JP2008053467A - 積層型圧電素子及びその製造方法 - Google Patents

積層型圧電素子及びその製造方法 Download PDF

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成 門谷
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Abstract

【課題】耐久性・信頼性に優れた積層型圧電素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】積層型圧電素子1は、圧電材料よりなる圧電層11と導電性を有する内部電極層21、22とを交互に積層してなるセラミック積層体10を有し、セラミック積層体10の外周面における一対の電極接合面101(102)には、内部電極層21、22に順次交互に導通される一対の側面電極31が設けられ、側面電極31上には、導電性接着剤32を介して外部電極33が接合されている。側面電極31は、外表面311に凹凸を有していると共に内部に複数の空孔42を有しており、凹凸の凹部41及び空孔42は、焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものである。導電性接着剤32は、側面電極31における凹凸の凹部41に入り込んで配設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、圧電アクチュエータ等に適用される積層型圧電素子及びその製造方法に関する。
近年、自動車の燃費、排気ガス等の対策の面から、積層型圧電素子を用いた自動車の燃料噴射用インジェクタの開発が進められている。
積層型圧電素子は、例えば、圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有し、内部電極層間に電圧を印加することにより、圧電層に変位が生じて(以下、圧電変位という)駆動するように構成されている。
このような積層型圧電素子の構造としては、例えば、研削したセラミック積層体の側面に金属ペースト等を焼き付けて側面電極を形成し、その上に導電性接着剤を塗布して外部電極を接合したものがある。しかしながら、自動車の燃料噴射用インジェクタ等のように、厳しい環境下において使用した場合には、圧電変位によって生じる応力により側面電極や導電性接着剤の剥離が生じる。
また、その他にも様々な構造が提案されている(特許文献1〜3参照)が、コストや耐久性において有効なものは未だ見出されていない。したがって、厳しい環境下における長期間の使用においても不具合の発生を抑制することができ、耐久性・信頼性に優れた構造を有する積層型圧電素子が望まれている。
特開2004−207632号公報 特開2004−241590号公報 特開2005−223014号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、耐久性・信頼性に優れた積層型圧電素子及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有し、該セラミック積層体の外周面における一対の電極接合面には、上記内部電極層に順次交互に導通される一対の側面電極が設けられ、該側面電極上には、導電性接着剤を介して外部電極が接合されている積層型圧電素子において、
上記側面電極は、外表面に凹凸を有していると共に内部に複数の空孔を有しており、上記凹凸の凹部及び上記空孔は、焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものであり、
上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設されていることを特徴とする積層型圧電素子にある(請求項1)。
本発明の積層型圧電素子において、上記側面電極の外表面には、凹凸が形成されている。この凹凸の凹部は、上記焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものである。そして、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設されている。そのため、上記導電性接着剤は、アンカー効果によって上記側面電極に対する密着性・接着性を向上させることができ、上記積層型圧電素子の駆動時に繰り返し生じる圧電変位に耐え得る密着性・接着性を有するものとなる。これにより、上記導電性接着剤の剥離を抑制することができると共に、上記側面電極と上記導電性接着剤との間の電気的な導通性(以下、適宜、単に導通性という)を長期的に確保することができる。
また、上記導電性接着剤は、上述のごとく、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設されているため、上記側面電極と上記導電性接着剤との接触面積は、従来に比べて大きくなる。これにより、両者間の導通性を向上させることができる。
また、上記側面電極の内部には、複数の空孔が形成されている。この空孔は、上記凹凸の凹部と同様に、上記焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものである。そして、上記側面電極は、内部に形成された上記複数の空孔によって、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を有するものとなる。これにより、圧電変位によって上記側面電極に生じる応力を低減することができ、該側面電極の剥離、割れ、クラック等を抑制することができる。
このように、本発明の積層型圧電素子は、駆動時における不具合の発生を抑制することができ、長期間の使用においても優れた耐久性・信頼性を有するものとなる。
第2の発明は、圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有し、該セラミック積層体の外周面における一対の電極接合面には、上記内部電極層に順次交互に導通される一対の側面電極が設けられ、該側面電極上には、導電性接着剤を介して外部電極が接合されている積層型圧電素子を製造する方法において、
