JP4968594B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関、特に、運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御するようにした内燃機関の制御装置に関する。
従来から、運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御するようにした内燃機関は周知である。
また、内燃機関の燃焼室における混合気の燃焼開始時期(火花点火時期または圧縮着火時期)を大きなトルクが得られると共にノッキングが発生しない最適なタイミング(MBT:Minimum advance for Best Torque)に設定するために、燃焼室における燃焼割合に基づいて燃焼開始時期を進角または遅角させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、内燃機関に要求される要求トルクに対応させて、燃焼室における燃焼割合がそれぞれ目標燃焼割合になるように点火時期やバルブオーバーラップ量を制御する手法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−189281号公報 特開2007−32531号公報
ところで、上述の運転状態に応じてバルブオーバーラップ量を制御するに際し、気筒ごとに可変バルブタイミング機構を備える内燃機関の場合には、その気筒ごとに目標燃焼形態を満たすべくバルブオーバーラップ量の制御を行えばよい。
しかしながら、全気筒一律にバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構を備える内燃機関の場合、ある気筒に合わせてバルブオーバーラップ量の制御を行うと、バルブオーバーラップ量は全気筒共通となってしまう。その結果、気筒間に機差バラツキなどが存するときは、ある気筒については目標燃焼形態を満たさせることが可能であるが、残りの気筒については十分に満たさせることができないことがある。換言すると、全気筒に亘っての燃焼形態を精度よく制御することができず、燃費の悪化、出力の低下ないしは排気エミッションが増加してしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、燃費の悪化や出力の低下を回避しつつ、排気エミッションを確実に低減させることできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明による内燃機関の制御装置の一形態は、運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御するようにした内燃機関において、気筒ごとに燃焼形態を検知する燃焼形態検知手段と、当該燃焼形態検知手段により検知された気筒ごとの燃焼形態の目標燃焼形態との偏差を算出する燃焼形態偏差算出手段と、当該燃焼形態偏差算出手段により算出された気筒ごとの偏差に基づき、当該偏差を解消すべく、当該気筒への燃料噴射形態を変更する燃料噴射形態変更手段と、を備えることを特徴とする。
この本発明による内燃機関の制御装置の一形態によれば、運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量が変更されると、燃焼形態検知手段によって気筒ごとに燃焼形態が検知される。そして、この検知された気筒ごとの燃焼形態は、燃焼形態偏差算出手段によってその運転状態に対応されて設定されている目標燃焼形態と対比され、目標燃焼形態との偏差が算出される。さらに、燃料噴射形態変更手段によって、この燃焼形態偏差算出手段により算出された気筒ごとの偏差に基づいて、この偏差を解消するように、当該気筒への燃料噴射形態が変更される。この偏差を解消する燃料噴射形態への変更によって、偏差が存在していた気筒においては目標燃焼形態になる結果、気筒間のバラツキが解消され、燃費の悪化や出力の低下を回避しつつ、排気エミッションを確実に低減させることできる。
ここで、前記燃焼形態検知手段は、気筒ごとの筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、前記筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力に基づいて所定のタイミングにおける燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、を備えることが好ましい。
また、前記燃焼形態偏差算出手段は、前記燃焼割合算出手段によって算出される燃焼割合に基づく気筒ごとの燃焼期間のうちの最大燃焼期間を選定し、当該最大燃焼期間と目標燃焼期間とが一致するように最小バルブオーバーラップ量に制御する最小バルブオーバーラップ量制御手段と、当該最小バルブオーバーラップ量による運転状態で、前記目標燃焼期間との偏差を気筒ごとに算出する偏差算出手段と、を備えることが好ましい。
さらに、燃料噴射形態変更手段は、気筒ごとに設けられ筒内に直接に燃料を噴射する筒内燃料噴射手段と、前記筒内燃料噴射手段により噴射供給される燃料の初期と後期との噴射割合を気筒ごとに制御する燃料噴射割合制御手段と、を備えることが好ましい。
