JP4950793B2 - 靴下 - Google Patents

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Description

本発明は、足の縦足弓の曲線に沿って土踏まずを押し上げることにより、縦足弓のアーチの形状を正常に保つように矯正するとともに、正常な歩行を促すことができる靴下に関する。
図4は、人の右足の骨を足底側から見た状態を表した図である。図4に示すように、人の足を構成する骨は、指節骨G1、中足骨G2、足根骨G3に大別され、図5(b)に示すように、足底には、縦足弓H1(縦方向のアーチ)と横足弓H2(横方向のアーチ)が形成されている。
この縦足弓H1と横足弓H2は、それぞれ独立したものではなく、相互に関連して土踏まずを形成し、歩行接地時の衝撃を緩和するバネのような役割とともに、体重を足全体に分散させ、体重移動をスムーズにする重要な役割を果たしている。縦足弓H1は、図4及び図5(a)に示すように、踵骨結節G31を起点とし、距骨、舟状骨、内側楔状骨を超えて第1中足骨G21にかけてアーチを形成している内側弓と、踵骨結節G31を起点として立法骨を通り、第5中足骨G22にかけてアーチを形成している外側弓とからなる。一方、横足弓H2は、図5(a)に示すように、第1中足骨G21から第5中足骨G22にかけて形成される前アーチと、3個の楔状骨を含み、土踏まずの左側G32から右側G33にかけて形成される主アーチとからなる。
図6は、足底の主な靭帯を図示したものであり、J3は底側踵立方靭帯を、J4は底側靭帯を示している。足底の靭帯は、骨格によって形成された縦足弓H1と横足弓H2に対し、強く張って、アーチを維持する役割を果たしているが、特に、底側踵舟靭帯J1と長足底靭帯J2が、足底のアーチ構造を維持する重要な靭帯といわれている。このように、縦足弓H1と横足弓H2とからなる足底のアーチ構造は、バネのような役割を果たして歩行接地時の衝撃を緩和するとともに、体重を足全体に分散させ、体重移動をスムーズにする役目を果たしているため、縦足弓H1と横足弓H2の形状を正常に保つことは、正常な歩行運動を促すことにも繋がると考えられている。
ところが、縦足弓H1は、ハイヒールによるつま先立ちの状態や、硬い革靴を履いた歩行が長時間続くと、縦足弓H1を維持していた底側踵舟靭帯J1や長足底靭帯J2が過伸した状態が継続される結果、縦足弓H1のアーチが下がってしまい、正常な曲線を保ち難くなる。縦足弓H1の縦方向のアーチの形状が保てなくなると、歩行時の衝撃吸収効果が充分に得られないため、正常な歩行運動が行えず、足の疲れや特定部分に痛みが発生する原因となる。また、上記の問題は、元々、縦足弓H1の形成が未熟な偏平足の人においては特に顕著に現れる。
そこで、従来より、履いたときに両側部から締め付けることで中足骨靭帯を横アーチ状の再生方向に矯正することを目的とした靴下が開示されている。
特開2005−42213号
例えば、上記特許文献1には、中足骨靭帯に対応する足裏部及びその両側部に当接する部分を弾性の高い高弾性材で構成し、中足骨靭帯に対応する足表部に当接する部分を前記弾性材より弾性の低い低弾性材で構成し、履いたときに両側部から締め付けることで中足骨靭帯を横アーチ状の再生方向に矯正する機能を備えた靴下が提案されている。
また、従来より、血行不良を抑制しながら足のアーチを回復させ、足の正常な機能を回復させることを目的とした靴下も公知となっている。
特開2005−312512号
具体的には、例えば上記特許文献2には、靴下本体の、横中足靱帯の足裏側に対応する部分と、足根骨の足背側に対応する部分に、足の幅方向で見た引張抵抗力が他の部分よりも強い弾性伸縮部を配置し、足裏側の弾性伸縮部の両端部分は、足の内外の側部分の内の略下半分を覆うように延長されると共に、足背側の弾性伸縮部の両端部分は、足の内外の側部分の略上半分を覆うように延長された構成の靴下が提案されている。
しかしながら、上記特許文献1の靴下は、履いたときに両側部から締め付けることで中足骨靭帯を横アーチ状の再生方向に矯正しようとするものであるため、横足弓H2に対しては一定の矯正効果が得られる可能性があるものの、縦足弓H1については、矯正効果が期待できないという問題があった。
また、上記特許文献2の靴下も、横中足靱帯の足裏側に対応する部分と、足根骨の足背側に対応する部分に、足の幅方向で見た引張抵抗力が他の部分より強い弾性伸縮部をそれぞれ配置した構成であるため、横足弓H2のみを意識しており、縦足弓H1に対しては十分な矯正効果が得られない。
