JP4277279B2 - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
従来から、比熱比をパラメータとして含む吸気通路内の吸入空気に関する流体モデルを用いて、内燃機関の燃焼室に導入される吸入空気の量を予測する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、従来から、排ガス還流システムを備えたディーゼルエンジンの制御装置として、比熱比を用いてエンジン制御用のパラメータを算出するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。このディーゼルエンジンの制御装置では、吸入空気量と実際のEGR率とをパラメータとするマップを参照して、吸気のガス組成に対応した比熱比が求められ、求められた比熱比を用いてエンジン制御用のパラメータである圧縮上死点における筒内ガス温度が算出される。
特開2001−41095号公報 特開平11−200934号公報
ここで、筒内に導入されている混合気の比熱比は、筒内に供給される燃料の組成やガス温度等によって変化するものであるから、比熱比を用いて内燃機関を制御する際には、比熱比として定数を用いるよりも、比熱比をその都度算出する方が好ましい。しかしながら、比熱比を求めるためのマップ等の適合には、多大な時間と労力とが要求されており、従来から、比熱比を容易かつ精度よく推定可能とする技術が求められている。
そこで、本発明は、機関制御用の各種パラメータの設定に用いられる比熱比を容易かつ精度よく推定可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の提供を目的とする。
本発明による内燃機関の制御装置は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、吸気行程中の所定の1点における筒内圧センサの検出値と所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて筒内圧センサのバイアス値を算出した上で、バイアス値と、圧縮行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、筒内に導入されている混合気の比熱比の推定値を算出する比熱比算出手段を備えることを特徴とする。
また、この内燃機関の制御装置は、比熱比算出手段によって算出される比熱比の推定値に基づいて、筒内に供給されている燃料の性状を判定する燃料性状判定手段を更に備えると好ましい。
更に、この内燃機関の制御装置は、比熱比算出手段によって算出される比熱比の推定値に基づいて、筒内におけるEGRガスの割合を求める手段を更に備えてもよい。
また、この内燃機関の制御装置は、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、吸気行程中の所定の1点に対応した時点を設定する手段を更に備えると好ましい。
本発明による内燃機関の制御方法は、筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、吸気行程中の所定の1点および圧縮行程中の少なくとも所定の2点にて筒内圧力を検出すると共に吸気行程中の所定の1点に対応した時点にて吸入空気の圧力を検出し、所定の1点における筒内圧力と所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて筒内圧センサのバイアス値を算出した上で、バイアス値と、少なくとも所定の2点における筒内圧力および筒内容積とに基づいて、筒内に導入されている混合気の比熱比の推定値を算出することを特徴とする。
この場合、比熱比の推定値に基づいて、筒内に供給されている燃料の性状を判定すると好ましく、比熱比の推定値に基づいて、筒内におけるEGRガスの割合を求めてもよい。また、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、吸気行程中の所定の1点に対応した時点を設定すると好ましい。
本発明によれば、機関制御用の各種パラメータの設定に用いられる比熱比を容易かつ精度よく推定可能とする内燃機関の制御装置および制御方法の実現が可能となる。
本発明者は、機関制御用の各種パラメータの設定に用いられる比熱比を容易かつ精度よく推定すべく鋭意研究を行い、その過程で、まず、筒内圧センサの実測値と筒内圧力の真値との関係に着目した。すなわち、クランク角がθである時の筒内圧力の実測値(筒内圧センサの出力電圧値を圧力に換算した値)をPc(θ)、クランク角がθである時の筒内圧力の真値をPct(θ)、筒内圧センサの感度(ゲイン)をα、筒内圧センサのバイアス値をδとすれば、筒内圧力の実測値Pc(θ)と筒内圧力の真値Pct(θ)との間には、一般に次の(1)式に示される関係が成り立つ。
Figure 0004277279
また、例えば吸気下死点付近(吸気行程中に吸気弁を閉じる〔閉じ始める〕時点)付近では、筒内圧力(真値)と吸気系統における吸入空気の圧力とが概ね一致することから、クランク角がθである時の吸入空気の圧力(絶対圧力)をPi(θ)とし、吸気行程中にクランク角がθ0となる時に筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するとすれば、上記(1)式を用いて、筒内圧センサのバイアス値を、
Figure 0004277279
として表すことができる。ただし、添字「pi」は、バイアス値が吸入空気の圧力に基づいて算出されたことを示す。
