JP2010138720A - エンジンの点火制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマジェット点火制御をより精緻に行うことができて、燃焼安定性、耐久性、燃費等の向上を充分に図ることのできるエンジンの点火制御装置を提供する。
【解決手段】混合気点火手段としてのプラズマジェット点火装置と、各気筒の燃焼安定性を検出するためのセンサ21、22とを備え、プラズマジェット点火制御時に、前記センサ21、22から得られる信号に基づいて各気筒毎に燃焼安定性指標を算出し、該燃焼安定性指標に基づき、各気筒毎にプラズマジェット点火装置による一燃焼サイクルについての点火回数及び/又は少なくとも1回の点火出力エネルギを増減する制御を行うようにされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマジェット点火装置を備えた筒内噴射式エンジンの点火制御装置に係り、特に、プラズマジェット点火装置使用時における燃焼安定性の向上や耐久性、燃費等の向上に寄与する筒内噴射式エンジンの点火制御装置に関する。
車載用エンジンの分野において、燃費や排気性能を向上させるべく、燃料を圧縮行程に噴射する成層燃焼運転を行うことが知られている。成層燃焼運転下で燃費や排気性能の向上を図る場合、燃焼安定性との両立が課題となる。そこで、燃焼室内の混合気点火手段としてプラズマジェット点火方式を採用して、現在一般に使用されている火花点火方式を採用するよりも大きな点火エネルギを混合気に与え、燃焼安定性をより向上させる方法が考えられている。しかし、プラズマジェット点火方式には、火花点火方式に比べて点火プラグの消耗が激しく早いことと、消費電力が大きいという問題があり、現状では一般の車載用エンジンに採用することは難しい。
そこで、上記問題の解決策として、従来、例えば下記特許文献1に見られるように、エンジンの運転状態に応じて点火プラグに加えるエネルギを調整(放電電流値及び放電時間を制御)するほか、リーンバーン運転時やエンジン冷却水温が低いとき等の難点火運転時には、プラズマジェット点火方式で点火を行い、それ以外は火花点火方式で点火を行うようにして、プラズマジェット点火方式(装置)と火花点火方式(装置)を併用することが提案されている。
特開平6−66236号公報
しかしながら、前記特許文献1に所載の点火制御装置では、点火プラグに加えるエネルギ(以下、点火出力エネルギと称す)の制御をフィードフォワード制御で行っているため、さほど精緻な点火制御を行うことができず、点火出力エネルギの調整分に過不足が生じるおそれがあり、プラズマジェット点火装置使用時における燃焼安定性や耐久性、燃費等の向上を充分には図ることができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、プラズマジェット点火装置使用時の点火制御をより精緻に行うことができて、燃焼安定性、耐久性、燃費等の向上を充分に図ることのできるエンジンの点火制御装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明に係るエンジンの点火制御装置は、基本的には、燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内の混合気点火手段としてのプラズマジェット点火装置と、各気筒の燃焼安定性を検出するためのセンサとを備える。
そして、前記プラズマジェット点火装置使用時に、前記センサから得られる信号に基づいて各気筒毎に燃焼安定性指標を算出し、該燃焼安定性指標に基づき、各気筒毎に前記プラズマジェット点火装置による一燃焼サイクルについての点火回数及び/又は少なくとも1回の点火出力エネルギを増減する制御を行うことを特徴としている。
好ましい態様では、前記燃焼室内の混合気点火手段として、前記プラズマジェット点火装置に加えて、火花点火装置を備える。
