本願請求項1記載の電話システムは、複数台の電話端末を収容接続し、前記複数台の電話端末の内、自動転送設定中の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送し、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して代理応答元の第3電話端末が代理応答して通話を確立した後、前記第3電話端末で同通話を保留転送する電話システムであって、前記代理応答元の第3電話端末から同通話に関わる前記第1電話端末への保留転送発信を受信した場合、前記第1電話端末の自動転送先である前記第2電話端末への再度の自動転送を規制するようにした。
従って、本願請求項1記載の電話システムによれば、前記代理応答元の第3電話端末から同通話に関わる前記第1電話端末への保留転送発信を受信した場合、前記第1電話端末の自動転送先である前記第2電話端末への再度の自動転送を規制するようにしたので、自動転送元の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送中に、同着信を代理応答して通話を確立した後、同通話を自動転送元の第1電話端末に保留転送してしまった場合でも、再度、自動転送先の第2電話端末への自動転送を要することなく、電話取次の作業効率を大幅に向上させることができる。
また、本願請求項2記載の電話システムは、複数台の電話端末を収容接続する制御装置を備え、この制御装置は、前記複数台の電話端末の内、自動転送設定中の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送する自動転送手段と、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して代理応答元の第3電話端末が代理応答して通話を確立した後、前記第3電話端末で同通話を保留転送する保留転送手段とを有する電話システムであって、前記制御装置は、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して前記代理応答元の第3電話端末が代理応答した場合、この第3電話端末に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中の第1電話端末の宛先情報を記憶する自動転送記憶手段と、前記保留転送手段にて前記第3電話端末が前記通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶手段に記憶中の宛先情報と同一であるか否かを判定する自動転送判定手段と、この自動転送判定手段にて前記保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶手段に記憶中の宛先情報と同一である場合、前記自動転送設定中の前記第1電話端末の自動転送先である前記第2電話端末への再度の自動転送を規制する自動転送規制手段とを有するようにした。
従って、本願請求項2記載の電話システムによれば、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して前記代理応答元の第3電話端末が代理応答した場合、この第3電話端末に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中の第1電話端末の宛先情報を自動転送記憶手段に記憶し、前記保留転送手段にて前記第3電話端末が前記通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶手段に記憶中の宛先情報と同一であるか否かを判定し、前記保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶手段に記憶中の宛先情報と同一である場合、前記自動転送設定中の前記第1電話端末の自動転送先である前記第2電話端末への再度の自動転送を規制するようにしたので、自動転送元の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送中に、同着信を代理応答して通話を確立した後、同通話を自動転送元の第1電話端末に保留転送してしまった場合でも、再度、自動転送先の第2電話端末への自動転送を要することなく、電話取次の作業効率を大幅に向上させることができる。
また、本願請求項3記載の電話システムは、本願請求項2記載の構成において、前記制御装置は、前記自動転送設定中の前記第1電話端末から自動転送先の前記第2電話端末への再度の自動転送を規制する場合、前記保留転送発信した前記第3電話端末に対して自動転送規制を報知する自動転送規制報知手段を有するようにした。
従って、本願請求項3記載の電話システムによれば、本願請求項2記載の効果に加えて、前記自動転送設定中の前記第1電話端末から自動転送先の第2電話端末への再度の自動転送を規制する場合、前記保留転送発信した前記第3電話端末に対して自動転送規制を報知するようにしたので、保留転送発信した第3電話端末側のユーザは、第1電話端末から第2電話端末への再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
また、本願請求項4記載の電話システムは、本願請求項3記載に構成に加えて、前記自動転送規制報知手段は、前記第1電話端末の自動転送設定が話中転送の場合、前記自動転送規制報知として話中音を、前記保留転送発信した前記第3電話端末に対して報知するようにした。
従って、本願請求項4記載の電話システムによれば、本願請求項3記載の効果に加えて、前記第1電話端末の自動転送設定が話中転送の場合、前記自動転送規制報知として話中音を、保留転送発信した第3電話端末に対して報知するようにしたので、第3電話端末側のユーザは、話中音を受聴して第1電話端末から第2電話端末への再度の話中転送に関わる規制を認識することができる。
また、本願請求項5記載の電話システムは、本願請求項3記載の構成において、前記自動転送規制報知手段は、前記第1電話端末の自動転送設定が話中転送以外の転送の場合、前記自動転送規制報知として転送規制内容を示す音声メッセージを、前記保留転送発信した前記第3電話端末に対して報知するようにした。
従って、本願請求項5記載の電話システムによれば、本願請求項3記載の効果に加えて、前記第1電話端末の自動転送設定が話中転送以外の転送の場合、前記自動転送規制報知として転送規制内容を示す音声メッセージを、前記保留転送発信した前記第3電話端末に対して報知するようにしたので、第3電話端末側のユーザは、音声メッセージを受聴して第1電話端末から第2電話端末への再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