ここで、(2)式における「λ」は、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量(筒内圧力と吸入空気の圧力とが概ね一致するタイミングの位相差)を示す。すなわち、吸気脈動等に起因して、例えば吸気下死点付近(クランク角がθ0となる時点)での筒内圧力は、実際には、吸気下死点から多少遅れた時点(クランク角がθ0+λとなる時点)での吸入空気の圧力と概ね一致する。このような現象を考慮して、(2)式には、かかる位相遅れ量λが導入される。
一方、内燃機関の圧縮行程を断熱過程であるとみなした場合、クランク角がθである際の筒内容積をV(θ)とし、筒内に導入されている混合気の比熱比をκとすれば、筒内圧力Pc(θ)と筒内容積V(θ)を比熱比κで累乗した値Vκ(θ)との積であるPc(θ)・Vκ(θ)および筒内容積の圧縮行程中の所定の2点間(クランク角がθ1,θ2となる時点の間)における変化分を用いて、筒内圧センサのバイアス値を、
Figure 0004277279
として表すことができる。ただし、添字「pv」は、バイアス値が、Pc(θ)・Vκ(θ)に基づいて算出されたことを示す。
上記(2)式から得られるバイアス値δpiと、上記(3)式から得られるバイアス値δpvとは、本来等しくなるべきものであるから、(3)式においてδpv=δpiとした上でκについて解けば、比熱比κの推定値κeを、
Figure 0004277279
として算出することができる。これにより、上記(4)式を用いれば、吸気行程中の所定の1点における筒内圧センサの検出値と、吸気行程中の所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力(吸気圧センサの検出値)と、圧縮行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧センサの検出値および筒内容積とから、比熱比κの推定値κeを容易かつ精度よく算出することが可能となる。
すなわち、比熱比κの推定値κeを求めるに際しては、まず、吸気行程中の所定の1点(クランク角がθ0となる時点)および圧縮行程中の所定の2点(クランク角がθ1,θ2となる時点)にて筒内圧力を検出すると共に、上記吸気行程中の所定の1点に対応した時点(クランク角がθ0+λとなる時点)にて吸入空気の圧力を検出する。更に、上記所定の1点における筒内圧力Pc(θ0)と上記所定の1点に対応した時点における吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)とに基づいて、筒内圧センサのバイアス値δpiを算出した上で、バイアス値δpiと、上記所定の2点における筒内圧力Pc(θ1),Pc(θ)および筒内容積V(θ1),V(θ2)とを上記(4)式に代入することにより、比熱比κの推定値κeが得られるのである。この結果、本発明によれば、多大な時間と労力とが要求される比熱比算出用マップ等の適合処理を省略しつつ、機関制御用の各種パラメータの設定に用いられる比熱比κの正確な推定値κeを低負荷で容易に得ることが可能となる。
また、上記(2)式に、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量λを導入し、吸入空気の圧力を検出する時点(吸気行程中の所定の1点に対応した時点)を位相遅れ量λに応じて設定することにより、筒内圧センサのバイアス値δpiを精度よく算出することが可能となる。そして、上述のようにして算出される比熱比κの推定値κeを用いれば、後述されるように、筒内に供給されている燃料の重質度といった燃料性状や、筒内におけるEGRガスの割合等を容易かつ精度よく把握することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明による内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図1には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気マニホールドを介して吸気管5に接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気マニホールドを介して排気管6に接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構VMによって開閉させられる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5は、図1に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気管L1が接続されており、給気管L1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気管L1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)10が組み込まれている。一方、排気管6には、図1に示されるように、三元触媒を含む前段触媒装置11aおよびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は、図1に示されるように、複数のインジェクタ12を有し、インジェクタ12は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。また、内燃機関1の各ピストン4は、いわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には、凹部4aが形成されている。そして、内燃機関1では、各燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ12から各燃焼室3内のピストン4の凹部4aに向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関1では、点火プラグ7の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。