JP4967676B2 - ズレ検出装置およびズレ検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は,ズレ検査装置およびズレ検査方法に関する。さらに詳細には,電動機に備えられた位置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出装置およびズレ検出方法に関するものである。
電動機では,電動機の回転子に貼付された永久磁石の位置を検出することにより,回転子の回転位置を検出するセンサが備えられている。このようなセンサとしては,エンコーダやレゾルバ,ホール素子などの磁気位置検出センサが用いられている。
センサの取り付け位置のズレを判断する検査装置としては,例えば特許文献1に開示されたズレ検出装置がある。このセンサ基準点のズレ検出装置では,電動機の回転子を回転させたときに検出される各相の相電圧と,電動機に備えられた磁気位置検出センサからの信号とを基に基準点のズレを判定する。すなわち,回転子の回転よって周期的に変化する誘起電圧と位置検出センサからの信号とを比較することにより,位置検出センサの基準点のズレを判定する。このズレ検出装置では,誘起電圧に基づいてズレを検出することから,巻線抵抗のアンバランスや巻線の付着物による抵抗の変化に対して大きな影響を受けることがなく,位置検出センサの基準点の位置ズレを精度よく検出することができるとしている。
特開2002−354876号公報
しかしながら,前記した従来のズレ検出装置には,次のような問題があった。すなわち,特許文献1に開示されたズレ検出装置では,誘起電圧の振幅中心であるゼロクロス点を検出している。一方,検出される誘起電圧波形は,図11に示すように略正弦波形として検出される。しかし,検出される誘起電圧は,固定子の作りによって不可避的に生じる高調波ノイズの影響を受け,その波形がステップ状になっている。特に,ゼロクロス付近の電圧波形が平行に近くなる。そのため,ゼロクロス点を正確に検出することは困難であり,少なからず誤差が生じる。
上記の誤差を補正するため,特許文献1に開示されたズレ検出装置では,図12に示すように電動機の回転子を正負双方向に回転させ(S1,S3),回転子を正方向に回転させたときのズレ量と,負方向に回転させたときのズレ量とを測定(S2,S4)し,その平均を検査対象のズレ量と見做している(S5)。つまり,特許文献1に開示されたズレ検出装置では,正回転と負回転との2回の測定が必要であり,検査時間が長い。
本発明は,前記した従来のセンサ基準点のズレを判断する検出装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,電動機に取り付けられた位置検出センサの基準点のズレ検出の検出時間の短縮化が図られたズレ検出装置およびズレ検出方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされたズレ検出装置は,回転子と,当該回転子の回転位置を検出する位置検出センサとを有する電動機の,当該位置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出装置であって,回転子を回転させる回転手段と,電動機の各相の電圧を検出する相電圧検出手段と,回転手段にて回転子を回転させたときに,相電圧検出手段にて検出される誘起電圧と位置検出センサからの信号とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を取得するズレ検出手段とを備え,ズレ検出手段は,相電圧検出手段にて検出される誘起電圧の高調波成分を除去するフィルタ手段と,フィルタ手段から出力される誘起電圧の振幅中心電圧を検出する振幅中心電圧検出手段とを備え,振幅中心電圧検出手段にて検出される振幅中心電圧と電動機の位置検出センサからの信号とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出することを特徴としている。
