JP4939840B2 - ガスクラスターイオンビームによる超精密研磨方法 - Google Patents

ガスクラスターイオンビームによる超精密研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加工物表面を平滑化する技術に関し、特に、形状精度が要求されるレンズ等の光学素子又はこの光学素子を成形するための型等の表面を研磨する超精密研磨方法に関する。
回転軸対称の球面レンズや非球面レンズ等の光学素子の加工方法として、光学素子を直接、研削や研磨して加工する方法や成形用の型を使用してプレス加工する大量生産型の加工方法などがある。
一般に、光学素子はその形状精度が悪いと、その光学素子が使用されるカメラ・顕微鏡・内視鏡等の光学機器において収差の原因となり、また光学素子の面粗さが粗面であると、光学機器上でフレアーが発生し、何れにおいてもその光学機器製品の機能を低下させてしまう。
この内の表面粗さを滑らかにする手段としては、加工された光学素子や成形用の型(これらを纏めて被加工物と呼ぶ)の表面にガスクラスターイオンビームを照射して表面粗さを滑らかにする超精密研磨技術が用いられている。
ガスクラスターイオンビームが被加工物表面に照射されると、被加工物との衝突によりガスクラスターイオンが壊れ、クラスター構成原子又は分子と被加工物構成原子又は分子とが多体衝突して被加工物表面上の水平方向の原子又は分子の運動を活発にする。そして、この運動の活発化により被加工物表面上の突起部分が主に削られることになる。超精密研磨技術が利用されると、このような原理が作用し、被加工物表面を原子サイズのレベルで平坦化する(特許文献1)。
そして、上記ガスクラスターイオンビームを用いた技術を超精密研磨処理に使用した例としては、アパーチャにて径を細く絞ったガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射し、そのガスクラスターイオンビームの照射時間を被加工物表面上の突起位置に応じて制御し、その被加工物表面を研磨する方法がある(特許文献2)。
特許第3451140号 特開2005−120393号公報
上述したように、ガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射することにより、その被加工物の表面粗さを平滑化する技術が知られている。
しかし、従来の超精密研磨処理では、その被加工物の表面形状が平面であろうと曲面であろうと関係なく、その表面に常に同一制御条件のガスクラスターイオンビームを照射してその突起を除去している。
つまり、表面が曲面で構成されている被加工物を研磨処理する場合に、その表面が平面である場合に最適な設定のガスクラスターイオンビームが同一の制御条件のまま使用されることとなるため、加工後の被加工物は、その表面が平滑化されたとしても全体の形状は大きく崩れ、形状精度は悪いものとなる。この形状精度の悪化は、その光学素子が使用される光学機器製品の機能を低下させることになるため、問題である。
そこで、本発明は、被加工物表面が平面であることは勿論のこと、その表面が曲面の場合やその表面が各位置で曲率が異なる面である場合にも適合しうるガスクラスターイオンビームを用いた超精密研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
本発明の超精密研磨方法の態様の一つは、ガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射して該被加工物表面を研磨することを前提に、被加工物の表面形状の目標表面形状からの誤差を計測する第一計測工程と、第二の加工物の表面に上記ガスクラスターイオンビームを照射して上記第二加工物の表面に形成された加工痕(溝)を計測する第二計測工程と、上記第二加工物を対象に計測して得た加工痕データを基に上記被加工物の目標表面形状における各表面位置の曲率に順ずる加工痕データを生成する第一計算工程と、上記生成した加工痕データを基礎データにして、ガスクラスターイオンビームが上記誤差分の固体物質(被加工物を構成している固体物質)を除去するための、上記被加工物表面上の各位置の照射ドーズ量を求める第二計算工程と、上記照射ドーズ量に従って上記ガスクラスターイオンビームを上記被加工物表面に照射して該被加工物表面の研磨を行う研磨工程と、を行うようにする。
本発明の超精密研磨方法の態様のその他の一つは、ガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射して該被加工物表面を研磨することを前提に、上記被加工物の表面形状を計測し、上記計測で得た被加工物の表面形状データの、予め設定されている目標表面形状データからの誤差を、上記被加工物の表面上の各位置ごとに算出し、第二加工物の表面に上記ガスクラスターイオンビームが照射された場合の該ガスクラスターイオンビームによる上記被加工物表面における照射範囲と固体物質除去深さ(スパッタリングにより表面固体物質が除去される深さ)との関係を示す基準プロファイルを導入し、上記被加工物表面上の各位置ごとに、上記目標表面形状における該位置の曲率に順ずるように上記基準プロファイルを補正して補正プロファイルを生成し、上記各位置ごとの補正プロファイルを対象に上記各位置ごとに上記各照射範囲内の固体物質除去深さを変化させ且つ、複数の補正プロファイルが重複する位置では該位置の各補正プロファイルの固体物質除去深さを加算し、上記固体物質除去深さと照射ドーズ量との所定の関係を基に、上記被加工物表面の研磨対象範囲において上記誤差が共に減少するような上記被加工物表面上の各位置での照射ドーズ量を決定し、上記各位置での照射ドーズ量を上記ガスクラスターイオンビームの走査速度に変換し、上記ガスクラスターイオンビームを上記被加工物表面に上記走査速度で照射させて該被加工物表面の研磨を行う、ようにする。
なお、上記各方法では、上記被加工物表面の全範囲を対象とする上記誤差データに所定のオフセット量(最小除去量)を加算し、上記被加工物表面の全範囲を対象にガスクラスターイオンビームを走査させて上記被加工物を表面研磨する、ようにしてもよい。
また、上記被加工物に照射するガスクラスターイオンビームと上記第二加工物に照射するガスクラスターイオンビームとの種類が異なる場合には、各ガスクラスターイオンビームによるスパッタリング深さと照射ドーズ量との関係に基づいて上記基準プロファイルを補正する、ようにすれば良い。
発明では、被加工物表面の各位置で目標表面形状となるようにガスクラスターイオンビームで上記被加工物表面の固体物質が除去される。このため、その固体物質が除去された後の被加工物は、表面が滑らかで且つ目標表面形状に仕上がる。特に、その目標表面形状が平面以外の曲面である被加工物を対象とした場合でも、照射ドーズ量の計算に上記被加工物の目標表面形状における各表面位置の曲率に順ずる加工痕データ(又は補正プロファイル)を使用するため、その被加工物の表面形状は該曲面形状に追従した形状に仕上がり、その研磨処理後にその形状精度を向上できる。