要するに、従来の靴下は、図7に示すように、口ゴム部1000を広げて開口部800から脚F1を挿入し、靴下を着用した状態において、かかと部100とつま先部300の間の足底部500と、土踏まずF2の間に、空間F3が存在する状態であったため、縦足弓H1を維持していた底側踵舟靭帯J1や長足底靭帯J2が過伸した状態が長時間続き、縦足弓H1のアーチが下がってしまう現象に対しては、十分な効果を発揮することができない。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、縦足弓H1の曲線に沿って土踏まずを押し上げることにより、横足弓H2だけではなく、縦足弓H1のアーチの形状を正常に保つように矯正することも可能な靴下を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の靴下は、
靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第1締付け部を周設するとともに、前記靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第2締付け部を周設した靴下であって、前記靴下の足底部に、縦足弓のアーチに沿って土踏まずを押し上げるように作用すべく、前記第1締付け部と前記第2締付け部を連結するように、前記靴下の足甲部と比較して前記靴下の長手方向の伸縮性を低くした連結部を設けたことを最も主要な特徴点としている。
本発明によれば、第1締付け部を、靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周設するとともに、第2締付け部を、靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置に周設しているため、これらの締付け部によって、第1中足骨G21から第5中足骨G22にかけて形成される前アーチと、土踏まずの左側G32から右側G33にかけて形成される主アーチとからなる横足弓H2に対する横方向のアーチの矯正効果が得られる。
さらに、本発明の靴下は、足底部に第1締付け部と第2締付け部を連結するように、靴下の足甲部と比較して靴下の長手方向の伸縮性が低い連結部を設けたため、この連結部が縦足弓H1のアーチに沿って土踏まずを押し上げるように作用し、縦足弓H1のアーチの形状を正常に保つように矯正する効果も得られる。
本発明の靴下は、靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第1締付け部を周設するとともに、前記靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第2締付け部を周設した靴下であって、前記靴下の足底部に、縦足弓のアーチに沿って土踏まずを押し上げるように作用すべく、前記第1締付け部と前記第2締付け部を連結するように、前記靴下の足甲部と比較して前記靴下の長手方向の伸縮性を低くした連結部を設けた構成である。
本発明では、第1締付け部と第2締付け部を連結する連結部の長手方向の伸縮性は、足甲部の長手方向の伸縮性と比較して小さいものを使用する。そのようにすることで、図7における空間F3の発生を防止し、縦足弓H1の曲線に沿って土踏まずをしっかりと押し上げる効果が発揮されるからである。なお、ここで長手方向の伸縮性とは、靴下の長手方向の伸縮性(かかと部とつま先部を結ぶ直線と平行な向きの伸縮性)をいう。
連結部の伸縮性をどの程度まで小さくするかは、特に限定をするものではないが、本発明者が検討したところによると、靴下の足甲部と比較して長手方向の編み目の密度を2倍以上とした場合に、伸縮性の差が適度なものとなり、土踏まずの押し上げ効果が好適であることが判明している。なお、長手方向の編み目の密度が2倍以上というのは、例えば、長手方向1インチあたりのコース数を2倍以上とすることを意味する。
また、本発明では、連結部のサイズは特に限定されないが、本発明者が検討したところによると、連結部の周方向の中央位置における靴下の長手方向の長さが3cm以上3.5cm以下の範囲とすることがより望ましいことが判明している。足のサイズには個人差があるため、一概には言えないが、上記の範囲内であれば、概ね縦足弓H1のアーチの形状にきっちりと沿わせることができるからである。なお、「連結部の周方向の中央位置」とは、連結部は靴下の周方向に所要の幅を有しているが、その周方向の幅における中央の位置という意味である。また、「靴下の長手方向の長さ」とは、靴下のつま先部とかかと部を結ぶラインと平行な方向(靴下の周方向と直行する方向)という意味である。
