まれる層を全て中層21と表現している。
〔基紙の原料等〕
本発明に係る水解性衛生紙において、基紙の原料は、特に限定されず、適宜の原料を使用することができる。原料として、パルプ繊維を使用する場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。
パルプ繊維等の原料は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、基紙とする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
ただし、吸液層は、セルロース、ヘミセルロース、親水性アセテートセルロース及び親水性不織布の少なくともいずれか1つが原料とされているのが好ましい。
一方、液透過抑制層は、フィルム、撥水性不織布及びアセテートセルロースの少なくともいずれか1つが原料とされているのが好ましい。もっとも、液透過抑制層が、パルプ繊維を原料とする場合も、サイズ剤を、パルプ絶乾質量に対する固形分質量比で0.02〜0.06%含むと好ましいものとなり、0.03〜0.05%含むとより好ましいものとなる。サイズ剤の配合量が、0.02質量%未満であると、液の裏抜けを十分に低減することができなくなる。他方、サイズ剤の配合量が、0.06質量%を超えると、撥水性が強くなり過ぎるとの問題が生じる。
サイズ剤としては、例えば、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸等の中性サイズ剤、けん化天然ロジン、強化ロジン等の酸性サイズ剤などを、使用することができる。
〔吸水時間〕
本発明における水解性衛生紙の吸水時間は、JIS P 8111の条件下で、次の方法で測定されるものである。すなわち、先ずサンプルシートをコップの口に載せ、サンプルの周縁部を輪ゴムでコップの口に固定する。次に、スポイトを用いて水を1滴(5μl)サンプルの上に高さ1cmの位置から落とし、水滴が落下してからサンプル中に完全に吸い込まれるまでの時間をストップウォッチで測定し、吸水時間(秒/1滴)とする。ここで、水滴を真上ではなく斜め(垂直に対して45度の傾斜)から見たときに光が反射しなくなったと判断されたとき、サンプル中に完全に吸い込まれたと判断するものとする。
これに基づいて、外層及び中層を、各々単独で測定した際の吸水時間の比率が1:15〜1:1.5となることが好ましい。一方、外層の吸水時間を1としたとき、中層の吸水時間が15超である場合は、中層での水分吸収が追いつかず拡散の方が主体となり、中層の表面上に水分が留まり、また、外層に逆戻りするため、吸水性を確保するには不十分となってしまう。他方、外層の吸水時間を1としたとき、中層の吸水時間が1.5未満である場合は、水分の垂直方向の浸透が早くなり、他方の外層まで水分が浸透してしまい、裏抜けする恐れがある。
〔吸水量〕
吸液層である外層の吸水量が150〜400g/m2となるのが好ましい。なぜなら、150g/m2未満では、外層に水分が留まり、吸水性を確保するには不十分であるからである。また、400g/m2超では、吸水性を確保する上では優れるが、使用時の手の圧力により、水分が逆戻りする恐れがあるためである。
液透過抑制層である中層の吸水量が100〜300g/m2となるのが好ましい。なぜなら、150g/m2未満では、外層に水分が留まり、吸水性を確保するには不十分であるからである。また、300g/m2超では、吸水性を確保する上では優れるものの、使用時の手の圧力により、水分が逆戻りする恐れがあるためである。
〔坪量〕
本発明に係る水解性衛生紙におけるトイレットペーパーの各層の坪量は、JIS P 8124の坪量測定方法において、11〜22g/m2となるのが好ましい。なぜなら、11g/m2未満では、トイレットペーパーの柔らかさの向上の観点からは好ましものの、トイレットペーパーとしての強度を適正に確保することができないためである。また、22g/m2超では、トイレットペーパーが硬くなりすぎて、トイレットペーパーの肌触りが悪化するためである。
〔紙厚〕
各層の紙厚は、60〜200μmとなるのが好ましい。なぜなら、60μm未満では、トイレットペーパーの柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、トイレットペーパーとしての強度を適正に確保することができないためである。また、200μm超では、トイレットペーパーが硬くなりすぎて、トイレットペーパーの肌触りが悪化するだけでなく、使用時にゴワツキ感が生じるためである。
なお、紙厚の測定方法としては、JIS P 8111の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定するものとする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(トイレットペーパー)を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。
