JP2003039282A - 自由曲面加工装置および自由曲面加工方法 - Google Patents

自由曲面加工装置および自由曲面加工方法

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JP2003039282A
JP2003039282A JP2001229462A JP2001229462A JP2003039282A JP 2003039282 A JP2003039282 A JP 2003039282A JP 2001229462 A JP2001229462 A JP 2001229462A JP 2001229462 A JP2001229462 A JP 2001229462A JP 2003039282 A JP2003039282 A JP 2003039282A
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shape
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machining
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Satoyuki Sagara
智行 相良
Tetsuya Inui
哲也 乾
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3次元の自由曲面を加工できると同時に、こ
の加工された3次元の自由曲面についての形状を、加工
装置から被加工物を取り外すことなく、短時間で正確に
測定でき、加工された3次元自由曲面の補正を、短時間
で正確に実行できる自由曲面加工装置および自由曲面加
工方法を提供する 【解決手段】 この自由曲面加工装置では、加工工具9
を被加工物10に対して移動させる送り機構2〜8が、
形状測定器12を被加工物10に対して移動させて、被
加工物10の自由曲面形状を計測する。したがって、被
加工物10を加工装置1から取り外すことなく、加工工
具用の送り機構2〜8を用いて、形状測定器12を被加
工物10に対して移動させることで、被加工物10の被
加工面の自由曲面の形状を短時間で正確に計測できる。
そして、この形状測定器12で正確に測定した被加工面
の自由曲面形状に基づき、再度修正加工を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、非球面
加工,自由曲面加工を行う自由曲面加工装置および自由
曲面加工方法に関し、さらに詳しくは、非接触三次元形
状測定器を搭載した超精密な自由曲面加工装置および自
由曲面加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加工装置として、きわめて高精度
な加工が可能な装置が開発されてきている。これらの加
工装置は、回転主軸には流体軸受け、刃物送りの機構に
は同じく流体軸受けや、あるいはきわめて高精度な転が
り軸受けを用い、また、送り系の送り量の計測にはレー
ザーを用いた測長器などを用いている。
【0003】これらの加工装置は、結果的に、送り量の
精度・分解能として0.01ミクロン程度の精度を有す
る装置も珍しくない。これらの加工装置を用いると、金
属材料、ガラス、金型用セラミック、超硬合金などをサ
ブミクロン精度で加工できる。したがって、従来、研磨
でなくては加工不可能であった光学素子を、直接に、研
削や切削で加工できるようになる。
【0004】これらの加工装置は、おおむね、主軸台に
固定された被加工物を回転させ、砥石により被加工物を
研削加工して、球面あるいは、非球面の加工を行う。特
に、送り軸を多軸化した構造を取り、研削加工が行える
ようにした加工装置の場合には、従来の回転対称な形状
の加工だけではなく、回転非対称な形状の加工を、高精
度で行うことが可能であり、従来考えられなかったよう
な形状(いわゆる自由曲面)の加工を行うことができる。
【0005】しかしながら、これらの自由曲面加工装置
は、加工主軸や、送り軸はきわめて高精度に駆動ができ
るものの、研削により加工を行う場合には、研削加工を
行うに伴って、研削用砥石の摩耗が避けられない。この
ため、高精度で砥石を駆動制御しても、砥石の摩耗によ
り、結果的に高精度な加工が行えなくなる。
【0006】また、切削加工においても、やはり刃物の
摩耗が生じる上に、送り台の位置制御をいくら高精度に
行っても、刃物の最終的な位置決めを高精度に行えない
という事情は同じであり、結局、最終的な加工形状は、
加工装置の送り機構の本来の精度に及ばない。
【0007】このような精度低下を補うために、従来
は、加工を行う毎に、被加工物を加工装置から取り外し
て、別途、高精度の3次元測定器などの形状測定器によ
って被加工物の形状を測定していた。これにより、上記
砥石の摩耗や、加工刃先の位置ずれなどによって生じる
加工誤差を求めて、最終的な加工形状に必要な加工量を
見積もった上、再度、加工装置に被加工物を取り付け
て、加工を繰り返して、被加工物の所望の加工精度を得
るようにしていた。
【0008】しかし、このような方法では、実際に加工
する時間そのものよりも、計測,位置決めなどに多大の
時間を要し、加工時間やひいては加工コストの増大につ
ながっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、3次元の自由曲面を加工できると同時に、この加
工された3次元の自由曲面についての形状を、加工装置
から被加工物を取り外すことなく、短時間で正確に測定
でき、加工された3次元自由曲面の補正を、短時間で正
確に実行できる自由曲面加工装置および自由曲面加工方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の自由曲面加工装置は、加工工具を送り機
構でもって被加工物に対して移動させて、被加工物を加
工する加工機において、上記送り機構でもって上記被加
工物に対して移動させられて、上記被加工物との間の距
離を計測することで、上記被加工物の形状を計測する形
状測定器を備えたことを特徴としている。
【0011】この発明では、加工工具を被加工物に対し
て移動させる送り機構が、形状測定器を上記被加工物に
対して移動させて、被加工物の自由曲面形状を計測す
る。したがって、この発明によれば、被加工物を加工装
置から取り外すことなく、加工工具用の送り機構を用い
て、形状測定器を被加工物に対して移動させることで、
被加工物の被加工面の自由曲面の形状を短時間で正確に
計測できる。そして、この形状測定器で正確に測定した
被加工面の自由曲面形状に基づき、再度修正加工を行え
る。
【0012】このように、この発明によれば、被加工物
を加工装置から取り外す必要がなく、別途高価な測定装
置を用いて被加工物の形状測定を行う必要がなく、再度
加工装置に被加工物を取り付けて加工を行うというよう
なことをする必要が無い。また、そのために、取り付け
誤差による加工誤差も原理的になくすことができ、加工
精度の向上、形状測定精度の向上、測定時間の短縮、加
工装置の低価格化が可能となる。
【0013】また、一実施形態の自由曲面加工装置は、
上記送り機構は、超精密送り機構であり、この超精密送
り機構で上記測定器の位置補正を行う。
【0014】この実施形態では、上記送り機構が超精密
送り機構であるので、サブミクロンオーダの精度で上記
測定器の精密な位置補正を行える。
【0015】また、一実施形態の自由曲面加工装置は、
上記送り機構は、その送り方向を、少なくとも、X軸方
向と、このX軸に直交するY軸方向と、このX軸とY軸
に直交するZ軸方向と、上記X軸回りの回転方向である
A方向と、上記Y軸回りの回転方向であるB方向とに、
制御可能であり、上記形状測定器は、上記被加工物に対
して接触せずに上記被加工物の形状を測定する非接触形
状測定器であり、この非接触測定器は、上記送り機構で
もって上記被加工物に対して移動させられて、上記被加
工物の形状を計測するとともに、上記送り機構でもっ
て、位置補正される。
【0016】この実施形態では、上記送り機構は、その
送り方向を、上記X軸,Y軸,Z軸,A軸,B軸の方向に制
御することができる。したがって、被加工物の被加工面
の形状を測定する際に、上記各軸の送り方向を制御する
ことで、非接触形状測定器を、最も精度良く計測できる
最適な姿勢にすることができる。