なお、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる直噴エンジンとして説明されるが、これに限られるものではなく、本発明が吸気管(吸気ポート)噴射式の内燃機関に適用され得ることはいうまでもない。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12および動弁機構VM等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。ECU20には、図1に示されるように、内燃機関1のクランク角センサ14を始めとした各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、動弁機構VM等を制御する。
また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3における筒内圧力(相対圧力)を検出し、検出値を示す信号をECU20に与える。更に、内燃機関1は、サージタンク8内の吸入空気の圧力(吸気圧)を絶対圧力として検出する吸気圧センサ16を有している。吸気圧センサ16は、図示されないA/D変換器等を介してECU20に電気的に接続されており、検出したサージタンク8内の吸入空気の絶対圧力を示す信号をECU20に与える。クランク角センサ14、各筒内圧センサ15および吸気圧センサ16の検出値は、微小時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。
次に、図2を参照しながら、上述の内燃機関1において比熱比κの推定値κeを算出し、更に、筒内におけるEGRガスの割合を制御する手順について説明する。図2に示されるルーチンは、内燃機関1のECU20によって所定時間おきに実行され、ECU20は、本ルーチンの実行タイミングになると、まず、クランク角センサ14の検出値に基づいて、内燃機関1の回転数を取得する(S10)。機関回転数を取得すると、ECU20は、記憶装置に記憶されている所定のマップまたは関数式を用いて、S10にて取得した回転数に対応する位相遅れ量λを設定する(S12)。
ここで、かかる位相遅れ量λは、本実施形態において、概ね吸気下死点になる時刻(吸気行程中に吸気弁を閉じる時点)と、吸入空気の圧力が吸気下死点における筒内圧力と概ね一致する時刻との差に応じた角度とされるが、本発明者の研究によれば、位相遅れ量λは、機関回転数が増加するにつれて大きくなり、機関回転数に対して概ね比例して増加することが判明している。このため、S12では、図3に示されるような機関回転数と位相遅れ量λとの相関を規定するマップまたは関数式が用いられる。なお、S12にて用いられるマップまたは関数式を作成するに際しては、吸気弁Viや排気弁Veの開閉タイミングやリフト量、更には内燃機関1における背圧を考慮すると好ましい。
S12にて位相遅れ量λを設定すると、ECU20は、所定の記憶領域から、燃焼室3ごとに、クランク角がθ0(例えば−180°)となる時の筒内圧力Pc(θ0)と、クランク角がθ0+λ(例えば−180°+λ)となる時の(吸気下死点付近における)吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)とを読み出す(S14)。更に、ECU20は、燃焼室3ごとに、読み出した筒内圧力Pc(θ0)と、吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)とを上記(2)式に代入することにより、筒内圧センサ15のバイアス値δpiを算出すると共に、すべての燃焼室3についてバイアス値δpiの平均値δpiaを算出する(S16)。なお、本実施形態では、S16にて用いられる(2)式における筒内圧センサ15の感度αは、感度変化(感度ズレ)が殆ど無いものとして一定の値とされる。
また、バイアス値δpiの平均値δpiaを算出すると、ECU20は、所定の記憶領域から、燃焼室3ごとに、クランク角がθ1(例えば−100°)となる時の筒内圧力Pc(θ1)と、クランク角がθ2(例えば−50°)となる時の筒内圧力Pc(θ2)とを読み出すと共に、すべての燃焼室3について、筒内圧力Pc(θ1)の平均値Pca(θ1)と、筒内圧力Pc(θ2)の平均値Pca(θ2)とを算出する(S18)。なお、角度θ1およびθ2は、圧縮行程中に含まれるように選択されば、それぞれの値は任意とされ得る。
このようにして、バイアス値δpiの平均値δpia、筒内圧力Pc(θ1)の平均値Pca(θ1)および筒内圧力Pc(θ2)の平均値Pca(θ2)を算出すると、ECU20は、これらの値を筒内容積V(θ1),V(θ2)と共に、上記(4)式にδpi=δpia,Pc(θ1)=Pca(θ1),Pc(θ2)=Pca(θ2)として代入することにより、比熱比κの推定値κeを算出する(S20)。なお、S20にて用いられる筒内容積V(θ1),V(θ2)の値(本実施形態では、logV(−100°)およびlogV(−50°)の値)は、予め算出された上で記憶装置に記憶されており、ECU20は、これら筒内容積V(θ1),V(θ2)の値を記憶装置から読み出してS20の処理に用いる。推定値κeを得ると、ECU20は、機関制御用の各種パラメータを得るために記憶されている比熱比κを推定値κeで更新し(S22)、更に、更新された比熱比κ(=推定値κe)に基づいて、各燃焼室3内におけるEGRガスの割合であるEGR率bを算出する(S24)。ここで、空気の比熱比をκair(例えば、およそ1.4)とし、EGRガスの比熱比κegr(例えば、およそ1.3)とすると、
Figure 0004277279