また、本願請求項6記載の電話システムは、本願請求項2記載の構成において、前記制御装置は、前記複数台の電話端末を有線又は無線収容して呼制御を実行する構内交換機に相当するようにした。
従って、本願請求項6記載の電話システムによれば、本願請求項2記載の効果に加えて、前記制御装置を前記構内交換機に相当するようにしたので、通常の構内交換機を備えた電話システムにも適用可能である。
また、本願請求項7記載の電話システムは、本願請求項2記載の構成において、前記制御装置は、前記複数台の電話端末をIPアドレスで管理すると共に、これら複数台の電話端末を有線又は無線収容して呼制御を実行するサーバに相当するようにした。
従って、本願請求項7記載の電話システムによれば、本願請求項2記載に効果に加えて、前記制御装置を前記サーバに相当するようにしたので、サーバを備えたIP電話システムにも適用可能である。
また、本願請求項8記載の電話システムの自動転送規制方法は、複数台の電話端末を収容接続し、複数台の電話端末の内、自動転送設定中の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送し、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して代理応答元の第3電話端末が代理応答して通話を確立した後、前記第3電話端末で同通話を保留転送する電話システムの自動転送規制方法であって、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して代理応答元の第3電話端末が代理応答した場合、この第3電話端末に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中の第1電話端末の宛先情報を記憶する自動転送記憶ステップと、前記第3電話端末が前記通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶ステップに記憶中の宛先情報と同一であるか否かを判定する自動転送判定ステップと、この自動転送判定ステップにて前記保留転送先の宛先情報が前記自動転送記憶ステップに記憶中の宛先情報と同一である場合、前記自動転送設定中の前記第1電話端末の自動転送先である第2電話端末への自動転送を規制する自動転送規制ステップとを有するようにした。
従って、本願請求項8記載の電話システムの自動転送規制方法によれば、前記第2電話端末への自動転送中の着信に対して前記代理応答元の第3電話端末が代理応答した場合、この第3電話端末に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中の第1電話端末の宛先情報を記憶し、前記第3電話端末が前記通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の宛先情報が記憶中の宛先情報と同一であるか否かを判定し、前記保留転送先の宛先情報が記憶中の宛先情報と同一である場合、前記自動転送設定中の前記第1電話端末の自動転送先である第2電話端末への自動転送を規制するようにしたので、自動転送元の第1電話端末への着信を自動転送先の第2電話端末へ自動転送中に、同着信を代理応答して通話を確立した後、同通話を自動転送元の第1電話端末に保留転送してしまった場合でも、再度、自動転送先の第2電話端末への自動転送を要することなく、電話取次の作業効率を大幅に向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、図面に基づいて本発明の電話システムに関わる第1の実施の形態を示す電話交換システムについて説明する。図1は第1の実施の形態を示す電話交換システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す電話交換システム1は、複数の内線端末2及び内線無線端末3と、内線端末2を内線収容すると共に、無線基地局4を通じて内線無線端末3を内線収容すると共に、複数の局線5を局線収容する構内交換機(以下、単にPBXと称する)6とを有し、PBX6は、内線端末2及び内線無線端末3を内線番号で管理するものである。
尚、例えば内線無線端末3Aは内線番号“1000”、内線無線端末3Bは内線番号“1001”、内線端末2Aは内線番号“1002”、内線端末2Bは内線番号“1003”とする。
PBX6は、各種プログラムや局線データ等の様々な情報を記憶する記憶部10と、内線端末2及び内線無線端末3の呼制御を司る呼制御部12とを有している。
記憶部10には、内線端末2及び内線無線端末3を識別する内線番号毎の呼状態を管理する呼状態管理テーブル11を備えている。図2は呼状態管理テーブル11のテーブル内容を端的に示す説明図である。
図2に示す呼状態管理テーブル11は、内線端末2及び内線無線端末3を識別する内線番号11A毎に、同内線番号に関わる端末の呼状態11Bと、例えば同端末の呼状態11Bが“話中”の場合における通話相手先の端末の電話番号(内線番号)を示す通話相手先11Cと、同端末の呼状態が自動転送設定中の場合における自動転送先の端末の電話番号(内線番号)を示す転送先11Dと、同端末の転送規制先の端末の電話番号(内線番号)を示す転送規制先11Eとを管理している。尚、自動転送設定には、例えば不在転送、無条件転送、話中転送、不応答転送や圏外転送等の各種サービスがある。
尚、呼制御部12では、呼状態管理テーブル11のテーブル内容を参照して、例えば内線無線端末3の内線番号11Aは“1000”、その呼状態11Bは“話中転送中”、通話相手先11Cは“なし”、転送先11Dは内線番号“1002”、転送規制先11Eは“なし”、内線端末2の内線番号11Aは“1002”、その呼状態11Bは“空き”、通話相手先11Cは“なし”、転送先11Dは“なし”、転送規制先11Eは“なし”を認識することができるものである。
