JP2005129871A - 積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高電界、高圧力下で使用した場合でも変位のばらつきが小さく、また長期間連続駆動させた場合でも変位量の変化が小さく、信頼性、耐久性に優れた積層型圧電素子及び噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体を有し、該積層体の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、内部電極を貫き、内部電極を挟んで対向する圧電体をつなぐセラミックからなる柱を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層型圧電素子および噴射装置に関し、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置等に搭載される駆動素子、ならびに燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、ならびに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子に用いられる積層型圧電素子および噴射装置に関するものである。
従来より、積層型圧電素子としては、圧電体と内部電極を交互に積層した積層型圧電アクチュエータが知られている。積層型圧電アクチュエータには、同時焼成タイプと、圧電磁器と内部電極板を交互に積層したスタックタイプとの2種類に分類されており、低電圧化、製造コスト低減の面から考慮すると、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータが薄層化に対して有利であるために、その優位性を示しつつある。
図5は、従来の積層型圧電アクチュエータを示すもので、この積層型圧電アクチュエータでは、圧電体51と内部電極52が交互に積層されて積層体53が形成され、その積層方向における両端面には不活性層55が積層されている。内部電極52は、その一方の端部が積層体53の側面に左右交互に露出しており、この内部電極52の端部が露出した積層体53の側面に、外部電極70が形成されている。内部電極52の他方の端部は絶縁体61により被覆され、外部電極70とは絶縁されている。
また、同時焼成タイプの積層型圧電アクチュエータは、圧電体の仮焼粉末と有機バインダーからなるセラミックグリーンシートに、銀−パラジウム粉末にバインダーを添加混合した内部電極ペーストを印刷したものを所定枚数積層して得られた積層成形体について、所定の温度で脱脂を行った後、焼成することによって、積層体を得ていた。
従来の圧電体は、焼成温度として1200〜1300℃の温度が必要であったため、高価なパラジウムの比率の高い銀−パラジウムが内部電極として用いられていた。しかしながら、最近では低温焼成化の技術が進み、1100℃程度の温度で焼成可能な圧電体が開発されてきたが、この場合でも内部電極の融点を考慮すると、銀比率70重量%、パラジウム比率30重量%の銀−パラジウムが必要であった。
また内部電極が金属であるために圧電体との接合力が弱くまた、熱膨張の差による内部応力の発生により内部電極と圧電体との界面でクラックが発生したり、ひどい場合は、積層体が破壊するという問題も発生していた。そこでこの問題を解決するために、例えば特許文献1には、内部電極にセラミック粉末を混ぜ圧電体と内部電極との接合強度を増す方法が示されている。
ところで、近年においては、小型の圧電アクチュエータで大きな圧力下において大きな変位量を確保するためにより高い電界を印加し、長時間連続駆動させることが行われている。
特開平4−299588号公報
しかしながら、従来の積層型圧電アクチュエータでは、内部電極52部分が圧電体51に比べ柔らかいために圧電体51で発生する変位の一部が吸収され、変位のばらつきが大きくなると言う問題があった。また、耐久性においても問題があり、長時間の繰り返しの使用後に変位量のばらつきが大きくなると言う問題もあった。これら問題は、上記特許文献1に示すように内部電極52にセラミック粉末を混ぜて内部電極52と圧電体51との接合強度向上する方法でも解決することはできなかった。
即ち、近年のように、アクチュエータを小型化し、大きな圧力下で大きな変位量を確保するために、より高い電界を印加し、長時間連続駆動させているが、この場合、使用初期において個々のアクチュエータの変位のばらつきが問題となっている。更に、長時間の運転での変位量の変化も問題となっている。
