JP2002354876A - センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法 - Google Patents

センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Info

Publication number
JP2002354876A
JP2002354876A JP2001150423A JP2001150423A JP2002354876A JP 2002354876 A JP2002354876 A JP 2002354876A JP 2001150423 A JP2001150423 A JP 2001150423A JP 2001150423 A JP2001150423 A JP 2001150423A JP 2002354876 A JP2002354876 A JP 2002354876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deviation
reference point
detecting
detection sensor
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001150423A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nakamura
誠 中村
Toshiaki Yasui
利秋 安井
Yoshihiro Namiki
良博 並木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001150423A priority Critical patent/JP2002354876A/ja
Publication of JP2002354876A publication Critical patent/JP2002354876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Brushless Motors (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機に取り付けられた磁気位置検出センサ
の基準点のズレをより正確に検出する。 【解決手段】 モータ22で電動機10の回転子12を
回転させ、電動機10の各相コイル14U,14V,1
4Wに生じる誘起電圧を中性点が接地された星形結線の
三相平衡負荷回路24を用いて検出する。この誘起電圧
をゼロクロス検出回路30でゼロクロス点で立ち上がり
及び立ち下がる矩形波信号として電子制御ユニット40
に入力する。電子制御ユニット40では、この矩形波信
号の立ち上がりと立ち下がりのタイミングで磁極位置検
出センサ18からの基準点信号でリセットされるアップ
ダウンカウンタ34のカウンタ値を入力し、このカウン
タ値に基づいてセンサ基準点のズレを検出する。誘起電
圧に基づいてセンサ基準点のズレを検出するから、その
精度を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ基準点のズ
レ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置およ
び制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置
調整方法に関し、詳しくは、永久磁石と多相コイルとを
有する電動機が備える磁気位置検出センサの基準点のズ
レを検出するズレ検出装置およびズレ検出方法、センサ
基準点のズレを考慮した電動機の制御装置および制御方
法、センサ基準点のズレの検出と同時に行なう電動機の
異常判定方法、センサ基準点のズレを考慮してセンサの
取付位置を調製する取付位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機の回転子に貼り付けられた永久磁
石の位置を検出することにより回転子の回転位置を検出
するセンサとしては、エンコーダやレゾルバ,ホール素
子などの磁気位置検出センサが多く用いられており、そ
の取り付け位置のズレの有無を判断するものとしては、
センサを取り付けるプリント基板に位置合わせ用のマー
クを設けておき、センサ本体とマークとの位置関係から
取り付け位置のズレを判断するものが提案されている
(例えば、実開平5−55776号公報など)。また、
磁気位置検出センサを用いずに回転子の回転位置を検出
するものとしては、三相ブラシレスモータのステータの
誘起電圧を中性点を形成した外部位相回路に導き、比較
回路でゼロクロスを検出することによって行なうものが
提案されている(例えば、特開昭60−113690号
公報など)。さらに、力学的にトルクが値0となるu相
に既定電流を流してセンサの基準点とのズレを検出する
ものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た電動機では、回転子の回転位置を精度よく検出できな
い場合が生じたり、回転子の位置を精度よく検出するた
め複雑な機構を備える必要が生じる。プリント基板に位
置合わせ用のマークを設けて取り付け位置のズレの有無
を判定するものは、プリント基板に設けられたマーク自
体の位置がズレているときには、磁気位置検出センサの
取り付け位置のズレを正しく検出することができない。
また、こうしたマークによるズレの判定は、間接的な手
法であるから、電磁気的な位置のズレを正確に判定する
ことができない。外部位相回路を用いて回転子の回転位
置を検出するものは、電磁気的に精度よく回転子の回転
位置を検出できるものの、外部位相回路の他に比較回路
を必要とし、構成が複雑になってしまう。さらに、u相
に既定電流を流す手法では、巻線抵抗のアンバランスや
巻線に付着した異物による抵抗の変化に伴ってv、w相
に流れる電流が変化することにより、高い精度でズレを
検出することができない場合を生じる。
【0004】本発明のセンサ基準点のズレ検出装置およ
びズレ検出方法は、電動機に取り付けられた磁気位置検
出センサの基準点のズレをより正確に検出することを目
的とする。また、本発明の電動機の制御装置および制御
方法は、電動機に取り付けられた磁気位置検出センサの
基準点のズレを考慮して電動機を制御することを目的と
する。さらに、本発明のセンサ基準点のズレ検出装置お
よび電動機の異常判定方法は、電動機に取り付けられた
磁気位置検出センサの基準点のズレの検出と電動機の異
常の有無の検出とを同時に短時間に行なうことを目的と
する。あるいは、本発明のセンサの取付位置調整方法
は、電動機に取り付けられた磁気位置検出センサの取付
位置をその基準点のズレが小さくなるよう調製すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明のセンサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方
法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判
定方法、センサの取付位置調整方法は、上述の目的の少
なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】本発明のセンサ基準点のズレ検出装置は、
永久磁石と多相コイルとを有する電動機が備える磁気位
置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出装置で
あって、前記電動機の回転子を回転させる回転手段と、
前記電動機の各相の電圧を検出する相電圧検出手段と、
前記回転手段により前記電動機の回転子を回転させたと
き、前記相電圧検出手段により検出される相電圧と前記
電動機が備える磁極位置検出センサからの信号とに基づ
いて該磁気位置検出センサの基準点のズレを判定するズ
レ判定手段と、を備えることを要旨とする。
【0007】この本発明のセンサ基準点のズレ検出装置
では、電動機の回転子を回転させたときに相電圧検出手
段により検出される相電圧と電動機が備える磁極位置検
出センサからの信号とに基づいて磁気位置検出センサの
基準点のズレを判定する。これは、回転子を回転させる
ことにより周期的に変化する誘起電圧に基づいて検出可
能な回転子の回転位置と、回転子の回転により変化する
磁気に基づいて磁気位置検出センサにより検出される基
準点とを比較することにより磁気位置検出センサの基準
点のズレを判定することができることに基づく。誘起電
圧に基づいてズレを検出するから、磁気位置検出センサ
の基準点のズレを精度よく検出することができる。ここ
で、「電動機」は、構成上、複数の永久磁石と多相コイ
ルとを有するものであればよく、電力の供給を受けて動
力を出力可能な駆動用の電動機だけでなく、動力の供給
を受けて電力を出力可能な発電機として機能するものも
含まれる。もとより、電動機として機能すると共に発電
機として機能する発電電動機も含まれる。電動機の意味
については以下同様である。
【0008】こうした本発明のセンサ基準点のズレ検出
装置において、前記ズレ判定手段は、前記相電圧検出手
段により検出される相電圧が振幅中心電圧になるのを検
出する振幅中心電圧検出手段を備え、該振幅中心電圧検
出手段により相電圧が振幅中心電圧になるのを検出した
ときに前記磁極位置検出センサから得られる信号に基づ
いて該磁気位置検出センサの基準点のズレを判定する手
段であるものとすることもできる。こうすれば、相電圧
の振幅中心電圧を基準として磁気位置検出センサの基準
点のズレを判定することができる。ここで、「ズレの判
定」には、ズレの有無を判定するものの他、ズレの程度
を判定するものやズレそのものを判定するものも含まれ
る。
【0009】このズレ判定手段が振幅中心電圧検出手段
を備える態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出装置に
おいて、前記ズレ判定手段は、所定時間経過する毎にカ
ウントアップすると共に前記回転子が回転により所定位
置となったときにリセットされるカウンタを備え、前記