【0017】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記送り機構は、上記形状測定器で、上記被加工物
の形状を測定するときに、上記形状測定器の姿勢が、上
記被加工物の被加工面の測定部位の法線と所定の角度を
保つように、上記形状測定器の角度補正を行う。
【0018】この実施形態では、上記形状測定器で、上
記被加工物の形状を測定するときに、上記形状測定器の
姿勢が、上記被加工物の被加工面の測定部位の法線と所
定の角度を保つように、上記送り機構が、上記形状測定
器の角度補正を行う。
【0019】これにより、上記被加工物の被加工面がど
のような自由曲面形状であっても、被加工面の加工点の
法線と所定の角度を保つように、上記形状測定器の角度
補正を行うことができる。したがって、被加工物の被測
定面の傾きに起因する形状測定の誤差要因を排除するこ
とができ、高精度な三次元形状測定を行うことが可能と
なる。
【0020】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記送り機構は、加工時には、上記被加工物の被加
工面に対する上記加工工具の姿勢が、上記被加工面の加
工部位の法線と所定の角度を保つように、上記加工工具
の角度補正を行いながら、上記加工工具によって上記被
加工物を加工するようにし、形状測定時には、上記被加
工面に対する上記形状測定器の計測姿勢が上記被加工面
の加工点の法線と所定の角度を保つように、上記形状測
定器の角度補正を行いながら、上記形状測定器によって
上記被加工面の加工点の計測を行うようにする。
【0021】この実施形態では、上記送り機構は、加工
時には、上記被加工物の被加工面に対する上記加工工具
の姿勢が、上記被加工面の加工部位の法線と所定の角度
を保つように、上記加工工具の角度補正を行いながら、
上記加工工具によって上記被加工物を加工する。また、
形状測定時には、上記被加工面に対する上記形状測定器
の計測姿勢が上記被加工面の加工点の法線と所定の角度
を保つように、上記形状測定器の角度補正を行いなが
ら、上記形状測定器によって上記被加工面の加工点の計
測を行う。
【0022】したがって、この実施形態では、加工の際
には、加工工具の1点(同一箇所)で加工を行うことがで
き、かつ、形状測定時には、形状測定器の角度補正を行
い、被測定面の傾きによる形状測定誤差要因を排除する
ことができる。
【0023】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記送り機構は、加工時には、上記被加工物の被加
工面に対する上記加工工具の加工姿勢が、上記被加工面
の加工点の法線と所定の角度を保つように、上記加工工
具の角度補正を行いながら、上記加工工具を送る一方、
形状測定時には、上記形状測定器の姿勢が、上記被加工
物の被加工面に対して測定部位の法線と所定の角度を保
つように、上記形状測定器の角度補正を行いながら、上
記形状測定器が、上記加工工具による上記被加工物の加
工軌跡と略同一の軌跡をトレースするように、上記形状
測定器を送る。
【0024】この実施形態では、送り機構が、形状測定
器を、加工工具の加工軌跡と略同一軌跡をトレースする
ように送る。したがって、この形状測定器が測定した被
加工物との間の距離データは変動の少ない略一定とな
り、この距離データの変動の有る箇所が、加工の修正が
必要となる箇所であることが分かる。したがって、加工
修正が必要な箇所のみ、ピンポイントで修正加工を行う
ことができ、加工時間,形状測定時間を大幅に短縮でき
る。
【0025】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記形状測定器は、レーザ光を利用して、被加工物
の形状を計測する形状測定器である。
【0026】この実施形態では、上記形状測定器は、レ
ーザ光を利用して、被加工物の形状を計測するから、被
加工物に対して、非接触で、被加工物の自由曲面形状を
計測することが可能となる。また、上記形状測定器(セ
ンサー)の被加工面に対する計測姿勢(位置)が、被加工
面の加工点の法線と常に所定角度を保つように、形状測
定器の角度補正を行いながら、計測を行うことで、被加
工面の傾きによる測定誤差要因を排除でき、高精度な非
接触三次元形状測定を行うことができる。
【0027】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記送り機構は、上記加工工具が上記被加工物の被
加工面を加工するときに上記加工工具を移動させる送り
の軌跡と、加工時の上記加工工具の角度補正の情報とに
基づいて、上記形状測定器を移動させ、上記形状測定器
の角度補正を行う。
【0028】この実施形態では、上記加工工具を移動さ
せる送りの軌跡と、加工時の上記加工工具の角度補正の
情報とに基づいて、形状測定時の形状測定器の移動と角
度補正を行うから、加工時の加工工具の軌跡通りに、形
状測定器をトレースさせることが可能となって、形状測
定時間の短縮が可能となる。
【0029】また、形状測定器が、レーザ光を利用する
場合には、加工時の加工工具の軌跡通りにトレースする
ことで、センサー部のフォーカスずれが非常に小さくな
って、形状測定時間を短縮できる。
【0030】また、一実施形態の自由曲面加工装置は、
上記送り機構は、その送りがプログラムまたは数値制御
用データで制御され、上記形状測定器が上記被加工物の
被加工面の形状を測定したデータに基づいて、上記加工
工具で上記被加工物の被加工面を加工するときの上記加
工工具の送りを制御するプログラムまたは数値制御用デ
ータを補正する。
【0031】この実施形態では、上記形状測定器が上記
被加工物の被加工面の形状を測定したデータに基づい
て、上記加工工具で上記被加工物の被加工面を加工する
ときの上記加工工具の送りを制御するプログラムまたは
数値制御用データを補正する。これにより、被加工物の
被加工面を、容易かつ正確に補正加工できる。
【0032】また、一実施形態の自由曲面加工装置は、
上記形状測定器は、上記加工工具を支持するツール台に
搭載されている。
【0033】この実施形態では、上記形状測定器は、上
記加工工具を支持するツール台に搭載されているので、
加工時の加工工具の角度補正情報を基にして、形状測定
時の形状測定器の角度補正を行うことができ、加工時の
加工工具の軌跡通りに形状測定器を移動させることも容
易になり、形状測定時間の短縮が可能である。
【0034】また、一実施形態の自由曲面加工装置で
は、上記形状測定器は、上記加工工具とは180°反対
側を向いて、上記ツール台に搭載されている。
【0035】この実施形態では、上記形状測定器は、上
記加工工具とは180°反対側を向いて、上記ツール台
に搭載されているから、上記形状測定器は、加工時に加
工工具から放出される冷却用のエアー,オイル等で飛散
する加工屑から遠ざけられ、これらが形状測定器に付着
するのを防げる。
【0036】また、一実施形態の自由曲面加工方法は、
超精密送り機構で加工工具を移動させて、被加工物を加
工し、上記超精密送り機構で非接触三次元形状測定器を
移動させて、上記被加工物の形状を測定する自由曲面加
工装置による自由曲面加工方法であって、上記超精密送
り機構は、加工プログラムに基づいて、互いに直交する
X軸,Y軸,Z軸の方向および上記X軸回りのA方向,上
記Y軸回りのB方向に、送り制御が可能であり、上記被
加工物の形状測定時には、上記超精密送り機構でもっ
て、加工プログラムに基づいて、非接触三次元形状測定
器の姿勢が、上記被加工物の被測定部位の法線と所定の
角度を保つように、上記非接触三次元形状測定器の角度
補正を行いつつ、上記非接触三次元形状測定器を移動さ
せて、上記被加工物の三次元形状測定を行い、この三次
元形状測定データに基づいて、上記加工プログラムを修
正し、上記超精密送り機構は、この修正した加工プログ
ラムにしたがって、上記加工工具を移動させて、上記被
加工物を加工する。
【0037】この実施形態では、上記被加工物の形状測
定時には、上記超精密送り機構は、加工プログラムに基
づいて、非接触三次元形状測定器を移動させて、上記被
加工物の三次元形状測定を行う。この加工プログラム
は、加工工具で被加工物を加工するときに、超精密送り
機構が上記加工工具を移動させる送り制御のプログラム
である。
【0038】したがって、この実施形態によれば、非接