また、本発明では、連結部の形状は特に限定されないが、本発明者が検討したところによると、足底側から見たときに、靴下の長手方向の中央部付近が括れた形状とすることがより望ましい。このようにすれば、足底側から足甲側に向けて徐々に伸縮性が高くなるため、靴下を履いたときに突っ張ったり皺が発生することがなく履き心地が良い上、見た目に違和感を与えることもないからである。
また、本発明では、第1締付け部とかかと部の内側面は、パイル編みとすることがより望ましい。このようにすれば、靴下の内部で足が滑らないため、連結部の位置が安定する上、パイル編みがクッションとなって歩行接地時の足への衝撃を緩和する効果も得られるからである。
また、本発明では、第2締付け部の足底部の中央部付近と、靴下の土踏まず部の内側付近の生地の厚みを、他の部分の生地の厚みよりも厚いものとすることがより望ましい。このようにすれば、第2締付け部の足底部の中央部付近と土踏まず部がしっかりとサポートされ、安定性が向上するからである。
また、本発明では、靴下のかかと部付近の踝方向寄りの位置に伸縮性に富む第3締付け部をさらに周設することがより望ましい。このようにすれば、足首をしっかりとサポートできる上、靴下のずれ落ちも防止できるからである。
以下、本発明の靴下を、実施例に基いてさらに詳細に説明する。図1は、左足用の本発明の靴下を横方向から見た状態を表した説明図である。
本実施例の靴下は、靴下編機を用いて編成された靴下であり、かかと部1に近接した付近の爪先方向寄りの位置には、伸縮糸が挿入されたタック編みで編成するなどの手段により、靴下の周方向における伸縮性に富む第1締付け部2が周設されている。また、靴下のつま先部3付近の踵方向寄りの位置にも同様に、周方向の伸縮性に富む第2締付け部4が周設されている。
実施例の靴下は、上記のような第1締付け部2を周設することにより、図1の矢印Aに示す方向に締付け力が働くため、土踏まずの左側から右側にかけて形成される横足弓の主アーチに対する矯正効果が得られる。また、上記のような第2の締付け部4を周設することにより、図1の矢印Bに示す方向に締付け力が働くため、第1中足骨から第5中足骨にかけて形成される横足弓の前アーチに対する矯正効果も得られる。
また、本実施例の靴下は、靴下の足底部に、第1締付け部2と第2締付け部4の間を連結するように、靴下の足甲部6と比較して靴下の長手方向の伸縮性(図1の矢印Cと平行な方向の伸縮性)が低い連結部5を設けている。このように、本発明では、足底部に伸縮性の低い連結部5を設け、かつ、連結部5の長手方向の両端が第1締付け部2と第2締付け部4に連結されているので、縦足弓H1の曲線に沿って土踏まずを図1の矢印Dの方向にしっかりと押し上げる効果が得られる。
本実施例では、連結部5の長手方向の編み目の密度は、靴下の足甲部6の長手方向の編み目の密度と比較して2倍とし、伸縮性の差を適度なものとして、土踏まずの押し上げ効果を好適にしている。また、本実施例の連結部5は、連結部5の周方向の中央位置における靴下の長手方向の長さ(図1のLで示す部分の長さ)は3.3cmとし、縦足弓のアーチの形状にきっちりと沿わせるようにしている。
図1において、10は、靴下の内部の通気性を良好するために足甲部6の爪先寄りの位置に設けたメッシュ部を、8は、足挿入口を、11は、口ゴム部を示している。また、7は、靴下のかかと部1付近の踝方向寄りの位置に設けた第3締付け部を示している。第3締付け部7は、伸縮糸が挿入されたタック編みで編成するなどの手段により、周方向の伸縮性に富むように編成され、図1の矢印Eに示す方向に締付け力が働くため、足首をしっかりとサポートできる上、靴下のずれ落ちも防止できる。
図2は、本実施例の靴下を足底側から見た状態を表した図であり、紙面の上方は、つま先部3、紙面の下方は、かかと部1となっている。本実施例の靴下の連結部5は、足底側から見たときに、靴下の長手方向の中央部付近53が括れた形状となっている。括れた形状というのは、図2に示すように、51,55で示す長手方向の上下端の位置における周方向の幅と、52,54で示す中間の位置における周方向の幅と、中央部53の位置における周方向の幅を比較したときに、中央部53に近づくにつれて徐々に幅が狭くなっていることを意味する。このようにすれば、足底側から足甲側に向けて徐々に伸縮性が高くなるため、靴下を履いたときに突っ張ったり皺が発生することがなく履き心地が良い上、見た目に違和感を与えることもないので、好適である。
なお、図示しないが、実施例の靴下は、第1締付け部2とかかと部1の内側面は、パイル編みとして、靴下の内部で足が滑ることを防止している。これにより、靴下の内部で足が滑らないため連結部5の位置が安定する上、パイル編みがクッションとなって歩行接地時の足への衝撃を緩和する効果も得られるため、好適である。