振幅中心電圧検出手段により相電圧が振幅中心電圧にな
るのを検出したときの前記カウンタの値に基づいて前記
磁気位置検出センサの基準点のズレを判定する手段であ
るものとすることもできる。この態様の本発明のセンサ
基準点のズレ検出装置において、前記磁気位置検出セン
サの基準点は相電圧が複数回に亘って振幅中心電圧にな
るときのいずれかに一致する点であり、前記カウンタは
前記回転子が回転により前記磁気位置検出センサの基準
点となる位置でリセットされるカウンタであり、前記ズ
レ判定手段は前記振幅中心電圧検出手段により相電圧が
振幅中心電圧になるのを検出したときの前記カウンタの
値と、リセットされるときのカウンタの最大値とに基づ
いて前記ズレの程度を演算する手段であるものとするこ
ともできる。カウンタの最大値により回転子の回転速度
を求めることができ、相電圧が振幅中心電圧になるとき
のカウンタの値とカウンタの最大値またはリセット値
(値0)との偏差と回転子の回転速度とにより磁気位置
検出センサの基準点のズレを角度として求めることがで
きる。
【0010】ズレ判定手段が振幅中心電圧検出手段を備
える態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出装置におい
て、前記回転手段は正負双方向に前記電動機の回転子を
回転可能な手段であり、前記ズレ判定手段は、前記回転
手段により前記電動機の回転子を正方向に回転させたと
きに前記相電圧検出手段により検出される相電圧と前記
磁極位置検出センサから得られる信号とに基づいて前記
磁気位置検出センサの基準点のズレとして判定される第
1のズレと、前記回転手段により前記電動機の回転子を
負方向に回転させたときに前記相電圧検出手段により検
出される相電圧と前記磁極位置検出センサから得られる
信号とに基づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズ
レとして判定される第2のズレとに基づいて前記磁気位
置検出センサの基準点のズレを判定する手段であるもの
とすることもできる。こうすれば、回転方向に伴って生
じる判定のオフセットなどを補償することができる。こ
の結果、より正確に基準点のズレを判定することができ
る。
【0011】また、本発明のセンサ基準点のズレ検出装
置において、前記ズレ判定手段は、前記相電圧検出手段
により検出される相電圧が振幅中心電圧となるときの第
1のタイミングを検出する第1タイミング検出手段と、
前記磁気位置検出センサの基準点が検出される第2のタ
イミングを検出する第2タイミング検出手段とを備え、
該検出された第1のタイミングと該検出された第2のタ
イミングとに基づいて前記磁気位置検出センサの基準点
のズレを判定する手段であるものとすることもできる。
これは、基準点のズレを第1のタイミングと第2のタイ
ミングとの間の時間などにより検出することができるこ
とに基づく。
【0012】この第1のタイミングと第2のタイミング
とに基づいて基準点のズレを検出する態様の本発明のセ
ンサ基準点のズレ検出装置において、前記第1タイミン
グ検出手段は、前記相電圧検出手段により検出される相
電圧を所定のサンプリング周期でサンプリングすること
により得られる複数の電圧データを記憶する第1サンプ
リングデータ記憶手段を備え該記憶した複数の電圧デー
タに基づいて前記第1のタイミングを検出する手段であ
り、前記第2タイミング検出手段は、前記磁気位置検出
センサにより所定時間毎により得られる複数の位置デー
タまたは前記磁気位置検出センサからの信号を所定のサ
ンプリング周期でサンプリングすることにより得られる
複数の位置データを記憶する第2サンプリングデータ記
憶手段を備え該記憶した複数の位置データに基づいて前
記第2のタイミングを検出する手段であるものとするこ
ともできる。こうすれば、記憶した複数の電圧データに
基づいてより正確に第1のタイミングを検出することが
でき、記憶した複数の位置データに基づいてより正確に
第2のタイミングを検出することができる。したがっ
て、こうした第1のタイミングと第2のタイミングとを
用いて磁気位置検出センサの基準点のズレを判定するか
ら、より正確に基準点のズレを判定することができる。
この態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出装置におい
て、前記複数の電圧データと前記複数の位置データは同
一のサンプリング周期によりサンプリングされて記憶さ
れ、前記ズレ判定手段は、前記第1のタイミングと前記
第2のタイミングと前記サンプリング周期とに基づいて
前記ズレの程度を判定する手段であるものとすることも
できる。これは、第1のタイミングと第2のタイミング
との間のサンプリング数にサンプリング周期と相電圧の
波形とに基づいて得られる1サンプルに対する相当角度
を乗じることにより、基準点のズレの程度を角度をもっ
て判定することができることに基づく。
【0013】また、第1のタイミングと第2のタイミン
グとに基づいて基準点のズレを検出する態様の本発明の
センサ基準点のズレ検出装置において、前記ズレ判定手
段は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングと
の間の時間と、前記回転子の回転速度とに基づいて前記
ズレの程度を判定する手段であるものとすることもでき
る。これは、前記第1のタイミングと前記第2のタイミ
ングとの間の時間から求められる基準点のズレに対応す
る時間に回転子の回転角速度を乗じることにより基準点
のズレを角度をもって判定することができることに基づ
く。
【0014】本発明のセンサ基準点のズレ検出装置にお
いて、前記磁気位置検出センサはレゾルバであり、前記
ズレ判定手段は、前記相電圧検出手段により検出される
相電圧が振幅中心電圧になるのを検出する振幅中心電圧
検出手段と、前記レゾルバから得られる信号に基づいて
擬似的な正弦波を調製する波形調製手段とを備え前記振
幅中心電圧検出手段により相電圧が振幅中心電圧になる
のを検出したときの前記正弦波の波高と該正弦波の振幅
とに基づいて前記レゾルバの基準点のズレを判定する手
段であるものとすることもできる。こうすれば、基準点
のズレを角度をもって判定することができる。
【0015】また、本発明のセンサ基準点のズレ検出装
置において、前記多相コイルは三相コイルであり、前記
相電圧検出手段は前記三相コイルに結線されると共に星
形結線された三相平衡負荷回路を有する手段であるもの
とすることもできる。この態様の本発明のセンサ基準点
のズレ検出装置において、前記三相平衡負荷回路は、星
形結線の中性点が接地されてなるものとすることもでき
る。こうすれば、相電圧をグランドを中心とした電圧波
形として検出することができるから、相電圧に基づく計
算や処理を簡易なものにすることができる。
【0016】本発明のセンサ基準点のズレ検出装置にお
いて、前記回転手段により前記電動機の回転子を回転さ
せたとき、前記相電圧検出手段により検出される相電圧
の波形と前記電動機の理想的な誘起電圧の波形とに基づ
いて前記電動機の異常を判定する異常判定手段を備える
ものとすることもできる。こうすれば、磁気位置検出セ
ンサの基準点のズレを検出すると同時に電動機の異常を
も判定することができる。この結果、電動機の検査を短
時間に精度よく行なうことができる。
【0017】本発明の第1の電動機の制御装置は、上述
のいずれかの態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出装
置を備え、該ズレ検出装置により検出された前記磁気位
置検出センサの基準点のズレに基づいて前記電動機を制
御することを要旨とする。
【0018】この本発明の第1の電動機の制御装置で
は、磁気位置検出センサの基準点のズレを考慮して電動
機を制御するから、電動機をより適正に制御することが
できる。また、磁気位置検出センサの基準点のズレが経
年変化してもこのズレを検出できるから、経年変化に拘
わらず電動機をより適正に制御することができる。
【0019】本発明の第2の電動機の制御装置は、上述
のいずれかの態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出装
置により検出された前記磁気位置検出センサの基準点の
ズレを記憶する記憶手段を備え、該記憶したズレに基づ
いて前記電動機を制御することを要旨とする。
【0020】この本発明の第2の電動機の制御装置で
は、磁気位置検出センサの基準点のズレを考慮して電動
機を制御するから、電動機をより適正に制御することが
できる。
【0021】本発明のセンサ基準点のズレ検出方法は、
永久磁石と多相コイルとを有する電動機が備える磁気位
置検出センサの基準点のズレを検出するズレ検出方法で
あって、(a)前記電動機の回転子を回転させたときに
前記多相コイルに生じる誘起電圧を検出し、(b)該検
出された誘起電圧と前記電動機が備える磁極位置検出セ
ンサからの信号とに基づいて該磁気位置検出センサの基
準点のズレを判定することを要旨とする。
【0022】この本発明のセンサ基準点のズレ検出方法
では、電動機の回転子を回転させたときに多相コイルに
生じる誘起電圧と電動機が備える磁極位置検出センサか
らの信号とに基づいて磁気位置検出センサの基準点のズ
レを判定する。これは、回転子を回転させることにより
周期的に変化する誘起電圧に基づいて検出可能な回転子
の回転位置と、回転子の回転により変化する磁気に基づ
いて磁気位置検出センサにより検出される基準点とを比
較することにより磁気位置検出センサの基準点のズレを
判定することができることに基づく。誘起電圧に基づい
てズレを検出するから、磁気位置検出センサの基準点の
ズレを精度よく検出することができる。
【0023】こうした本発明のセンサ基準点のズレ検出
方法において、前記ステップ(b)は、前記誘起電圧が
振幅中心電圧になるときの前記磁極位置検出センサから
得られる信号に基づいて該磁気位置検出センサの基準点
のズレを判定するステップであるものとすることもでき
る。こうすれば、誘起電圧の振幅中心電圧を基準として
磁気位置検出センサの基準点のズレを判定することがで