触三次元形状測定器を、加工工具の加工時の軌跡と同一
の軌跡に沿って移動させることができる。したがって、
この非接触三次元形状測定器の三次元形状測定データか
ら、実際の加工形状が上記加工プログラムによる目標形
状からずれている量(誤差)を直ちに求めることができ
る。そして、この三次元形状測定データに基づいて、上
記誤差を補うように、上記加工プログラムを修正する。
これにより、加工修正が必要な箇所のみ、ピンポイント
で修正加工を行うことができ、加工時間、形状測定時間
を大幅に短縮できる。
【0039】また、一実施形態の自由曲面加工方法は、
超精密送り機構を有する自由曲面加工装置による自由曲
面加工方法であって、加工工具が被加工物を加工したと
きの軌跡と略同一の軌跡をトレースするように、上記超
精密送り機構で、形状測定器を移動させて、上記形状測
定器で上記被加工物の形状を測定することによって、上
記加工工具の上記加工時の摩耗量を計測し、この計測し
た摩耗量に基づいて、上記超精密送り機構による上記加
工工具の送りを制御する加工プログラム、もしくは、上
記超精密送り機構による上記加工工具の送りを制御する
数値制御用データを補正する。
【0040】この実施形態では、加工工具が被加工物を
加工したときの軌跡と略同一の軌跡をトレースするよう
に、超精密送り機構で、上記形状測定器を移動させて、
上記形状測定器で上記被加工物の形状を測定する。この
測定した形状(データ)を基に、上記加工工具の上記加工
時の摩耗量を計測する。そして、この計測した摩耗量
を、即座に、加工プログラムの摩耗補正プログラム(数
値制御用データ)に反映することができる。したがっ
て、加工形状誤差の要因である加工工具の摩耗に対応し
て、送り機構による送りを容易に補正することができ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態に基づいて詳細に説明する。
【0042】図1に、この発明の実施形態である自由曲
面加工装置1を側方から見た様子を示す。
【0043】この自由曲面加工装置1は、ベース2上
に、Zステージ3,Xステージ5,Bステージ6,Yステ
ージ7,ツール台8を備え、これらは、加工,計測に必要
なナノオーダーの超精密送りが可能になっている。
【0044】上記Zステージ3は、ベース2の上面にそ
って略水平なZ方向(図において左右の方向)に移動可能
になっており、このZステージ3上には、主軸台4が搭
載されている。この主軸台4は、上記Z方向の軸を中心
軸とする主軸4aを有し、この主軸4aは上記中心軸を
回転中心軸として回転させられる。また、この主軸4a
には、主軸台4が有するチャッキングで、被加工物10
が固定されている。例えば、この被加工物10に、回転
対称の形状を加工する場合には、この主軸4aを回転さ
せて、加工を行う。また、上記被加工物10に、回転非
対称形状の加工を行う場合には、主軸4aを回転させず
に、加工を行う。
【0045】一方、上記Zステージ3に対してZ方向に
所定の間隔を隔てて、上記ベース2上に、Xステージ5
が搭載されている。このXステージ5は、上記Z方向と
直交する方向で、かつ、上記ベース2の上面と略平行な
X方向に移動可能になっている。そして、このXステー
ジ5上には、Bステージ6が搭載されている。このBス
テージ6は、上記Z方向とX方向の両方に対して垂直な
Y方向の中心軸を回転中心軸としてB方向に回転可能に
なっている。
【0046】また、このBステージ6上には、上記Y方
向に移動可能なYステージ7が搭載されている。
【0047】また、このYステージ7には、ツール台8
が取り付けられている。このツール台8は、図中P点か
ら上記X方向に延びる回転軸回りのA方向にYステージ
7に対して、回転可能になっている。
【0048】上記Zステージ3,主軸4a,Xステージ
5,Bステージ,Yステージ7およびツール台8は、超精
密送り機構をなし、転がり軸受けあるいは静圧軸受け等
を用いて、0.01μmオーダーの移動精度が確保され
ている。
【0049】上記ツール台8は、被加工物10を加工す
る砥石9を有するツール部11と被加工物10を測定す
るセンサー部12とを備えている。このツール部11
は、その回転軸11aを回転させて、上記砥石9を回転
させることができる。
【0050】このツール台8は、上記P点を通る回転軸
回りの上記A方向に回転させることで、センサー部12
を被加工物10に対向する形状測定位置に位置させるこ
とが可能となっている。このセンサー部12は、対物レ
ンズ13を有しており、この対物レンズ13により、被
加工物10にレーザを集光し、被加工物10との間の距
離を計測することで、形状測定を行う。
【0051】また、ベース2上に搭載されたXステージ
5,Yステージ7,Zステージ3,Bステージ6,ツール台
8は、それぞれが有するサーボモーターによって駆動さ
れており、各サーボモータはコンピュータ制御された制
御装置の制御信号によって制御されるようになってい
る。この自由曲面加工装置1では、これらX,Y,Z,B
ステージおよびツール台8の移動動作と、主軸4aの回
転と、砥石9の回転とによって、被加工物10を自由曲
面形状に加工することができる。
【0052】次に、この実施形態の自由曲面加工装置に
よって、被加工物10の表面を自由曲面に加工する方法
について説明する。
【0053】図2に、目的とする自由曲面形状の表面1
0aを有する被加工物10の一例を示す。この被加工物
10の表面10aは、非球面形状であり、図2における
X方向断面の非球面形状とY方向断面の非球面形状とで
は、形状が相異している。
【0054】このような、被加工物10の回転非対称形
状の表面10aを加工する場合には、主軸の回転を行わ
ず、Zステージ3とXステージ5とを駆動することで、
被加工物10の端部からX方向の非球面形状に砥石9を
被加工物10に対して相対的に移動させて、被加工物1
0の研削加工を行い、次に、Y軸方向にYステージ7を
1ステップだけ移動させ、同様に、X方向の非球面形状
に砥石9を被加工物10に対して相対的に移動させ、研
削加工を行う。これを繰り返すことによって、図2に示
すように、表面10aを自由曲面形状に加工した被加工
物10を得ることができる。
【0055】次に、図3を参照して、この実施形態にお
ける砥石9の角度補正について、説明する。
【0056】図3は、自由曲面形状に加工した被加工物
10を、Y方向に見た様子を示し、ツール部11の回転
軸11aを回転させて、回転軸11aに取り付けた砥石
9を回転軸11a回りに回転させながら、砥石9で被加
工物10の端部からX方向の非球面形状に加工を行って
いる様子を示す。図3に、破線で描いた様子は、実線で
描いた様子から、加工が進行した状態における砥石9の
姿勢を示している。
【0057】図3に示すように、まず、被加工物10の
端部から、Zステージ3およびXステージ5の駆動によ
り、X方向の非球面形状の軌跡に沿って、砥石9を被加
工物10に対して相対的に移動させ、被加工物10の研
削加工を行う。このX方向の加工によって、砥石9が駆
動されるに伴い、砥石9が被加工物10を加工する加工
点における面の法線は逐次変化する。この法線に対し
て、砥石9が常に一定角度を保つように、Bステージ6
を駆動して、Bステージ6をB方向に移動(回転)させる
ことで、砥石9の被加工物10に対する角度(姿勢)を、
補正制御する。このことによって、被加工物10を、常
に砥石9の一点のみで加工する。
【0058】ここで、この自由曲面加工装置1は、たと
えば、上記超送り機構の駆動系の内部に、あらかじめ、
被加工物10の最終加工形状を、プログラムデータとし
て保持しているので、砥石9がある加工点へ移動したと
きには、その加工点での上記砥石9の角度(姿勢)の補正
量は、上記プログラムデータに基づいて、直ちに決定さ
れ、ここでは、Bステージ6のB方向への移動量が決定
される。
【0059】次に、Yステージ6を、Y軸方向に1ステ
ップだけ移動させ、上述と同様に、被加工物10の端部
からX方向の非球面形状の軌跡に沿って、砥石9を被加
工物10に対して相対的に移動させ、被加工物10の研
削加工を行う。このY軸方向への1ステップの移動に伴
なって、砥石9の加工点の法線は、A方向に1ステップ
分だけ変化する。
【0060】このA方向への1ステップ分だけ移動した
後の法線に対して、常に一定角度を保つように、ツール