好ましい具体的な態様では、前記燃焼安定性を検出するためのセンサとしてのクランク角センサ及び/又はカム角センサを備え、該センサから得られる信号に基づいて、全気筒の平均クランク角速度に対する各気筒のクランク角速度の偏差量又はその相関値を求め、該偏差量又はその相関値に基づいて、各気筒毎に前記燃焼安定性指標を算出するようにされる。
他の好ましい具体的な態様では、前記燃焼安定性を検出するためのセンサとしての筒内圧センサを備え、該センサから得られる信号に基づいて、全気筒の平均筒内圧に対する各気筒の筒内圧の偏差量又はその相関値を求め、該偏差量又はその相関値に基づいて、各気筒毎に前記燃焼安定性指標を算出するようにされる。
別の好ましい態様では、各気筒毎に前記燃焼安定性指標が設定値以上に悪化したか否かを判断し、前記設定値以上に悪化した気筒については、前記点火回数を増加させるか、もしくは、前記点火出力エネルギを増加させ、前記設定値以上に悪化していない気筒については、前記点火回数を現状維持ないし減少させるか、もしくは、前記点火出力エネルギを現状維持ないし減少させる制御を行うようにされる。
他の好ましい態様では、エンジン冷却水温に基づいて目標燃焼安定性指標を算出し、前記燃焼安定性指標と前記目標燃焼安定性指標との比較結果に基づき、前記点火回数もしくは点火エネルギを増減する制御を行うようにされる。
他の好ましい態様では、前記点火回数及び/又は点火出力エネルギについての上限値を設定し、前記点火回数及び/又は点火出力エネルギが前記上限値に達した場合は、成層燃焼運転を禁止するようにされる。
別の好ましい態様では、前記プラズマジェット点火装置使用時に、前記燃焼安定性指標が設定値以上に悪化した気筒がある場合は、成層燃焼運転を禁止するようにされる。
他の好ましい態様では、エンジン回転数と吸入空気量に応じて複数ブロックに区切られた運転領域マップを各気筒毎に備え、該マップにおける各ブロックに前記燃焼安定性指標、点火回数、及び点火出力エネルギのうちの少なくとも一つを記憶するとともに、それを逐次更新するようにされる。
本発明に係るエンジンの点火制御装置では、プラズマジェット点火装置使用時に、クランク角センサや筒内圧センサ等から得られる信号に基づいて各気筒毎に燃焼安定性指標(燃焼安定度)を算出し、該燃焼安定性指標に基づき、プラズマジェット点火装置による一燃焼サイクルについての点火回数及び/又は少なくとも1回の点火出力エネルギを増減するフィードバック制御を行うようにされるので、プラズマジェット点火装置使用時の点火制御を従来のものより精緻に行うことができ、そのため、各気筒の燃焼安定性が向上して気筒間でのクランク角速度のばらつき等が低減されるとともに、耐久性、燃費、排気性能等の向上を充分に図ることができる。
以下、本発明のエンジンの点火制御装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るエンジンの点火制御装置の一実施形態を、それが適用された車載用エンジンの一例と共に示す概略構成図である。
図1において、本実施形態の点火制御装置1が適用されたエンジン10は、各気筒毎に、点火プラグ13と出力回路15を有する火花点火装置と、点火プラグ14と出力回路16を有するプラズマジェット点火装置とを備えた、例えば4つの気筒を有する筒内噴射式多気筒ガソリンエンジンである。該エンジン10は、シリンダヘッド及びシリンダブロックからなるシリンダ10Aと、このシリンダ10Aの各気筒内に摺動自在に嵌挿されたピストン17とを有し、ピストン17上方には、所定形状の天井ないしルーフ部を持つ燃焼室20が画成され、各気筒の燃焼室20の天井部中央には、燃焼室20内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁12が臨設され、その左右には、それぞれプラズマジェット点火用の点火プラグ14と火花点火用の点火プラグ13が臨設されている。
燃料の燃焼に供せられる空気は、エアークリーナ(図示せず)から、ホットワイヤ(H/W)式等のエアフローセンサ4やスロットル弁5が配在された管状通路部分、コレクタ6、吸気マニホールド(多岐管)、TCV(タンブルコントロールバルブ)18が配在された吸気ポート2a等からなる吸気通路2を通り、その下流端(吸気ポート2a端部)に配在された吸気弁8を介して各気筒の燃焼室20に分配供給される。
