JP4961725B2 - 同期電動機の制御装置およびその制御方法 - Google Patents

同期電動機の制御装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は同期電動機の制御装置およびその制御方法に関する。
近年自動車にも多数用いられている電動モータでは、自動車という用途上、小型化と効率に対して厳しい要求がなされている。現在、電動モータを走行用に搭載した自動車の多くは、エンジンの出力とモータの出力を組み合わせて走行するハイブリッド自動車であり、発電機用途と電動機用途の2つのモータを搭載したものが多く、このようなハイブリッド自動車用モータの小型化・高効率化を実現する手段として、本出願人は特許第3480301号(特許文献1を参照されたい。)を提案している。
この発明によれば、1つの固定子に複合電流を給電することで2つの回転子を独立に回転させることが可能であり、1つのモータ体格で2つのモータ分のトルクを発生させることが可能であるとともに、両回転子に合わせて固定子に与えられる電流の平均値は、単純に2つのモータに電流を与えた場合の平均値より低く、電流による損失が低減するという効果がある。また、本出願人は、1つの回転子で上記の効果が得られる電動機を開発している(詳細は後述する)。
特許第3480301号(段落[0010-0012]、図1)
しかしながら、前記の発明における電動機は、複数の極対数に対応した電流を給電するため、電流磁束の高次成分による鉄損が比較的大きくなり、電動機効率が低下してしまうという問題点があった。そこで、本発明は上記の電動機について、回転速度と出力トルクとで表される電動機の動作点の全てにおいて、高効率な駆動技法を提供するものである。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による同期電動機の制御装置は、
それぞれ極対数の異なる複数の回転子を有し且つそれらの回転子を(互いに相対回転せぬように)同軸に接続した回転子群から成る1つの回転子(即ち、複合電流で各々が独自に駆動・回転可能な各ロータを機械的に接続して1つのロータとして一体回転させる構造にしたもの)、もしくは、極対数の異なる(複数の磁石の組から発生されるような)複数の磁束を重畳した空間磁束を有する1つの回転子、のいずれか一方の回転子と、前記複数の極対数に対応した複数の回転磁界を発生させることができる固定子と、から構成される同期電動機の制御装置であって、
前記同期電動機の回転速度と出力トルクの少なくとも一方を所定値と比較し、比較した結果に応じて、前記複数の極対数に対応した回転磁界を発生させる複合給電モードと、1つの極対数に対応した回転磁界を発生させる単独給電モードと、を切り換える給電モード切り換え手段(例えば回路など)、
を含むことを特徴とする。
また、第2の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記同期電動機の出力トルクが所定値より大きいときは前記複合給電モード、
前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の出力トルクおよび回転速度が上記以外のときは)、前記複数の極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第3の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記同期電動機の回転速度が第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
前記同期電動機の回転速度が第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の回転速度が上記以外のとき)、前記複合給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
それ以外の場合には(前記同期電動機の回転速度が上記以外のとき)、前記複合給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第5の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記同期電動機の出力トルクが第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
前記同期電動機の出力トルクが第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいとき複合給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の出力トルクが上記以外のとき)前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第6の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の各動作点において、前記複合給電モードと前記単独給電モードのうち、前記同期電動機の入出力効率が高くなる方の給電モードを選択する、
ことを特徴とする。