なお、前記燃焼割合算出手段は、前記筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて前記燃焼割合を算出することが好ましい。
さらに、前記所定のタイミングは、吸気弁閉弁後かつ燃焼開始前に設定された第1のタイミングと、前記燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定された第2のタイミングとの間に設定されており、前記燃焼割合算出手段は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間における前記積値の差分と、前記第1のタイミングと前記所定のタイミングとの間における前記積値の差分とに基づいて前記燃焼割合を算出することが好ましい。
本発明によれば、運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御するようにした内燃機関において、燃費の悪化や出力の低下を回避しつつ、排気エミッションを確実に低減させることできる内燃機関の制御装置の実現が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明による制御装置が適用された内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料及び空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されており、本実施形態の内燃機関1は、例えば#1ないし#4気筒を有している4気筒エンジンとして構成されている。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気管(吸気マニホールド)5にそれぞれ接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気管6(排気マニホールド)にそれぞれ接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気弁Vi及び排気弁Veが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viは対応する吸気ポートを開閉し、各排気弁Veは対応する排気ポートを開閉する。各吸気弁Vi及び各排気弁Veは、可変バルブタイミング機構を含む可変動弁機構VMによって開閉させられる。なお、本実施の形態における可変バルブタイミング機構は、例えば、各吸気弁Vi及び各排気弁Veを開閉駆動する不図示のカムシャフトの位相を変更することにより、全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御することができる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5は、図1に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気ラインL1が接続されており、給気ラインL1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気ラインL1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)10、エアフローメータ13が組み込まれている。一方、排気管6には、図1に示されるように、例えば三元触媒を含む前段触媒装置11a及び例えばNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は、複数のインジェクタ12を有し、各インジェクタ12は、図1に示されるように、対応する燃焼室3内に直接に燃料噴射が可能なようにシリンダヘッドに配置されている。また、内燃機関1の各ピストン4は、いわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面に、凹部4aを有している。そして、内燃機関1では、各燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ12から各燃焼室3内のピストン4の凹部4aに向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関1では、点火プラグ7の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12及び可変動弁機構VM等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、及び、記憶装置等を含むものである。ECU20には、図1に示されるように、エアフローメータ13やクランク角センサ14を始めとした各種センサが電気的に接続されている。ECU20は、運転状態に応じて記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、可変動弁機構VM等を制御する。