本発明により、被加工物を、表面を滑らかにすることは勿論のこと、その表面を目標表面形状に加工できるようになる。
このため、光学素子などのように、表面粗さや形状精度のわずかな劣化がその光学機器製品の機能を低下させる部品では、本研磨処理により、その部品の目標表面形状に追従させることができ、表面が滑らか且つ形状精度が良好な部品を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本形態は、金属、合金、ガラス、又はセラミックなどの固体材料でできた被加工物表面を研磨する精密研磨工程において、例えば、アルゴンガス、酸素ガス、又は窒素ガスなどの不活性ガスや、化合物の炭酸ガスなどから構成されるガスクラスターイオンを加速したガスクラスターイオンビームを上記被加工物表面に照射して表面研磨する手法を取り入れたものである。
従来より、ガスクラスターイオンビームが被加工物表面に照射されると、被加工物との衝突によりガスクラスターイオンが壊れ、クラスター構成原子又は分子と被加工物構成原子又は分子とが多体衝突して被加工物表面上の水平方向の原子又は分子の運動を活発にすることが知られている。この活発化した運動の下では被加工物表面上の突起部分が主に削られる。ガスクラスターイオンビームを照射して被加工物表面の精密研磨を行う上記手法は、このような原理で実施されるものであり、このような手法を用いることで、原子サイズレベルで被加工物表面の超精密研磨を行うことができる。なお、上記手法の更に詳しい説明は、例えば特許第3451140号などに開示されているので詳しくは公知文献を参照されたい。
本発明の特徴は、上記超精密研磨を実施する際の、上記被加工物表面に対して照射するガスクラスターイオンビームの照射制御方法にある。当該方法では、研磨対象である被加工物表面上の各位置で、その研磨後にその被加工物の目標表面形状となるように、被加工物表面へのガスクラスターイオンビームの照射を制御し、この制御の下、上記被加工物表面の固体物質(被加工物を構成する物質)を除去するようにする。ガスクラスターイオンビームによる被加工物表面上の走査は、目標表面形状に一致しない領域のみとしても良いのであるが、ガスクラスターイオンビームのビーム断面が領域をもつなどの理由により、通常は、被加工物表面の全範囲(その形状によって被加工物の性能が左右される全ての部位)に渡って行われる。つまり、この場合、上記目標表面形状と一致する被加工物表面上の位置に対してもガスクラスターイオンビームが照射されることとなる。このため、当該方法では、被加工物表面上の各位置でその目標表面形状となるように固体物質を除去し、更に加えて、目標表面形状と元々一致している位置においてはその形状を維持しながら必要最低限の固体物質のみを除去するように、その被加工物表面に対するガスクラスターイオンビームの照射を制御する。
なお、上述したガスクラスターイオンビームの照射制御方法は、被加工物表面上の照射位置及びその位置への照射量を調節することにより実施する。この照射位置や照射量の調節は、ガスクラスターイオンビームの照射向きやパワーを制御する構成、被加工物の向きや移動速度を制御する構成、またはこれらを組み合わせた構成により実現できる。
このような方法を被加工物の研磨処理に適用することにより、任意の表面形状をもつ被加工物において、その被加工物全体の表面形状精度を悪化することなく(特に、目標表面形状における各位置の曲率にその形状を追従させて)その表面を原子サイズレベルで平滑化できる。また、被加工物表面の形状が目標表面形状からズレていたとしても、被加工物表面上の各位置で目標表面形状となるように固体物質を除去するため、上記ズレによる誤差分の固体物質は更に除去され、被加工物形状を目標表面形状にすることができる。
図1は、ガスクラスターイオンビームを被加工物に照射制御して表面研磨するための一連の工程を示したフロー図である。
本例の表面研磨フローでは、先ず、被加工物の表面形状の目標表面形状からの誤差の計測を行う(S1)。この工程では、被加工物の表面形状を実測し、この実測データと目標とする加工後の形状(上記目標表面形状)のデータから、該目標表面形状に対する被加工物形状の誤差を求める。
次に、被加工物とは異なる第二の加工物(被加工物の材質と同一材質からなる加工物)の表面にガスクラスターイオンビームを照射して、その加工痕を計測する(S2)。この工程では、予め表面形状の分かっている第二加工物表面上にガスクラスターイオンビームを各位置ごとに所定経路に沿って連続ビーム走査して加工溝(本明細書では、加工痕と呼んでいる)を形成するなどして、この加工痕を計測する。なお、これらの加工痕データは、既製のものがある場合はそれを導入しても良い。
続いて、ステップS2で得た加工痕データを基に上記被加工物の目標表面形状の曲率に順じた加工痕データを生成する(S3)。上記被加工物の目標表面形状と上記第二加工物の表面形状(具体的には加工痕データを採取した領域の表面形状)が異なる場合、同じ条件に設定されたガスクラスターイオンビームを照射して形成される各加工痕の形状は異なる。このため、この工程では、第二加工物から得た加工痕データを基にして被加工物の目標表面形状の曲率に順ずる加工痕データを生成し被加工物の各表面位置ごとに最適な加工痕データを得る。なお、このとき、被加工物表面の各位置で目標表面形状の曲率が異なる場合は、それぞれの曲率に順ずる加工痕データを生成するようにする。
その後、ステップS3 で生成した加工痕データを基礎データにして、上記誤差分の固体物質を除去するためのガスクラスターイオンビームの各位置での照射ドーズ量を求める(S4)。ステップ3で生成した加工痕データには、ガスクラスターイオンビームの光軸上の位置を中心とするビーム径範囲とこの範囲内の固体物質除去深さ(具体的には、そのビーム径で照射されたビームによって被加工物表面の固体物質が除去される該被加工物表面からの深さ、いわゆるスパッタリング深さ)の関係が得られる。また、この固体物質除去深さは、その範囲へ照射されるガスクラスターイオンビームの照射ドーズ量との間に所定の関係を持つ。これらの関係から、上記誤差分に相当する深さまでの固体物質を除去するために必要な、被加工物表面上の各位置の照射ドーズ量が求まる。
そして、ステップS4で得た各位置の照射ドーズ量に従ってガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射して該被加工物表面の研磨を行う(S5)。この工程では、被加工物表面にステップS4で得た照射ドーズ量で該被加工物表面の各位置にガスクラスターイオンビームが照射されるように、ガスクラスターイオンビームの照射位置へ被加工物表面の各位置を移動制御して、被加工物表面に対するガスクラスターイオンビームの照射位置やその位置への照射量を調節する。この一連の照射制御処理により、上記誤差分が除去され、被加工物形状を目標表面形状にすることができる。