また、第7の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の動作点において、第1の動作点から第2の動作点へ動作点が変化するとき、第2の動作点で所定時間が経過するまで、第1の動作点における給電モードを保持し、前記所定時間の後に第2の動作点における給電モードに切り換える、
ことを特徴とする。
また、第8の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
給電モードの切り換え時には、前記同期電動機の出力トルクが切り換えの前後で連続になるように、切り換え前後の給電モードで必要な各極対数に対応する回転磁界のそれぞれを時間的に配分比率を変化させる、
ことを特徴とする。
また、第9の発明による同期電動機の制御装置は、
前記給電モード切り換え手段が、
1つの極対数の駆動に対応した単独給電モードにおいて、給電(駆動)しない他方の極対数に起因して前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧を抑制するように、この他方の極対数に応じた弱め界磁電流を、前記単独給電モードの電流に重畳させる、
ことを特徴とする。
また、第10の発明による同期電動機の制御装置は、
前記回転子が、
前記複数の極対数に関し、それぞれの磁極の位相差が、前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧波形のピーク値が最小となるような位相差で構成されている、
ことを特徴とする。
また、第11の発明による同期電動機の制御装置は、
前記複数の極対数が、P1とP2(但し、P1<P2)の2つの極対数であり、
これらの磁極の位相差は下記式:
位相差[機械角(度)]=90×(1/P1−1/P2)
を満足する、
ことを特徴とする。
また、第12の発明による同期電動機の制御装置は、
前記位相差の式であたえられる角度からのズレ角は−20%〜+20%以内である、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、第1の発明を方法として実現させた場合、第13の発明による同期電動機の制御方法は、
それぞれ極対数の異なる複数の回転子を有し且つそれらの回転子を(互いに相対回転せぬように)同軸に接続した回転子群から成る1つの回転子(即ち、複合電流で各々が独自に駆動・回転可能な各ロータを機械的に接続して1つのロータとして一体回転させる構造にしたもの)、もしくは、極対数の異なる複数の磁束を重畳した空間磁束を有する1つの回転子、のいずれか一方の回転子と、前記複数の極対数に対応した複数の回転磁界を発生させることができる固定子と、から構成される同期電動機の制御方法であって、
前記同期電動機の回転速度と出力トルクの少なくとも一方を所定値と比較し、比較した結果に応じて、前記複数の極対数に対応した回転磁界を発生させる複合給電モードと、1つの極対数に対応した回転磁界を発生させる単独給電モードと、を切り換える給電モード切り換えステップ、
を含むことを特徴とする。
また、第14の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記同期電動機の出力トルクが所定値より大きいときは前記複合給電モード、
前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の出力トルクおよび回転速度が上記以外のときは)、前記複数の極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第15の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記同期電動機の回転速度が第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
前記同期電動機の回転速度が第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の回転速度が上記以外のとき)、前記複合給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第16の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
それ以外の場合には(前記同期電動機の回転速度が上記以外のとき)、前記複合給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第17の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記同期電動機の出力トルクが第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
前記同期電動機の出力トルクが第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいとき複合給電モード、
これら以外の場合には(前記同期電動機の出力トルクが上記以外のとき)前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
をそれぞれ選択する、
ことを特徴とする。