そこで本発明は、高電界、高圧力下で使用した場合でも変位のばらつきが小さく、また長期間連続駆動させた場合でも変位量の変化が小さく、信頼性、耐久性に優れた積層型圧電素子及び噴射装置を提供することを目的とする。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体を有し、該積層体の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、前記内部電極を貫き、この内部電極を挟んで対向する圧電体をつなぐ柱を設けたことを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記柱と圧電体の接合部分の径が柱の最大径の50%以上であるものの個数が全体の30%以上を占めることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記柱の最小径の平均値が0.2μm以上であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、柱が1mm当り5〜150本存在することを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、柱と圧電体との熱膨張差が3×10−5/℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、柱が圧電体と同じ材料からなることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記内部電極中の金属組成物がVIII族金属及び/又はIb族金属を主成分とすることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記内部電極中のVIII族金属の含有量をM1(重量%)、Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100を満足することを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osの内少なくとも一種以上であり、前記Ib族金属がCu、Ag、Auの内少なくとも一種以上であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がPt、Pdの内少なくとも一種以上であり、前記Ib族金属がAg、Auの内少なくとも一種以上であることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記VIII族金属がNiであり、Ib族金属がCuであることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記圧電体がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記圧電体がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分としたものであることを特徴とする。
また、本発明の積層型圧電素子は、前記積層体の側面に端部が露出する前記内部電極と端部が露出しない前記内部電極とが交互に構成されており、前記端部が露出していない前記内部電極と前記外部電極間の圧電体部分に溝が形成されており、前記溝に前記圧電体よりもヤング率の低い絶縁体が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された上記積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備することを特徴とする。
このように、本発明の積層型圧電素子によれば、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体を有し、該積層体の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、内部電極を貫き、内部電極を挟んで対向する圧電体をつなぐ柱を設けることで、個々の変位量のばらつきを小さくすることができ、さらに、長時間の連続運転後も変位量の変化が小さい、高信頼性で耐久性の向上した圧電アクチュエータを提供することができる。
更には、積層型圧電素子の変位のばらつきが小さく、連続駆動させてもその変位量の変化が小さいことから、耐久性に優れ、高信頼性の噴射装置を提供することができる。
図1は本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータの実施例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。また、図2は、内部電極2部分の断面図である。
本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータは、図1に示すように、複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層してなる四角柱状の積層体10の側面において、内部電極2の端部を一層おきに絶縁体3で被覆し、絶縁体3で被覆していない内部電極2の端部に、銀を主成分とする導電材とガラスからなり、且つ3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極4を接合し、各外部電極4にリード線6を接続固定して構成されている。上記積層体が必ずしも四角柱である必要は無く、円柱、多角柱等さまざまな形が考えられる。
圧電体1の間には内部電極2が配されているが、この内部電極2は銀−パラジウム等の金属材料で形成されており、各圧電体1に所定の電圧を印加し、圧電体1に逆圧電効果による変位を起こさせる作用を有している。
これに対して、不活性層9は内部電極2が配されていない複数の圧電体1の層であるため、電圧を印加しても変位を起こさない。
また、積層体10の対向する側面には外部電極4が接合されており、この外部電極4には、積層されている内部電極2が一層おきに電気的に接続されているため、接続されている各内部電極2に圧電体1を逆圧電効果により変位させるに必要な電圧を共通に供給することができる。