なお、以上は、目標表面形状との誤差を生じている領域を対象にビームで表面研磨する場合の説明であるが、ステップS5の研磨工程においてガスクラスターイオンビームを被加工物の全面(その形状によって被加工物の性能が左右される全ての部位)に照射する場合には、目標表面形状からの上記誤差に所定のオフセット量(最小除去量)を含めれば良い。被加工物全体に照射する場合は、目標表面形状に一致する(つまり誤差が0である)領域へもガスクラスターイオンビームが照射されるため、この領域でも最小限の固体物質が除去されることとなる。そのため、ガスクラスターイオンビームを照射する全領域(誤差がある領域及び無い領域の全て)を対象に固体物質の最小限の除去量(最小除去量)を加算したものを上記誤差のデータの替わりに使用し、この誤差データを基に求めた照射ドーズ量(被加工物表面上の各位置の照射ドーズ量)に従って、ガスクラスターイオンビームを照射制御して表面研磨する。この場合、誤差分は完全に除去され、各除去位置の形状は目標表面形状と一致し、被加工物形状をより精度良く目標表面形状にすることができる。
なお、言うまでもなく、ガスクラスターイオンビームが照射された被加工物表面の原子サイズレベルの突起は、平滑化される。
このように、本形態による超精密研磨方法を用いれば、任意の表面形状をもつ被加工物において、その表面を原子サイズレベルで平滑化すると共に、被加工物全体の表面形状を崩すことなく目標表面形状に限りなく近づけることが可能になる。
以下に、本形態による超精密研磨方法を適用した実施例を示す。
(実施例1)
図2は、被加工物をガスクラスターイオンビームで超精密研磨処理するための全システムの装置構成図である。
同図には、照射手段としてのガスクラスターイオンビーム照射装置1、加工物(被加工物や第二加工物など)の位置や姿勢を変えるための移動機構2、各種計算処理を行う算出手段としてのコンピュータ(PC)3、移動機構2を制御する移動制御手段としての移動制御装置4、及び被加工物の形状等を計測する計測装置5、が示されている。
なお、移動機構2とPC3と移動制御装置4で制御手段を構成している。
ガスクラスターイオンビーム照射装置1は、ソース部10、差動排気部11、イオン化部12の3つのチャンバー(10-1、11-1、12-1)によってガスクラスターイオンビーム(Beam)を生成し、ガスクラスターイオンビーム(Beam)を本例では所定向きに所定パワーで照射する。
上記差動排気部11のチャンバー11-1内は、ビーム照射前に、不図示のポンプにて所望の真空度まで減圧され、チャンバー11-1内の不純物ガス、水、酸素及び窒素などが可能な限り排除される。
不図示のガスボンベから0.6〜1.0MPa程度の高圧ガス(例えば、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、SF6ガス、或いはヘリウムガス、又は、化合物の炭酸ガス或いは2種以上のガスを混合した混合ガスなど)をノズル100へ供給し、このノズル100からそのガスを超音速で噴出する。そして、このガスの噴出する瞬間に断熱膨張によりガスクラスターが生成され、スキマー101の通過時にそのガスクラスターのビーム径が整えられる。
上記スキマー101を通過したビーム(このときはまだ中性ビームである)は、その照射方向にあるシャッター110が開けられることにより、所望の真空度まで減圧された差動排気部11のチャンバー11-1内を通過してイオン化部12に入り、ここで、タングステンフィラメント120の熱電子との衝突によりイオン化される。このイオン化されたガスクラスターイオン化ビームは、イオン化部12の加速電極12-2で加速される。なお、このときのビーム径は数ミリから数十ミリ程度であるため、グランド電極121の形状や第三電極122とグランド電極121との距離を最適な条件に設定することで、ビーム径を細く絞った安定したビームを得る。なお、所望とするビーム径は、その先に配設されたアパーチャ123を通して得る。このアパーチャ123は例えば板材に穴を開けるなどして得た貫通孔であり、数十マイクロメートルから数十ミリの範囲の精度に設定できる。
移動機構2は、被加工物6-1や第二加工物6-2などの加工物6の表面に照射されるビームの入射角をその表面上の任意の領域で常に90°にするための、その加工物6の位置移動及び姿勢変形の機構を備える。本例では、上記加工物6の表面形状を回転軸対称形状とし、その回転軸を中心に回転させながら上記加工物6を加工及び研磨処理をするものとし、当該移動機構2を、回転機構、X軸移動機構、Y軸移動機構、及び揺動機構により構成している。特に詳述しないが、これらはイオン化部12のチャンバー12-1内に配置され、それらの制御線は、このチャンバー12-1の内部から外部へ引き出されている。
上記回転機構は、軸回転可能な回転ステージ20及びこの回転ステージ20を軸回転させる不図示の回転ステージ駆動機構を備えている。その回転ステージ20は、その載置面が側方(同図の状態では左方向)を向くように配置されており、不図示の回転ステージ駆動機構によりその載置面の中心軸すなわち水平な中心軸を軸に回転できるように構成されている。上記回転ステージ駆動機構は、例えば、ステッピングモータやサーボモータなどのモータを駆動源にし、そのモータの回転動力を回転ステージ20の回転動力として伝達できるように複数の歯車を組み合わせるなどして構成できる。なお、上記加工物6はこの載置面上に互いの中心軸を揃えて装着され、上記回転ステージの回転運動と一体に加工物の中心軸を中心に軸回転する。
上記X軸移動機構は、X軸ステージ21、及びこのX軸ステージ21を同図の手前から奥の方向(またはその逆方向)すなわち上記中心軸に対して垂直で且つ水平な方向へ移動させる不図示のX軸ステージ駆動機構により構成されている。このX軸ステージ駆動機構もまたステッピングモータやサーボモータなどのモータを駆動源とすることができ、例えば、このモータの回転動力をボールネジなどを使用して直線運動の動力に変え、この動力をX軸ステージ21に伝達し、同図の手前から奥の方向(またはその反対方向)へX軸ステージ21を移動させるように構成できる。
上記Y軸移動機構は、Y軸ステージ22及びこのY軸ステージ22を同図の上下方向(鉛直方向)へ移動させる不図示のY軸ステージ駆動機構により構成されている。このY軸移動機構は、ビーム照射位置に対する被加工物6の位置の高さ調節をするためのものである。上に述べたように本例では回転軸対称形状の加工物を回転させながらビーム照射する。その研磨処理時の被加工物に対する照射方法は、詳しくは後述するが、本例では軸回転させながらその半径方向へ水平にビームを走査させる。これにより、被加工物表面全体を加工及び研磨処理する。このため本例の場合、その加工物6(特に被加工物)の高さは、その加工及び研磨処理の前にビームが当たる位置と被加工物の回転軸の高さとを一致させておけば良く、その加工及び研磨処理時にその高さを変更する必要がない。つまり、その処理前に高さを微調整できる構成のものが有ればよいことになる。本例では、このY軸ステージ移動機構を例えばネジを手動で回転して高さ調節する程度の簡易な構成とし、上記加工及び研磨処理前にそのネジで高さ調節してビーム照射位置の高さと被加工物の回転軸の高さとを一致させておく。