また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子、磁歪素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ(筒内圧検出手段)15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15は、燃焼室3内でその受圧面に加わる圧力(筒内圧力)を大気圧に対する相対値として出力するものであり、その受圧面に加わる圧力(筒内圧力)に応じた電圧信号(検出値を示す信号)をECU20に与える。
更に、内燃機関1は、サージタンク8内の吸入空気の圧力(吸気圧)を絶対圧力として検出する吸気圧センサを有している。吸気圧センサも、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されており、検出したサージタンク8内の吸入空気の絶対圧力を示す信号をECU20に与える。なお、エアフローメータ13やクランク角センサ14、吸気圧センサの検出値は、微小時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。また、各筒内圧センサ15の検出値(筒内圧力)は、吸気圧センサの検出値に基づいて絶対圧補正された上で、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。
次に、本実施形態においてECU20で実行される燃焼形態制御の制御手順の一例を説明する。
まず、本実施形態では、図2のフローチャートに示すメインルーチンに従い、先ず、ステップS210において内燃機関1の運転状態が、吸入空気量や機関回転数等のパラメータを読込むことにより求められる。そして、次のステップS220において、かかる運転状態に対応した点火時期SA,総燃料噴射量T及びバルブオーバーラップ量OLなどの基本制御値が、ECU20に保管されている基本設定マップから読み出されて設定される。そして、ステップS230においてかかる基本制御値と必要に応じた補正値とに基づいて、各アクチュエータの制御量が決定され、当該制御量に対応して各アクチュエータが作動される。なお、以下においては、理解の容易化及び説明の簡便化のために、この補正はされないものとして説明する。また、このアクチュエータとしては、点火時期SAに関しては点火プラグ7の不図示のイグナイター、総燃料噴射量Tに関してはインジェクタ12、バルブオーバーラップ量OLに関しては可変バルブタイミング機構のカムシャフトの位相位置を変えるための油圧アクチュエータが相当する。
なお、バルブオーバーラップ量OLに関しては、ポンピングロスを軽減し、効率を高めるべく、燃焼悪化によるエミッションの増加を伴わない範囲で、極力大きくなるように基本制御値が設定されている。バルブオーバーラップ量OLの制御は、バルブオーバーラップ量OLが大きくなるように制御する場合には、可変バルブタイミング機構により、各吸気弁Viを開閉駆動するカムシャフトの位相を基準位置から進角させる、及び/又は、各排気弁Veを開閉駆動するカムシャフトの位相を基準位置から遅角させることにより行われる。なお、小さくする場合にはその逆にすればよい。
そして、次のステップS240において、#1ないし#4の気筒ごとに燃焼形態が検知される。なお、この燃焼形態の検知の詳細については後述する。さらに、ステップS250に進み、この検知された気筒ごとの燃焼形態は、上述の運転状態に対応されて設定されている目標燃焼形態と対比され、目標燃焼形態との偏差が算出される。そして、次のステップS260においてこの算出された気筒ごとの偏差に基づいて、この偏差を解消するように、当該気筒への燃料噴射形態が変更される。より具体的には、気筒ごとに燃料の初期と後期との噴射割合が偏差の大きさに対応して変更される。
ここで、上述のステップS240における燃焼形態の検知の方法について説明する。本実施の形態における燃焼形態の検知は、ある燃焼室について所定のタイミングにおける燃焼割合MFBを算出することにより行われる。
そこで、クランク角がθである際に筒内圧検出手段としての筒内圧センサ15によって検出される筒内圧力をP(θ)とし、クランク角がθである際の筒内容積をV(θ)とし、比熱比をκとした場合に、筒内圧力P(θ)と、筒内容積V(θ)を比熱比κで累乗した値Vκ(θ)との積値P(θ)・Vκ(θ)(以下、適宜「PVκ」と記す)の変化パターンと、クランク角に対する内燃機関の燃焼室内における熱発生量Qの変化パターンとは、図3に示されるような相関を有する。この図3において、実線は、所定のモデル気筒において所定の微小クランク角おきに検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の比熱比κで累乗した値との積値PVκをプロットしたものであり、破線は、上記モデル気筒における熱発生量Qを次の(1)式に基づき、Q=∫dQ/dθ・Δθとして算出・プロットしたものである。なお、何れの場合も、簡単のために、比熱比κ=1.32としてある。また、図3において、−360°,0°及び360°は、上死点に、−180°及び180°は、下死点に対応する。
Figure 0004968594