また、第18の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の各動作点において、前記複合給電モードと前記単独給電モードのうち、前記同期電動機の入出力効率が高くなる方の給電モードを選択する、
ことを特徴とする。
また、第19の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の動作点において、第1の動作点から第2の動作点へ動作点が変化するとき、第2の動作点で所定時間が経過するまで、第1の動作点における給電モードを保持し、前記所定時間の後に第2の動作点における給電モードに切り換える、
ことを特徴とする。
また、第20の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
給電モードの切り換え時には、前記同期電動機の出力トルクが切り換えの前後で連続になるように、切り換え前後の給電モードで必要な各極対数に対応する回転磁界のそれぞれを時間的に配分比率を変化させる、
ことを特徴とする。
また、第21の発明による同期電動機の制御方法は、
前記給電モード切り換えステップが、
1つの極対数の駆動に対応した単独給電モードにおいて、給電(駆動)しない他方の極対数に起因して前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧を抑制するように、この他方の極対数に応じた弱め界磁電流を、前記単独給電モードの電流に重畳させる、
ことを特徴とする。
また、第22の発明による同期電動機の制御方法は、
前記回転子が、
前記複数の極対数に関し、それぞれの磁極の位相差が、前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧波形のピーク値が最小となるような位相差で構成されている、
ことを特徴とする。
また、第23の発明による同期電動機の制御方法は、
前記複数の極対数が、P1とP2(但し、P1<P2)の2つの極対数であり、
これらの磁極の位相差は下記式:
位相差[機械角(度)]=90×(1/P1−1/P2)
を満足する、
ことを特徴とする。
また、第24の発明による同期電動機の制御方法は、
前記位相差の式であたえられる角度からのズレ角は−20%〜+20%以内である、
ことを特徴とする。
第1の発明によれば、それぞれ極対数の異なる複数の回転子を有し且つそれらの回転子は互いに相対回転せぬよう同軸に接続した回転子群からなる1つの回転子、もしくは、極対数の異なる磁束を重畳した空間磁束を有する1つの回転子、のいずれか一方を回転子として用い、これと、前記複数の極対数に対応した複数の回転磁界を発生させることができる固定子とから構成される同期電動機において、複数の極対数に対応した回転磁界を発生させる複合給電モードと、1つの極対数に対応した回転磁界を発生させる単独給電モードとを有し、電動機の回転速度と出力トルクの少なくとも一方を所定値と比較し、比較した結果に応じて給電モードを切り換えるので、損失を最小限に抑制することが可能となり、電動機の動作点の全域において高効率な電動機を提供できるようになる。
また、第2の発明によれば、電動機の出力トルクが所定値より大きいとき複合給電モードとするので、本発明に用いる電動機の出力トルクを余すことなく発揮できる。また、前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モードとするので、このときの電流磁束周波数は低く、鉄損は抑制されるので、この領域で電動機の効率が向上する。さらに、前記同期電動機の出力トルクおよび回転速度が上記以外、つまり、出力トルクが所定値より小さく、回転速度が所定値より小さいとき、前記極対数のうち大きい極対数に対応した単独給電モードとするので、大きい極対数ゆえの低速大トルク特性が得られると共に、小さい極対数に対応する電流磁束による鉄損が生じないので、この領域で電動機の効率が向上する。なお、前記出力トルクの所定値と回転速度の所定値は、それぞれ回転速度に対して可変値、出力トルクに対して可変値とすることもできる。この場合、更に厳密な領域指定となることから、電動機の効率は更に向上できる。
また、第3の発明によれば、回転速度に対して第1の所定値と、これより大きな値の第2の所定値との少なくとも2つの所定値を持ち、電動機の回転速度が第1の所定値より大きいとき前記極対数のうち大きい極対数に対応した単独給電モード、前記同期電動機の回転速度が第2の所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モード、前記同期電動機の回転速度が上記以外、つまり、第1の所定値より小さいとき複合給電モードとするので、第2の発明の効果に加えて、簡単に検知可能な回転速度のみで給電モード切り換えが可能となる。また、電動機の負荷トルク変動に対して給電モードの切り換えが生じないので、このような負荷トルク変動の大きい用途、もしくは、出力トルク変化要求の多い用途にこの発明を用いることで、切り換え時に生じる極僅かなトルク変動や、作動音の変化の少ない電動機を提供できる。