本発明のズレ検出装置では,回転手段にて電動機の回転子を回転させ,そのときに相電圧検出手段にて検出される各相の相電圧(すなわち誘起電圧)と,電動機の位置検出センサから出力される信号とを基に,ズレ検出手段にて位置検出センサの基準点のズレ量を取得する。ズレ検知装置では,このズレ量を取得することで,ズレの有無の判定や,ズレの程度の判定を行うことが可能になる。
ここで,「電動機」は,複数の永久磁石と多相コイルとを有するものであればよく,電動機として機能するものの他,発電機としてして機能するものや,両機能を兼ねるものも含まれる。また,「位置検出センサ」は,電動機の回転子の回転位置を検出するためのものであり,具体的にはレゾルバやエンコーダが該当する。
さらに,本発明のズレ検出手段では,相電圧検出手段にて検出された誘起電圧の高調波成分をフィルタ手段にて除去する。フィルタ手段としては,所定の周波数成分を除去できるものであればよく,例えばローパスフィルタやバンドパスフィルタが適用できる。これにより,誘起電圧の高調波成分がなくなり,その波形形状が滑らかになる。そして,振幅中心電圧検出手段にて,当該フィルタ処理後の誘起電圧の振幅中心電圧を検出する。このとき,誘起電圧波形は滑らかであり,測定誤差は極めて小さい。そのため,回転子を正回転で回転させたときに算出されるズレ量と負回転で回転させたときに算出されるズレ量に差が生じない。つまり,ズレ量の取得を正回転ないし負回転のいずれか一方とすることができ,検査時間を短縮できる。
また,本発明のズレ検出装置は,位置検出センサがレゾルバであり,ズレ検出手段が,当該レゾルバから得られる信号を基に擬似的な正弦波を整形する波形変換手段を有し,振幅中心電圧検出手段にて検出される振幅中心電圧と波形変換手段にて整形される正弦波(レゾルバ信号波形)とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出する。このようにすれば,レゾルバの基準点のズレ量を算出することができる。より具体的には,例えば,誘起電圧波形が振幅中心となるときのレゾルバ信号波形の波高とレゾルバ信号波形の振幅とを基にズレ量を算出できる。あるいは誘起電圧波形が振幅中心となる時間とレゾルバ信号波形が振幅中心となる時間との差を基にズレ量を算出できる。
さらに,上記のズレ検出装置では,フィルタ手段が,波形変換手段にて整形されたれ正弦波の高調波成分を除去する機能を兼ねる。すなわち,レゾルバ信号を基に整形されたレゾルバ信号波形に対してもフィルタ処理を行うことで,レゾルバ信号波形の形状も滑らかになり,ズレ量のより正確な計算を行うことができる。また,誘起電圧波形のみをデジタルフィルタ処理する場合,フィルタ処理に伴う位相ズレを補正する補正処理を行う必要があるが,レゾルバ信号波形にも同様のフィルタ処理を行うことでレゾルバ信号波形と誘起電圧波形との位相差をなくすことができ,当該補正処理が不要となる。
また,本発明は,回転子と,当該回転子の回転位置を検出する位置検出センサとを有する電動機の,当該位置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出方法であって,電動機の回転子を回転させる回転子回転ステップと,電動機の回転子を回転させたときに,電動機の各相に生じる誘起電圧を検出する相電圧検出ステップと,誘起電圧の高調波成分を除去する高調波成分除去ステップと,高調波成分が除去された誘起電圧の振幅中心電圧を検出する振幅中心電圧検出ステップと,振幅中心電圧と電動機の位置検出センサからの信号とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出するズレ検出ステップとを含むことを特徴とするズレ検出方法を含んでいる。
また,上記ズレ検出方法は,位置検出センサがレゾルバであり,ズレ検出ステップでは,当該レゾルバから得られる信号を基に擬似的な正弦波を整形し,振幅中心電圧と正弦波とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出する。さらに,ズレ検出ステップでは,ズレ量の算出の前に,正弦波の高調波成分を除去する。
