JP4960790B2 - ダッシュボード構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ストラットバーが取り付けられるダッシュボードの構造に関する。
従来、車両のボディ剛性を高めるために、ストラットバーと称される補強用の棒状部材が用いられている。
例えば、特許文献1には、アルミニウム押出材からなる断面正方形の角形パイプを、直線状の中間部の両側でそれぞれ同一側にく字状に曲げ成形することにより、全体が弓形に曲成されてなるストラットバーが開示されている。
また、特許文献2には、車両前部に左右一対のストラットタワーを設け、これらのストラットタワーの上面同士を連結部材を介して橋渡しし、さらにこの連結部材を車両後方に向けて湾曲させ、連結部材の車両後方側に配設したカウルボックス(ダッシュボードアッパ)に、この連結部材の車幅方向中央部を結合させることが開示されている。
特開平7−171672号公報(段落0011、図1) 特開2006-213208号公報(段落0013−0020、図1)
走行時におけるストラットからの応力をストラットバーでしっかり受けるためには、根本であるダッシュボードアッパの剛性を強化することが望まれる。
しかし、ストラットバーが連結されるダッシュボードアッパは、一般に、車室内への吸気路及び雨水の排水路となる断面視略コ字状の溝部を有しているため、この溝部を塞がないように補強する必要がある。そのため、従来は、例えば外側からの当て板による補強しかできず、十分な補強を行うことが困難であった。
本発明は、かかる問題を解決するために創案されたものであり、空調・排水機能を損なうことなくダッシュボードアッパを十分に補強することが可能なダッシュボード構造を提供することを課題とする。
本発明は、車両の左右方向に亘って設置され、前壁と後壁と底壁とによって断面略コ字状に形成された溝部を有するダッシュボードアッパと、前記底壁に固定されたダッシュボードロアと、前記前壁の前面に後端が固定されたストラットバーと、を有するダッシュボード構造であって、前記溝部内には、前記ストラットバーの固定位置に対応する位置に、補強部材が設置され、前記補強部材は、前記前壁と前記後壁と前記底壁とにそれぞれ固定される少なくとも3つの側壁及び前記前壁と前記底壁との間に架設された他の側壁を有するとともに、略三角形閉断面を一単位とする略三角形閉断面群からなり、前記車両の左右方向に貫通しており、前記略三角形閉断面群は、隣り合う略三角形閉断面同士を区画する隔壁を複数有すると共に、少なくとも一つの角部を頂点として共有し、前記複数の隔壁の一部は、前記前壁から前記角部を経由して前記底壁と前記ダッシュボードロアとが重なる部分に向かって前記他の側壁と平行に断面視略直線状に延在して、前記他の側壁と共に筋交いとして機能することを特徴とする。
かかる構成によれば、前記溝部内には、前記ストラットバーの固定位置に対応する位置に、補強部材が設置されており、この補強部材は、前記前壁と前記後壁と前記底壁とにそれぞれ固定される少なくとも3つの側壁を有しているので、ダッシュボードアッパの前壁に入力された力は、補強部材を介して、ダッシュボードアッパの後壁と底壁に伝達されることとなる。そして、補強部材は、略三角形状の閉断面を一単位とする略三角形閉断面群からなるため、剛性が高く、ダッシュボードアッパを十分に補強することができる。また、補強部材は、車両の左右方向に貫通しているので、ダッシュボードアッパの空調・排水機能が損なわれることがない。
そのため、本願発明によれば、ダッシュボードアッパによって車室内の空調及び溝部内の排水を好適に行いながら、補強されたダッシュボードアッパを介して、ストラットバーに入力される荷重を車両の左右側方や下方の他の部位に確実に伝達・分散することができる。
なお、「略三角形閉断面」とは、中空の断面形状がいわゆる三角形状だけでなく、略三角形とみなせる形状、例えばコーナー部分が円弧状に丸まっているような面取りされた略三角形状のものをも含む意味である。