また、実施例の靴下は、図2に示すように、第2締付け部4の足底部の中央部付近と、靴下の土踏まず部の内側付近に、生地の厚みを厚くした厚み増加部9を設けて、第2締付け部の足底部の中央部付近と土踏まず部をしっかりとサポートし、安定性の向上を図っている。
図3は、本発明の靴下を着用した状態を説明する図である。本発明では、第1締付け部をかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周設するとともに、第2締付け部をつま先部付近の踵方向寄りの位置に周設したため、これらの締付け部によって、横足弓H2に対する矯正効果が得られる上、足底部に第1締付け部と第2締付け部を連結するように、靴下の足甲部と比較して靴下の長手方向の伸縮性が低い連結部を設けたため、従来の靴下を着用した図7と比較すると明らかなように、連結部5と土踏まずF2の間に空間は存在せず、縦足弓の曲線に沿って土踏まずをしっかりと押し上げて、縦足弓のアーチ形状を正常に保つように矯正する効果も得られる。すなわち、本発明の構成によれば、横足弓だけでなく、縦足弓のアーチの形状を正常に保つように矯正することもできるので、従来の問題を解決し、かつ、正常な歩行運動を促すという効果も得られる。
さらに進んで、本発明の靴下の効果を確認するために行った試験の方法及び結果について説明する。以下の試験では、図1に示す本発明の靴下の実施品の一例を「実施例1」、第1締付け部と第2締付け部に相当する構成のみを備え、連結部に相当する構成は有さない従来の靴下の一例を「比較例1」、図7に示すような、第1締付け部、第2締付け部、連結部に相当する構成を何れも有さない従来の靴下の一例を「比較例2」としている。効果確認試験は、引張試験、足底部着圧試験、土踏まず面積変化率比較試験の3項目について実施した。各試験の試験方法と結果は、以下の通りである。
1)引張試験
実施例1、比較例1、比較例2の各靴下について、
(A)靴下の足底部の長手方向の引張力
(B)靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置における周方向の引張力
(C)靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置における周方向の引張力
をそれぞれ測定した。(A)、(B)、(C)の各箇所において、引張力は、以下の方法によって測定した。
(引張試験の試験条件)
測定機:インストロン社製「INSTRON」(登録商標)
試験条件:23℃、50%、引張速度 300mm/min
試験方法:
(イ)2.5×9cmの試験片(足底部のつま先・かかとを除く部分)に切り取る。
(ロ)3cm(約20%)伸長と回復を3回繰り返す。3回目伸張時の引張力の値を読み取る。
(ハ)上記の方法で5回計測し、平均値を取る。
試験結果は、以下の表1〜表3に示すとおりとなった。引張力は、引張に要する力を測定するものであり、この値が大きいほど、上記(A)については縦アーチ形状を保つ方向に、上記(B)、(C)については横アーチ形状を保つ方向に、サポート力が強いものといえる。なお、比較例1の(B)、(C)の箇所は、実施例1の(B)、(C)の箇所と同様の構造で、比較の必要がないため、測定を省略している。
Figure 0004950793
Figure 0004950793
Figure 0004950793
表1〜表3に示すように、(A)靴下の足底部の縦方向の引張力については、実施例1が20.2(N)、比較例1が3.71(N)、比較例2が1.93(N)という結果になっており、実施例1は、連結部を備えていることにより、縦方向に対する張力が最も大きく働いていることが確認された。従って、本発明は、縦アーチ形状を矯正する効果が、従来品よりも明らかに大きいといえる。
なお、実施例1は、図1の靴下であり、前述したように、連結部5の長手方向の編み目の密度は、靴下の足甲部6の長手方向の編み目の密度と比較して2倍としたものである。一方、比較例2は、図7のような通常の靴下であり、足底部500と足甲部600で長手方向の編み目の密度に差は設けられていない。実施例1と比較例2を比べた場合、実施例1の足甲部6と比較例2の足甲部600の長手方向の編み目の密度はほぼ同じであるが、実施例1の連結部5の長手方向の編み目の密度は、比較例2の足底部500の長手方向の編み目の密度と比較して約2倍となっている。そうすることにより、実施例1の引張力は20.2(N)、比較例2の引張力は1.93(N)と約10倍の差が表れており、長手方向の編み目の密度を約2倍にすれば、長手方向の伸縮性は約1/10に低く設定できることが確認された。