本発明によれば,電動機に取り付けられた位置検出センサの基準点のズレ検出の検出時間の短縮化が図られたズレ検出装置およびズレ検出方法が実現されている。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,ハイブリッド自動車の車両駆動用モータに備えられた磁気位置検出センサのズレ検出装置およびズレ検出方法に本発明を適用したものである。
[第1の形態]
第1の形態にかかるズレ検査装置100は,図1に示すように,8極の永久磁石が外周面に貼付された回転子12と,UVWの各相コイル14U,14V,14Wが巻回された固定子とからなる車両駆動用モータ10(以下,「電動機10」とする)を被検体とし,被検体である電動機10に備えられた回転位置検出センサ18(本形態ではレゾルバ18)の基準点のズレを検査する。
また,ズレ検査装置100は,電動機10の回転子12を回転させるモータ22と,電動機10の各相コイル14U,14V,14Wに各々結線されると共に中性点が接地された星型結線の3相平衡負荷回路24と,3相平衡負荷回路24の各相UVWに結線された電圧検出ライン26U,26V,26Wと,レゾルバ18からのアナログ信号をデジタル信号に変換するR/Dコンバータ28と,レゾルバ18からの波形信号を正弦波に整形する波形変換回路30と,電圧検出ライン26U,26V,26Wの信号および波形変換回路30からのレゾルバ信号を基にレゾルバ18の基準点のズレを演算する電子制御ユニット40とを備えている。
波形変換回路30は,レゾルバ18から直接入力された信号を基に補間法などを利用して正弦波を整形する。レゾルバ18からの信号はサンプリング周期毎の離散的な値であるため,例えばレゾルバ信号のゼロクロス点の算出の際に,ゼロクロス点近傍の2点を利用して算出すると誤差が大きくなる。そこで,正弦波形に整形したものを利用することで誤差をより小さくすることができる。
電子制御ユニット40は,CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており,CPU42の他に処理プログラムを記憶するROM44と,一時的にデータを記憶するRAM46と,高調波成分を除去するローパスフィルタ48とを備えている。電子制御ユニット40には,各相の相電圧およびレゾルバ信号が入力ポートを介して入力される。そして,それらを基にレゾルバ18の基準点のズレ量を算出する機能を有している。
続いて,本形態のズレ検査装置100によるレゾルバ18の基準点のズレ検出方法について説明する。図2は,ズレ検査装置100によるレゾルバ18の基準点のズレを検出する際の原理を説明するフローチャートである。図3は,電動機10を回転させたときの,レゾルバ信号波形,誘起電圧波形,ズレ量計測値の一例を示している。なお,説明の容易化のため,UVW相のうちのU相だけに着目している。
ズレ検出処理では,まず,波形変換回路30にて整形されたレゾルバ信号波形と,所定のサンプリング周期で入力されるU相の誘起電圧とを取得する(S100)。このとき,取得した誘起電圧波形は,図11に示したように高調波ノイズの影響を受けてステップ状の形状をなしている。
次に,取得した誘起電圧の高調波成分をローパスフィルタ48によって除去する(S101)。これにより,誘起電圧波形は,図4に示すようにフィルタ処理前にあったステップ部分がなくなり,特にゼロクロス付近の形状が滑らかになる。また,同様にレゾルバ信号波形についてもローパスフィルタ48によって高調波成分を除去する。これにより,レゾルバ信号波形も滑らかになるとともに誘起電圧との位相差が補正される。
次に,フィルタ処理後のU相の誘起電圧を解析してU相の誘起電圧が振幅中心電圧であるゼロ電位となる点(ゼロクロス点)を算出する(S102)。その後,U相の誘起電圧のゼロクロス点に対応するレゾルバ信号波形の電圧値Bを選出する(S103)。さらには,レゾルバ信号波形のピーク値Aを選出する(S104)。そして,選出した電圧値Bとピーク値Aとに対して,次の式(1)を利用してズレ量θを計算する(S105)。
Asinθ=B (1)
レゾルバ信号波形のゼロクロス点は,レゾルバ18にズレが生じていなければU相の誘起電圧波形のゼロクロス点に一致する。一方,ズレが生じていると,図3に示したように,レゾルバ信号波形とU相の誘起電圧波形とのゼロクロス点にズレが生じる。このときのズレ量θは,レゾルバ信号波形を正弦波に整形していることから,U相の誘起電圧波形のゼロクロス点におけるレゾルバ信号波形の電圧値Bとレゾルバ信号波形のピーク値Aとを利用して式(1)として表すことができる。