上記圧電層となるグリーンシートと上記内部電極層となる電極材料とを交互に積層してなる中間積層体を焼成し、上記セラミック積層体を得る積層体作製工程と、
上記セラミック積層体の上記電極接合面に、その後の加熱によって焼失する焼失粒子を含有する側面電極用スラリーを塗布する側面電極用スラリー塗布工程と、
上記側面電極用スラリーを加熱することにより、上記電極接合面に上記側面電極を焼き付け、かつ、上記焼失粒子を焼失させて、上記側面電極の外表面に凹凸を形成すると共に、内部に複数の空孔を形成する側面電極焼付け工程と、
上記側面電極上に上記導電性接着剤を塗布し、該導電性接着剤を上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込ませ、さらに上記導電性接着剤を介して上記外部電極を接合する外部電極接合工程とを有する積層型圧電素子の製造方法にある(請求項9)。
本発明の積層型圧電素子の製造方法は、上記側面電極用スラリー塗布工程において、上記セラミック積層体の上記電極接合面に、上記焼失粒子を含有する側面電極用スラリーを塗布する。そして、上記側面電極焼付け工程において、上記側面電極用スラリーを加熱し、上記電極接合面に上記側面電極を焼き付ける。このときの加熱により、上記側面電極用スラリーに含まれている上記焼失粒子を焼失させる。これによって、上記側面電極の外表面には、上記側面電極用スラリーの表面に存在していた上記焼失粒子が焼失して、凹部が形成される。すなわち、上記側面電極の外表面には、凹凸が形成される。また、上記側面電極の内部には、上記側面電極用スラリーの内部に存在していた上記焼失粒子が焼失して、空孔が形成される。
その後、上記外部電極接合工程において、上記導電性接着剤を上記側面電極の外表面に形成された上記凹凸の凹部に入り込ませて塗布することにより、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設される。そのため、上記導電性接着剤は、アンカー効果によって上記側面電極に対する密着性・接着性を向上させることができ、圧電変位に耐え得る密着性・接着性を有するものとなる。これにより、上記導電性接着剤の剥離を抑制することができると共に、上記側面電極と上記導電性接着剤との間の導通性を長期的に確保することができる。
また、上記導電性接着剤は、上述のごとく、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設される。そのため、上記側面電極と上記導電性接着剤との接触面積は、従来に比べて大きくなる。これにより、両者間の導通性を向上させることができる。
また、上記側面電極の内部には、複数の空孔が形成される。そのため、上記側面電極は、内部に形成された上記複数の空孔によって、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を有するものとなる。これにより、圧電変位によって上記側面電極に生じる応力を低減することができ、該側面電極の剥離、割れ、クラック等を抑制することができる。
このように、本発明の製造方法によれば、駆動時における不具合の発生を抑制することができ、長期間の使用においても優れた耐久性・信頼性を有する積層型圧電素子を得ることができる。
上記第1の発明においては、上記側面電極は、Ag及びガラスフリットを含有して構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、ガラスフリットを含有していることによって、上記側面電極を上記セラミック積層体の上記電極接合面に対して強固に接合して設けることができる。また、従来用いられていたAg/Pd合金等と比べて安価であり、製造コストを抑えることができる。
また、上記側面電極における上記凹凸の凹部は、平均深さが1.5〜6μmであることが好ましい(請求項3)。
上記平均深さが1.5μm未満の場合には、上記導電性接着剤は、アンカー効果を充分に得ることができず、上記側面電極に対する密着性・接着性が不充分となるおそれがある。一方、6μmを超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極における上記空孔は、平均内径が1.5〜6μmであることが好ましい(請求項4)。
上記平均内径が1.5μm未満の場合には、上記側面電極は、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を充分に得ることができないおそれがある。一方、6μmを超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極は、気孔率が20〜60%であることが好ましい(請求項5)。
上記気孔率が20%未満の場合には、上記側面電極は、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を充分に得ることができないおそれがある。一方、60%を超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極は、上記セラミック積層体の積層方向に互いに間隙を設けて複数に分割された分割部により構成されており、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記分割部間の間隙に入り込んで配設されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んでいると共に、上記側面電極における上記分割部間の間隙にも入り込んで配設されている。そのため、上記導電性接着剤は、より一層アンカー効果を得ることができ、上記側面電極に対する密着性・接着性がさらに向上する。
なお、上記側面電極の上記分割部は、様々なパターン、様々な形状で設けることができる。
