JP4942659B2 - 積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置に関し、より詳しくは、例えば自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置、振動防止装置等に搭載される駆動素子、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子などに用いられる積層型圧電素子及び噴射装置に関する。
従来より、複数の圧電体層が内部電極層(金属層)を介して積層された積層体を有する積層型圧電素子を用いたものとしては、圧電アクチュエータが知られている。この圧電アクチュエータは、同時焼成タイプと、1つの圧電磁器からなる圧電体層と板状体の内部電極層を交互に積層したスタックタイプの2種類に分類されている。低電圧化、製造コスト低減、及び薄層化の点で有利であることと、耐久性の点で有利であることなどから、同時焼成タイプの圧電アクチュエータが優位性を示しつつある。
図13Aは、従来の積層型圧電素子を示す斜視図である。この積層型圧電素子は、積層体110と、互いに対向する側面に形成された一対の外部電極104とから構成されている。積層体110は、複数の圧電体層101が内部電極層102を介して積層されたものである。複数の内部電極層102は、積層体110の互いに対向する側面に交互に露出するように積層されている。そして、一対の外部電極104が積層体110の対向する側面にそれぞれ形成され、内部電極層102を一層おきに接続している。一般に、外部電極104は、銀等の導電材とガラスを含む導電性ペーストを積層体110の側面に塗布し、焼き付けを行うことによって形成されている(例えば、特許文献1:特開2000−332312号公報、特許文献2:特開2000−31558号公報、特許文献3:特開2005−174974号公報)。積層体110の積層方向における両端面には不活性層109が積層されている。
図13Bは、上記の積層型圧電素子における圧電体層101と内部電極層102の積層状態を説明するための部分断面図である。図13A、図13Bに示すように、この積層型圧電素子では、複数の内部電極層102は、圧電体層101の主面全体には形成されておらず、圧電体層101の主面の面積よりも内部電極層102の面積が小さい構造、いわゆる部分電極構造となっている。積層方向に隣り合う2つの圧電体層101,101間には、内部電極層102と、該内部電極層102の側端部102aと積層体110の側面110aとの間の周縁部(内部電極非形成部位)111とが存在する。
図14は、上記積層型圧電素子における積層体の側面と外部電極との接合部分をより詳細に示す部分拡大断面図である。図14に示すように、積層体110は、それを構成する圧電体層101(101,101,・・・,101n−1(n≧2))と内部電極層102(102,102,・・・,102n−1,102(n≧2))とが交互に積層されてなる。この積層体110では、例えば圧電体層101の主面上に内部電極層102を形成していない周縁部111(・・・,111,・・・,111m+2,・・・(2≦m≦n−3))が設けられており、この周縁部111が一対の外部電極104に交互に隣接するように配置されている。これにより、内部電極層102が一層おきに積層体110の異なる側面に露出され、積層体110の相対する側面に形成された一対の外部電極104にそれぞれ一層おきに接続されている。
この積層型圧電素子を圧電アクチュエータとして使用する場合には、半田を用いて外部電極104にさらにリード線106が固定され、このリード線106を通じて一対の外部電極104間に所定の電位がかけられる。これにより、積層型圧電素子が駆動する。特に、近年においては、積層型圧電素子は、小型化されるとともに、大きな圧力下において大きな変位量を確保するように要求されている。このため、より高い電界が印加され、長時間連続駆動できることが求められている。
しかしながら、従来の積層型圧電素子では、前述のように内部電極層102が部分電極構造になっているので、外部電極104,104に電圧を印加すると、圧電体層101の上下に位置する2枚の内部電極層102に挟まれた部分、すなわち一方の内部電極層102を他方の内部電極層102に対して積層方向に投影したときに重なり合う領域のみが変位する(変位部)。一方、圧電体層101のうち、図13B,図14に示すように内部電極層102が形成されていない部分(周縁部111に接する部分)では、圧電体層101は変位しない(非変位部)。例えば内部電極層102の周縁部111の積層方向両側の圧電体層101m−1,101は同極の内部電極層102m−1,102m+1で挟まれることになる。したがって、周縁部111に対する積層方向両側の圧電体層101m−1,101には電界が加わらないので、当該部分は変位しない。しかも、周縁部111においては積層方向に隣り合う2つ圧電体層101m−1,101が互いに強固に接合されているので、この周縁部111が積層体全体の変位を拘束することになって素子の変位量が小さくなるという問題がある。周縁部111m+2などの他の周縁部についても上記と同様の問題がある。一方で、この周縁部111は、内部電極層102を一対の外部電極104に交互に接続させるために絶縁性を確保する役割と、内部電極層102を介さずに圧電体層101同士を直接接合して積層型圧電素子の抗折強度を高める役割を果たしている。
特開2000−332312号公報 特開2000−31558号公報 特開2005−174974号公報
上記したように、近年、小型の積層型圧電素子で大きな変位量を確保するという要求が強まっているため、圧電体層および内部電極層の積層数を増やしたり、より高い電界を印加して変位量を確保するという対策がとられている。
ところが、従来の積層型圧電素子の構造では、内部電極層が形成されていない周縁部が存在するので、この部分の圧電体層は外部電極に電圧を印加しても変位せず、かえって変位部の動き(変位)を拘束するように作用する。一方で、周縁部は、絶縁性確保と抗折強度確保のために、ある程度の大きさが必要である。すなわち、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離を小さくすることはできない。しかし、周縁部を大きくすると、拘束力が大きくなって変位性能が低下するという問題がある。逆に周縁部を小さくすると、抗折強度および絶縁性が低下するという問題がある。
したがって、本発明の目的は、抗折強度および絶縁性が高く、優れた変位性能を有する積層型圧電素子及びこれを備えた噴射装置を提供することである。
本発明の積層型圧電素子は、以下の構成からなる。
(1)複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の側面に複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
積層方向に隣り合う2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在してなる前記内部電極層よりも空隙率の高い点在部であり、前記点在部に前記外部電極の一部が入り込んでいることを特徴とする積層型圧電素子。
(2)前記無機化合物からなる領域が金属からなる金属領域であり、前記点在部は前記金属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在してなる前記(1)に記載の積層型圧電素子。
)前記金属領域が銀パラジウム合金からなる前記(2)記載の積層型圧電素子。
)前記無機化合物からなる領域がセラミックスからなるセラミック領域であり、前記点在部は前記セラミック領域が複数点在してなる前記(1)記載の積層型圧電素子。
)前記セラミック領域が、前記積層体の積層方向に隣り合う2つの圧電体層を連結している前記()に記載の積層型圧電素子。
)前記セラミック領域が前記圧電体層と同じ圧電セラミックスからなる前記()又は()に記載の積層型圧電素子。
)複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の側面に複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
積層方向に隣り合う2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、樹脂からなる領域が空隙を介して複数点在してなる前記内部電極層よりも空隙率の高い点在部であり、前記点在部に前記外部電極の一部が入り込んでいることを特徴とする積層型圧電素子。
)前記点在部を有する周縁部は、点在部を有していない周縁部と比較して、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が長い前記(1)〜()のいずれかに記載の積層型圧電素子。
)前記積層体は、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間の距離が異なる2以上の点在部を有する前記(1)〜()のいずれかに記載の積層型圧電素子。
10)前記積層体は複数の前記点在部を有し、積層方向に隣り合う点在部間には少なくとも2層以上の前記圧電体層が配置されている前記(1)〜()のいずれかに記載の積層型圧電素子。
11)前記複数の点在部が前記積層体の積層方向に等間隔に配置されている前記(10)に記載の積層型圧電素子。
12)前記積層体における全ての周縁部には、各周縁部の少なくとも一部に前記点在部がそれぞれ形成されている前記(1)〜()のいずれかに記載の積層型圧電素子。
13)前記外部電極の一部は、前記点在部を構成する複数の前記領域間に入り込んでいる前記(12)に記載の積層型圧電素子。
14)前記周縁部には、前記内部電極層の側端部から前記外部電極の一部まで連通した空隙が形成されている前記(12)又は(13)に記載の積層型圧電素子。
15)前記積層体には、前記外部電極の一部が入り込んでいる前記周縁部が複数存在し、これらの周縁部が前記積層体の積層方向に規則的に配置されている前記(11)〜(14)のいずれかに記載の積層型圧電素子。
16)前記金属領域の主成分が前記外部電極の主成分と同じである前記(12)〜(15)のいずれかに記載の積層型圧電素子。
17)前記積層体の側面には樹脂からなる被覆層が形成されており、前記周縁部の一部に前記被覆層の一部が入り込んでいる前記(1)〜(16)のいずれかに記載の積層型圧電素子。
18)噴出孔を有する容器と、前記(1)〜(17)のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から噴射するように構成されていることを特徴とする噴射装置。
上記(1)に記載の積層型圧電素子によれば、上記周縁部の少なくとも一部が、無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在した点在部であるので、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減することができる。また、上記周縁部では、空隙を介して上記領域を点在させているので、素子の抗折強度及び絶縁性が低下するのを抑制できる。これにより、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる。その結果、従来と比較して積層数を減らしても高い変位量を維持することができるので、積層型圧電素子を小型化することができる。また、従来と比較して印加電圧を小さくしても高い変位量を維持することができる。さらに、印加電圧を低下させることで、電極間で短絡(ショート)が生じるのをより確実に防止することができる。