台8を駆動して、砥石9のB方向の位置を調整し、さら
に、X方向の加工に伴って、逐次変化する加工点の法線
に対して、砥石9が常に一定角度を保つように、Bステ
ージ6のB方向の位置を調整して、砥石9の角度を制御
することによって、常に砥石9の一点のみで加工を行
う。
【0061】この場合も、この自由曲面加工装置1が、
内部にあらかじめ、加工形状を表すプログラムデータを
保持していて、そのプログラムデータによって、上記砥
石9の角度の制御量(補正量)が直ちに決定される。
【0062】このような砥石9の角度(姿勢)制御を、繰
り返すことによって、常に砥石9の一点のみで、被加工
物10に対する加工を行うことが可能となり、砥石9の
摩耗を補う補正も行い易くなる。
【0063】なお、上述のように、砥石9を回転させて
加工する場合ではなく、加工工具としてのバイト等によ
る切削加工においても、このバイト等が被加工物10の
加工面に対して、被加工面の加工点の法線に対して、常
に一定角度を保つように、上記のように5軸(Z,X,Y,
B,A方向)制御によって、ツール角度を補正しながら、
切削加工することができる。
【0064】次に、上記自由曲面加工装置1における形
状測定について説明する。
【0065】上記のような加工手順に基づき、被加工物
10の加工を終えた後、センサー部12を使用して、被
加工物10の形状測定を行う。この形状測定は、上述の
加工によって形成された被加工物10の被加工面10a
の形状が、目標とする形状からずれている量(誤差)を測
定するために行う。
【0066】回転主軸4aや、駆動されるXステージ
5,Yステージ7,Zステージ3,Bステージ6およびツ
ール台11等がいかに精密に制御されていても、砥石9
の摩耗や、送り誤差などに起因して、加工形状の誤差を
完全にゼロにするのは不可能である。
【0067】図4に、被加工物10の形状を測定する様
子を示す。砥石9の回転により自由曲面形状に研削加工
した被加工物10の被加工面の三次元形状を、非接触で
計測するために、ツール台8に設置したセンサー部12
を用いる。このセンサー部12は、図1に示すように、
ツール台8からP点を通る回転軸回りに約180°回転
した反対側の位置に有るので、ツール台8を上記回転軸
回り(A方向)に約180°だけ回転させることによっ
て、センサー部12を形状測定位置に位置させることが
できる。
【0068】このセンサー部12は、レーザ変位計であ
り、対物レンズ13でレーザ光を被加工物10に集光さ
せ、この被加工物10から反射したレーザ光の焦点位置
を検出することで、被加工物10との間の距離を計測し
て、被加工物10の形状を測定する。
【0069】レーザー変位計の原理は、受光素子付近に
ピンホールを設け、被加工物10が焦点位置にある場合
は、焦点位置で反射したレーザ光がピンホールを通過し
て受光素子まで到達するが、被加工物10が焦点位置に
ない場合は、反射したレーザ光は上記ピンホールをほと
んど通過できず、受光素子まで到達しないというもので
ある。
【0070】上記センサー部12は、この原理を応用し
たレーザフォーカス変位計を用いる。あるいは、上記セ
ンサー部12は、受光素子としてCCDを用いて、焦点
位置で反射したレーザ光はCCDの一点で集光するが、
焦点位置でない位置で、反射したレーザ光はCCDの一
点に集光しないことから、集光レンズを移動させて、集
光位置を求め、この集光レンズの移動距離から被加工物
10までの距離を計測する原理を応用して高精度な測定
を行うものとしてもよい。
【0071】このように、レーザ光を用いた距離測定を
行うセンサー部12とした場合は、センサー部12をコ
ンパクトにすることが可能であり、センサー部12をツ
ール台8へ容易に搭載できる。
【0072】ところが、このようにレーザにより距離を
計測する測定方法の場合は、被加工物10の測定面の法
線がレーザの光軸に対して傾きをもっている場合は、こ
の測定面からのレーザの反射光が、光学系の光軸上を正
しく通過しないという欠点がある。また、集光されたビ
ーム径の範囲で、上記測定面の傾きが(変わる)場合に
は、測定誤差が大きくなり、ナノメータオーダーの超精
密計測が不可能となる。
【0073】そこで、この実施形態においては、被加工
物10の測定面からの反射光が、常に光学系の光軸上を
正しく通過するように、ツール台8のA方向への駆動に
より、センサー部12の角度を制御する。つまり、セン
サー部12の測定姿勢(光軸)が被加工面10aの測定点
の法線と常に一定角度を保つように、被加工物10の測
定面に対するセンサー部12の角度補正を行いながら、
被加工物10の被加工面10aとの間の距離を測定す
る。この角度補正には、Xステージ5,Yステージ7,Z
ステージ3,Bステージ6およびツール台8からなる超
精密送り機構を、駆動制御する。このように、測定する
センサー部12の光軸と、被加工物10の加工面の法線
とを、一定の角度に保つように、上記超精密送り機構を
駆動することによって、上記レーザにより距離を計測す
る場合の誤差を極めて小さく保つことができる。
【0074】例えば、図2には、自由曲面形状に加工し
た被加工面10aを有する被加工物10を示し、図2に
おいて、X軸とZ軸とを含むX-Z平面によるX方向断
面とY方向断面とでは非球面形状が異なっている。この
X方向断面とは、X軸とZ軸とを含むX-Z平面で上記
被加工物10を切断した断面であり、このY方向断面と
は、Y軸とZ軸とを含むY-Z平面で上記被加工物10
を切断した断面である。
【0075】このような回転非対称形状の被加工物10
の被加工面10aの形状を測定する場合には、加工時と
同様に、センサー部12を被加工物10の端部からX方
向の非球面形状に、被加工物10に対して相対的に移動
させて、被加工面10aの形状を測定する。
【0076】次に、Yステージ7を、Y軸方向に1ステ
ップだけ移動させてから、センサー部12を、X方向の
非球面形状に、被加工物10に対して相対的に移動させ
て、被加工面10aの形状を測定する。これを繰り返す
ことにより、自由曲面形状に加工した被加工物10の被
加工面10aの形状を測定する。
【0077】次に、図4を参照して、センサー部12の
角度補正について説明する。
【0078】図4は、被加工面10aを自由曲面形状に
加工した被加工物10を、Y方向から見た様子を示して
いる。図4では、Xステージ5を駆動して、この被加工
物10の端部からX方向の非球面形状に、センサー部1
2を移動させて、この被加工物10の被加工面10aの
X方向の非球面形状を測定している様子を示している。
【0079】図4において、破線で描いたセンサー部1
2は、実線で描いたセンサー部12の位置から、形状測
定が進行した状態のセンサー部12の位置と姿勢を示し
ている。この状態のセンサー部12は、被加工物10に
対する姿勢(角度)が補正されている。
【0080】まず、被加工物10の端部からX方向の非
球面形状にセンサー部12を相対的に移動させて、被加
工物10の被加工面10aの形状を測定する。このX方
向の形状測定に伴い、被加工面10aにおける測定点の
法線は逐次変化する。この法線に対して、センサー部1
2からの光軸が、常に一定角度を保つように、Bステー
ジ6を駆動して、センサー部12の姿勢をB方向に調整
し、このセンサー部12からの光軸をB方向に角度制御
する。
【0081】これにより、センサー部12から発したレ
ーザ光が、被加工面10aにおける測定点で反射した反
射光が、常に、光学系の光軸上を正しくするようにな
る。
【0082】次に、Yステージ7を、Y軸方向に1ステ
ップだけ移動させ、上述と同様にして、センサー部12
を、被加工物10の端部からX方向の非球面形状に相対
的に移動させて、被加工面10aの形状を測定する。こ
のセンサー部12のY軸方向への1ステップの移動に伴
ない、被加工面10aの加工点の法線はA方向に1ステ
ップ分変化する。
【0083】この自由曲面加工装置では、上記超精密送
り機構の駆動を制御する制御系が、被加工物10を予め
どのような自由曲面に加工するのか、というプログラム
を有している。したがって、上記制御系では、加工位置
の移動に伴い、そのプログラム(加工データ)と、加工位
置(砥石9(あるいは刃物)の位置)がわかれば、加工位置
における被加工面の法線方向がどのような値になるか
は、直ちに算出される。
【0084】したがって、上記制御系によれば、センサ