さらに、外部電極4にはリード線6が半田等により接続固定されているため、外部電極4を外部の電圧供給部に接続することができる。
そして本発明の積層型圧電アクチュエータでは、図2に示すように、内部電極2を貫き挟んで対向する圧電体1をつなぐ複数の柱20が設けられている。このように、圧電体1間に例えば、セラミックのように硬い物質で柱20を形成することにより、内部電極2の剛性が向上し、内部電極2で起こる変位量の吸収が少なくなるため、変位量が安定化する。その結果、各製品の変位量のばらつきが小さくなり、信頼性を向上することができる。また、長時間の使用後の変位量の変化も小さくなり、耐久性を向上することができる。
また、図2に示すように柱20と圧電体1との接合部分22の径Bが柱20の最大径Aの50%以上であるような柱20の個数が全体の30%以上を占めることが好ましい。これは、柱20と圧電体1との接合部分22の径Bが柱20の最大径Aの50%以上であるような柱20の個数が30%以上を占めることにより、柱20と圧電体1の強度が大きくなり、また剛性も大きくなるので、内部電極2で起こる変位量の吸収が少なくなり、変位量が安定化するためである。その結果、各製品の変位量のばらつきが小さくなり、信頼性を向上することができる。また、長時間の使用後の変位量の変化も小さくなり、耐久性を向上することができる。同様の理由から、柱20と圧電体1との接合部分22の径Bが柱20の最大径Aの50%以上である柱20の個数が50%以上であることがより好ましい。
ここで、測定方法について説明する。図2のように積層型圧電素子の内部電極2付近の断面写真において1mm程度の長さを測定し、各柱20について最大径Aと圧電体1との接合部分の径Bを測定し、(B/A)×100の計算をして、個々の柱20に関して、柱20の最大径Aと柱20と圧電体1との接合部分22の径Bの割合を求めた。そして、その値が50%以上のものの個数が測定した数の何%あるかを計算した。このようなことを、10箇所行って平均を取って数値として表した。
また、本発明では、柱20の最小径の平均値が0.2μm以上であることが好ましい。更に0.3μm以上であることがより好ましい。このようにすることで、柱20の強度が大きくなり、破壊しにくくなるため、変位量のばらつきを小さくし、連続使用後の変位量の変化も小さくなり、信頼性と耐久性が向上する。
また、本発明の積層型圧電素子では、内部電極2付近の断面において、柱20が1mm当り5〜150本存在することが好ましい。また、10〜100本存在することがより好ましい。これは、柱20の数を上記のようにすることで、剛性を高めることができ、変位量のばらつきの小さい信頼性に優れた積層型圧電素子が得られるためである。柱20の数が5本より少ないと上記の効果が小さくなり、一方、柱20の数が100本より多いと内部電極2の抵抗が大きくなり電極が加熱するなど電極としての機能が低下する。
さらに、柱20と圧電体1との熱膨張差が3×10−5/℃以下、特に2×10−5/℃であることが好ましい。これにより、圧電体1と柱20の間での内部応力が小さくなり、界面での接合強度が大きくなり耐久性が向上できる。熱膨張差が3×10−5/℃以下の場合としては、圧電体1にPZTを用いた場合、柱20の材料は、PZT、Al、ZrO、TiO、SiO等を用いることができる。
更には、柱20が圧電体1とが同じ材料から成ることが好ましい。これにより、柱20と圧電体1との間で発生する内部応力は、更に小さくなり、界面での接合強度が大きくなり耐久性が向上できる。
前記柱20の形成は、製造工程で予め内部電極2中に上記柱20を成す材料の粉末を混合しておき、昇温中に焼成の最高温度の80%以上の温度で、一回以上保持することによって達成される。つまり、従来の焼成とは異なり、脱脂をした後に、最高焼成温度の80%以上で一旦保持することにより、内部電極2に混合された柱20を成す材料の粉末が周囲の金属組成物の影響を受け、粒成長を生じやすい状態となり、最高焼成温度で焼成することで粒成長が対向する圧電体1の間を連結することで、内部電極2を貫き、内部電極2を挟んで対向する圧電体1をつなぐ柱20を形成することができる。内部電極2に添加する柱20の材料粉末の添加量は、5〜40重量%が適当である。40重量%よりも多くなると電極の抵抗が上がり過ぎ、加熱する可能性があり、また5重量%より小さいと柱を十分に設けることができず、内部電極の剛性を向上する効果が小さくなり、信頼性及び耐久性を十分に向上させることができなくなる。
本発明の内部電極2中の金属組成物は、VIII族金属とIb族金属からなるのがよい。上記の金属組成物は耐熱性があることから、圧電体1と内部電極2を同時焼成することができる。
そして、本発明の内部電極2中の金属組成物がVIII族金属の含有量をM1(重量%、)Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100を満足する金属組成物を主成分とすることが好ましい。