また、かかる構成によれば、前記前壁と前記底壁との間に断面視略直線状に連続して架設された隔壁及び他の側壁が、いわゆる筋交いの役割を果たし、溝部が強固に補強されることとなる。そのため、ダッシュボードアッパの剛性を容易かつ十分に強化することができる。
また、前記底壁に固定される前記側壁の前後方向の幅寸法は、前記底壁の前後方向の幅寸法よりも小さいのが好ましい。
かかる構成によれば、溝部の底壁の上面に、補強部材が設置されない部分が残ることになるので、溝部内に入り込んだ雨水の排水路としての機能を妨げることなく、ダッシュボードアッパの剛性を容易かつ十分に強化することができる。
また、前記補強部材は、ワイパーを回動可能に固定するためのワイパー取付部を有するのが好ましい。
かかる構成によれば、従来のワイパー取付用ブラケットを省略することができる。換言すれば、補強部材がワイパー取付用ブラケットを兼ねるので、部品点数を増やすことなく、ダッシュボードアッパを容易かつ十分に補強することができる。
また、前記補強部材は、押出成形によって形成された押出形材からなるのが好ましい。
かかる構成によれば、押出形材は、断面の自由度が高く、また、均質性に優れているので、ダッシュボードアッパを好適に補強することができる。また、押出形材は、量産性に優れるので、材料コストを低減することができる。
本発明によれば、空調・排水機能を損なうことなくダッシュボードアッパを十分に補強することが可能なダッシュボード構造を提供することができる。
本発明を実施するための最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係るダッシュボード構造を有する車両のフロント側のボディを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るダッシュボード構造の要部を示す部分拡大斜視図である。なお、説明において方向を示すときは、図1に示す前後左右を基準にして説明する。
図1に示すように、車両1は、車両前方の左右両側に、車両1の前後方向に沿って延在するアッパメンバー2,2を備えている。アッパメンバー2,2の中央部付近には、ストラットSを支持するストラットタワー3,3がそれぞれ設けられている。ストラットSは、例えばショックを吸収するコイルスプリングと振動を減衰させるショックアブソーバとによって柱状に構成されている。ストラットSの下方にはタイヤなどのバネ下部材が連結されている。また、アッパメンバー2,2の後端にはフロントピラー4,4がそれぞれ連結されている。左右のアッパメンバー2,2の後端付近の間には、車両1の左右方向に亘ってダッシュボードアッパ5が架設されている。ダッシュボードアッパ5の中央部付近と左右のストラットタワー3,3との間には、ストラットバー6,6がそれぞれ連結されている。また、左右のアッパメンバー2,2の間であって、ダッシュボードアッパ5の下方には、断面視逆L字状のダッシュボードロア7が設置されている(図2参照)。
図2に示すように、ダッシュボードアッパ5は、車両1の左右方向に亘って設置される部材であり、上方に開口する断面視略コ字状の溝部51を有している。溝部51は、ワイパーの駆動機構の設置空間としての機能の他、車両1の車室内に外気を導入するための吸気路や、ダッシュボードアッパ5内に侵入した雨水を排水するための排水路としての機能を有している。溝部51は、底壁52と、底壁52の前端から上方に延出する前壁53と、底壁52の後端から上方に延出する後壁54と、から構成されている。前壁53の上端には、車両前方へ延出する前後方向に幅狭なフランジ部55が形成されている。後壁54の上端には、斜め上後方へ延出する前後方向に幅広なフランジ部56が形成されている。
前壁53の前面53aには、ブラケット63を介してストラットバー6,6の後端が固定されている。そして、溝部51内には、左右のストラットバー6,6の固定位置に対応する位置に、補強部材である第1押出形材8及び第2押出形材9がそれぞれ設置されている。なお、後壁54の右寄りには、車両1の車室内に連通する吸気口54b(図1参照)が形成されている。