また、上記セラミック積層体の外周面の少なくとも上記電極接合面には、少なくとも空隙を含んで構成される応力緩和層が1又は複数形成されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、上記応力緩和層は、圧電変位によって上記セラミック積層体の内部に生じる応力を効果的に緩和することができる。これにより、上記セラミック積層体の内部に発生する割れ、クラック等を抑制することができる。
また、上記側面電極を上記応力緩和層の空隙に入り込ませて配設することにより、上記側面電極は、アンカー効果によって上記セラミック積層体の上記電極接合面に対する密着性・接着性が向上する。これにより、圧電変位によって生じる応力によって、上記側面電極が上記セラミック積層体の上記電極接合面上から剥離することを抑制することができる。
また、上記応力緩和層は、その全体を空隙により構成した層とすることできるし、部分的に多数の空隙を有する多孔質材料等で構成した層とすることもできる。全体を空隙により構成すれば、上記応力緩和層による応力緩和効果を充分に発揮することができる。また、多孔質材料等で構成すれば、上記セラミック積層体の強度を充分に確保しながら、上記応力緩和層による応力緩和効果を得ることができる。
なお、上記応力緩和層は、上記セラミック積層体の外周面や内部等の様々な場所に、様々な形状で形成することができる。
また、上記積層型圧電素子は、インジェクタの駆動源として用いられるインジェクタ用圧電アクチュエータであることが好ましい(請求項8)。
上記インジェクタは、高温高湿という過酷な条件下で使用される。そのため、上記の優れた積層型圧電素子をアクチュエータとして用いることにより、耐久性・信頼性を向上させることができ、インジェクタ全体の性能向上を図ることができる。
上記第2の発明においては、上記側面電極用スラリーは、上記焼失粒子に加えてAg及びガラスフリットを含有していることが好ましい(請求項10)。
この場合には、上記側面電極焼付け工程において、上記側面電極を上記セラミック積層体の上記電極接合面に対して強固に接合することができる。また、従来用いられていたAg/Pd合金等と比べて安価であり、製造コストを抑えることができる。
また、上記側面電極用スラリーは、上記焼失粒子の含有率が8〜24重量%であることが好ましい(請求項11)。
上記含有率が8重量%未満の場合には、上記側面電極の外表面に凹部を、内部に空孔を充分に形成することができないおそれがある。一方、24重量%を超える場合には、上記側面電極用スラリーを塗布する際の作業性が低下するおそれがある。また、上記側面電極の内部に空孔が多く形成され、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記焼失粒子は、カーボン粒子、炭化有機物粒子、又は樹脂粒子の少なくとも1種以上を含有することが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記側面電極焼付け工程において、上記側面電極用スラリーを加熱することによって上記焼失粒子を容易に焼失させることができる。これにより、上記側面電極の外表面に凹部を、内部に空孔を確実に形成することができる。
なお、上記炭化有機物粒子は、粉末状の有機物を炭化させて得ることもできるし、炭化させた有機物を粉砕して得ることもできる。上記有機物としては、樹脂等の高分子材料や、コーン、大豆、小麦粉等の穀物を用いることができる。この場合には、製造コストの低減を実現することができる。
また、上記焼失粒子は、平均粒径が2〜7μmであることが好ましい(請求項13)。
上記平均粒径が2μm未満の場合には、上記側面電極の外表面に凹部を、内部に空孔を充分な大きさで形成することができないおそれがある。一方、7μmを超える場合には、上記側面電極用スラリーを塗布する際の作業性が低下するおそれがある。また、上記側面電極の内部に大きな空孔が形成され、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極における上記凹凸の凹部は、平均深さが1.5〜6μmであることが好ましい(請求項14)。
上記平均深さが1.5μm未満の場合には、上記導電性接着剤は、アンカー効果を充分に得ることができず、上記側面電極に対する密着性・接着性が不充分となるおそれがある。一方、6μmを超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極における上記空孔は、平均内径が1.5〜6μmであることが好ましい(請求項15)。
上記平均内径が1.5μm未満の場合には、上記側面電極は、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を充分に得ることができないおそれがある。一方、6μmを超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極は、気孔率が20〜60%であることが好ましい(請求項16)。
上記気孔率が20%未満の場合には、上記側面電極は、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を充分に得ることができないおそれがある。一方、60%を超える場合には、上記側面電極の強度が低下するおそれがある。
また、上記側面電極用スラリー塗布工程では、上記セラミック積層体の上記電極接合面に、上記側面電極用スラリーを上記セラミック積層体の積層方向に互いに間隙を設けて複数部分に塗布し、上記側面電極焼付け工程では、上記電極接合面に、互いに間隙を設けて複数に分割された分割部により構成された上記側面電極を焼き付け、上記外部電極接合工程では、上記導電性接着剤を上記側面電極における上記分割部間の間隙に入り込ませて塗布することが好ましい(請求項17)。
この場合には、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込み、かつ、上記側面電極における上記分割部間の間隙にも入り込んで配設される。そのため、上記導電性接着剤は、より一層アンカー効果を得ることができ、上記側面電極に対する密着性・接着性がさらに向上する。