また、呼制御部12は、内線端末2及び内線無線端末3の内、自動転送設定中の内線端末2又は内線無線端末3への着信を自動転送先の内線端末2又は内線無線端末3へ自動転送する自動転送部21と、自動転送先の内線端末2又は内線無線端末3への自動転送中の着信に対して代理応答元の内線端末2又は内線無線端末3が代理応答した場合、この代理応答した内線端末2又は内線無線端末3の内線番号に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中の内線端末2又は内線無線端末3の内線番号を呼状態管理テーブル11内の転送規制先に記憶する転送規制先記憶制御部22と、自動転送先の内線端末2又は内線無線端末3への自動転送中の着信に対して代理応答元の内線端末2又は内線無線端末3が代理応答して通話を確立した後、同代理応答元の内線端末2又は内線無線端末3で同通話を保留転送する保留転送部23と、保留転送部23にて代理応答元の内線端末2又は内線無線端末3が通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の電話番号(内線番号)が呼状態管理テーブル11の転送規制先に記憶中の内線番号と同一であるか否かを判定する自動転送判定部24と、この自動転送判定部24にて保留転送先の内線番号が転送規制先の内線番号と同一である場合、自動転送設定中の内線端末2又は内線無線端末3の自動転送先である内線端末2又は内線無線端末3への再度の自動転送を規制する自動転送規制部25と、自動転送設定中の内線端末2又は内線無線端末3から自動転送先の内線端末2又は内線無線端末3への再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信した内線端末2又は内線無線端末3に対して自動転送規制を報知する自動転送規制報知部26とを有している。
自動転送部21は、例えば自動転送設定中の内線無線端末3への着信を検出すると、同内線無線端末3の内線番号11Aに対応する自動転送先11Dの内線番号を呼状態管理テーブル11から検索し、この自動転送先の内線番号の内線端末2に対して同着信を自動転送するものである。
転送規制先記憶制御部22は、例えば自動転送中の着信に対して代理応答元の内線無線端末3が代理応答した場合、この代理応答した内線無線端末3の内線番号11Aに対応付けて、自動転送設定中の内線無線端末3の内線番号を呼状態管理テーブル11内の転送規制先11Eに記憶するものである。尚、例えば内線“1000”から内線“1002”への自動転送中の着信に対して内線“1001”が代理応答した場合、内線“1001”に対応付けて内線“1000”を転送規制先11Eとして記憶するものである。
保留転送部23は、例えば自動転送先の内線端末2への自動転送中の着信に対して代理応答元の内線無線端末3が代理応答して通話を確立した場合、代理応答した内線無線端末3側の保留転送発呼操作に応じて保留転送発呼要求を受信し、この保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号の内線端末2又は内線無線端末3に対して同通話を保留転送するものである。
自動転送判定部24は、例えば代理応答元の内線無線端末3が通話を保留転送発信するための保留転送発呼要求を受信した場合、この保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号が代理応答元の内線無線端末3の内線番号11Aに対応した呼状態管理テーブル11内の転送規制先11Eに記憶中の内線番号が同一であるか否かを判定するものである。
自動転送規制部25は、自動転送判定部24にて保留転送先の内線番号が転送規制先の内線番号と同一である場合、例えば自動転送設定中の内線無線端末3の自動転送先である内線端末2への再度の自動転送を規制すると共に、自動転送判定部24にて保留転送先の内線番号が転送規制先の内線番号と同一でない場合、保留転送先の内線番号の内線端末2又は内線無線端末3に対して通話を保留転送するものである。
自動転送規制部25は、例えば自動転送設定中の内線無線端末3から自動転送先の内線端末2への再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信した内線無線端末3に対して自動転送規制を報知するものである。尚、自動転送設定が話中転送の場合、自動転送規制として話中音を保留転送発信した内線端末2又は内線無線端末3に通知すると共に、自動転送設定が話中転送以外の不在転送、圏外転送、無条件転送等の場合、同転送内容を伝える音声メッセージを自動転送規制として保留転送発信した内線端末2又は内線無線端末3に通知するものである。
尚、請求項記載の電話システムは電話交換システム1、電話端末は内線端末2及び内線無線端末3、第1電話端末は内線無線端末3A、第2電話端末は内線端末2A、第3電話端末は内線無線端末3B、制御装置はPBX6、自動転送手段は自動転送部21、保留転送手段は保留転送部23、自動転送記憶手段は転送規制先記憶制御部22及び呼状態管理テーブル11、自動転送判定手段は自動転送判定部24、自動転送規制手段は自動転送規制部25、自動転送規制報知手段は自動転送規制報知部26に相当するものである。
次に第1の実施の形態を示す電話交換システム1の動作について説明する。図3及び図4は第1の実施の形態の自動転送規制処理に関わる電話交換システム1全体の処理動作を示す動作シーケンス図である。尚、説明の便宜上、自動転送設定中(自走転送元)の内線端末2又は内線無線端末3を内線番号“1000”の内線無線端末3A、同内線無線端末3Aの自動転送先の内線端末2又は内線無線端末3を内線番号“1002”の内線端末2A、自動転送設定中の内線無線端末3Aへ発呼する発呼元の内線端末2又は内線無線端末3を内線番号“1003”の内線端末2B、自動転送先の内線端末2Aへの自動転送中に同着信に代理応答する代理応答元の内線端末2又は内線無線端末3を内線番号“1001”の内線無線端末3Bとして説明する。
図3に示す内線番号“1000”の内線無線端末3Aは、話中の自動転送先を内線番号“1002”の内線端末2に設定すべく、話中転送設定操作を検出すると(ステップS11)、自分の内線番号及び自動転送先の内線番号を含む話中転送設定要求を、同内線無線端末3を無線収容する無線基地局4に送信する(ステップS12)。
無線基地局4は、同話中転送設定要求をPBX6に送信する(ステップS13)。PBX6は、同無線基地局4からの話中転送設定要求を受信すると、この話中転送設定要求に含まれる同話中転送設定対象の内線番号及び自動転送先の内線番号に基づき、同自分の内線番号“1000”に対応する呼状態管理テーブル11内の呼状態11Bを“話中転送中”、自動転送先11Dを内線番号“1002”に設定登録する(ステップS14)。この結果、内線番号“1000”の内線無線端末3Aは話中転送に設定し、その自動転送先を内線番号“1002”に設定されたことになる。
その後、発呼元の内線番号“1003”の内線端末2Bは、内線番号“1000”の内線無線端末3Aに対する発呼操作を検出すると(ステップS15)、内線番号“1000”を含む発呼要求をPBX6に送信する(ステップS16)。