図3に示される結果からわかるように、クランク角に対する熱発生量Qの変化パターンと、クランク角に対する積値PVκの変化パターンとは、概ね一致(相似)しており、特に、筒内の混合気の燃焼開始(ガソリンエンジンでは火花点火時、ディーゼルエンジンでは圧縮着火時)の前後(例えば、図3における約−180°から約135°までの範囲)では、熱発生量Qの変化パターンと、積値PVκの変化パターンとは極めて良好に一致することがわかる。
本発明の好ましい実施形態においては、燃焼室における熱発生量Qと積値PVκとの相関を利用して、筒内圧センサ15によって検出される筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積との積値PVκに基づいて、ある2点間におけるトータルの熱発生量に対する当該2点間の所定のタイミングまでの熱発生量の比である燃焼割合MFBが求められる。
ここで、積値PVκに基づいて燃焼室における燃焼割合MFBを算出すれば、高負荷な演算処理を要することなく燃焼室における燃焼割合を精度よく得ることができるからである。すなわち、図4に示されるように、積値PVκに基づいて求められる燃焼割合(同図における実線参照)は、熱発生率に基づいて求められる燃焼割合(同図における破線参照)とほぼ一致する。
図4において、実線は、上述のモデル気筒においてクランク角=θとなるタイミングにおける燃焼割合MFBを、次の(2)式に従うと共に、検出した筒内圧力P(θ)に基づいて算出し、プロットしたものである。ただし、簡単のために、比熱比κ=1.32とした。また、図4において、破線は、上述のモデル気筒においてクランク角=θとなるタイミングにおける燃焼割合MFBを、上記(1)式及び次の(3)式に従うと共に、検出した筒内圧力P(θ)に基づいて算出し、プロットしたものである。この場合も、簡単のために、κ=1.32とした。
Figure 0004968594
Figure 0004968594
更に、上記所定のタイミングは、吸気弁閉弁後かつ燃焼開始前に設定された第1のタイミングと、燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定された第2のタイミングとの間に設定されるとよく、燃焼割合算出手段は、第1のタイミングと第2のタイミングとの間における積値の差分と、第1のタイミングと所定のタイミングとの間における積値の差分とに基づいて燃焼割合MFBを算出すると好ましい。
この場合、当該所定のタイミングにおけるクランク角をθとすると、クランク角=θとなる当該所定のタイミングにおける燃焼割合MFBは、第1のタイミングと上記所定のタイミングとの間における積値PVκの差分{P(θ)・Vκ(θ)−P(θ)・Vκ(θ)}を、第1のタイミングと第2のタイミングとの間における積値PVκの差分{P(θ)・Vκ(θ)−P(θ)・Vκ(θ)}で除して100を乗じることにより得ることができる。これにより、3点において検出した筒内圧力に基づいて精度よく燃焼割合を求めることが可能となり、演算負荷を大幅に低減させることができる。
そこで、ステップS240における燃焼形態としての燃焼割合MFBの算出に際して、ECU20は、まず、対象となる気筒の燃焼室3について所定の記憶領域から、吸気弁Viの閉弁後かつ点火前の第1のタイミング(クランク角がθとなるタイミング)における筒内圧力P(θ)と、点火の後かつ排気弁開弁前の第2タイミング(クランク角がθとなるタイミング)における筒内圧力P(θ)と、第1のタイミングと第2のタイミングとの間に予め定められており、クランク角=θ(ただし、θ<θ<θ)となる所定のタイミングにおける筒内圧力P(θ)とを読み出す。
クランク角θは、燃焼室3内において燃焼が開始される時点(点火時)よりも十分に前のタイミングに設定されると好ましく、例えば−60°とされる。また、クランク角θは、燃焼室3内における混合気の燃焼が概ね完了したタイミングに設定されると好ましく、例えば90°とされる。更に、第1のタイミングと第2のタイミングとの間の所定のタイミングは、燃焼割合MFBがほぼ50%になることが実験的、経験的に知られているクランク角がθ=8°(上死点後8°)となるタイミングに設定されている。
なお、燃焼割合MFBがおよそ50%となるクランク角は、内燃機関の冷却損失によって変化するものであり、機種によって上死点後8°から多少前後する。
ECU20は、筒内圧力P(θ)、筒内圧力P(θ)及び筒内圧力P(θ)を読み出すと、クランク角がθ,θ及びθとなる時の積値P(θ)・Vκ(θ),P(θ)・Vκ(θ)及びP(θ)・Vκ(θ)を算出する。すなわち、ECU20は、筒内圧力P(θ)と、筒内圧力P(θ)の検出時、すなわち、クランク角がθとなる時の筒内容積V(θ)を比熱比κ(本実施形態では、κ=1.32)で累乗した値との積である積値P(θ)・Vκ(θ)を算出する。同様に、ECU20は、筒内圧力P(θ)と、クランク角がθとなる時の筒内容積V(θ)を比熱比κで累乗した値との積である積値P(θ)・Vκ(θ)、及び、筒内圧力P(θ)と、クランク角がθとなる時の筒内容積V(θ)を比熱比κで累乗した値との積である積値P(θ)・Vκ(θ)を算出する。
なお、Vκ(θ),Vκ(θ)及びVκ(θ)の値は、予め算出された上で記憶装置に記憶されている。