図1に示すように、ストラットバー6は、断面円形状を呈する中空の棒状部材である。ストラットバー6の前端部には、上方に開口する断面視コ字状のブラケット61が、ブラケット61の凹部に嵌合した状態で溶接固定されている。ブラケット61の底部は、ストラットタワー3の上面にボルトによって締結されている。また、図2に示すように、ストラットバー6の後端部には、左右方向に突出する突出部62,62が形成されている。突出部62には、図示しない貫通孔が形成されている。
図2に示すように、ブラケット63は、前壁53の前面53aに固定される左右方向に細長い板状の基部64と、この基部64から上下に間隔を隔てて前方に延出する2条の延出部65,65と、を有している。また、各延出部65の前端の右側及び左側には、ストラットバー6の突出部62を挟み込むための挟持部66,66がそれぞれ突出形成されている。
各延出部65の前端の右側及び左側にそれぞれ2つずつ形成された挟持部66,66は、ストラットバー6の幅寸法に略等しい間隔を隔てて形成されている。そして、左右に離間する挟持部66,66の間にストラットバー6の後端部が配置され、上下に対向する一対の挟持部66,66の間にストラットバー6の突出部62,62が挟み込まれている。ストラットバー6は、挟持部66に形成した貫通孔と突出部62に形成した貫通孔に、ボルトを挿通してナットで締め付けることによって、ブラケット63に締結されている。
図3は、図1のA−A線断面図である。
図3に示すように、第1押出形材8は、アルミニウム素材を押出成形してなる中空の補強部材であり、断面視で変則的な七角形状に形成されている。第1押出形材8は、右側のストラットバー6の固定位置に対応する溝部51内の所定位置に設置されている。第1押出形材8は、一端側から他端側に貫通する断面視略三角形状の中空部を有しており、その貫通方向が車両1の左右方向と一致するように配置されている。そのため、第1押出形材8の右側の空間と左側の空間が連通されることとなる。
第1押出形材8は、前壁53の後面53bに当接する第1側壁81から時計回りに、第1側壁81〜第7側壁87を有している。このうち、第1側壁81は前壁53の後面53bに溶接固定され、第3側壁83は底壁52の上面52aに溶接固定され、第4側壁84は後壁54の前面54aに溶接固定されている。
また、第1押出形材8には、第1側壁81と第2側壁82とによって角部8aが形成され、第2側壁82と第3側壁83とによって角部8bが形成され、第3側壁83と第4側壁84とによって角部8cが形成され、第4側壁84と第5側壁85とによって角部8dが形成され、第5側壁85と第6側壁86とによって角部8eが形成され、第6側壁86と第7側壁87とによって角部8fが形成され、第7側壁87と第1側壁81とによって角部8gが形成されている。なお、第5側壁85と第6側壁86とによって形成される角部8eは、第1押出形材8の内側に向かって凹んだ入隅状になっている。
そして、角部8gと角部8eとの間には第1隔壁811が形成され、角部8aと角部8eとの間には第2隔壁812が形成され、角部8bと角部8eとの間には第3隔壁813が形成され、角部8cと角部8eとの間には第4隔壁814が形成されている。
これにより、第1押出形材8は、略三角形閉断面を一単位とする略三角形閉断面群に形成されている。
具体的には、第1押出形材8は、第1側壁81と第1隔壁811と第2隔壁812とから成る第1略三角形閉断面821と、第2側壁82と第2隔壁812と第3隔壁813とから成る第2略三角形閉断面822と、第3側壁83と第3隔壁813と第4隔壁814とから成る第3略三角形閉断面823と、第4側壁84と第4隔壁814と第5側壁85とから成る第4略三角形閉断面824と、第6側壁86と第7側壁87と第1隔壁811とから成る第5略三角形閉断面825と、が集合して形成されている。
三角形閉断面は変形し難いので、これらが集合して形成された第1押出形材8も当然変形し難い。そのため、ダッシュボードアッパ5の溝部51を十分に補強することができる。