燃焼室20に吸入された空気と燃料噴射弁12から噴射された燃料との混合気は、火花点火用点火プラグ13もしくはプラズマジェット点火用点火プラグ14による点火により燃焼せしめられ、その燃焼廃ガス(排ガス)は、燃焼室20から排気弁9を介して排気ポート3a、排気マニホールド、排気浄化用触媒、排気管等からなる排気通路3を通って外部(大気中)に排出される。
また、各気筒毎に配備された燃料噴射弁12には、燃料タンク内の燃料(ガソリン等)が燃料ポンプにより3〜20MPa程度に加圧され、コモンレール11を介して供給される。燃料噴射弁12は、後述するエンジンコントロールユニット(ECU)100から供給される、そのときの運転状態に応じたパルス幅(開弁時間に相当する)を持つ開弁パルス信号により開弁駆動され、その開弁時間に応じた量の燃料を燃焼室20内に噴射供給するようになっている。
また、火花点火用の点火プラグ13には、コントロールユニット100で算出された点火時期で点火されるように、火花点火用駆動信号が火花点火用出力回路15から送られ、また、プラズマジェット用の点火プラグ14には、コントロールユニット100で算出された点火時期、点火回数で点火されるように、プラズマジェット点火用駆動信号がプラズマジェット点火用出力回路16から送られる。なお、火花点火用の点火プラグ13による1回の点火時間(放電時間)はミリ秒オーダーであるのに対し、プラズマジェット用の点火プラグ14による1回の点火時間はマイクロ秒オーダーと極めて短いので、プラズマジェット点火装置使用時には、必要に応じて、一燃焼サイクル中に点火(プラズマ放電)を複数回連続して行う場合、つまり、点火回数を2回以上とする場合があり、コントロールユニット100は、各気筒の燃焼安定性を向上させるために、上記点火回数を増減するようにされる(後で詳述)。また、この点火回数に代えて、プラズマジェット用の点火プラグ14に加える点火出力エネルギ(電力量)を増減するようにしてもよい。
そして、本実施形態の点火制御装置1においては、エンジン10の種々の制御を行うため、マイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット100が備えられている。
コントロールユニット100は、それ自体はよく知られているもので、CPU、入力回路、入出力ポート、RAM、ROM等で構成される。
コントロールユニット100には、図1、図2に示される如くに、入力信号として、エアフローセンサ4により検出される吸入空気量に応じた信号、スロットル開度センサ25により検出されるスロットル弁5の開度に応じた信号、クランク角センサ21から得られるクランクシャフトの回転(エンジン回転数)・位相(クランク角)をあらわす信号(クランク角センサからは、例えば、回転角1度毎に信号パルスが出力される)、カム角センサ22から得られるカムシャフトの回転・位相をあらわす信号(このカム角センサ22からの信号と前記クランク角センサ21からの信号とに基づいて気筒判定が行われる)、シリンダ10Aに配設された水温センサ19により検出されるエンジン冷却水温に応じた信号、車載バッテリ23の電圧等が供給される。
コントロールユニット100は、上記した如くの種々の入力信号に基づいて、燃料噴射制御、点火制御、TCV(タンブルコントロールバルブ)18の開閉制御(例えば、成層燃焼運転時には閉じて吸気流速を高めるとともにタンブルを生成し、均質燃焼運転時には開くようにされる)等を行う。
次に、コントロールユニット100が行うプラズマジェット点火装置使用時における点火制御について重点的に説明する。