そして、ECU20は、クランク角がθ,θ及びθとなる時の積値P(θ)・Vκ(θ),P(θ)・Vκ(θ)及びP(θ)・Vκ(θ)を用いて、次の(4)式からクランク角がθとなるタイミングにおける燃焼割合MFBを算出する。これにより、3点において検出された筒内圧力P(θ),P(θ),P(θ)に基づいて精度よく燃焼割合MFBが求められる。
Figure 0004968594
次に、燃焼形態としての上述の燃焼割合MFBと、燃焼期間Θ及びバルブオーバーラップ量OLとの関係について、図5のグラフを参照して説明する。
図5は、縦軸に燃焼割合MFB、横軸にクランク角CAを取って、バルブオーバーラップ量OLの変化に応じて燃焼割合MFBが変化する様子を示したグラフであり、バルブオーバーラップ量OLが小さいとき(曲線aで示す)は燃焼割合MFBの上昇勾配が大きく、バルブオーバーラップ量OLが大いとき(曲線bで示す)は燃焼割合MFBの上昇勾配が小さいことを示している。なお、SAは点火時期、すなわち燃焼開始時期、TDCは上死点である。
ここで、燃焼期間Θとは、燃焼割合MFBが0%の燃焼開始時期から燃焼割合MFBが100%の燃焼終了時期までのクランク角期間と云うこともできるが、本明細書では、一般的に用いられている、燃焼割合MFBが0%の燃焼開始時期から燃焼割合MFBが90%を超える燃焼終了時期までのクランク角期間としている。したがって、図5に示す例では、曲線aで示されるバルブオーバーラップ量OLが小さいときの燃焼期間はΘであり、曲線bで示されるバルブオーバーラップ量OLが大きいときの燃焼期間はΘである。このことから、バルブオーバーラップ量OLが大きくなるにつれて、燃焼期間Θは長くなることが分かる。
このように、上述のステップS240において実行される気筒ごとの燃焼形態の検知は、本実施の形態においては、所定のタイミングを含む3点において筒内圧センサ15により検出した筒内圧力に基づいて燃焼割合MFBが求められ、且つ、燃焼期間Θが#1ないし#4の気筒ごとに、Θi(Θ#1、Θ#2、Θ#3、Θ#4)として求められる。
そして、上述のステップS250において実行される、気筒ごとの燃焼形態の目標燃焼形態との偏差の算出は、本実施の形態においては、図6のフローチャートに示すサブルーチンに従い実行される。まず、ステップS2501において、#1ないし#4の気筒ごとの燃焼期間Θi(Θ#1、Θ#2、Θ#3、Θ#4)のうちの最大燃焼期間Θmaxが選定される。そして、次のステップS2502において、当該最大燃焼期間ΘmaxとステップS210で読込まれた運転状態に対応して設定されている目標燃焼形態としての目標燃焼期間Θtとが一致するように、バルブオーバーラップ量OLがフィードバック制御される。このフィードバック制御の結果、バルブオーバーラップ量は最小バルブオーバーラップ量OLminとなる。
そこで、次のステップS2503において、この最小バルブオーバーラップ量OLminによる次のサイクルの運転状態で、再度、#1ないし#4の気筒ごとの燃焼期間Θiが求められる。そして、ステップS2504において、目標燃焼期間Θtとこの燃焼期間Θiとの気筒偏差αiが、αi=Θt−Θiにより気筒ごとに算出される。
ここで、目標燃焼期間Θtと気筒偏差αiとの関係を、図7のグラフを参照してさらに説明する。図7は、縦軸に燃焼期間Θ、横軸にバルブオーバーラップ量OLを取って、気筒間のバラツキ、すなわち、差が存する場合に、その差に起因してバルブオーバーラップ量OLが所定の値のときに燃焼期間Θが異なることになる様子を示したグラフである。但し、図7においては、上述の最大燃焼期間Θmaxと目標燃焼期間Θtとが一致するように、バルブオーバーラップ量OLが最小バルブオーバーラップ量OLminにフィードバック制御された結果、例としての#3気筒の燃焼期間Θ#3が目標燃焼期間Θtに一致する、α#3=0の場合が示されている。なお、図7のグラフは、あくまでも説明のためのものであって、気筒間の差に起因する目標燃焼期間Θtとの気筒偏差αiなどは誇張して示されている。また、図7のグラフには、#2気筒における気筒偏差がα#2=Θt−Θ#2として特に例示されているが、他の#1及び#4の気筒についても同様である。
そして、前述のステップS260において実行される燃料噴射形態の変更処理では、上述の算出された気筒ごとの気筒偏差αiに基づいて、この偏差を解消するように、燃料噴射形態が変更される。なお、上述した偏差α#3=0である#3気筒については変更の必要がないことは云うまでもない。
本実施の形態において、この燃料噴射形態の変更は気筒ごとにインジェクタ12から噴射される燃料の初期と後期との噴射割合、換言すると、噴き分け割合が偏差αiの大きさに対応して変更される。そこで、βを噴射割合変換係数として定めると、ステップS210で読込まれた運転状態に対応して設定されている総燃料噴射量Tが、次式(5)に示すように、初期と後期に噴き分けられてインジェクタ12から噴射されることになる。
総燃料噴射量T=(1−αi×β)×T+αi×β×T…(5)