なお、勿論、このY軸ステージ駆動機構もまたステッピングモータやサーボモータなどのモータを駆動源とすることができ、この回転動力を例えばボールネジなどを使用して直線運動の動力に変え、この動力をY軸ステージ22に伝達し、同図の上下方向へY軸ステージ22を移動させるように構成しても良い。
上記揺動機構は、加工物6の表面に照射される上記ビームの入射角がその表面形状(特に曲面形状)に応じて任意の領域で常に90°になるように被加工物を揺動動作させる機構である。本例では、被加工物表面上をビームが上下方向に変位することなく常に一定の高さで水平に走査されること及びその被加工物6-1が回転軸対称形状であることから、X軸ステージの移動先の位置に応じて回転ステージの載置面の向きを水平面内で変化させる(つまり、これにより被加工物表面の向きが変化する)構成をとれば良い。本例では、同図の上下方向の軸を回転軸にもつ第二の回転ステージ23、この第二の回転ステージ23を軸回転させる駆動機構24、第二の回転ステージ23上に立設され且つ第二回ステージと共に回転するブラケット25で上記揺動機構を構成し、そのブラケット25に上記各ステージ20、21、22を搭載する。上記駆動機構24はモータなどの駆動源を備え、この駆動源を基に第二の回転ステージ23及びブラケット25を一体に同図における上下方向の軸中心に軸回転させて、被加工物6の回転軸を同図の水平面内の任意の方向に傾ける。
本例では、上記回転ステージ20、X軸ステージ21、及びY軸ステージ22がこの順番に同図の左から右に配列され、各ステージ20、21、22は、その右側に位置する全てのステージの移動と一体に移動できるように構成されている。そしてこれらの各ステージ20、21、22が、第二の回転ステージ23上に構成したブラケット25に搭載されている。
以上より、被加工物6-1が上記回転ステージ20の載置面に装着され、更に、ビームの高さと被加工物6-1の回転軸とが一致するように高さ調節されると、後は、上記X軸移動機構及び上記揺動機構をモータ制御することにより被加工物の回転軸からその半径方向へ水平に上記ビームを設定速度で照射制御することができ、そのビームによる被加工物表面への入射角は走査中常に90°に保てる。この際に、更に上記回転機構をモータ制御することにより回転ステージ20を所定角速度で軸回転させれば、上記被加工物上を円状に又はスパイラルにビーム走査しながらそのビームは表面に垂直照射されるようになる。
図3は、上記被加工物6-1が例えば凸レンズのように回転軸対称の曲面形状である場合における、所定方向から照射されるビームと、このビームによる被加工物表面上の照射位置における入射角度の関係を図2の装置の上方から示したものである。
同図(a)は、ビーム(Beam)を被加工物表面60の中心(回転軸上)60-1に照射させる場合の配置であり、この場合、被加工物6-1は、その中心60-1に上記ビームが照射されるように位置が制御され且つそのビームの照射方向にその回転軸Oが一致するように姿勢が制御される。この制御により、回転軸対称形状である被加工物表面の中心に上記ビームが垂直(90°)入射する。
同図(b)は、被加工物表面60の中心(回転軸上)60-1から水平面内の半径方向(図2においては手前側)に所定距離移動した位置にビームを照射させる場合の配置であり、この場合、被加工物6-1は、その位置に上記ビームが照射されるように位置が制御され且つそのビームの照射方向に上記位置の法線が一致するように姿勢が制御される。この制御により、ビームの照射範囲に被加工物表面の上記位置を配置でき且つその面を上記ビームが垂直(90°)入射できるように配置できる。この状態で被加工物を回転軸O中心に回転させれば、同図に太い実線61-1で示したような加工痕(被加工物の加工面の正面側から見ると同心円上の加工痕)が形成される。
そして、例えば、被加工物を回転させながら回転軸中心からその半径方向へ順次そのビーム照射範囲を水平に移動していくことにより、被加工物表面全体(一方の加工面全体)が加工及び研磨処理の対象となる。
図2には更に、PC3及び移動制御装置4が示されている。
PC3は、中央処理装置(CPU)、RAMやROMなどのメモリ、及び入出力部などがバス接続されてなるコンピュータである。当該PC3では、被加工物の表面研磨を行う際の、その被加工物の形状に順じて位置や姿勢を制御するための制御情報(本明細書では移動制御情報と呼び、ビームを主体にして言い換えるならば、ビームを照射制御するための照射制御情報とも呼べる)を導き出し、そしてその移動制御情報を組み入れた研磨プログラムを入出力部から移動制御装置4に登録する。この移動制御装置4は、上記研磨プログラムに指定された手順及び移動制御情報に従って、各部(特に上記移動機構2の各モータ)を制御する。
同図には更に、加工物6の形状等を計測する計測装置5が示されている。
この計測装置5は、最終的に製品になる被加工物6-1の表面形状やサンプルデータの採取のためにビーム照射を行った第二加工物6-2の加工痕などを計測するための装置である。
この計測装置5は、例えば触針式表面形状測定器などが利用され、この場合、その検出針で被加工物(第二加工物も含む)表面上を直接なぞり、表面形状の僅かな起伏の変化をできるだけ細かく検出し、その表面上の各位置ごとに基準面からの高さの変化量のデータを採取する。ここで得られる各種データは、被加工物6-1の加工及び研磨処理の前に採取され、上記PC3に通信ポートや可搬型記録媒体などを介して転送されるなどして上記移動制御情報の導出に利用される。
図4は、超精密研磨処理のフロー図である。
そして図5から図14は、上記移動制御情報の好適な導出方法の説明図である。
本例では、加工および研磨処理対象の被加工物6-1を10mm径の凸レンズとして説明する。そして、その凸レンズにおける目標表面形状(凸レンズの理想形状)からの形状誤差が回転軸対称に生じているものとする。
先ず、加工及び研磨処理前の凸レンズにおいて目標表面形状からの表面形状誤差を計測する(S1-1)。この工程では、加工及び研磨処理前の凸レンズの表面形状を計測装置5で実際に計測する。次に、その実測により得た表面形状データと上記目標表面形状のデータとを上記凸レンズ表面上の各位置ごとに比較することにより、その目標表面形状に対するその凸レンズの表面形状の誤差を上記凸レンズ表面上の各位置ごとに算出する(S1-2)。そのときの基準点(つまり誤差=0の位置)は、測定範囲全体において誤差が負の値をとらないようにした場合(つまり実測の形状が目標形状を下回らないようにした場合)のその誤差の最小値をとる位置にする。このようにして得られた誤差データ(位置と誤差の関係を示すデータ)は、PC3のメモリに送られ、そこで保持される。