また、第4の発明によれば、電動機の回転速度が所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モード、前記同期電動機の回転速度が上記以外、つまり、回転速度が所定値より小さいとき複合給電モードとするので、第3の発明による効果に加えて、更に、切り換え領域判定のためのプログラムを簡素化できる。
また、第5の発明によれば、出力トルクに対して第1の所定値と、これより大きな値の第2の所定値との少なくとも2つの所定値を持ち、電動機の出力トルクが第1の所定値より大きいとき前記極対数のうち大きい極対数に対応した単独給電モード、前記同期電動機の出力トルクが第2の所定値より大きいとき複合給電モード、前記同期電動機の出力トルクが上記以外、つまり、第1の所定値より小さいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モードとするので、第2の発明の効果に加えて、負荷回転速度変動の大きい用途、もしくは、回転速度変化要求の多い用途にこの発明を用いることで、切り換え時に生じる極僅かなトルク変動や、作動音の変化の少ない電動機を提供できる。
また、第6の発明によれば、前記回転速度と出力トルクとで表される電動機の各動作点において、前記複合給電モードと単独給電モードとのいずれか、電動機の入出力効率の高いモードを選択して駆動するので、この電動機の損失を最大限抑制でき、最も高効率な特性が得られる。
また、第7の発明によれば、前記回転速度と出力トルクとで表される電動機の動作点において、第1の動作点から第2の動作点へ、動作点が変化するとき、第2の動作点で所定時間が経過するまで、第1の動作点における給電モードを保持し、前記所定時間の後に第2の動作点における給電モードに切り換えて駆動するので、動作点の遷移が頻繁に発生する用途にこの発明を用いることで、遷移中の給電モード切り換えに起因した極僅かなトルク変動や、作動音の変化を発生しなくできる。
また、第8の発明によれば、前記給電モードの切り換え時は、切り換えの前後の給電モードで必要な、各極対数に対応する回転磁界のそれぞれを時間的に配分比率を変化させて、出力トルクが連続になるよう駆動するので、給電モード切り換えに起因した極僅かなトルク変動や、作動音の変化を抑制することができる。
また、第9の発明によれば、1つの極対数の駆動に対応した単独給電モードにおいて、駆動しない他方の極対数に起因して固定子の巻線に発生する誘起電圧を抑制するよう、この極対数に応じた弱め界磁電流を重畳させるので、インバータ素子耐圧ないし電源電圧に対する電圧余裕を確保することができる。
また、第10の発明によれば、前記複数の極対数に関し、それぞれの磁極の位相差は、固定子巻線に発生する誘起電圧波形のピーク値が最小となる位相差に決められるので、インバータ素子耐圧ないし電源電圧に対する電圧余裕を最大にすることができる。
また、第11の発明によれば、前記複数の極対数は、P1とP2(P1<P2)との2つの極対数であり、これらの磁極の位相差は下記式
Figure 0004961725
を満足するようにすると、固定子巻線に生じる誘起電圧波形のピークを最小にすることが可能であり、第10の発明の効果を最大化できる。
また、第12の発明によれば、前記位相差の式であたえられる角度からのズレ角を−20%〜+20%以内とすることで、固定子巻線に生じる誘起電圧波形のピークの悪化率を最小のときの5%程度に抑えることができる。
以降、諸図面を参照しつつ、本発明の実施態様を詳細に説明する。
第1の実施例
図1が本発明に適用する同期電動機およびその制御装置の1例を示す図である。まず構成を説明する。電動機は1つの回転子14、及び18個の分割されたコア12から構成される固定子11から構成される。各コアに集中巻きされる巻線13は、6個おきに配置されている3個が1セット(トータル6セット)となっており、直列、あるいは並列に接続され、その一方が中性点として他の相の一方と接続され、他方は図示しないインバータの内部で、電源ラインのP側・N側にスイッチング素子を介して接続されている。このインバータは6相を制御する構成となっている。また、回転子はこの実施例では3極対と6極対の2種類の極対数を備えるものとなっている。
次にこの電動機の動作を説明する。固定子には先述のように6相のインバータが接続されており、これによって3極対と6極対の回転子磁界に対応した複合正弦波磁束を発生するように電流を与えれば良い。回転子の位置に応じて電流指令を回転させるのは通常のモータと同じであるが、このモータでは両極対に対応する複合磁束を発生させるため、まず3極対に対しては、3周期の正弦波を発生させるので、インバータを6相と考え、正弦波1周期を6分割した各位置での電流値を各相の指令値として計算する。一方、6極対に対しては、6周期の正弦波を発生させるので、正弦波1周期を3分割した位置での電流指令値として求め、6相インバータ第1と第4相、第2と第5相、第3と第6相の指令値とする。この後3極対と6極対の指令値それぞれを足し合わせ、6相インバータの指令値として電流制御を行う。このことで回転子がトルクを発生し回転する。なお、特許第3480301号に記載の2つの回転子を機械的に接続したものも本発明の駆動方法を適用することができる。さらに、この固定子は分割されたコアで記述されているが、分割されないコアでも同様の動作ができること、或いはスロットレス型モータでも本発明を適用することが可能である。また、巻線は集中巻に限らず分布巻でも適用可能である。