PBX6は、発呼要求を受信すると、リングバック音を発呼元の内線番号“1003”の内線端末2Bに送信する(ステップS17)。尚、発呼元の内線端末2B側のユーザは、リングバック音を受聴することで呼出中であることを認識することができる。
また、PBX6は、発呼元の内線端末2Bからの発呼要求を受信すると、同発呼要求に含まれる発呼先の内線番号“1000”に対応する呼状態管理テーブル11内の呼状態11Bを検索し、同呼状態11Bが話中転送中と認識する(ステップS18)。
PBX6内の自動転送部21は、同内線番号“1000”の内線無線端末3Aの呼状態11Bが話中転送中と認識すると、同内線番号“1000”に対応する自動転送先11Dの内線番号“1002”を呼状態管理テーブル11から検索する(ステップS19)。
自動転送部21は、同内線番号“1000”に対応する自動転送先11Dの内線番号“1002”を検索すると、内線番号“1000”の内線無線端末3Aに対する発呼元の内線端末2Bの着呼を、自動転送先の内線番号“1002”の内線端末2Aに対して自動転送する(ステップS20)。
この際、内線番号“1001”の内線無線端末3Bは、自動転送先の内線番号“1002”の内線端末2への自動転送中の着呼に代理応答すべく、代理応答操作を検出すると(ステップS21)、代理応答要求を無線基地局4に送信する(ステップS22)。また、無線基地局4は、この代理応答要求を受信すると、同代理応答要求をPBX6に送信する(ステップS23)。
PBX6は、無線基地局4から代理応答要求を受信すると、内線番号“1002”の内線端末2Bへの自動転送中の着呼を停止し(ステップS24)、転送規制先記憶制御部22を通じて、代理応答の内線番号“1001”に対応する呼状態管理テーブル11内の転送規制先11Eに同着呼に関わる自動転送設定対象の内線無線端末3Aの内線番号“1000”を登録し(ステップS25)、発呼元の内線番号“1003”の内線端末2B及び代理応答元の内線番号“1001”の内線無線端末3B間の通話路を確立する(ステップS26)。尚、この際、PBX6は、発呼元の内線端末2Bの内線番号“1003”に対応する呼状態11Bを話中、通話相手先11Cを内線番号“1001”、代理応答元の内線無線端末3Bの内線番号“1001”に対応する呼状態11Bを話中、通話相手先11Cを内線番号“1003”にして呼状態管理テーブル11のテーブル内容を登録更新することになる。
次に図4において代理応答元の内線番号“1001”の内線無線端末3Bは、発呼元の内線番号“1003”の内線端末2Bとの代理応答通話中に、保留操作を検出すると(ステップS31)、保留要求を無線基地局4に送信する(ステップS32)。さらに、無線基地局4は、保留要求を受信すると、この保留要求をPBX6に送信する(ステップS33)。
PBX6は、無線基地局4からの保留要求を受信すると、保留音を発呼元の内線番号“1003”の内線端末2Bに送信する(ステップS34)。尚、発呼元の内線端末2B側のユーザは、保留音を受聴することで保留中であることを認識することができる。
さらに、代理応答元の内線番号“1001”の内線無線端末3Bは、例えば保留中の通話を内線番号“1000”の内線無線端末3Aに転送する、所謂、保留転送を実行すべく、保留転送発呼操作を検出すると(ステップS35)、保留転送先の内線番号“1000”を含む保留転送発呼要求を無線基地局4に送信する(ステップS36)。さらに、無線基地局4は、保留転送発呼要求を受信すると、同保留転送発呼要求をPBX6に送信する(ステップS37)。
PBX6内の保留転送部23は、無線基地局4からの保留転送発呼要求を受信すると、同保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号“1000”を抽出し、この内線番号“1000”に対応する呼状態管理テーブル11内の呼状態11Bが話中転送中であることを認識し、同内線番号“1000”に対応する自動転送先の内線番号“1002”を検索する(ステップS38)。この結果、自動転送部21では、自動転送先の内線番号“1002”の内線端末2Aに対する自動転送を準備することになる。
また、PBX6内の自動転送判定部24は、保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号と、保留転送発呼要求を発信した内線無線端末3の内線番号“1001”に対応する呼状態管理テーブル11内の転送規制先の内線番号とが同一であるか否かを判定する。
PBX6内の自動転送規制部25は、自動転送判定部24にて保留転送先の内線番号と転送規制先の内線番号とが一致した場合(ステップS39)、ステップS38にて自動転送を準備した内線番号“1002”への自動転送を規制する(ステップS40)。この結果、内線番号“1000“の内線無線端末3Aに対する保留転送発呼要求に応じて同内線無線端末3Aの自動転送先である内線番号”1002“の内線端末2Bに対して再度自動転送してしまうような事態を回避することができる。
さらに、PBX6内の自動転送規制報知部26は、ステップS40にて自動転送規制部25にて内線番号“1002”への自動転送を規制すると、自動転送規制を報知すべく、話中音を無線基地局4経由で保留転送発呼要求を発信した代理応答の内線番号“1001”の内線無線端末3Bに送信する(ステップS41)。この結果、内線無線端末3B側のユーザは、話中音を受聴することで自動転送が規制されたことを認識することができる。
尚、PBX6内の自動転送部21は、自動転送判定部24にて保留転送先の内線番号と転送規制先の内線番号とが一致しなかった場合、ステップS38にて自動転送を準備した内線番号“1002”への自動転送を規制することなく、自動転送部21を通じて内線番号“1002”への自動転送を実行することになる。
尚、図3及び図4では、話中転送設定に関する動作について説明してきたが、その他の自動転送設定(不在転送、無条件転送、不応答転送や圏外転送等)についても話中転送設定と同様な処理を実行し、ステップS41における話中音送出の代わりに、転送規制内容を示す音声メッセージを送出するものである。