また、上記積層体作製工程では、上記中間積層体にその後の焼成によって焼失する焼失材料を含有する応力緩和層形成材料を予め配設しておき、上記中間積層体を焼成することにより、上記焼失材料を焼失させて、上記セラミック積層体の外周面の少なくとも上記電極接合面に、少なくとも空隙を含んで構成される応力緩和層を1又は複数形成することが好ましい(請求項18)。
この場合には、上記応力緩和層は、圧電変位によって上記セラミック積層体の内部に生じる応力を効果的に緩和することができる。これにより、上記セラミック積層体の内部に発生する割れ、クラック等を抑制することができる。
また、上記側面電極用スラリー塗布工程において、上記側面電極用スラリーを上記応力緩和層の空隙に入り込ませて塗布することにより、上記側面電極は、上記応力緩和層の空隙に入り込んで配設される。そのため、上記側面電極は、アンカー効果によって上記セラミック積層体の上記電極接合面に対する密着性・接着性が向上する。これにより、圧電変位によって生じる応力により、上記側面電極が上記セラミック積層体の上記電極接合面上から剥離することを抑制することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる積層型圧電素子について、図を用いて説明する。
本例の積層型圧電素子1は、図1に示すごとく、圧電材料よりなる圧電層11と導電性を有する内部電極層21、22とを交互に積層してなるセラミック積層体10を有し、セラミック積層体10の外周面103における一対の電極接合面101、102には、内部電極層21、22に順次交互に導通される一対の側面電極31が設けられ、側面電極31上には、導電性接着剤32を介して外部電極33が接合されている。
また、図3に示すごとく、側面電極31は、外表面311に凹凸を有していると共に内部に複数の空孔42を有しており、凹凸の凹部41及び空孔42は、焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものである。また、導電性接着剤32は、側面電極31における凹凸の凹部41に入り込んで配設されている。
以下、これを詳説する。
本例の積層型圧電素子1において、セラミック積層体10は、図2に示すごとく、略円柱状を呈する積層体の外周面103に、相互に対面する一対の電極接合面101、102を形成してなる断面樽形状を呈している。なお、セラミック積層体10の断面形状としては、本例の樽形に限定されるものではなく、用途、使用状況に合わせて円形、四角形、八角形等の様々な形状に変更可能である。
また、同図に示すごとく、セラミック積層体10は、上述のごとく、圧電層11と内部電極層21、22とが交互に積層されている。内部電極層21、22は、外周端部の一部をそれぞれ電極接合面101、102に露出している。また一方で、内部電極層21、22は、外周端部の一部を控え部19によってセラミック積層体10の外周面103に対して内方に控えている。つまり、本例のセラミック積層体10は、いわゆる電極控え構造(部分電極構造)を有しており、このような構造を採用することで、セラミック積層体10の外周面103における電気的な絶縁性を確保している。
また、同図に示すごとく、セラミック積層体10の外周面103には、スリット状の空隙よりなる応力緩和層18が積層方向に一定間隔を持って複数設けられている。応力緩和層18は、外周面103全周に渡って形成されている。
また、セラミック積層体10の両端には、その両端を保護するための保護層12が設けられている。
なお、本例の圧電層11は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)よりなる圧電セラミックスで構成されている。また、保護層12は、圧電層11と同材料により構成されている。また、内部電極層21、22は、Ag/Pd合金により構成されている。
また、セラミック積層体10の構造としては、本例の電極控え構造の他、内部電極層21、22の外周端部がセラミック積層体10の外周面103にすべて露出した全面電極構造やその他の種々の構造を採用することができる。
また、図1に示すごとく、セラミック積層体10の電極接合面101、102には、それぞれ側面電極31が設けられている。各側面電極31は、それぞれ内部電極層21、22に導通されている。また、側面電極31上には、導電性接着剤32が配設されており、この導電性接着剤32によってメッシュ状の外部電極33が接合されている。
なお、本例の側面電極31は、Agとガラスフリットとを含有させた構成を有している。また、導電性接着剤32は、Agフィラーをエポキシ樹脂中に含有させた構成を有している。また、外部電極33は、金属板を加工したメッシュ状のエキスパンダメタルである。
ここで、側面電極31について、さらに詳しく説明する。
側面電極31は、図3に示すごとく、外表面311に凹凸を有しており、内部に空孔42を有している。この凹凸の凹部41及び空孔42は、後述の焼失粒子が焼失して形成されたものである。そして、導電性接着剤32は、側面電極31における凹凸の凹部41に入り込んだ状態で配設されている。なお、凹凸の凹部41の平均深さは3μmであり、空孔42の平均内径は3μmである。また、側面電極31の気孔率は30%である。
次に、積層型圧電素子1の製造方法について、図を用いて説明する。
本例の積層型圧電素子1を製造するに当たっては、図4〜図12に示すごとく、少なくとも、積層体作製工程、側面電極用スラリー塗布工程、側面電極焼付け工程、及び外部電極接合工程を行う。
上記積層体作製工程は、圧電層11となるグリーンシート110と内部電極層21、22となる電極材料200とを交互に積層してなる中間積層体100を焼成し、セラミック積層体10を得る工程である。
上記側面電極用スラリー塗布工程は、セラミック積層体10の電極接合面101、102に、その後の加熱によって焼失する焼失粒子40を含有する側面電極用スラリー310を塗布する工程である。
上記側面電極焼付け工程は、側面電極用スラリー310を加熱することにより、電極接合面101、102に側面電極を焼き付け、かつ、焼失粒子40を焼失させて、側面電極31の外表面311に凹凸を形成すると共に、内部に複数の空孔42を形成する工程である。