図2に、コントロールユニット100がプラズマジェット点火装置使用時における点火制御に際して実行する処理内容を機能ブロック図で示す。コントロールユニット100は、クランク角センサ21及びカム角センサ22から得られる信号に基づいて、エンジン回転数を算出するエンジン回転数算出手段101、及び、全気筒の平均クランク角速度に対する各気筒のクランク角速度の偏差量(又はその相関値)を算出する偏差量算出手段102と、成層燃焼運転許可判定手段103と、プラズマジェット点火装置使用許可判定手段104と、燃焼安定性指標算出手段105と、目標燃焼安定性指標設定手段106と、燃焼安定レベル算出手段107と、点火回数設定手段108と、を機能的に備えている。
前記偏差量算出手段102は、より詳細には、各気筒における爆発行程でのクランク角速度(クランクシャフトの単位時間あたりの回転角度)をそれぞれ求める。ここで求めるクランク角速度は、例えば、爆発行程(ピストンが上死点から下死点に達するまでの)での回転角度(180度)をそれに要した時間で除算した値でもよいし、爆発行程における所定のクランク角度位置X(CA)からY(CA)までの回転角度をそれに要した時間で除算した値でもよいし、さらに、爆発行程における所定のクランク角度位置Z(CA)での瞬時値でもよい。なお、クランク角速度として各気筒の爆発行程での値を用いるのは、気筒間でのクランク角速度のばらつきが最も大きくなるのが爆発行程であるからである。
また、偏差量算出手段102で算出された偏差量(又はその相関値)は、燃焼安定性指標算出手段105で用いられる。
成層燃焼運転許可判定手段103は、エンジン冷却水温、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度等に基づいて、エンジンの運転状態が成層燃焼運転領域にあるか否かを判定する。成層燃焼運転領域にある場合、センサや部品の故障、各種診断NG等の成層燃焼運転禁止条件が不成立であれば、成層燃焼運転を許可する。
プラズマジェット点火装置使用許可判定手段104は、成層燃焼運転が許可されているときにおいて、各種センサ信号等に基づいて、プラズマジェット点火装置の使用を許可するか否かを判定する。プラズマジェット点火装置は、前述の通り点火プラグの消耗が早いことと、消費電力が大きいという問題があり、火花点火装置を使用したとしても燃焼安定性に大差ない運転領域にある場合やバッテリ残容量(電圧)が所定値より低い場合、プラズマジェット点火装置の使用は許可されない。
燃焼安定性指標算出手段105は、偏差量算出手段102で算出された各気筒毎の偏差量(又はその相関値)に基づいて、各気筒毎に燃焼安定性指標を算出する。燃焼安定性指標は、例えば、前記偏差量を前記平均クランク角速度で除した値とされ、前記偏差量(又はその相関値)が小さい程小なる値に設定される。ここで設定される燃焼安定性指標は、通常、図3に示される如くに、0から0.5程度までの範囲の値となり、燃焼安定性指標が0に近いほど燃焼安定性が良好であることを示す。なお、燃焼安定性指標は、例えば100燃焼サイクル単位で算出し、逐次更新する。
目標燃焼安定性指標設定手段106は、エンジンの冷却水温に応じて目標燃焼安定性指標を設定する(水温テーブルとなっている)。ここでは、図3において太い実線で示されているように、目標燃焼安定性指標を、水温が20°C〜40°Cのときは、0.25、水温が40°C〜80°Cのときは、0.25〜0.15、水温が80°Cを越えるときは、0.15に設定する。なお、水温が高いほど目標燃焼安定性指標を小さく設定するのは、水温が高いほど燃焼安定性が良好となるからである。加えて、水温が低い場合、排気性能を優先させるため、目標燃焼安定性指標を大きく設定する。
燃焼安定レベル設定手段107は、前記燃焼安定性指標算出手段105で算出された実際(現在)の燃焼安定性指標と前記目標燃焼安定性指標設定手段106で設定された目標燃焼安定性指標とを比較して、各気筒毎に現在の燃焼安定レベルを4段階に分けて設定する。具体的には、図3に示される如くに、燃焼安定性指標が目標燃焼安定性指標の50%未満の領域を「良」レベル領域、50%ないし100%未満の領域を「普通」レベル領域、100%以上〜150%未満の領域を「悪」レベル領域、150%以上の領域を「最悪」レベル領域に設定する。