図5は、ステップS1-2で得られた誤差データをグラフ表示させたものである。
本例では目標表面形状が回転軸対称形状であり且つ表面形状の誤差が回転軸対称に現れている凸レンズが対象であるため、その中心(回転軸)から任意の半径方向に向けて変化する目標表面形状からの誤差は同じグラフで示される。同図は、横軸に凸レンズ表面上の位置(mm)をとり且つ縦軸に誤差量(μm)をとり、一つの直径上の誤差の変化をグラフ表示させたものである。なお、以下において、上記誤差量をPV(Peak to Valley)値と称する。
同図には、その直径上の各位置の目標表面形状を一点鎖線500で示し、この目標表面形状からの誤差を実線510で示している。目標表面形状は基準となる形状であるため、本グラフでは傾き0の直線500で示される。
同図に示されているように本例の凸レンズは回転軸上(Top部)で最大の誤差量(0.15μm)を有し、回転軸からその半径方向へ5mm弱離れた位置(Bottom部)で誤差量(0μm)を有するものである。このBottom部は目標表面形状50と一致している箇所であり、後の加工及び研磨処理では少なくともこの領域を除く領域の加工及び研磨が必要となる。またその回転軸(0mm)を中心とする各半径方向の誤差の変化が同一であるということを裏付けるように、上記誤差の変化510はその回転軸を中心に軸対称に表されている。本例では、上記誤差データは回転軸中心からの半径位置と誤差の関係を示すデータで構成される。
図4のステップS1-2に続く処理では、上記被加工物とは異なる第二の加工物(本例では、凸レンズの材質と同一材質からなる表面が平面形状の加工物)のその表面にガスクラスターイオンビームが照射された場合の、第二加工物表面上のガスクラスターイオンビームの照射範囲とこれによる固体物質除去深さ(スパッタリングにより表面の固体物質を除去してガスクラスターイオンが内部到達する深さであり、本明細書ではスパッタリング深さとも呼んでいる)との関係を示す基準プロファイルを導入する(S2-1)。
この基準プロファイルは、予め用意されたものであっても良いし、又は、例えば図2の回転ステージ20の載置面に同図左向きに表面を向けて上記第二加工物(図2の第二加工物6-2)を配置し、その表面(本例では平面形状の表面)にガスクラスターイオンビームを照射するなどして、その第二加工物の表面に直接形成したビーム加工痕を計測して得ても良い。
本例では、図2の構成を用いて当該凸レンズを加工及び研磨する際は、予め決められた設定条件(単位照射ドーズ量、ガス種、ガス圧、ガス流量、加速電圧、加工物の回転速度)でガスクラスターイオンビームを凸レンズに照射させる。この場合、その凸レンズがある一定時間回転する間、そのビームは回転軸から一定距離の位置又はその位置から半径方向への所定距離間を照射し続けるため、その凸レンズ表面上には、その回転軸を中心とし且つ上記距離を半径とする同心円またはスパイラル軌跡(連続する経路)上に上記加工痕として加工溝が形成されることになる。よって、第二加工物を使用して上記基準プロファイルを得る場合には、第二加工物表面(平面形状の表面)を上記と同様の設定条件及び軌跡(この軌跡は、凸レンズの加工及び研磨の際にビームが同心円状に照射される場合であってもスパイラル状に照射される場合であっても、回転軸を中心とする円とする)でビーム走査して、それにより得られた加工痕から基準プロファイルを生成する。この場合、第二加工物は平面形状であるため、その表面に常に垂直にビームが照射されるように揺動動作は行わない。
なお、本例では、基準プロファイルを生成するために、平面形状に照射したビームの加工痕からデータを採取しているが、平面形状に替えて球面や非球面に照射したビームの加工痕からデータを採取しても良い。
図6は、上記設定条件の下に軸回転する第二加工物の表面(平面形状の表面)にビームを照射して形成された加工痕の概観イメージ図である。
本例では、表面が平面形状をしている第二加工物6-2を三個用意し、そのそれぞれに対し、ビーム走査する位置(中心からの半径位置)を互いにずらして複数の位置でビームを走査させる。各図(a)、(b)、及び(c)は、上記設定条件に基づき第二加工物が一回転またはそれ以上(二回転、三回転、・・・)回転した間に連続ビーム照射されて形成された各第二加工物上の加工痕の概観イメージを、それぞれ別々に示したものである。
各図を見ても明らかであるが、各第二加工物表面60-2上には、位置r0を通る回転軸を中心とする円状の溝61-2が複数個(本例では、それぞれに3つ)形成されている。具体的には、図(a)に示した一つ目の第二加工物においては半径位置=r0、r3、及びr6に円状の溝61-2が形成され、図(b)に示した二つ目の第二加工物においては半径位置=r1、r4、及びr7に円状の溝61-2が形成され、図(c)に示した三つ目の第二加工物においては半径位置=r2、r5、及びr8に円状の溝61-2が形成されている。ビームはある一定の広がりをもっているため、その光軸から所定半径の範囲の固体物質が除去されることになる。このため、その加工痕は、光軸が走査する軌道を中心線とする所定の幅の溝によって構成される。この幅の影響により一つの第二加工物だけでは加工痕のサンプルを採取できる数が限られてしまうため、本例では三つの第二加工物を使用し、その半径方向の各位置の加工痕データを採取する。
各加工痕は、計測装置5で計測され、以下に示す基準プロファイルとしてPCのメモリに保存される。
図7は、上記加工痕のプロファイルをグラフ表示させたものである。
同図には、第二加工物のある半径方向を対象に横軸をその表面上の半径位置(mm)、縦軸を固体物質除去深さ(μm)として、上記三つの第二加工物に形成された全ての加工痕のデータ(本例では回転方向に対して垂直な面の断面形状データとなる)700を重ねて示している。なお、図6に示した加工痕との対応関係を明確にするために、同グラフには図6と同様の半径位置を示す符号を付している。
ガスクラスターイオンビームは、その照射位置で所定面積の広がりをもつため、回転軸付近に照射されるとその軸を含む対称位置の範囲までビームの照射範囲が及び、一回転する間に固体物質が重複して除去されることになる。このため、同図にグラフ表示させることにより明確に示せたが、その中心付近(半径位置r0=0付近)では他の半径位置に比べて除去深さが深くなる。
なお、本例ではグラフの読み取りが容易になるように基準プロファイルの点数を少なく設定しており、以降でもその少ない点数で説明するが、この基準プロファイルの点数は多い方がより高精度な加工が行えるため望ましく、具体的には基準プロファイルの径の1/5より小さい間隔で生成するのが良い。
この場合、全ての基準プロファイルを、加工を行って生成するのは時間がかかるため、実際に加工を行って得た隣り合う2つの基準プロファイルから、その2つの基準プロファイルの間に位置する基準プロファイルを計算によって求めても良い。