なお、本発明において、「無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在している」とは、積層方向に隣り合う2つの圧電体層間において、複数の上記領域が空隙を介して互いに孤立した状態で配置されていることを意味する。
また、上記(1)に記載の積層型圧電素子は、積層体の側面には複数の内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極が形成されており、周縁部の一部(点在部)に前記外部電極の一部が入り込んでいる。これにより、積層体の側面から積層体中に杭を打ち込んだような構造となるので、外部電極と積層体との接合強度を著しく向上させることができる。その結果、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても、外部電極が積層体の側面から剥離するのを防ぐことができるので、外部電極と内部電極層との接続を良好に保ち、変位特性が低下するという問題が生じるのを防止することができる。さらに、外部電極と金属領域とが連続的に接合しているときには、金属領域の緩和効果を利用して外部電極に起因する素子の応力をも緩和することができる。
上記(2)に記載の積層型圧電素子では、無機化合物からなる領域が金属からなる金属領域であり、点在部は金属領域が内部電極層と絶縁された状態で複数点在してなる。このように、点在部が、圧電体層を構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい金属領域が複数点在してなるので、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力をより低減することができる。また、空隙を介して金属領域が点在することで、金属領域と圧電体層との接触面積を減少させることができるので、金属領域が圧電体層をクランプする力を低減することができる。また、積層型圧電素子が変位する際には圧縮応力や引張応力が複雑に分布することになるが、本発明における点在部は複数の金属領域が点在してなるので、一つの点在部内に存在する個々の金属領域が種々の方向から作用する圧縮応力や引張応力をそれぞれ同時に緩和することができる。また、複数の金属領域が内部電極層と絶縁された状態で複数点在しているので、周縁部の絶縁性が低下するのを防止することができる。
上記()に記載のように、金属領域が銀パラジウム合金からなるときには、銀パラジウム合金が全率固溶する合金であるので、任意の組成比率の合金を使用できる。これにより、種々の焼成温度を選択できるので、積層型圧電素子を焼成する時に、同時に緩和層を焼結させることができる。また、銀パラジウム合金は溶融時の表面張力が高いので、銀パラジウム合金で形成された金属領域には、鋭利な端部が形成されにくい。これにより、接合界面は円弧状のメニスカスが形成されるので、金属層自体に応力集中箇所が生じることなく応力緩和効果を高めることができる。さらに、内部電極層も銀パラジウムとすることで、焼結時の内部電極層と圧電体層との熱膨張差を圧電体層のほぼ全面で均一化することができるので、熱膨張差に起因する応力が生じるを抑制することができる。
また、上記()に記載の積層型圧電素子では、無機化合物からなる領域がセラミックスからなるセラミック領域であり、点在部はセラミック領域が複数点在してなる。このように、点在部が、セラミック領域が複数点在してなるので、応力が加わった場合には、セラミック領域に直接接する圧電体層に、応力を点在して分散させることができる。
さらに、応力集中箇所のセラミック領域に直接接する圧電体層は、応力に応じて結晶構造が変化してその応力を吸収することができる。また、セラミック領域に接する圧電体層の結晶構造が変化する際には、セラミック領域に接していない圧電体層(空隙に接する圧電体層)の結晶構造も変化するので、応力が局所的に集中せず、点在部全体に分散する。すなわち、セラミック領域自体が直接応力緩和するのではなく、セラミック領域に接する圧電体層の結晶構造変化を利用して、間接的に応力緩和することができる。さらに、空隙を介してセラミック領域とともに金属領域とが備わっているときには、上記した効果との相乗効果によりさらに応力緩和効果を高めることができる。すなわち、早い衝撃に対しては圧電体が応力緩和効果を発揮し、強度の大きい衝撃に対しては金属領域が応力緩和効果を発揮するので、点在部が金属領域と圧電体からなるセラミック領域とを含むときに最も応力緩和効果が高くなる。
さらに、上記()に記載のようにセラミック領域が、積層体の積層方向に隣り合う2つの圧電体層を連結しているときには、これらの圧電体層同士の接合強度が過度に低下するのを防止して素子の抗折強度を高めることができるとともに、セラミック領域に加わった応力を、セラミック領域に接するふたつの圧電体層に分散して応力緩和することができる。
また、上記()に記載のように、セラミック領域が圧電体層と同じ圧電セラミックスからなるときには、セラミック領域に応力が作用した際に、セラミック領域自体が応力に応じて結晶構造が変化しその応力を吸収することができる。また、空隙を介してセラミック領域が点在することで、応力集中箇所のセラミック領域同士が離隔することになる。したがって、応力に応じてセラミック領域の結晶構造が変化する際に、その近傍に位置するセラミック領域の結晶構造にはほとんど影響を与えることなく、それぞれのセラミック領域が応力緩和効果を発揮する。さらに、セラミック領域に接している圧電体層もそのときの応力により結晶構造が変化するので、結晶構造変化による応力をセラミック領域のみに集中させることなく点在部及びその周辺において吸収することができる。また、応力緩和の原動力は結晶構造内のイオンの変位による構造相転移であるので、圧電セラミックスからなるセラミック領域の場合は金属領域と比較して高速度の変形が可能である。これにより、高速衝撃による応力に対しても、その速度に追随できる、感応速度の速い応力緩和層とすることができる。
また、上記()に記載のように、点在部は樹脂からなる領域が空隙を介して複数点在してなるものであってもよい。このように点在部が、圧電体層を構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい樹脂領域が複数点在したものであるので、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力をより低減することができる。
上記()に記載の積層型圧電素子では、点在部を有する周縁部は、点在部を有していない周縁部と比較して、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が長い。このような形態にすることで、変位部と非変位部との境に生じる応力集中箇所に跨るように緩和層を設けることができるので、点在部の数が少なくても、変位部の変位を拘束する拘束力の低減効果を高くすることができる。
上記()に記載の積層型圧電素子では、積層体は、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が異なる2以上の点在部を有している。変位部と非変位部との境には最も応力が集中する。仮に、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が均一になればなるほど素子の応力は集中しやすくなる。したがって、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離は均一にせず、異なる2以上の距離を有する点在部を複数形成するのがよい。また、積層体の積層方向において特に応力がかかりやすい部位に、上記距離が長い点在部を配置して拘束力の低減効果をより高めたり、特に高い抗折強度が必要な部位に、上記距離が短い点在部を配置して強度をより高めることができる。
上記(10)に記載のように、積層体が複数の点在部を有し、積層方向に隣り合う点在部間には少なくとも2層以上の圧電体層が配置されているときには、素子の抗折強度を高く維持することができる。さらに、上記(11)に記載のように、複数の点在部が積層体の積層方向に等間隔に配置されているときには、素子の積層方向全体にわたり、非変位部の拘束力をほぼ均一に低減させることができる。また、この場合には、特定の積層箇所に応力が集中することなく応力を分散させることができる。
また、本発明では、素子の変位量をより高めたい場合には、上記(12)に記載のように、積層体における全ての周縁部に、各周縁部の少なくとも一部に点在部をそれぞれ形成するとよい。これにより、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を、積層体全体にわたって著しく低減させることができるので、より大きな変位量を得ることができる。
また、上記(13)に記載のように、外部電極の一部は、点在部を構成する複数の領域間に入り込んでいるのがよい。これにより、外部電極と積層体との接合強度をさらに高めることができる。また、上記領域が金属領域である場合には、金属領域間に外部電極の一部が入り込むことで、金属領域を構成する金属と外部電極を構成する金属との接合力により、外部電極の接合強度がさらに高められる。
上記(14)に記載のように、周縁部に、内部電極層の側端部から外部電極の一部まで連通した空隙が形成されているときには、当該周縁部の積層方向に隣り合う2つの圧電体層を拘束する拘束力を効果的に弱めることができるので、素子の変位量をさらに大きくすることができる。
上記(15)に記載のように、外部電極の一部が入り込んでいる周縁部が複数存在し、これらの周縁部が積層体の積層方向に規則的に配置されているときには、外部電極が積層体の積層方向の全域にわたってほぼ均一にかつ強固に接合される。
上記(16)に記載のように、金属領域の主成分が外部電極の主成分と同じであるときには、外部電極形成時に、金属領域と外部電極との相互拡散が可能になるので、積層体に対する外部電極の密着強度が高くなり、外部電極のアンカー効果を向上させることになる。その結果、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても、外部電極が積層体の側面から剥離するのを防ぐことができるので、外部電極と内部電極層との接続を良好に保ち、変位特性が低下するという問題が生じるのを防止することができる。さらに、外部電極と金属領域の熱膨張係数を同等にできるので、積層型圧電素子の使用環境温度が変動しても、外部電極と圧電体との熱膨張係数との差に起因する応力と、金属領域と圧電体との熱膨張係数との差に起因する応力とを近づけることができる。これにより、外部電極と金属領域との間で内部応力の差が小さくなるので、金属領域の緩和効果を利用して外部電極に起因する素子の応力をも緩和することができる。
上記(17)に記載の積層型圧電素子は、積層体の側面に樹脂からなる被覆層が形成されており、周縁部の一部に被覆層の一部が入り込んでいる。これにより、積層体の側面から積層体中に杭(被覆層の一部からなる被覆層)を打ち込んだような構造となるので、被覆層と積層体との接合強度を著しく向上させることができる。その結果、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても、被覆層が積層体の側面から剥離するのを防ぐことができるので、外部電極や内部電極層に求められる、素子外部との絶縁特性を良好に保ち、変位特性が低下するという問題が生じるのを防止することができる。さらに、被覆層と金属領域とが連続的に接合しているので、金属領域の緩和効果を利用して、被覆層に起因する素子の応力をも緩和することができる。熱膨張差に起因する応力が生じても、金属領域の緩和効果を用いて、外部電極に起因する素子の応力をも緩和することができる。
上記(18)に記載の本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から噴射するように構成されているので、液体吐出性能に優れ、耐久性に優れている。