上記外部電極接合工程は、側面電極31上に導電性接着剤32を塗布し、導電性接着剤32を側面電極31における凹凸の凹部41に入り込ませ、さらに導電性接着剤32を介して外部電極33を接合する工程である。
以下、これを詳説する。
<積層体作製工程>
まず、圧電層11となるグリーンシート110を作製する。
圧電材料となるジルコン酸チタン酸鉛(PZT)よりなるセラミックス原料粉末を準備し、800〜950℃で仮焼する。次に、仮焼粉に純水、分散剤等を加えてスラリー状とし、パールミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥、粉脱脂した後、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤等を加えてスラリー状とし、ボールミルにより混合する。このスラリーを真空装置内で撹拌機により撹拌しながら真空脱泡、粘度調整を行う。
そして、ドクターブレード法により、上記スラリーをキャリアフィルム119上に塗布し、一定厚みの長尺のグリーンシート110(図4参照)を成形する。
なお、グリーンシート110の成形方法としては、本例で用いたドクターブレード法以外にも、押出成形法やその他種々の方法を用いることができる。
次いで、図4、図5に示すごとく、成形したグリーンシート110に各種材料を配設する。
同図に示すごとく、グリーンシート110の打ち抜き領域50において、内部電極層21、22を形成する部分には、電極材料200をスクリーン印刷により塗布する。そして、電極材料200が塗布されていない部分に、電極材料200と同じ厚みでスペーサ層111をスクリーン印刷により塗布する。さらに、グリーンシート110を積層する際の接着効果を高めるため、電極材料200及びスペーサ層111上に接着層112をスクリーン印刷により塗布する。
また、同図に示すごとく、グリーンシート110の打ち抜き領域50において、応力緩和層18を形成する部分には、その後の焼成によって焼失する焼失材料よりなる応力緩和層形成材料180をスクリーン印刷により塗布する。そして、グリーンシート110を積層する際の接着効果を高めるため、応力緩和層形成材料180が塗布されていない部分に、応力緩和層形成材料180と同じ厚みで接着層112をスクリーン印刷により塗布する。
なお、本例のグリーンシート110への各種材料の配設は、後述する打抜積層装置によってグリーンシート110の打ち抜き領域50を効率よく打ち抜きながら積層できるように、長尺のグリーンシート110の長手方向に、積層する順に印刷を施した。
また、打ち抜き領域50とは、打抜積層装置によって打ち抜く領域のことである。
また、本例の電極材料200としては、ペースト状のAg/Pd合金を用いたが、これ以外にもAg、Pd、Cu、Ni等の単体、Cu/Ni等の合金を用いることができる。また、スペーサ層111及び接着層112としては、グリーンシート110を構成する上記スラリーを用いた。また、応力緩和層形成材料180としては、焼失材料としてのカーボン粒子を用いたが、これ以外にも樹脂粒子、カーボン粒子及び樹脂粒子の混合物、穀物炭化粒子等を用いることができる。
次いで、図6に示すごとく、グリーンシート110の打ち抜き及び積層を同時に進行できるよう構成されている打抜積層装置7を用いて、打ち抜き及び積層を並行して行う。
この打抜積層装置7は、同図に示すごとく、グリーンシート110を打ち抜いて切断するためのトムソン刃71と、グリーンシート110を打ち抜いて切断する際に、トムソン刃71を受けるためのベースプレート72と、グリーンシート110を打ち抜いて得られるシート片51を積層するための積層ホルダ73とを備えている。積層ホルダ73には、積層したシート片51を支持する支持部731と、その支持部731に連通する吸引パイプ732とを備えている。積層ホルダ73は、積層したシート片51を吸引パイプ732で吸引しながら支持部731に支持できるように構成されている。
具体的に、打抜積層装置7を用いた打ち抜き及び積層を説明する。まず、各種材料が配設された長尺のグリーンシート110をキャリアフィルム119ごとベースプレート72の上にセットする。そして、グリーンシート110を送りながら、所定の位置に設置されたトムソン刃71によってグリーンシート110の打ち抜き領域50を打ち抜いて切断し、シート片51を得る。得られたシート片51は、積層ホルダ73の支持部731において、順に接着して積層される。
そして、図7に示すごとく、所定の位置に所定のシート片51が配置されるように積層し、中間積層体100を得る。このとき、中間積層体100の積層方向両端には、最終的に保護層12となる保護層形成シート120を積層しておく。保護層形成シート120は、グリーンシート110に接着層112を配設したものである。
次いで、中間積層体100を加熱することにより脱脂する。加熱条件は、80時間かけて徐々に500℃まで昇温し、この温度で5時間保持する。これにより、中間積層体100に含まれているバインダー樹脂を90%以上除去する。
次いで、脱脂後の中間積層体100を焼成する。焼成条件は、12時間かけて徐々に1065℃まで昇温し、この温度で2時間保持した後、炉内で徐々に冷却する。
これにより、図8のセラミック積層体10を得る。セラミック積層体10には、焼成によって応力緩和層形成材料(焼失材料)180が焼失して、スリット状の空隙よりなる応力緩和層18が形成される。この応力緩和層18は、セラミック積層体10の積層方向に一定の間隔を持って、外周面103全周に渡って複数形成される。
<側面電極用スラリー塗布工程>
次いで、図9、図10に示すごとく、セラミック積層体10の電極接合面101、102に、側面電極用スラリー310をスクリーン印刷により塗布する。このとき、応力緩和層18の一部に側面電極用スラリー310を入り込ませて塗布した。側面電極用スラリー310の平均塗布厚みは20μmとした。また、側面電極用スラリー310の印刷方法としては、スクリーン印刷以外の様々な方法を用いることもできる。