第1の実施の形態によれば、例えば自動転送元の内線無線端末3Aから自動転送先の内線端末2Aへの自動転送中の着信に対して代理応答元の内線無線端末3Bが代理応答した場合、この内線無線端末3Bの内線番号に対応付けて、自動転送元の内線無線端末3Aの内線番号を呼状態管理テーブル11内の転送規制先11Eに記憶し、代理応答元の内線無線端末3Bが通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の内線番号が転送規制先11Eに記憶中の内線番号と同一であるか否かを判定し、保留転送先の内線番号が転送規制先11Eに記憶中の内線番号と同一である場合、自動転送設定中の内線無線端末3Aの自動転送先である内線端末2Aへの再度の自動転送を規制するようにしたので、自動転送元の内線無線端末3Aへの着信を自動転送先の内線端末2Aへ自動転送中に、同着信を代理応答して通話を確立した後、同通話を自動転送元の内線無線端末3Aに保留転送してしまった場合でも、再度、自動転送先の内線端末2Aへの自動転送を要することなく、電話取次の作業効率を大幅に向上させることができる。
また、第1の実施の形態によれば、例えば自動転送設定中の内線無線端末3Aから自動転送先の内線端末2Aへの再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信した代理応答元の内線無線端末3Bに対して自動転送規制を報知するようにしたので、保留転送発信した内線無線端末3B側のユーザは、自動転送元の内線無線端末3Aから自動転送先の内線端末2Bへの再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
また、第1の実施の形態によれば、例えば内線無線端末3Aの自動転送設定が話中転送の場合、自動転送規制報知として話中音を、保留転送発信した代理応答元の内線無線端末3Bに対して報知するようにしたので、内線無線端末3B側のユーザは、話中音を受聴して自動転送元の内線無線端末3Aから自動転送先の内線端末2Aへの再度の話中転送に関わる規制を認識することができる。
また、第1の実施の形態によれば、例えば内線無線端末3Aの自動転送設定が話中転送以外の転送の場合、自動転送規制報知として転送規制内容を示す音声メッセージを、保留転送発信した代理応答元の内線無線端末3Bに対して報知するようにしたので、内線無線端末3B側のユーザは、音声メッセージを受聴して自動転送元の内線無線端末3Aから自動転送先の内線端末2Aへの再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
尚、上記第1の実施の形態においては、自動転送元を内線無線端末3A、自動転送先を内線端末2A、代理応答元を内線無線端末3B及び発呼元を内線端末2Bとして説明したが、これらに限定されるものではなく、様々な組合せであっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
尚、第1の実施の形態においては、内線端末2及び内線無線端末3を内線収容するPBX6を備えた電話交換システム1を例に挙げて説明したが、SIP内線端末及びSIP内線無線端末をIPアドレスで管理するSIPサーバを備えたSIP電話システムについても同様の効果を得ることができるため、以下に第2の実施の形態として説明する。
(実施の形態2)
図5は第2の実施の形態を示すSIP電話システム1A内部の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すSIP電話システム1Aは、IPネットワーク7と、このIPネットワーク7との通信インタフェース機能を備えた複数のSIP内線端末20と、複数のSIP内線無線端末30と、このSIP内線無線端末30を無線収容する無線基地局8Aと、無線基地局8Aを収容すると共に、IPネットワーク7との通信インタフェース機能を備えた基地局集線ゲートウェイ8と、局線5を収容すると共に、IPネットワーク7との通信インタフェース機能を備えたPSTNゲートウェイ9と、SIP内線端末20、SIP内線無線端末30、基地局集線ゲートウェイ8及びPSTNゲートウェイ9をIPアドレスで管理すると共に、SIP内線端末20、SIP内線無線端末30及び局線5間の呼制御を司るSIPサーバ6Aとを有している。
また、SIPサーバ6Aは、SIP内線端末20及びSIP内線無線端末30のIPアドレス毎に内線番号で管理するものである。
尚、例えばSIP内線無線端末30Aは内線番号“2000”、SIP内線無線端末30Bは内線番号“2001”、SIP内線端末20Aは内線番号“2002”、SIP内線端末20Bは内線番号“2003”とする。
SIPサーバ6Aは、各種プログラムや局線データ等の様々な情報を記憶するサーバ側記憶部10Aと、SIP内線端末20及びSIP内線無線端末30の呼制御を司るサーバ側呼制御部12Aとを有している。
サーバ側記憶部12Aには、SIP内線端末20及びSIP内線無線端末30を識別する内線番号毎の呼状態を管理する呼状態管理テーブル13を備えている。図6は呼状態管理テーブル13のテーブル内容を端的に示す説明図である。
図6に示す呼状態管理テーブル13は、SIP内線端末20及びSIP内線無線端末30を識別する内線番号13A毎に、同内線番号に関わる端末の呼状態13Bと、例えば同端末の呼状態13Bが“話中”の場合における通話相手先の端末の電話番号(内線番号)を示す通話相手先13Cと、同端末の呼状態13Bが自動転送設定中の場合における自動転送先の端末の電話番号(内線番号)を示す転送先13Dと、同端末の転送規制先の端末の電話番号(内線番号)を示す転送規制先13Eとを管理している。尚、自動転送設定には、例えば不在転送、無条件転送、話中転送、不応答転送や圏外転送等の各種サービスがある。
尚、サーバ側呼制御部12Aでは、呼状態管理テーブル13のテーブル内容を参照して、例えばSIP内線無線端末30Aの内線番号13Aは“2000”、その呼状態13Bは“圏外転送中”、通話相手先13Cは“なし”、転送先13Dは内線番号“2002”、転送規制先13Eは“なし”、SIP内線端末20Aの内線番号13Aは“2002”、その呼状態13Bは“空き”、通話相手先13Cは“なし”、転送先13Dは“なし”、転送規制先13Eは“なし”を認識することができるものである。