本発明の第1の実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図である。 図1Aの積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層状態を説明するための部分斜視図である。 第1の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第2の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第3の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第4の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第5の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第6の実施形態の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。 第7の実施形態の積層型圧電素子を示す断面図である。 第7の実施形態の積層型圧電素子における外部電極と積層体の側面との接合部分を示す部分拡大断面図である。 第7の実施形態の積層型圧電素子における周縁部の一例を示す部分拡大断面図である。 第7の実施形態の積層型圧電素子を積層方向に垂直で、かつ、内部電極層及び周縁部を含む平面で切ったときの断面図である。 本発明の一実施形態にかかる噴霧装置を示す断面図である。 従来の積層型圧電素子を示す斜視図である。 図13Aの積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層状態を説明するための部分斜視図である。 従来の積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。
1,1a,1b 圧電体層、2 内部電極層、2a 内部電極層の側端部、3 金属領域、4 積層体、4a 積層体4の側面、5 外部電極、6 リード線、31 周縁部、51 絶縁性セラミックス、61 点在部。
<積層型圧電素子>
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態にかかる積層型圧電素子について図面を参照し詳細に説明する。図1Aは、本実施形態にかかる積層型圧電素子を示す斜視図であり、図1Bは、この積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層(金属層)との積層状態を説明するための部分断面図である。図2は、第1の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層と内部電極層との積層構造を示す部分拡大断面図である。
図1A、図1Bに示すように、この積層型圧電素子は、複数の圧電体層1が内部電極層2を介して積層された積層体4を有している。積層体4の側面には、複数の内部電極層2が一層おきに接続された一対の外部電極5が形成されている。複数の内部電極層2は、圧電体層1の主面全体には形成されておらず、圧電体層1の主面の面積よりも内部電極層2の面積が小さい構造、いわゆる部分電極構造となっている。これらの内部電極層2は、積層体4の互いに対向する側面に交互に露出するように積層されている。
この積層型圧電素子では、上記したように内部電極層2が部分電極構造となっているため、外部電極5,5に電圧を印加すると、圧電体層1の上下に位置する2枚の内部電極層2に挟まれた部分、すなわち一方の内部電極層2が他方の内部電極層2に対して積層方向に重なり合う領域(変位部70)のみが変位する。一方、圧電体層1のうち、図1Bに示すように内部電極層2が形成されていない部分(周縁部31)では、圧電体層1は変位しない(非変位部71)。
本発明の積層型圧電素子を圧電アクチュエータとして使用する場合には、半田により外部電極5にリード線6を接続固定し、リード線6を外部電圧供給部に接続すればよい。この外部電圧供給部からリード線6を通じて外部電極5,5に所定の電圧を印加することで、各圧電体層1を逆圧電効果により変位させることができる。
図1B及び図2に示すように、この積層型圧電素子は、積層方向に隣り合う2つの圧電体層1,1間に位置し、かつ、内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間に位置する周縁部31を備えている。本実施形態の積層型圧電素子では、複数の周縁部31のうち、圧電体層1aと圧電体層1bとの間の周縁部31には、金属からなる金属領域3が複数点在した点在部61が形成されている。図1Bに示すように、この点在部61は、周縁部31のほぼ全体に形成されている(複数の金属領域3が周縁部31のほぼ全体に分布している)。金属領域3に代えて、圧電性セラミックスよりも変形しやすい他の物質からなる領域を点在させてもよい。ここでいう「変形」とは、弾性変形、塑性変形、脆性変形などのいずれの形態の変形であってもよい。圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質としては、気体、液体、固体、ゲル状物質などのいずれの形態であってもよい。
上記したように本実施形態における領域3は金属からなる金属領域3である。これらの金属領域3,3,・・・は、周縁部31に内部電極層2と絶縁された状態で点在している。ここで、「内部電極層2と絶縁された状態で点在している」とは、複数の金属領域3が内部電極層2と電気的に導通していない状態にあり、かつ、金属領域3同士が互いに離隔して電気的に導通していない状態のことをいう。
積層体4にある複数の周縁部31のうち、点在部61を積層体4のどの位置に配置するかは特に限定されない。例えば、全ての周縁部31(全ての内部電極層2に隣接する周縁部31)に点在部61を形成してもよく、任意に選定した周縁部31に点在部61形成してもよい。この第1の実施形態では、図2に示すように、点在部61が形成されている周縁部31が複数存在し、これらの点在部61が、積層体4の積層方向に、2層以上の圧電体層1を隔ててそれぞれ配置されている。
金属領域3を構成する材料としては、例えば内部電極層2と同様のものが使用でき、好ましくは銀パラジウム合金であるのがよい。銀パラジウム合金は、金属の中でも柔らかく変形しやすいので、少量でも非変位部の拘束力を低減させる効果が高い。また、銀パラジウム合金は、金属疲労しにくく、耐酸化性も高いので、積層型圧電素子の耐久性が低下するのを抑制することができる。金属領域3の形状、大きさ、周縁部31に存在する個数などについては特に限定されるものではなく、少なくとも上記のように点在した状態にあればよい。
具体的には、点在部61が形成された周縁部31を積層体4の積層方向から見たときに、周縁部31の面積に対して複数の金属領域3の合計面積が占める割合は、好ましくは0.1〜50%、より好ましくは5〜30%であるのがよい。金属領域3の占める割合が0.1%未満になると、変位部の変位を拘束する拘束力を低減する効果が十分に得られないおそれがある。一方、金属領域3の占める割合が50%を超えると、抗折強度および絶縁性が過度に低下するおそれがある。また、金属領域3を積層体4の積層方向から見たときの領域3の最大径rは、特に限定されるものではないが、過度に大きくなると抗折強度および絶縁性が低下するおそれがある。したがって、領域3の最大径rは、周縁部31における内部電極層2と外部電極5の最短距離Lの1/2以下、好ましくは1/10以下であるのがよい。具体例を挙げると、例えば最短距離Lが約1mm程度の場合、領域3の最大径rは、500μm以下、好ましくは100μm以下であるのがよい。
また、本実施形態では、点在部61が形成された周縁部31において、隣り合う金属領域3間の一部または全部には絶縁性セラミック領域が存在し、該絶縁性セラミック領域が、隣り合う圧電体層1a,1b間を連結している。隣り合う金属領域3間に存在し圧電体層1同士を連結するセラミックスとしては、特に限定されるものではないが、好ましくは圧電体層1と同じ材料であるのがよい。圧電体層1の材料としてチタン酸ジルコン酸鉛を使用する場合には、周縁部31において圧電体層1同士を連結する絶縁性セラミックスとしてチタン酸ジルコン酸鉛を使用するのが好ましい。これにより、熱膨張差に起因する不具合の発生を防止できることに加え、圧電体層1同士を結合する高い接合強度を得ることができる。
また、点在部61が形成された周縁部31は、積層体4の積層方向に等間隔に配置されるのがより好ましい。すなわち、複数の内部電極層2のうち、2層以上の圧電体層1を隔てて等間隔に選ばれた複数の内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の複数の周縁部31に、複数の金属領域3が点在しているのがよい。このように等間隔に選ばれた複数の周縁部31に金属領域3を点在させているので、変位性能と抗折強度をよりバランスよく設定することができる。
圧電体層1の材料としては、種々の圧電性セラミックスを用いることができ、特に限定されるものではなく、例えばBi層状化合物(層状ペロブスカイト型化合物)、タングステンブロンズ型化合物、Nb系ペロブスカイト型化合物(Nb酸ナトリウムなどのNb酸アルカリ化合物(NAC)、Nb酸バリウムなどのNb酸アルカリ土類化合物(NAEC))、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛等のペロブスカイト型化合物などを例示できる。これらのうち、特に、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのがよい。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。これらの中でもチタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸鉛が、大きな変位を付加する上で好適である。圧電セラミックスは、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いものが望ましい。
内部電極層2の材料としては、導電性を有するものならばいずれでもよく、金、銀、パラジウム、白金、銅、アルミニウムやこれらの合金などを用いることができる。合金の具体的としては、例えば銀パラジウム合金などが挙げられる。内部電極層2の厚みは、導電性を有しかつ変位を妨げない程度である必要があり、一般に、0.5〜7μm程度、好ましくは1〜5μm程度であるのがよい。また、圧電体層1の厚み、つまり内部電極層2間の距離は50〜200μm程度であるのが望ましい。圧電体層1の厚みが厚すぎるとアクチュエータの小型化、低背化ができなくなり、一方、圧電体1の厚みが薄すぎると絶縁破壊しやすくなるからである。外部電極5の材料としては、導電性を有するものならばいずれでもよく、金、銀、パラジウム、白金、銅、アルミニウム、ニッケルやこれらの合金などを用いることができる。
次に、本実施形態にかかる積層型圧電素子の製造方法について説明する。まず、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)等のペロブスカイト型酸化物からなる圧電性セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法によりセラミックグリーンシートに成形する。
