JP4943799B2 - タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム - Google Patents

タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、タイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラムに係り、より詳しくは、有限要素法によりタイヤの性能を解析するためタイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラムに関する。
従来、空気入りタイヤ開発において、タイヤ性能は実際にタイヤを設計・製造し、自動車に装着して性能試験を行うことにより得られるものであり、性能試験の結果に満足できなければ設計・製造からやり直す、という手順を踏んできた。
最近では、数値解析手法や計算機環境の発達により、タイヤの性能をコンピュータシミュレーションにより解析する方法が提案されている。
数値解析手法では、タイヤのトレッド部を含むタイヤ全体や、トレッド部のみを有限個の要素に分割して解析する所謂有限要素法などの公知の手法を用いることができる。有限要素法では、分割する要素の大きさを小さくすることにより、精度良く解析することができる。例えば特許文献1乃至特許文献4には、有限要素法によりタイヤの性能をシミュレーションする際のタイヤモデルの作成方法について開示されている。
有限要素法では、連続体を有限要素に離散化する。具体的には、図6(A)、(B)に示すように、連続体であるゴムでできたトレッドパターン100のトレッドブロック100A、100Bを複数の要素102に分割する。なお、同図(A)はトレッドパターン100の一部平面図、同図(B)はトレッドパターン100の一部断面図である。離散化する個数を多く、すなわち要素数を多くし、それぞれの要素のサイズを小さくすることにより、離散化誤差を小さくすることができる。
一方、局所的に小さい要素が存在すると、その部分では局所的に変形することが可能になってしまう。すなわち、実際は連続体なので連続に変形するが、局所的に小さい要素が存在すると、その部分で不連続に変形してしまう。従って、離散化誤差を小さくするためには、タイヤモデル全体での要素のサイズをなるべく同じにすることが好ましい。
数値解析を行う際には、数値誤差を考慮することが必要であり、例えば有限要素法を用いた解析では、要素の形状が歪んでいると数値誤差が大きくなることが知られている(計算力学ハンドブック 第1巻 有限要素法 構造編、日本機械学会)。例えば四角形状の要素を2次元で見た場合、なるべく正方形に近いほど数値誤差が小さい。
さらに、解析モデルを所謂陽解法の有限要素法を用いて解析する場合、下記のクーラン条件を満たす時間刻み(△t)は下記になる。
△t<要素サイズ/要素内音速 ・・・(1)
但し、要素サイズは、モデルを構成する要素の中で最も小さな要素の代表的な長さであり、要素内音速は、(E/ρ)の平方根と比例関係にある(Eはヤング率、ρは質量密度)。また、解析対象モデル全体でこの条件を満たす必要があるので、解析モデル全要素中最小の△tが問題になる。また、解析時間は要素総数が多くなると長くなる。従って解析時間を短くするためには、△tを大きく、要素総数を少なくすることが必要である。
このため、タイヤのトレッドパターンから数値計算モデルを作成する場合、トレッド表面ではなるべく四角形要素を用い、かつ各々の形状が正方形に近くなるように要素分割(メッシュ分割)を行う。図7には、1ピッチ分のあるトレッドパターン104について上記のようなメッシュ分割を行った場合の一例を表わす平面図を示した。同図に示すように、各要素は、ほぼ正方形のものが多くなっている。
また、図8には、あるトレッドパターン106についてメッシュ分割した場合の一例を表わす断面図を示した。同図(A)の左側のトレッドブロック106Aについては、トレッドブロック106Aの中央部分については、そのトレッドブロック106Aの表面と直交する縦線108とこれらの縦線108と直交する横線110とによってメッシュ分割し、トレッドパターン106の溝112の溝壁112A付近については、溝壁112Aのラインをそのまま内部に延長した縦線108Aと横線110とによってメッシュ分割している。
また、同図(A)の右側のトレッドブロック106Bについては、溝壁112Aに近づくに従って、溝壁112Aのラインとトレッドブロック106Bの表面との成す角度に近づくように縦線108を設定している。
また、同図(B)の例では、トレッドブロックの溝底112Bよりも上側の部分については、溝壁112Aに近づくに従って、溝壁112Aのラインとトレッドブロック106Bの表面との成す角度に近づくように縦線108を設定しており、溝底112Bより深い部分については、縦線108をトレッドブロック106Aの表面と直交する線としている。
特許第3314082号公報 特許第3432573号公報 特開2006−199155号公報 特開2006−1361号公報
上記の何れの場合も、溝底112B付近以外については各要素の形状が正方形に近く、かつ要素サイズがそれほど大きく変わらないようになっているが、溝壁112Aのラインをそのまま内部に延長した縦線108Aと横線110とによってメッシュ分割すると、溝底112Bの下方のメッシュが非常に小さくなってしまう。また、図9に示すように、溝底112Bの下方で縦線108Aが交差し、予め定められたメッシュの最小サイズよりも小さい領域114ができてしまい、その領域については要素を作ることができなくなってしまう。