具体的には、図8に示すように、回転軸中心から半径方向への距離xが、i<jであるx=i、x=jの位置にある隣り合う2つの基準プロファイルを関数P x=i(x)、P x=j(x)としたときに、i<k<jであるx=kでの基準プロファイルP x=k(x)は下式より求められる。
P x=k(x)={(j−k)・P x=i(x+k−i)+(k−i)・P x=j(x+k−j)}/(j−i)
このようにして得られた基準プロファイル700はPC3のメモリに格納される。
そして、図4のステップS2-1に続く処理として、PC3で、以下に示す手順で基準プロファイル700から各位置の曲率に準じたプロファイルに補正処理され(S3-1)、更に、ステップS1-1で得た誤差データ510を用いてその補正プロファイルをベースに各位置での照射ドーズ量の算出処理が行われる(S4-1〜S4-3)。
この手順では、先ず、ステップS2-1で得た基準プロファイル700の各プロファイル(以下、部分基準プロファイルと呼ぶ)ごとに、その照射範囲内の各位置とそれらの位置における除去深さの対応関係を求める。
図9は、図7の基準プロファイル700の各プロファイルのうちの一つ(部分基準プロファイルM)を抜き出して示した図である。
同図には、上記部分基準プロファイルM(本例では1mm幅をもつ)を、固体物質の除去深さが最も深い位置(つまり、ビームの光軸に一致する位置)Aを中心にその外側に所定幅単位で細分化し、この細分化された位置とこの各位置の除去深さとの関係が示されている。
本例では、位置Aを中心に線分(この線分は照射範囲を示している)を位置F2〜位置F1のように等分し、各位置(F2〜A〜F1)から垂直に直線を下ろし、部分基準プロファイルMに該当する部分プロファイル曲線700-1によって分断されたその直線線分(E2-E2´〜E1-E1´)をその位置の除去量とする。
つまり、細分化された各位置での除去量は、F2位置で除去量0、E2位置で除去量E2-E2´、・・・A位置で最大除去量A-A´、・・・E1位置で除去量E1-E1´、F1位置で除去量0と示すことができる。
このように、他の部分基準プロファイルも同様の手続を行うことにより、各部分基準プロファイルごとにその照射範囲内の各位置とそれらの位置における除去深さの対応データを得ることができる。
以上は表面形状が平面形状である場合の部分基準プロファイルであるため、次に、実際の加工及び研磨処理対象である表面形状が曲面形状である場合の部分基準プロファイルを計算により求める。
図10は、表面形状が平面形状である場合の部分基準プロファイルMを、本例の凸レンズに適合させる方法を説明するための図である。なお、同図では図9に示した部分基準プロファイルMを破線にて示す。
同図の実線900-1は、本例で研磨対象とする凸レンズの表面形状(つまり凸形状)を関数曲線で示したものである。この関数曲線900-1は、同図の範囲(F2〜A〜F1)内において一つの曲率を示すように例えば円の関数で表わすことができる。
この関数曲線900-1を、光軸の通過位置であるA点で基準線(除去深さの値=0)に接するように図9の部分基準プロファイル上に重ねて配置する。
同図の上方側からビームが照射された場合、凸レンズ表面の凸形状を表わした関数曲線900-1上の各位置には同図上方から下方にそのビームが入射することになる。そして、その入射したビームにより、同図の水平線ではなく、その重ね合わせた関数曲線900-1上の位置を開始位置として、その深さ方向(同図の下方向)に固体物質が除去されることになる。
そこで、その関数曲線900-1上の点(f2、・・・、a、・・・f1)を始点にして、図9の説明で求めた平面形状における各除去量をそれらが対応する位置で負の方向(同図の下方向)へ加算し、その各位置(F2〜A〜F1)の加算後の点(f2´、・・・、a´、・・・f1´)を繋ぎ合わせた新たな曲線を凸レンズの表面形状に対応するプロファイル(補正プロファイル)910とする。本例では、f2位置で除去量0、e2位置で除去量E2-E2´、・・・a位置で最大除去量A-A´、・・・e1位置で除去量E1-E1´、f1位置で除去量0として計算する。
こうして得られた補正プロファイル910は、平面形状の加工痕から得た部分基準プロファイルよりも凸形状において得られる加工痕のプロファイルに実質的に近くなる。
以上のような方法で凸レンズ表面の各位置における各補正プロファイルを取得し、図7に示した基準プロファイルをそれらの補正プロファイルに従って補正する。この場合、部分基準プロファイルと新たに生成した補正プロファイルとの幅は同じであるため、f2がF2に一致する(及びf1がF1に一致する)ように上記補正プロファイル910を平行移動させ、基の部分基準プロファイルを新たに生成した補正プロファイルに差し替える。
図11は上記処理を行って得た凸形状対応のプロファイルである。
同図から明らかなように、本プロファイル1000に構成される各補正プロファイルは部分基準プロファイルに比べて緩やかなカーブの曲線で示され、このプロファイルをベースに各位置でのドーズ量を求める。
さて、上述したように、加工及び研磨対象である凸レンズは図5に示されるような誤差を有している。後の加工及び研磨処理においてはその誤差量の固体物質を除去しなければならない。
図12は図5の誤差のグラフをその図の横軸を中心に上下に反転して示した図である。同図において除去が必要な領域は、横軸と曲線1100で囲まれている斜線領域である。理想的には、この斜線領域に当たる固体物質を除去すればよいのであるが、本例の場合、凸レンズの半径方向上の全ての位置がビームの照射範囲に含まれる、つまり、ビームが全く照射されない箇所はなく、図12の二つのBottom点(この位置では固体物質の除去量は0とされている)においても必要最小限の固体物質が除去されることになる。
そこで、上記理想の除去曲線1100を基に、実際の除去曲線を生成する。
図13は、その必要最小限の固体物質の除去量(最小除去量)を含めて生成した固体物質除去量の分布(実際の除去曲線)である。
この分布は、図12に示される曲線1100の全体を上記最小除去量(オフセット量)Lだけ下方にスライド(オフセット)することで生成している。このとき、固体物質の除去が必要な領域はその横軸とその除去曲線1200とで囲まれている斜線領域となり、二つのBottom点においても最小除去量Lの固体物質が除去の対象となる。
なお、上記最小除去量Lは、装置構成上可能な最高回転速度と半径方向に走査されるビームの最高走査速度によって必ず除去されてしまう固体物質の除去量(上記深さ)とすることができる。
ここで、上に求めたプロファイル1000(図11)を除去分布(加工量分布)1200(図13)に合わせこむ処理を行う。
この処理では、プロファイル1000に構成されている各補正プロファイルの関数曲線全体に個別の係数を乗じてその関数曲線を変形し、それぞれの補正プロファイルの変形後の関数曲線をその半径上の各位置で足し合わせてなる曲線が上記除去分布1200の曲線に一致または略一致するように上記係数を決定する。