また、(B)靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置における周方向の引張力についても、実施例1は=4.6(N)、比較例2は0.47(N)という結果になっている。従って、本発明は、横アーチ形状を矯正する効果についても、図7に示すような通常の靴下と比較すれば、明らかに大きいことが確認された。また、(C)靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置における周方向の引張力についても、実施例1は3.45(N)、比較例2は0.51(N)という結果になっており、同様のことが言える。
2)足底部着圧試験
実施例1、比較例1、比較例2の靴下を着用した状態で、図5(b)の縦足弓H1の中央付近にかかる着圧力を計測した。着圧力の測定は、以下の方法によるものとした。
(足底部着圧試験の試験条件)
測定機:エアパック式着圧測定機 AMI3037−10
試験条件:20代男性右足
試験方法:
(イ)エアパックを縦足弓H1の中央付近に貼付。
(ロ)試験品を履かせ、椅子に座り足底が地面に触れない状態で1分間計測を行い、安定値を読取る(3回測定し平均値を取る)。
着圧力は、その値が大きいほど縦アーチを押し上げる力が強いと言え、縦アーチ形状を矯正する方向に力が働いていることを意味する。試験結果は、以下の表4に示す通りとなった。
Figure 0004950793
表4に示す通り、縦足弓H1の中央付近に働く着圧力(hPa)の値は、本発明の実施品である実施例1が最も大きく、本発明の構成によれば、アーチを押し上げる力、つまりアーチ形状を矯正する力が有効に働くことが確認された。また、比較例1と比較しても、実施例1の着圧力が明らかに大きいことより、横足弓と縦足弓が交わる部分の着圧力を高くするためには、第1締付け部と第2締付け部を設けるだけでは十分でなく、本発明の靴下のように、靴下の足底部に、第1締付け部と第2締付け部を連結するように、長手方向の伸縮性が低い連結部を設けることが極めて重要であることが確認された。
3)土踏まず面積変化率比較試験
実施例1、比較例2の靴下をそれぞれ着用して一定時間歩行を行った場合における歩行前後の土踏まず部の面積を計測し、変化率を算出することによって、歩行前後の足底アーチの変化状況を比較する試験を行った。
(土踏まず面積変化率比較試験の試験条件)
被験者:標準的な体格の30代男性3人
試験方法:
(イ)両足について足裏部の足形を取る。
(ロ)サンプルの靴下を着用し、平坦なアスファルト舗装路を自然歩行で3時間歩行する。
(ハ)3時間歩行後、両足について足裏部の足形を取る。
(ニ)面積測定器(タマヤ測定システム社製 TAMAYA DIGITAL PLANIMETER「PLANIX」(登録商標))を用いて、土踏まず部分に相当する足形の面積をそれぞれ測定した。なお、図8に示す通り、拇指側の足裏端部接線81と土踏み82の足形とで囲まれた範囲(黒塗りとした範囲)を土踏まず部83と定義し、その面積を土踏まず面積として測定した。
(ホ)上記(イ)の時点の歩行前土踏まず面積から上記(ハ)の時点の歩行後土踏まず面積への変化量の割合を算出し、左右の平均値を「土踏まず面積変化率(%)」とした。すなわち、歩行後の土踏まず面積(mm2 )/歩行前の土踏まず面積(mm2 )=土踏まず面積変化率(%)とした。
(へ)実施例1の靴下を履いて上記試験を行った場合の土踏まず変化率と、比較例2の靴下を履いて上記試験を行った場合の土踏まず変化率の差(変化率差異)を求めた。
なお、上記試験では、土踏まず面積変化率が100%を下回った場合、歩行前に比べて歩行後の方が接地面積が広いことを示し、疲労による足底アーチの降下を示すものと考えることができる。一方、土踏まず面積変化率が100%を上回ると、歩行前に比べて歩行後の方が接地面積が狭いことを示し、足底アーチの形状を矯正し、降下を防止する効果が持続したことを示すものと考えることができる。
Figure 0004950793
表5は実施例1、比較例2における被験者3名の土踏まず面積変化率の平均値である。比較例2は、僅かに0.02%だけ100%を上回っているが、誤差の範囲であり、足底アーチの形状に殆ど変化がなかったことを示している。一方、実施例1では、土踏まず面積変化率は104.85%となっており、変化率差異が4.85%であることより、足底アーチの形状を矯正する効果が認められ、靴下を脱いだ後もその効果が持続していたものと考えられる。