14は回転子であり、この実施例では、回転子14は、N極の3つ磁石N1〜N3、S極の6つの磁石S1〜S6を含み、これらの磁石は3極対と6極対の2種類の極対数を備える2組の磁石として機能する。この場合の2組の磁石は、概念的なものであり、部材が明確に分離されているものではなく、固定子の巻線に供給される複合電流を構成する1つの電流に対して、3極対の磁石のセットとして振る舞う磁石の組が1つあり、複合電流を構成するもう1つの電流に対して、6極対の磁石のセットとして振る舞う磁石の組が1つあることを意味するものであり、各磁石S1〜S6、N1〜3が同時に双方の組の磁石として機能するものである。この詳細については図2を参照して説明する。以降、作図や説明の便宜上、回転子の磁石をN極、S極として図示・説明するが、N−S極の構成・配置を逆に置き換えても発明の作用・効果は同様であることに留意されたい。さらに、N極、S極の磁石は、磁力線の向きが半径方向となるように、着磁方向をそれぞれ半径方向(反対向きで)にした磁石を、N極を外側(固定子側)、S極を外側(固定子側)に配置したものである。この実施例では磁石は着磁方向を半径方向に配置したものを用いてあるが、この配置には限定されず、磁力線がほぼ半径方向に向いていれば問題なく、例えばV字型の磁石配置であってもよい。
図1に示すように、この電動機を制御する制御装置20は、給電モード切り換え手段22を具える。給電モード切り換え手段22は、後述する所定値(閾値)に基づき、複合給電モード、単独給電モード(高次)、単独給電モード(低次)の3つの給電モードのなかから最適なものに切り換える。実際には、例えば、給電モード切り換え手段22が図示しないインバータ(或いはインバータの制御装置などの上位回路など)に対して給電モード切り換え信号を与えることによってモード切り換えを行う。なお、電動機の制御装置には給電モード切り替え手段以外の多数の回路・機能が含まれるが本発明に関連しない箇所は図示していない。
図2は、第1の実施例の回転子生成説明図であり、図2の(A)は、2回転子構造のモータの回転子であり、内側回転子が3極対、外側回転子が6極対の磁石を備える。この磁石を内側の回転子の表層に2層に配置したのが図2の(B)である。配置の際に、若干の位相調整をしているがその詳細は後述する。図2(B)を見ると、回転子14Aは着磁方向の異なる2種類の磁石(N極、S極)が幾つかの位置で互いに接している。周知のように着磁方向の異なる磁石を張り合わせた場合、双方の磁力が同じであれば磁石が無い物と等価である。
そこで、径方向に見て異なる着磁の磁石が張り合わせてある部分から磁石を排除したのが図2(C)であり、この回転子14にはN極の磁石N1〜N3,S極の磁石S1〜S6が含まれる。この結果、周囲に曲線で示したような、3極対と6極対の複合磁束CFを発生する回転子14が完成する。なお、本発明で使用する回転子は、極性の違う磁石が接触している部分の磁石を除去していない、内側回転子と外側回転子とを一体にした構成である図2(B)の構成で充分であり、小型化、電流低減の効果が得られるものであり、図2(C)と同じ複合磁束CF(図2(B)には図示せず)が発生することに注意されたい。つまり、回転子14Aは、インナーロータの第1の回転子とアウターロータの第2の回転子とを一体化した構成の回転子である。もちろん、不要な磁石を除去した図2(C)の構成の方が削除した磁石分の慣性の低減によるトルクの向上、モータの軽量化、削除した磁石の分の経費節減などでさらに効果がある。
なお、図2(C)では、不要な磁石を除去した領域は空間となっており、空気がその領域を占めているが、この空気が占める領域は磁束を通さない機能を果たしている。即ち、磁石を除去したこの領域には、鉄などの磁束を通し易い素材以外の部材を置く必要があるが、通常は空間(空気)でこと足りる。もちろん、当該領域には空気以外の磁束を通しにくい部材が設置されていいてもかまわない。
次に本実施例の駆動方法を説明する。図3は本実施例で適用する給電モードマップである。各給電モードの領域を区切る閾値として、図1に示した電動機の制御装置20の給電モード切り換え手段22にはトルク所定値と回転速度所定値とを備える。この切り換え手段22ではこの閾値と電動機の現在の動作点を比較することにより領域判定を行い、各領域に応じた給電モードで電動機を駆動する。電動機の出力トルクがトルク所定値より大きいとき、複合給電モードで駆動する。これは、前述したように3極対と6極対の両方に対応した電流制御のことであり、1つのモータ体格で通常の電動機の2倍のトルクを発生することができる。また、電動機の回転速度が回転速度所定値より大きいとき、低次の単独給電モードで駆動する。これは低次、つまり、3極対に対応した電流制御のことであり、この結果、複合給電モードで通電していた6極対に対応した電流を除去するので、鉄損の要因である高周波磁束を除去して、電動機を高効率に駆動できるようになる。
さらに、電動機の出力トルクがトルク所定値より小さく、且つ、回転速度が回転速度所定値より小さいとき、高次の単独給電モードで駆動する。これは高次、つまり、6極対に対応した電流制御のことであり、この領域は低速で出力トルクが大きくとれる高次の極対数でカバーすることにより、過剰な電流磁束を発生させずに鉄損を低減し、電動機を高効率に駆動できるようになる。