次に、銀−パラジウム等の内部電極層2を構成する金属粉末に、バインダー、可塑剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これを前記セラミックグリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって例えば1〜40μm程度の厚みに印刷する。このとき、内部電極層非形成部(周縁部31)にはスクリーン印刷によって金属領域3を点在させるように形成する。金属領域3を点在させるには、スプレーや蒸着などの方法を用いたり、膜状に形成した金属層をエッチングやサンドブラスト等で部分的に除去する等の他の方法を用いてもよい。
次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数積層し、この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理を行った後、900〜1200℃で焼成することによって積層体4を得ることができる。
次に、銀粉末にガラス粉末とバインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、この導電性ペーストを積層体4の対向する側面4a、4aにスクリーン印刷等の方法で印刷し乾燥した後、500〜800℃で焼付けることにより外部電極5を形成することができる。この際、印刷のかわりに、上記銀ガラスペーストを乾燥させた5μm以下のシートを焼付けてもよい。
次に、外部電極5を形成した積層体4をシリコーンゴム溶液に浸漬し、このシリコーンゴム溶液を真空脱気した後、シリコーンゴム溶液から積層体4を引き上げ、積層体4の側面にシリコーンゴムをコーティングする。その後、積層体4の側面にコーティングしたシリコーンゴムを硬化させることにより本発明の積層型圧電素子が完成する。
最後に、外部電極5にリード線を接続し、該リード線を介して一対の外部電極5に3kV/mmの直流電圧を印加して積層体4を分極処理することによって、本発明の積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータが完成する。リード線は、外部の電圧供給部に接続され、リード線及び外部電極5を介して金属層2に電圧を印加することで、各圧電体層1は逆圧電効果によって大きく変位する。これにより、例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層1と内部電極層2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図3に示すように、この実施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部61において、隣り合う領域3,3間に空隙21が形成されている。すなわち、点在部61は、圧電体層1を構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい金属領域3と空隙21とを含んでいる。点在部61には、複数の金属領域3が内部電極層2と絶縁された状態で点在しているとともに、複数の空隙21が点在している。隣り合う金属領域3,3間には空隙21が介在している。空隙21が隣り合う金属領域3間に存在することで、隣接する金属同士が導通することなく絶縁性が確実に確保される。また、空隙21が隣り合う金属領域3間に存在することで、金属領域3の変形がより生じやすい空間を存在させることができるので非変位部の拘束力をより低減させることができる。
図3の実施形態では、点在部61において、隣り合う金属領域3,3間に絶縁性セラミック領域が存在し、該絶縁性セラミック領域が、隣り合う圧電体層1同士を連結している。複数の空隙21は、絶縁性セラミック領域中に分散している。本実施形態では、絶縁性セラミック領域中に空隙21が形成されている場合を示しているが、隣り合う領域3間には、絶縁性セラミック領域のみが存在してもよく、また、空隙21のみが存在してもよく、さらに絶縁性セラミック領域と空隙21の両方が存在してもよい。
点在部61が形成された周縁部31において、金属領域3間に空隙21を存在させるには、以下のようにすればよい。すなわち、空隙のみを存在させるには、上記内部電極層の導電性ペースト中に、脱脂時に分解される樹脂、例えばアクリルビーズやパラフィン等の樹脂を混合し、これを塗布することにより実現できる。また、空隙を形成した部位にバインダーを印刷することによっても可能である。また、周縁部31において、金属領域3,3間に空隙21と絶縁性セラミック領域の両方を存在させるには、上記導電ペーストに絶縁性セラミックスの共材を混合させることによって実現することができる。他の部位については、図1,2と同じ符号を付して説明を省略する。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層1と内部電極層2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図4に示すように、この実施形態にかかる積層型圧電素子では、全ての内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の複数の周縁部31(周縁部31の全て)に、点在部61が形成されている。図4では、積層体4の一つの側面近傍を拡大したものであり、これに対向する側面は描かれていないが、この対向する側面近傍における全ての周縁部31にも点在部61が形成されている。これにより、変位部の変位を拘束する拘束力を著しく低下させることができるので、積層型圧電素子の変位性能を著しく向上させることができる。また、本実施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部61において、隣り合う金属領域3間の一部または全部に絶縁性セラミックス51が存在し、該セラミックス51が隣り合う圧電体層1同士を連結している。他の部位については、図1〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層1と内部電極層2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図5に示すように、この実施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部61が形成された周縁部31が積層体4の積層方向に複数配置されている。これらの点在部61には、金属領域3と空隙41がそれぞれ複数点在している。本実施形態における点在部61は、主として金属領域3と空隙41からなる。図3に示す実施形態の場合と比較して、点在部61に存在する絶縁性セラミック領域が少ないので、素子の変位量がより大きくなる。また、本実施形態では、点在部61は内部電極層2よりも空隙が多い。空隙の多さの比較は空隙率を測定すればよい。空隙率は後述するのと同じ方法で測定することができる。他の部位については、図1〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層1と内部電極層2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図6に示すように、この実施形態にかかる積層型圧電素子では、点在部61が形成された周縁部31は、点在部が形成されていない周縁部32よりも大きい。ここで、本実施形態において、「点在部61が形成された周縁部31は、点在部が形成されていない周縁部32よりも大きい」とは、内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の距離が長いことを意味している。また、周縁部31または周縁部32を積層体4の積層方向から見たときの面積で比較してもよい。この場合、周縁部31の面積が周縁部32の面積よりも大きい。このように、金属領域3の点在する周縁部31が金属領域の点在しない周縁部32よりも大きい構造にすることで、金属領域3の点在する周縁部31の数が少なくても、変位部の変位を拘束する拘束力の低減効果を高めることができる。他の部位については、図1〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態にかかる積層型圧電素子における圧電体層1と内部電極層2との積層構造を示す部分拡大断面図である。図7に示すように、この実施形態にかかる積層型圧電素子では、内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の距離が異なる周縁部31,31’が積層体4の積層方向に複数配置されている。これらの周縁部31,31’に、金属領域3が内部電極層2と絶縁された状態で複数点在した点在部61,61′がそれぞれ形成されている。このような構造にすることで、拘束力をさらに低減することができる。他の部位については、図1〜3と同じ符号を付して説明を省略する。
(第7の実施形態)
図8は、第7の実施形態にかかる積層型圧電素子の断面図である。図9は、本実施形態における外部電極と積層体の側面との接合部分の拡大断面図である。図8,9に示すように、本実施形態にかかる積層型圧電素子は、複数の圧電体層1(1,1,・・・,1n−1(n≧2))と複数の内部電極層2(2,2,・・・,2n−1,2(n≧2))とが交互に積層された積層体4を有し、該積層体4の対向する側面に内部電極層2の端部を一層おきに電気的に接続する一対の外部電極5が接合されている。各外部電極5には、ハンダ等によりリード線6が接続固定されている。このリード線6は、外部の電圧供給部(図示せず)に接続する。
リード線6を通じて各圧電体層1に所定の電圧が印加されると、圧電体層1に逆圧電効果による変位が生じる。一方、積層体4の積層方向の両端部には、複数の圧電体層からなる不活性層9がそれぞれ配置されている。これらの不活性層9は一方の主面側にのみ内部電極層2が配置され、他方の主面側には内部電極層が配置されていないので、電圧を印加しても変位が生じない。
図8,9に示すように、複数の圧電体層1,1,・・・,1n−1から選ばれた、積層方向に隣り合う2つの圧電体層1k−1,1(2≦k<n−1)間には、内部電極層2と、この内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の周縁部31と、が設けられている。
内部電極層2は、主として金属と空隙とからなり、隣接する圧電体層1k−1,1の変位に寄与する領域である。積層体4に存在する複数の周縁部31のうち、内部電極層2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間に位置する周縁部31には、圧電体層1を構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質からなる領域が複数点在した点在部61が形成されている。一方、内部電極層2k+2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間に位置する周縁部31には、点在部が形成されておらず、積層方向の両側に隣接する圧電体層1k+1,1k+2と同じ圧電性セラミックスが充填されている。
図10は、本実施形態における周縁部の一例を示す部分拡大断面図である。図10に示すように、点在部61は、金属領域3と空隙41とを含む。すなわち、この実施形態の場合、上記した「変形しやすい物質からなる領域」が金属からなる金属領域3と空隙41であり、金属領域3が空隙41を介して内部電極層3と絶縁された状態で点在部61に複数点在している。この点在部61は、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減することができる。また、点在部61には上記領域を点在させているので、素子の抗折強度及び絶縁性が低下するのを抑制できる。これにより、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる。また、点在部61は、変位時の応力緩和にも寄与している。