きる。ここで、「ズレの判定」には、ズレの有無を判定
するものの他、ズレの程度を判定するものやズレそのも
のを判定するものも含まれる。
【0024】誘起電圧の振幅中心電圧に基づいて基準点
のズレを判定する態様の本発明のセンサ基準点のズレ検
出方法において、前記ステップ(b)は、所定時間経過
する毎にカウントアップすると共に前記回転子が回転に
より所定位置となったときにリセットされるカウンタを
用い、前記誘起電圧が振幅中心電圧になるときの前記カ
ウンタの値に基づいて前記磁気位置検出センサの基準点
のズレを判定するステップであるものとすることもでき
る。この態様の本発明の基準点のズレ検出方法におい
て、前記磁気位置検出センサの基準点は誘起電圧が複数
回に亘って振幅中心電圧になるときのいずれかに一致す
る点であり、前記カウンタは、前記回転子が回転により
前記磁気位置検出センサの基準点となる位置でリセット
されるカウンタであり、前記ステップ(b)は、前記誘
起電圧が振幅中心電圧になるのを検出したときの前記カ
ウンタの値とリセットされるときのカウンタの最大値と
に基づいて前記ズレの程度を演算するステップであるも
のとすることもできる。カウンタの最大値により回転子
の回転速度を求めることができ、相電圧が振幅中心電圧
になるときのカウンタの値とカウンタの最大値またはリ
セット値(値0)との偏差と回転子の回転速度とにより
磁気位置検出センサの基準点のズレを角度として求める
ことができる。
【0025】また、誘起電圧の振幅中心電圧に基づいて
基準点のズレを判定する態様の本発明のセンサ基準点の
ズレ検出方法において、前記ステップ(b)は、前記電
動機の回転子を正方向に回転させたときに検出される誘
起電圧と前記磁極位置検出センサから得られる信号とに
基づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズレとして
判定される第1のズレと、前記電動機の回転子を負方向
に回転させたときに検出される誘起電圧と前記磁極位置
検出センサから得られる信号とに基づいて前記磁気位置
検出センサの基準点のズレとして判定される第2のズレ
とに基づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズレを
判定するステップであるものとすることもできる。こう
すれば、回転方向に伴って生じる判定のオフセットなど
を補償することができる。この結果、より正確に基準点
のズレを判定することができる。
【0026】本発明のセンサ基準点のズレ検出方法にお
いて、前記ステップ(b)は、前記誘起電圧が振幅中心
電圧となるときの第1のタイミングと、前記磁気位置検
出センサの基準点が検出される第2のタイミングとに基
づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズレを判定す
るステップであるものとすることもできる。これは、基
準点のズレを第1のタイミングと第2のタイミングとの
間の時間などにより検出することができることに基づ
く。
【0027】第1のタイミングと第2のタイミングとに
基づいて基準点のズレを判定する態様の本発明のセンサ
基準点のズレ検出方法において、前記ステップ(b)
は、前記誘起電圧を所定のサンプリング周期でサンプリ
ングすることにより得られる複数の電圧データに基づい
て得られる前記第1のタイミングと、前記磁気位置検出
センサにより所定時間毎により得られる複数の位置デー
タまたは前記磁気位置検出センサからの信号を所定のサ
ンプリング周期でサンプリングすることにより得られる
複数の位置データに基づいて得られる前記第2のタイミ
ングとに基づいて前記ズレを判定するステップであるも
のとすることもできる。こうすれば、複数の電圧データ
に基づいてより正確に第1のタイミングを検出すること
ができ、複数の位置データに基づいてより正確に第2の
タイミングを検出することができる。したがって、こう
した第1のタイミングと第2のタイミングとを用いて磁
気位置検出センサの基準点のズレを判定するから、より
正確に基準点のズレを判定することができる。この態様
の本発明のセンサ基準点のズレ検出方法において、前記
ステップ(b)は、同一のサンプリング周期によりサン
プリングされた前記複数の電圧データと前記複数の位置
データとに基づいて得られる前記第1のタイミングと前
記第2のタイミングと該サンプリング周期とに基づいて
前記ズレの程度を判定するステップであるものとするこ
ともできる。これは、第1のタイミングと第2のタイミ
ングとの間のサンプリング数にサンプリング周期と相電
圧の波形とに基づいて得られる1サンプルに対する相当
角度を乗じることにより、基準点のズレの程度を角度を
もって判定することができること基づく。
【0028】また、第1のタイミングと第2のタイミン
グとに基づいて基準点のズレを判定する態様の本発明の
センサ基準点のズレ検出方法において、前記ステップ
(b)は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミン
グとの間の時間と、前記回転子の回転速度とに基づいて
前記ズレの程度を判定するステップであるものとするこ
ともできる。これは、前記第1のタイミングと前記第2
のタイミングとの間の時間から求められる基準点のズレ
に対応する時間に回転子の回転角速度を乗じることによ
り基準点のズレを角度をもって判定することができるこ
とに基づく。
【0029】本発明のセンサ基準点のズレ検出方法にお
いて、前記磁気位置検出センサはレゾルバであり、前記
ステップ(b)は、前記レゾルバから得られる信号に基
づいて擬似的な正弦波を調製し、前記誘起電圧が振幅中
心電圧になるときの前記正弦波の波高と該正弦波の振幅
とに基づいて前記レゾルバの基準点のズレを判定するス
テップであるものとすることもできる。こうすれば、基
準点のズレを角度をもって判定することができる。
【0030】本発明のセンサ基準点のズレ検出方法にお
いて、前記多相コイルは三相コイルであり、前記相電圧
検出手段は前記三相コイルに結線されると共に星形結線
された三相平衡負荷回路を有する手段であるものとする
こともできる。この態様の本発明のセンサ基準点のズレ
検出方法において、前記三相平衡負荷回路は、星形結線
の中性点が接地されてなるものとすることもできる。こ
うすれば、誘起電圧をグランドを中心とした電圧波形と
して検出することができるから、誘起電圧に基づく計算
や処理を簡易なものにすることができる。
【0031】本発明の電動機の異常判定方法は、前述の
いずれかの態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出方法
により前記ズレを検出すると同時に前記誘起電圧の波形
と前記電動機の理想的な誘起電圧の波形とに基づいて前
記電動機の異常を判定することを要旨とする。
【0032】この本発明の異常判定方法は、電動機が備
える磁気位置検出センサの基準点のズレの検出と同時に
異常の判定を行なうから、電動機の異常の判定だけに時
間を要することがない。この結果、電動機の検査を迅速
に行なうことができる。
【0033】本発明の電動機の制御方法は、上述のいず
れかの態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出方法によ
り検出される前記磁気位置検出センサの基準点のズレに
基づいて電動機を制御することを要旨とする。
【0034】本発明の電動機の制御方法によれば、磁気
位置検出センサの基準点のズレを考慮して電動機を制御
するから、電動機をより適正に制御することができる。
【0035】本発明のセンサの取付位置調整方法は、上
述のいずれかの態様の本発明のセンサ基準点のズレ検出
方法により検出された前記ズレに基づいて前記磁気位置
検出センサの取付位置を調整することを要旨とする。
【0036】本発明のセンサの取付位置調整方法によれ
ば、より正確に検出された磁気位置検出センサの基準点
のズレを用いてセンサの取付位置を調整するから、セン
サをより適正な取付位置に調整することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。
【0038】[第1実施例]図1は、本発明の第1実施
例であるセンサ基準点のズレ検出装置20の構成の概略
を示す構成図である。第1実施例のズレ検出装置20
は、8極の永久磁石が外周面に貼り付けられた回転子1
2とUVWの各相コイル14U,14V,14Wが巻回
されたステータとからなるPM型の電動機10が備える
磁極位置検出センサ18としてのエンコーダの基準点の
ズレを検出する装置として構成されており、図示するよ
うに、電動機10の回転子12を回転させるモータ22
と、電動機10の各相コイル14U,14V,14Wに
各々結線されると共に中性点が接地された星形結線の三
相平衡負荷回路24と、三相平衡負荷回路24の各相U
VWに結線された電圧検出ライン26U,26V,26
Wの信号を増幅して出力する入力処理回路28と、入力
処理回路28からのアナログ信号がその振幅中心電位と
してのゼロ電位とクロスする点で立ち上がり及び立ち下
がりを形成する矩形波信号を生成するゼロクロス検出回
路30と、入力処理回路28からのアナログ信号をデジ
タル変換するADコンバータ32と、磁極位置検出セン
サ18からの基準点信号によってリセットされるアップ
ダウンカウンタ34と、ゼロクロス検出回路30からの
矩形波信号とアップダウンカウンタ34からのカウンタ
値に基づいて磁極位置検出センサ18の基準点のズレを
演算すると共にADコンバータ32からの信号に基づい
て電動機10の巻線の異常などを判定する電子制御ユニ
ット40とを備える。なお、ゼロクロス検出回路30
は、基準電位をゼロ電位とする比較器を用いて構成する
ことができる。
【0039】電子制御ユニット40は、CPU42を中
心とするマイクロプロセッサとして構成されており、C
PU42の他に処理プログラムなどを記憶するROM4
4と、データを一時的に記憶するRAM46と、図示し
ない入出力ポートを備える。なお、電子制御ユニット4
0には、ゼロクロス検出回路30からの矩形波信号やA
Dコンバータ32からの信号、アップダウンカウンタ3