続いて,本形態のズレ検出装置100によるズレ検出手順を示す。図5は,ズレ検査装置100によるズレ検出手順の概要を説明するフローチャートである。本形態のズレ検出装置100では,まず,回転子12をモータ22によって所定回転数で回転駆動する(S1)。回転が安定した後,図2に示したようなズレ検出処理を行う(S2)。これにより,ズレ量が検出される。なお,回転方向は正方向であっても負方向であってもよく,いずれか一方を選択する。すなわち,誘起電圧波形のゼロクロス付近の形状が滑らかであるため,正負回転のそれぞれで得られるズレ量の差が極めて小さく,ほぼ同値となる。そのため,従来の形態(図12)のように正負回転による2回のズレ検出を行う必要はなく,正回転によるズレ検出ないし負回転によるズレ検出のいずれか一方で済む。
以上詳細に説明したように本形態のズレ検出装置100では,誘起電圧の高調波成分をローパスフィルタ48によって除去している。これにより,誘起電圧波形のゼロクロス付近の形状が滑らかになる。そのため,正負双方向に回転させた際のズレ量の検出誤差は小さく,いずれか一方のズレ量をレゾルバ18の基準点のズレ量とすることができる。従って,電動機に取り付けられた位置検出センサの基準点のズレ検出検出時間の短縮化が図られたズレ検出装置およびズレ検出方法が実現している。
また,本形態のズレ検出装置100では,レゾルバ信号波形の高調波成分もローパスフィルタ48によって除去している。そのため,レゾルバ信号波形も滑らかになり,レゾルバ信号波形もより正確に検知することができる。また,ローパスフィルタ48はレゾルバ信号波形と誘起電圧波形との共通フィルタであり,レゾルバ信号波形をその共通フィルタに通すことで誘起電圧波形との位相差が抑えられる。
[第2の形態]
第2の形態のズレ検査装置として,レゾルバ18の基準点のズレ検出原理が異なるものについて説明する。本形態のズレ検査装置のシステム構成は,第1の形態と同様であるため説明を省略する。
本形態のレゾルバ18の基準点のズレ検出方法について説明する。図6は,ズレ検査装置100によるレゾルバ18の基準点のズレを検出する際の原理を説明するフローチャートである。図7は,電動機10を回転させたときの,レゾルバ信号波形,誘起電圧波形,ズレ量計測値の一例を示している。なお,説明の容易化のため,UVW相のうちのU相だけに着目している。
本形態のズレ検出処理では,まず,波形変換回路30により整形されたレゾルバ信号波形と,所定のサンプリング周期で入力されるU相の誘起電圧とを取得する(S110)。次に,取得した誘起電圧波形およびレゾルバ信号波形の高調波成分をローパスフィルタ48によって除去する(S111)。
次に,取得したU相の誘起電圧を解析してU相の誘起電圧がゼロ電位となる点(ゼロクロス点)T1を算出するとともに,レゾルバ信号波形のゼロクロス点T2を算出する(S112)。
誘起電圧波形のゼロクロス点T1とレゾルバ信号波形のゼロクロス点T2とを算出した後,算出したゼロクロス点T1,T2の間のサンプリング数Tをカウントする(S113)。そして,カウントしたサンプリング数Tに1サンプリング間隔当たりの相当角度αを乗じてズレ量θを計算する(S114)。1サンプリング間隔当たりの相当角度αは,サンプリング周期と回転子12の回転速度とによって決定される。
なお,本形態では,図7の横軸を回転子12の回転角とし,誘起電圧波形のゼロクロス点T1とレゾルバ信号波形のゼロクロス点T2との間のサンプリング数Tに1サンプリング間隔当たりの相当角度αを乗じてズレ量θを計算しているが,図7の横軸を時間とし,誘起電圧波形のゼロクロス点T1とレゾルバ信号波形のゼロクロス点T2との間の時間を計測し,これに回転角速度を乗じることによりズレ量θを計算するものとしてもよい。