第1〜第5略三角形閉断面群821〜825の配置を具体的に説明すると、第1略三角形閉断面821と第3略三角形平断面823との間であって溝部51の開口部とは反対側に、第2略三角形閉断面822が形成されている。第4略三角形閉断面824は、第3略三角形平断面823の第4隔壁814側に隣接して形成されている。第5略三角形閉断面825は、第1略三角形平断面821の第1隔壁811側に隣接して形成されている。このうち、第2略三角形閉断面822及び第5略三角形閉断面825は、底壁52、前壁53及び後壁54のいずれにも当接していない。
第1〜第5略三角形閉断面群821〜825は、隣り合う略正三角形平断面と隔壁を共有している。また、第1〜第5略三角形閉断面群821〜825は、角部8eを頂点の一つとして共有している。
本実施形態では、第1側壁81の上端(すなわち角部8g)から斜め下後方に向かって延出する第1隔壁811と、第3側壁83の後端及び第4側壁の下端(すなわち角部8c)から斜め上前方に向かって延出する第4隔壁814と、が断面視で略直線状に連続している。そのため、第1隔壁811と第4隔壁814とがいわゆる筋交いとなり、ダッシュボードアッパ5の溝部51がしっかりと補強されることとなる。
また、第2隔壁812と第5側壁85とが断面視略直線状に連続しており、これらも筋交いの役割を果たしている。また、第2側壁82は、第1隔壁811及び第4隔壁814と略平行に形成されており、単独で筋交いの役割を果たしている。なお、第3隔壁813と第6側壁86も断面視略直線状に連続している。
また、第1側壁81の下端(すなわち角部8a)は、底壁52の上面52aから離隔した位置に配置され、第3側壁83の前端(すなわち角部8b)は、前壁53の後面53bから離隔した位置に配置されている。つまり、底壁52に固定される第3側壁83は、その前後方向の幅寸法が、底壁52の前後方向の幅寸法よりも小さく、前壁53に固定される第1側壁81の上下方向の幅寸法は、前壁53の上下方向の幅寸法よりも小さい。そのため、底壁52の上面52aに、第3側壁83が設置されない部分が形成されることとなる。第3側壁83が設置されない部分においては、溝部51の底壁52上の水の流れが阻害されないため、溝部51の排水機能が損なわれることがない。
第7側壁87は、第1側壁81の上端(すなわち角部8g)から斜め上後方に延出しており、図示しないワイパーを回動可能に支持するワイパー取付部としての機能を有している。すなわち、第7側壁87には、図示しないワイパーアームの一端部が例えば連結ピンなどによって回動可能に軸支されている。第7側壁87は、溝部51の前壁53の上端と略同じ高さ位置に設けられている。第7側壁87は、第1隔壁811及び第6側壁86と協働して第5略三角形閉断面825を構成しているため剛性が高く、ワイパーの揺動運動を安定して支持することができる。
なお、第7側壁87の表面には、例えばワイパー取付用の座金Zが取り付けられている。また、第7側壁87及び座金Zの略中央には、例えば連結ピンを軸支するための貫通孔hが形成されている。
図4は、図1のB−B線断面図である。
図4に示すように、第2押出形材9は、アルミニウム素材を押出成形してなる中空の補強部材であり、断面視で変則的な七角形状に形成されている。第2押出形材9は、右側のストラットバー6の固定位置に対応する溝部51内の所定位置に設置されている。第2押出形材9は、一端側から他端側に貫通する断面視略三角形状の中空部を有しており、その貫通方向が車両1の左右方向と一致するように配置されている。そのため、第2押出形材9の右側の空間と左側の空間が連通されることとなる。
第2押出形材9は、前壁53の後面53bに当接する第1側壁91から時計回りに、第1側壁91〜第7側壁97を有している。このうち、第1側壁91は前壁53の後面53bに溶接固定され、第3側壁93は底壁52の上面52aに溶接固定され、第4側壁94は後壁54の前面54aに溶接固定されている。