本発明の内部電極2を成す金属成分の主成分の組成比を上記範囲に限定したのは、次の理由による。即ち、M1を0.001以上15以下としたのは、0.001未満では内部金属M2元素が圧電体中へマイグレーションし、また15を越えると、内部電極2の比抵抗が大きくなり、積層型圧電素子を連続駆動させた場合、内部電極2部が発熱して、電極と磁器界面が劣化することで、駆動中にデラミネーションが発生するからである。特にデラミネーションを防止して積層型圧電素子の耐久性を向上させるという点では、M1は0.1以上10以下が好ましい。また、熱伝導に優れ、より高い耐久性を必要とする場合は0.5以上9.5以下がより好ましい。また、さらに高い耐久性を求める場合は2以上8以下がさらに好ましい。
また、M2を85以上99.999以下としたのは、99.999を超えると内部金属M2元素は圧電体1中へのマイグレーションし、また85未満では、内部電極2の比抵抗が大きくなり、積層型圧電素子を連続駆動させた場合、内部電極2部が発熱して、電極と磁器界面が劣化することで、駆動中にデラミネーションが発生するからである。特に積層型圧電素子の耐久性を向上させるという点では、M2は、90以上99.9が好ましい。また、より高い耐久性を必要とする場合は90.5以上99.5以下がより好ましい。また、さらに高い耐久性を求める場合は92以上98以下がさらに好ましい。
これら、内部電極2中の金属成分の重量%を示すM1、M2はEPMA(Electron Probe Micro Analysis)法等の分析方法で特定できる。
また、本発明の内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がCu,Ag、Auのうち少なくとも1種以上であることが好ましい。これは、近年における合金粉末合成技術において量産性に優れた金属組成であるからである。
上記内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がPt、Pdのうち少なくとも1種以上であり、Ib族金属がAg、Auのうち少なくとも1種以上であることが、より好ましい。これにより、耐熱性が優れた電極を形成できるとともに、内部電極2の比抵抗を小さくできることから、連続駆動させても、内部電極2部の発熱を抑制することができるからである。更には、内部電極2の含有する金属成分が、Ib族金属であるAgを主成分とし、VIII族金属であるPt、Pdのうち1種以上を含有することが好ましい。
更に、上記内部電極2中の金属成分は、VIII族金属がNiであり、Ib族金属がCuであることが、より好ましい。これにより、耐酸化性に優れた電極を形成することができ、連続駆動させても内部電極2の抵抗が劣化しにくく、耐久性を向上することができるからである。
また、本発明の圧電体1がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。これは、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)を代表とするペロブスカイト型圧電セラミックス材料等で形成されると、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いことから、変位量を大きくできる。さらに、優れた圧電素子として機能するとともに圧電体と内部電極を同時焼成することができる。
また、本発明の圧電体がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分とすることが好ましい。
これにより、このような積層型圧電素子では、さらに圧電歪み定数d33が高いことから、変位量を大きくできる。
また、本発明の積層型圧電素子の側面に端部が露出する内部電極と端部が露出しない内部電極とが交互に構成されており、該端部が露出していない内部電極と外部電極間の圧電体部分に溝が形成されており、この溝内に、圧電体よりもヤング率の低い絶縁体が形成されていることが好ましい。
これにより、このような積層型圧電素子では、駆動中の変位によって生じる応力を緩和することができることから、連続駆動させても、内部電極部の発熱を抑制することができる。
また、図3に示すように外部電極4が3次元網目構造をなす多孔質導電体からなるのが望ましい。外部電極4が3次元網目構造をなす多孔質導電体で構成されていなければ、外部電極4はフレキシブル性を有しないため、積層型圧電アクチュエータの伸縮に追従できなくなるので、外部電極4の断線や外部電極4と内部電極2の接点不良が生じる場合がある。ここで、3次元網目構造とは、外部電極4にいわゆる球形のボイドが存在している状態を意味するのではなく、外部電極4を構成する導電材粉末とガラス粉末が、比較的低温で焼き付けられている為に、焼結が進みきらずにボイドがある程度連結した状態で存在し、外部電極4を構成する導電材粉末とガラス粉末が3次元的に連結、接合した状態を示唆している。
あるいは、外部電極4中の空隙率が30〜70体積%であることが望ましい。ここで、空隙率とは、外部電極4中に占める空隙4aの比率である。これは、外部電極4中の空隙率が30体積%より小さければ、外部電極4が積層型圧電アクチュエータの伸縮によって生じる応力に耐えきれずに、外部電極4が断線する可能性がある。また、外部電極4中の空隙率が70体積%を超えると、外部電極4の抵抗値が大きくなるため、大電流を流した際に外部電極4が局所発熱を起こして断線してしまう可能性がある。
さらに、外部電極4の圧電体1側表層部にガラスリッチ層が形成されていることが望ましい。これは、ガラスリッチ層が存在しないと、外部電極4中のガラス成分との接合が困難になるため、外部電極4が圧電体1との強固な接合が容易でなくなる可能性がある。