このような離散化を行うと、離散化誤差及び数値誤差が大きくなると共に、要素サイズが小さいため解析時間が長くなる、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、離散化誤差及び数値誤差が大きくなるのを防ぐと共に、解析時間が長くなるのを防ぐことができるタイヤモデル作成方法、タイヤモデル作成装置、及びタイヤモデル作成プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のタイヤモデル作成方法は、タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成方法であって、コンピュータが、前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割することを特徴とする。
この発明によれば、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線同士が溝底の下方で交わったり交差したりするのを防ぐことができ、他の要素と比較して非常に小さい要素ができてしまったり、小さすぎて要素が作成できなくなったりするのを防ぐことができ、離散化誤差及び数値誤差が大きくなるのを防ぐことができる。
なお、請求項2に記載したように、前記コンピュータが、前記第1の線によって要素分割された要素が、予め定めた所定サイズ以上のサイズとなるように前記第1の線を設定することが好ましい。
この場合、例えば請求項3に記載したように、前記所定サイズは、所望の解析精度が得られる最小サイズであることが好ましい。これにより、所望の解析精度が得られると共に、解析時間が長くなるのを防ぐことができる。
また、請求項4に記載したように、前記コンピュータが、前記第1の線と前記第2の線とが平行となるように前記第1の線を設定し、これと直交する第3の線とにより要素分割するようにしてもよい。これにより、要素の形状を正方形状や長方形状に近い形状とすることができ、解析精度を向上させることができる。
また、請求項5に記載したように、前記コンピュータが、前記トレッドパターンの溝の深さが深いほど前記第1の線を長く、前記溝の深さが浅いほど前記第1の線を短く設定するようにしてもよい。
また、請求項6に記載したように、前記コンピュータが、前記トレッドパターンの溝壁のラインを延長した線同士がタイヤ内部で交差する場合にのみ、前記第1の線を設定するようにしてもよい。
請求項7記載の発明のタイヤモデル作成装置は、タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成装置であって、前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割する要素分割手段を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線同士が溝底の下方で交わったり交差したりするのを防ぐことができ、他の要素と比較して非常に小さい要素ができてしまったり、小さすぎて要素が作成できなくなったりするのを防ぐことができ、離散化誤差及び数値誤差が大きくなるのを防ぐことができる。
請求項8記載の発明のタイヤモデル作成プログラムは、タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成方法をコンピュータに実行させるためのタイヤモデル作成プログラムであって、前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割するステップを含むことを特徴とする。
この発明によれば、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線同士が溝底の下方で交わったり交差したりするのを防ぐことができ、他の要素と比較して非常に小さい要素ができてしまったり、小さすぎて要素が作成できなくなったりするのを防ぐことができ、離散化誤差及び数値誤差が大きくなるのを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、要素のサイズに大きな差が生じるのを防ぎ、解析精度を向上させることができるシミュレーションの精度の劣化を防ぐことができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を詳細に説明する。
図1には本発明の空気入りタイヤの性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、コンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14、及びCRTに表示されたカーソルを所望の位置に移動させたり、カーソル位置のメニュー項目やオブジェクト等を選択したり選択解除したりドラッグしたりする操作を行うためのマウス16から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、例えばFDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12に設けられたハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)に処理プログラムを格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えて、またはさらにCD−ROM装置、DVD−ROM装置、MD装置、MO装置等を用いればよい。
なお、コンピュータ本体12のハードディスクには、予め複数種類のタイヤのCADデータ(タイヤ形状、構造、材料等の設計データ)や、後述するタイヤ性能解析プログラムが記憶されている。
次に、本実施の形態の作用として、コンピュータ本体12で実行されるタイヤ性能解析プログラムの処理ルーチンについて図2に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ100では、解析対象のタイヤの種類をオペレータに選択させる。次のステップ102では、要素形状、要素サイズ等のタイヤモデルを作成するためのパラメータの設定を行う。これは、オペレータによって選択させるようにしてもよいし、予め定めたパラメータを設定してもよい。