4からのカウンタ値など入力ポートを介して入力されて
いる。
【0040】次に、こうして構成された第1実施例のズ
レ検出装置20における磁極位置検出センサ18の基準
点のズレの検出の原理について説明する。図2は第1実
施例のズレ検出装置20により磁極位置検出センサ18
の基準点のズレを検出する際の原理を説明するフローチ
ャートであり、図3は電動機10の回転子12を回転さ
せたときの三相平衡負荷回路24のU相の誘起電圧,ゼ
ロクロス検出回路30の波形,磁極位置検出センサ18
による基準点の検出信号,アップダウンカウンタ34の
変化の一例を示す説明図である。なお、説明の容易のた
めに、図2のフローチャートには三相平衡負荷回路24
のU相にだけに着目したものとして示した。
【0041】ズレ検出処理は、まず、アップダウンカウ
ンタ34のカウンタ値Cが値0になるのを待つ処理から
実行される(ステップS100)。アップダウンカウン
タ34は、磁極位置検出センサ18が基準点を検出した
ときに磁極位置検出センサ18から出力される信号(例
えば、パルス信号など)により値0にリセットされ、所
定時間経過する毎に値1ずつインクリメントするカウン
タとして構成されているから、ステップS100の処理
は、検査対象の磁極位置検出センサ18が基準点を検出
するのを待つ処理となる。
【0042】アップダウンカウンタ34のカウンタ値C
が値0となるのを検出すると(図3における時間t
0)、周回カウンタnに値0をセットし(ステップS1
02)、ゼロクロス検出回路30によりゼロクロスを検
出するのを待つ(ステップS104)。いま、電動機1
0の回転子12をモータ22により回転させているか
ら、各相コイル14U,14V,14Wには誘起電圧が
生じる。この電圧は、各相コイル14U,14V,14
Wの各相に結線された三相平衡負荷回路24の各相UV
Wにも現われる。電動機10の回転子12に貼り付けら
れた永久磁石は8極であるから、三相平衡負荷回路24
のU相は回転子12が一回転する毎に8回ゼロ電位とク
ロスし、ゼロクロス検出回路30は回転子12が一周す
る毎に4個の矩形波を出力する(図3における時間t1
〜t8)。電子制御ユニット40では、ゼロクロス検出
回路30からの矩形波信号の立ち上がりと立ち下がりを
検出することによりゼロクロスを検出することができ
る。
【0043】ゼロクロスを検出すると、周回カウンタn
を値1だけインクリメントすると共に(ステップS10
6)、アップダウンカウンタ34のカウンタ値Cをn番
目のカウンタ値C(n)に入力し(ステップS10
8)、周回カウンタが値8に等しいか否かを判定する
(ステップS110)。即ち、ゼロクロスを8回検出す
るまで、ゼロクロスを検出する毎にカウンタ値C(n)
にアップダウンカウンタ34のカウンタ値Cを入力する
のである。前述したように、ゼロクロスを8回検出する
ことは回転子12が一回転することを意味する。なお、
こうした、ゼロクロスを検出したときの処理は、ゼロク
ロス検出回路30からの矩形波信号の立ち上がりおよび
立ち下がりによる割り込み処理として処理することがで
きる。
【0044】周回カウンタnが値8になると、アップダ
ウンカウンタ34のカウンタ値Cの最大値、即ち磁極位
置検出センサ18が基準点を検出することによりアップ
ダウンカウンタ34がリセットされる際の直前の値(図
3における時間t9)をカウンタ最大値Cmaxとして
入力し(ステップS112)、入力したカウンタ最大値
Cmaxで360度を割ってアップダウンカウンタ34
のカウンタ値Cを角度に換算する角度換算係数Kを計算
する(ステップS114)。そして、計算した角度換算
係数Kを用いて次式(1)により磁極位置検出センサ1
8の基準点のズレYmを計算して(ステップS11
6)、処理を終了する。
【0045】
【数1】 Ym={K・ΣC(n)−Σ45・(n−1)}/8 (1)
【0046】ここで、式(1)のMは、磁極位置検出セ
ンサ18の基準点にズレが生じていないとしたときに各
ゼロクロス検出の際の角度の和であり、(0+45+9
0+135+180+225+270+315)により
計算される値である。いま、磁極位置検出センサ18の
基準点のズレをYとすると、n回目のゼロクロス検出時
の角度Xnは次式(2)で計算され、K・C(n)に等
しい。45度×8が360度、即ち0度であることを考
慮して、基準点の平均的なズレYmを求めると、上述の
式(1)となる。
【0047】
【数2】Xn=45・n+Y (2)
【0048】以上、磁極位置検出センサ18の基準点の
ズレを検出できる原理を説明した。第1実施例のズレ検
出装置20では、こうしたズレ検出の原理に基づいて、
図4に例示するズレ検出ルーチンを実行する。図4に例
示するズレ検出ルーチンが実行されると、まず、回転子
12をモータ22により正回転方向に所定回転数で回転
駆動し(ステップS120)、その回転状態で図2にお
けるズレ検出処理のステップS100〜S116の処理
を実行して正回転ズレY1を求める(ステップS12
2)。次に回転子12をモータ22により負回転方向に
所定回転数で回転駆動し(ステップS124)、その回
転状態で正回転の場合と同様に処理して負回転ズレY2
を求める(ステップS126)。そして、正回転ズレY
1と負回転ズレY2の平均をズレYmとして計算する
(ステップS128)。
【0049】正回転ズレY1には、図5に示すように、
ゼロクロス検出回路30によるオフセットに基づく回路
による遅れT11と、割り込み処理による遅れT12
と、カウンタ値Cの読み出し遅れT13との合計からな
る総合遅れTd1に基づく誤差を含んでいる。一方、負
回転ズレY2も、図5と同様に示されるゼロクロス検出
回路30によるオフセットに基づく回路による遅れT2
1と、割り込み処理による遅れT22と、カウンタ値C
の読み出し遅れT23との合計からなる総合遅れTd2
に基づく誤差を含んでいる。正回転ズレY1の検出と負
回転ズレY2の検出は同一のズレ検出装置20により行
なわれるから、正回転の際の遅れと負回転の際の遅れは
等しいものとなる。したがって、正回転ズレY1と負回
転ズレY2の平均を計算すれば、回転方向による誤差は
打ち消され、ズレYmはより正確なものとして計算され
る。
【0050】以上説明した第1実施例のズレ検出装置2
0によれば、各相コイル14U,14V,14Wの誘起
電圧と磁極位置検出センサ18からの基準点信号とに基
づいて磁極位置検出センサ18の基準点のズレを検出す
ることができる。しかも、誘起電圧のゼロクロス点に基
づいてズレを検出するから、巻線抵抗のアンバランスや
巻線に付着した異物による抵抗の変化に対して大きな影
響を受けることがない。即ち、磁極位置検出センサ18
の基準点のズレをより正確に検出することができる。さ
らに、回転子12を正負双方向に回転させて回転方向に
基づく誤差を打ち消すから、磁極位置検出センサ18の
基準点のズレをより正確に検出することができる。
【0051】第1実施例のズレ検出装置20では、こう
した磁極位置検出センサ18の基準点のズレの検出を行
なうと同時に電動機10の異常の検査も行なう。電動機
10の異常検査は、ROM44に予め記憶された電動機
10の理想的な誘起電圧の波形とADコンバータ32か
ら入力される各相UVWの波形とを比較することにより
行なわれる。異常判定は、例えばU相について考えれ
ば、回転子12を所定の回転数で回転させたときのU相
の理想的な誘起電圧の波形とADコンバータ32から入
力されるU相の誘起電圧に基づく波形とを重ね合わせ、
そのズレの程度に基づいて判定することができる。この
ように、磁極位置検出センサ18の基準点のズレの検出
と電動機10の異常の検査を同時に行なうことができる
から、電動機10の検査に要する時間を短くすることが
できる。
【0052】第1実施例のズレ検出装置20では、電動
機10が備える磁極位置検出センサ18としてエンコー
ダを用いるものとしたが、ホール素子としてもよく、レ
ゾルバとしてもよい。磁極位置検出センサ18としてレ
ゾルバを用いる場合、アップダウンカウンタ34に代え
てレゾルバデジタルコンバータを用いればよい。
【0053】[第2実施例]図6は、本発明の第2実施
例のセンサ基準点のズレ検出装置120の構成の概略を
示す説明図である。第2実施例のズレ検出装置120
も、8極の永久磁石が外周面に貼り付けられた回転子1
12とUVWの各相コイル114U,114V,114
Wが巻回されたステータとからなるPM型の電動機11
0が備える磁極位置検出センサ118としてのレゾルバ
の基準点のズレを検出する装置として構成されており、
図示するように、電動機110の回転子112を回転さ
せるモータ122と、電動機110の各相コイル114
U,114V,114Wに各々結線されると共に中性点
が接地された星形結線の三相平衡負荷回路124と、磁
極位置検出センサ118からのアナログ信号をデジタル
変換するR/Dコンバータ128と、磁極位置検出セン
サ118からの波形信号を正弦波に整形する波形変換回
路130と、三相平衡負荷回路124の各相UVWに結
線された電圧検出ライン126U,126V,126W
を介して入力される各相UVWの誘起電圧と波形変換回
路130により整形された正弦波信号とR/Dコンバー
タ128からの信号に基づいて磁極位置検出センサ11
8の基準点のズレを演算するズレ演算部140とを備え
る。
【0054】波形変換回路130は、磁極位置検出セン
サ118から直接入力した信号を元に補間法などを用い
て正弦波を整形してズレ演算部140に出力する。磁極
位置検出センサ118からの信号はサンプリング周期毎
の離散的な値であるから、例えば、後述するレゾクバ波
形のゼロクロス点を算出する際に、ゼロクロス点近傍の
2点を用いて算出することにより生じる大きな誤差を正
弦波形に整形したものを用いることによりその誤差を小
さくすることができる。第2実施例のズレ検出装置12
0では、こうした波形変換回路130を用いることによ
り誤差を小さくしている。
【0055】ズレ演算部140は、CPU142を中心
とするマイクロプロセッサとして構成されており、CP
U142の他に処理プログラムなどを記憶するROM1