なお、本実施例ではトルク所定値と回転速度所定値は一定値としたが、それぞれ回転速度に対して可変値、出力トルクに対して可変値とすることもできる。この場合、制御器における判定プログラムが複雑になるが、更に厳密な領域指定となることから、電動機の効率は更に向上できる。また、電動機の現在の出力トルクは、トルク検出器の検出信号を用いても良いし、回転速度と通電電流から推定しても良いし、制御器へのトルク指令値で代用しても良い。電動機の現在の回転速度は、電動機に装備される回転角度検出器の検出信号を用いても良いし、もし負荷側に回転速度検出器が装備されていればその検出信号を用いても良い。
第2の実施例
実施例の駆動方法を説明する。図4は本実施例で適用する給電モードマップである。各給電モードの領域を区切る閾値として、図示しない電動機の制御器には回転速度所定値1と回転速度所定値2との2つの閾値を備える。電動機の回転速度が回転速度所定値1より小さいとき、複合給電モードで駆動する。また、電動機の回転速度が回転速度所定値1以上であり、且つ、回転速度所定値2より小さいとき、高次の単独給電モードで駆動する。さらに、電動機の回転速度が回転速度所定値2以上のとき、低次の単独給電モードで駆動する。各領域における作動は第1の実施例と同等である。また、第3の発明の効果が得られる。
第3の実施例
本実施例の駆動方法を説明する。図5は本実施例で適用する給電モードマップである。各給電モードの領域を区切る閾値として、図示しない電動機の制御器には回転速度所定値の閾値を備える。電動機の回転速度が回転速度所定値より小さいとき、複合給電モードで駆動する。また、電動機の回転速度が回転速度所定値以上のとき、低次の単独給電モードで駆動する。各領域における作動は第1の実施例と同等である。第4の発明の効果が得られることとなる。
第4の実施例
本実施例の駆動方法を説明する。図6は本実施例で適用する給電モードマップである。各給電モードの領域を区切る閾値として、図示しない電動機の制御器にはトルク所定値1とトルク所定値2との2つの閾値を備える。電動機の出力トルクがトルク所定値1より小さいとき、低次の単独給電モードで駆動する。電動機の出力トルクがトルク所定値1以上であり、且つ、トルク所定値2より小さいとき、高次の単独給電モードで駆動する。さらに、電動機の出力トルクがトルク所定値2以上のとき、複合給電モードで駆動する。各領域における作動は第1の実施例と同等である。第5の発明の効果が得られることとなる。
第5の実施例
本実施例の駆動方法を説明する。本実施例では前記回転速度と出力トルクとで表される電動機の各動作点において、前記複合給電モードと単独給電モードとのいずれか、電動機の入出力効率の高いモードを選択して駆動する。これは、複合給電モード、各単独給電モードにおける各動作点の電動機効率を予め解析もしくは実験で求め、各動作点において最も電動機効率の良い給電モードを抽出し、それを給電モードマップにマッピングしておく。電動機の制御器にこの給電モードマップを備え、電動機の現在の動作点と照らし合わせて給電モードを選択する。したがって本実施例によれば、この電動機の損失を最大限抑制でき、最も高効率な特性が得られる。
第6の実施例
本実施例では、前記回転速度と出力トルクとで表される電動機の動作点において、第1の動作点から第2の動作点へ、動作点が変化するとき、第2の動作点で所定時間が経過するまで、第1の動作点における給電モードを保持し、前記所定時間の後に第2の動作点における給電モードに切り換える。図7が、この動作点が変化する場合を説明する図である。この給電モードマップは第1の実施例と同等である。図7の動作点上、動作点Aでは6極対(高次側)に対応した単独給電モードで駆動されており、その後、動作点Bへの遷移の途中に回転速度所定値をまたぐが、このとき3極対(低次)に対応した単独給電モードには切り換えない。その後、動作点Bに達し、所定時間(例えば1秒)動作点の遷移が発生しないことを検知したうえで、本来この領域の給電モードである3極対に対応した単独給電モードに切り換える。このようにすることで、動作点遷移中の電動機効率は第1の実施例の効果より低下するものの、遷移中の給電モード切り換えに起因した極僅かなトルク変動や、作動音の変化を発生しなくできる。
また、図8に第4の実施例の給電モードマップで本実施例を適用した例を説明する。動作点A、動作点Bともに3極対(低次)に対応した単独給電モードであるが、その遷移中に6極対(高次)に対応した単独給電モードを経由する。この場合も前述同様に遷移中の給電モード切り換えはおこなわない。以上に説明したように本実施例は、任意の動作点で所定時間経過したことを検知して、その後、本来その領域の給電モードに切り換える。任意の動作点で所定時間経過したことを検知する手段としては、前記出力トルク検出器と回転速度検出器との時間変化率を随時演算し、これらの値がゼロに近い所定値以下である時間をカウントすることによって実現できる。なお、モード遷移中に高速大トルク領域を経由した場合など、本来の給電モードでしか実現できない領域の場合は前述の限りではなく、本来の給電モードで駆動されるものである。