このように、本発明の靴下は、横足弓だけでなく縦足弓のアーチも矯正する作用が得られるため、従来の靴下に比べて足底アーチの形状を正常に矯正し、又は高める効果のあることが確認できた。
なお、上記試験では通常歩行で比較したが、従来の靴下を履いてさらに激しい運動を行えば、足底への負担がますます大きくなり、正常なアーチ形状を保てなくなる可能性が高いと考えられる。一方、本発明の靴下を利用すれば、縦アーチ及び横アーチを矯正する力が働くため、激しい運動を行ったときでも正常なアーチ形状が保たれ、足底アーチのバネ機能が充分に発揮されるものと考えられる。
以上説明したように、本発明の靴下は、第1締付け部をかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周設するとともに、第2締付け部をつま先部付近の踵方向寄りの位置に周設したため、これらの締付け部によって、横足弓に対する矯正効果が得られる上、足底部に第1締付け部と第2締付け部を連結するように、靴下の足甲部と比較して靴下の長手方向の伸縮性が低い連結部を設けたため、縦足弓の曲線に沿って土踏まずをしっかりと押し上げて、縦足弓のアーチ形状を正常に保つように矯正する効果も得られる。そのため、本発明の構成によれば、横足弓だけでなく、縦足弓のアーチの形状も正常に保たれるので、正常な歩行運動を促す効果も得られる。
本発明の靴下は、一般用に限らず、マラソンランナーなど長時間走り続けるスポーツ選手用の靴下にも適用できるものである。
本発明の靴下を横方向から見た状態を表した説明図である。 本発明の靴下を足底側から見た状態を表した説明図である。 本発明の靴下を着用した状態を説明する図である。 人の右足の骨を足底側から見た状態を表した図である。 (a)は、踵骨結節を起点とし、第1中足骨又は第5中足骨にかけてアーチを形成している内側弓、外側弓と、第1中足骨から第5中足骨にかけて形成される前アーチ、土踏まずの左側から右側にかけて形成される主アーチについての説明図、(b)は、縦足弓と横足弓についての説明図である。 足底の主な靭帯についての説明図である。 従来の靴下を着用した状態を説明する図である。 土踏まず面積変化率比較試験における「土踏まず部」の定義を説明する図である。
符号の説明
1 かかと部
2 第1締付け部
3 つま先部
4 第2締付け部
5 連結部
6 足甲部
7 第3締付け部
9 厚み増加部

Claims (7)

  1. 靴下のかかと部付近の爪先方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第1締付け部を周設するとともに、前記靴下のつま先部付近の踵方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第2締付け部を周設した靴下であって、前記靴下の足底部に、縦足弓のアーチに沿って土踏まずを押し上げるように作用すべく、前記第1締付け部と前記第2締付け部を連結するように、前記靴下の足甲部と比較して前記靴下の長手方向の伸縮性を低くした連結部を設けたことを特徴とする靴下。
  2. 前記連結部は、前記靴下の足甲部と比較して、前記靴下の長手方向の編み目の密度を2倍以上としたことを特徴とする請求項1記載の靴下。
  3. 前記連結部は、前記連結部の周方向の中央位置における靴下の長手方向の長さが3cm以上3.5cm以下の範囲としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の靴下。
  4. 前記連結部は、足底側から見たときに、前記靴下の長手方向の中央部付近が括れた形状としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の靴下。
  5. 前記第1締付け部と前記かかと部の内側面は、パイル編みとしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の靴下。
  6. 前記第2締付け部の足底部の中央部付近と、前記靴下の土踏まず部の内側付近の生地の厚みを、他の部分の生地の厚みよりも厚いものとしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の靴下。
  7. 前記靴下のかかと部付近の踝方向寄りの位置に周方向の伸縮性に富む第3締付け部をさらに周設したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の靴下。
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