ー部12の上記Y方向への1ステップの移動後の被加工
物10の測定点(レーザ到達点)における法線に対して、
センサー部12からのレーザ光の光軸が常に一定角度を
保つように、ツール台8を駆動して、センサー部12を
A方向へ移動させることができる。
【0085】さらに、上記X方向への形状測定に伴い、
逐次変化する測定点の法線に対しては、Bステージ6を
駆動して、センサー部12をB方向に移動させること
で、上記法線に対して、センサー部12の光軸が常に一
定角度を保つように、センサー部12の姿勢(角度)を制
御することができる。なお、このときには、Zステージ
3を駆動して、被加工物10を前進させると、図4に示
すように、被加工物10と対物レンズ13との距離を一
定に維持できる。
【0086】これにより、センサー部12からのレーザ
光が測定点で反射した反射光が、光学系の光軸上を常に
正しく通過するようにできる。
【0087】上述の動作を繰り返すことにより、被加工
物10の測定点からの反射光が光学系の光軸上を正しく
通過する状態を保ちながら、センサー部12からのレー
ザ光による距離測定を続けることが可能となる。そし
て、上記のような光線の入射角度による誤差を極めて小
さくすることが可能となり、ナノメータのオーダーの高
精度な測定が可能となる。
【0088】なお、厳密には、被加工物10の加工途中
においては、加工面の傾きは最終目的の形状ではないの
で、この加工装置が保有している加工形状を表すデータ
から算出した見込んだ傾き角とは異なる角度となる。し
かし、この実施形態が対象とする加工工程では、被加工
物10の加工量(除去量)そのものがサブミクロンオーダ
ーの加工工程であり、この場合、面の傾きの最終形状か
らのずれはきわめてわずかであり、形状測定器であるセ
ンサー部12で誤差が生じるほどの量に達せず、正確に
測定が行える。
【0089】ここで、自由曲面の加工の際には、加工点
の法線に対して、ツール部11が常に一定角度を保つよ
うにして加工している。したがって、この加工装置は、
あらかじめ、加工時に法線方向を算出して、ツール部1
1(砥石9)の角度補正を行う機能を有している。したが
って、自由曲面の形状測定の際に、測定点の法線に対し
て、センサー部12が常に一定角度を保つようにして測
定する際に、加工時のツール部11の角度補正情報を基
にして、形状測定時のセンサー部12の角度補正を行う
ことができる。この場合には、形状測定時の角度補正の
データを新たに計算する必要がなくなり、測定効率が非
常に良くなる。また、三次元形状の測定時間を短縮する
ことが可能である。
【0090】ところで、加工時のツール部11の角度補
正情報を基に、形状測定時にセンサー部12の角度補正
を行うためには、まず、ツール部11とセンサー部12
との位置関係が明確になっている必要がある。これは、
光を用いた測定器の場合には、センサー部12の測定ダ
イナミックレンジが、おおむね数十から数百ミクロンで
あり、このダイナミックレンジの中で形状測定を行う必
要があり、かつ、センサー部12の光軸と砥石9の方向
とが必ずしも一致していない場合があるからである。
【0091】そこで、この実施形態によれば、加工を行
う際に、被加工物10に砥石9を接触させ、被加工物1
0にツールマークを付ける。そして、このときに、ツー
ル台8を含む上記超精密送り機構の位置,姿勢データ
を、たとえば、上記制御系に格納する。
【0092】次に、上記超精密送り機構を駆動して、セ
ンサー部12の対物レンズ13を上記被加工物10に対
向させ、さらに、上記センサー部12の位置と姿勢を、
上記超精密送り機構で調節して、上記ツールマークに対
して、センサー部12からのレーザ光を対物レンズ13
で集光させて、このツールマークの箇所でフォーカスさ
せる。さらに、このツールマークの箇所でのレーザ光の
反射光が、光学系の光軸中心を正しく通過するように、
上記超精密送り機構でセンサー部12の位置,姿勢を調
整する。そして、このときの超精密送り機構の位置,姿
勢データを上記制御系に格納する。上記2組の位置,姿
勢データの相異が、ツール部11とセンサー部12との
位置関係を表している。
【0093】また、自由曲面加工装置1の加工工具であ
る砥石9とその形状測定器であるセンサー部12の校正
については、次のような方法で行うことができる。
【0094】まず、センサー部12の形状測定について
の校正を行う。これは、砥石9でサンプル(被加工物)を
球形状に加工を行い、その形状をセンサー部12で計測
する。次に、この実際に加工したサンプルの球形状を、
光干渉計で計測し、光干渉計で測定した形状とセンサー
部12で計測した形状が一致するように、形状測定器で
あるセンサー部12の校正を行う。
【0095】この実施形態では、加工と形状測定はナノ
メーターの位置制御精度を有する同一のステージで行っ
ているので、各ステージの精度に起因する加工と形状測
定の誤差は実質上生じない。
【0096】次に、加工工具である砥石9の位置に対す
る形状測定器であるセンサー部12の位置の校正を行
う。すなわち、上述のように、被加工物10に砥石9を
接触させ、X方向,Y方向に移動させ、生じたツールマ
ークの交点に対して、センサー部12からのレーザ光を
対物レンズ13で集光させて、ツールマークの交点部分
でフォーカスさせる。そして、そのレーザ光の反射光が
光学系の光軸中心を正しく通過するように、上記超精密
送り装置を調整する。
【0097】そして、上記加工時の上記ツールマークの
交点位置を表す上記超精密送り装置の機械座標と、上記
ツールマークの交点位置をセンサー部12が測定した機
械座標とを、例えば、上記制御系により求める。そし
て、この2つの機械座標をオフセット値として、加工時
と形状測定時と間で、超精密送り装置の機械座標を補正
する。この補正により、加工時に移動させる砥石9の加
工点の軌跡と、測定時に移動させるセンサー部12の測
定点の軌跡とを一致させるように、上記超精密送り装置
の機械座標を校正することができる。
【0098】このように、この実施形態によれば、砥石
9に対するセンサー部12の位置校正を、この加工装置
自身で行うことが可能であるので、この加工装置の経時
変化による誤差を排除できる。また、ツール台8の回転
機構を簡単な構成とすることができる。
【0099】上述のようにして、形状測定器としてのセ
ンサー部12を校正することによって、被加工物10の
被加工面10aの形状をセンサー部12で測定したデー
タに基づいて、上記被加工面10aを予め設定した目標
の加工形状にするための補正の加工を実行する加工補正
情報を、上記超精密送り装置にフィードバックすること
が可能となる。
【0100】この実施形態では、ツール部11とセンサ
ー部12の配置関係については、ツール部11とセンサ
ー部12とを同じツール台8上に配置している。このツ
ール部11とセンサー部12との位置関係が明確であれ
ば、加工時の超精密送り機構の各ステージ(各軸)の移動
情報に基づいて、計測時の各ステージ(各軸)の移動情報
を補正することにより、ツール部11で加工した加工点
の軌跡通りに、センサー部12の測定点が移動するよう
に、上記超精密送り機構の各ステージを制御できる。こ
のため、ツール部11とセンサー部12とを、同じツー
ル台8上に配置することで、各ステージ(各軸)の移動情
報を補正し易くなる。
【0101】また、この実施形態では、センサー部12
を、A方向の回転中心点Pに関して、ツール部11の1
80°反対側に配置した。これにより、砥石9による加
工時に、エアーまたはオイル等で、加工によって生じる
熱を冷却し、加工屑を排出しているときに、この加工屑
などが、センサー部12に付着するのを回避できる。
【0102】また、上記実施形態において、形状測定デ
ータを取得する方法としては、次の方法がある。この方
法は、目標となる自由曲面を加工するためのプログラム
データによる砥石9の軌跡と同一の軌跡でもって、セン
サー部12を移動させて被加工面10aの形状を測定す
る。この形状測定で測定した値の変化量により、実際に
加工された自由曲面形状が、上記目標となる自由曲面に
対して、どの程度誤差を生じているかを求めることがで
きる。この誤差情報を、加工時のすべてのツール軌跡に
対して計測すれば、被加工面10aを、非常に高精度に
三次元形状測定できる。
【0103】なお、実際には、加工時の数ステップ毎の
ツール軌跡に対して、上記誤差情報を計測することで、