図14及び図15は、上記合わせこみの処理を説明するための図である。
図14は、プロファイル1000に構成されている一つの補正プロファイルの関数曲線の変形処理を説明するための図で、図15は、各補正プロファイルの関数曲線と除去分布曲線1200との比較図である。
図14に示される補正プロファイルの関数曲線1300は、図15のプロファイルのうちの半径位置r=i(0≦i≦5)における補正プロファイルを抜き出して示したものである。
今、半径方向位置r=iに中心をもつ補正プロファイル1300の関数曲線をFi(r)で示すと、各補正プロファイルを重ね合わせて得られるその半径上(0mmから5mmの範囲)のプロファイルG(r)は、G(r)=ΣFi(r)と表すことができる。
そして、除去分布曲線1200をE(r)として、E(i)−G(i)の値を検証する。この値が正(つまり補正プロファイルの関数曲線が除去分布よりも上方に位置する場合)であれば、Fi(r)に1+e(eは正の値)の値を乗算して新しいFi(r)とする。逆に、E(i)−G(i)の値が負(つまり補正プロファイルの関数曲線が除去分布よりも下方に位置する場合)であればFi(r)に1+e(eはその絶対値が1を超えない負の値)の値を乗算して新しいFi(r)とする。ここでeは、E(i)−G(i)の絶対値の大きさに応じて決まる値であり、予め、E(i)−G(i)の絶対値が大きくなるに従って大きな値をとるように設定しておく。図14の関数曲線1301は、関数曲線1300を対象とするE(i)−G(i)の値が正であった場合に1+e(eは正の値)を乗算して得られる新しい関数曲線の例である。同図の例では、e=0.3であり、関数曲線1300で示される除去深さが各点で1.3倍され、関数曲線1300よりも1.3倍深い除去深さの関数曲線1301が新たに得られている。
このように1+eを乗じることによる新たなFi(r)の決定を加工開始位置(本例では半径位置=0)から始め、更に隣の補正プロファイルの中心位置が存在する方向(本例では半径方向)に一つずつずらしながら行っていき、加工終了位置まで到達したら加工開始位置に再び戻って同様に決定処理を行っていく。このような一連の決定処理を、Σ(E(i)−G(i))、(0≦i≦5)の値が予め決められた値以下になるまで繰り返す。なお、この値は小さい値(例えば略0)に設定しておくことが望ましい。こうして、最終的に得られた各係数(1+e)iを各補正プロファイルFi(r)に与える係数とする。
以上の処理により、図15の各補正プロファイルを足し合わせた曲線の形状が同図の除去分布曲線120で示される形状に近似する(合わせ込まれる)ことになる。
ところで、ビームの照射条件とそのビームによる固体物質の除去量との間には所定の関係が示せることが知られている。具体的に述べると、ビームが照射された位置の照射ドーズ量とその位置におけるスパッタリング深さ(照射範囲の中心における固体物質除去深さ)とは、その照射ドーズ量を増やしていくとスパッタリング深さが深くなるという関係をもっており、例えば特開2005−120393号公報に示されているような関係を得る事ができる。本例では特開2005−120393号公報に習い、上記照射ドーズ量とスパッタリング深さとの関係は比例関係にあるものとする。これにより、基準の照射ドーズ量(本例の場合、基準プロファイルの生成のために第二加工物に照射されたビームの照射位置における照射ドーズ量)に上記算出された係数(1+e)iを乗算することで、図15の除去分布曲線120に対応する固体物質を除去するために必要な照射ドーズ量をその各半径位置ごとに得ることができる。
以上のように照射ドーズ量が得られると、図4のステップS4-3に続いて、上記照射ドーズ量に従ってガスクラスターイオンビームを凸レンズ表面に照射し、該被加工物表面の研磨を行う(S5-1〜S5-4)。具体的には、凸レンズ表面の半径上にステップS4-1で得た各位置の照射ドーズ量に従ってガスクラスターイオンビームが照射されるように例えばその照射ドーズ量を被加工物表面上へのビームの走査速度に変換するなどして図2の移動機構2を移動制御装置4で制御する。
移動機構2の制御に必要な移動制御情報は、例えば加工(または研磨)時に凸レンズ表面をその回転軸中心から半径方向に向けてスパイラル状にビーム走査させる場合、上記照射ドーズ量から次のように求めることができる。
先ず、ガスクラスターイオンビームの照射時間と照射ドーズ量との間には次の関係が成立している。
照射時間=(照射ドーズ量×照射面積×電気素量)/検出イオン電流量 ・・・(1)
上記照射面積は加工痕面積であり、電気素量は定数であり、また検出イオン電流量は加工条件によって決まる一定の値である。つまり、照射ドーズ量が決まっていれば、式(1)により対応の照射時間を一義的に決定できる。本例の場合、回転しながらスパイラル状に加工を行うため、上記照射面積は補正プロファイルの各点(各補正プロファイルの中心の半径位置)を始点に一回転またはそれ以上の整数回転した後に隣の点(隣の補正プロファイルの中心の半径位置)に到達するスパイラル軌跡上の加工溝の面積となる。よって、上記照射時間は、凸レンズが上記整数回転する間に補正プロファイルのある点(補正プロファイルの中心の半径位置)から隣の点(隣の補正プロファイルの中心の半径位置)にビームの中心が移動すまでの時間となる。
また、照射時間と半径方向へのビームの走査速度との間の関係を示す式として次の関係式を適用できる。
走査速度=隣り合う補正プロファイルの中心間距離/照射時間 ・・・(2)
図16は、ある補正プロファイルの点と半径方向上の隣り合う補正プロファイルの点の二点における加工痕の関係を示している。
同図は、ある半径方向上の上記2点の加工断面図を示したもので、この図から、2点間の距離が近くなるにつれて、その2点の位置の加工形状だけでなくその2点間の加工形状も所望の形状に近づけることができるようになる事がわかる。
よって、本例のようにスパイラル状に加工(又は研磨)を行う場合は、補正プロファイルの点数を多くとることにより、各位置において、上記求めた照射ドーズ量に対応する加工がより正確に施せるようになり、そして、繋ぎ目のないきれいな加工が施せる。
なお、上記点数は、既に説明をしているが、基準プロファイルの径の1/5より小さい間隔で生成することが好ましく、その中でも、できる限り小さい間隔で生成するとなお良い。点数を多くすることにより、ビームの軌跡が真円により近くなり、中心軸から半径方向に等距離に位置する同心円状における加工を軸対象に均等にできるためである。
このような関係の下で式(2)を適用することにより、上記点数の各位置ごとの照射ドーズ量により正確に対応させた、それぞれの位置から隣の位置までの走査速度へと変換することができる。本構成例の場合 、所定方向に所定パワーで照射されたビームの凸レンズ表面上の照射位置をその表面上の各半径位置から次の半径位置へ上記各走査速度で移動させるためのX軸ステージ21(及び回転ステージ20)の移動制御情報の情報セット(本例では回転ステージ20の移動制御情報は予め決められた一定の回転速度情報である)として得る。この情報セットは、加工及び研磨処理時のプログラムの、X軸ステージ21(及び回転ステージ20)を駆動するモータ制御パラメータに与えられる。