点火回数設定手段108は、前記燃焼安定レベル設定手段107で設定された各気筒毎の燃焼安定レベル(「良」レベル、「普通」レベル、「悪」レベル、「最悪」レベルのうちのいずれか)に基づいて、各気筒毎にプラズマジェット点火装置使用時における点火回数Nspk_n(4気筒の場合、nは1〜4)を設定する。点火回数Nspk_nは、初期値及び下限値が1回であり、上限値が5回に設定される。すなわち、図4に示される如くに、コントロールユニット100(のメモリ)には、エンジン回転数と吸入空気量に応じて複数ブロックに区切られた運転領域マップが各気筒毎に備えられており、該マップにおける各ブロックに点火回数を記憶するとともに、それを前記燃焼安定レベルに応じて、例えば100燃焼サイクル経過毎に更新するようにされる。具体的には、「良」レベルと判定された気筒は、点火回数Nspk_nが2回以上であれば点火回数Nspk_nを1回だけ減算し、点火回数Nspk_nが1回であれば現状を維持する。「悪」レベルと判定された気筒は、点火回数Nspk_nを1回だけ加算する。
加えて、点火回数Nspk_nが上限値の5回となると、成層燃焼運転が禁止される。また、燃焼安定レベルが「最悪」レベルの気筒が一つでもあっても、成層燃焼運転が禁止される。成層燃焼運転が禁止されると、均質燃焼運転に移行せしめられ、この移行に伴い、点火方式もプラズマジェット点火方式から火花点火方式に変更される。
次に、コントロールユニット100が実行する点火制御ルーチン(前記各手段103〜108の処理等)を、図5、図6に示されるフローチャートを参照しながら説明する。
この点火制御ルーチンは、所定周期で繰り返して実行され、スタート後、まずステップS1(成層燃焼運転許可判定手段103)で、エンジン冷却水温、エンジン回転数、吸入空気量、スロットル開度等に基づいてエンジンの運転状態が成層燃焼運転領域にあるか否かを判定する。成層燃焼運転領域にある場合、前述したように、センサや部品の故障、各種診断NG等の成層燃焼運転禁止条件が不成立であれば、成層燃焼運転が許可される。
ステップS1で成層燃焼運転が許可されない場合は、ステップS10に進んで均質燃焼運転を行う。均質燃焼運転時には、原則として火花点火装置が使用される。
ステップS1において成層燃焼運転が許可された場合には、ステップS2(プラズマジェット点火装置使用許可判定手段104)に進んで、各種センサ信号等に基づいて、プラズマジェット点火装置の使用を許可するか否かを判定する。プラズマジェット点火装置は、前述の通り点火プラグの消耗が早いことと、消費電力が大きいという問題があり、火花点火装置を使用したとしても燃焼安定性に大差ない運転領域やバッテリ残容量(電圧)がある一定値より低い場合、プラズマジェット点火装置の使用は許可されない。
ステップS2においてプラズマジェット点火装置の使用が許可されない場合は、ステップS11に進んで、火花点火装置を使用した成層燃焼運転を行う。
ステップS2においてプラズマジェット点火装置の使用が許可された場合は、ステップS3に進んで、成層燃焼運転を実行すべく、圧縮行程中に燃料噴射弁12よる燃料噴射を行う。ここでは、燃料噴射時期、燃料圧力、燃料噴射量等が算出され、燃料噴射弁12の開弁時期、開弁時間や高圧燃料ポンプの吐出圧が制御される。燃料噴射は一燃焼サイクル中に複数回行われることもあるが、成層燃焼運転時には、圧縮行程(圧縮TDCの20〜50℃A BTDC付近)にて少なくとも1回、燃料噴射弁から燃料が噴射される。
続くステップS4では、プラズマジェット点火装置による点火を気筒毎に行なう。ここでは、運転領域毎に点火時期の最適値がメモリに記憶(マップ化)されており、点火時期マップから現在の運転領域について設定されている点火時期を読み出す。また、点火回数も、前述した点火回数設定手段108の説明で述べたように、燃焼安定レベル設定手段107で設定された燃焼安定レベルに応じて、例えば100燃焼サイクル単位で算出し、逐次更新するようにされる。