ここで、上の(5)式の右辺における前の項が初期燃料噴射量、同じく後の項が後期燃料噴射量となる。この初期燃料噴射の時期は、吸気行程あるいは点火時期SAより前の圧縮行程であり、後期燃料噴射の時期は燃焼開始後の適宜時期であってよく、上死点後が好ましい。なお、この噴射割合変換係数βは気筒偏差αiの大きさに対応させて燃焼期間Θを適切に延長すべく設定されるものである。但し、図8に示すように、燃焼期間Θを長くすべく、後期燃料噴射の割合が多くなるようにし過ぎる(例えば、20%超)と、初期燃料噴射量が少なくなり過ぎて点火プラグ7による点火によっても燃焼が開始しない、いわゆる失火が生ずる可能性がある(図8に失火領域をハッチングで示す)ので、予め実験により適正値が求められて、ECU20のROMにマップとして保管されている。
なお、上述の実施形態においては、ステップS210で吸入空気量を読込み運転状態を把握するようにしたが、この吸入空気量はエアフローメータ13によらずに、筒内圧センサ15を用いて圧縮行程中かつ燃焼開始前の所定のタイミングで検出される筒内圧力に基づいて、燃焼室に吸入された空気の量を算出することによってもよい。
本発明の制御装置が適用された内燃機関を示す概略構成図である。 本発明の制御装置による燃料噴射形態変更の制御手順を説明するためのフローチャートである。 本発明において用いられる積値PVκと、燃焼室内における熱発生量との相関を示すグラフである。 積値PVκに基づいて求められる燃焼割合と、熱発生率に基づいて求められる燃焼割合との相関を示すグラフである。 燃焼形態としての燃焼割合MFBと、燃焼期間Θ及びバルブオーバーラップ量OLとの関係を説明するためのグラフである。 本発明の制御装置による目標燃焼形態との偏差を算出する制御手順を説明するためのフローチャートである。 気筒間のバラツキに起因してバルブオーバーラップ量OLが所定の値のときに燃焼期間Θが異なる様子を示すグラフである。 後期燃料噴射の割合と失火領域との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 内燃機関
3 燃焼室
7 点火プラグ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
20 ECU
Ve 排気弁
Vi 吸気弁
VM 可変動弁機構

Claims (4)

  1. 運転状態に応じて全気筒共通にバルブオーバーラップ量を変更・制御するようにした内燃機関において、
    気筒ごとに燃焼形態を検知する燃焼形態検知手段と、
    当該燃焼形態検知手段により検知された気筒ごとの燃焼形態の目標燃焼形態との偏差を算出する燃焼形態偏差算出手段と、
    当該燃焼形態偏差算出手段により算出された気筒ごとの偏差に基づき、当該偏差を解消すべく、当該気筒への燃料噴射形態を変更する燃料噴射形態変更手段と、を備え、
    前記燃焼形態検知手段は、気筒ごとの筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、前記筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力に基づいて所定のタイミングにおける燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、を備え、
    前記燃焼形態偏差算出手段は、前記燃焼割合算出手段によって算出される燃焼割合に基づく気筒ごとの燃焼期間のうちの最大燃焼期間を選定し、当該最大燃焼期間と目標燃焼期間とが一致するように最小バルブオーバーラップ量に制御する最小バルブオーバーラップ量制御手段と、当該最小バルブオーバーラップ量による運転状態で、前記目標燃焼期間との偏差を気筒ごとに算出する偏差算出手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 燃料噴射形態変更手段は、気筒ごとに設けられ筒内に直接に燃料を噴射する筒内燃料噴射手段と、前記筒内燃料噴射手段により噴射供給される燃料の初期と後期との噴射割合を気筒ごとに制御する燃料噴射割合制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼割合算出手段は、前記筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて前記燃焼割合を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記所定のタイミングは、吸気弁閉弁後かつ燃焼開始前に設定された第1のタイミングと、前記燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定された第2のタイミングとの間に設定されており、前記燃焼割合算出手段は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間における前記積値の差分と、前記第1のタイミングと前記所定のタイミングとの間における前記積値の差分とに基づいて前記燃焼割合を算出することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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