また、サーバ側呼制御部12Aは、SIP内線端末20及びSIP内線無線端末30の内、自動転送設定中のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への着信を自動転送先のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30へ自動転送する自動転送部21Aと、自動転送先のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への自動転送中の着信に対して代理応答元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30が代理応答した場合、この代理応答したSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30の内線番号に対応付けて、同自動転送に関わる自動転送設定中のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30の内線番号を呼状態管理テーブル13内の転送規制先13Eに記憶する転送規制先記憶制御部22Aと、自動転送先のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への自動転送中の着信に対して代理応答元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30が代理応答して通話を確立した後、同代理応答元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30で同通話を保留転送する保留転送部23Aと、保留転送部23Aにて代理応答元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30が通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の電話番号(内線番号)が呼状態管理テーブル13の転送規制先13Eに記憶中の内線番号と同一であるか否かを判定する自動転送判定部24Aと、この自動転送判定部24Aにて保留転送先の内線番号が転送規制先13Eの内線番号と同一である場合、自動転送設定中のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30の自動転送先であるSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への再度の自動転送を規制する自動転送規制部25Aと、自動転送設定中のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30から自動転送先のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信したSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30に対して自動転送規制を報知する自動転送規制報知部26Aとを有している。
自動転送部21Aは、例えば自動転送設定中のSIP内線無線端末30への着信を検出すると、同SIP内線無線端末30の内線番号13Aに対応する自動転送先13Dの内線番号を呼状態管理テーブル13から検索し、この自動転送先13Dの内線番号のSIP内線端末20に対して同着信を自動転送するものである。
転送規制先記憶制御部22Aは、例えば自動転送中の着信に対して代理応答元のSIP内線無線端末30が代理応答した場合、この代理応答したSIP内線無線端末30の内線番号13Aに対応付けて、自動転送設定中のSIP内線無線端末30の内線番号を呼状態管理テーブル13内の転送規制先13Eに記憶するものである。
保留転送部23Aは、例えば自動転送先のSIP内線端末20への自動転送中の着信に対して代理応答元のSIP内線無線端末30が代理応答して通話を確立した場合、代理応答したSIP内線無線端末30側の保留転送発呼操作に応じて保留転送発呼要求を受信し、この保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30に対して同通話を保留転送するものである。
自動転送判定部24Aは、例えば代理応答元のSIP内線無線端末30が通話を保留転送発信するための保留転送発呼要求を受信した場合、この保留転送発呼要求に含まれる保留転送先の内線番号が代理応答元のSIP内線無線端末30の内線番号13Aに対応した呼状態管理テーブル13内の転送規制先13Eに記憶中の内線番号が同一であるか否かを判定するものである。
自動転送規制部25Aは、自動転送判定部24Aにて保留転送先の内線番号が転送規制先13Eの内線番号と同一である場合、例えば自動転送設定中のSIP内線無線端末30の自動転送先であるSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30への再度の自動転送を規制すると共に、自動転送判定部24Aにて保留転送先の内線番号が転送規制先13Eの内線番号と同一でない場合、保留転送先の内線番号のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30に対して通話を保留転送するものである。
自動転送規制部25Aは、例えば自動転送設定中のSIP内線無線端末30から自動転送先のSIP内線端末20への再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信したSIP内線無線端末30に対して自動転送規制を報知するものである。尚、自動転送設定が話中転送の場合、自動転送規制として話中音を保留転送発信したSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30に通知すると共に、自動転送設定が話中転送以外の不在転送、圏外転送、無条件転送等の場合、同転送内容を伝える音声メッセージを自動転送規制として保留転送発信したSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30に通知するものである。
尚、請求項記載の電話システムはSIP電話システム1A、電話端末はSIP内線端末20及びSIP内線無線端末30、第1電話端末はSIP内線無線端末30A、第2電話端末はSIP内線端末20A、第3電話端末はSIP内線無線端末30B、制御装置はSIPサーバ6A、自動転送手段は自動転送部21A、保留転送手段は保留転送部23A、自動転送記憶手段は転送規制先記憶制御部22A及び呼状態管理テーブル13、自動転送判定手段は自動転送判定部24A、自動転送規制手段は自動転送規制部25A、自動転送規制報知手段は自動転送規制報知部26Aに相当するものである。