また、外部電極4を構成するガラスの軟化点(℃)が、内部電極2を構成する導電材の融点(℃)の4/5以下であることが望ましい。これは、外部電極4を構成するガラスの軟化点が、内部電極2を構成する導電材の融点の4/5を超えると、外部電極4を構成するガラスの軟化点と内部電極2を構成する導電材の融点が同程度の温度になるため、外部電極4を焼き付ける温度が必然的に内部電極2を構成する融点に近づくので、外部電極4の焼き付けの際に、内部電極2及び外部電極4の導電材が凝集して拡散接合を妨げたり、また、焼き付け温度を外部電極4のガラス成分が軟化するのに十分な温度に設定できないため、軟化したガラスによる十分な接合強度を得ることができない場合がある。
さらに、外部電極4を構成するガラスを非晶質にすることが望ましい。これは、結晶質のガラスでは、積層型圧電アクチュエータの伸縮によって生じる応力を外部電極4が吸収できないので、クラック等が発生する場合がある。
さらに、外部電極4の厚みが圧電体1の厚みよりも薄いことが望ましい。これは、外部電極4の厚みが圧電体1の厚みよりも厚いと、外部電極4の強度が増大するため、積層体10が伸縮する際に、外部電極4と内部電極2の接合部の負荷が増大し、接点不良が生じる場合がある。
さらに、外部電極4の外面に、金属のメッシュ若しくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材7を設けることが望ましい。外部電極4の外面に導電性補助部材7を設けないと、積層体10に大電流を流して駆動する際に、外部電極4が大電流に耐えきれずに局所発熱してしまい、断線する可能性がある。
また、外部電極4の外面にメッシュ若しくはメッシュ状の金属板を使用しないと、積層体10の伸縮による応力が外部電極4に直接作用することにより、駆動中の疲労によって外部電極4が積層体10の側面から剥離しやすくなる可能性がある。
さらに、導電性接着剤が導電性粒子を分散させたポリイミド樹脂からなることが望ましい。これは、ポリイミド樹脂を使用することにより、積層体10を高温下で駆動させる際にも、比較的高い耐熱性を有するポリイミド樹脂を使用することによって、導電性接着剤が高い接着強度を維持しやすい。
さらに、導電性粒子が銀粉末であることが望ましい。これは、導電性粒子に比較的抵抗値の低い銀粉末を使用することによって、導電性接着剤における局所発熱を抑制しやすい。
また、本発明の積層型圧電素子は単板あるいは積層数が1またはそれ以上からなることが好ましい。これにより、素子に加えられた圧力を電圧に変換することも、素子に電圧を加えることで素子を変位させることもできるため、素子駆動中に予期せぬ応力を加えられたとしても、応力を分散して電圧変換することで、応力緩和させることができるので、耐久性に優れた高信頼性の圧電アクチュエータを提供することができる。
さらに、図4は、本発明の積層型圧電素子を用いた噴射装置を示すもので、噴射孔33を有する収納容器31と、この収納容器31に収容された圧電アクチュエータ43と、この圧電アクチュエータの駆動により噴射孔33から液体を噴出させるバルブ35を有している。
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、バルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
また、バルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41となっている。
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
これにより、噴射装置では、上記したように、積層型圧電素子において、連続駆動させても、所望の変位量が実効的に変化しないために、装置が誤作動することなく、耐久性に優れた高信頼性の噴射装置を提供することができる。
本発明品の積層型圧電素子の製造方法について以下に説明する。
本発明の積層型圧電素子は、まず、積層体10を作製する。複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層して成る積層体10は、例えば、PbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物等の圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系、ブチラール系等の有機高分子から成るバインダーと、DBP(フタル酸ジオチル)、DOP(フタル酸ジブチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製し、該スラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法により圧電体1となるセラミックグリーンシートを作製する。
次に、例えば、銀−パラジウム等の内部電極を構成する金属粉末に柱20の材料としてPZT、Al、ZrO、TiO、SiO等のセラミック粉末をいずれか一種以上とバインダー、可塑剤等を添加混合して導電性ペーストを作製し、これを前記各グリーンシートの上面にスクリーン印刷等によって1〜40μmの厚みに印刷する。