ステップS5では、燃焼安定性指標と目標燃焼安定性指標とを算出する。燃焼安定性指標は前記燃焼安定性指標算出手段105で説明したようにして算出し、目標燃焼安定性指標は前記目標燃焼安定性指標設定手段106で説明したようにして設定する。燃焼安定性指標は、例えば100燃焼サイクル単位で算出し、逐次更新する。
ステップS6(燃焼安定レベル設定手段107)では、ステップS5で算出された各気筒毎の燃焼安定性指標と目標燃焼安定性指標との比較結果に基づいて、各気筒毎に、燃焼安定レベルを4段階(良・普通・悪・最悪)に分けて算出する。
ステップS7では、ステップS5で算出された燃焼安定レベルが「最悪」レベルと判定された気筒が少なくとも1つあるか否かを判断する。ここで、「最悪」レベルの気筒有りと判断された場合は、ステップS14に進んで、次回は成層燃焼運転を禁止する処理を実行し、「最悪」レベルの気筒が1つも無いと判断された場合は、ステップS8に進んで、燃焼安定レベルが、全気筒「普通」レベルか否かを判断する。
ステップS8で、全気筒「普通」レベルではないと判断された場合は、ステップS12に進んで、各気筒についての点火回数Nspk_nを設定する。各気筒の点火回数Nspk_nは、前記点火回数設定手段108の説明したようにして設定する。
続くステップS13では、点火回数Nspk_nが上限値(5回)の気筒があるか否かを判断し、点火回数Nspk_nが上限値(5回)の気筒があると判断された場合はステップS14に進んで、次回は成層燃焼運転を禁止する処理を実行する。
また、ステップS8で全気筒「普通」レベルであると判断された場合、及び、ステップS13で点火回数Nspk_nが上限値(5回)の気筒は無いと判断された場合は、点火回数Nspk_nを現状のまま維持して元に戻る。
なお、ステップS14において次回の成層燃焼運転禁止処理が実行された場合は、均質燃焼運転に移行せしめられ、均質燃焼運転中は、燃料噴射弁先端にデポジットが堆積して、燃料噴射の方向や燃料噴射量が設計値と異なっていることが考えられるため、通常よりも燃料圧力を高くしたり、デポジット除去の薬剤を用いたり等の、デポジット除去対策を実行する。また、そのデポジット除去対策が終了した時点で、成層燃焼運転禁止を解除する。
以上の説明から理解されるように、本実施形態のエンジンの点火制御装置1では、プラズマジェット点火装置使用時に、クランク角センサ21やカム角センサ22等から得られる信号に基づいて各気筒毎に燃焼安定性指標(燃焼安定度)を算出し、該燃焼安定性指標に基づき、プラズマジェット点火装置による一燃焼サイクルについての点火回数を増減するフィードバック制御を行うようにされるので、プラズマジェット点火装置使用時の点火制御を従来のものより精緻に行うことができ、そのため、各気筒の燃焼安定性が向上して気筒間でのクランク角速度等のばらつきが低減されるとともに、耐久性、燃費、排気性能等の向上を充分に図ることができる。
本発明に係るエンジンの点火制御装置の一実施形態を、それが適用された車載用エンジンの一例と共に示す概略構成図。 図1のコントロールユニットがプラズマジェット点火制御に際して実行する処理内容を示す機能ブロック図。 燃焼安定性指標、目標燃焼安定性指標、及び燃焼安定レベルの説明に供される図。 各気筒の点火回数の設定の説明に供される運転領域マップを示す概念図。 図1のコントロールユニットが実行する点火制御ルーチン(の前半)を示すフローチャート。 図1のコントロールユニットが実行する点火制御ルーチン(の後半)を示すフローチャート。
符号の説明
1 点火制御装置
2 吸気通路
2a 吸気ポート
3 排気通路
3a 排気ポート
4 エアフローセンサ
5 スロットル弁
6 コレクタ
8 吸気弁
9 排気弁
10 エンジン
10A シリンダ
11 コモンレール
12 燃料噴射弁
13 火花点火用点火プラグ
14 プラズマジェット点火用点火プラグ
15 火花点火用出力回路
16 プラズマジェット点火用出力回路
17 ピストン
18 TCV(タンブルコントロールバルブ)
19 水温センサ
20 燃焼室
21 クランク角センサ
22 カム角センサ
23 バッテリ
25 スロットル開度センサ