〔引張強度〕
本発明に係る水解性衛生紙におけるトイレットペーパーのシートは、当該トイレットペーパーの製造工程において、所定量の湿潤紙力増強剤が添加されているものである。ここで、JIS P 8113の引張試験方法において、湿潤状態における当該トイレットペーパーの長手方向の引張強度[cN/25mm](湿潤紙力)が、10〜50となるのが好ましい。なぜなら、10未満では、加工の際の糊(例えば、水系の糊)の塗布において衛生紙が破れてしまい、糊の塗布を適正に行うことが困難となるからである。また、50超では、水解性が悪くなって商品価値が低下することとなるからである。よって、トイレットペーパーの長手方向の湿潤引張強度[cN/25mm]を10〜50とすることにより、湿潤状態における紙力が適正に確保されたトイレットペーパーを提供することができる。
なお、引張強度の測定方法としては、JIS P 8113において、例えば、筆等の所定の水分付与手段を用いてトイレットペーパーを濡らした状態で行う方法が挙げられる。
添加する湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
また、外層以外の少なくともいずれかの層に、抄紙の段階で一過性湿潤紙力剤及び/又はカチオン澱粉を添加することが好ましく、好適には0.5〜8.0kg/トン(パルプトン)添加することが望ましい。一方、8.0kg/トン(パルプトン)を超えると、紙力が強すぎ、使用後水洗トイレに廃棄した際の水解性の阻害要因となる。他方、0.5kg/トン(パルプトン)未満であると、表面強度が悪いため、表面から突出するセルロース繊維が毛羽立ち、結果セルロース繊維の固まりである紙粉が発生しやすくなる。
〔水解性〕
本発明に係る水解性衛生紙におけるトイレットペーパーの水解性は、JIS P 4501で規定される、ほぐれやすさの試験方法における結果が90秒以下が好ましい。90秒を超えると、使用後水洗トイレに廃棄しても水解が遅く、トイレに詰まる恐れが生じるからである。
〔水分浸透度〕
トイレットペーパーの水分浸透度は、水平に上記構成のトイレットペーパーのシートを複数枚(プライ)積み重ね、積み重ねた該シートの表面に水1mlを滴下した際に、滴下された水分が浸透する枚数が10枚以下であることが好ましい。
ここで、水分浸透度の具体的な測定方法としては、3プライのトイレットペーパーを1組として、これを順次積み重ねていき、少なくとも10組の積み重ねの試料を用意する。この試料を水平の台に設置する。次いで1mlの水をスポイドで吸引し、スポイドの先が試料表面に接触しない程度の高さから1mlの水を滴下する。完全に水が試料に吸収されたことを確認後、水により湿潤している層の枚数を上から数えていくものである。
水が浸透する枚数が10枚以下としたのは、先に記載した吸収時間の比率に基づく実使用上の水分の裏抜けの程度を実験値で証明するためであり、10枚を超えるものは、実質上、吸収時間の比率を逸脱したものとなるからである。
〔ソフトネス〕
本発明に係る水解性衛生紙におけるトイレットペーパーのシートのソフトネス(JIS L1096 曲げ剛性)は、1.5〜1.9gであることが好ましい。なぜなら、1.5g未満では、トイレットペーパーが柔らかくなりすぎて厚み感の確保が困難となるためである。また、1.9g超では、トイレットペーパーが硬くなりすぎて肌触りが悪化するためである。
ここで、ソフトネスとは、10cm巾の衛生薄葉紙を端子によって巾5.0mmの隙間に押し込んだときの抵抗値(縦横の平均値)であり、値が小さいほど、柔らかいことを意味する。本明細書でソフトネス は、ハンドルオメータ法(JIS L−1096 E法)によって測定した値をいう。ソフトネスは、例えば、坪量、層の数、層を形成する繊維・フィルム等の種類、融着加工条件などを変化させることにより、調節することができる。
〔柔軟剤〕
本発明に係る水解性衛生紙においては、外層に柔軟剤を添加することが好ましい。柔軟剤の例としては、界面活性剤系の柔軟剤であり、その柔軟剤としては、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性イオン界面活性剤のなかから適宜選択して用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩系、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、燐酸エステル塩系などを用いることができる。特にアルキル燐酸エステル塩が好ましい。
非イオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレート、プロピレングリコールモノステアレートなどの多価アルコールモノ脂肪酸エステル、N−(3−オレイロシキ−2−ヒドロキシプロピル)ジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット密ロウ、ポリオキシエチレンソルビタンセスキステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどを用いることができる。
カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、アミン塩、またはアミンなどをもちいることができる。また、両性イオン界面活性剤としては、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する第2級または第3級アミンの脂肪族誘導体、または複素環式第2級または第3級アミンの脂肪族誘導体などを用いることができる。
本発明の柔軟剤としては、カチオン系界面活性剤を使用するのが望ましい。このカチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、アミン塩、またはアミンなどをもちいることができる。また、両性イオン界面活性剤としては、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する第2級または第3級アミンの脂肪族誘導体、または複素環式第2級または第3級アミンの脂肪族誘導体などを用いることができる。
これらの柔軟剤のシートへの添加は、内添でも外添でもよい。また、薬液に対して、陰イオン界面活性剤、香料、着色料、防腐剤、酸化防止剤などの副次的添加剤を、1%以下の割合で添加することができる。
柔軟剤を添加することにより、表面の柔らかさや滑らかさが発現し、肌触りがよくなる。特に、***部に疾患のある使用者にとって、患部を傷めることなく好適に水分の拭き取りができる。
〔エンボス加工〕
本実施の形態の水解性衛生紙において各シートにそれぞれエンボスが付与されてから重ねると、厚み感を向上させるとともに表面積を拡大して吸水性を向上させることが可能となり好適である。なお、より好適にはラミネートエンボス加工が望ましい。
本発明に係る水解性衛生紙の実施例と、比較例1〜3を比較した。
なお、表1及び表2における吸水量(g/m2)は、予め重量測定済みの10cm×10cmにカットした製品1組を水に浸し、全面に水が浸透しきったら水面から静かに上げて余剰な水分を振り落として秤量した重量増加分のことをいうものとする。
本発明に係る水解性衛生紙の実施例は、比較例1〜3に比べて、吸水性を確保するとともに、裏抜け防止を確実に図り、かつ厚み感と柔軟性を与えることができることがわかった。また、紙粉を低減させることができた。
Figure 0004969592
Figure 0004969592
本発明は、トイレットペーパーのシートなどの水解性衛生紙として適用可能である。
10…水解性衛生紙、11,12…外層、21…中層、W…液。

Claims (8)

  1. セルロースからなるパルプ繊維から構成された、表層と、中層と、裏層の3プライからなる水解性衛生紙であって、
    各層の米坪を11〜22g/m 2 、厚さを60〜200μmとし、
    前記表層及び裏層である外層を柔軟剤が添加されたものとして、前記外層の吸水量を150〜400g/m 2 とするとともに、水解性衛生紙全体としてのソフトネス(JIS L1096 曲げ剛性)を1.5〜1.9gとし、
    前記中層を中層の質量に対する固形分質量比で0.02〜0.06%のサイズ剤を配合したものとして前記中層の吸水量を100〜300g/m 2 とするとともに、前記外層の吸水時間と前記中層の吸水時間との比率を1:15〜1:1.5とした、
    ことを特徴とする水解性衛生紙。
  2. 前記サイズ剤が、中性サイズ剤又は酸性サイズ剤である、請求項1記載の水解性衛生紙。
  3. 前記中性サイズ剤が、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸である、請求項2記載の水解性衛生紙。
  4. 前記酸性サイズ剤が、けん化天然ロジン、強化ロジンである、請求項2記載の水解性衛生紙。
  5. 前記柔軟剤が、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性イオン界面活性剤である、請求項1乃至4のいずれか1項記載の水解性衛生紙。
  6. 前記中層に、湿潤紙力増強剤が添加され、水解性衛生紙の長手方向の湿潤引張強度[cN/25mm](JIS P 8113)が、10〜50である、請求項1記載の水解性衛生紙。
  7. 前記湿潤紙力増強剤が、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂である、請求項6記載の水解性衛生紙。
  8. ラミネートエンボス加工された、請求項1乃至7のいずれか1項記載の水解性衛生紙。
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