そして、上面に導電性ペーストが印刷されたグリーンシートを複数積層し、この積層体について所定の温度で脱バインダーを行った後、最高温度の80%以上の温度で一旦保持した後、最高温度である900〜1200℃で焼成する。最高温度の80%以上での保持時間は0.25hより長い方が好ましい。更に2段以上のステップを設けても良い。例えば、最高保持温度の80%と90%で保持を入れて多段のパターンで加熱しても良い。柱の成長を促すためには、最高保持温度の80%以上で一旦保持することが必要である。これにより、対向する圧電体を強固に結合することができる。900℃以上1200℃以下に限定したのは、900℃より低温では、緻密な圧電体を作製することができず、1200℃を超えると焼成時の電極の収縮と圧電体の収縮のずれを起因とした応力が大きくなり、連続駆動時にクラックが発生する理由からである。
また、電極中の組成のずれが焼成前後で5%以下であることが好ましい。これにより、電極が硬くなることを抑制することができる。これによって積層体10が作製される。
その後、積層型圧電素子の側面に端部が露出する内部電極と端部が露出しない内部電極2とが交互に構成して、該端部が露出していない内部電極2と外部電極4間の圧電体1部分に溝を形成して、この溝内に、圧電体1よりもヤング率の低い、例えば樹脂またはゴム等の絶縁体を形成させる場合には、内部ダイシング装置等により柱状積層体10の側面に一層おきに溝3を形成する。
外部電極4を構成する導電材はアクチュエータの伸縮によって生じる応力を十分に吸収するという点から、ヤング率の低い銀、若しくは銀が主成分の合金が望ましい。
ガラス粉末に、バインダーを加えて銀ガラス導電性ペーストを作製し、これをシート状に成形し、乾燥した(溶媒を飛散させた)シートの生密度を6〜9g/cmに制御し、このシートを、柱状積層体10の外部電極形成面に転写し、ガラスの軟化点よりも高い温度、且つ銀の融点(965℃)以下の温度で、且つ焼成温度(℃)の4/5以下の温度で焼き付けを行うことにより、銀ガラス導電性ペーストを用いて作製したシート中のバインダー成分が飛散消失し、3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極4を形成することができる。
なお、前記銀ガラス導電性ペーストの焼き付け温度は、ネック部を有効的に形成し、銀ガラス導電性ペースト中の銀と内部電極2を拡散接合させ、また、外部電極4中の空隙を有効に残存させ、さらには、外部電極4と積層体10側面とを部分的に接合させるという点から、550〜700℃が望ましい。また、銀ガラス導電性ペースト中のガラス成分の軟化点は、500〜700℃が望ましい。
焼き付け温度が700℃より高い場合には、銀ガラス導電性ペーストの銀粉末の焼結が進みすぎ、有効的な3次元網目構造をなす多孔質導電体を形成することができず、外部電極4が緻密になりすぎてしまい、結果として外部電極4のヤング率が高くなりすぎ駆動時の応力を十分に吸収することができずに外部電極4が断線してしまう可能性がある。好ましくは、ガラスの軟化点の1.2倍以内の温度で焼き付けを行った方がよい。
一方、焼き付け温度が550℃よりも低い場合には、内部電極2端部と外部電極4の間で十分に拡散接合がなされないために、ネック部が形成されず、駆動時に内部電極2と外部電極4の間でスパークを起こしてしまう可能性がある。
なお、銀ガラス導電性ペーストのシートの厚みは、圧電体1の厚みよりも薄いことが望ましい。さらに好ましくは、アクチュエータの伸縮に追従するという点から、50μm以下がよい。
次に、外部電極4を形成した積層体10をシリコーンゴム溶液に浸漬するとともに、シリコーンゴム溶液を真空脱気することにより、積層体10の溝内部にシリコーンゴムを充填し、その後シリコーンゴム溶液から積層体10を引き上げ、積層体10の側面にシリコーンゴムをコーティングする。その後、溝内部に充填、及び積層体10の側面にコーティングした前記シリコーンゴムを硬化させる。
その後、外部電極4にリード線を接続することにより本発明の積層型圧電素子が完成する。
そして、リード線を介して一対の外部電極4に0.1〜3kV/mmの直流電圧を印加し、積層体4を分極処理することによって、製品としての積層型圧電アクチュエータが完成し、リード線を外部の電圧供給部に接続し、リード線及び外部電極4を介して内部電極2に電圧を印加させれば、各圧電体1は逆圧電効果によって大きく変位し、これによって例えばエンジンに燃料を噴射供給する自動車用燃料噴射弁として機能する。
以上のように構成された積層型圧電素子は、内部電極2の剛性が高くなり、また、接合強度が向上するので、内部電極での変位量の吸収を少なくき、更に連続駆動させても、デラミネーションが発生しないので、変位量が実効的に変化せず、ゆえに、装置が誤作動することなく、高信頼性の圧電アクチュエータを提供することができる。
本発明の積層型圧電素子はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
また、上記例では、柱状積層体10の対向する側面に外部電極4を形成した例について説明したが、本発明では、例えば隣設する側面に一対の外部電極を形成してもよい。