また、図10に示すように、点在部61が形成された周縁部31は、内部電極層2よりも空隙が多く、この周縁部31の一部に外部電極5の一部5aが入り込んでいる。このように外部電極5の一部5aを点在部61に侵入させておくことにより、積層体4の側面4aから積層体4中に杭を打ち込んだような構造となって、いわゆるアンカー効果により外部電極5と積層体4との接合強度が大幅に向上する。これにより、積層型圧電素子を高電界、高圧力下で長時間駆動させた場合であっても、外部電極5が積層体4の側面4aから剥離するのを防ぐことができる。
従来の積層型圧電素子では、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合、積層体の伸縮により、積層体の側面と外部電極との接合部で応力が生じ、外部電極の一部が積層体の側面から剥離し、一部の圧電体に電圧が供給されなくなって駆動時に変位特性が変化するという問題があった。一方、第7の実施形態にかかる積層型圧電素子は、高電界、高圧力下で長期間連続駆動させた場合であっても外部電極が積層体の側面から剥離するのを抑制することができる耐久性に優れたものである。
点在部61と内部電極層2との間で空隙の多さを比較する際には、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、金属顕微鏡、光学顕微鏡などを用いて内部電極層2の断面及び点在部61の断面(積層方向に平行な断面又は積層方向に垂直な断面)を観察して断面画像を得、この断面画像を評価すればよい。この断面画像において、内部電極層2と点在部61の空隙の多さに明らかな差が認められる場合には、目視で比較すればよい。また、内部電極層2と点在部61の空隙の多さを目視で判別することができない場合には、後述する方法により空隙率をそれぞれ測定して比較すればよい。
本実施形態の積層型圧電素子では、点在部61は内部電極層2よりも空隙率が高く設定されている。点在部61の空隙率とは、積層体4の断面(積層方向に垂直又は水平な断面)において、点在部61の総断面積に対して点在部61の断面内に存在する空隙の面積が占める割合(%)を意味する。内部電極層2の空隙率とは、積層体4の断面において、内部電極層2の総断面積に対して内部電極層2の断面内に存在する空隙の面積が占める割合(%)を意味する。また、空隙率を測定する方法は大きく分けて次の2つある。第1の方法は、積層体4を積層方向に平行な面で切ったときの断面を観察する方法であり、第2の方法は、積層体4を積層方向に垂直な面で切ったときの断面を観察する方法である。
点在部61の空隙率及び内部電極層2の空隙率を第1の方法で測定するには、例えば以下のようにして行えばよい。まず、積層方向に平行な断面が露出するように、積層体4を公知の研磨手段を用いて研磨処理する。具体的には、例えば研磨装置としてケメット・ジャパン(株)社製卓上研磨機KEMET−V−300を用いてダイヤモンドペーストで研磨することができる。この研磨処理により露出した断面を、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡、金属顕微鏡、光学顕微鏡などにより観察して断面画像を得、この断面画像を画像処理することによって点在部61の空隙率及び内部電極層2の空隙率を測定することができる。具体例を挙げると、光学顕微鏡にて撮影した点在部61若しくは内部電極層2の画像に対して、空隙部分を黒色に塗りつぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色部分の比率、即ち、(黒色部分の面積)/(黒色部分の面積+白色部分の面積)を求め、百分率で表すことにより空隙率を算出することができる。例えば、断面画像がカラーである場合は、グレースケールに変換して黒色部分と白色部分に分けるとよい。このとき、黒色部分と白色部分に2階調化するための境界の敷居値を設定する必要がある場合には、画像処理ソフトウェアや目視により境界の敷居値を設定して2値化すればよい。
また、点在部61の空隙率及び内部電極層2の空隙率を第2の方法で測定するには、例えば以下のようにして行えばよい。まず、空隙率を測定したい内部電極層2の断面又は点在部61の断面(積層方向に垂直な断面)が露出するまで、公知の研磨装置を用いて積層体4の積層方向に研磨する。具体的には、例えば研磨装置としてケメット・ジャパン(株)社製卓上研磨機KEMET−V−300を用いてダイヤモンドペーストで研磨することができる。この研磨処理により露出した断面を、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、光学顕微鏡、金属顕微鏡、光学顕微鏡などにより観察して断面画像を得、この断面画像を画像処理することによって点在部61の空隙率及び内部電極層2の空隙率を測定することができる。具体的には、光学顕微鏡にて撮影した点在部61若しくは内部電極層2の画像に対して、空隙部分を黒色に塗りつぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色部分の比率、即ち、(黒色部分の面積)/(黒色部分の面積+白色部分の面積)を求め、百分率で表すことにより空隙率を算出することができる。例えば、断面画像がカラーである場合は、グレースケールに変換して黒色部分と白色部分に分けるとよい。このとき、黒色部分と白色部分に2階調化するための境界の敷居値を設定する必要がある場合には、画像処理ソフトウェアや目視により境界の敷居値を設定して2値化すればよい。なお、内部電極層2又は点在部61の断面を観察する際には、これらの厚みの約1/2の位置まで研磨し、これにより露出した断面を観察するのが好ましい。ただし、内部電極層2の厚み又は点在部61の厚みが薄く、かつ、厚みのばらつきが比較的大きな場合には、研磨処理により内部電極層2の断面全体又は点在部61の断面全体を露出させることができないことがある。このような場合には、内部電極層2又は点在部61の一部が露出するまで研磨処理した時点で、その露出部分を観察して断面画像を得た後、さらに研磨を進めて、既に観察した部分を除く他の部分を観察するという操作を複数回繰り返してもよい。このようにして複数回の操作で得た観察画像を足し合わせて内部電極層2又は点在部61の断面全体が観察できればよい。
点在部61は、該点在部61を介して配置されている内部電極層2と外部電極5の一部5aとを絶縁している。これにより、複数の内部電極層2を交互に外部電極5に接続できる。内部電極層2と外部電極5とを絶縁するには種々の方法が採用できるが、本実施形態における点在部61には、内部電極層2と絶縁された状態にある金属領域3が複数点在している。このように内部電極層2の非形成部位である点在部61は、積層方向に隣り合う2つの圧電体層1k−1,1を複数の無機物(本実施形態では金属領域3)により部分的に接合しているので、内部電極層2と外部電極5とを絶縁できる。また、従来の周縁部のように、積層方向に隣り合う2つの圧電体層同士が全面で強固に接合されている場合と比較して、変位部の圧電体を拘束する拘束力を低減することができるので、変位量が大きな素子を得ることができる。
また、点在部61は複数の金属領域3が空隙41を介して点在した構造を有しているので、次の理由から、点在部61に外部電極5の一部5aを入り込ませることができる。すなわち、後述する製法の説明に記載しているように、外部電極5となる導電ペーストを積層体4の側面に塗布して焼き付けする際に、導電ペーストが該導電ペーストの軟化温度以上になると点在部61を構成する点在した複数の金属領域3間に毛管現象によって侵入しやすくなる。その結果、外部電極5を点在部61の一部に効果的に侵入させることができる。これにより、外部電極5を積層体4の側面4aに強固に接合させることができ、高電界、高発生力下で高速で長時間駆動させた場合でも優れた耐久性を発揮する。
外部電極5の一部5aが積層体4の側面4aから点在部61内に入り込む深さDは、1μm以上、好ましくは5μm以上であるのがよい。深さDが1μmより浅い場合には、十分なアンカー効果が得られず、外部電極5と積層体4側面との十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、深さDの上限は、外部電極5の一部5aが内部電極層2と電気的に絶縁されていれば特に限定されるものではない。
また、点在部61を構成する金属領域3の大きさ(積層方向と垂直な方向の幅)は1〜100μm程度であるのが好ましい。金属領域3の大きさが1μmより小さい場合には、点在部61の厚みが薄くなりすぎてしまい、外部電極5の一部5aが点在部61内に侵入しにくくなる傾向がある。一方、金属領域3の大きさが100μmよりも大きい場合には、積層体4の伸縮によって生じる応力を点在部61内で分散して吸収する効果が低下し、応力が特定の金属領域3に集中しやすくなるおそれがある。したがって、点在部61に点在している金属領域3の大きさを1〜100μmとすることにより、外部電極5の一部5aを点在部61の一部に有効的に入り込ませ、且つ、積層体4の伸縮によって生じる応力を点在部61が効果的に分散吸収することができる。さらに好ましくは、金属領域3の大きさは3〜50μmであるのが望ましい。また、各金属領域3の形状は、円柱形、略球形等、特に限定されない。
また、本実施形態における点在部61には、点在部61を構成する複数の金属領域3が空隙41を介して点在している。このように点在部61を構成する金属領域3が空隙3bを介して点在していることで、点在部61の空隙率を内部電極層2の空隙率よりも高くすることが容易にできる。このように点在部61の空隙率を内部電極層2よりも高くしておくことにより、後述するように、外部電極5を形成する工程において、外部電極5の一部5aを空隙の多い点在部61内に深く入り込ませることができるので、外部電極5と積層体4との接合強度をより効果的に向上させることができる。
点在部61の空隙率は、外部電極5を形成する工程において外部電極5の一部5aを効果的に空隙41の一部に入り込ませるために、好ましくは45〜99.9%、より好ましくは80〜99.9%であるのがよい。また、空隙率を上記範囲に設定することで、外部電極5の一部5aが点在部61内に深く入り込むことによるアンカー効果が得られるとともに、変位時に積層体4の変位を拘束する拘束力を弱める効果が得られる。空隙率が45%より小さい場合には、外部電極5の一部5aが点在部61に入り込みにくくなるおそれがある。一方、空隙率が99.9%よりも大きい場合には、点在部61内の金属領域3の存在量が少なくなり、焼成時に圧電体層1,1間の点在部61で剥離しやすくなるおそれがある。
さらに、図10に示すように、外部電極5の一部5aは、点在部61に点在する複数の金属領域3間に入り込んでいることが望ましい。このように外部電極5の一部5aを、点在部61内の金属領域3間に入り込ませておくことにより、積層体4の側面4aに対する外部電極5のアンカー効果が増し、接合強度を大幅に向上させることができる。
図11は、本実施形態の積層型圧電素子を積層方向に垂直で、かつ、内部電極層2及び点在部61を含む平面で切ったときの断面図である。図11に示すように、点在部61は、内部電極層2と絶縁された状態にある金属領域3が複数点在して構成されている。この点在部61を構成する複数の金属領域3は空隙41を介して点在している。この空隙41は、内部電極層2の側端部2aから外部電極5の一部5aまで連通しているので、この点在部61の積層方向に隣り合う2つの圧電体層1,1を拘束する拘束力を効果的に弱めることができる。これにより、素子の変位量をさらに大きくすることができる。