として表されるので、これを「b」について解けば、EGR率bは、
Figure 0004277279
として求めることができる。
EGR率bを求めると、ECU20は、所定のマップ等から運転条件に応じた目標EGR率btを読み出すと共に、EGR率bから目標EGR率btを減じた値(b−bt)が目標EGR率btに応じた上限値b1を上回っているか否か判定する(S26)。S26にて値(b−bt)が上限値b1を上回っていると判断した場合、ECU20は、動弁機構VMを制御して吸気弁Viの開弁タイミングを所定量だけ遅角させるか、および/または、排気弁Veの開弁タイミングを所定量だけ進角させ、それにより、吸気弁Viと排気弁Veとのオーバーラップを減少させる(S28)。これにより、各燃焼室3に残留する高温の既燃ガス量を減少させることができるので、EGR率bを減少させて目標EGR率btに近づけることが可能となる。
また、S26にて値(b−bt)が上限値b1以下であると判断した場合、ECU20は、更に、EGR率bから目標EGR率btを減じた値(b−bt)が目標EGR率btに応じた下限値b2を下回っているか否か判定する(S30)。S30にて値(b−bt)が下限値b2を下回っていると判断した場合、ECU20は、動弁機構VMを制御して吸気弁Viの開弁タイミングを所定量だけ進角させるか、および/または、排気弁Veの開弁タイミングを所定量だけ遅角させ、吸気弁Viと排気弁Veとのオーバーラップを増加させる(S32)。これにより、各燃焼室3に残留する高温の既燃ガス量を増加させることより、EGR率bを増大化させて目標EGR率btに近づけることが可能となる。
S30にてEGR率bから目標EGR率btを減じた値(b−bt)が下限値b2以上であると判断される場合(S30にて否定判断がなされる場合)、S24にて算出されたEGR率bは、概ね目標EGR率bt付近の値となっていることになるから、動弁機構VMの制御(バルブオーバーラップの制御)は、特に実行されない。そして、ECU20は、S28またはS32の処理を実行した後、あるいは、S30にて否定判断を行った後、本ルーチンの次の実行タイミングまで待機することになる。
このように、内燃機関1では、機関制御用の各種パラメータの設定に用いられる比熱比κの正確な推定値κeを得ることが可能である。そして、上述のようにして算出される比熱比κの推定値κeを用いれば、各燃焼室3におけるEGR率bを容易かつ精度よく把握して目標EGR率btに近づけることが可能となる。なお、圧縮行程中のサンプリング点を3点以上として、3点以上のサンプリング点における筒内圧力の平均値を用いて推定値κeを算出してもよい。これにより、推定値κeの算出精度をより一層向上させることができる。また、サージタンク8の吸気圧センサ16を省略し、吸入空気の圧力Pi(θ0+λ)をスロットルバルブ10の開度や、吸入空気量を測定する図示されないエアフローメータの測定値から推定して用いてもよい。更に、バイアス値δpiや筒内圧力Pc(θ1),Pc(θ)の平均をとらずに、燃焼室3ごとに比熱比κやEGR率bを算出してもよい。
そして、上述の内燃機関1は、ガソリンエンジンであるものとして説明されたが、これに限られるものではなく、本発明がディーゼルエンジンに適用され得ることはいうまでもない。すなわち、上述のようにして比熱比κの推定値κeを算出し、更に、各燃焼室3におけるEGRガスの割合を制御するルーチンは、排ガス還流システムを備えたディーゼルエンジンに好適である。
このような場合、図4に示されるように、S26にてEGR率bから目標EGR率btを減じた値(b−bt)が目標EGR率btに応じた上限値b1を上回っていると判断される場合、排ガス還流システムに含まれるEGR弁の開度を減じることにより(S29)、各燃焼室3に還流させる排気ガスの量を減少させればよい。また、S26にて値(b−bt)が上限値b1以下であると判断された後、更に、値(b−bt)が下限値b2を下回っていると判断された場合、排ガス還流システムに含まれるEGR弁の開度を増加させることにより(S33)、各燃焼室3に還流させる排気ガスの量を増加させればよい。これにより、ディーゼルエンジンの燃焼室におけるEGR率bを容易かつ精度よく把握して目標EGR率btに近づけることが可能となる。
図5は、上述の内燃機関1において各燃焼室3に供給されている燃料の性状を判定するルーチンを説明するためのフローチャートである。図5に示されるように、内燃機関1における燃料性状判定は、図2に関連して説明されたS10〜S22の処理を経て算出された比熱比κの推定値κeを用いて実行される。そして、ECU20は、S22にて所定の記憶領域に記憶されている比熱比κを推定値κeで更新すると、更新された比熱比κから標準状態での比熱比κr(例えば、κr=1.32)を減じた値が予め定められた閾値を上回っているか否か判定する(S23)。
ここで、各燃焼室3に供給される燃料の重質度が高い場合、各燃焼室3に導入されている混合気の比熱比κは、標準状態(κ=κrとなる状態)よりも大きな値を示すことになる。従って、S23にて肯定判断がなされる場合には、各燃焼室3に供給される燃料の重質度がある程度高いことになるから、この場合、ECU20は、各点火プラグ7による点火時期を所定量だけ遅角させるべく動弁機構VMを制御する(S25)。これにより、図5のルーチンが実行されれば、精度よく算出された比熱比κの推定値κeに基づいて把握される燃料の重質度に応じて、各点火プラグ7による点火時期が最適に設定されることになる。なお、ECU20は、S25の処理を実行した後、本ルーチンの次の実行タイミングまで待機することになる。