十分に高精度に形状を測定することができる。
【0104】元々、上記超精密送り機構を構成するXス
テージ5,Yステージ7,Zステージ3,Bステージ6,ツ
ール台8は、それぞれ、ナノメーターの精度が確保され
ており、この超精密送り機構を規準にして、被加工面1
0aの形状を測定することで、形状を極めて正確に測定
できる上に、別途測定装置を用意する必要が無い。
【0105】上述の第1の形状測定方法としては、セン
サー部12の走査軌跡を、加工工具としての砥石9の加
工軌跡と一致させ、その際のセンサー部12による距離
測定量を読み取る方式である。この方法であれば、セン
サー部12による距離測定量が、目標の加工形状からの
ずれ量に一致し、センサー部12からのデータ(距離測
定量)によって、目標の加工形状からのずれの量が直ち
に分かるという利点がある。また、センサー部12を駆
動するための制御系を、加工を行う制御系と同等のもの
とすることができるので、制御機構,制御方法が簡便と
なる利点がある。
【0106】さらに、上記実施形態において、形状測定
を行う手順としては、次の第2の方法が考えられる。こ
の第2の形状測定方法は、センサー部12による距離測
定量が、常に、ゼロになるように、センサー部12を走
査させる方法である。
【0107】具体的には、この形状測定方法は、目標の
加工形状の輪郭上に、センサー部12の測定点が位置す
るように、センサー部12を配置する。そして、このと
きに、センサー部12が出力する距離測定量がゼロであ
れば、この測定点において、目標の加工形状と実際の加
工形状とが一致している。一方、上記距離測定量が正で
あれば、上記測定点の法線方向において、実際の加工形
状が目標の加工形状よりも遠い、すなわち、過研削であ
る。逆に、上記距離測定量が負であれば、上記測定点の
法線方向において、実際の加工形状が目標の加工形状よ
りも近い、すなわち、研削不足である。
【0108】上記距離測定量が正の場合と負の場合とに
おいて、センサー部12自体を、上記超精密送り機構で
移動させて、センサー部12の出力(距離測定量)がゼロ
になるゼロ点を、常に実際の被加工物10の表面に一致
させる。この各測定点における超精密送り機構の移動量
によって、被加工物10の被加工面10aの形状を求め
ることができる。この形状測定方法によれば、センサー
部12を駆動する制御系が複雑になる一方、センサー部
12は、常に、その出力のゼロ点近傍で動作するので、
センサー部12の測定量に対する線形性が不要となる利
点がある。すなわち、この形状測定方法では、センサー
部12が出力する距離測定量が、ゼロであるか、正であ
るか、負であるのかの判断ができるだけでよい。このこ
とは、この実施形態のように、加工装置の送り機構に形
状測定器としてのセンサー部12を搭載する場合には、
きわめて大きな利点となる。なぜなら、センサー部12
は、その出力値がゼロか正か負かの判断ができるだけで
よいことから、センサー部12が安価に入手可能となる
からである。また、センサー部12自体を、加工工具と
してのツール部11を移動させる超精密送り機構によっ
て移動させて、被加工物10の被加工面10aの形状を
測定するから、形状を測定するための設備投資がほとん
ど必要なくなる。
【0109】また、この第2の形状測定方法によれば、
加工プログラムが指定する目標の加工形状に対する誤差
量が、超精密送り機構による移動量で表される形状誤差
になる。この超精密送り機構による移動量で表される形
状誤差から、上記加工プログラムを修正でき、加工の修
正が必要な被加工物10の箇所だけを、ピンポイントで
修正加工することができる。したがって、ツール部11
を、上記超精密送り機構によって、修正の加工ポイント
まで速やかに移動させることができ、加工時間を大幅に
短縮することができる。
【0110】また、この実施形態の自由曲面加工装置に
よれば、加工工具(砥石9)の摩耗量を、動的に追跡する
ことが可能となる。すなわち、加工プログラムが指定す
る目標の加工形状に対して実際に測定した加工形状の誤
差、すなわち形状誤差は、主に、砥石9の摩耗によって
発生する。したがって、加工に伴い、徐々に形状誤差が
増加する傾向にある。したがって、この加工時の砥石9
の軌跡と同一の軌跡をセンサー部12でトレースし、形
状誤差量を逐次追跡して行くことによって、砥石9の摩
耗量を把握することができる。そして、この摩耗量に応
じて、砥石9の送りの補正を行うことによって、形状誤
差の少ない自由曲面を形成することが可能となる。ま
た、これにより、加工工具(砥石9)の摩耗量を正確に予
測することも可能になるから、上記加工プログラムに、
予め、この予測摩耗量を組み込んで、加工工具の予測さ
れる摩耗量の分だけ、上記送りを補正しながら加工する
ことも可能となる。
【0111】また、センサー部12の位置を補正する別
の方法としては、この自由曲面加工装置1の内部に、あ
らかじめ精密に加工されたブロックを設置し、被加工物
10の形状測定に先だって、このブロックの各面の形状
を測定する。そして、その測定値によって、センサー部
12の位置、および、測定感度の校正を行うことができ
る。上記ブロックの形状としては、集光されたレーザを
反射できる寸法であればよく、このブロック自体を、こ
の実施形態の加工機で加工して、内部に配置することも
できる。
【0112】尚、上記実施形態では、センサー部12と
しては、光学式のセンサーを用いた例を述べたが、セン
サー部12としては、光学式に限るものではなく、従来
から、3次元測定器に搭載されている接触式のセンサー
を用いてもよい。この場合は、接触プローブの先端部形
状を、砥石9の加工部分の形状に近い曲率をもった球形
状とすることで、センサーの走査軌跡を加工工具として
の砥石9の加工軌跡と一致させることが望ましい。これ
により、自由曲面の形状を測定する際に、測定点の法線
に対して、接触プローブが、常に、一定の角度を保つよ
うにして、測定することで、ナノメータのオーダーの高
精度な測定が可能となる。また、この接触式のプローブ
を使用する場合は、光式とは異なり、測定が、被加工物
の反射率などに左右されないという利点を有する。
【0113】また、上記実施形態では、加工方式として
は、切削と研削の例を述べたが、加工方法としては、こ
れに限ることなく、他の加工方法を用いることも可能で
ある。
【0114】たとえば、従来の機械加工に置き換わる新
しい加工方法として注目されているプラズマCVMによ
る加工方式を用いることもできる。このプラズマCVM
の加工原理は、高圧のプラズマを局所的に発生させて生
成した中性ラジカル分子を被加工物に作用させて加工す
るものであり、超精密加工に適した化学的な加工方法で
ある。ただし、従来では、他の切削加工や研削加工と同
じく、加工と測定工程が分離されており、いくら精密な
加工が行えても、計測のたびに加工装置から取り外さね
ばならないという欠点を有している。したがって、この
発明の加工工具の加工技術として、CVM加工の原理を
用いた加工工具を採用すれば、従来の欠点を改善でき
る。
【0115】さらに、以上述べた以外の他の加工方式と
して、放電加工による自由曲面の形成や、YAG(イッ
トリウム・アルミニウム・ガーネット),エキシマ等のレ
ーザー加工においても、この発明の加工装置を適用する
ことができる。すなわち、この発明の加工装置に、形状
測定器を搭載し、この装置上で、被加工物の三次元形状
を計測することによって、被加工面と加工工具との位置
関係を損なうことなく、高精度な三次元形状を測定でき
る。そして、この測定の結果、形状誤差を生じている部
分については、被加工物に対して、ピンポイントで修正
加工を行うことができ、加工時間と測定時間の大幅な短
縮が可能となる。
【0116】以上のように、この実施形態の自由曲面加
工装置によれば、上記超精密送り機構に非接触三次元形
状測定器としてのセンサー部12を搭載したことで、被
加工物10を加工装置1から取り外すことなく、その三
次元形状を高精度に測定できる。また、この測定データ
を基にして、修正加工を行うことができる。
【0117】したがって、上記実施形態によれば、別途
高価な測定装置を用いて、被加工物の形状測定を行い、
再度、加工機に取り付けて加工を行うというようなこと
をする必要が無い。したがって、取り付け誤差による加
工誤差も原理的になくすることができる。したがって、
この実施形態によれば、加工測定精度および、形状測定