また、第2押出形材9には、第1側壁91と第2側壁92とによって角部9aが形成され、第2側壁92と第3側壁93とによって角部9bが形成され、第3側壁93と第4側壁94とによって角部9cが形成され、第4側壁94と第5側壁95とによって角部9dが形成され、第5側壁95と第6側壁96とによって角部9eが形成され、第6側壁96と第7側壁97とによって角部9fが形成され、第7側壁97と第1側壁91とによって角部9gが形成されている。なお、第6側壁96と第7側壁97とによって形成される角部9fは、第2押出形材9の内側に向かって凹んだ入隅状になっている。
そして、角部9aと角部9fとの間には第1隔壁911が形成され、角部9bと角部9fとの間には第2隔壁912が形成され、角部9cと角部9fとの間には第3隔壁913が形成され、角部9cと角部9eとの間には第4隔壁914が形成されている。
これにより、第2押出形材9は、略三角形閉断面を一単位とする略三角形閉断面群に形成されている。
具体的には、第2押出形材9は、第1側壁91と第1隔壁911と第7側壁97とから成る第1略三角形閉断面921と、第2側壁92と第1隔壁911と第2隔壁912とから成る第2略三角形閉断面922と、第3側壁93と第2隔壁912と第3隔壁913とから成る第3略三角形閉断面923と、第3隔壁913と第4隔壁914と第6側壁96とから成る第4略三角形閉断面924と、第4側壁94と第5側壁95と第4隔壁914とから成る第5略三角形閉断面925と、が集合して形成されている。
三角形閉断面は変形し難いので、これらが集合して形成された第2押出形材9も当然変形し難い。そのため、ダッシュボードアッパ5の溝部51を十分に補強することができる。
第1〜第5略三角形閉断面群921〜925の配置を具体的に説明すると、第1略三角形閉断面921と第3略三角形平断面923との間であって溝部51の開口部とは反対側に、第2略三角形閉断面922が形成されている。第4略三角形閉断面924は、第3略三角形平断面923の第3隔壁913側に隣接して形成されている。第5略三角形閉断面825は、第4略三角形平断面924の第4隔壁914側に隣接して形成されている。このうち、第2略三角形閉断面922及び第4略三角形閉断面924は、底壁52、前壁53及び後壁54のいずれにも当接していない。
第1〜第5略三角形閉断面群921〜925は、隣り合う略正三角形平断面と隔壁を共有している。また、第1〜第4略三角形閉断面群921〜924は、角部9fを頂点の一つとして共有している。
本実施形態では、第1側壁91の上端(すなわち角部9g)から斜め下後方に向かって延出する第7側壁97と、第3側壁93の後端及び第4側壁94の下端(すなわち角部9c)から斜め上前方に向かって延出する第3隔壁913と、が断面視で略直線状に連続している。そのため、第7側壁97と第3隔壁913とがいわゆる筋交いとなり、ダッシュボードアッパ5の溝部51がしっかりと補強されることとなる。
また、第2側壁92は、第1隔壁911及び第3隔壁913と略平行に形成されており、単独で筋交いの役割を果たしている。
また、第1側壁91の下端(すなわち角部9a)は、底壁52の上面52aから離隔した位置に配置され、第3側壁93の前端(すなわち角部9b)は、前壁53の後面53bから離隔した位置に配置されている。つまり、底壁52に固定される第3側壁93は、その前後方向の幅寸法が、底壁52の前後方向の幅寸法よりも小さく、前壁53に固定される第1側壁91の上下方向の幅寸法は、前壁53の上下方向の幅寸法よりも小さい。そのため、底壁52の上面52aに、第3側壁93が設置されない部分が形成されることとなる。第3側壁93が設置されない部分においては、溝部51の底壁52上の水の流れが阻害されないため、溝部51の排水機能が損なわれることがない。
第6側壁96は、第7側壁97の下端(すなわち角部9f)から斜め上後方に延出しており、図示しないワイパーを回転可能に支持するワイパー取付部としての機能を有している。すなわち、第6側壁96には、図示しないワイパーアームの一端部が例えば連結ピンなどによって回動可能に軸支されている。また、第6側壁96は、第1押出形材8の第7側壁87よりも低い位置(すなわち、前壁53の上端53cよりも低い位置)に設けられており、それによって形成されたスペースに、例えばモータやギアなどからなる図示しないワイパー駆動機構が設置されている。第6側壁96は、第3隔壁913及び第4隔壁914と協働して第4略三角形閉断面924を構成しているため剛性が高く、ワイパーの揺動運動を安定して支持することができる。