次に第2の実施の形態を示すSIP電話システム1Aの動作について説明する。図7及び図8は第2の実施の形態の自動転送規制処理に関わるSIP電話システム1A全体の処理動作を示す動作シーケンス図である。尚、説明の便宜上、自動転送設定中のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30を内線番号“2000”のSIP内線無線端末30A、同SIP内線無線端末30Aの自動転送先のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30を内線番号“2002”のSIP内線端末20A、自動転送設定中のSIP内線無線端末30Aへ発呼する発呼元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30を内線番号“2003”のSIP内線端末20B、自動転送先のSIP内線端末20Aへの自動転送中に同着信に代理応答する代理応答元のSIP内線端末20又はSIP内線無線端末30を内線番号“2001”のSIP内線無線端末30Bとして説明する。
図7に示す内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aは、圏外の自動転送先を内線番号“2002”のSIP内線端末20Bに設定すべく、圏外転送設定操作を検出すると(ステップS51)、自分の内線番号及び自動転送先の内線番号を含む圏外転送設定要求を、同SIP内線無線端末30Aを無線収容する無線基地局8Aを収容した基地局集線ゲートウェイ8に送信する(ステップS52)。
基地局集線ゲートウェイ8は、圏外転送設定要求をSIPサーバ6Aに送信する(ステップS53)。SIPサーバ6Aは、同基地局集線ゲートウェイ8からの圏外転送設定要求を受信すると、この圏外転送設定要求に含まれる同圏外転送設定対象の内線番号及び自動転送先の内線番号に基づき、同自分の内線番号“2000”に対応する呼状態管理テーブル13内の呼状態13Bを“圏外転送中”、自動転送先13Dを内線番号“2002”に設定登録する(ステップS54)。この結果、内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aは圏外転送に設定し、その自動転送先13Dを内線番号“2002”に設定されたことになる。
その後、発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bは、内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aに対する発呼操作を検出すると(ステップS55)、内線番号“2000”を含むINVITEをSIPサーバ6Aに送信する(ステップS56)。尚、発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bは、SIPサーバ6AからのINVITEに対応する応答メッセージに応じてリングバック音を出力するものである(ステップS57)。尚、発呼元のSIP内線端末20側のユーザは、リングバック音を受聴することで呼出中であることを認識することができる。
また、SIPサーバ6Aは、発呼元のSIP内線端末20BからのINVITEを受信すると、同INVITEに含まれる発呼先の内線番号“2000”に対応する呼状態管理テーブル13内の呼状態13Bを検索し、同呼状態13Bが圏外転送中と認識する(ステップS58)。
SIPサーバ6A内の自動転送部21Aは、同内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aの呼状態13Bが圏外転送中と認識すると、同内線番号“2000”に対応する自動転送先13Dの内線番号“2002”を呼状態管理テーブル13から検索する(ステップS59)。
自動転送部21Aは、同内線番号“2000”に対応する自動転送先13Dの内線番号“2002”を検索すると、内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aに対する発呼元のSIP内線端末20Bの着呼をINVITEとして、自動転送先の内線番号“2002”のSIP内線端末20Aに対して自動転送する(ステップS60)。
この際、内線番号“2001”のSIP内線無線端末30は、自動転送先の内線番号“2002”のSIP内線端末20Aへの自動転送中のINVITEに代理応答すべく、代理応答操作を検出すると(ステップS61)、代理応答要求を基地局集線ゲートウェイ8に送信する(ステップS62)。また、基地局集線ゲートウェイ8は、この代理応答要求を受信すると、INVITEに応答する200OKをSIPサーバ6Aに送信する(ステップS63)。
SIPサーバ6Aは、基地局集線ゲートウェイ8から200OKを受信すると、内線番号“2002”のSIP内線端末20Aへの自動転送中のINVITEを中止するCANCELを内線番号“2002”のSIP内線端末20Aに送信する(ステップS64)。
さらに、SIPサーバ6Aは、転送規制先記憶制御部22Aを通じて、代理応答の内線番号“2001”に対応する呼状態管理テーブル13内の転送規制先13Eに同INVITEに関わる自動転送設定対象のSIP内線無線端末30Aの内線番号“2000”を登録し(ステップS65)、発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bに対して200OKを送信することで(ステップS66)、発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20B及び代理応答元の内線番号“2001”のSIP内線無線端末30B間の通話路を確立する(ステップS67)。尚、この際、SIPサーバ6Aは、発呼元のSIP内線端末20Bの内線番号“2003”に対応する呼状態13Bを話中、通話相手先13Cを内線番号“2001”、代理応答元のSIP内線無線端末30Bの内線番号“2001”に対応する呼状態13Bを話中、通話相手先13Cを内線番号“2003”にして呼状態管理テーブル13のテーブル内容を登録更新することになる。
次に図8において代理応答元の内線番号“2001”のSIP内線無線端末30Bは、発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bとの代理応答通話中に、保留操作を検出すると(ステップS71)、保留要求を基地局集線ゲートウェイ8に送信する(ステップS72)。さらに、基地局集線ゲートウェイ8は、保留要求を受信すると、re−INVITEをSIPサーバ6Aに送信する(ステップS73)。
SIPサーバ6Aは、基地局集線ゲートウェイ8からのre−INVITEを受信すると、このre−INVITEを発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bに送信する(ステップS74)。
発呼元の内線番号“2003”のSIP内線端末20Bは、re−INVITEを受信すると、保留音を出力すると共に(ステップS75)、200OKをSIPサーバ6Aに送信する(ステップS76)。尚、発呼元のSIP内線端末20B側のユーザは、保留音を受聴することで保留中であることを認識することができる。