なお、本例の側面電極用スラリー310は、Ag、ガラスフリット、焼失粒子40としてのカーボン粒子、粘度調整用の溶剤等を混合したものを撹拌し、作製した。本例では、側面電極用スラリー310中の焼失粒子40の含有率を12重量%とした。また、焼失粒子としてのカーボン粒子は、平均粒径が6μmである。
<側面電極焼付け工程>
次いで、図9、図11に示すごとく、塗布した側面電極用スラリー310を650℃で加熱することにより、電極接合面101、102に焼き付ける。これにより、セラミック積層体10の電極接合面101、102に、それぞれ側面電極31を形成する。側面電極31には、加熱により焼失粒子40が焼失し、外表面311に凹部41が、内部に空孔42が形成される。
<外部電極接合工程>
次いで、図12に示すごとく、セラミック積層体10の電極接合面101、102に形成した側面電極31上に、導電性接着剤32を塗布する。このとき、導電性接着剤32を側面電極31の外表面311の凹部41に入り込むように塗布する。そして、塗布した導電性接着剤32に外部電極33を埋め込むように配置する。その後、導電性接着剤32を加熱硬化させ、外部電極33を接合する。
以上により、図1の積層型圧電素子1を得る。
なお、本例では、導電性接着剤32としては、絶縁樹脂としてのエポキシ樹脂に導電性フィラーとしてのAgを分散させたものを用いた。上記絶縁樹脂としては、上記以外にもシリコーン、ウレタン、ポリイミド等の各種樹脂を用いることができる。また、上記導電性フィラーとしては、上記以外にもPt、Cu、Ni等を用いることができる。
また、外部電極33としては、金属板を加工したメッシュ状のエキスパンダメタルを用いたが、これ以外にもパンチングメタル等を用いることができる。
次に、本例の積層型圧電素子1における作用効果について説明する。
本例の積層型圧電素子1において、側面電極31の外表面311には、凹凸が形成されている。この凹凸の凹部41は、焼失粒子40を加熱によって焼失させて形成したものである。そして、導電性接着剤32は、側面電極31の外表面311の凹部41に入り込んで配設されている。そのため、導電性接着剤32は、アンカー効果によって側面電極31に対する密着性・接着性を向上させることができ、積層型圧電素子1の駆動時に繰り返し生じる圧電変位に耐え得る密着性・接着性を有するものとなる。これにより、導電性接着剤32の剥離を抑制することができると共に、側面電極31と導電性接着剤32との間の導通性を長期的に確保することができる。
また、導電性接着剤32は、上述のごとく、側面電極31の外表面311の凹部41に入り込んで配設されているため、側面電極31と導電性接着剤32との接触面積は、従来に比べて大きくなる。これにより、両者間の導通性を向上させることができる。
また、側面電極31の内部には、複数の空孔42が形成されている。この空孔42は、凹部41と同様に、焼失粒子40を加熱によって焼失させて形成したものである。そして、側面電極31は、内部に形成された複数の空孔42によって、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を有するものとなる。これにより、圧電変位によって側面電極31に生じる応力を低減することができ、側面電極31の剥離、割れ、クラック等を抑制することができる。
また、本例では、側面電極31は、Ag及びガラスフリットを含有して構成されている。そのため、ガラスフリットを含有していることによって、側面電極31をセラミック積層体10の電極接合面101、102に対して強固に接合して設けることができる。また、従来用いられていたAg/Pd合金等と比べて安価であり、製造コストを抑えることができる。
また、側面電極31の外表面311の凹部41は、平均深さが3μmである。そのため、導電性接着剤32は、アンカー効果を充分に得ることができる。
また、側面電極31における空孔42は、平均内径が3μmであり、気孔率が30%である。そのため、側面電極31は、圧電変位に追従し得る弾力性・伸縮性を充分に得ることができる。
また、セラミック積層体10の外周面103の少なくとも電極接合面101、102には、スリット状の空隙よりなる応力緩和層18が複数形成されている。そのため、応力緩和層18は、圧電変位によってセラミック積層体10の内部に生じる応力を効果的に緩和することができる。これにより、セラミック積層体10の内部に発生する割れ、クラック等を抑制することができる。
また、側面電極31を応力緩和層18に入り込ませて配設しているため、側面電極31は、アンカー効果によってセラミック積層体10の電極接合面101、102に対する密着性・接着性が向上する。これにより、圧電変位によって生じる応力により、側面電極31がセラミック積層体10の電極接合面101、102上から剥離することを抑制することができる。
また、本例の製造方法では、側面電極用スラリー310は、焼失粒子40の含有率が12重量%である。そのため、側面電極31の外表面311に凹部41を、内部に空孔42を充分に形成することができる。
また、焼失粒子40としては、平均粒径6μmのカーボン粒子を用いた。そのため、側面電極用スラリー310を加熱することによって焼失粒子40を容易に焼失させることができると共に、側面電極31の外表面311に凹部41を、内部に空孔42を充分な大きさで確実に形成することができる。
このように、本例の積層型圧電素子は、駆動時における不具合の発生を抑制することができ、長期間の使用においても優れた耐久性・信頼性を有するものとなる。
(実施例2)
本例は、実施例1の積層型圧電素子1において、側面電極31の配設形状を変更した例である。
本例の側面電極31は、図13に示すごとく、セラミック積層体10の積層方向に互いに間隔を設けて複数に分割された分割部319により構成されている。そして、長方形状の分割部319を一定間隔で断続的に設けている。また、電極接合面101(102)に露出している内部電極層21(22)は、複数の分割部319のうちのいずれかと接触しており、内部電極層21(22)と側面電極31と導通性を確保している。