以上詳細に説明したように本形態であっても,誘起電圧波形およびレゾルバ信号波形の高調波成分をローパスフィルタ48によって除去している。これにより,誘起電圧波形およびレゾルバ信号波形の形状が滑らかになる。そのため,正負方向のいずれか一方に回転させた際のズレ量をレゾルバ18の基準点のズレ量とすることができる。従って,電動機に取り付けられた位置検出センサの基準点のズレ検出検出時間の短縮化が図られたズレ検出装置およびズレ検出方法が実現している。
[第3の形態]
第3の形態にかかるズレ検査装置200は,図8に示すように,8極の永久磁石が外周面に貼付された回転子112と,UVWの各相コイル114U,114V,114Wが巻回された固定子とからなる車両駆動用モータ110(以下,「電動機110」とする)を被検体とし,被検体である電動機110に付設された回転位置検出センサ118(本形態ではエンコーダ118)の基準点のズレを検査する。
また,ズレ検査装置200は,電動機110の回転子112を回転させるモータ122と,電動機110の各相コイル114U,114V,114Wに各々結線されると共に中性点が接地された星型結線の3相平衡負荷回路124と,3相平衡負荷回路124の各相UVWに結線された電圧検出ライン126U,126V,126Wと,電圧検出ライン126U,126V,126Wの信号を増幅して出力する入力処理回路128と,高調波成分を除去するローパスフィルタ136と,入力処理回路28からのアナログ信号がゼロ電位とクロスする時点でハイ(H)/ロー(L)が切り換えられる矩形波信号を生成するゼロクロス検出回路130と,入力処理回路128からのアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータ132と,エンコーダ118からの基準信号によってリセットされるアップダウンカウンタ134と,ゼロクロス検出回路130からの矩形波信号,アップダウンカウンタ134からのカウンタ値を基にエンコーダ118の基準点のズレを演算する電子制御ユニット140とを備える。
ローパスフィルタ136は,誘起電圧の高調波成分を除去するアナログフィルタであり,誘起電圧がゼロクロス検出回路130に入力される前の位置に設けられる。誘起電圧波形は,ローパスフィルタ136を介すことでフィルタ処理前にあったステップ部分がなくなり,特にゼロクロス付近の形状が滑らかになる。
電子制御ユニット140は,CPU142を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており,CPU142の他に処理プログラムを記憶するROM144と,一時的にデータを記憶するRAM146とを備えている。電子制御ユニット140には,各種の信号が入力ポートを介して入力される。そして,それらの信号を基にエンコーダ118の基準点のズレ検出制御が行われる。
続いて,本形態のズレ検査装置200によるエンコーダ118の基準点のズレ検出方法について説明する。図9は,ズレ検査装置200によるエンコーダ118の基準点のズレを検出する際の原理を説明するフローチャートであり,図10は,電動機110を回転させたときの,U相の誘起電圧,ゼロクロス検出回路130の出力波形,エンコーダ118の検出信号,アップダウンカウンタ134の出力変化の一例を示す説明図である。なお,説明の容易化のため,UVW相のうちのU相だけに着目している。
ズレ検出処理では,まず,アップダウンカウンタ134のカウンタ値Cが0になるのを待つ(S200)。アップダウンカウンタ134は,エンコーダ118が基準点を通過したときにエンコーダ118から出力される信号(例えばパルス信号)によって0にリセットされ,所定時間経過ごとに1ずつインクリメントされる。S200の処理では,エンコーダ118が基準点を検出するのを待つことと等価である。
アップダウンカウンタ134のカウンタ値Cが0となると,周回カウンタnを0にリセットする(S201)。そして,ゼロクロス検出回路130がゼロクロスを検出するのを待つ(S202)。すなわち,電動機110の回転子112をモータ122によって回転させているため,各相コイル114U,114V,114Wには誘起電圧が生じる。この電圧は,各相コイルに結線された3相平衡負荷回路124の各相UVWにも現れる。回転子112に貼付された永久磁石は8極であるから,3相平衡負荷回路124のU相は回転子112が1周するごとに8回にわたってゼロ電位とクロスする。そのため,ゼロクロス検出回路130は,回転子112が1周するごとに,図10に示したように4つの矩形波を出力する。電子制御ユニット140は,ゼロクロス検出回路130からの矩形波信号のH/Lの切り換わりを検出することでゼロクロスを検出することができる。