44と、データを一時的に記憶するRAM146と、図
示しない入出力ポートやタイマなどを備える。ズレ演算
部140からは、演算した磁極位置検出センサ118の
基準点のズレを表示出力するCRTなどの表示装置15
0への表示信号などが出力ポートを介して出力されてい
る。
【0056】次に、こうして構成された第2実施例のズ
レ検出装置120の動作について説明する。第2実施例
のズレ検出装置120でも、説明の容易のために、三相
平衡負荷回路124のU相だけに着目してズレ検出処理
を説明する。図7は、モータ122で回転子112を回
転させた状態で第2実施例のズレ検出装置120により
磁極位置検出センサ118の基準点のズレを検出する際
の処理を例示するフローチャートである。第2実施例の
ズレ検出装置120では、まず、波形変換回路130に
より整形されたレゾルバ信号波形を入力すると共に所定
のサンプリング周期で電圧検出ライン126Uを介して
三相平衡負荷回路124のU相の電圧、即ち誘起電圧を
入力する(ステップS200)。そして、入力したU相
の誘起電圧の複数のデータを解析してU相の誘起電圧が
振幅中心電圧であるゼロ電位となる点(ゼロクロス点)
を算出する(ステップS202)。ここで、U相の誘起
電圧の複数のデータを用いてゼロクロス点を算出するの
は、ゼロクロス点を交差する2点だけによってゼロクロ
ス点を算出する場合に比して真値からの誤差を小さくす
ることができるからである。
【0057】続いて、算出したU相の誘起電圧のゼロク
ロス点に対応するレゾルバ信号波形の電圧値Bを選出す
ると共に(ステップS204)、レゾルバ信号波形のピ
ーク値Aを選出する(ステップS206)。そして、選
出した電圧値Bとピーク値Aとに対して次式(3)の関
係を用いてズレ量θを計算する(ステップS208)。
【0058】
【数3】Asinθ=B (3)
【0059】図8にレゾルバ信号波形と誘起電圧波形と
ズレ量θとの関係の一例を示す。磁極位置検出センサ1
18、即ちレゾルバからの信号波形における基準点とし
てのゼロクロス点は、磁極位置検出センサ118の取り
付け位置にズレが生じていなければU相の誘起電圧波形
のゼロクロス点に一致する。磁極位置検出センサ118
の取り付け位置にズレが生じていると、図8に示すよう
に、レゾルバ信号波形とU相の誘起電圧波形とのゼロク
ロス点にズレが生じる。このときのズレ量θは、レゾル
バ信号波形を正弦波に整形しているから、U相の誘起電
圧波形のゼロクロス点におけるレゾルバ信号波形の値B
とレゾルバ信号波形のピーク値Aとを用いて上述の式
(3)として表わすことができる。この式(3)からズ
レ量θを角度として求めることができる。
【0060】以上説明した第2実施例のズレ検出装置1
20によれば、電動機110の誘起電圧波形の振幅中心
電圧としてのゼロクロス点における磁極位置検出センサ
118としてのレゾルバの信号波形の値Bとレゾルバ信
号波形のピーク値Aとに基づいて磁極位置検出センサ1
18の基準点のズレを検出することができる。しかも、
磁極位置検出センサ118としてのレゾルバから直接入
力した信号を用いてレゾルバ信号波形を正弦波に整形し
たから、精度よくセンサ基準点のズレを検出することが
できる。また、誘起電圧波形のゼロクロス点を複数のデ
ータを用いて算出するから、誘起電圧のフレなどによる
影響を小さくすることができ、より正確にセンサ基準点
のズレを検出することができる。
【0061】[第3実施例]次に、本発明の第3実施例
としてのセンサ基準点のズレ検出装置120Bについて
説明する。第3実施例のズレ検出装置120Bは、第2
実施例のズレ検出装置120と同一のハード構成をして
いる。したがって、第3実施例のズレ検出装置120B
のハード構成の説明は重複するから省略する。
【0062】第3実施例のズレ検出装置120Bでは、
第2実施例のズレ検出装置120で説明した図7に例示
するズレ検出処理に代えて図9に例示するズレ検出処理
によりセンサ基準点のズレを検出する。第3実施例のズ
レ検出装置120Bでも、説明の容易のために、三相平
衡負荷回路124のU相だけに着目してズレ検出処理を
説明する。第3実施例のズレ検出装置120Bでは、ま
ず、波形変換回路130により整形されたレゾルバ信号
波形を入力すると共に所定のサンプリング周期で電圧検
出ライン126Uを介して三相平衡負荷回路124のU
相の電圧、即ち誘起電圧を入力する(ステップS21
0)。そして、入力したU相の誘起電圧の複数のデータ
を解析してU相の誘起電圧が振幅中心電圧であるゼロ電
位となる点(ゼロクロス点)T1を算出すると共に入力
したレゾルバ信号波形のゼロクロス点T2を算出する
(ステップS212)。U相の誘起電圧波形のゼロクロ
ス点T1とレゾルバ信号波形のゼロクロス点T2を複数
のデータに基づいて算出すること及びその効果について
は前述した。
【0063】誘起電圧波形のゼロクロス点T1とレゾル
バ電圧波形のゼロクロス点T2とを算出すると、算出し
たゼロクロス点T1とT2との間のサンプリング数Tを
カウントし(ステップS214)、カウントしたサンプ
リング数Tに1サンプリング間隔当たりの相当角度αを
乗じてズレ量θを計算する(ステップS216)。図1
0にレゾルバ信号波形と誘起電圧の信号波形との関係の
一例を示す。図10の横軸を回転子112の回転角と考
えれば、誘起電圧波形のゼロクロス点T1とレゾルバ電
圧波形のゼロクロス点T2との間のサンプリング数Tに
1サンプリング間隔当たりの相当角度αを乗じることに
より、角度をもってセンサ基準点のズレ量を検出するこ
とができるのが解る。ここで、1サンプリング間隔当た
りの相当角度αは、サンプリング周期と回転子112の
回転速度とにより決定することができる。
【0064】以上説明した第3実施例のズレ検出装置1
20Bによれば、電動機110の誘起電圧波形の振幅中
心電圧としてのゼロクロス点と磁極位置検出センサ11
8としてのレゾルバの信号波形のゼロクロス点とに基づ
いて磁極位置検出センサ118の基準点のズレを検出す
ることができる。もとより、複数のデータを用いて誘起
電圧波形のゼロクロス点やレゾルバ信号は径のゼロクロ
ス点を算出するから、高い精度でセンサ基準点のズレ量
を検出することができる。
【0065】第3実施例のズレ検出装置120Bでは、
図10の横軸を回転子112の回転角と考え、誘起電圧
波形のゼロクロス点T1とレゾルバ電圧波形のゼロクロ
ス点T2との間のサンプリング数Tに1サンプリング間
隔当たりの相当角度αを乗じてズレ量θを計算したが、
図10の横軸を時間と考え、誘起電圧波形のゼロクロス
点T1とレゾルバ電圧波形のゼロクロス点T2との間の
時間を計算し、これに回転角速度を乗じることによりズ
レ量θを計算するものとしてもよい。
【0066】第2実施例のズレ検出装置120や第3実
施例のズレ検出装置120Bでは、こうして検出したセ
ンサ基準点のズレ量θを用いて磁極位置検出センサ11
8の取り付け位置の調整量を求めて表示装置150に表
示する。表示装置150には次式(4)により計算され
る表示値が表示される。ここで、「現時点の角度」はR
/Dコンバータ128により検出されている現時点での
角度であり、「ズレ検出終了時の角度」はズレ検出処理
を終了して回転子112の回転を止めたときにR/Dコ
ンバータ128により検出された角度である。なお、磁
極位置検出センサ118の取り付け位置の調整は、表示
装置150の表示値が値0となるように調製すればよ
い。
【0067】
【数4】 表示値=現時点の角度−ズレ検出終了時の角度+ズレ量θ (4)
【0068】第3実施例のズレ検出装置120Bでは、
磁極位置検出センサ118としてレゾルバを用い、誘起
電圧波形のゼロクロス点T1とレゾルバ信号波形のゼロ
クロス点T2とを算出してセンサ基準点のズレを検出し
たが、レゾルバ信号波形のゼロクロス点T2はセンサ基
準点に置き換えることができるから、正弦波形に変換で
きない信号を出力するタイプの磁極位置検出センサにも
適用することができる。
【0069】以上、第1実施例や第2実施例,第3実施
例を用いてセンサ基準点のズレの検出について説明し
た。各実施例では、本発明をセンサ基準点のズレ検出装
置に適用した形態として説明したが、上述したセンサ基
準点のズレの検出原理から明らかなように、センサ基準
点のズレ検出方法として適用することができる。また、
各実施例のいずれかを備える電動機の制御装置に適用す
ることもできる。即ち、上述のいずれかの実施例のハー
ド構成を備え、電動機を駆動制御しながら、所定のタイ
ミングで電動機が備える磁極位置検出センサの基準点の
ズレを検出し、検出したズレと磁極位置検出センサから
の信号とに基づいて電動機の回転子の位置を演算し、こ
れに基づいて電動機を駆動制御する制御装置の形態をと
ることもできるのである。さらに、上述の各実施例によ
り検出されたセンサ基準点のズレを記憶し、この記憶し
たセンサ基準点のズレを用いて電動機を駆動制御する制
御装置の形態をとることもできる。もとより、上述の各
実施例により検出されたセンサ基準点のズレを用いて電
動機を駆動制御する制御方法の形態をとることもでき
る。
【0070】上述の各実施例では、電動機10,110
の磁極位置検出センサ18,118の基準点のズレを検
出するものとしたが、電動機10,110は、永久磁石
と多相コイルとを備え、回転子を回転させることにより
誘起電圧を生じるものであれば、如何なるタイプの電動
機や発電機であってもよい。
【0071】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるセンサ基準点のズレ
検出装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】第1実施例のズレ検出装置20により磁極位置
検出センサ18の基準点のズレを検出する原理を説明す
るフローチャートである。
【図3】電動機10の回転子12を回転させたときの三
相平衡負荷回路24のU相の誘起電圧,ゼロクロス検出
回路30の波形,磁極位置検出センサ18による基準点
の検出信号,アップダウンカウンタ34の変化の一例を
示す説明図である。
【図4】第1実施例のズレ検出装置20により実行され