ステップ104では、選択されたタイヤの設計データをハードディスクから読み出し、読み出した設計データ及びステップ102で設定したパラメータに基づいて、数値解析上のタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、上記ステップ104で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値解析手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。
この要素分割とは、タイヤを多数の(有限の)要素(小部分)に分割することをいう。要素は、例えば四面体要素や五面体要素、六面体要素等とすることができる。本実施形態では、各面がほぼ正方形状となる六面体要素に要素分割するものとする。この要素ごとに数値計算を行い全ての要素について計算した後、全部の要素を組み合わせることにより全体の応答を得ることができる。なお、数値解析手法には有限要素法に限らず、差分法や有限体積法、個別要素法(DEM)等の他の公知の数値解析手法を用いても良い。
上記ステップ104のタイヤモデルの作成では、タイヤ断面のモデルを作成した後に、これをタイヤ周方向に展開することにより3次元のタイヤモデルを作成する。作成手法としては、公知の有限要素法のモデル化方法を用いることができる。
本実施形態では、各要素が予め定めた最小サイズ(例えば所望の解析精度が得られるサイズ)以上のサイズとなるように要素分割する。前述したように、トレッドパターンの溝壁のラインと、トレッドパターンの表面のラインに直交する縦線とが角度を成す場合、すなわち平行でない場合において、溝壁のラインをそのままタイヤ内部に延長した延長線と、前記縦線に直交する線とによって要素分割すると、非常に小さい要素ができてしまう。
そこで、本実施形態では、溝底より深い部分については、溝壁のラインの延長線(第1の線)と前記縦線(第2の線)とが成す角度が、溝壁のラインと前記縦線とが成す角度よりも小さくなるように延長線を設定し、要素分割する。これにより、溝底の下方の要素が非常に小さくなってしまうのを防ぐことができる。
図3(A)、(B)には、上記のように要素分割した場合のタイヤモデル20の一部断面図を示した。なお、図3(A)、(B)は、タイヤの径方向における一部断面図、すなわち図4のA−A線の一部断面図である。図3(A)に示すように、トレッドブロック22の中央部分については、そのトレッドブロック22の表面と直交する縦線24とこれらの縦線24と直交する横線26(第3の線)とによってメッシュ分割し、トレッドブロック22の溝28の溝壁28A付近については、溝壁28Aのラインをそのまま内部に延長した延長線24Aと横線26とによってメッシュ分割している。
ここで、溝壁28Aのラインの延長線24Aと縦線24とが成す角度θ1が、溝壁28Aのラインと縦線24とが成す角度θ2よりも小さくなるように、延長線24Aが設定されている。θ1は、延長線24Aと横線26とによって作成される要素のサイズが、予め定めた要素の最小サイズ以上のサイズとなるように設定される。これにより、溝底の下方の要素が非常に小さくなってしまうのを防ぎ、解析可能なサイズの要素に分割することができる。
なお、図3(B)に示すように、縦線24と平行となるように、すなわちθ1が0°となるように、溝壁28Aのラインの延長線24Aを設定してもよい。これにより、溝底の下方の要素を長方形状や正方形状とすることができ、より精度良く解析することができる。
また、トレッドブロック22の溝底28Bよりも上側の部分については、溝壁28Aに近づくに従って、溝壁28Aのラインとトレッドブロック22の表面との成す角度に近づくように縦線24を設定するようにしてもよい。
また、溝28の深さが深いほど延長線24Aを長く、溝28の深さが浅いほど延長線24Aを短く設定するようにしてもよい。
また、溝壁28Aのラインを延長した線同士がタイヤ内部で交差する場合にのみ、図3(A)、(B)に示すように延長線24Aを設定し、そうでない場合は、溝壁28Aのラインをそのまま延長した線で要素分割するようにしてもよい。
上記のようにして、タイヤモデルの作成が終了すると、ステップ106へ進み、路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ106は、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものであって、路面形状を要素分割して路面をモデル化し、路面の摩擦係数μを選択して入力することで路面状態を入力する。すなわち、路面状態により乾燥状態、濡れた状態、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ108において、境界条件の設定がなされる。境界条件の設定は、タイヤモデルに内圧、荷重、変位、回転速度、トルク等を負荷させることや直進速度または路面速度を負荷させることである。
そして、ステップ110では、ステップ108で設定された境界条件のもとで有限要素法によりタイヤの変形計算を行い、タイヤの歪み等をシミュレーションする。
ステップ112では、ステップ110のタイヤの変形計算に基づくシミュレーション結果、例えばタイヤの形状等をCRT14に表示する。
このように、本実施形態では、溝壁28Aのラインの延長線24Aと縦線24とが成す角度θ1が、溝壁28Aのラインと縦線24とが成す角度θ2よりも小さくなるように、延長線24Aを設定して要素分割してタイヤモデルを作成するため、溝底の下方の要素が非常に小さくなってしまうのを防ぐことができると共に、解析精度を向上させることができる。また、有限要素法による解析方法として陽解法を用いた場合、解析の時間刻みΔtを大きくすることができ、解析時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、タイヤの径方向における断面で見た場合の溝に関して本発明を適用した場合について説明したが、例えばタイヤの周方向における断面で見た場合、すなわち図4のB−B線の断面で見た場合の溝に関しても本発明を適用可能である。すなわち、溝を横断する方向であれば、どのような方向における断面で見た場合の溝についても本発明を適用可能である。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、タイヤサイズがPSR195/65R15で、トレッドパターンが点対称パターンである図4に示すようなタイヤモデルであって、タイヤの径方向における断面が図3(A)、(B)に示すように要素分割された場合と、図5(A)、(B)に示すような従来のように要素分割した場合と、の各々について、シミュレーションした結果について説明する。