100 ECU(エンジンコントロールユニット)
101 エンジン回転数算出手段
102 偏差量算出手段
103 成層燃焼運転許可判定手段
104 プラズマジェット点火装置使用許可判定手段
105 燃焼安定性指標算出手段
106 目標燃焼安定性指標設定手段
107 燃焼安定レベル設定手段
108 点火回数設定手段

Claims (9)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室内の混合気点火手段としてのプラズマジェット点火装置と、各気筒の燃焼安定性を検出するためのセンサとを備えたエンジンの点火制御装置であって、
    前記プラズマジェット点火装置使用時に、前記センサから得られる信号に基づいて各気筒毎に燃焼安定性指標を算出し、該燃焼安定性指標に基づき、各気筒毎に前記プラズマジェット点火装置による一燃焼サイクルについての点火回数及び/又は少なくとも1回の点火出力エネルギを増減する制御を行うことを特徴とするエンジンの点火制御装置。
  2. 前記燃焼室内の混合気点火手段として、前記プラズマジェット点火装置に加えて、火花点火装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  3. 前記燃焼安定性を検出するためのセンサとしてのクランク角センサ及び/又はカム角センサを備え、該センサから得られる信号に基づいて、全気筒の平均クランク角速度に対する各気筒のクランク角速度の偏差量又はその相関値を求め、該偏差量又はその相関値に基づいて、各気筒毎に前記燃焼安定性指標を算出することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  4. 前記燃焼安定性を検出するためのセンサとしての筒内圧センサを備え、該センサから得られる信号に基づいて、全気筒の平均筒内圧に対する各気筒の筒内圧の偏差量又はその相関値を求め、該偏差量又はその相関値に基づいて、各気筒毎に前記燃焼安定性指標を算出することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  5. 各気筒毎に前記燃焼安定性指標が設定値以上に悪化したか否かを判断し、前記設定値以上に悪化した気筒については、前記点火回数を増加させるか、もしくは、前記点火出力エネルギを増加させ、前記設定値以上に悪化していない気筒については、前記点火回数を現状維持ないし減少させるか、もしくは、前記点火出力エネルギを現状維持ないし減少させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  6. エンジン冷却水温に基づいて目標燃焼安定性指標を算出し、前記燃焼安定性指標と前記目標燃焼安定性指標との比較結果に基づき、前記点火回数もしくは点火エネルギを増減する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  7. 前記点火回数及び/又は点火出力エネルギについての上限値を設定し、前記点火回数及び/又は点火出力エネルギが前記上限値に達した場合は、成層燃焼運転を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  8. 前記プラズマジェット点火装置使用時に、前記燃焼安定性指標が設定値以上に悪化した気筒がある場合は、成層燃焼運転を禁止することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
  9. エンジン回転数と吸入空気量に応じて複数ブロックに区切られた運転領域マップを各気筒毎に備え、該マップにおける各ブロックに前記燃焼安定性指標、点火回数、及び点火出力エネルギのうちの少なくとも一つを記憶するとともに、それを逐次更新することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火制御装置。
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