また、本発明は、積層型圧電素子および噴射装置に関するものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止装置等に搭載される駆動素子、ならびに燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、ならびに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子以外であっても、圧電特性を用いた素子であれば、用いることが可能であることは言うまでもない。
実施例
本発明の積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、柱状積層体を作製した。圧電体は厚み150μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)、で形成し、これに、内部電極は厚み3μmにて形成し、圧電体及び内部電極の各々の積層数は300層とした。内部電極には、表1に示すような金属(例えば90Ag−10Pd)とセラミック等の粉末の混合物を用いた。セラミック等の粉末の粒径は、1.5μm以下の柱を成す粒子はアスペクト比が3以下のものを用いた。その後、積層体は400〜700℃で脱脂した後、850℃で20分保持した後に1000℃保持し焼結体を得た。内部電極の金属組成物がNiの場合は、積層体は400〜700℃で脱脂した後、1050℃で20分保持した後に1200℃保持し焼結体を得た。
その後、ダイシング装置により柱状積層体の側面の内部電極の端部に一層おきに深さ50μm、幅50μmの溝を形成した。
次に、平均粒径2μmのフレーク状の銀粉末を90体積%と、残部が平均粒径2μmのケイ素を主成分とする軟化点が640℃の非晶質のガラス粉末10体積%との混合物に、バインダーを銀粉末とガラス粉末の合計重量100質量部に対して8質量部添加し、十分に混合して銀ガラス導電性ペーストを作製した。このようにして作製した銀ガラス導電性ペーストを離型フィルム上にスクリーン印刷によって形成し、乾燥後、離型フィルムより剥がして、銀ガラス導電性ペーストのシートを得た。このシートの生密度をアルキメデス法にて測定したところ、6.5g/cmであった。
次に、前記銀ガラスペーストのシートを柱状積層体の外部電極面に転写し、650℃で30分焼き付けを行い、3次元網目構造をなす多孔質導電体からなる外部電極を形成した。なお、この時の外部電極の空隙率は、外部電極の断面写真を画像解析装置を用いて測定したところ40%であった。
その後、外部電極にリード線を接続し、正極及び負極の外部電極にリード線を介して3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行い、図1に示すような積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータを作製した。
得られた積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータに170Vの直流電圧を印加し、それぞれの試料における変位量を測定し、そのばらつきを計算して、表1に示した。さらに、この積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータに室温で0〜+170Vの交流電圧を150Hzの周波数にて印加し駆動試験を行った。
駆動回数が1×10回に達した積層型圧電素子からなる積層型圧電アクチュエータに170V印加の直流電圧を印可し、それぞれの試料における変位量を測定し、駆動試験前後の変位量の変化を算出した。計算は、駆動試験前の変位量を分子とし、駆動試験後の変位量を分母とし、これに100を乗じて%で表した。
尚、内部電極を貫き圧電体間をつなぐ柱の径、個数は、下記のようにして測定した。
接合部分が最大径の50%以上である柱の割合については、図2のように積層型圧電素子の内部電極2付近の断面写真において1mmの長さを測定し、各柱20について最大径A、柱20と圧電体1の接合部分22の径Bを測定し、(B/A)×100の計算をして、柱20の最大径Aと柱20と圧電体1との接合部分22の径Bの割合を求めた。そして、その値が50%以上のものが測定した数の何%あるかを計算した。このようなことを、10箇所行って平均を取って数値として表した。また、柱の最小径は、上記と同様の測定で行った。また測定は10箇所で行った。
以上の結果及び内部電極の材質、圧電体と柱との熱膨張差等を表1に示した。
Figure 2005129871
内部電極を貫き、内部電極を挟んで対向する圧電体をつなぐ柱を設けた本発明品の試料No.1〜25は、初期の変位量のばらつきは10%以下で、比較例(No.26)に比べて小さかった。また、連続耐久試験後の変位量の変化も5%以下と小さく、比較例に比べ信頼性及び耐久性に優れることがわかった。
特に接合部分が最大径の50%以上である柱の個数が30%以上の場合である試料No.2〜25は、初期の変位量のばらつきが8%以下、連続耐久試験後の変位量の変化も4%以下と更に小さく、信頼性及び耐久性が更に優れることがわかった。
更に接合部分が最大径の50%以上である柱の個数が50%以上、柱の最小径の平均値が0.2μmの場合である試料No.3〜5及び7〜25は、初期の変位量のばらつきが7%以下と更に小さく、信頼性が更に優れることがわかった。
一方、本発明の範囲外である柱を設けていない試料No.26は、初期の変位量のばらつきが20%と悪くまた、連続耐久試験後の変位量の変化も10%と悪く、信頼性及び耐久性において本発明品に比べ劣っていた。