なお、第6側壁96の表面には、例えばワイパー取付用の座金Zが取り付けられている。また、第6側壁96及び座金Zの略中央には、例えば連結ピンを軸支するための貫通孔hが形成されている。
つづいて、図5を参照して、本実施形態に係るダッシュボード構造の作用について説明する。なお、符号については適宜図1乃至図4を参照する。
図5は、本実施形態に係るダッシュボード構造における力の流れを説明するための斜視図である。
図5に示すように、車両1のタイヤに入力された力(例えば制動力など)は、ストラットS及びストラットタワー3を介してストラットバー6に車両後方に向かう荷重F1として入力される。そして、荷重F1は、ストラットバー6の後端部から、ブラケット63を介してダッシュボードアッパ5の前壁53に入力される。
ダッシュボードアッパ5の溝部51の内部であって、各ストラットバー6の取り付け位置に対応する位置には、第1押出形材8と第2押出形材9とがそれぞれ設置されているので、ダッシュボードアッパ5の前壁53に入力された荷重F1は、前壁53に固定された第1側壁81,91を伝って、第1押出形材8及び第2押出形材9に入力される。
第1押出形材8及び第2押出形材9は、略三角形閉断面を一単位とする略三角形閉断面群からなるので、軽量でありながら剛性が高い。そのため、第1押出形材8及び第2押出形材9に入力された荷重F1は、第1押出形材8及び第2押出形材9の変形などによって減衰されることがない。また、第1押出形材8及び第2押出形材9は、底壁52、前壁53及び後壁54に対して面接触しているため、荷重F1が分散されて応力集中が回避されるので、底壁52、前壁53及び後壁54が変形し難い。
その結果、第1押出形材8及び第2押出形材9に入力された荷重F1は、底壁52に固定された第3側壁83,93と、後壁54に固定された第4側壁84,94を介して、ダッシュボードアッパ5の底壁52及び後壁54に確実に分散・伝達されることとなる(適宜図3、図4参照)。
ダッシュボードアッパ5の底壁52、前壁53及び後壁54に伝達された荷重F1は、ダッシュボードアッパ5の左右方向に沿って荷重F2として分散・伝達される。ダッシュボードアッパ5は、車両1の左右に配置されたアッパメンバー2,2の後端部付近に連結されているので、左右方向に分散・伝達された荷重F2は、アッパメンバー2,2及びその後端に連結されたフロントピラー4,4に分散して伝達されることとなる。
また、ダッシュボードアッパ5の底壁52に伝達された荷重F1は、ダッシュボードアッパ5の下方に設置されたダッシュボードロア7に向かう荷重F3に分散して伝達されることとなる。
このとき、第1押出形材8及び第2押出形材9は、車両1の左右方向に貫通しているので、溝部51の吸気路及び排水路としての機能が損なわれることがない。
このように、本実施形態に係るダッシュボード構造によれば、ダッシュボードアッパ5の空調・排水機能を損なうことなく、ダッシュボードアッパ5の溝部51を十分に補強することができる。そのため、ストラットSからのタイヤ入力を、車体側方骨格であるアッパメンバー2,2やフロントピラー4,4などへ分散し、かつ、車体下方のダッシュボードロア7へ分散できる。
つまり、ダッシュボードアッパ5の剛性の強化、及び、ダッシュボードアッパ5へ伝達される荷重F1の確実な分散によって、ストラットSからのタイヤ入力を、ストラットバー6,6でしっかりと受け止めることが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、ダッシュボードアッパ5の溝部51内に設置される補強部材の形状は、本実施形態で説明した第1押出形材8及び第2押出形材9の形状に限定されるものではない。