精度を向上でき、加工,測定時間を短縮でき、加工装置
の低価格化を可能とした。
【0118】また、上記実施形態では、被加工物10の
自由曲面の形状を測定する際に、被加工物10の被測定
面が傾きをもっていても、被測定面からの反射光が正し
く光学系の光軸上を通過するように、この被測定面に対
して、形状測定器であるセンサー部12の傾きの補正を
行う。したがって、被加工物10の三次元の形状を高精
度に測定でき、三次元形状を加工するあらゆる加工装置
に応用することができる。
【0119】また、上記実施形態では、三次元形状の測
定にレーザ光を利用しているが、非接触で三次元形状を
測定可能であればどのような方式の形状測定器を採用し
てもよい。この形状測定器のセンサー部を形状測定点の
法線に対して常に一定角度を保つように、センサー部の
角度補正を逐次行いながら形状測定を行うことによっ
て、被加工面の傾きによる測定誤差要因を排除して、高
精度な形状測定を行うことが可能となる。
【0120】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の自
由曲面加工装置では、加工工具を被加工物に対して移動
させる送り機構が、形状測定器を上記被加工物に対して
移動させて、被加工物の自由曲面形状を計測する。した
がって、この発明によれば、被加工物を加工装置から取
り外すことなく、加工工具用の送り機構を用いて、形状
測定器を被加工物に対して移動させることで、被加工物
の被加工面の自由曲面の形状を短時間で正確に計測でき
る。そして、この形状測定器で正確に測定した被加工面
の自由曲面形状に基づき、再度修正加工を行える。
【0121】このように、この発明によれば、被加工物
を加工装置から取り外す必要がなく、別途高価な測定装
置を用いて被加工物の形状測定を行う必要がなく、再度
加工装置に被加工物を取り付けて加工を行うというよう
なことをする必要が無い。また、そのために、取り付け
誤差による加工誤差も原理的になくすことができ、加工
精度の向上、形状測定精度の向上、測定時間の短縮、加
工装置の低価格化が可能となる。
【0122】また、一実施形態では、上記送り機構が超
精密送り機構であるので、サブミクロンオーダの精度で
上記測定器の精密な位置補正を行える。
【0123】また、一実施形態では、上記送り機構は、
その送り方向を、上記X軸,Y軸,Z軸,A軸,B軸の方向
に制御することができる。したがって、被加工物の被加
工面の形状を測定する際に、上記各軸の送り方向を制御
することで、非接触形状測定器を、最も精度良く計測で
きる最適な姿勢にすることができる。
【0124】また、一実施形態では、上記形状測定器
で、上記被加工物の形状を測定するときに、上記形状測
定器の姿勢が、上記被加工物の被加工面の測定部位の法
線と所定の角度を保つように、上記送り機構が、上記形
状測定器の角度補正を行う。これにより、上記被加工物
の被加工面がどのような自由曲面形状であっても、被加
工面の加工点の法線と所定の角度を保つように、上記形
状測定器の角度補正を行うことができる。したがって、
被加工物の被測定面の傾きに起因する形状測定の誤差要
因を排除することができ、高精度な三次元形状測定を行
うことが可能となる。
【0125】また、一実施形態では、上記送り機構は、
加工時には、上記被加工物の被加工面に対する上記加工
工具の姿勢が、上記被加工面の加工部位の法線と所定の
角度を保つように、上記加工工具の角度補正を行いなが
ら、上記加工工具によって上記被加工物を加工する。ま
た、形状測定時には、上記被加工面に対する上記形状測
定器の計測姿勢が上記被加工面の加工点の法線と所定の
角度を保つように、上記形状測定器の角度補正を行いな
がら、上記形状測定器によって上記被加工面の加工点の
計測を行う。
【0126】したがって、この実施形態では、加工の際
には、加工工具の1点(同一箇所)で加工を行うことがで
き、かつ、形状測定時には、形状測定器の角度補正を行
い、被測定面の傾きによる形状測定誤差要因を排除する
ことができる。
【0127】また、一実施形態では、送り機構が、形状
測定器を、加工工具の加工軌跡と略同一軌跡をトレース
するように送る。したがって、この形状測定器が測定し
た被加工物との間の距離データは変動の少ない略一定と
なり、この距離データの変動の有る箇所が、加工の修正
が必要となる箇所であることが分かる。したがって、加
工修正が必要な箇所のみ、ピンポイントで修正加工を行
うことができ、加工時間,形状測定時間を大幅に短縮で
きる。
【0128】また、一実施形態では、上記形状測定器
は、レーザ光を利用して、被加工物の形状を計測するか
ら、被加工物に対して、非接触で、被加工物の自由曲面
形状を計測することが可能となる。また、上記形状測定
器の被加工面に対する計測姿勢(位置)が、被加工面の加
工点の法線と常に所定角度を保つように、形状測定器の
角度補正を行いながら、計測を行うことで、被加工面の
傾きによる測定誤差要因を排除でき、高精度な非接触三
次元形状測定を行うことができる。
【0129】また、一実施形態では、上記加工工具を移
動させる送りの軌跡と、加工時の上記加工工具の角度補
正の情報とに基づいて、形状測定時の形状測定器の移動
と角度補正を行うから、加工時の加工工具の軌跡通り
に、形状測定器をトレースさせることが可能となって、
形状測定時間の短縮が可能となる。また、形状測定器
が、レーザ光を利用する場合には、加工時の加工工具の
軌跡通りにトレースすることで、センサー部のフォーカ
スずれが非常に小さくなって、形状測定時間を短縮でき
る。
【0130】また、一実施形態では、上記形状測定器が
上記被加工物の被加工面の形状を測定したデータに基づ
いて、上記加工工具で上記被加工物の被加工面を加工す
るときの上記加工工具の送りを制御するプログラムまた
は数値制御用データを補正する。これにより、被加工物
の被加工面を、容易かつ正確に補正加工できる。
【0131】また、一実施形態では、上記形状測定器
は、上記加工工具を支持するツール台に搭載されている
ので、加工時の加工工具の角度補正情報を基にして、形
状測定時の形状測定器の角度補正を行うことができ、加
工時の加工工具の軌跡通りに形状測定器を移動させるこ
とも容易になり、形状測定時間の短縮が可能である。
【0132】また、一実施形態では、上記形状測定器
は、上記加工工具とは180°反対側を向いて、上記ツ
ール台に搭載されているから、上記形状測定器は、加工
時に加工工具から放出される冷却用のエアー,オイル等
で飛散する加工屑から遠ざけられ、これらが形状測定器
に付着するのを防げる。
【0133】また、一実施形態では、上記被加工物の形
状測定時には、上記超精密送り機構は、加工プログラム
に基づいて、非接触三次元形状測定器を移動させて、上
記被加工物の三次元形状測定を行う。この加工プログラ
ムは、加工工具で被加工物を加工するときに、超精密送
り機構が上記加工工具を移動させる送り制御のプログラ
ムである。
【0134】したがって、この実施形態によれば、非接
触三次元形状測定器を、加工工具の加工時の軌跡と同一
の軌跡に沿って移動させることができる。したがって、
この非接触三次元形状測定器の三次元形状測定データか
ら、実際の加工形状が上記加工プログラムによる目標形
状からずれている量(誤差)を直ちに求めることができ
る。そして、この三次元形状測定データに基づいて、上
記誤差を補うように、上記加工プログラムを修正する。
これにより、加工修正が必要な箇所のみ、ピンポイント
で修正加工を行うことができ、加工時間、形状測定時間
を大幅に短縮できる。
【0135】また、一実施形態では、加工工具が被加工
物を加工したときの軌跡と同一の軌跡をトレースするよ
うに、超精密送り機構で、上記形状測定器を移動させ
て、上記形状測定器で上記被加工物の形状を測定する。
この測定した形状(データ)を基に、上記加工工具の上記
加工時の摩耗量を計測する。そして、この計測した摩耗
量を、即座に、加工プログラムの摩耗補正プログラム
(数値制御用データ)に反映することができる。したがっ
て、加工形状誤差の要因である加工工具の摩耗に対応し
て、送り機構による送りを容易に補正することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の自由曲面加工装置の第1実施形態
を示す正面図である。
【図2】 上記第1実施形態において加工する被加工物