第7の実施例
給電モードの切り換え時は、切り換えの前後の給電モードで必要な、各極対数に対応する回転磁界のそれぞれを時間的に配分比率を変化させて、出力トルクが連続になるよう駆動する。例えば6極対の単独給電モードから3極対の単独給電モードに切り換える場合、6極対に対応した電流を徐々に絞り、これとオーバーラップさせて3極対に対応した電流を増加させる。このとき両電流の加算によって発生するトルクはそのときの動作点におけるトルクに一致させるように、各電流は配分されるものである。この実施例では第8の発明の効果が得られることとなる。
第8の実施例
1つの極対数の駆動に対応した単独給電モードにおいて、その制御電流には駆動しない他方の極対数に応じた弱め界磁電流を重畳させる。上述した実施例においては1例として、3極対に対応した単独給電モード駆動時に、6極対に対応した弱め界磁電流を加算することがこれにあたる。この実施例では第9の発明の効果が得られることとなる。
第9の実施例
図9は回転子に発生させる2つの極対数の位相関係を説明する図である。同9の(c)は2極対と4極対との複合磁束を発生する回転子である。それぞれの極対数に対応した磁束の位相差を(c)のように定義すると、回転子の起磁力分布は(a)となる。また、この回転子が回転することで固定子巻線に発生させる誘起電圧波形は(b)となる。ここで、前述の位相差を変化させて、誘起電圧波形のピーク値を調べると(d)となる。前述までの実施例では、一方の極対数に対応した制御電流を通電しないことがあり、この際、この極対数に対応した誘起電圧は小さいことが望ましい。そこで(d)でわかるように2つの極対数に位相差を22.5度(機械角)とすることで最小にすることが可能となる。一般式として次の式を満足すれば誘起電圧波形のピーク値を最小にできることがわかった。即ち、極対数をP1とP2(P1<P2)とし、これらの磁極の位相差は下記式
Figure 0004961725
を満足するようにすると、固定子巻線に生じる誘起電圧波形のピークを最小にすることが可能であり。ここでは、第10、第11の発明の効果が得られることとなる。
なお、図10は横軸に上記式から求まる値に対する位相ズレ率、縦軸に誘起電圧のピーク値が最小となる値からの悪化率を調べた結果である。この位相ズレ率と悪化率との関係を説明するグラフに示すように、前記位相差の式であたえられる角度からの位相ズレ角を−20%〜+20%以内とすると、固定子巻線に生じる誘起電圧波形のピークの悪化率を最小のときの5%程度に抑えることができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の部材、手段、ステップなどを1つに組み合わせたり或いは分割したりすることが可能である。実施例では、極対数のセットを2組持つ回転子を挙げて説明してあるが、本発明は3組以上の極対数からなる回転子でも適用可能である。この場合、3組以上の極対数のうち最も極対数が少ない物を極対数の小さい極対数とし、最も極対数が多い物を極対数の大きい極対数とすることで適用可能である。
第1の実施例の同期電動機およびその制御装置の1例を示す図である。 第1の実施例の回転子生成説明図である。 第1の実施例を説明する給電モードマップである。 第2の実施例を説明する給電モードマップである。 第3の実施例を説明する給電モードマップである。 第4の実施例を説明する給電モードマップである。 第6の実施例を説明する給電モードマップと動作点遷移を示す図である。 第6の実施例を説明する給電モードマップと動作点遷移を示す図である。 第9の実施例を説明する図である。 第9の実施例を説明する図(位相ズレ率と悪化率との関係)である。
符号の説明
11 固定子
12 コア
13 巻線
14 回転子
14A 回転子
20 制御装置
22 給電モード切り換え手段
A,B 動作点
CF 複合磁束
N1-N3 N極の磁石
S1-S6 S極の磁石

Claims (13)

  1. それぞれ極対数の異なる複数の回転子を有し且つそれらの回転子を同軸に接続した回転子群から成る1つの回転子、もしくは、極対数の異なる複数の磁束を重畳した空間磁束を有する1つの回転子、のいずれか一方の回転子と、前記複数の極対数に対応した複数の回転磁界を発生させることができる固定子と、から構成される同期電動機の制御装置であって、
    前記同期電動機の回転速度と出力トルクの少なくとも一方を所定値と比較し、比較した結果に応じて、前記複数の極対数に対応した回転磁界を発生させる複合給電モードと、1つの極対数に対応した回転磁界を発生させる単独給電モードと、を切り換える給電モード切り換え手段、
    を含む同期電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記同期電動機の出力トルクが所定値より大きいときは前記複合給電モード、
    前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した単独給電モード、
    これら以外の場合には前記複数の極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