るズレ検出ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図5】回転子12を正回転させたときの誤差を説明す
る説明図である。
【図6】本発明の第2実施例のセンサ基準点のズレ検出
装置120の構成の概略を示す説明図である。
【図7】第2実施例のズレ検出装置120により実行さ
れるズレ検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】レゾルバ信号波形と誘起電圧波形とズレ量θと
の関係の一例を示す説明図である。
【図9】第3実施例のズレ検出装置120Bにより実行
されるズレ検出処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図10】レゾルバ信号波形と誘起電圧波形との関係の
一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110…電動機、12,112…回転子、14
U,14V,14W,114U,114V,114W…
各相コイル、18,118…磁極位置検出センサ、2
0,120,120B…ズレ検出装置、22,122…
モータ、24,124…三相平衡負荷回路、26U,2
6V,26W,126U,126V,126W…電圧検
出ライン、28…入力処理回路、30…ゼロクロス検出
回路、32…ADコンバータ、34…アップダウンカウ
ンタ、40…電子制御ユニット、42…CPU、44…
ROM、46…RAM、128…R/Dコンバータ、1
30…波形変換回路、140…ズレ演算部、142…C
PU、144…ROM、146…RAM、150…表示
装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 並木 良博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H019 AA10 BB01 5H560 BB04 BB07 BB12 DA07 DA13 DC13 JJ15 RR03 TT02 TT12 TT15 TT20 XB05 5H611 AA01 BB08 PP05 QQ03 RR00 TT01 UA01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石と多相コイルとを有する電動機
    が備える磁気位置検出センサの基準点のズレを検出する
    ズレ検出装置であって、 前記電動機の回転子を回転させる回転手段と、 前記電動機の各相の電圧を検出する相電圧検出手段と、 前記回転手段により前記電動機の回転子を回転させたと
    き、前記相電圧検出手段により検出される相電圧と前記
    電動機が備える磁極位置検出センサからの信号とに基づ
    いて該磁気位置検出センサの基準点のズレを判定するズ
    レ判定手段と、 を備えるズレ検出装置。
  2. 【請求項2】 前記ズレ判定手段は、前記相電圧検出手
    段により検出される相電圧が振幅中心電圧になるのを検
    出する振幅中心電圧検出手段を備え、該振幅中心電圧検
    出手段により相電圧が振幅中心電圧になるのを検出した
    ときに前記磁極位置検出センサから得られる信号に基づ
    いて該磁気位置検出センサの基準点のズレを判定する手
    段である請求項1記載のズレ検出装置。
  3. 【請求項3】 前記ズレ判定手段は、所定時間経過する
    毎にカウントアップすると共に前記回転子が回転により
    所定位置となったときにリセットされるカウンタを備
    え、前記振幅中心電圧検出手段により相電圧が振幅中心
    電圧になるのを検出したときの前記カウンタの値に基づ
    いて前記磁気位置検出センサの基準点のズレを判定する
    手段である請求項2記載のズレ検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のズレ検出装置であって、 前記磁気位置検出センサの基準点は、相電圧が複数回に
    亘って振幅中心電圧になるときのいずれかに一致する点
    であり、 前記カウンタは、前記回転子が回転により前記磁気位置
    検出センサの基準点となる位置でリセットされるカウン
    タであり、 前記ズレ判定手段は、前記振幅中心電圧検出手段により
    相電圧が振幅中心電圧になるのを検出したときの前記カ
    ウンタの値と、リセットされるときのカウンタの最大値
    とに基づいて前記ズレの程度を演算する手段であるズレ
    検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4いずれか記載のズレ検
    出装置であって、 前記回転手段は、正負双方向に前記電動機の回転子を回
    転可能な手段であり、 前記ズレ判定手段は、前記回転手段により前記電動機の
    回転子を正方向に回転させたときに前記相電圧検出手段
    により検出される相電圧と前記磁極位置検出センサから
    得られる信号とに基づいて前記磁気位置検出センサの基
    準点のズレとして判定される第1のズレと、前記回転手
    段により前記電動機の回転子を負方向に回転させたとき
    に前記相電圧検出手段により検出される相電圧と前記磁
    極位置検出センサから得られる信号とに基づいて前記磁
    気位置検出センサの基準点のズレとして判定される第2
    のズレとに基づいて前記磁気位置検出センサの基準点の
    ズレを判定する手段であるズレ検出装置。
  6. 【請求項6】 前記ズレ判定手段は、前記相電圧検出手
    段により検出される相電圧が振幅中心電圧となるときの
    第1のタイミングを検出する第1タイミング検出手段
    と、前記磁気位置検出センサの基準点が検出される第2
    のタイミングを検出する第2タイミング検出手段とを備
    え、該検出された第1のタイミングと該検出された第2
    のタイミングとに基づいて前記磁気位置検出センサの基
    準点のズレを判定する手段である請求項1記載のズレ検
    出装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のズレ検出装置であって、 前記第1タイミング検出手段は、前記相電圧検出手段に
    より検出される相電圧を所定のサンプリング周期でサン
    プリングすることにより得られる複数の電圧データを記
    憶する第1サンプリングデータ記憶手段を備え、該記憶
    した電圧データに基づいて前記第1のタイミングを検出
    する手段であり、 前記第2タイミング検出手段は、前記磁気位置検出セン
    サにより所定時間毎により得られる複数の位置データま
    たは前記磁気位置検出センサからの信号を所定のサンプ
    リング周期でサンプリングすることにより得られる複数
    の位置データを記憶する第2サンプリングデータ記憶手
    段を備え、該記憶した位置データに基づいて前記第2の
    タイミングを検出する手段であるズレ検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のズレ検出装置であって、 前記複数の電圧データと前記複数の位置データは同一の
    サンプリング周期によりサンプリングされて記憶され、 前記ズレ判定手段は、前記第1のタイミングと前記第2
    のタイミングと前記サンプリング周期とに基づいて前記
    ズレの程度を判定する手段である請求項7記載のズレ検
    出装置。
  9. 【請求項9】 前記ズレ判定手段は、前記第1のタイミ
    ングと前記第2のタイミングとの間の時間と、前記回転
    子の回転速度とに基づいて前記ズレの程度を判定する手
    段である請求項6ないし8いずれか記載のズレ検出装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のズレ検出装置であっ
    て、 前記磁気位置検出センサはレゾルバであり、 前記ズレ判定手段は、前記相電圧検出手段により検出さ
    れる相電圧が振幅中心電圧になるのを検出する振幅中心
    電圧検出手段と、前記レゾルバから得られる信号に基づ
    いて擬似的な正弦波を調製する波形調製手段とを備え、
    前記振幅中心電圧検出手段により相電圧が振幅中心電圧
    になるのを検出したときの前記正弦波の波高と該正弦波
    の振幅とに基づいて前記レゾルバの基準点のズレを判定
    する手段であるズレ検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10いずれか記載のズ
    レ検出装置であって、 前記多相コイルは三相コイルであり、 前記相電圧検出手段は、前記三相コイルに結線されると
    共に星形結線された三相平衡負荷回路を有する手段であ
    るズレ検出装置。
  12. 【請求項12】 前記三相平衡負荷回路は、星形結線の
    中性点が接地されてなる請求項11記載のズレ検出装
    置。
  13. 【請求項13】 前記回転手段により前記電動機の回転
    子を回転させたとき、前記相電圧検出手段により検出さ
    れる相電圧の波形と前記電動機の理想的な誘起電圧の波
    形とに基づいて前記電動機の異常を判定する異常判定手
    段を備える請求項1ないし12いずれか記載のズレ検出
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13いずれか記載のズ
    レ検出装置を備え、該ズレ検出装置により検出された前
    記磁気位置検出センサの基準点のズレに基づいて前記電
    動機を制御する電動機の制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし13いずれか記載のズ
    レ検出装置により検出された前記磁気位置検出センサの
    基準点のズレを記憶する記憶手段を備え、該記憶したズ
    レに基づいて前記電動機を制御する電動機の制御装置。
  16. 【請求項16】 永久磁石と多相コイルとを有する電動