また、外部電極5の一部5aを入り込ませた点在部61を有する周縁部31は、積層体4の積層方向に複数存在しているのが好ましい。これにより、積層型圧電素子の変位量を増大させる効果をさらに高めることができるとともに、外部電極5の接合強度をさらに高めることができる。また、外部電極5の一部5aを入り込ませた複数の周縁部31は、積層方向に規則的に配置されていることが望ましい。このように、外部電極5が入り込む周縁部31を積層方向に規則的に配置することで、外部電極5が積層体4の積層方向の全域にわたって略均一にかつ強固に接合される。
外部電極5の一部5aを入り込ませた複数の周縁部31は、内部電極層2の全層数の1/2以下の層数毎に配置されるのがよく、より好ましくは全層数の1/8以下の層数毎、さらに好ましくは全層数の1/15以下の層数毎に配置されているのがよい。仮に、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31の配置される周期が内部電極層2の全層数の1/2を超える層数毎であると、外部電極5の一部が積層体4内に入り込む箇所が少なくなるので、外部電極5の接合強度が積層方向でばらつきが生じるおそれがある。
ここで、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31が「規則的に配置されている」とは、これらの周縁部が配置される間隔がすべて同じである場合はもちろんのこと、積層体4の側面4aにおいて積層方向全域にわたって略均一に且つ強固に外部電極5を接合することができる程度に、各周縁部の配置間隔が近似している場合も含む概念である。具体的には、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31の配置間隔は、各周縁部31の配置間隔の平均値に対して好ましくは±20%の範囲内、より好ましくは±15%の範囲内、さらに好ましくはすべて同数であるのがよい。
外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31を規則的に配置する方法としては、例えばこれらの周縁部31を所定の枚数毎(例えば20層毎など)に配置する方法が挙げられる。ただし、このような場合、内部電極層の総枚数が上記所定枚数で割り切れないときには、積層体の両端付近においては、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31の配置が上記所定枚数毎の規則に従わなくてもよい。
また、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31は、正極及び負極の外部電極5が形成される積層体4の側面において、一対の外部電極に交互に隣接するように配置されるのが望ましい。これにより、正極側の外部電極5と負極側の外部電極5が均等に周縁部31に入り込むことになり、正極側及び負極側の両側の外部電極5が積層体4と強固にバランスよく接合することができるようになる。
特に性能面のみを重視すると、外部電極5の一部5aを入り込ませた周縁部31が全ての圧電体層1,1間に設けられていることが好ましい。この場合には、外部電極5を積層体4の側面に対して積層方向全域にわたってさらに強固に接合させることができるため、高電界で連続に高速駆動させた場合においても、外部電極5が積層体4の側面から剥離することがなく、駆動中に変位量が低下するといった問題が生じるのをより確実に防ぐことができる。一方、全ての圧電体層間ではなく、上記のように周縁部31を規則的に配置することで性能面と製造コスト面とをバランスよく両立させることができる。
本実施形態の積層型圧電素子では、周縁部31内の無機物が金属領域3からなる場合について説明したが、これらの無機物は、金属材料もしくは圧電材料、又は金属材料と圧電材料からなるものであってもよい。無機物が金属材料からなる場合には、素子に高電界が加わり、素子自体が大きく変形した場合においても、金属材料が圧電体層1に比較してヤング率が低いため、金属材料が変形して応力を分散させることができる。これにより、圧電体層1にクラックが入るのを抑制することができる。さらに、金属材料が変形しやすいので周縁部31が積層体4の変位を拘束する拘束力をさらに低減させることができ、さらに高い変位を得ることができる。
無機物を構成する金属材料は、主成分が周期表第8〜11族金属から選ばれる少なくとも一種であるのが好ましい。金属材料の主成分を上記のようにすることで、圧電体層1と周縁部31を同時焼成することが可能となり、圧電体層1と金属領域3との接合界面を強固に接合することができる。また、素子が変位して周縁部31に応力が加わった場合でも、周縁部31自体が伸縮しやすい上記金属で構成されているので、応力が一点に集中することなく、耐久性に優れた積層型圧電素子を提供することができる。特に、周縁部31を構成する金属成分は、周期表第8〜10族金属であるNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru及びOsや周期表第11族金属であるCu,Ag及びAuから選ばれる金属やそれら金属の合金であるのが好ましい。これは、近年における合金粉末合成技術において量産性に優れた金属組成であるからである。
さらに、内部電極層2が銀−パラジウム合金等の周期表第8〜10族金属であるNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru及びOsから選ばれる金属1種以上と周期表第11族金属であるCu,Ag及びAuから選ばれる金属1種以上とからなる合金の場合には、金属領域3を周期律第11族金属もしくは周期律第11族金属を含む合金で形成し、金属領域3中の周期表第11族金属の比率が、内部電極層2を形成する金属材料中の周期律第11属金属の比率よりも高く設定されているのが好ましい。これにより、周縁部31のヤング率を内部電極層2よりも低くすることができるため、積層体4の伸縮によって生じる応力を周縁部31が有効的に吸収することができる。これにより、積層体4の伸縮によって外部電極5に生じる応力を低減することができるので、外部電極5の一部5aが積層体4の側面4aから剥離するなどの不具合が生じるのを防ぐことができる。
また、無機物が圧電材料からなる場合には、高圧力下での使用においても、周縁部31を構成する圧電材料が圧力に対して変形しやすいため、圧力が1点に集中することがなく、周縁部31と隣り合う圧電体層1に高い応力がかかることを防止することができる。
さらに、無機物が金属材料と圧電材料とからなる場合には、上述する2つの効果により、高電界、高圧力下において連続駆動させた場合においても、素子自体が破断することなく、上記2つの効果を兼ね備えた積層型圧電素子を提供することができる。
また、無機物が金属材料を含む場合には、この金属材料の主成分と、内部電極層2の主成分が同一であることが望ましい。これにより、圧電体層1と内部電極層2及び周縁部31を同時焼成することが可能になり、安価な積層型圧電素子を提供することができる。
さらに、無機物が圧電材料を含む場合には、この無機物を構成する圧電材料と圧電体層1を構成する圧電材料が同一組成であることが望ましい。無機物を構成する圧電材料と、圧電体層1を構成する圧電材料の組成を同一にしておくことにより、圧電体層1と周縁部31の同時焼成が可能となり、また、焼成時の組成の相互拡散が起こった場合においても圧電体層1を構成する圧電材料が組成変化を起こすことがなく、所望の圧電特性を備えた積層型圧電素子を得ることができる。
また、無機物が金属材料を含む場合には、この金属材料の主成分と外部電極5の主成分が同一であることが望ましい。金属領域3を構成する金属材料と外部電極5の主成分が同一であると、外部電極5を形成するペーストを積層体4の側面4aに塗布し焼き付けた際に、無機物と外部電極5の接合部分で主成分が相互拡散し、いわゆる拡散接合によって周縁部31の金属領域3と外部電極5の接合を強固なものにすることができ、外部電極5の積層体4の側面への接合強度をさらに強固なものにすることができる。このように外部電極5と無機物とが拡散接合する場合、外部電極5と無機物とが相溶した相溶領域が形成される。このような形態の場合、前述した外部電極5の一部5aが積層体4の側面4aから周縁部31に入り込む深さDは、相溶領域と無機物のみの領域との境界部分から積層体4の側面4aまでの距離のことをいう。
なお、本実施形態において、内部電極層2と、金属領域3が点在した点在部61を有する周縁部31との境界は、例えば空隙率で表される空隙の多さを比較することにより判別することができる。ただし、空隙率の差が小さく、かつ、内部電極層2と点在部61内の金属領域3を構成する金属とが同じ材料である場合には、内部電極層2と点在部61との境界を判別しにくいことがある。このような場合には、次のような判別方法により内部電極層2と点在部61との境界を近似的に決定することができる。すなわち、図9に示すように、金属領域3が点在していない圧電体層1k+1,1k+2間の周縁部31には、内部電極層2k+2の側端部2aと積層体4の側面4aとの間の領域に圧電体が充填されている。したがって、内部電極層2k+2と、金属領域3が点在していない周縁部31との境界は明確に判別できる。通常、各内部電極層2は、積層方向に投影したときに、一層おきにほぼ同じ位置に重なるように配置されている。したがって、内部電極層2と点在部61との境界を判別しにくい場合には、内部電極層2と点在部61との境界は、例えば内部電極層2k+2と周縁部31との境界とほぼ同じ位置にあると近似することができる。
次に、第7の実施形態にかかる積層型圧電素子の製法を説明する。まず、PZT等からなるペロブスカイト型酸化物の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体層1となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、銀−パラジウム等の内部電極層2を構成する金属粉末にバインダー、可塑剤等、及び必要に応じて上記圧電セラミックスの仮焼粉末等を添加混合して、内部電極層2用の導電性ペーストを作製し、これを上記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μm程度の範囲の厚みに印刷する。
その後、内部電極層2の周縁部31に複数の無機物を点在させるための点在用ペーストを印刷する。この点在用ペーストは、例えば銀などのように主成分が周期表第8〜11族金属の金属材料及び圧電材料のうちの少なくとも一方の材料からなる無機物の粉末に、バインダー、可塑剤等、さらには、乾燥時には接着固定され焼成時には揮発するアクリルビーズ等の有機物を添加混合したものである。この点在用ペーストに、乾燥時には接着固定され、焼成時には揮発する有機物を含有させておくことにより、任意の空隙率を有し、且つ、点在した無機物で構成される点在部61を形成することができる。点在用ペーストに添加するアクリルビーズの量を制御することにより、周縁部31の空隙率を制御することができる。つまり、添加するアクリルビーズの量が少ない場合には空隙率は小さくなり、逆にアクリルビーズの量が多い場合には空隙率が大きくなる。なお、点在用ペーストに用いる圧電材料の粉末は、圧電体層1を形成する圧電材料と同じ組成の圧電セラミックスの仮焼粉末が望ましい。
ついで、上面に内部電極層2用の導電性ペーストが印刷されたグリーンシートと、内部電極層2を形成する導電性ペースト及び点在用ペーストが印刷されたグリーンシートとを所定の順番に積層し積層成形体を得、この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理を行った後、900〜1200℃で焼成することによって積層体(積層焼結体)を得る。
このように金属領域3及び空隙41を点在させた点在部61を形成したい圧電体層1の部分には点在用ペーストを印刷したグリーンシートを積層する。これにより、所望の位置に金属領域3が空隙41を介して点在した点在部61を形成することができる。また、全ての圧電体層間に、上記領域が点在した周縁部31を形成したい場合には、全てのグリーンシートに導電性ペーストと点在用ペーストを印刷して積層すればよい。