ゼロクロスを検出すると,周回カウンタnを1だけインクリメントする(S203)。そして,アップダウンカウンタ134のカウンタ値Cをn番目のカウンタ値メモリC(n)に記憶する(S204)。そして,周回カウンタnが8と等しいか否かが判断される(S205)。すなわち,ゼロクロスを8回検出するまで,ゼロクロスを検出するごとにカウンタ値メモリC(n)にアップダウンカウンタ134のカウンタ値Cを入れ続ける。
このように,ゼロクロスを8回検出することは,回転子112が1回転したことを意味する。なお,ゼロクロスを検出したときの処理は,ゼロクロス検出回路130からの矩形波信号のH/Lによる割り込み処理として処理することができる。
周回カウンタnが8になると,アップダウンカウンタ134のカウンタ値Cの最大値,すなわちアップダウンカウンタ134がリセットされる直前の値(図10における時間t9のときの値)をカウンタ最大値Cmaxとして入力する(S206)。そして,入力したカウンタ最大値Cmaxを360度で割ってアップダウンカウンタ134のカウンタ値Cを角度に換算する角度換算係数Kを計算する(S207)。そして,計算した角度換算係数Kを基に,次式(2)によりエンコーダ118の基準点のズレYmを計算する(S208)。その後,本処理を終了する。
Ym={K・ΣC(n)−Σ45・(n−1)}/8 (2)
なお,ズレ検出装置200では,エンコーダ118の基準点のズレの検出を行うとともに電動機110の異常検査も行う。電動機110の異常検査は,ROM144に予め記憶された電動機110が正常時の誘起電圧の波形(マスタ波形)と,ADコンバータ132から入力される各相UVWの波形(被検体波形)を比較することによって行われる。異常判定は,マスタ波形と被検体波形とを重ね合わせ,そのズレ量の程度によって行われる。このように,エンコーダ118の基準点のズレの検出と電動機110の異常検査とを同時に行うことができる。よって,電動機110の総検査時間の短縮化も図られる。
以上詳細に説明したように本形態のズレ検出装置200では,誘起電圧の高調波成分をローパスフィルタ136によって除去している。これにより,誘起電圧波形のゼロクロス付近の形状が滑らかになり,ゼロクロス検出回路130にてゼロクロス点を正確に検出できる。そのため,正負回転のそれぞれで得られるズレ量がほぼ同値となり,正回転によるズレ検出ないし負回転によるズレ検出のいずれか一方で済む。従って,電動機に取り付けられた位置検出センサの基準点のズレ検出検出時間の短縮化が図られたズレ検出装置およびズレ検出方法が実現している。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,高調波成分を除去する手段は,ローパスフィルタに限るものではなく,例えばバンドパスフィルタであってもよい。
また,位置検査センサとして,エンコーダ,レゾルバに限るものではなく,ホール素子であってもよい。また,本実施の形態では,車両駆動用モータについて検査を行っているが,これに限るものではない。すなわち,家電製品用モータの検査に本発明を適用してもよい。
第1の形態にかかるズレ検出装置の概略構成を示す図である。 第1の形態にかかるズレ検出装置のズレ検査処理の詳細を示すフローチャートである。 電動機を回転させたときの,レゾルバ信号波形,誘起電圧波形,ズレ量計測値の一例を示す説明図(第1の形態)である。 ローパスフィルタを通した後の誘起電圧の一例を示す図である。 第1の形態にかかるズレ検出装置のズレ検査手順の概要を示すフローチャートである。 第2の形態にかかるズレ検出装置のズレ検査処理の詳細を示すフローチャートである。 電動機を回転させたときの,レゾルバ信号波形,誘起電圧波形,ズレ量計測値の一例を示す説明図(第2の形態)である。 第3の形態にかかるズレ検出装置の概略構成を示す図である。 第3の形態にかかるズレ検出装置のズレ検査処理の詳細を示すフローチャートである。 電動機を回転させたときの,U相の誘起電圧,ゼロクロス検出回路の出力波形,エンコーダの検出信号,アップダウンカウンタの出力変化の一例を示す説明図である。 従来のズレ検出装置にて検出した誘起電圧の一例を示す図である。 従来のズレ検出装置のズレ検査手順の概要を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電動機