なお、図3(A)、(B)、図5(A)のように要素分割した例ではθ2を15°に、図5(B)のように要素分割した例ではθ2を10°に設定し、図3(A)のように要素分割した例ではθ1を7.5°に、図3(B)のように要素分割した例ではθ1を0°に、図5(A)のように要素分割した例ではθ1を15°に、図5(B)のように要素分割した例ではθ1を10°にそれぞれ設定した。
図5(A)の例では、溝壁30のラインをそのまま延長した延長線32によって要素分割しているが、延長線32が溝底の下方で交わり、その部分の要素のサイズが予め定めた最小サイズよりも小さいため要素を生成することができなかった。また、同図(B)の例では、θ2が同図(A)の場合よりも小さいため、延長線32は交わっておらず、その部分の要素のサイズが予め定めた最小サイズ以上となり、要素を生成することができた。
そして、上記のタイヤモデルをリムサイズが6J×15のリムに組付けたモデルを作成し、そのトレッドパターンに内圧200kPa、荷重4kNを与え、速度1km/hにて平坦路面状を転動させたときに発生する溝底部の横方向の歪み(図3、5において左右方向の歪み)をシミュレーションした。
その結果を以下に示す。なお、図5(B)のように要素分割した場合のシミュレーション結果を「従来」、図3(A)のように要素分割した場合のシミュレーション結果を「本発明1」、図3(B)のように要素分割した場合のシミュレーション結果を「本発明2」としている。また、歪みについては同条件における実測値を100とし、計算時間については「従来」のシミュレーション結果を100としている。
Figure 0004943799
上記のシミュレーション結果から明らかなように、従来と比較して歪みが実測値とほぼ一致し、計算時間についても従来と比較して1/2程度に短縮されている。従って、本発明のように要素分割してタイヤモデルを作成することにより、精度良く且つ高速に解析することができることがわかった。
タイヤの性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 タイヤ性能解析プログラムのメインルーチンのフローチャートである。 本発明に係るタイヤモデルの一部断面図である。 タイヤモデルの斜視図である。 従来例に係るタイヤモデルの一部断面図である。 (A)は従来例に係るタイヤモデルの一部平面図、(B)は一部断面図である。 従来例に係るタイヤの1ピッチ分のトレッドパターンの平面図である。 従来例に係るタイヤモデルの一部断面図である。 従来例に係るタイヤモデルの一部断面図である。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
16 マウス

Claims (8)

  1. タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成方法であって、
    コンピュータが、前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割することを特徴とするタイヤモデル作成方法。
  2. 前記コンピュータが、前記第1の線によって要素分割された要素が、予め定めた所定サイズ以上のサイズとなるように前記第1の線を設定することを特徴とする請求項1記載のタイヤモデル作成方法。
  3. 前記所定サイズは、所望の解析精度が得られる最小サイズであることを特徴とする請求項2記載のタイヤモデル作成方法。
  4. 前記コンピュータが、前記第1の線と前記第2の線とが平行となるように前記第1の線を設定し、これと直交する第3の線とにより要素分割することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
  5. 前記コンピュータが、前記トレッドパターンの溝の深さが深いほど前記第1の線を長く、前記溝の深さが浅いほど前記第1の線を短く設定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
  6. 前記コンピュータが、前記トレッドパターンの溝壁のラインを延長した線同士がタイヤ内部で交差する場合にのみ、前記第1の線を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
  7. タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成装置であって、
    前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割する要素分割手段を備えたことを特徴とするタイヤモデル作成装置。
  8. タイヤのトレッドパターンを有限個の複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するタイヤモデル作成方法をコンピュータに実行させるためのタイヤモデル作成プログラムであって、
    前記タイヤの溝を横断する方向における断面で見た場合に、トレッドパターンの溝壁のラインを延長した第1の線と、前記トレッドパターンの表面のラインに直交する第2の線とが成す角度が、前記溝壁のラインと前記第2の線とが成す角度よりも小さくなるように前記第1の線を設定して要素分割するステップを含むことを特徴とするタイヤモデル作成プログラム。
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