また、不活性層9用のグリーンシート中に、銀−パラジウム等の内部電極層2を構成する金属粉末を添加したり、不活性層9用のグリーンシートを積層する際に、銀−パラジウム等の内部電極層2を構成する金属粉末および無機化合物とバインダーと可塑剤からなるペーストをグリーンシート上に印刷することで、不活性層9とその他の部分の焼結時の収縮挙動ならびに収縮率を一致させることができるので、緻密な積層体4を形成することができる。
なお、積層体4は、上記製法によって作製されるものに限定されるものではなく、複数の圧電体層1と複数の内部電極層2とを交互に積層してなる積層体4を作製できれば、どのような製法によって形成されてもよい。
次に、得られた積層体を周知の平面研削盤などを用いて、所定の形状に研削を行う。その後、銀を主成分とする導電性粉末とガラス粉末にバインダー、可塑剤及び溶剤を加えて作製した銀ガラス導電性ペーストを、外部電極5を形成する積層体4の側面4aにスクリーン印刷等によって印刷する。その後、所定の温度で乾燥、焼き付けを行うことにより、外部電極5を形成することができる。ここで、ガラス成分は、圧電体層1との接合強度を高め、且つ、有効に点在部61内に侵入できるという点から、酸化鉛若しくは酸化珪素の少なくとも1種を含む軟化点800℃以下のガラスが望ましい。また、前述以外に、ガラス成分は、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリけい酸ガラス、アルミノほうけい酸塩ガラス、ほうけい酸塩ガラス、アルミノけい酸塩ガラス、ほう酸塩ガラス、りん酸塩ガラス、鉛ガラス等を用いることができる。
例えば、ほうけい酸塩ガラスとしては、SiO40〜70質量%、B2〜30質量%Al0〜20質量%、MgO、CaO、SrO、BaOのようなアルカリ土類金属酸化物を総量で0〜10質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%含有するものを使用することができる。また、上記ほうけい酸塩ガラスに、5〜30質量%のZnOを含むようなガラスとしても構わない。ZnOは、ほうけい酸塩ガラスの作業温度を低下させる効果がある。
また、りん酸塩ガラスとしては、P40〜80質量%、Al0〜30質量%、B0〜30質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、鉛ガラスとしては、PbO30〜80質量%、SiO0〜70質量%、Bi0〜30質量%、Al0〜20質量%、ZnO0〜30質量%、アルカリ土類金属酸化物0〜30質量%、アルカリ金属酸化物0〜10質量%を含むようなガラスを使用することができる。
また、外部電極5を構成する導電材料は、耐酸化性があり、ヤング率が低く、安価であるという点から、銀を主成分とすることが望ましい。耐エレクトロマイグレーション性を高めるという点から、微量の白金若しくはパラジウムを添加しても構わない。
銀ガラス導電性ペーストの焼き付け温度は、外部電極5の一部5aを周縁部31に入り込ませ、且つ、外部電極5と積層体4の側面4aの接合強度を高めるという点から、銀ガラス導電性ペーストに含まれるガラスの軟化点以上の温度で、500〜800℃が望ましい。また、銀ガラス導電性ペースト中のガラスの軟化点は、500〜800℃が望ましい。
さらに、外部電極5の外面に、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材を形成してもよい。この場合には、外部電極5の外面に導電性補助部材を設けることによりアクチュエータに大電流を投入し、高速で駆動させる場合においても、大電流を導電性補助部材に流すことができ、外部電極5に流れる電流を低減できるという理由から、外部電極5が局所発熱を起こし断線することを防ぐことができ、耐久性を大幅に向上させることができる。さらには、導電性接着剤中に金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を埋設しているため、導電性接着剤に亀裂が生じるのを防ぐことができる。金属のメッシュとは金属線を編み込んだものであり、メッシュ状の金属板とは、金属板に孔を形成してメッシュ状にしたものをいう。
導電性補助部材を構成する導電性接着剤は導電性粒子として銀粉末を分散させたポリイミド樹脂からなることが望ましい。即ち、比抵抗の低い銀粉末を、耐熱性の高いポリイミド樹脂に分散させることにより、高温での使用に際しても、抵抗値が低く且つ高い接着強度を維持した導電性補助部材を形成することができる。
さらに、導電性粒子はフレーク状や針状などの非球形の粒子であることが望ましい。導電性粒子の形状をフレーク状や針状などの非球形の粒子とすることにより、該導電性粒子間の絡み合いを強固にすることができ、該導電性接着剤のせん断強度をより高めることができるためである。
その後、外部電極5を含む積層体4の側面4aにシリコーンゴム等からなる外装樹脂をディッピング等の手法を用いてコーティングし、外部電極5にリード線6を半田等で接続することにより本発明の積層型圧電素子が完成する。
なお、本発明の積層型圧電素子はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上記実施形態では、積層体4の対抗する側面に外部電極5を形成した例について説明したが、本発明では、例えば隣り合う側面に一対の外部電極5を形成してもよい。
<噴射装置>
図12は、本発明の一実施形態にかかる噴射装置を示す断面図である。図12に示すように、この噴射装置は、噴出孔7を有した収納容器6の内部に本発明の積層型圧電素子からなる圧電アクチュエータ13を収納してなる。この噴射装置は、液体燃料を収納容器6内に導入するとともに、導入した液体燃料を圧電アクチュエータ13の駆動によって噴出孔7より外部へ噴出させるように構成されている。収納容器6内には、噴射孔7を開閉することができるニードルバルブ8が収容されている。噴射孔7には燃料通路9が連通可能に設けられている。この燃料通路9は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路9に常時一定の圧力(高圧)で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ8が噴射孔7を開放すると、燃料通路9に供給されていた燃料が一定の圧力で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように構成されている。また、ニードルバルブ8は、その上端部の直径が大きくなっており、収納容器6に形成されたシリンダ10と摺動可能なピストン11を備えている。収納容器6内には、上記した圧電アクチュエータ13が収納されている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ13が電圧を印加されて伸長するとピストン11が押圧され、ニードルバルブ8が噴射孔7を閉塞し燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ13が収縮し、皿バネ12がピストン11を押し返し、噴射孔7が燃料通路9と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
以上、本発明の積層型圧電素子および噴射装置について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、内部電極層非形成部が圧電体層の端部に帯状に存在する場合について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、例えば内部電極層非形成部が圧電体層の角部分に存在する場合などであってもよい。
なお、上記実施形態では、領域が金属領域の場合、及び空隙の場合について説明したが、これら以外であっても圧電体層を構成する圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質からなる領域であればよい。圧電性セラミックスよりも変形しやすい物質としては、例えば各種セラミックス、各種プラスチック、ゴムなどの固体の他、液体、ゲル状物質などが挙げられる。これらの物質のうち、耐熱温度が積層体の焼成温度以下である場合の製造方法としては、次のような方法が挙げられる。すなわち、積層体全体を一体焼成するのではなく、例えば、複数の積層体を作製した後、これらの積層体間に上記物質からなる領域を点在させて接合するような方法が挙げられる。これにより、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減しつつ、抗折強度および絶縁性が低下するのを抑制できるので、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる。
さらに、本発明では、周縁部に、複数のセラミックスからなる領域が点在し、これらのセラミックス領域間に空隙が存在する形態であってもよい。このセラミックスとしては、圧電体層と同じ材料であってもよく、他のセラミックスであってもよい。これにより、変位部の変位を拘束する非変位部の拘束力を低減しつつ、抗折強度および絶縁性が低下するのを抑制できるので、高い信頼性と高い変位性能を両立させることができる。
また、本発明の積層型圧電素子は、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置等に搭載される駆動素子、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子以外であっても、圧電特性を用いた素子であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の用途に適用可能である。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明の積層型圧電素子を使用した圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電性セラミックスの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で、焼成後の厚みが約150μmになるように圧電体層1用のセラミックグリーンシートを作製した。
ついで、このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム合金(銀95質量%−パラジウム5重量%)にバインダーを加えた導電性ペーストをスクリーン印刷法により形成した。これらのシートを熱圧着積層して、焼成した。焼成は800℃で保持した後に1000℃で焼成した。これにより図2〜7及び図14に示す構造を有する積層体をそれぞれ得た。
なお、図4に示す構造の積層型圧電素子は、周縁部に複数の金属領域3が点在するように、マスクパターンを施したスクリーン製版を用いて金属領域3のパターンを印刷した(島状の金属領域3をスクリーン印刷により形成した)。金属領域3を構成する材料としては銀パラジウム合金を用い、この金属を含むペーストをスクリーン印刷した。
図5に示す構造の積層型圧電素子は、島状の金属領域3以外の部分にバインダーを印刷してマスキングを行い、焼成後に空隙41が形成されるようにした。
図3に示す構造の積層型圧電素子は、周縁部に複数の金属領域3が点在するように、マスクパターンを施したスクリーン製版を用いて金属領域3のパターンを印刷するとともに、金属領域3以外の部分にPZTの共材とバインダーを混合させたペーストを印刷して作製した。これにより、周縁部に金属領域3が点在し、これらの金属領域3の間にPZTからなる絶縁セラミック領域が介在し、絶縁セラミック領域中に空隙が分散した構造を形成した。