また、図14に示すごとく、導電性接着剤32は、側面電極31の外表面311の凹部41及び分割部319間の間隙318に入り込んで配設されている。なお、図14は、セラミック積層体10の電極接合面101付近を拡大して示したものである。
その他は、実施例1と同様の構成である。
この場合には、導電性接着剤32は、側面電極31の外表面311の凹部41に加えて、分割部319間の間隙318にも入り込んで配設されている。そのため、導電性接着剤32は、より一層アンカー効果を得ることができ、側面電極31に対する密着性・接着性をさらに向上させることができる。
その他は、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、側面電極31の分割部319は、様々なパターン、様々な形状で設けることができる。
図15は、斜線状の分割部319を断続的に設けた例である。また、図16は、V字状の分割部319を断続的に設けた例である。また、図17は、ドット(島)状の分割部319を断続的に複数列設けた例である。
また、図18(a)は、菱形状の分割部319を格子状に設けた例、図18(b)は、長方形状の分割部319を断続的に互い違いに設けた例、図18(c)は、六角形状の分割部319を格子状に設けた例である。なお、図18(a)〜(c)は、側面電極31における分割部319のパターンのみを示したものである。
(実施例3)
本例は、実施例1の積層型圧電素子1をインジェクタ6の圧電アクチュエータとして用いた例である。
本例のインジェクタ6は、図19に示すごとく、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適用したものである。
このインジェクタ6は、同図に示すごとく、駆動部としての積層型圧電素子1が収容される上部ハウジング62と、その下端に固定され、内部に噴射ノズル部64が形成される下部ハウジング63を有している。
上部ハウジング62は略円柱状で、中心軸に対し偏心する縦穴621内に、積層型圧電素子1が挿通固定されている。
縦穴621の側方には、高圧燃料通路622が平行に設けられ、その上端部は、上部ハウジング62上側部に突出する燃料導入管623内を経て外部のコモンレール(図示略)に連通している。
上部ハウジング62上側部には、また、ドレーン通路624に連通する燃料導出管625が突設し、燃料導出管625から流出する燃料は、燃料タンク(図示略)へ戻される。
ドレーン通路624は、縦穴621と駆動部(積層型圧電素子)1との間の隙間60を経由し、さらに、この隙間60から上下ハウジング62、63内を下方に延びる図示しない通路によって後述する3方弁651に連通してしる。
噴射ノズル部64は、ピストンボデー631内を上下方向に摺動するノズルニードル641と、ノズルニードル641によって開閉されて燃料溜まり642から供給される高圧燃料をエンジンの各気筒に噴射する噴孔643を備えている。燃料溜まり642は、ノズルニードル641の中間部周りに設けられ、上記高圧燃料通路622の下端部がここに開口している。ノズルニードル641は、燃料溜まり642から開弁方向の燃料圧を受けるとともに、上端面に面して設けた背圧室644から閉弁方向の燃料圧を受けており、背圧室644の圧力が降下すると、ノズルニードル641がリフトして、噴孔643が開放され、燃料噴射がなされる。
背圧室644の圧力は3方弁651によって増減される。3方弁651は、背圧室644と高圧燃料通路622、またはドレーン通路624と選択的に連通させる構成である。ここでは、高圧燃料通路622またはドレーン通路624へ連通するポートを開閉するボール状の弁体を有している。この弁体は、上記駆動部1により、その下方に配設される大径ピストン652、油圧室653、小径ピストン654を介して、駆動される。
そして、本例においては、上記構成のインジェクタ6における駆動源として、本発明の積層型圧電素子1を用いている。この積層型圧電素子1は、上記のごとく、優れた耐久性及び信頼性を有するものである。そのため、インジェクタ6全体の性能向上を図ることができる。
実施例1における、積層型圧電素子の構造を示す説明図。 実施例1における、セラミック積層体の構造を示す説明図。 実施例1における、セラミック積層体の電極接合面を示す拡大図。 実施例1における、グリーンシートに印刷を施す工程を示す説明図。 実施例1における、グリーンシートに印刷を施した状態を示す説明図。 実施例1における、打抜積層装置の構成を示す説明図。 実施例1における、シート片を積層して中間積層体を作製する工程を示す説明図。 実施例1における、セラミック積層体を示す説明図。 実施例1における、側面電極用スラリーを塗布する工程を示す説明図。 実施例1における、側面電極用スラリーを塗布したセラミック積層体の電極接合面を示す拡大図。 実施例1における、側面電極を焼き付けたセラミック積層体の電極接合面を示す拡大図。 実施例1における、外部電極を接合する工程を示す説明図。 実施例2における、側面電極のその他の配設パターンを示す説明図。 実施例2における、セラミック積層体の電極接合面を示す拡大図。 実施例2における、側面電極のその他の配設パターンを示す説明図。 実施例2における、側面電極のその他の配設パターンを示す説明図。 実施例2における、側面電極のその他の配設パターンを示す説明図。 実施例2における、(a)〜(c)側面電極のその他の配設パターンを示す説明図。 実施例3における、インジェクタの構造を示す説明図。
符号の説明
1 積層型圧電素子
10 セラミック積層体
101、102 電極接合面
11 圧電層
21、22 内部電極層
31 側面電極
311 外表面
32 導電性接着剤
33 外部電極
41 凹部
42 空孔

Claims (18)

  1. 圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有し、該セラミック積層体の外周面における一対の電極接合面には、上記内部電極層に順次交互に導通される一対の側面電極が設けられ、該側面電極上には、導電性接着剤を介して外部電極が接合されている積層型圧電素子において、