本発明による制御装置を含む内燃機関を示す概略構成図である。 図1の内燃機関において比熱比の推定値を算出し、更に、筒内におけるEGRガスの割合を制御するためのルーチンを示すフローチャートである。 内燃機関の回転数と、吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と概ね一致するようになるまでの位相遅れ量との関係を例示するグラフである。 比熱比の推定値を算出し、更に、EGRガスの割合を制御するためのルーチンの変形例を示すフローチャートである。 図1の内燃機関において比熱比の推定値を算出し、更に、筒内に供給されている燃料の性状を判定するためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 燃焼室
4 ピストン
5 吸気管
6 排気管
7 点火プラグ
8 サージタンク
10 スロットルバルブ
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
16 吸気圧センサ
L1 給気管
Ve 排気弁
Vi 吸気弁
VM 動弁機構

Claims (10)

  1. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御装置において、
    吸気行程中の吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点における前記筒内圧センサの検出値と前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて前記筒内圧センサのバイアス値を算出した上で、前記バイアス値と、圧縮行程中の少なくとも所定の2点における前記筒内圧センサの検出値および筒内容積とに基づいて、吸気行程中の前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に関係する吸入空気の圧力および筒内圧力を用いて求められる前記バイアス値と、前記圧縮行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧力および筒内容積を用いて求められるバイアス値とが等しいという関係を利用して、筒内に導入されている混合気の比熱比の推定値を算出する比熱比算出手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記比熱比算出手段によって算出される比熱比の推定値に基づいて、筒内に供給されている燃料の性状を判定する燃料性状判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記比熱比算出手段によって算出される比熱比の推定値に基づいて、筒内におけるEGRガスの割合を求める手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に対応した時点を設定する手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 吸気行程中の前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点は、吸気下死点であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 筒内圧力を検出する筒内圧センサを含む内燃機関の制御方法において、
    吸気行程中の吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点および圧縮行程中の少なくとも所定の2点にて筒内圧力を検出すると共に前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に対応した時点にて吸入空気の圧力を検出し、前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点における筒内圧力と前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に対応した時点における吸入空気の圧力とに基づいて前記筒内圧センサのバイアス値を算出した上で、前記バイアス値と、前記少なくとも所定の2点における筒内圧力および筒内容積とに基づいて、吸気行程中の前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に関係する吸入空気の圧力および筒内圧力を用いて求められる前記バイアス値と、前記圧縮行程中の少なくとも所定の2点における筒内圧力および筒内容積を用いて求められるバイアス値とが等しいという関係を利用して、筒内に導入されている混合気の比熱比の推定値を算出することを特徴とする内燃機関の制御方法。
  7. 前記比熱比の推定値に基づいて、筒内に供給されている燃料の性状を判定することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御方法。
  8. 前記比熱比の推定値に基づいて、筒内におけるEGRガスの割合を求めることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御方法。
  9. 吸気系統における吸入空気の圧力が筒内圧力と一致するようになるまでの位相遅れ量に応じて、前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点に対応した時点を設定することを特徴とする請求項からの何れかに記載の内燃機関の制御方法。
  10. 吸気行程中の前記吸入空気の圧力と筒内圧力とが一致する点は、吸気下死点であることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の内燃機関の制御方法。
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