上記凸レンズの加工及び研磨処理時は、凸レンズが図2の回転ステージ20にその加工対象面をビーム照射方向に向けて装着され、上記プログラムが移動制御装置で実行され、X軸ステージ及び回転ステージの適切な制御の下に凸レンズ表面の加工及び研磨処理が行われる。本例の場合、凸レンズがビームの各位置において適切な回転速度で軸回転し、更に適切な速度(上記走査速度またはこれに対応した速度)でX軸方向に移動することにより、その表面の中心から半径方向に向けて固体物質が連続除去される。なお、この処理時は、その表面上のビーム照射位置に応じて、ビームが表面に垂直入射するように適宜揺動動作が行われる。
この一連の照射制御処理により、上記誤差分は除去され、除去位置(誤差は生じていないが最小除去量の固体物質が除去される位置も含む)の曲率は目標表面形状の曲率をとり、凸レンズを目標表面形状にすることができる。
以上の説明では、ガスクラスターイオンビームとして、ある一つのガス種を基準ガスとして用いた場合の例を説明した。
しかし、その基準ガスとは異なる他のガス種を使用して加工及び研磨処理を行う場合も、基準プロファイルを補正するだけで上述の方法がそのまま適用できる。
図17は、基準ガス及び他のガス種の照射ドーズ量とスパッタリング深さとの関係を示した図である。
上述したように、基準ガスは照射ドーズ量とスパッタリング深さと間に比例関係を適用できることを述べた。
これは、他のガス種においても同様に言えることで、同図に示されるガス種A及びガス種Bもまた比例関係で示せる。
よって、第二加工物から得た基準プロファイルを同図の比例係数に応じて変形する、つまり、基準ガスの比例係数を1とするときの他のガスの比例係数の比率を図9の基準プロファイルの曲線700-1に各位置で乗算することにより(この場合、図9の下方向を正とする)、新たな基準プロファイルを得る。
そして、この新たな基準プロファイルをベースに上述した各手順を同様に行う。
以上示したように、本例による超精密研磨方法を用いれば、曲面形状をもつ凸レンズにおいて、その表面を原子サイズレベルで平滑化すると共に、凸レンズ全体の表面形状を崩すことなく目標表面形状に限りなく近づけることが可能になる。
本発明の超精密研磨方法のフロー図である。 超精密研磨処理を行うための装置構成図である。 被加工物表面上の位置とビームの入射角度との関係を示した図である。 実施例における超精密研磨処理方法のフロー図である。 誤差データのグラフ表示図である。 第二加工物表面に形成した加工痕の概観イメージ図である。 図6の加工痕のプロファイルをグラフ表示させたものである。 二つの基準プロファイル間の基準プロファイルを求める処理の説明図である。 部分基準プロファイルMを示した図である。 部分基準プロファイルMを凸レンズ形状に適合させる方法の説明図である。 凸形状対応のプロファイルである。 図5の誤差のグラフの上下反転図である。 固体物質除去量の分布である。 補正プロファイルの変形処理の説明図である。 各補正プロファイルの関数曲線と除去分布曲線1200との比較図である。 隣合う加工痕の関係図である。 各種ガスの照射ドーズ量とスパッタリング深さとの関係図である。
符号の説明
1 ガスクラスターイオンビーム照射装置
2 移動機構
3 コンピュータ(PC)
4 移動制御装置
5 計測装置

Claims (4)

  1. ガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射して該被加工物表面を研磨する超精密研磨方法であって、
    被加工物の表面形状の目標表面形状からの誤差を計測する第一計測工程と、
    第二の加工物の表面に前記ガスクラスターイオンビームを照射して前記第二加工物の表面に形成された加工痕を計測する第二計測工程と、
    前記第二加工物を対象に計測して得た加工痕データを基に前記被加工物の目標表面形状における各表面位置の曲率に順ずる加工痕データを生成する第一計算工程と、
    前記生成した加工痕データを基礎データにして、前記ガスクラスターイオンビームが前記誤差分の固体物質を除去するための、前記被加工物表面上の各位置の照射ドーズ量を求める第二計算工程と、
    前記照射ドーズ量に従って前記ガスクラスターイオンビームを前記被加工物表面に照射して該被加工物表面の研磨を行う研磨工程と、
    を有することを特徴とする超精密研磨方法。
  2. ガスクラスターイオンビームを被加工物表面に照射して該被加工物表面を研磨する超精密研磨方法であって、
    前記被加工物の表面形状を計測し、
    前記計測で得た被加工物の表面形状データの、予め設定されている目標表面形状データからの誤差を、前記被加工物の表面上の各位置ごとに算出し、
    第二加工物の表面に前記ガスクラスターイオンビームが照射された場合の該ガスクラスターイオンビームによる前記被加工物表面における照射範囲と固体物質除去深さとの関係を示す基準プロファイルを導入し、
    前記被加工物表面上の各位置ごとに、前記目標表面形状における該位置の曲率に順ずるように前記基準プロファイルを補正して補正プロファイルを生成し、
    前記各位置ごとの補正プロファイルを対象に前記各位置ごとに前記各照射範囲内の固体物質除去深さを変化させ且つ、複数の補正プロファイルが重複する位置では該位置の各補正プロファイルの固体物質除去深さを加算し、
    前記固体物質除去深さと照射ドーズ量との所定の関係を基に、前記被加工物表面の研磨対象範囲において前記誤差が共に減少するような前記被加工物表面上の各位置での照射ドーズ量を決定し、
    前記各位置での照射ドーズ量を前記ガスクラスターイオンビームの走査速度に変換し、
    前記ガスクラスターイオンビームを前記被加工物表面に前記走査速度で照射させて該被加工物表面の研磨を行う、
    ことを特徴とする超精密研磨方法。
  3. 前記被加工物表面の全範囲を対象とする前記誤差データに所定のオフセット量を加算し、
    前記被加工物表面の全範囲を対象にガスクラスターイオンビームを走査させて前記被加工物を表面研磨する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超精密研磨方法。
  4. 前記被加工物に照射するガスクラスターイオンビームと前記第二加工物に照射するガスクラスターイオンビームとの種類が異なる場合に、
    各ガスクラスターイオンビームによるスパッタリング深さと照射ドーズ量との関係に基づいて前記基準プロファイルを補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の超精密研磨方法
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