    上記側面電極は、外表面に凹凸を有していると共に内部に複数の空孔を有しており、上記凹凸の凹部及び上記空孔は、焼失粒子を加熱によって焼失させて形成したものであり、
    上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込んで配設されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 請求項1において、上記側面電極は、Ag及びガラスフリットを含有して構成されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  3. 請求項1又は2において、上記側面電極における上記凹凸の凹部は、平均深さが1.5〜6μmであることを特徴とする積層型圧電素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記側面電極における上記空孔は、平均内径が1.5〜6μmであることを特徴とする積層型圧電素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記側面電極は、気孔率が20〜60%であることを特徴とする積層型圧電素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記側面電極は、上記セラミック積層体の積層方向に互いに間隔を設けて複数に分割された分割部により構成されており、上記導電性接着剤は、上記側面電極における上記分割部間の間隙に入り込んで配設されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記セラミック積層体の外周面の少なくとも上記電極接合面には、少なくとも空隙を含んで構成される応力緩和層が1又は複数形成されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、上記積層型圧電素子は、インジェクタの駆動源として用いられるインジェクタ用圧電アクチュエータであることを特徴とする積層型圧電素子。
  9. 圧電材料よりなる圧電層と導電性を有する内部電極層とを交互に積層してなるセラミック積層体を有し、該セラミック積層体の外周面における一対の電極接合面には、上記内部電極層に順次交互に導通される一対の側面電極が設けられ、該側面電極上には、導電性接着剤を介して外部電極が接合されている積層型圧電素子を製造する方法において、
    上記圧電層となるグリーンシートと上記内部電極層となる電極材料とを交互に積層してなる中間積層体を焼成し、上記セラミック積層体を得る積層体作製工程と、
    上記セラミック積層体の上記電極接合面に、その後の加熱によって焼失する焼失粒子を含有する側面電極用スラリーを塗布する側面電極用スラリー塗布工程と、
    上記側面電極用スラリーを加熱することにより、上記電極接合面に上記側面電極を焼き付け、かつ、上記焼失粒子を焼失させて、上記側面電極の外表面に凹凸を形成すると共に内部に複数の空孔を形成する側面電極焼付け工程と、
    上記側面電極上に上記導電性接着剤を塗布し、該導電性接着剤を上記側面電極における上記凹凸の凹部に入り込ませ、さらに上記導電性接着剤を介して上記外部電極を接合する外部電極接合工程とを有する積層型圧電素子の製造方法。
  10. 請求項9において、上記側面電極用スラリーは、上記焼失粒子に加えてAg及びガラスフリットを含有していることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  11. 請求項9又は10において、上記側面電極用スラリーは、上記焼失粒子を8〜24重量%含有していることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項において、上記焼失粒子は、カーボン粒子、炭化有機物粒子、又は樹脂粒子の少なくとも1種以上を含有することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項において、上記焼失粒子は、平均粒径が2〜7μmであることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項において、上記側面電極における上記凹凸の凹部は、平均深さが1.5〜6μmであることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項において、上記側面電極における上記空孔は、平均内径が1.5〜6μmであることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  16. 請求項9〜15のいずれか1項において、上記側面電極は、気孔率が20〜60%であることを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  17. 請求項9〜16のいずれか1項において、上記側面電極用スラリー塗布工程では、上記セラミック積層体の上記電極接合面に、上記側面電極用スラリーを上記セラミック積層体の積層方向に互いに間隙を設けて複数部分に塗布し、上記側面電極焼付け工程では、上記電極接合面に、互いに間隙を設けて複数に分割された分割部により構成された上記側面電極を焼き付け、上記外部電極接合工程では、上記導電性接着剤を上記側面電極における上記分割部間の間隙に入り込ませて塗布することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
  18. 請求項9〜17のいずれか1項において、上記積層体作製工程では、上記中間積層体にその後の焼成によって焼失する焼失材料を含有する応力緩和層形成材料を予め配設しておき、上記中間積層体を焼成することにより、上記焼失材料を焼失させて、上記セラミック積層体の外周面の少なくとも上記電極接合面に、少なくとも空隙を含んで構成される応力緩和層を1又は複数形成することを特徴とする積層型圧電素子の製造方法。
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