    をそれぞれ選択する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記同期電動機の回転速度が第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
    前記同期電動機の回転速度が第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいときは前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
    これら以外の場合には前記複合給電モード、
    をそれぞれ選択する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記同期電動機の回転速度が所定値より大きいとき前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
    それ以外の場合には前記複合給電モード、
    をそれぞれ選択する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  5. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記同期電動機の出力トルクが第1の所定値より大きいときは前記極対数のうち大きい極対数に対応した前記単独給電モード、
    前記同期電動機の出力トルクが第2の所定値(但し、第2の所定値>前記第1の所定値)より大きいとき複合給電モード、
    これら以外の場合には前記極対数のうち小さい極対数に対応した前記単独給電モード、
    をそれぞれ選択する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  6. 請求項1に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の各動作点において、前記複合給電モードと前記単独給電モードのうち、前記同期電動機の入出力効率が高くなる方の給電モードを選択する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    前記回転速度と前記出力トルクとで表される前記同期電動機の動作点において、第1の動作点から第2の動作点へ動作点が変化するとき、第2の動作点で所定時間が経過するまで、第1の動作点における給電モードを保持し、前記所定時間の後に第2の動作点における給電モードに切り換える、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    給電モードの切り換え時には、前記同期電動機の出力トルクが切り換えの前後で連続になるように、切り換え前後の給電モードで必要な各極対数に対応する回転磁界のそれぞれを時間的に配分比率を変化させる、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記給電モード切り換え手段が、
    1つの極対数の駆動に対応した単独給電モードにおいて、給電(駆動)しない他方の極対数に起因して前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧を抑制するように、この他方の極対数に応じた弱め界磁電流を、前記単独給電モードの電流に重畳させる、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記回転子が、
    前記複数の極対数に関し、それぞれの磁極の位相差が、前記固定子を構成する巻線に発生する誘起電圧波形のピーク値が最小となるような位相差で構成されている、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記複数の極対数は、P1とP2(但し、P1<P2)の2つの極対数であり、
    これらの磁極の位相差は下記式:
    位相差[機械角(度)]=90×(1/P1−1/P2)
    を満足する、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  12. 請求項11に記載の同期電動機の制御装置において、
    前記位相差の式であたえられる角度からのズレ角は−20%〜+20%以内である、
    ことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  13. それぞれ極対数の異なる複数の回転子を有し且つそれらの回転子を同軸に接続した回転子群から成る1つの回転子、もしくは、極対数の異なる複数の磁束を重畳した空間磁束を有する1つの回転子、のいずれか一方の回転子と、前記複数の極対数に対応した複数の回転磁界を発生させることができる固定子と、から構成される同期電動機の制御方法であって、
    前記同期電動機の回転速度と出力トルクとに応じて、前記複数の極対数に対応した回転磁界を発生させる複合給電モードと、1つの極対数に対応した回転磁界を発生させる単独給電モードと、を切り換える給電モード切り換えステップ、
    を含む同期電動機の制御方法。

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