特に、本実施形態では、第1押出形材8の第4隔壁814は、第3側壁83の後端及び第4側壁の下端(すなわち角部8c)から斜め上前方に向かって延出しているが、第3側壁83の後端と第4側壁の下端とが離隔している場合(例えば、底壁52に固定された側壁と、後壁54に固定された側壁との間に他の側壁が介在している場合など)には、後壁54に固定される側壁の下端及び底壁52に固定される側壁の後端のいずれか一方から延出するように構成してもよい。
また、本実施形態では、アルミニウム素材の押出成形によって製造された成形材を補強部材として用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば鋳造成形などで成形した他の部材を用いてもよい。
また、本実施形態で説明した各部材の材質は、特に限定されるものではなく、公知の材料の中から適宜選択して用いればよいが、軽量化の観点から例えばアルミニウム素材(アルミニウム合金)を用いるのが好ましい。
また、本実施形態では、一つのブラケット63を介して2つのストラットバー6,6を、ダッシュボードアッパ5の前壁53に連結したが、別々のブラケットを介して連結しても良い。
なお、各部材同士の接合方法は、前記した実施形態で説明した態様に限定されるものではなく、溶接、接着、機械式接合など、公知の接合方法の中から適宜選択すればよいことはいうまでもない。
本実施形態に係るダッシュボード構造を有する車両のフロント側のボディを示す斜視図である。 本実施形態に係るダッシュボード構造の要部を示す部分拡大斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 本実施形態に係るダッシュボード構造における力の流れを説明するための斜視図である。
符号の説明
1 車両
2 アッパメンバー
3 ストラットタワー
4 フロントピラー
5 ダッシュボードアッパ
51 溝部
52 底壁
53 前壁
54 後壁
6 ストラットバー
7 ダッシュボードロア
8 第1押出形材(補強部材)
9 第2押出形材(補強部材)

Claims (4)

  1. 車両の左右方向に亘って設置され、前壁と後壁と底壁とによって断面略コ字状に形成された溝部を有するダッシュボードアッパと、
    前記底壁に固定されたダッシュボードロアと、
    前記前壁の前面に後端が固定されたストラットバーと、を有するダッシュボード構造であって、
    前記溝部内には、前記ストラットバーの固定位置に対応する位置に、補強部材が設置され、
    前記補強部材は、前記前壁と前記後壁と前記底壁とにそれぞれ固定される少なくとも3つの側壁及び前記前壁と前記底壁との間に架設された他の側壁を有するとともに、略三角形閉断面を一単位とする略三角形閉断面群からなり、前記車両の左右方向に貫通しており、
    前記略三角形閉断面群は、隣り合う略三角形閉断面同士を区画する隔壁を複数有すると共に、少なくとも一つの角部を頂点として共有し、
    前記複数の隔壁の一部は、前記前壁から前記角部を経由して前記底壁と前記ダッシュボードロアとが重なる部分に向かって前記他の側壁と平行に断面視略直線状に延在して、前記他の側壁と共に筋交いとして機能することを特徴とするダッシュボード構造。
  2. 前記底壁に固定される前記側壁の前後方向の幅寸法は、前記底壁の前後方向の幅寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載ダッシュボード構造。
  3. 前記補強部材は、ワイパーを回動可能に固定するためのワイパー取付部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダッシュボード構造。
  4. 前記補強部材は、押出成形によって形成された押出形材からなることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のダッシュボード構造。
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