    機が備える磁気位置検出センサの基準点のズレを検出す
    るズレ検出方法であって、(a)前記電動機の回転子を
    回転させたときに前記多相コイルに生じる誘起電圧を検
    出し、(b)該検出された誘起電圧と前記電動機が備え
    る磁極位置検出センサからの信号とに基づいて該磁気位
    置検出センサの基準点のズレを判定するズレ検出方法。
  17. 【請求項17】 前記ステップ(b)は、前記誘起電圧
    が振幅中心電圧になるときの前記磁極位置検出センサか
    ら得られる信号に基づいて該磁気位置検出センサの基準
    点のズレを判定するステップである請求項16記載のズ
    レ検出方法。
  18. 【請求項18】 前記ステップ(b)は、所定時間経過
    する毎にカウントアップすると共に前記回転子が回転に
    より所定位置となったときにリセットされるカウンタを
    用い、前記誘起電圧が振幅中心電圧になるときの前記カ
    ウンタの値に基づいて前記磁気位置検出センサの基準点
    のズレを判定するステップである請求項17記載のズレ
    検出方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のズレ検出方法であっ
    て、 前記磁気位置検出センサの基準点は、誘起電圧が複数回
    に亘って振幅中心電圧になるときのいずれかに一致する
    点であり、 前記カウンタは、前記回転子が回転により前記磁気位置
    検出センサの基準点となる位置でリセットされるカウン
    タであり、 前記ステップ(b)は、前記誘起電圧が振幅中心電圧に
    なるのを検出したときの前記カウンタの値と、リセット
    されるときのカウンタの最大値とに基づいて前記ズレの
    程度を演算するステップであるズレ検出方法。
  20. 【請求項20】 前記ステップ(b)は、前記電動機の
    回転子を正方向に回転させたときに検出される誘起電圧
    と前記磁極位置検出センサから得られる信号とに基づい
    て前記磁気位置検出センサの基準点のズレとして判定さ
    れる第1のズレと、前記電動機の回転子を負方向に回転
    させたときに検出される誘起電圧と前記磁極位置検出セ
    ンサから得られる信号とに基づいて前記磁気位置検出セ
    ンサの基準点のズレとして判定される第2のズレとに基
    づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズレを判定す
    るステップである請求項17ないし19いずれか記載の
    ズレ検出方法。
  21. 【請求項21】 前記ステップ(b)は、前記誘起電圧
    が振幅中心電圧となるときの第1のタイミングと、前記
    磁気位置検出センサの基準点が検出される第2のタイミ
    ングとに基づいて前記磁気位置検出センサの基準点のズ
    レを判定するステップである請求項16記載のズレ検出
    方法。
  22. 【請求項22】 前記ステップ(b)は、前記誘起電圧
    を所定のサンプリング周期でサンプリングすることによ
    り得られる複数の電圧データに基づいて得られる前記第
    1のタイミングと、前記磁気位置検出センサにより所定
    時間毎により得られる複数の位置データまたは前記磁気
    位置検出センサからの信号を所定のサンプリング周期で
    サンプリングすることにより得られる複数の位置データ
    に基づいて得られる前記第2のタイミングとに基づいて
    前記ズレを判定するステップである請求項21記載のズ
    レ検出方法。
  23. 【請求項23】 前記ステップ(b)は、同一のサンプ
    リング周期によりサンプリングされた前記複数の電圧デ
    ータと前記複数の位置データとに基づいて得られる前記
    第1のタイミングと前記第2のタイミングと該サンプリ
    ング周期とに基づいて前記ズレの程度を判定するステッ
    プである請求項22記載のズレ検出方法。
  24. 【請求項24】 前記ステップ(b)は、前記第1のタ
    イミングと前記第2のタイミングとの間の時間と、前記
    回転子の回転速度とに基づいて前記ズレの程度を判定す
    るステップである請求項21ないし23いずれか記載の
    ズレ検出方法。
  25. 【請求項25】 請求項16記載のズレ検出方法であっ
    て、 前記磁気位置検出センサはレゾルバであり、 前記ステップ(b)は、前記レゾルバから得られる信号
    に基づいて擬似的な正弦波を調製し、前記誘起電圧が振
    幅中心電圧になるときの前記正弦波の波高と該正弦波の
    振幅とに基づいて前記レゾルバの基準点のズレを判定す
    るステップであるズレ検出方法。
  26. 【請求項26】 請求項16ないし25いずれか記載の
    ズレ検出方法であって、 前記多相コイルは三相コイルであり、 前記相電圧検出手段は、前記三相コイルに結線されると
    共に星形結線された三相平衡負荷回路を有する手段であ
    るズレ検出方法。
  27. 【請求項27】 前記三相平衡負荷回路は、星形結線の
    中性点が接地されてなる請求項26記載のズレ検出方
    法。
  28. 【請求項28】 請求項16ないし請求項27記載のズ
    レ検出方法により前記ズレを検出すると同時に前記誘起
    電圧の波形と前記電動機の理想的な誘起電圧の波形とに
    基づいて前記電動機の異常を判定する電動機の異常判定
    方法。
  29. 【請求項29】 請求項16ないし27いずれか記載の
    ズレ検出方法により検出される前記磁気位置検出センサ
    の基準点のズレに基づいて前記電動機を制御する電動機
    の制御方法。
  30. 【請求項30】 請求項16ないし27いずれか記載の
    ズレ検出方法により検出された前記ズレに基づいて前記
    磁気位置検出センサの取付位置を調整するセンサの取付
    位置調整方法。
JP2001150423A 2001-05-21 2001-05-21 センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法 Pending JP2002354876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150423A JP2002354876A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001150423A JP2002354876A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002354876A true JP2002354876A (ja) 2002-12-06

Family

ID=18995436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001150423A Pending JP2002354876A (ja) 2001-05-21 2001-05-21 センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002354876A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007110893A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd ブラシレス直流モータ制御装置、ブラシレス直流モータの制御方法、および、ブラシレス直流モータモジュール
JP2008099369A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nippon Yusoki Co Ltd モータ制御装置
JP2008178224A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Toyota Motor Corp ズレ検出装置およびズレ検出方法
JP2008278606A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機
JP2009254066A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toyota Motor Corp ズレ検出装置及びズレ検出方法及び位置検出センサ付電動機の製造方法
JP2010136550A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Seiko Epson Corp 電気機械装置へのセンサ実装方法及び電気機械装置製造装置
EP2270974A1 (en) * 2009-06-19 2011-01-05 Vestas Wind Systems A/S Method for determining rotor position of an electrical generator in a wind turbine
CN102033203A (zh) * 2010-11-24 2011-04-27 郑州春泉暖通节能设备有限公司 一种电机运行状态故障判断方法及其检测装置
CN102281027A (zh) * 2010-06-09 2011-12-14 本田技研工业株式会社 电动机控制装置
JP2012254747A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Toyota Motor Corp 後輪転舵装置
JP2013179771A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Jtekt Corp 回転角検出方法及び検査方法及びモータ制御装置
KR101329873B1 (ko) 2011-06-14 2013-11-15 세미컨덕터 콤포넨츠 인더스트리즈 엘엘씨 단상 브러시리스 모터의 구동 회로
JP2014110686A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 永久磁石モータシステム及び永久磁石モータの磁極位置合わせ方法