の斜視図である。
【図3】 上記第1実施形態において被加工物を加工し
ている様子を示す詳細図である。
【図4】 上記第1実施形態において被加工物の形状を
測定している様子を示す詳細図である。
【符号の説明】
1…自由曲面加工装置、2…ベース、3…Zステージ、
4…主軸台、5…Xステージ、6…Bステージ、7…Y
ステージ、8…ツール台、9…砥石、10…被加工物、
10a…被加工面、11…ツール部、12…センサー
部、13…対物レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C041 BB24 BB30 CC01 5H269 AB05 AB31 BB03 CC02 CC11 DD01 FF03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工工具を送り機構でもって被加工物に
    対して移動させて、被加工物を加工する加工機におい
    て、 上記送り機構でもって上記被加工物に対して移動させら
    れて、上記被加工物との間の距離を計測することで、上
    記被加工物の形状を計測する形状測定器を備えたことを
    特徴とする自由曲面加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自由曲面加工装置にお
    いて、 上記送り機構は、超精密送り機構であり、 この超精密送り機構で上記測定器の位置補正を行うこと
    を特徴とする自由曲面加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の自由曲面加工
    装置において、 上記送り機構は、その送り方向を、少なくとも、X軸方
    向と、このX軸に直交するY軸方向と、このX軸とY軸
    に直交するZ軸方向と、上記X軸回りの回転方向である
    A方向と、上記Y軸回りの回転方向であるB方向とに制
    御可能であり、 上記形状測定器は、上記被加工物に対して接触せずに上
    記被加工物の形状を測定する非接触形状測定器であり、 この非接触形状測定器は、上記送り機構でもって上記被
    加工物に対して移動させられて、上記被加工物の形状を
    計測するとともに、上記送り機構でもって、位置補正さ
    れることを特徴とする自由曲面加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の自由曲面加工
    装置において、 上記送り機構は、 上記形状測定器で、上記被加工物の形状を測定するとき
    に、上記形状測定器の姿勢が、上記被加工物の被加工面
    の測定部位の法線と所定の角度を保つように、上記形状
    測定器の角度補正を行うことを特徴とする自由曲面加工
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の自由曲面加工
    装置において、 上記送り機構は、 加工時には、上記被加工物の被加工面に対する上記加工
    工具の姿勢が、上記被加工面の加工部位の法線と所定の
    角度を保つように、上記加工工具の角度補正を行いなが
    ら、上記加工工具によって上記被加工物を加工するよう
    にし、 形状測定時には、上記被加工面に対する上記形状測定器
    の計測姿勢が上記被加工面の加工点の法線と所定の角度
    を保つように、上記形状測定器の角度補正を行いなが
    ら、上記形状測定器によって上記被加工面の加工点の計
    測を行うようにすることを特徴とする自由曲面加工装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の自由曲面加工
    装置において、 上記送り機構は、 加工時には、上記被加工物の被加工面に対する上記加工
    工具の加工姿勢が、上記被加工面の加工点の法線と所定
    の角度を保つように、上記加工工具の角度補正を行いな
    がら、上記加工工具を送る一方、 形状測定時には、上記形状測定器の姿勢が、上記被加工
    物の被加工面に対して測定部位の法線と所定の角度を保
    つように、上記形状測定器の角度補正を行いながら、上
    記形状測定器で、上記加工工具による上記被加工物の加
    工軌跡と略同一の軌跡をトレースするように、上記形状
    測定器を送ることを特徴とする自由曲面加工装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    自由曲面加工装置において、 上記形状測定器は、レーザ光を利用して、被加工物の形
    状を計測する形状測定器であることを特徴とする自由曲
    面加工装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の
    自由曲面加工装置において、 上記送り機構は、 上記加工工具が上記被加工物の被加工面を加工するとき
    に上記加工工具を移動させる送りの軌跡と、加工時の上
    記加工工具の角度補正の情報とに基づいて、上記形状測
    定器を移動させ、上記形状測定器の角度補正を行うこと
    を特徴とする自由曲面加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の
    自由曲面加工装置において、 上記送り機構は、その送りがプログラムまたは数値制御
    用データで制御され、 上記形状測定器が上記被加工物の被加工面の形状を測定
    したデータに基づいて、上記加工工具で上記被加工物の
    被加工面を加工するときの上記加工工具のの送りを制御
    するプログラムまたは数値制御用データを補正すること
    を特徴とする自由曲面加工装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1つに記載
    の自由曲面加工装置において、 上記形状測定器は、上記加工工具を支持するツール台に
    搭載されていることを特徴とする自由曲面加工装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の自由曲面加工装置
    において、 上記形状測定器は、上記加工工具とは180°反対側を
    向いて、上記ツール台に搭載されていることを特徴とす
    る自由曲面加工装置。
  12. 【請求項12】 超精密送り機構で加工工具を移動させ
    て、被加工物を加工し、上記超精密送り機構で非接触三
    次元形状測定器を移動させて、上記被加工物の形状を測
    定する自由曲面加工装置による自由曲面加工方法であっ
    て、 上記超精密送り機構は、加工プログラムに基づいて、互
    いに直交するX軸,Y軸,Z軸の方向および上記X軸回り
    のA方向,上記Y軸回りのB方向に、送り制御が可能で
    あり、 上記被加工物の形状測定時には、 上記超精密送り機構でもって、加工プログラムに基づい
    て、非接触三次元形状測定器の姿勢が、上記被加工物の
    被測定部位の法線と所定の角度を保つように、上記非接
    触三次元形状測定器の角度補正を行いつつ、上記非接触
    三次元形状測定器を移動させて、上記被加工物の三次元
    形状測定を行い、 この三次元形状測定データに基づいて、上記加工プログ
    ラムを修正し、 上記超精密送り機構は、この修正した加工プログラムに
    したがって、上記加工工具を移動させて、上記被加工物
    を加工することを特徴とする自由曲面加工方法。
  13. 【請求項13】 超精密送り機構を有する自由曲面加工
    装置による自由曲面加工方法であって、 加工工具が被加工物を加工したときの軌跡と略同一の軌
    跡をトレースするように、上記超精密送り機構で、形状
    測定器を移動させて、上記形状測定器で上記被加工物の
    形状を測定することによって、上記加工工具の上記加工
    時の摩耗量を計測し、 この計測した摩耗量に基づいて、上記超精密送り機構に
    よる上記加工工具の送りを制御する加工プログラム、も
    しくは、上記超精密送り機構による上記加工工具の送り
    を制御する数値制御用データを補正することを特徴とす
    る自由曲面加工方法。
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