本発明の積層型圧電素子は、圧電トランスに利用できる。また、本発明の積層型圧電素子は、自動車用燃料やインクジェットプリンタのインク等の噴射装置、光学装置等の精密位置決め装置や振動防止用の駆動素子等に用いられる積層型圧電アクチュエータに利用できる。さらに、燃焼圧センサ、ノックセンサ、加速度センサ、荷重センサ、超音波センサ、感圧センサ、ヨーレートセンサ等に搭載されるセンサ素子、ならびに圧電ジャイロ、圧電スイッチ、圧電トランス、圧電ブレーカー等に搭載される回路素子に用いられる積層型圧電素子に利用できる。
本発明の積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 本発明の積層型圧電素子の一部を示す断面図である。 外部電極の外面に導電性補助部材を形成した積層型圧電素子を示すもので、(a)は斜視図、(b)断面図である。 本発明の噴射装置を示す断面図である。 従来の積層型圧電アクチュエータの側面図である。
符号の説明
1・・・圧電体
2・・・内部電極
3・・・絶縁体
4・・・外部電極
6・・・リード線
7・・・導電性補助部材
9・・・不活性層
10・・・積層体
20・・・柱
22・・・柱と圧電体の接合部分
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ

Claims (15)

  1. 圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層体を有し、該積層体の側面に前記内部電極が一層おきに交互に接続された一対の外部電極を具備し、該外部電極に電界を印加して駆動する積層型圧電素子において、前記内部電極を貫き、この内部電極を挟んで対向する圧電体をつなぐ柱を設けたことを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 上記柱と圧電体の接合部分の径が柱の最大径の50%以上であるものの個数が全体の30%以上を占めることを特徴とする請求項1記載の積層型圧電素子。
  3. 上記柱の最小径の平均値が0.2μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層型圧電素子。
  4. 上記柱が1mm当り5〜150本存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 上記柱と圧電体との熱膨張差が3×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 上記柱が圧電体と同じ材料からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 上記内部電極中の金属組成物がVIII族金属及び/又はIb族金属を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 上記内部電極中のVIII族金属の含有量をM1(重量%)、Ib族金属の含有量をM2(重量%)としたとき、0.001≦M1≦15、85≦M2≦99.999、M1+M2=100を満足することを特徴とする請求項7記載の積層型圧電素子。
  9. 前記VIII族金属がNi、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osの内少なくとも一種以上であり、前記Ib族金属がCu、Ag、Auの内少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項7乃至8のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  10. 前記VIII族金属がPt、Pdの内少なくとも一種以上であり、前記Ib族金属がAg、Auの内少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  11. 前記VIII族金属がNiであり、Ib族金属がCuであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  12. 前記圧電体がペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  13. 前記圧電体がPbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物を主成分としたものであることを特徴とする請求項12記載の積層型圧電素子。
  14. 前記積層体の側面に端部が露出する前記内部電極と端部が露出しない前記内部電極とが交互に構成されており、前記端部が露出していない前記内部電極と前記外部電極間の圧電体部分に溝が形成されており、前記溝に前記圧電体よりもヤング率の低い絶縁体が充填されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  15. 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された請求項1乃至14のうちいずれかに記載の積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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