CN106877573A (zh) * 2017-03-29 2017-06-20 江苏金坛绿能新能源科技有限公司 一种永磁同步电机旋变对零***及其对零方法
WO2023189241A1 (ja) * 2022-04-01 2023-10-05 オムロン株式会社 制御装置
WO2024111987A1 (ko) * 2022-11-24 2024-05-30 주식회사 엘엑스세미콘 모터 구동 장치, 그 제어 방법, 및 모터에 의하여 구동되는 전자 기기

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06269192A (ja) * 1993-03-11 1994-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd ブラシレス直流モータ
JPH0947066A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Fuji Electric Co Ltd 永久磁石形同期電動機の制御装置
JPH09322583A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Aisin Aw Co Ltd モータ駆動装置及びその制御方法
JPH1198883A (ja) * 1997-09-24 1999-04-09 Fujitsu General Ltd ブラシレスモータの制御方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06269192A (ja) * 1993-03-11 1994-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd ブラシレス直流モータ
JPH0947066A (ja) * 1995-07-31 1997-02-14 Fuji Electric Co Ltd 永久磁石形同期電動機の制御装置
JPH09322583A (ja) * 1996-05-30 1997-12-12 Aisin Aw Co Ltd モータ駆動装置及びその制御方法
JPH1198883A (ja) * 1997-09-24 1999-04-09 Fujitsu General Ltd ブラシレスモータの制御方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007110893A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd ブラシレス直流モータ制御装置、ブラシレス直流モータの制御方法、および、ブラシレス直流モータモジュール
JP2008099369A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Nippon Yusoki Co Ltd モータ制御装置
JP2008178224A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Toyota Motor Corp ズレ検出装置およびズレ検出方法
JP2008278606A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の回転位置検出装置及び回転電機
JP2009254066A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toyota Motor Corp ズレ検出装置及びズレ検出方法及び位置検出センサ付電動機の製造方法
JP2010136550A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Seiko Epson Corp 電気機械装置へのセンサ実装方法及び電気機械装置製造装置
US8089172B2 (en) 2009-06-19 2012-01-03 Vestas Wind Systems A/S Method for determining a rotor position of an electrical generator in a wind turbine
US8089171B2 (en) 2009-06-19 2012-01-03 Vestas Wind Systems A/S Method for determining a rotor position of an electrical generator in a wind turbine
EP2270974A1 (en) * 2009-06-19 2011-01-05 Vestas Wind Systems A/S Method for determining rotor position of an electrical generator in a wind turbine
CN102281027A (zh) * 2010-06-09 2011-12-14 本田技研工业株式会社 电动机控制装置
KR101255931B1 (ko) 2010-06-09 2013-04-23 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 모터 제어 장치
CN102033203A (zh) * 2010-11-24 2011-04-27 郑州春泉暖通节能设备有限公司 一种电机运行状态故障判断方法及其检测装置
JP2012254747A (ja) * 2011-06-10 2012-12-27 Toyota Motor Corp 後輪転舵装置
KR101329873B1 (ko) 2011-06-14 2013-11-15 세미컨덕터 콤포넨츠 인더스트리즈 엘엘씨 단상 브러시리스 모터의 구동 회로
JP2013179771A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Jtekt Corp 回転角検出方法及び検査方法及びモータ制御装置
JP2014110686A (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 永久磁石モータシステム及び永久磁石モータの磁極位置合わせ方法
WO2014087907A1 (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 株式会社日立産機システム 永久磁石モータシステム及び永久磁石モータの磁極位置合わせ方法
CN106877573A (zh) * 2017-03-29 2017-06-20 江苏金坛绿能新能源科技有限公司 一种永磁同步电机旋变对零***及其对零方法
WO2023189241A1 (ja) * 2022-04-01 2023-10-05 オムロン株式会社 制御装置
WO2024111987A1 (ko) * 2022-11-24 2024-05-30 주식회사 엘엑스세미콘 모터 구동 장치, 그 제어 방법, 및 모터에 의하여 구동되는 전자 기기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002354876A (ja) センサ基準点のズレ検出装置およびズレ検出方法、電動機の制御装置および制御方法、電動機の異常判定方法、センサの取付位置調整方法
US8872511B2 (en) Angle of rotation detection device
US8471506B2 (en) Motor control apparatus
US7692566B2 (en) Angle detection device
KR102588927B1 (ko) 모터 제어방법
US6713981B2 (en) Pole position detector for motor
US20180013370A1 (en) Method and apparatus for synchronizing mdps motor and motor position sensor
CN107919830A (zh) 一种电机位置传感器的标定方法及装置
KR101655297B1 (ko) 리니어 홀 센서 위치보정장치 및 그 위치보정방법
US6906494B2 (en) Motor controller
EP3588768B1 (en) Method for determining the position of a rotor in an electronically commuted motor
JP5092847B2 (ja) ズレ検出装置及びズレ検出方法及び位置検出センサ付電動機の製造方法
CN111987958B (zh) 一种永磁同步电机转子位置检测方法及***
JP2021197895A (ja) 3相ブラシレスモーター及び3相ブラシレスモーターの回転位置検出方法
JP7468390B2 (ja) モータ制御装置
KR102542785B1 (ko) 모터의 회전자 위치 보정 장치 및 회전자 위치 보정 방법
JP4967676B2 (ja) ズレ検出装置およびズレ検出方法
JP2016020819A (ja) 角度検出装置及びモータ駆動回路
JP2004336866A (ja) 同期モータのセンサレス駆動装置
JP2897301B2 (ja) 直流ブラシレスモータの制御方法
US20190238078A1 (en) Driving permanent magnet motor based on neutral point voltage
JPH0382391A (ja) ブラシレスモータの位置検出方式
CN115987159A (zh) 电机控制芯片、***及方法
JP2009284617A (ja) 同期電動機の位置・速度制御装置および回転位置検出方法
Karaliunas Study on the characteristics of electronically commutated motor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101102