12 回転子
14U,14V,14W コイル
18 レゾルバ
22 モータ
24 3相平衡負荷回路
30 波形変換回路
40 電子制御ユニット
48 ローパスフィルタ
100 ズレ検出装置

Claims (4)

  1. 回転子と,当該回転子の回転位置を検出する位置検出センサとを有する電動機の,当該位置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出装置において,
    前記回転子を回転させる回転手段と,
    前記電動機の各相の電圧を検出する相電圧検出手段と,
    前記回転手段にて前記回転子を回転させたときに,前記相電圧検出手段にて検出される誘起電圧と前記位置検出センサからの信号とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を取得するズレ検出手段とを備え,
    前記位置検出センサは,レゾルバであり,
    前記ズレ検出手段は,
    前記相電圧検出手段にて検出される誘起電圧の高調波成分を除去するフィルタ手段と,
    前記フィルタ手段から出力される誘起電圧の振幅中心電圧を検出する振幅中心電圧検出手段と,
    前記レゾルバから得られる信号を基に擬似的な正弦波を整形する波形変換手段とを備え,
    前記振幅中心電圧検出手段にて検出される振幅中心電圧と前記波形変換手段にて整形される正弦波とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出し,
    前記フィルタ手段は,前記波形変換手段にて整形された正弦波の高調波成分を除去する機能を兼ねることを特徴とするズレ検出装置。
  2. 請求項1に記載するズレ検出装置において,
    前記フィルタ手段は,ローパスフィルタもしくはバンドパスフィルタであることを特徴とするズレ検出装置。
  3. 回転子と,当該回転子の回転位置を検出する位置検出センサとを有する電動機の,当該位置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出方法において,
    前記回転子を回転させる回転子回転ステップと,
    前記回転子を回転させたときに,前記電動機の各相に生じる誘起電圧を検出する相電圧検出ステップと,
    前記誘起電圧の高調波成分をフィルタ手段によって除去する高調波成分除去ステップと,
    前記高調波成分が除去された誘起電圧の振幅中心電圧を検出する振幅中心電圧検出ステップと,
    前記振幅中心電圧と前記位置検出センサからの信号とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出するズレ検出ステップとを含み,
    前記位置検出センサは,レゾルバであり,
    前記ズレ検出ステップでは,
    前記レゾルバから得られる信号を基に擬似的な正弦波を整形し,
    前記振幅中心電圧と前記正弦波とを基に,当該位置検出センサの基準点のズレ量を算出し,
    また,前記ズレ検出ステップでは,
    ズレ量の算出の前に,前記フィルタ手段によって前記正弦波の高調波成分を除去することを特徴とするズレ検知方法。
  4. 請求項3に記載するズレ検出方法において,
    前記フィルタ手段はローパスフィルタもしくはバンドパスフィルタによって構成され,前記高調波成分除去ステップ及び前記ズレ検出ステップでは,前記ローパスフィルタもしくはバンドパスフィルタによって前記誘起電圧及び前記正弦波の高調波成分を除去することを特徴とするズレ検出方法。
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