SIPサーバ6Aは、SIP内線端末20Bからの200OKを受信すると、200OKを基地局集線ゲートウェイ8に送信する(ステップS77)。
その後、さらに、代理応答元の内線番号“2001”のSIP内線無線端末30Bは、例えば保留中の通話を内線番号“2000”のSIP内線無線端末30Aに転送する、所謂、保留転送を実行すべく、保留転送発呼操作を検出すると(ステップS78)、保留転送先の内線番号“2000”を含む保留転送発呼要求を基地局集線ゲートウェイ8に送信する(ステップS79)。さらに、基地局集線ゲートウェイ8は、保留転送発呼要求を受信すると、保留転送先の内線番号を含むINVITEをSIPサーバ6Aに送信する(ステップS80)。
SIPサーバ6A内の保留転送部23Aは、基地局集線ゲートウェイ8からのINVITEを受信すると、同INVITEに含まれる保留転送先の内線番号“2000”を抽出し、この内線番号“2000”に対応する呼状態管理テーブル13内の呼状態13Bが圏外転送中であることを認識し、同内線番号“2000”に対応する自動転送先の内線番号“2002”を検索する(ステップS81)。この結果、自動転送部21Aでは、自動転送先の内線番号“2002”のSIP内線端末20Aに対する自動転送を準備することになる。
また、SIPサーバ6A内の自動転送判定部24Aは、INVITEに含まれる保留転送先の内線番号と、保留転送発呼要求を発信したSIP内線無線端末30Bの内線番号“2001”に対応する呼状態管理テーブル13内の転送規制先13Eの内線番号とが同一であるか否かを判定する。
SIPサーバ6A内の自動転送規制部25Aは、自動転送判定部24Aにて保留転送先の内線番号と転送規制先13Eの内線番号とが一致した場合(ステップS82)、ステップS81にて自動転送を準備した内線番号“2002”への自動転送を規制する(ステップS83)。この結果、内線番号“2000“のSIP内線無線端末30Aに対する保留転送発呼要求に応じて同SIP内線無線端末30Aの自動転送先である内線番号”2002“のSIP内線端末20Aに対して再度自動転送してしまうような事態を回避することができる。
さらに、SIPサーバ6A内の自動転送規制報知部26Aは、ステップS83にて自動転送規制部25Aにて内線番号“2002”への自動転送を規制すると、圏外転送の規制を報知すべく、圏外転送規制を示す音声メッセージを基地局集線ゲートウェイ8経由で保留転送発呼要求を発信した代理応答の内線番号“2001”のSIP内線無線端末30Bに送信する(ステップS84)。この結果、SIP内線無線端末30B側のユーザは、音声メッセージを受聴することで圏外での自動転送が規制されたことを認識することができる。
尚、SIPサーバ6A内の自動転送部21Aは、自動転送判定部24Aにて保留転送先の内線番号と転送規制先の内線番号とが一致しなかった場合、ステップS81にて自動転送を準備した内線番号“2002”への自動転送を規制することなく、自動転送部21Aを通じて内線番号“2002”への自動転送を実行することになる。
尚、図7及び図8では、圏外転送設定に関する動作について説明してきたが、その他の自動転送設定(不在転送、無条件転送、不応答転送等)についても圏外転送設定と同様な処理を実行し、ステップS41における音声メッセージ送出においては、それぞれ転送規制内容を示す音声メッセージを送出することになり、話中転送設定の場合は話中音送出となるものである。
第2の実施の形態によれば、例えば自動転送元のSIP内線無線端末30Aから自動転送先のSIP内線端末20Aへの自動転送中の着信に対して代理応答元のSIP内線無線端末30Bが代理応答した場合、このSIP内線無線端末30Bの内線番号に対応付けて、自動転送元のSIP内線無線端末30Aの内線番号を呼状態管理テーブル11内の転送規制先13Eに記憶し、代理応答元のSIP内線無線端末30Bが通話を保留転送発信する場合、この保留転送先の内線番号が転送規制先13Eに記憶中の内線番号と同一であるか否かを判定し、保留転送先の内線番号が転送規制先13Eに記憶中の内線番号と同一である場合、自動転送設定中のSIP内線無線端末30Aの自動転送先であるSIP内線端末20Aへの再度の自動転送を規制するようにしたので、自動転送元のSIP内線無線端末30Aへの着信を自動転送先のSIP内線端末20Aへ自動転送中に、同着信を代理応答して通話を確立した後、同通話を自動転送元のSIP内線無線端末30Aに保留転送してしまった場合でも、再度、自動転送先のSIP内線端末20Aへの自動転送を要することなく、電話取次の作業効率を大幅に向上させることができる。
また、第2の実施の形態によれば、例えば自動転送設定中のSIP内線無線端末30Aから自動転送先のSIP内線端末20Aへの再度の自動転送を規制する場合、保留転送発信した代理応答元のSIP内線無線端末30Bに対して自動転送規制を報知するようにしたので、保留転送発信したSIP内線無線端末30B側のユーザは、自動転送元のSIP内線無線端末30Aから自動転送先のSIP内線端末20Bへの再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
また、第2の実施の形態によれば、例えばSIP内線無線端末30Aの自動転送設定が話中転送の場合、自動転送規制報知として話中音を、保留転送発信した代理応答元のSIP内線無線端末30Bに対して報知するようにしたので、SIP内線無線端末30B側のユーザは、話中音を受聴して自動転送元のSIP内線無線端末30Aから自動転送先のSIP内線端末20Aへの再度の話中転送に関わる規制を認識することができる。
また、第2の実施の形態によれば、例えばSIP内線無線端末30Aの自動転送設定が話中転送以外の転送の場合、自動転送規制報知として転送規制内容を示す音声メッセージを、保留転送発信した代理応答元のSIP内線無線端末30Bに対して報知するようにしたので、SIP内線無線端末30B側のユーザは、音声メッセージを受聴して自動転送元のSIP内線無線端末30Aから自動転送先のSIP内線端末20Aへの再度の自動転送に関わる規制を認識することができる。
尚、上記第2の実施の形態においては、自動転送元をSIP内線無線端末30A、自動転送先をSIP内線端末20A、代理応答元をSIP内線無線端末30B及び発呼元をSIP内線端末20Bとして説明したが、これらに限定されるものではなく、様々な組合せであっても、同様の効果が得られることは言うまでもない。