ついで、銀ガラスペーストを積層体4の外部電極5面に印刷して乾燥し、700℃で30分焼き付けを行い、外部電極5を形成した。その後、外部電極5にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極5にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行った。これにより、図1又は図13に示す積層型圧電素子を得た。
得られた積層型圧電素子に150Vの直流電圧を印加し、得られる変位量をレーザー変位計を用いて測定した。また、積層体の抗折強度を4点曲げ破壊荷重試験により測定した。結果を表1に示す。
(表1)
Figure 0004942659
表1に示すように、周縁部に金属領域3を点在させていない(島状の領域3を形成していない)試料No.1と比較して、金属領域3を点在させた試料No.2〜7では、抗折強度を低下させる事なく、初期状態の変位量を向上させる事ができた。
次に、第7の実施形態にかかる積層型圧電素子を以下のようにして作製した。まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電性セラミックスの仮焼粉末、バインダー、及び可塑剤を混合したスラリーを作製し、ドクターブレード法で、焼成後の平均厚みが約150μmになるように圧電体層1用のセラミックグリーンシートを作製した。
ついで、このセラミックグリーンシートの片面に、平均粒径0.8μmの銀−パラジウム合金にバインダーを加えて作製した導電性ペーストをスクリーン印刷法により平均厚み4μmで印刷を行った。さらに、無機物にバインダー及びアクリルビーズを加えて作製した点在用ペーストを、前記導電性ペーストの非形成部(周縁部)にスクリーン印刷法にて平均厚み4μmで印刷を行った。なお、無機物としては平均粒径0.8μmの銀粉末を用いた。アクリルビーズとしては平均粒径0.5μmのものを用い、銀粉末100体積%に対して200体積%となるように添加した。
その後、導電性ペーストのみが印刷されたグリーンシート20層に対して、導電性ペーストと点在用ペーストの両方が印刷されたグリーンシート1層の割合で積層して積層成形体を得た。ついで、この積層成形体を350〜450℃の温度で脱脂を行った後、980〜1100℃で焼成して積層焼成体を得た。ついで、得られた積層焼成体を平面研削盤にて研削し、積層体4を得た。
次に、平均粒径2μmの銀粉末と残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が650℃のガラス粉末との混合物にバインダー添加して作製した銀ガラス導電性ペーストを積層体4側面の外部電極5形成面にスクリーン印刷によって平均厚み30μmで形成し、700℃にて30分焼き付けを行うことにより、外部電極5を形成した。
このとき、点在用ペーストを印刷しておいた圧電体間で内部電極層2と積層体4側面との間の周縁部31は、平均空隙率95%で複数の無機物が点在した構造となった。この周縁部31には平均で深さ10μm外部電極5の一部5aが入り込んでいた。なお、内部電極層2の空隙率は平均で20%であった。なお、無機物が点在した周縁部31の平均空隙率は、無機物が点在した複数の周縁部の空隙率をそれぞれ測定してその平均値を算出したものである。内部電極層2の平均空隙率も同様にして測定した。
また、外部電極5の一部5aが入り込んでいる深さDの平均とは、全ての周縁部31を観察してそれぞれの深さDを測定してその平均値を算出したものである。空隙率の測定方法は次の通りである。すなわち、まず、積層方向に平行な断面が露出するように、積層体4をケメット・ジャパン(株)社製卓上研磨機KEMET−V−300を用いてダイヤモンドペーストで研磨した。この研磨処理により露出した断面を、光学顕微鏡により250倍に拡大して観察して断面画像を得、この断面画像から周縁部31の空隙率及び内部電極層2の空隙率を測定した。なお、空隙率は、光学顕微鏡にて撮影した断面画像の空隙部分を黒色に塗りつぶし、空隙以外の部分を白色に塗りつぶし、黒色部分の比率((黒色部分の面積)/(黒色部分の面積+白色部分の面積))を求め、百分率で表すことにより算出した。このとき、カラーの断面画像をグレースケールに変換して黒色部分と白色部分に2階調化した。黒色部分と白色部分に2階調化するための境界の敷居値を設定する際には、目視により境界の敷居値を設定した。
その後、外部電極5にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極5にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、図1に示すような積層型圧電素子を用いた圧電アクチュエータを作製した。得られた積層型圧電アクチュエータに160Vの直流電圧を印加したところ、積層方向に変位量40μmが得られた。さらに、この積層型圧電アクチュエータを室温で0〜+160Vの交流電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回まで連続駆動した試験行った。得られた結果を表2に示す。
(表2)
Figure 0004942659
表2に示すように、本発明の積層型圧電素子(試料番号1)では、連続駆動前と同様に変位量40μmが得られ、また、外部電極5には異常は見られなかった。一方、無機物が点在していない周縁部のみで、積層体側面に外部電極の一部が入り込んでいない試料番号2の積層型圧電素子では、初期の変位量が本発明の積層型圧電素子(試料番号1)よりも2μm少なく、さらに、1×10回の駆動後においては、変位量が30μmにまで低下してしまっていた。これは、周縁部がないために、内部電極層の非形成部分(周縁部)において、全ての隣り合う圧電体間が強固に接合されているために、周縁部が積層体の変位を拘束し、試料番号1よりも、初期の変位量が少なくなってしまっている。さらに、試料番号2の積層型圧電素子においては、外部電極の一部が積層体内に入り込んでいないために、外部電極と積層体側面の接合強度が弱く、結果、外部電極の一部が積層体側面から剥離し、一部の内部電極層と外部電極の間で断線が生じて一部の圧電体に電圧が供給されなくなったために、変位量が低下したものである。
次に、周縁部を構成する無機物の材質と、周縁部の層数を変化させた以外は、実施例2と同様にして積層型圧電素子を作製した。
評価結果を表3に示す。
(表3)
Figure 0004942659
表3より、本発明の積層型圧電素子である試料番号1、3、4、5、6、7は、1×10回連続駆動した場合においても、連続駆動前と同様の変位量が得られ、高信頼性を備えた圧電アクチュエータであることが分かった。

Claims (18)

  1. 複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の側面に複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
    積層方向に隣り合う2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、無機化合物からなる領域が空隙を介して複数点在してなる前記内部電極層よりも空隙率の高い点在部であり、前記点在部に前記外部電極の一部が入り込んでいることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記無機化合物からなる領域が金属からなる金属領域であり、前記点在部は前記金属領域が前記内部電極層と絶縁された状態で複数点在してなる請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記金属領域が銀パラジウム合金からなる請求項2記載の積層型圧電素子。
  4. 前記無機化合物からなる領域がセラミックスからなるセラミック領域であり、前記点在部は前記セラミック領域が複数点在してなる請求項1記載の積層型圧電素子。
  5. 前記セラミック領域が、前記積層体の積層方向に隣り合う2つの圧電体層を連結している請求項に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記セラミック領域が前記圧電体層と同じ圧電セラミックスからなる請求項4又は5に記載の積層型圧電素子。
  7. 複数の圧電体層が内部電極層を介して積層されてなる積層体と、前記積層体の側面に複数の前記内部電極層が一層おきにそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極とを備えた積層型圧電素子において、
    積層方向に隣り合う2つの圧電体層間に位置し、かつ、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間に位置する周縁部の少なくとも一部は、樹脂からなる領域が空隙を介して複数点在してなる前記内部電極層よりも空隙率の高い点在部であり、前記点在部に前記外部電極の一部が入り込んでいることを特徴とする積層型圧電素子。
  8. 前記点在部を有する周縁部は、点在部を有していない周縁部と比較して、内部電極層の側端部と積層体の側面との間の距離が長い請求項1〜のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  9. 前記積層体は、前記内部電極層の側端部と前記積層体の側面との間の距離が異なる2以上の点在部を有する請求項1〜のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  10. 前記積層体は複数の前記点在部を有し、積層方向に隣り合う点在部間には少なくとも2層以上の前記圧電体層が配置されている請求項1〜のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  11. 前記複数の点在部が前記積層体の積層方向に等間隔に配置されている請求項10に記載の積層型圧電素子。
  12. 前記積層体における全ての周縁部には、各周縁部の少なくとも一部に前記点在部がそれぞれ形成されている請求項1〜のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  13. 前記外部電極の一部は、前記点在部を構成する複数の前記領域間に入り込んでいる請求項12に記載の積層型圧電素子。
  14. 前記周縁部には、前記内部電極層の側端部から前記外部電極の一部まで連通した空隙が形成されている請求項12又は13に記載の積層型圧電素子。
  15. 前記積層体には、前記外部電極の一部が入り込んでいる前記周縁部が複数存在し、これらの周縁部が前記積層体の積層方向に規則的に配置されている請求項11〜14のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  16. 前記金属領域の主成分が前記外部電極の主成分と同じである請求項12〜15のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  17. 前記積層体の側面には樹脂からなる被覆層が形成されており、前記周縁部の一部に前記被覆層の一部が入り込んでいる請求項1〜16のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  18. 噴出孔を有する容器と、請求項1〜17のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に充填された液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から噴射するように構成されていることを特徴とする噴射装置。
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